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第一一章 魂反(たまがへ)し〔一九〇五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第75巻 天祥地瑞 寅の巻 篇:第3篇 真鶴の声 よみ(新仮名遣い):まなづるのこえ
章:第11章 魂反し よみ(新仮名遣い):たまがえし 通し章番号:1905
口述日:1933(昭和8)年11月26日(旧10月9日) 口述場所:更生館 筆録者:出口王仁 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年2月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
顕津男の神は、如衣比女の御魂を招こうと、八種の神歌を歌い、鎮魂際を行った。
招魂の神歌を歌うと、如衣比女の神の神霊がたちまち感応来格し、他神の目にも明らかに姿を見ることができるようになった。
顕津男の神は、如衣比女の事があってから自らの心を戒め立て直し、真鶴国の神業をなすことができたと、如衣比女の功をたたえる為に招魂したことを歌う。
如衣比女は、幽界に生きて、神業を守ろうと歌い返す。顕津男の神は、この先も守り助けたまえと呼びかけ、如衣比女を歌い送る。如衣比女は神馬にまたがり、空の雲を押し分けて天津高日の宮へ帰っていった。
神々はそれぞれ、この不思議に述懐の歌を歌った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm7511
愛善世界社版: 八幡書店版:第13輯 344頁 修補版: 校定版:204頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 太元(おほもと)顕津男(あきつを)(かみ)は、002如衣(ゆくえ)比女(ひめ)(かみ)御魂(みたま)(まね)くとして、003八種(やくさ)神歌(みうた)(うた)ひ、004鎮魂祭(ちんこんさい)(おこな)(たま)ふその御歌(みうた)
 
005   (一)
006 アチメ オオオオ アメツチニ
007 キユラカスハ サユラカス カミハカモ
008 カミコソハ キネキコウ キユラカス
009   (二)
010 アチメ オオオオ イソノカミ
011 フルノヤシロノ タチモカト
012 ネカフソノコニ ソノタテマツル
013   (三)
014 アチメ オオオ サツヲラガ
015 モタキノマユミ オクヤマニ
016 ミカリスラシモ ユミノハスユミ
017   (四)
018 アチメ オオオ ノボリマス
019 トヨヒルメガ ミタマホス
020 モトハカナホコ スエハキホコ
021   (五)
022 アチメ オオオ ミワヤマニ
023 アリタテル チガサヲ
024 イマサカエデハ イツカサカエム
025   (六)
026 アチメ オオオ ワキモコガ
027 アナシノヤマノ ヤマヒトト
028 ヒトモミルカニ ミヤマカツラセヨ
029   (七)
030 アチメ オオオ タマハコニ
031 ユウトリシデテ タマチトラセヨ
032 ミタマカリ タマカリマカリ
033 マシシカミハ イマゾキマセル
034   (八)
035 アチメ オオオ ミタマカリ
036 イニマシシカミハ イマゾキマセル
037 タマハコモチテ サリタルミタマ タマカヤシスヤナ
 
038 ()招魂(せうこん)神歌(みうた)をうたひ(たま)ふや、039如衣(ゆくえ)比女(ひめ)(かみ)神霊(しんれい)(たちま)感応(かんおう)来格(らいかく)して、040春風(しゆんぷう)(いた)芳香(はうかう)(くん)じ、041常磐樹(ときはぎ)(まつ)前後(ぜんご)左右(さいう)()(うご)きて、042他神(たしん)()にも歴然(れきぜん)御姿(みすがた)(はい)()るに(いた)れり。043(ここ)顕津男(あきつを)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)はく。
044神去(かむさ)りし如衣(ゆくえ)比女神(ひめがみ)大前(おほまへ)
045(めづら)御姿(かげ)(あらは)(たま)へり
046(われ)(とも)()りし()()(くら)ぶれば
047一入(ひとしほ)御姿(すがた)たふとくおはすも
048四柱(よはしら)御子(みこ)()みをへし今日(けふ)()
049(いは)ひて比女(ひめ)御魂(みたま)(まね)きぬ
050霊界(れいかい)によし()しますともわが(つく)
051紫微天界(たかあまはら)(まも)らせたまへ
052如衣(ゆくえ)比女(ひめ)(かみ)神去(かむさ)りましてより
053われは(こころ)()(なほ)したり
054(きみ)(たま)わが身辺(しんぺん)(まも)りますか
055今日(けふ)まで事無(ことな)神業(みわざ)(つか)へし
056朝夕(あさゆふ)(きみ)(した)ひしわが(たま)
057神業(みわざ)せはしくかへりみざりき
058(やうや)くに真鶴(まなづる)(くに)()りたれば
059(きみ)(いさを)をおもひてまねきし
060()りし()(こと)(おも)()比女(ひめ)(たま)
061わが真心(まごころ)()(まつ)りける』
062 如衣(ゆくえ)比女(ひめ)神霊(しんれい)は、063しとやかに御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
064何事(なにごと)()大神(おほかみ)御心(みこころ)
065御魂(みたま)となりてわれ(つか)へゐるも
066瑞御霊(みづみたま)われを(まね)かす真心(まごころ)
067ほだされ此処(ここ)(くだ)りつるはや
068八雲(やくも)()出雲(いづも)(くも)八重雲(やへくも)
069かきわけ玉藻(たまも)(やま)(くだ)りし
070身体(からたま)大蛇(をろち)()まれ()するとも
071わが魂線(たましひ)生命(いのち)永久(とは)なり
072中津滝(なかつたき)にわが魂線(たましひ)(あら)はれて
073罪穢(つみけが)れなき今日(けふ)身軽(みがる)
074幽界(かくりよ)(われ)()()きて瑞御霊(みづみたま)
075大御(おほみ)神業(みわざ)(まも)りまつらむ
076千代鶴(ちよつる)(ひめ)(みこと)()()朝夕(あさゆふ)
077岐美(きみ)御霊(みたま)(おも)ひて(まも)らむ
078(たの)みなき顕世(うつしよ)(われ)のがれ()でて
079永久(とは)生命(いのち)天国(みくに)(さか)えつ
080八十(やそ)比女神(ひめがみ)御魂(みたま)(まも)りて()(かみ)
081よさしの神業(みわざ)あななひまつらむ
082いざさらば雲路(くもぢ)()けて(かへ)るべし
083()(かみ)います天津(あまつ)高宮(たかみや)
084()ひなづむ(こころ)なけれど(わか)れゆく
085このたまゆらの()しまるるかな』
086 顕津男(あきつを)(かみ)御歌(みうた)
087()てしなき紫微天界(たかあまはら)(うち)にして
088水火(いき)水火(いき)とを(あは)せたる(きみ)
089天路(あまぢ)はろか(くだ)()まして(いま)()ぐに
090(かへ)らす(きみ)()しくも(おも)
091()(かみ)のよさしの神業(みわざ)をへぬれば
092われも天界(みくに)(のぼ)らむと(おも)
093久方(ひさかた)天津(あまつ)高宮(たかみや)()(かみ)
094御前(みまへ)()ふしくわれなりにけり
095真鶴(まなづる)(くに)はやうやく(うま)れたり
096この()()きの(なや)みを如何(いか)にせむ
097さまざまの(なや)みにあひて国土(くに)(つく)
098われをたすけよ如衣(ゆくえ)比女(ひめ)御魂(みたま)
099 如衣(ゆくえ)比女(ひめ)(かみ)(かろ)御姿(みすがた)(あらは)しながら、100御空(みそら)(くも)()()神馬(しんめ)(またが)り、101いういうとして、102天津(あまつ)高日(たかひ)(みや)のあなたをさして(かへ)らせ(たま)ひぬ。
103 玉野(たまの)比女(ひめ)(かみ)は、104そのやさしく神々(かうがう)しき御姿(みすがた)(はい)しまつりて、105御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
106(かしこ)しや如衣(ゆくえ)比女(ひめ)(かみ)御魂(みたま)
107紫微宮(しびきう)(さま)(つぶ)さに()らせり
108(あふ)ぎみるさへも(まばゆ)きばかりなる
109如衣(ゆくえ)比女(ひめ)姿(すがた)たふとき
110生死(いきしに)差別(けぢめ)さへなき天界(てんかい)
111(さと)りてわれは神世(みよ)(たの)しむ
112(まか)りたる(かみ)姿(すがた)(あらは)して
113言霊(ことたま)()らす神世(みよ)(かしこ)
114朝夕(あさゆふ)(たま)(いづみ)(みそぎ)して
115(きよ)まりし()にうつらす御姿(みすがた)
116(たましひ)幾万代(いくよろづよ)(すゑ)までも
117()きてはたらく(よし)(さと)りぬ
118(われ)(いま)(とし)さびぬれど魂線(たましひ)
119生命(いのち)(わき)きを(おも)へば(たの)しも
120生替(いきかは)死替(しにかは)りつつ(かみ)()
121永久(とは)(つか)へて国土(くに)(まも)らむ
122中津滝(なかつたき)大蛇(をろち)(はら)()ふられし
123如衣(ゆくえ)比女(ひめ)()きてゐませし
124顕津男(あきつを)(かみ)(かな)しき御心(みこころ)
125(おも)へば()らず(なみだ)こぼるる
126(とり)()(なが)(わか)れと(おも)ひてし
127如衣(ゆくえ)比女(ひめ)岐美(きみ)はあひませり』
128 生代(いくよ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
129神去(かむさ)りし如衣(ゆくえ)比女(ひめ)御姿(みすがた)
130いま()のあたり(をが)みて(おどろ)きぬ
131かねてよりかかる(ためし)のある(こと)
132()けども今更(いまさら)おどろきにけり
133久方(ひさかた)天津(あまつ)高宮(たかみや)(つか)へます
134如衣(ゆくえ)比女神(ひめがみ)御姿(みすがた)(すが)しも
135顕津男(あきつを)(かみ)御心(みこころ)()しはかり
136われは(おも)はず(なみだ)にくれたり
137()()きて(かみ)御殿(みとの)(つか)へます
138如衣(ゆくえ)比女(ひめ)(さち)(おも)ふも
139愛善(あいぜん)天界(てんかい)なれば⦿()(かみ)
140(あつ)(こころ)(まも)られにけむ
141生死(いきしに)のなき天界(てんかい)(たま)()
142生命(いのち)(たも)()こそ(さち)なれ』
143 遠見男(とほみを)(かみ)御歌(みうた)
144玉藻山(たまもやま)(うは)岩根(いはね)清庭(すがには)
145天降(あも)りて御言(みこと)()(たま)比女(ひめ)
146(かく)()()ませし(かみ)瑞御霊(みづみたま)
147生言霊(いくことたま)によみがへり()しぬ
148たまきはる生命(いのち)常永(とは)天国(てんごく)
149(たも)ちて神業(みわざ)(つか)ふる比女神(ひめがみ)
150愛善(あいぜん)(ひかり)(とく)()たされし
151神国(みくに)神人(かみ)姿(すがた)やさしも
152御子生(みこう)みの神業(かむわざ)をへて神国(かみくに)
153のぼりし神人(かみ)姿(すがた)()きたり
154玉藻山(たまもやま)()清庭(すがには)天降(あも)りたる
155如衣(ゆくえ)比女神(ひめがみ)のいとしき(こころ)
156瑞御霊(みづみたま)(かみ)(こころ)雄々(をを)しさよ
157すべての執着(おもひで)()(はら)ひつつ』
158 宇礼志穂(うれしほ)(かみ)御歌(みうた)
159足引(あしびき)(やま)()()禊身(みそぎ)して
160(まか)りし神人(かみ)()ひし不思議(ふしぎ)
161(まか)りたる神人(かみ)(おも)ひしを()のあたり
162()ける御姿(みすがた)(をが)みけるかも
163(たま)()()きの(いのち)()てしなきを
164()つつ天界(みくに)()れしを(うれ)しむ
165真鶴(まなづる)(くに)()()でし目出度(めでた)さに
166天降(あも)()しけむ如衣(ゆくえ)比女(ひめ)(かみ)
167生代(いくよ)比女(ひめ)(かみ)(さぞ)かし(うれ)しからむ
168国魂神(くにたまがみ)()やすく()まして
169御子(みこ)()れし玉藻(たまも)(やま)頂上(いただき)
170(たま)(かみ)()()れし(うれ)しさ
171みまかりし(かみ)御山(みやま)(くだ)りきて
172御子(みこ)()れますを寿(ことほ)(たま)へり』
173 美波志(みはし)比古(ひこ)(かみ)御歌(みうた)
174久方(ひさかた)(そら)にも御橋(みはし)(かか)れるか
175如衣(ゆくえ)比女神(ひめがみ)往来(ゆきき)ましけり
176久方(ひさかた)(あめ)浮橋(うきはし)(わた)らひて
177天津(あまつ)高宮(たかみや)(かへ)らす女神(めがみ)はも
178真鶴(まなづる)(くに)やうやくに(かた)まりて
179(まか)れる(かみ)もことほぎに(きた)
180目出度(めでた)さの(かぎ)りなるかも真鶴(まなづる)
181国魂神(くにたまがみ)産声(うぶごゑ)()えにつ
182瑞御霊(みづみたま)御魂反(みたまがへ)しの()(ごと)
183如衣(ゆくえ)比女神(ひめがみ)(あま)かけり()ませる
184言霊(ことたま)御稜威(みいづ)(ちから)今更(いまさら)
185(さと)らひにけり魂反(たまがへ)しの祝詞(のりと)
186村肝(むらきも)(こころ)(ただ)しき神司(みつかさ)
187生言霊(いくことたま)神妙(くしび)なるかも』
188 産玉(うぶだま)(かみ)御歌(みうた)
189『かくり()(かみ)(きた)りて玉藻山(たまもやま)
190御子(みこ)()れし()をことほぎ(たま)へり
191神妙(くすし)くもあるかな(すで)身死(みまか)りし
192(かみ)天降(あも)りて(くに)(いの)らす
193顕津男(あきつを)(かみ)(くる)しき御心(みこころ)
194(しの)びまつれば(われ)()(がた)きも
195(つち)(わか)国土(くに)()()ぎに(かた)まりて
196隠世(かくりよ)(かみ)さへ天降(あも)()しぬる』
197 魂機張(たまきはる)(かみ)御歌(みうた)
198魂機張(たまきは)神人(かみ)神言(みこと)(たふと)さよ
199生死(いきしに)一如(ひとつ)(さか)()てなき
200万有(ものみな)主宰(つかさ)()れし神人(かみ)()
201とこしへまでも(ほろ)びざるべし
202常遠(とことは)生命(いのち)(たも)ちて天界(かみくに)
203神業(みわざ)(つか)ふる神人(かみ)(さち)なる
204鎮魂(たましづ)八種(やくさ)神言(かみごと)()りまして
205(まか)れる神人(かみ)()(たま)ひしはや
206言霊(ことたま)天照(あまて)(たす)くる(くに)なれば
207()かる(ためし)もあるべかりける
208千代鶴(ちよつる)(ひめ)(みこと)()れますこの(やま)
209(つる)のうたへる(こゑ)()めるも
210幾千年(いくちとせ)万年(よろづとせ)まで(ひめ)(みこと)
211しづまりいまして国土(くに)(まも)りませ』
212 美味素(うましもと)(かみ)御歌(みうた)
213天国(てんごく)(たふと)(くに)甘美(うま)(くに)
214常永(とは)生死(いきしに)(さかひ)なければ
215()()きて()きの(さか)えの()てしなき
216天津(あまつ)神国(みくに)住居(すまゐ)たのしも
217(われ)(いま)生死(いきしに)一如(ひとつ)真諦(まさみち)
218(さと)りて(こころ)(いさ)()つなり
219久方(ひさかた)天津(あまつ)高宮(たかみや)ゆはろばろと
220天降(あも)りし(かみ)(こころ)(うる)はし
221愛善(あいぜん)天津(あまつ)神国(みくに)真諦(まさみち)
222いま()のあたり()つつ(たの)しも
223(たま)()生命(いのち)永久(とは)(ほろ)びざるを
224(さと)今日(けふ)こそ(たの)しき(われ)なり
225(つち)(わか)玉藻(たまも)(やま)(やま)()
226(まか)りし(かみ)御姿(みかげ)をがめり
227瑞御霊(みづみたま)生言霊(いくことたま)(あぢ)はひに
228天降(あも)(たま)ひぬ如衣(ゆくえ)比女神(ひめがみ)
229(あい)(ぜん)(しん)(しん)をも(むね)として
230()れし天国(みくに)歓喜(よろこび)(その)なり
231とこしへの生命(いのち)(たも)天界(かみくに)
232(うま)れし(さち)をたふとみ(おも)ふも』
233 結比合(むすびあはせ)(かみ)御歌(みうた)
234久方(ひさかた)御空(みそら)(たか)しあらがねの
235大地(おほぢ)(ひろ)生命(いのち)はながしも
236生死(いきしに)(わか)ちなき天界()(うま)れあひて
237(たの)しきものは言霊(ことたま)(さち)なり』
238 国中(くになか)比古(ひこ)(かみ)御歌(みうた)
239(つち)(わか)真鶴国(まなづるくに)国中(くになか)
240(めづら)しき神事(みわざ)をろがみにけり
241アチメオオ オオ魂反(たまがへ)しの(わざ)
242如衣(ゆくえ)比女神(ひめがみ)天降(あも)りましけり』
243昭和八・一一・二六 旧一〇・九 於更生館 出口王仁識)
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