霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第75巻(寅の巻)
序文
総説
第1篇 玉野神業
第1章 禊の神事
第2章 言霊の光
第3章 玉藻山
第4章 千条の滝
第5章 山上の祝辞
第6章 白駒の嘶
第2篇 国魂出現
第7章 瑞の言霊
第8章 結の言霊
第9章 千代の鶴
第3篇 真鶴の声
第10章 祈り言
第11章 魂反し
第12章 鶴の訣別(一)
第13章 鶴の訣別(二)
第14章 鶴の訣別(三)
第15章 鶴の訣別(四)
第16章 鶴の訣別(五)
第4篇 千山万水
第17章 西方の旅
第18章 神の道行
第19章 日南河
第20章 岸辺の出迎(一)
第21章 岸辺の出迎(二)
第22章 清浄潔白
第23章 魔の森林
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい|
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
天祥地瑞(第73~81巻)
>
第75巻(寅の巻)
> 第3篇 真鶴の声 > 第15章 鶴の訣別(四)
<<< 鶴の訣別(三)
(B)
(N)
鶴の訣別(五) >>>
第一五章
鶴
(
つる
)
の
訣別
(
わかれ
)
(四)〔一九〇九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第75巻 天祥地瑞 寅の巻
篇:
第3篇 真鶴の声
よみ(新仮名遣い):
まなづるのこえ
章:
第15章 鶴の訣別(四)
よみ(新仮名遣い):
つるのわかれ
通し章番号:
1909
口述日:
1933(昭和8)年11月27日(旧10月10日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
内崎照代
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年2月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
続いて、魂機張の神、結比合の神、美味素の神が述懐の歌を歌った。皆が歌い終わると顕津男の神は馬上から諸神への返答歌を歌った。そこには、諸神への感謝と、たとえ自分は去っても、霊線(たましひ)はここにあって真鶴国を助ける、とあった。また、国事補佐の任にあたる玉野比女には、宮居に仕える神と、補佐神とを降すので安心するように、と諭した。
歌い終わると、顕津男の神は諸神に名残を惜しみつつ、駒に鞭を打って玉藻山を静かに下っていった。
諸神は国境まで見送った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7515
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 363頁
修補版:
校定版:
277頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
魂機張
(
たまきはる
)
の
神
(
かみ
)
は
名残
(
なごり
)
の
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
002
『はろばろも
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へ
今
(
いま
)
ここに
003
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
と
別
(
わか
)
るる
惜
(
を
)
しさよ
004
あきたらず
吾
(
われ
)
は
思
(
おも
)
ふも
岐美
(
きみ
)
に
仕
(
つか
)
へて
005
楽
(
たの
)
しかりしを
今日
(
けふ
)
別
(
わか
)
るとは
006
斯
(
か
)
くあるはかねて
覚
(
さと
)
りつ
今更
(
いまさら
)
に
007
名残
(
なごり
)
惜
(
を
)
しくも
別
(
わか
)
れがてに
居
(
ゐ
)
る
008
栄
(
さか
)
えます
岐美
(
きみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
み
009
別
(
わか
)
るる
今日
(
けふ
)
の
名残
(
なごり
)
惜
(
を
)
しけれ
010
立
(
た
)
ち
別
(
わか
)
れ
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
た
)
め
国
(
くに
)
の
為
(
た
)
め
011
今日
(
けふ
)
より
淋
(
さび
)
しく
仕
(
つか
)
へむと
思
(
おも
)
ふ
012
嘆
(
なげ
)
かじと
思
(
おも
)
ひ
諦
(
あきら
)
め
居
(
ゐ
)
る
身
(
み
)
にも
013
今
(
いま
)
は
堪
(
た
)
へがたくなりにけらしな
014
はしけやし
岐美
(
きみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
今日
(
けふ
)
よりは
015
懐
(
なつか
)
しむよしもなかりけるはや
016
真鶴
(
まなづる
)
の
国
(
くに
)
の
生
(
お
)
ひ
先
(
さき
)
おもひつつ
017
岐美
(
きみ
)
なき
神世
(
みよ
)
をかなしみ
思
(
おも
)
ふ
018
八洲国
(
やしまぐに
)
生言霊
(
いくことたま
)
の
幸
(
さちは
)
ひて
019
岐美
(
きみ
)
の
行手
(
ゆくて
)
の
安
(
やす
)
くあれかし
020
玉藻山
(
たまもやま
)
後
(
あと
)
に
別
(
わか
)
れて
旅立
(
たびだ
)
たす
021
岐美
(
きみ
)
を
一入
(
ひとしほ
)
かなしみ
思
(
おも
)
ふ
022
幾千代
(
いくちよ
)
を
経
(
ふ
)
るとも
吾
(
われ
)
は
忘
(
わす
)
れまじ
023
ゆたけき
岐美
(
きみ
)
に
抱
(
いだ
)
かれし
日
(
ひ
)
を
024
岐美
(
きみ
)
まさぬ
真鶴
(
まなづる
)
の
国
(
くに
)
の
山河
(
やまかは
)
は
025
草木
(
くさき
)
の
端
(
はし
)
までしをれこそすれ
026
白雲
(
しらくも
)
も
今日
(
けふ
)
ははばかり
山裾
(
やますそ
)
に
027
まよひて
岐美
(
きみ
)
のみゆきを
送
(
おく
)
るも
028
八千草
(
やちぐさ
)
の
色
(
いろ
)
も
変
(
かは
)
りて
見
(
み
)
ゆるかな
029
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
旅
(
たび
)
ゆかす
今日
(
けふ
)
は
030
西方
(
にしかた
)
の
国
(
くに
)
ははろけし
岐美
(
きみ
)
が
行
(
ゆ
)
く
031
道
(
みち
)
の
隈手
(
くまで
)
も
恙
(
つつが
)
なかれと
思
(
おも
)
ふ
032
久方
(
ひさかた
)
の
天津
(
あまつ
)
高宮
(
たかみや
)
ゆ
降
(
くだ
)
りましし
033
岐美
(
きみ
)
は
今日
(
けふ
)
より
御姿
(
みすがた
)
見
(
み
)
えずも
034
水
(
みづ
)
清
(
きよ
)
き
千条
(
ちすぢ
)
の
滝
(
たき
)
もとどろきを
035
をさめて
岐美
(
きみ
)
を
送
(
おく
)
るがに
思
(
おも
)
ふ
036
五百鳴
(
いほなり
)
の
鈴
(
すず
)
打
(
う
)
ち
振
(
ふ
)
りて
神
(
かみ
)
も
駒
(
こま
)
も
037
岐美
(
きみ
)
のみゆきを
送
(
おく
)
る
今日
(
けふ
)
なり
038
いさぎよき
岐美
(
きみ
)
の
姿
(
すがた
)
を
背
(
せ
)
に
乗
(
の
)
せて
039
天
(
あめ
)
の
駿馬
(
はやこま
)
勇
(
いさ
)
みいななく
040
現世
(
うつしよ
)
の
総
(
すべ
)
てのものを
生
(
う
)
みまして
041
国土
(
くに
)
つくりをへし
岐美
(
きみ
)
は
畏
(
かしこ
)
し
042
国原
(
くにはら
)
は
未
(
ま
)
だ
稚
(
わか
)
けれど
岐美
(
きみ
)
が
行
(
ゆ
)
く
043
蹄
(
ひづめ
)
のあとは
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
きみのらむ
044
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
駒
(
こま
)
の
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
清
(
きよ
)
く
045
鳴
(
な
)
り
響
(
ひび
)
くらむ
貴
(
うづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
は
046
白雲
(
しらくも
)
の
帳
(
とばり
)
を
開
(
あ
)
けて
月読
(
つきよみ
)
は
047
淡
(
あは
)
き
姿
(
すがた
)
をあらはし
給
(
たま
)
へり
048
月読
(
つきよみ
)
の
御霊
(
みたま
)
に
生
(
あ
)
れし
岐美
(
きみ
)
なれば
049
奴羽玉
(
ぬばたま
)
の
世
(
よ
)
は
永久
(
とは
)
になからむ
050
ふみてゆく
稚国原
(
わかくにはら
)
の
百千草
(
ももちぐさ
)
051
花
(
はな
)
をかざして
岐美
(
きみ
)
を
待
(
ま
)
つらむ
052
むしむして
生
(
お
)
ひ
栄
(
さか
)
えたる
足引
(
あしびき
)
の
053
山野
(
やまぬ
)
の
木草
(
きくさ
)
もしをれ
顔
(
がほ
)
なる
054
縁
(
ゆかり
)
ある
人
(
ひと
)
に
別
(
わか
)
れて
旅立
(
たびだ
)
たす
055
岐美
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
の
雄々
(
をを
)
しさを
思
(
おも
)
ふ
056
産玉
(
うぶだま
)
の
神
(
かみ
)
に
貴御子
(
うづみこ
)
任
(
まか
)
せつつ
057
安
(
やす
)
く
行
(
ゆ
)
きませ
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
058
草
(
くさ
)
も
木
(
き
)
も
葉末
(
はうれ
)
の
色
(
いろ
)
を
変
(
へん
)
じつつ
059
嘆
(
なげ
)
くが
如
(
ごと
)
し
岐美
(
きみ
)
の
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ちを
060
すずやかに
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
を
渡
(
わた
)
る
松風
(
まつかぜ
)
の
061
音
(
おと
)
に
鳴
(
な
)
きたつ
田鶴
(
たづ
)
の
数々
(
かずかず
)
062
清庭
(
すがには
)
に
家鶏鳥
(
かけどり
)
なきて
白梅
(
しらうめ
)
の
063
花
(
はな
)
はこぼれぬ
春
(
はる
)
の
山風
(
やまかぜ
)
に
064
朝
(
あさ
)
に
夕
(
げ
)
に
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りしわが
岐美
(
きみ
)
に
065
別
(
わか
)
るる
今日
(
けふ
)
のおもひはろけし
066
久方
(
ひさかた
)
の
天
(
あめ
)
にかへらす
瑞御霊
(
みづみたま
)
の
067
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
をわれ
祈
(
いの
)
るなり』
068
結比合
(
むすびあはせ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
069
『あはれあはれ
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
を
070
限
(
かぎ
)
りとなして
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
たすか
071
かけまくも
畏
(
かしこ
)
き
神
(
かみ
)
の
出
(
い
)
でましを
072
われは
謹
(
つつし
)
み
寿
(
ことほ
)
ぎ
奉
(
まつ
)
るも
073
さまざまの
悩
(
なや
)
みに
堪
(
た
)
へて
真鶴
(
まなづる
)
の
074
国土
(
くに
)
をつくりし
岐美
(
きみ
)
ぞ
畏
(
かしこ
)
き
075
霊線
(
たましひ
)
の
力
(
ちから
)
のあらむその
限
(
かぎ
)
り
076
つくして
神国
(
みくに
)
を
生
(
う
)
ませし
岐美
(
きみ
)
はも
077
泣
(
な
)
かむとも
止
(
とど
)
むる
術
(
すべ
)
はなかりけり
078
ただ
勇
(
いさ
)
ましく
岐美
(
きみ
)
を
送
(
おく
)
らな
079
花
(
はな
)
匂
(
にほ
)
ふ
弥生
(
やよひ
)
の
春
(
はる
)
も
更
(
ふ
)
けにつつ
080
岐美
(
きみ
)
に
別
(
わか
)
るる
神山
(
みやま
)
淋
(
さび
)
しも
081
迦陵
(
から
)
頻伽
(
びんが
)
の
声
(
こゑ
)
はかすみて
聞
(
きこ
)
ゆなり
082
松
(
まつ
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
もしのばひにつつ
083
山
(
やま
)
の
上
(
へ
)
のこれの
聖所
(
すがど
)
に
永久
(
とこしへ
)
の
084
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
ぐる
今日
(
けふ
)
ぞかなしき
085
まだ
稚
(
わか
)
き
千代鶴
(
ちよつる
)
姫
(
ひめ
)
の
生
(
お
)
ひ
先
(
さ
)
きを
086
われは
守
(
まも
)
らむ
心
(
こころ
)
安
(
やす
)
かれ
087
いきいきて
生
(
い
)
きの
果
(
はて
)
なき
天界
(
かみくに
)
に
088
いや
栄
(
さか
)
えまさむ
千代鶴
(
ちよつる
)
の
命
(
みこと
)
は
089
岐美
(
きみ
)
行
(
ゆ
)
かば
真鶴
(
まなづる
)
の
国
(
くに
)
は
淋
(
さび
)
しからむ
090
ただ
生
(
あ
)
れし
御子
(
みこ
)
を
力
(
ちから
)
とたのむも
091
白妙
(
しろたへ
)
の
薄衣
(
うすぎぬ
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
包
(
つつ
)
まれて
092
命
(
みこと
)
は
日々
(
ひび
)
に
生
(
お
)
ひ
立
(
た
)
ちまさむ
093
千代鶴
(
ちよつる
)
姫
(
ひめ
)
命
(
みこと
)
の
生
(
お
)
ひ
立
(
た
)
ちを
村肝
(
むらきも
)
の
094
心
(
こころ
)
にかけず
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
ちませ
095
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
西方
(
にしかた
)
の
国
(
くに
)
の
境
(
さかひ
)
まで
096
駒
(
こま
)
をうたせて
従
(
したが
)
ひ
奉
(
まつ
)
らむ
097
西方
(
にしかた
)
の
国
(
くに
)
の
境
(
さかひ
)
に
日南河
(
ひなたがは
)
098
広
(
ひろ
)
く
流
(
なが
)
ると
吾
(
われ
)
聞
(
き
)
きしはや
099
滔々
(
たうたう
)
と
流
(
なが
)
るる
水瀬
(
みなせ
)
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り
100
山越
(
やまこ
)
え
野越
(
のこ
)
え
行
(
ゆ
)
きます
岐美
(
きみ
)
はも
101
水火
(
いき
)
と
水火
(
いき
)
稜威
(
いづ
)
に
結
(
むす
)
びし
駒
(
こま
)
なれば
102
日南
(
ひなた
)
の
河瀬
(
かはせ
)
も
安
(
やす
)
く
渡
(
わた
)
らむ
103
いすくはし
天
(
あめ
)
の
白駒
(
しらこま
)
に
鞭
(
むち
)
うちて
104
渡
(
わた
)
らむ
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
の
雄姿
(
みかげ
)
を
思
(
おも
)
ふ
105
魚族
(
うろくづ
)
も
水
(
みづ
)
の
面
(
も
)
に
浮
(
う
)
きて
岐美
(
きみ
)
が
駒
(
こま
)
を
106
迎
(
むか
)
へ
奉
(
まつ
)
らむ
日南
(
ひなた
)
の
河
(
かは
)
に
107
国見
(
くにみ
)
すれば
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
雲
(
くも
)
の
奥
(
おく
)
に
108
かすみて
見
(
み
)
えず
心
(
こころ
)
はろけし
109
澄
(
す
)
みきらひ
澄
(
す
)
みきらひたる
大空
(
おほぞら
)
は
110
岐美
(
きみ
)
のみゆきにふさはしきかも
111
月
(
つき
)
も
日
(
ひ
)
も
光
(
ひかり
)
冴
(
さ
)
えつつ
玉藻山
(
たまもやま
)
を
112
下
(
くだ
)
らす
岐美
(
きみ
)
の
御尾前
(
みをさき
)
照
(
て
)
らせり
113
奴婆玉
(
ぬばたま
)
の
闇
(
やみ
)
を
晴
(
は
)
らして
進
(
すす
)
みます
114
岐美
(
きみ
)
は
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
にぞありける
115
葭葦
(
よしあし
)
の
生
(
お
)
ふる
国原
(
くにはら
)
踏
(
ふ
)
み
別
(
わ
)
けて
116
進
(
すす
)
まむ
道
(
みち
)
に
恙
(
つつが
)
あらすな
117
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
も
道
(
みち
)
の
左右
(
さいう
)
に
冴
(
さ
)
えにつつ
118
岐美
(
きみ
)
のみゆきを
寿
(
ことほ
)
ぎ
奉
(
まつ
)
らむ
119
行
(
ゆ
)
きゆきて
日南
(
ひなた
)
の
河
(
かは
)
の
河岸
(
かはぎし
)
に
120
立
(
た
)
たさむ
日
(
ひ
)
こそ
待
(
ま
)
たれけるかも
121
浮雲
(
うきぐも
)
のあそべる
彼方
(
かなた
)
の
大空
(
おほぞら
)
の
122
下
(
した
)
びに
横
(
よこ
)
たふ
日南河
(
ひなたがは
)
はも
123
億万年
(
よろづよ
)
の
末
(
すゑ
)
まで
国土
(
くに
)
を
固
(
かた
)
めむと
124
心
(
こころ
)
をくだき
給
(
たま
)
ふ
岐美
(
きみ
)
はも
125
八雲
(
やくも
)
立
(
た
)
つ
紫微天界
(
かみのみくに
)
は
皇神国
(
すめらみくに
)
の
126
基
(
もとゐ
)
とおもへば
尊
(
たふと
)
かりけり
127
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
は
億万年
(
ちよよろづよ
)
の
末
(
すゑ
)
までも
128
永遠無窮
(
とは
)
に
主
(
ス
)
の
国
(
くに
)
守
(
まも
)
りますらむ
129
滔々
(
たうたう
)
と
流
(
なが
)
るる
日南
(
ひなた
)
の
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
を
130
やがて
渡
(
わた
)
らす
岐美
(
きみ
)
ぞいさまし
131
よき
事
(
こと
)
に
曲事
(
まがこと
)
いつく
神世
(
みよ
)
なれば
132
心
(
こころ
)
しづかに
岐美
(
きみ
)
進
(
すす
)
みませよ
133
森羅万象
(
もろもろ
)
の
稚
(
わか
)
き
国原
(
くにはら
)
永久
(
とこしへ
)
に
134
固
(
かた
)
めて
生
(
い
)
かす
岐美
(
きみ
)
の
旅
(
たび
)
はや
135
ふくれふくれ
拡
(
ひろ
)
ごり
果
(
はて
)
しなき
国土
(
くに
)
を
136
固
(
かた
)
むる
岐美
(
きみ
)
の
神業
(
みわざ
)
かしこし
137
目路
(
めぢ
)
の
限
(
かぎ
)
り
八雲
(
やくも
)
たちたち
曲神
(
まがかみ
)
は
138
果
(
はて
)
なき
国
(
くに
)
にむらがると
聞
(
き
)
く
139
永久
(
とこしへ
)
の
礎
(
いしずゑ
)
固
(
かた
)
むる
国土生
(
くにう
)
みの
140
神業
(
みわざ
)
仕
(
つか
)
ふる
苦
(
くる
)
しかる
岐美
(
きみ
)
よ
141
かかる
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れあひたる
嬉
(
うれ
)
しさは
142
国土生
(
くにう
)
みの
神業
(
みわざ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
吾
(
われ
)
なり
143
雄々
(
をを
)
しくもあれます
岐美
(
きみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
を
144
今日
(
けふ
)
より
拝
(
をが
)
まむ
術
(
すべ
)
なき
神山
(
みやま
)
よ
145
越国
(
こしぐに
)
の
果
(
はて
)
まで
岐美
(
きみ
)
の
御功
(
みいさを
)
は
146
かがやき
渡
(
わた
)
らふ
月日
(
つきひ
)
とともに
147
上
(
うへ
)
も
下
(
した
)
も
右
(
みぎ
)
も
左
(
ひだり
)
も
打
(
う
)
ち
揃
(
そろ
)
ひ
148
うら
安国
(
やすくに
)
をひらかす
岐美
(
きみ
)
はも
149
永久
(
とこしへ
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
の
生命
(
いのち
)
もて
150
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
たち
守
(
まも
)
らす
岐美
(
きみ
)
なり
151
野
(
の
)
も
山
(
やま
)
も
今日
(
けふ
)
はことさら
明
(
あか
)
るかり
152
岐美
(
きみ
)
の
旅立
(
たびだ
)
ち
守
(
まも
)
らす
月日
(
つきひ
)
に
153
万世
(
よろづよ
)
のほまれとならむ
瑞御霊
(
みづみたま
)
の
154
今日
(
けふ
)
の
苦
(
くる
)
しき
心
(
こころ
)
づかひは
155
百鳥
(
ももどり
)
の
声
(
こゑ
)
勇
(
いさ
)
ましくなりにけり
156
岐美
(
きみ
)
の
出
(
い
)
でましを
諦
(
あきら
)
めにけむ
157
夜昼
(
よるひる
)
の
差別
(
けぢめ
)
もしらに
進
(
すす
)
みます
158
岐美
(
きみ
)
の
功
(
いさを
)
は
世
(
よ
)
の
鏡
(
かがみ
)
なる
159
音
(
おと
)
にきく
天津
(
あまつ
)
高宮
(
たかみや
)
の
荘厳
(
いかし
)
さを
160
おもへば
岐美
(
きみ
)
の
尊
(
たふと
)
くなりぬ
161
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
の
水火
(
いき
)
をつばらに
結
(
むす
)
び
合
(
あは
)
せ
162
あれますかもよ
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は』
163
美味素
(
うましもと
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
164
『うまし
国
(
くに
)
元津
(
もとつ
)
神国
(
みくに
)
を
生
(
う
)
みをへて
165
出
(
い
)
でます
岐美
(
きみ
)
を
止
(
とど
)
むる
術
(
すべ
)
なき
166
諦
(
あきら
)
めてみむと
思
(
おも
)
へど
堪
(
た
)
へやらぬ
167
今日
(
けふ
)
の
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ち
吾
(
われ
)
はかなしも
168
輝
(
かがや
)
ける
岐美
(
きみ
)
の
面
(
おもて
)
は
曇
(
くも
)
らひぬ
169
今
(
いま
)
あらためて
繰言
(
くりごと
)
宣
(
の
)
らじ
170
玉野宮
(
たまのみや
)
に
常永
(
とは
)
に
仕
(
つか
)
ふる
玉野
(
たまの
)
比女
(
ひめ
)
の
171
たすけとならむ
神
(
かみ
)
ぞほしけれ
172
久方
(
ひさかた
)
の
御空
(
みそら
)
は
清
(
きよ
)
く
冴
(
さ
)
えにつつ
173
岐美
(
きみ
)
の
出
(
い
)
でまし
清
(
すが
)
しみ
送
(
おく
)
るも
174
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
命
(
いのち
)
の
限
(
かぎ
)
り
仕
(
つか
)
へむと
175
思
(
おも
)
ひし
岐美
(
きみ
)
は
今
(
いま
)
やたたすも
176
永
(
なが
)
き
世
(
よ
)
の
末
(
すゑ
)
の
末
(
すゑ
)
まで
真心
(
まごころ
)
を
177
捧
(
ささ
)
げて
仕
(
つか
)
へむと
思
(
おも
)
ひたりしよ
178
春
(
はる
)
たちて
夏
(
なつ
)
は
漸
(
やうや
)
く
来向
(
きむか
)
へど
179
何
(
なに
)
か
淋
(
さび
)
しきわれなりにけり
180
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
の
境
(
さかひ
)
に
横
(
よこた
)
はる
181
日南
(
ひなた
)
の
河
(
かは
)
まで
送
(
おく
)
り
奉
(
まつ
)
らむ
182
松
(
まつ
)
を
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
の
響
(
ひびき
)
も
静
(
しづか
)
なり
183
岐美
(
きみ
)
の
出
(
い
)
でまし
松
(
まつ
)
も
惜
(
を
)
しむか
184
四方
(
よも
)
八方
(
やも
)
にふさがる
雲霧
(
くもきり
)
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
185
月日
(
つきひ
)
照
(
て
)
らして
出
(
い
)
でます
岐美
(
きみ
)
はも
186
若草
(
わかぐさ
)
の
妻
(
つま
)
のみことを
後
(
あと
)
におきて
187
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
たさむ
岐美
(
きみ
)
を
偲
(
しの
)
ぶも
188
五百鈴
(
いほすず
)
の
音
(
ね
)
は
冴
(
さ
)
えにつつ
駿馬
(
はやこま
)
は
189
早
(
はや
)
たたむとや
勇
(
いさ
)
み
出
(
い
)
でけり
190
きぎす
啼
(
な
)
くこの
高山
(
たかやま
)
の
頂上
(
いただき
)
に
191
われは
千歳
(
ちとせ
)
をおもひてなみだす
192
白雲
(
しらくも
)
のたなびく
遠
(
とほ
)
き
国原
(
くにはら
)
に
193
出
(
い
)
でます
岐美
(
きみ
)
に
別
(
わか
)
るる
惜
(
を
)
しさよ
194
わが
力
(
ちから
)
とみに
落
(
お
)
ちたる
心地
(
ここち
)
して
195
岐美
(
きみ
)
を
送
(
おく
)
らむ
国境
(
くにざかひ
)
まで
196
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
は
曲神
(
まがかみ
)
沢
(
さは
)
ありと
197
聞
(
き
)
けば
一入
(
ひとしほ
)
こころわづらふ
198
滝津瀬
(
たきつせ
)
の
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
れはさかしとも
199
おそれ
給
(
たま
)
はじ
御稜威
(
みいづ
)
の
岐美
(
きみ
)
は
200
幾千代
(
いくちよ
)
の
末
(
すゑ
)
の
末
(
すゑ
)
まで
神々
(
かみがみ
)
の
201
かたらひ
草
(
ぐさ
)
とならむ
今日
(
こ
)
の
日
(
ひ
)
は
202
生
(
う
)
みの
子
(
こ
)
のいや
次
(
つ
)
ぎ
次
(
つ
)
ぎに
至
(
いた
)
るまで
203
かたり
伝
(
つた
)
へむ
今日
(
けふ
)
の
別
(
わか
)
れを
204
奇
(
くし
)
びなる
生言霊
(
いくことたま
)
の
幸
(
さちは
)
ひに
205
真鶴
(
まなづる
)
の
国土
(
くに
)
はうまらになりぬ
206
澄
(
す
)
みきらふ
瑞
(
みづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
幸
(
さちは
)
ひて
207
真鶴
(
まなづる
)
の
国土
(
くに
)
は
固
(
かた
)
まりにけり
208
罪穢
(
つみけが
)
れかげだにもなきわが
岐美
(
きみ
)
の
209
行
(
ゆ
)
く
先
(
さ
)
き
先
(
ざ
)
きにさやるものなし
210
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
の
水火
(
いき
)
と
水火
(
いき
)
とに
温
(
あたた
)
めて
211
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は
御子
(
みこ
)
を
生
(
う
)
ませり
212
二柱
(
ふたはしら
)
水火
(
いき
)
を
合
(
あは
)
せて
国魂
(
くにたま
)
の
213
神
(
かみ
)
を
生
(
う
)
ませしことの
尊
(
たふと
)
さ
214
紫
(
むらさき
)
の
雲
(
くも
)
は
次
(
つ
)
ぎ
次
(
つ
)
ぎ
重
(
かさな
)
りて
215
玉藻
(
たまも
)
の
山
(
やま
)
を
包
(
つつ
)
まひにけり
216
夢
(
ゆめ
)
なれや
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
現
(
あ
)
れましし
217
日
(
ひ
)
より
百日
(
ももか
)
の
日
(
ひ
)
はたちにけり
218
美
(
うるは
)
しき
山
(
やま
)
となりけり
玉野湖
(
たまのうみ
)
の
219
底
(
そこ
)
はかわきて
傾斜面
(
なぞへ
)
となりぬ
220
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
尊
(
たふと
)
き
言霊
(
ことたま
)
もたす
岐美
(
きみ
)
の
221
功
(
いさを
)
は
天界
(
みくに
)
の
宝
(
たから
)
なりけり
222
葭葦
(
よしあし
)
を
踏
(
ふ
)
み
別
(
わ
)
け
進
(
すす
)
ますわが
岐美
(
きみ
)
の
223
旅
(
たび
)
はまさしく
幸
(
さち
)
多
(
おほ
)
からむ
224
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
ウの
言霊
(
ことたま
)
に
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でて
225
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
に
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りし
226
天地
(
あめつち
)
の
生
(
う
)
みの
司
(
つかさ
)
と
任
(
ま
)
けられし
227
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
功
(
いさを
)
美
(
うる
)
はし
228
瑞御霊
(
みづみたま
)
七十五声
(
ななそまりいつつ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
229
真鶴
(
まなづる
)
国土
(
くに
)
を
生
(
う
)
みましにけり
230
地
(
つち
)
稚
(
わか
)
くふくれ
上
(
あが
)
りし
真鶴
(
まなづる
)
の
231
国土
(
くに
)
はやうやく
固
(
かた
)
まり
初
(
そ
)
めたり
232
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えぬ
国土
(
くに
)
の
果
(
はて
)
まで
言霊
(
ことたま
)
の
233
幸
(
さち
)
にうるほふ
神世
(
みよ
)
は
尊
(
たふと
)
き
234
神々
(
かみがみ
)
はゑらぎ
楽
(
たの
)
しみ
真鶴
(
まなづる
)
の
235
国土
(
くに
)
の
千歳
(
ちとせ
)
を
祝
(
いは
)
ふなるらむ
236
斯
(
か
)
くまでも
固
(
かた
)
め
給
(
たま
)
ひし
真鶴
(
まなづる
)
の
237
国土
(
くに
)
汚
(
けが
)
さじと
吾
(
われ
)
は
仕
(
つか
)
へむ
238
惜
(
を
)
しむとも
詮術
(
せんすべ
)
なけれ
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
239
御旨
(
みむね
)
にしたがひたたす
岐美
(
きみ
)
なり
240
木
(
き
)
も
草
(
くさ
)
も
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
現
(
あ
)
れし
日
(
ひ
)
ゆ
241
光
(
ひかり
)
を
増
(
ま
)
して
栄
(
さか
)
え
初
(
そ
)
めけり
242
栄
(
さか
)
えゆく
神世
(
みよ
)
寿
(
ことほ
)
ぐか
真鶴
(
まなづる
)
も
243
常磐
(
ときは
)
の
松
(
まつ
)
にさやかにうたふ
244
今
(
いま
)
ははや
迦陵
(
かりよう
)
頻伽
(
びんが
)
も
真鶴
(
まなづる
)
も
245
家鶏鳥
(
かけす
)
の
鳴
(
な
)
く
音
(
ね
)
も
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
りけり
246
百鳥
(
ももどり
)
も
岐美
(
きみ
)
の
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ちあきらめて
247
神国
(
みくに
)
のためと
勇
(
いさ
)
むなるらむ
248
遠
(
とほ
)
き
近
(
ちか
)
き
国土
(
くに
)
のことごと
守
(
まも
)
ります
249
岐美
(
きみ
)
の
功
(
いさを
)
ぞたふとかりけり
250
長閑
(
のどか
)
なる
春
(
はる
)
の
終
(
をは
)
りを
旅立
(
たびだ
)
たす
251
岐美
(
きみ
)
の
行手
(
ゆくて
)
に
匂
(
にほ
)
へ
百花
(
ももばな
)
252
万世
(
よろづよ
)
のほまれなりけり
玉藻山
(
たまもやま
)
の
253
今日
(
けふ
)
の
別
(
わか
)
れは
国土生
(
くにう
)
みの
為
(
ため
)
と
254
百鳥
(
ももどり
)
は
千歳
(
ちとせ
)
を
歌
(
うた
)
ひ
百千草
(
ももちぐさ
)
は
255
神世
(
みよ
)
寿
(
ことほ
)
ぎて
風
(
かぜ
)
にそよげる
256
国土生
(
くにう
)
みの
神業
(
みわざ
)
の
御供
(
みとも
)
仕
(
つか
)
へつつ
257
今日
(
けふ
)
は
悲
(
かな
)
しき
別
(
わか
)
れするかも
258
大空
(
おほぞら
)
の
雲
(
くも
)
かき
別
(
わ
)
けて
天津陽
(
あまつひ
)
は
259
岐美
(
きみ
)
が
行手
(
ゆくて
)
を
照
(
て
)
らさせ
給
(
たま
)
へる』
260
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は、
261
馬上
(
ばじやう
)
より
諸神
(
しよしん
)
に
向
(
むか
)
ひ
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
262
『
百神
(
ももがみ
)
の
心
(
こころ
)
かしこしわれは
今
(
いま
)
263
今日
(
けふ
)
の
門出
(
かどで
)
にかたじけなみ
思
(
おも
)
ふ
264
わが
姿
(
すがた
)
ここに
見
(
み
)
えねど
霊線
(
たましひ
)
は
265
永久
(
とは
)
に
鎮
(
しづ
)
めて
国土
(
くに
)
を
守
(
まも
)
らむ
266
玉野宮
(
たまのみや
)
に
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
る
267
神
(
かみ
)
をくだして
形見
(
かたみ
)
とやせむ
268
玉野
(
たまの
)
比女
(
ひめ
)
心
(
こころ
)
安
(
やす
)
かれ
汝
(
な
)
が
為
(
ため
)
に
269
たすくる
神
(
かみ
)
のいまや
降
(
くだ
)
らむ』
270
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
271
諸神
(
しよしん
)
に
名残
(
なごり
)
を
惜
(
を
)
しみつつ
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うち、
272
玉藻山
(
たまもやま
)
の
傾斜面
(
なぞへ
)
を
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
折
(
を
)
れ
曲
(
まが
)
りて
静
(
しづか
)
に
下
(
くだ
)
らせ
給
(
たま
)
ふ。
273
百神
(
ももがみ
)
は
各自
(
おのもおのも
)
国境
(
くにざかひ
)
まで
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へむとして
駒
(
こま
)
にまたがり、
274
御尾前
(
みをさき
)
に
仕
(
つか
)
へ
給
(
たま
)
ふ。
275
さり
乍
(
なが
)
ら
国中
(
くになか
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
を
守
(
まも
)
りつつ、
276
千代鶴
(
ちよつる
)
姫
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
を
育
(
はぐ
)
くまむと
駿馬
(
はやこま
)
に
跨
(
またが
)
りかへらせ
給
(
たま
)
ひ、
277
玉野
(
たまの
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
玉藻山
(
たまもやま
)
に
残
(
のこ
)
りて、
278
大宮
(
おほみや
)
に
親
(
した
)
しく
仕
(
つか
)
へ
給
(
たま
)
ふぞ
畏
(
かしこ
)
けれ。
279
(
昭和八・一一・二七
旧一〇・一〇
於水明閣
内崎照代
謹録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 鶴の訣別(三)
(B)
(N)
鶴の訣別(五) >>>
霊界物語
>
天祥地瑞(第73~81巻)
>
第75巻(寅の巻)
> 第3篇 真鶴の声 > 第15章 鶴の訣別(四)
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第15章 鶴の訣別|第75巻|天祥地瑞|霊界物語|/rm7515】
合言葉「みろく」を入力して下さい→