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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第77巻(辰の巻)
序文
第1篇 万里の海原
第1章 天馬行空
第2章 天地七柱
第3章 狭野の食国
第4章 狭野の島生み
第5章 言霊生島
第6章 田族島着陸
第2篇 十一神将
第7章 万里平定
第8章 征魔の出陣
第9章 馬上征誦
第10章 樹下の雨宿
第11章 望月の影
第12章 月下の森蔭
第3篇 善戦善闘
第13章 五男三女神
第14章 夜光の眼球
第15章 笹原の邂逅
第16章 妖術破滅
第17章 剣槍の雨
第18章 国津女神
第19章 邪神全滅
第20章 女神の復命
第4篇 歓天喜地
第21章 泉の森出発
第22章 歓声満天(一)
第23章 歓声満天(二)
第24章 会者定離
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>
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第77巻(辰の巻)
> 第1篇 万里の海原 > 第1章 天馬行空
<<< 序文
(B)
(N)
天地七柱 >>>
第一章
天馬
(
てんば
)
行空
(
かうくう
)
〔一九三三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰の巻
篇:
第1篇 万里の海原
よみ(新仮名遣い):
までのうなばら
章:
第1章 天馬行空
よみ(新仮名遣い):
てんばこうくう
通し章番号:
1933
口述日:
1933(昭和8)年12月12日(旧10月25日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月30日
概要:
舞台:
東河の岸辺
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
八十曲津の神たちは、真賀の湖水の計略を朝香比女に破られ、あべこべにその多くが魚貝に姿を変えられてしまい、国津神たちの食料と定められてしまった。そのため何としても比女を陥れようと、高地秀山の峰より流れる東河の岸辺に、無数の大蛇となって、比女を待ち構えていた。
朝香比女はつらつらと透かして見れば、東河の水面一帯に大蛇が横たわり、その鱗に月光が輝いているのが見えた。
従者の狭野彦は、そうとは気づかず、麗しき河の流れと思って歎美の歌を歌い、瀬踏みをしようとした。
朝香比女はそれを厳しく押し止め、言霊歌によってその危険を明らかにし、知らせた。すると、四方八方よりウーウーウーとウ声の言霊が響き渡り、川面に群がり塞いでいた幾千万の大蛇は、次第次第に姿を細め、消えてしまった。
狭野彦は驚いて、朝香比女の言霊の威力をたたえる歌を歌った。
朝香比女はそれに答えて、大河の水が強く馬では渡りかねるので、大空を駆けて河を渡ろう、と歌った。
狭野彦は驚いて、国津神である自分が、どうやって空を飛べるのですか、と歌で問うた。すると、空中に歌で答える神があり、鋭敏鳴出(うなりづ)の神であると名乗り現れた。
高地秀宮の神司である鋭敏鳴出の神は、ひそかに朝香比女に随行してその行く手を守っていたのであった。朝香比女は感謝の歌で迎えた。鋭敏鳴出の神は、曲津神の砦が多くあることを注意すると、再び姿を消した。
朝香比女は、タトツテチの言霊によって自分と狭野彦の馬に翼を生じさせ、いとも簡単に広河の激流を渡った。狭野彦は天津神の活動を目の当たりにし、驚嘆の歌を歌った。
朝香比女は鋭敏鳴出の神の加護を感謝し、一方狭野彦は、天津神の功徳に心を勇み立たせ、二人は霞が立ち込める国稚原を進んで行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7701
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 587頁
修補版:
校定版:
3頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
高地秀
(
たかちほ
)
山
(
やま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
002
八柱神
(
やはしらがみ
)
と
仕
(
つか
)
へたる
003
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
唯
(
ただ
)
一騎
(
いつき
)
004
諸神
(
ももがみ
)
等
(
たち
)
の
諫言
(
かんげん
)
を
005
耳
(
みみ
)
にもかけず
雄々
(
をを
)
しくも
006
曲津
(
まがつ
)
の
猛
(
たけ
)
る
大野原
(
おほのはら
)
007
果
(
はて
)
しもしらに
縹渺
(
へうべう
)
と
008
雲霧
(
くもきり
)
わけて
種々
(
くさぐさ
)
の
009
艱
(
なや
)
みの
坂
(
さか
)
を
越
(
こ
)
えながら
010
由緒
(
ゆゐしよ
)
の
深
(
ふか
)
き
栄城山
(
さかきやま
)
011
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
に
登
(
のぼ
)
り
顕津男
(
あきつを
)
の
012
神
(
かみ
)
の
遺跡
(
ゐせき
)
を
追懐
(
つゐくわい
)
し
013
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
大宮
(
おほみや
)
に
014
神言
(
かみごと
)
宣
(
の
)
らせやうやうに
015
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
に
仕
(
つか
)
へたる
016
諸神
(
ももがみ
)
等
(
たち
)
に
暇
(
いとま
)
乞
(
ご
)
ひ
017
又
(
また
)
もや
独
(
ひと
)
り
大野原
(
おほのはら
)
018
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うち
出
(
い
)
でたまふ
019
日
(
ひ
)
も
黄昏
(
たそがれ
)
になりし
時
(
とき
)
020
八十
(
やそ
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
驚
(
おどろ
)
きて
021
比女
(
ひめ
)
の
前途
(
ぜんと
)
をさやらむと
022
曲
(
まが
)
の
力
(
ちから
)
のありたけを
023
尽
(
つく
)
して
広
(
ひろ
)
き
沼
(
ぬま
)
となり
024
横
(
よこた
)
はれるぞ
忌
(
いま
)
はしき
025
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
はこれを
見
(
み
)
て
026
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
027
生言霊
(
いくことたま
)
を
発射
(
はつしや
)
して
028
沼
(
ぬま
)
と
変
(
かは
)
りし
曲津見
(
まがつみ
)
を
029
永遠
(
えいゑん
)
無窮
(
むきう
)
に
封
(
ふう
)
じこめ
030
曲
(
まが
)
の
化身
(
けしん
)
の
大巌
(
おほいは
)
を
031
忽
(
たちま
)
ち
舟
(
ふね
)
と
変
(
へん
)
ぜしめ
032
駒
(
こま
)
諸共
(
もろとも
)
に
悠々
(
いういう
)
と
033
月
(
つき
)
照
(
て
)
りかがよふ
夜
(
よる
)
の
湖
(
うみ
)
034
彼方
(
あなた
)
の
岸
(
きし
)
に
着
(
つ
)
きたまひ
035
再
(
ふたた
)
び
御舟
(
みふね
)
は
巌
(
いは
)
となり
036
名
(
な
)
さへ
目出度
(
めでた
)
き
御舟巌
(
みふねいは
)
037
南
(
みなみ
)
の
岸辺
(
きしべ
)
にそばだてり
038
頃
(
ころ
)
しもあれや
東
(
ひむがし
)
の
039
空
(
そら
)
はやうやく
東雲
(
しのの
)
めて
040
遠
(
とほ
)
く
聞
(
きこ
)
ゆる
家鶏
(
かけ
)
の
声
(
こゑ
)
041
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
の
住
(
す
)
む
家
(
いへ
)
の
042
近
(
ちか
)
づきけりと
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
043
沼
(
ぬま
)
を
変
(
へん
)
じて
湖
(
うみ
)
となし
044
真賀
(
まが
)
の
湖水
(
こすゐ
)
と
名
(
な
)
づけつつ
045
岸辺
(
きしべ
)
を
鞭
(
むち
)
うち
進
(
すす
)
みます
046
雄姿
(
ゆうし
)
水面
(
みのも
)
にさかさまに
047
駒
(
こま
)
諸共
(
もろとも
)
に
写
(
うつ
)
らひて
048
其
(
その
)
雅
(
みやび
)
なる
御姿
(
みすがた
)
は
049
名画
(
めいぐわ
)
もかくやと
思
(
おも
)
はれぬ
050
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
051
大野
(
おほの
)
の
奥
(
おく
)
に
霞
(
かす
)
みたる
052
丘
(
をか
)
の
麓
(
ふもと
)
に
駒
(
こま
)
打
(
う
)
たせ
053
急
(
いそ
)
ぎたまへば
狭野
(
さぬ
)
の
里
(
さと
)
054
ここに
住
(
す
)
まへる
諸々
(
もろもろ
)
の
055
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
諸共
(
もろとも
)
に
056
天津空
(
あまつそら
)
より
比女神
(
ひめがみ
)
の
057
降
(
くだ
)
らせたまふと
喜
(
よろこ
)
びて
058
誠
(
まこと
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
しつつ
059
いと
懇
(
ねもごろ
)
に
迎
(
むか
)
へけり
060
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
駿馬
(
はやこま
)
の
061
背
(
せな
)
より
下
(
くだ
)
らせたまひつつ
062
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
に
生活
(
せいくわつ
)
の
063
道
(
みち
)
伝
(
つた
)
へまし
火
(
ひ
)
を
切
(
き
)
りて
064
すべてのものを
焼
(
や
)
きて
食
(
く
)
ふ
065
火食
(
くわしよく
)
の
道
(
みち
)
を
伝
(
つた
)
へまし
066
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
の
酋長
(
かしら
)
なる
067
狭野彦
(
さぬひこ
)
一人
(
ひとり
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
068
再
(
ふたた
)
び
広
(
ひろ
)
き
荒野原
(
あらのはら
)
069
雲霧
(
くもきり
)
わけて
出
(
い
)
でませば
070
前途
(
ぜんと
)
を
擁
(
よう
)
して
横
(
よこた
)
はる
071
東
(
あづま
)
の
河
(
かは
)
の
河岸
(
かはぎし
)
に
072
黄昏
(
たそが
)
るる
頃
(
ころ
)
やすやすと
073
辿
(
たど
)
りたまへば
新月
(
しんげつ
)
の
074
光
(
ひかり
)
は
空
(
そら
)
にきらりきらり
075
輝
(
かがや
)
きわたり
比女神
(
ひめがみ
)
の
076
前途
(
ぜんと
)
を
守
(
まも
)
らせたまふなり
077
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
078
恩頼
(
みたまのふゆ
)
こそ
畏
(
かしこ
)
けれ。
079
八十
(
やそ
)
曲津見
(
まがつみ
)
は、
080
真賀
(
まが
)
の
湖水
(
こすゐ
)
の
計略
(
けいりやく
)
に
破
(
やぶ
)
れ、
081
部下
(
ぶか
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
は、
082
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
に
封
(
ふう
)
じ
込
(
こ
)
められて、
083
大部分
(
だいぶぶん
)
魚貝
(
ぎよかひ
)
と
身
(
み
)
を
変
(
へん
)
じ、
084
永遠
(
えいゑん
)
に
湖底
(
こてい
)
の
住所
(
ぢうしよ
)
を
与
(
あた
)
へられ、
085
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
の
日常
(
にちじやう
)
の
食物
(
しよくもつ
)
と
定
(
さだ
)
められければ、
086
八十
(
やそ
)
曲津見
(
まがつみ
)
は
憤慨
(
ふんがい
)
の
極
(
きよく
)
、
087
無念
(
むねん
)
骨髄
(
こつずゐ
)
に
徹
(
てつ
)
し、
088
如何
(
いか
)
にもして
比女神
(
ひめがみ
)
の
前途
(
ぜんと
)
に
遮
(
さや
)
り、
089
災禍
(
わざはひ
)
を
加
(
くは
)
へむと
千思
(
せんし
)
万慮
(
ばんりよ
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
090
高地秀
(
たかちほ
)
山
(
やま
)
の
峰
(
みね
)
より
落
(
お
)
つる
東河
(
あづまがは
)
の
岸辺
(
きしべ
)
より、
091
無数
(
むすう
)
の
大蛇
(
をろち
)
となりて
比女神
(
ひめがみ
)
を
艱
(
なや
)
ましまつるべく、
092
手具脛
(
てぐすね
)
ひいて
待
(
ま
)
ち
居
(
ゐ
)
たるなりけり。
093
東河
(
あづまがは
)
の
激流
(
げきりう
)
は
折
(
をり
)
から
輝
(
かがや
)
く
新月
(
しんげつ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされて
数多
(
あまた
)
の
星
(
ほし
)
を
流
(
なが
)
せしごとく、
094
浪頭
(
なみがしら
)
はキララキララと
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
る
美
(
うるは
)
しき
流
(
なが
)
れなり。
095
比女神
(
ひめがみ
)
はつらつら
透
(
す
)
かし
見給
(
みたま
)
へば、
096
東河
(
あづまがは
)
の
水面
(
すゐめん
)
一帯
(
いつたい
)
に
大蛇
(
をろち
)
横
(
よこた
)
はり、
097
浪頭
(
なみがしら
)
に
星
(
ほし
)
の
輝
(
かがや
)
くよと
見
(
み
)
えしは
何
(
いづ
)
れも
大蛇
(
をろち
)
の
鱗
(
うろこ
)
なりける。
098
鱗
(
うろこ
)
の
一枚
(
いちまい
)
々々
(
いちまい
)
に
月光
(
つきかげ
)
輝
(
かがや
)
き
得
(
え
)
も
言
(
い
)
はれぬ
美
(
うるは
)
しき
光
(
ひかり
)
の
流
(
なが
)
れなりけり。
099
狭野彦
(
さぬひこ
)
は
大蛇
(
をろち
)
の
横
(
よこた
)
はり
鱗
(
うろこ
)
の
光
(
ひか
)
れりとは
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
らず、
100
さも
美
(
うるは
)
しき
流
(
なが
)
れやと
歎美
(
たんび
)
しながら
歌
(
うた
)
を
詠
(
よ
)
む。
101
『
美
(
うるは
)
しき
東
(
あづま
)
の
河
(
かは
)
の
流
(
なが
)
れかな
102
浪
(
なみ
)
のまにまに
月
(
つき
)
かがよへり
103
比女神
(
ひめがみ
)
の
御共
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へまつりてゆ
104
かく
美
(
うるは
)
しき
夜河
(
よかは
)
を
見
(
み
)
るも
105
たうたうと
流
(
なが
)
るる
東
(
あづま
)
の
大河
(
おほかは
)
の
106
夜
(
よる
)
の
眺
(
なが
)
めはまたと
世
(
よ
)
になし
107
駿馬
(
はやこま
)
の
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
りてこの
流
(
なが
)
れ
108
渡
(
わた
)
ると
思
(
おも
)
へば
心
(
こころ
)
清
(
すが
)
しも』
109
「いざさらば、
110
狭野彦
(
さぬひこ
)
瀬踏
(
せぶ
)
みを
致
(
いた
)
さむ」と
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うち
出
(
い
)
で
立
(
た
)
たむとするを、
111
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
厳
(
きび
)
しく
止
(
とど
)
めて、
112
御歌
(
みうた
)
もて
知
(
し
)
らせ
給
(
たま
)
ふ。
113
『
狭野彦
(
さぬひこ
)
の
眼
(
まなこ
)
は
広
(
ひろ
)
き
河浪
(
かはなみ
)
の
114
月
(
つき
)
にさゆると
見
(
み
)
ゆるなるらむ
115
河浪
(
かはなみ
)
と
見
(
み
)
ゆるは
何
(
いづ
)
れも
曲津見
(
まがつみ
)
の
116
変化
(
へんげ
)
の
蛇
(
へび
)
の
鱗
(
うろこ
)
なるぞや
117
数限
(
かずかぎ
)
りなき
蛇
(
へび
)
の
鱗
(
うろこ
)
に
大空
(
おほぞら
)
の
118
月
(
つき
)
のかがやく
光
(
ひかり
)
と
知
(
し
)
らずや
119
此
(
この
)
河
(
かは
)
に
駒
(
こま
)
を
入
(
い
)
るれば
忽
(
たちま
)
ちに
120
大蛇
(
をろち
)
の
餌食
(
ゑじき
)
となりて
亡
(
ほろ
)
びむ
121
一
(
ひと
)
二
(
ふた
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
いつ
)
六
(
むゆ
)
七
(
なな
)
八
(
や
)
九
(
ここの
)
十
(
たり
)
122
百
(
もも
)
千
(
ち
)
万
(
よろづ
)
千万
(
ちよろづ
)
の
123
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
ここに
出
(
い
)
でまして
124
八十
(
やそ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
曲業
(
まがわざ
)
を
125
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らし
126
追
(
お
)
ひやらひませ
惟神
(
かむながら
)
127
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
が
誠心
(
まごころ
)
を
128
捧
(
ささ
)
げて
祈
(
いの
)
り
奉
(
たてまつ
)
る』
129
かく
歌
(
うた
)
はせ
給
(
たま
)
ふや、
130
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
より、
131
ウーウーウーとウ
声
(
ごゑ
)
の
言霊
(
ことたま
)
響
(
ひび
)
き
渡
(
わた
)
り、
132
大河
(
おほかは
)
の
面
(
おも
)
を
群
(
むら
)
がり
塞
(
ふさ
)
ぎたる
幾千万
(
いくせんまん
)
の
大蛇
(
をろち
)
は
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
姿
(
すがた
)
を
細
(
ほそ
)
め、
133
見
(
み
)
る
見
(
み
)
る
影
(
かげ
)
も
形
(
かたち
)
も
消
(
き
)
えうせて、
134
青
(
あを
)
みだちたる
水
(
みづ
)
滔々
(
たうたう
)
と
月
(
つき
)
に
照
(
て
)
らされ
深
(
ふか
)
く
広
(
ひろ
)
く
流
(
なが
)
れゐる。
135
狭野彦
(
さぬひこ
)
は
驚
(
おどろ
)
きて、
136
『
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
珍
(
めづら
)
しき
137
智慧
(
てり
)
に
大蛇
(
をろち
)
は
看破
(
みやぶ
)
られける
138
かくのごと
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
とは
知
(
し
)
らずして
139
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へし
吾
(
われ
)
恥
(
は
)
づかしも
140
曲津見
(
まがつみ
)
は
数万
(
すまん
)
の
大蛇
(
をろち
)
と
身
(
み
)
を
変
(
へん
)
じ
141
禍
(
わざはひ
)
せむと
待
(
ま
)
ち
居
(
ゐ
)
たるはや
142
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
この
河岸
(
かはぎし
)
に
黄昏
(
たそが
)
れて
143
八十
(
やそ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
曲業
(
まがわざ
)
を
見
(
み
)
し
144
曲神
(
まがかみ
)
の
八十
(
やそ
)
のたくみは
賢
(
さか
)
しくも
145
真言
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
には
叶
(
かな
)
はざりける
146
大河
(
おほかは
)
の
流
(
なが
)
れと
見
(
み
)
しは
曲津見
(
まがつみ
)
の
147
大蛇
(
をろち
)
に
化
(
ば
)
けし
姿
(
すがた
)
なりける
148
かくならば
吾
(
われ
)
は
恐
(
おそ
)
れじ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
149
神
(
かみ
)
にしたがひ
河
(
かは
)
渡
(
わた
)
るとも
150
駿馬
(
はやこま
)
の
勢
(
いきほひ
)
如何
(
いか
)
に
強
(
つよ
)
くとも
151
御稜威
(
みいづ
)
ならではこの
河
(
かは
)
渡
(
わた
)
れじ』
152
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
153
『
高地秀
(
たかちほ
)
の
峰
(
みね
)
より
落
(
お
)
つる
東河
(
あづまがは
)
の
154
水瀬
(
みなせ
)
は
強
(
つよ
)
く
駒
(
こま
)
は
進
(
すす
)
まず
155
神力
(
しんりき
)
はいかに
強
(
つよ
)
くも
東
(
ひむがし
)
の
156
この
大河
(
おほかは
)
は
駒
(
こま
)
なやむなり
157
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
生言霊
(
いくことたま
)
の
光
(
ひかり
)
にて
158
大空
(
おほぞら
)
かけり
河
(
かは
)
渡
(
わた
)
らむと
思
(
おも
)
ふ』
159
狭野彦
(
さぬひこ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
160
『
如何
(
いか
)
にして
御空
(
みそら
)
をかけり
渡
(
わた
)
りますか
161
吾
(
われ
)
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
は
詮術
(
せんすべ
)
なしも
162
公
(
きみ
)
こそは
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
なり
大空
(
おほぞら
)
を
163
渡
(
わた
)
らせたまふはさぞ
安
(
やす
)
からむ
164
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
狭野彦
(
さぬひこ
)
われは
肉体
(
にくたい
)
の
165
重
(
おも
)
きを
如何
(
いか
)
に
空
(
そら
)
渡
(
わた
)
るべき』
166
『
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
御尾前
(
みをさき
)
守
(
まも
)
りつつ
167
しのびしのびて
御供
(
みとも
)
につかへぬ
168
今
(
いま
)
宣
(
の
)
りしウ
声
(
ごゑ
)
の
清
(
きよ
)
き
言霊
(
ことたま
)
は
169
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
のすさびなりしよ』
170
と
空中
(
くうちう
)
に
御声
(
みこゑ
)
聞
(
きこ
)
えて
間
(
ま
)
もあらず、
171
霧
(
きり
)
の
中
(
なか
)
より
白馬
(
しらこま
)
に
跨
(
またが
)
り、
172
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
悠々
(
いういう
)
と
下
(
くだ
)
り
給
(
たま
)
ひし
神
(
かみ
)
あり。
173
よくよく
見
(
み
)
れば
御
(
おん
)
言霊
(
ことたま
)
にたがはず、
174
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮
(
みや
)
の
神司
(
かむつかさ
)
と
任
(
ま
)
けられし
英雄神
(
えいゆうしん
)
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
雄姿
(
ゆうし
)
なりける。
175
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るより、
176
『
汝
(
なれ
)
こそは
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮
(
みや
)
の
神司
(
かむづかさ
)
177
われを
守
(
まも
)
りし
功
(
いさを
)
をよろこぶ
178
狭葦河
(
さゐかは
)
の
曲津
(
まが
)
のなやみを
言向
(
ことむ
)
けし
179
著
(
しる
)
き
功
(
いさを
)
は
汝
(
な
)
が
神
(
かみ
)
守
(
も
)
りけむ
180
曲神
(
まがかみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
奸計
(
たくみ
)
は
破
(
やぶ
)
れけり
181
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
汝
(
なれ
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
に
182
いざさらば
此
(
この
)
広河
(
ひろかは
)
を
向
(
むか
)
つ
岸
(
ぎし
)
に
183
進
(
すす
)
みて
月
(
つき
)
の
下
(
した
)
びをすすまむ』
184
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
185
『
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
危
(
あやふ
)
さを
186
悟
(
さと
)
りて
吾
(
われ
)
は
追
(
お
)
ひしきにけり
187
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
畏
(
かしこ
)
み
御尾前
(
みをさき
)
を
188
かくれて
吾
(
われ
)
は
守
(
まも
)
り
居
(
ゐ
)
しはや
189
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
は
遥
(
はろ
)
けしこの
前
(
さき
)
に
190
曲津
(
まが
)
の
砦
(
とりで
)
は
許々多
(
ここだ
)
ありつつ
191
曲神
(
まがかみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
砦
(
とりで
)
を
悉
(
ことごと
)
く
192
はふり
行
(
ゆ
)
きませ
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
へ
193
いざさらば
吾
(
われ
)
は
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
すべし
194
道
(
みち
)
の
隈手
(
くまで
)
もやすくましませ』
195
かく
歌
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふと
見
(
み
)
るや、
196
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
は、
197
忽
(
たちま
)
ち
煙
(
けむり
)
となりて
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せにける。
198
狭野彦
(
さぬひこ
)
は
驚
(
おどろ
)
きて、
199
『
天界
(
かみくに
)
は
怪
(
あや
)
しき
事
(
こと
)
の
重
(
かさ
)
なれる
200
国土
(
くに
)
と
思
(
おも
)
へど
驚
(
おどろ
)
きにけり
201
久方
(
ひさかた
)
の
天津神
(
あまつかみ
)
等
(
たち
)
の
活動
(
はたらき
)
を
202
見
(
み
)
つつ
吾
(
わが
)
魂
(
たま
)
ゆるぎ
初
(
そ
)
めけり』
203
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
204
『
狭野彦
(
さぬひこ
)
の
驚
(
おどろ
)
きうべなり
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
205
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
らぬ
神業
(
みわざ
)
の
国土
(
くに
)
は
206
国土
(
くに
)
を
生
(
う
)
み
国魂神
(
くにたまがみ
)
を
生
(
う
)
みてゆく
207
神
(
かみ
)
の
神業
(
みわざ
)
はことさら
怪
(
あや
)
しき
208
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
眼
(
まなこ
)
ゆ
見
(
み
)
れば
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
209
怪
(
あや
)
しき
神
(
かみ
)
の
群
(
むれ
)
にぞありける』
210
かく
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
211
『
吾
(
わが
)
乗
(
の
)
れる
駒
(
こま
)
よ
狭野彦
(
さぬひこ
)
の
駒
(
こま
)
よ
212
翼
(
つばさ
)
生
(
はや
)
せよ
大
(
おほい
)
なる
翼
(
つばさ
)
を
213
生
(
は
)
えよ
生
(
は
)
えよ
大
(
おほい
)
なる
翼
(
つばさ
)
214
此
(
この
)
駿馬
(
はやこま
)
の
天馬
(
てんば
)
となりて
215
空
(
そら
)
をゆくまで』
216
と
幾度
(
いくたび
)
も
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
したまひ、
217
『タトツテチ、
218
ハホフヘヒ』
219
と
声
(
こゑ
)
爽
(
さは
)
やかに
宣
(
の
)
らせたまへば、
220
不思議
(
ふしぎ
)
やこの
駒
(
こま
)
は
大
(
おほい
)
なる
翼
(
つばさ
)
を
生
(
はや
)
しける。
221
比女神
(
ひめがみ
)
は
狭野彦
(
さぬひこ
)
と
共
(
とも
)
に
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
り
給
(
たま
)
へば、
222
天馬
(
てんば
)
は
巨大
(
きよだい
)
なる
翼
(
つばさ
)
を
空中
(
くうちう
)
に
摶
(
う
)
ちながら、
223
見
(
み
)
も
届
(
とど
)
かぬ
広河
(
ひろかは
)
の
激流
(
げきりう
)
を
遥
(
はる
)
か
眼下
(
がんか
)
に
眺
(
なが
)
めつつ、
224
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
は
翼
(
つばさ
)
をキラキラと
光
(
ひか
)
らし、
225
得
(
え
)
も
言
(
い
)
はれぬ
愉快
(
ゆくわい
)
さに
満
(
みた
)
されて、
226
向
(
むか
)
つ
岸辺
(
きしべ
)
に
難
(
なん
)
なく
着
(
つ
)
かせ
給
(
たま
)
ひける。
227
狭野彦
(
さぬひこ
)
は
驚歎
(
きやうたん
)
措
(
お
)
く
能
(
あた
)
はず、
228
『
吾
(
わが
)
駒
(
こま
)
は
翼
(
つばさ
)
生
(
はや
)
せて
鳥
(
とり
)
となり
229
御空
(
みそら
)
を
翔
(
か
)
けて
河
(
かは
)
わたりせり
230
比女神
(
ひめがみ
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
の
功績
(
いさをし
)
に
231
わが
乗
(
の
)
る
駒
(
こま
)
は
鳥
(
とり
)
となりけり
232
比女神
(
ひめがみ
)
の
駒
(
こま
)
は
天馬
(
てんば
)
となりかはり
233
御空
(
みそら
)
に
清
(
きよ
)
くかがやきたまひし
234
天国
(
てんごく
)
の
旅
(
たび
)
なる
吾
(
われ
)
の
楽
(
たの
)
しさを
235
語
(
かた
)
り
伝
(
つた
)
へむ
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
に
236
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
現
(
あ
)
れまして
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
に
237
満
(
み
)
つる
大蛇
(
をろち
)
を
退
(
しりぞ
)
けたまへり
238
比女神
(
ひめがみ
)
の
影
(
かげ
)
につき
添
(
そ
)
ふ
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
239
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
の
尊
(
たふと
)
きろかも』
240
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
241
『
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
に
守
(
まも
)
られて
242
吾
(
われ
)
つつがなく
此処
(
ここ
)
に
来
(
こ
)
しはや
243
吾
(
わが
)
駒
(
こま
)
に
翼
(
つばさ
)
生
(
お
)
ひしも
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
244
神
(
かみ
)
のかくれし
功
(
いさを
)
なりける
245
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
を
今更
(
いまさら
)
に
246
われは
悟
(
さと
)
りて
恥
(
は
)
づかしみ
思
(
おも
)
ふ
247
今
(
いま
)
よりは
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
神宣
(
みことのり
)
248
力
(
ちから
)
と
頼
(
たの
)
みて
荒野
(
あらの
)
を
進
(
すす
)
まむ
249
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
狭野彦
(
さぬひこ
)
伴
(
ともな
)
ひ
吾
(
わが
)
伊行
(
いゆ
)
く
250
旅
(
たび
)
の
行手
(
ゆくて
)
を
案
(
あん
)
じつつ
居
(
ゐ
)
る
251
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
は
御空
(
みそら
)
をゆけど
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
は
252
荒金
(
あらがね
)
の
地
(
つち
)
ふみゆく
身
(
み
)
なれば
253
吾
(
わが
)
駒
(
こま
)
の
翼
(
つばさ
)
はいつか
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて
254
野辺
(
のべ
)
の
草葉
(
くさば
)
に
嘶
(
いなな
)
き
初
(
そ
)
めたり
255
狭野彦
(
さぬひこ
)
の
駒
(
こま
)
も
翼
(
つばさ
)
をひそめつつ
256
息
(
いき
)
をやすめて
草
(
くさ
)
はみて
居
(
を
)
り
257
東
(
ひむがし
)
の
河
(
かは
)
は
漸
(
やうや
)
く
渡
(
わた
)
りぬれど
258
わが
行
(
ゆ
)
くさきに
海原
(
うなばら
)
横
(
よこ
)
たふ
259
この
海
(
うみ
)
は
魔
(
ま
)
の
大海
(
おほうみ
)
とたたへられ
260
八十
(
やそ
)
曲津見
(
まがつみ
)
の
群
(
むら
)
がれると
聞
(
き
)
く
261
吾
(
わが
)
伊行
(
いゆ
)
く
道
(
みち
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
悉
(
ことごと
)
く
262
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
して
岐美許
(
きみがり
)
進
(
すす
)
まむ
263
初夏
(
はつなつ
)
の
風
(
かぜ
)
は
吹
(
ふ
)
けどもどことなく
264
この
国原
(
くにはら
)
はうすら
寒
(
さむ
)
きも』
265
狭野彦
(
さぬひこ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
266
『どこまでも
比女神
(
ひめがみ
)
の
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へむと
267
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
の
勇
(
いさ
)
みたつかも
268
いかならむ
曲津見
(
まがみ
)
の
禍
(
わざはひ
)
さやるとも
269
吾
(
われ
)
は
恐
(
おそ
)
れじ
比女神
(
ひめがみ
)
の
功
(
いさを
)
に』
270
かく
狭野彦
(
さぬひこ
)
は、
271
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
神徳
(
しんとく
)
を
讃美
(
さんび
)
しながら、
272
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
り
御後
(
みあと
)
より
果
(
はて
)
しなく
霞
(
かすみ
)
立
(
た
)
ち
籠
(
こ
)
むる
稚国原
(
わかくにはら
)
を
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
273
(
昭和八・一二・一二
旧一〇・二五
於大阪分院蒼雲閣
加藤明子
謹録)
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天地七柱 >>>
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天祥地瑞(第73~81巻)
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【第1章 天馬行空|第77巻|天祥地瑞|霊界物語|/rm7701】
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