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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第77巻(辰の巻)
序文
第1篇 万里の海原
第1章 天馬行空
第2章 天地七柱
第3章 狭野の食国
第4章 狭野の島生み
第5章 言霊生島
第6章 田族島着陸
第2篇 十一神将
第7章 万里平定
第8章 征魔の出陣
第9章 馬上征誦
第10章 樹下の雨宿
第11章 望月の影
第12章 月下の森蔭
第3篇 善戦善闘
第13章 五男三女神
第14章 夜光の眼球
第15章 笹原の邂逅
第16章 妖術破滅
第17章 剣槍の雨
第18章 国津女神
第19章 邪神全滅
第20章 女神の復命
第4篇 歓天喜地
第21章 泉の森出発
第22章 歓声満天(一)
第23章 歓声満天(二)
第24章 会者定離
余白歌
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>
天祥地瑞(第73~81巻)
>
第77巻(辰の巻)
> 第3篇 善戦善闘 > 第17章 剣槍の雨
<<< 妖術破滅
(B)
(N)
国津女神 >>>
第一七章
剣槍
(
けんさう
)
の
雨
(
あめ
)
〔一九四九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰の巻
篇:
第3篇 善戦善闘
よみ(新仮名遣い):
ぜんせんぜんとう
章:
第17章 剣槍の雨
よみ(新仮名遣い):
けんそうのあめ
通し章番号:
1949
口述日:
1933(昭和8)年12月16日(旧10月29日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
白石恵子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
保宗比古の神は、進軍歌を歌いながら、谷間伝いに登っていたが、霊山比古が追い払った曲津神の巌が、前後左右に、ものすごい音を立てて落下してきた。その巌つぶての中に、御樋代神・田族比女の神が、巌に圧せられている様が見えた。
とっさに助けに出ようとする保宗比古だったが、空より「待て」と大喝一声が聞こえた。保宗比古は、御樋代神は泉の森の本営にいることを思い起こし、これは曲津神の計略であることを悟ったのである。
保宗比古は、その計略を見破ったと歌に歌うと、曲津神は必死の力を集め、攻撃をはじめた。にわかに黒雲が沸き起こってあたりも見えないほどの闇となり、雨がざっと降り出し風は巌も吹き散らすほどとなり、槍の雨、剣の雨を保宗比古の身辺に降らせた。
保宗比古は猛烈な邪気に囲まれて呼吸もつまり、言霊を使用することもできなくなり、あやうく曲津神のために死に至ろうという状態になってしまった。
そこへ、泉の森の方から、巨大な火光がごうごうと大音響を立て、天地を震動させながら、保宗比古の神の頭上高く光り、前後左右に舞い狂った。すると、谷間の邪気、雨、槍剣の嵐もたちまちに止み、太陽の光がくまなく照りわたった。保宗比古はたちまち心身爽快となって、大勇猛心によみがえった。
保宗比古は、思い上がりの心が曲津神に付け入る隙を与えたことを反省し、また御樋代神の神力をたたえ感謝し、今の戦いを述懐しながら、神言を宣りあげつつ、魔棲ケ谷の森林さして、登って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7717
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 664頁
修補版:
校定版:
289頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
『
主
(
ス
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
生
(
な
)
り
出
(
い
)
でし
002
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
の
中
(
なか
)
にして
003
万里
(
ばんり
)
の
海
(
うみ
)
に
浮
(
うか
)
びたる
004
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
は
地
(
つち
)
稚
(
わか
)
く
005
国内
(
くぬち
)
未
(
いま
)
だに
定
(
さだ
)
まらず
006
雲霧
(
くもきり
)
四方
(
よも
)
に
塞
(
ふさ
)
がりて
007
時
(
とき
)
じく
邪鬼
(
じやき
)
は
跳梁
(
てうりやう
)
し
008
森羅万象
(
すべてのもの
)
の
生命
(
せいめい
)
を
009
損
(
そこな
)
ひ
破
(
やぶ
)
る
忌々
(
ゆゆ
)
しさに
010
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
と
生
(
あ
)
れませる
011
田族
(
たから
)
の
比女
(
ひめ
)
の
神柱
(
かむばしら
)
012
此
(
この
)
土
(
ど
)
の
司
(
つかさ
)
とましまして
013
森羅万象
(
すべてのもの
)
を
守
(
まも
)
らむと
014
万里
(
まで
)
ケ
丘
(
をか
)
なる
聖所
(
すがどこ
)
に
015
仮
(
かり
)
の
御舎
(
みあらか
)
建
(
た
)
て
給
(
たま
)
ひ
016
十柱神
(
とはしらがみ
)
を
従
(
したが
)
へて
017
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
太祝詞
(
ふとのりと
)
018
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
へど
如何
(
いかが
)
せむ
019
国土
(
くに
)
の
初
(
はじ
)
めに
生
(
うま
)
れたる
020
邪気
(
じやき
)
のかたまり
太刀膚
(
たちはだ
)
の
021
醜
(
しこ
)
の
竜神
(
たつがみ
)
大蛇
(
をろち
)
等
(
ら
)
は
022
吾物顔
(
わがものがほ
)
に
跳梁
(
てうりやう
)
し
023
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
は
常闇
(
とこやみ
)
の
024
淋
(
さび
)
しき
世界
(
せかい
)
となりにけり
025
田族
(
たから
)
の
比女
(
ひめ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
026
この
惨状
(
さんじやう
)
を
除
(
のぞ
)
かむと
027
いよいよ
十柱
(
とはしら
)
神々
(
かみがみ
)
を
028
従
(
したが
)
へ
泉
(
いづみ
)
の
森林
(
しんりん
)
に
029
其
(
そ
)
の
本営
(
ほんえい
)
を
定
(
さだ
)
めまし
030
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
南側
(
なんそく
)
の
031
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
に
立
(
た
)
て
籠
(
こも
)
る
032
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
に
言霊
(
ことたま
)
の
033
征矢
(
そや
)
を
放
(
はな
)
ちつ
照
(
て
)
らさせつ
034
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
八柱
(
やはしら
)
神司
(
かむづかさ
)
035
いよいよ
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
の
奥深
(
おくふか
)
く
036
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ふ
今日
(
けふ
)
こそは
037
天地
(
あまつち
)
開
(
ひら
)
けしはじめより
038
例
(
ためし
)
もあらぬ
神業
(
かむわざ
)
ぞ
039
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
040
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
の
041
水火
(
いき
)
の
幸
(
さちは
)
ひいちじるく
042
八十
(
やそ
)
の
曲津
(
まがつ
)
を
悉
(
ことごと
)
く
043
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
せ
此
(
こ
)
の
国土
(
くに
)
の
044
雲霧
(
うんむ
)
も
隈
(
くま
)
なく
掃蕩
(
さうたう
)
し
045
心安国
(
うらやすくに
)
の
心安
(
うらやす
)
く
046
生
(
い
)
きとし
生
(
い
)
けるものみなの
047
生命
(
いのち
)
を
永久
(
とは
)
に
守
(
まも
)
るべく
048
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
に
極
(
きは
)
みなき
049
生命
(
いのち
)
と
光
(
ひかり
)
を
賜
(
たま
)
へかし
050
谷
(
たに
)
の
流
(
なが
)
れは
淙々
(
そうそう
)
と
051
木霊
(
こだま
)
に
響
(
ひび
)
き
山風
(
やまかぜ
)
は
052
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
前途
(
ぜんと
)
に
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
ぶ
053
八十
(
やそ
)
の
曲津
(
まがつ
)
は
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
の
054
言霊戦
(
ことたまいくさ
)
に
辟易
(
へきえき
)
し
055
周章
(
しうしやう
)
狼狽
(
らうばい
)
せし
結果
(
けつくわ
)
056
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
に
身
(
み
)
を
変
(
へん
)
じ
057
あらゆる
詐術
(
さじゆつ
)
を
施
(
ほどこ
)
して
058
必死
(
ひつし
)
となりて
防
(
ふせ
)
ぐなる
059
此
(
こ
)
の
首途
(
かどいで
)
の
面白
(
おもしろ
)
さ
060
曲津
(
まが
)
の
奸計
(
たくみ
)
の
深
(
ふか
)
くとも
061
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
は
暗
(
くら
)
くとも
062
谷
(
たに
)
の
流
(
なが
)
れは
濁
(
にご
)
るとも
063
道
(
みち
)
の
難所
(
なんしよ
)
は
多
(
おほ
)
くとも
064
如何
(
いか
)
で
恐
(
おそ
)
れむ
言霊
(
ことたま
)
の
065
水火
(
いき
)
の
力
(
ちから
)
にいや
進
(
すす
)
み
066
曲津
(
まが
)
の
砦
(
とりで
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ひ
067
生言霊
(
いくことたま
)
の
光
(
ひかり
)
もて
068
根本
(
こんぽん
)
的
(
てき
)
に
顛覆
(
てんぷく
)
し
069
此
(
こ
)
の
世
(
よ
)
の
害
(
がい
)
を
除
(
のぞ
)
くべし
070
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
071
生言霊
(
いくことたま
)
の
水火
(
いき
)
かりて
072
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でしものならば
073
進
(
すす
)
まむ
道
(
みち
)
に
仇
(
あだ
)
をなす
074
曲津
(
まが
)
はことごと
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せむ
075
ああ
面白
(
おもしろ
)
や
勇
(
いさ
)
ましや
076
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
今日
(
けふ
)
の
旅
(
たび
)
077
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
へと
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
078
御前
(
みまへ
)
に
慎
(
つつ
)
しみ
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
079
御前
(
みまへ
)
に
慎
(
つつ
)
しみ
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る』
080
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひつつ、
081
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
谷間
(
たにま
)
を
伝
(
つた
)
うて
登
(
のぼ
)
らせ
給
(
たま
)
ふ
折
(
をり
)
もあれ、
082
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
神力
(
みちから
)
に、
083
巌
(
いはほ
)
と
固
(
かた
)
まりし
曲津
(
まがつ
)
の
化身
(
けしん
)
なる
石村
(
いはむら
)
は、
084
雨霰
(
あめあられ
)
と
谷底
(
たにそこ
)
に
向
(
むか
)
つて
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
る
如
(
ごと
)
く
急転
(
きふてん
)
直下
(
ちよくか
)
し
来
(
きた
)
り、
085
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
落下
(
らくか
)
するさま、
086
百雷
(
ひやくらい
)
の
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
轟
(
とどろ
)
く
如
(
ごと
)
く、
087
百狼
(
ひやくらう
)
の
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
吠
(
ほ
)
え
猛
(
たけ
)
るが
如
(
ごと
)
く、
088
川底
(
かはぞこ
)
の
石
(
いし
)
と
石
(
いし
)
と
相打
(
あひう
)
ちて
迸
(
ほとばし
)
る
火光
(
くわくわう
)
は、
089
恰
(
あたか
)
も
電光
(
でんくわう
)
の
閃
(
ひらめ
)
けるが
如
(
ごと
)
くにして、
090
其
(
その
)
凄惨
(
せいさん
)
のさま、
091
形容
(
けいよう
)
すべからざるに
到
(
いた
)
りける。
092
岩飛礫
(
いはつぶて
)
の
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
に
悲鳴
(
ひめい
)
をあげて
号泣
(
ごうきふ
)
する
女神
(
めがみ
)
あり。
093
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は、
094
声
(
こゑ
)
する
方
(
かた
)
に
眼
(
まなこ
)
を
注
(
そそ
)
がせ
給
(
たま
)
へば、
095
豈計
(
あにはか
)
らむや、
096
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
にまします
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
097
巨巌
(
きよがん
)
に
圧
(
あつ
)
せられ
九死
(
きうし
)
一生
(
いつしやう
)
の
苦難
(
くなん
)
に
遇
(
あ
)
ひ
給
(
たま
)
ふにぞありける。
098
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は、
099
素破
(
すは
)
一大事
(
いちだいじ
)
、
100
身命
(
しんめい
)
を
賭
(
と
)
しても
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
御
(
おん
)
身
(
み
)
を
救
(
すく
)
ひ
奉
(
まつ
)
らむと、
101
今
(
いま
)
や
谷間
(
たにま
)
に
向
(
むか
)
つて
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
まむとし
給
(
たま
)
ひし
刹那
(
せつな
)
、
102
何神
(
なにがみ
)
の
声
(
こゑ
)
とも
知
(
し
)
らず、
103
空
(
そら
)
より
一口
(
ひとくち
)
「
待
(
ま
)
て」との
大喝
(
たいかつ
)
一声
(
いつせい
)
耳
(
みみ
)
に
響
(
ひび
)
きければ、
104
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は、
105
はつと
気
(
き
)
が
付
(
つ
)
き、
106
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
は
泉
(
いづみ
)
の
森
(
もり
)
の
本営
(
ほんえい
)
におはしまして、
107
一歩
(
いつぽ
)
も
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
はざれば、
108
かかる
谷間
(
たにま
)
におはす
筈
(
はず
)
なし、
109
全
(
まつた
)
く
醜神
(
しこがみ
)
の
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
苦
(
くる
)
しめむとする
奸計
(
たくみ
)
なるべしと
思
(
おぼ
)
ほすより、
110
俄
(
にはか
)
に
勇気
(
ゆうき
)
百倍
(
ひやくばい
)
し、
111
谷底
(
たにそこ
)
に
雨霰
(
あめあられ
)
と
時
(
とき
)
じく
落
(
お
)
ちくだつ
巌
(
いはほ
)
の
雨
(
あめ
)
を
打
(
う
)
ち
見
(
み
)
やりつつ、
112
平然
(
へいぜん
)
として
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
113
『
面白
(
おもしろ
)
し
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
の
114
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りの
演劇
(
わざをぎ
)
なるかも
115
千引巌
(
ちびきいは
)
の
降
(
ふ
)
るよと
見
(
み
)
しは
曲神
(
まがかみ
)
の
116
醜
(
しこ
)
の
輩
(
やから
)
の
断末魔
(
だんまつま
)
なる
117
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
神
(
かみ
)
の
宣
(
の
)
らせる
言霊
(
ことたま
)
に
118
曲津
(
まがつ
)
は
石
(
いは
)
となりて
落
(
お
)
ちしよ
119
斯
(
か
)
くならば
此
(
これ
)
の
谷
(
たに
)
沿
(
そ
)
ひ
曲津見
(
まがつみ
)
の
120
その
大方
(
おほかた
)
は
潰
(
つひ
)
えたるらし
121
三柱
(
みはしら
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
たちの
宣
(
の
)
り
給
(
たま
)
ふ
122
生言霊
(
いくことたま
)
かあたり
明
(
あか
)
るし
123
耳
(
みみ
)
すませ
滝津瀬
(
たきつせ
)
の
音
(
おと
)
を
窺
(
うかが
)
へば
124
三柱神
(
みはしらがみ
)
の
御声
(
みこゑ
)
響
(
ひび
)
けり
125
百条
(
ももすぢ
)
の
谷
(
たに
)
の
流
(
なが
)
れを
集
(
あつ
)
めたる
126
この
大谷
(
おほたに
)
の
水
(
みづ
)
は
濁
(
にご
)
れり
127
谷底
(
たにそこ
)
ゆ
湧
(
わ
)
き
立
(
た
)
つ
霧
(
きり
)
は
膨
(
ふく
)
れ
膨
(
ふく
)
れ
128
竜
(
たつ
)
の
形
(
かたち
)
となりて
昇
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
129
面白
(
おもしろ
)
く
姿
(
すがた
)
を
変
(
か
)
ふる
谷
(
たに
)
の
間
(
ま
)
の
130
霧
(
きり
)
は
次第
(
しだい
)
に
薄
(
うす
)
らぎゆくも』
131
斯
(
か
)
く
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
132
空
(
そら
)
俄
(
にはか
)
に
黒雲
(
くろくも
)
襲
(
おそ
)
ひ
来
(
きた
)
り、
133
咫尺
(
しせき
)
を
弁
(
べん
)
ぜず
常闇
(
とこやみ
)
となり、
134
雷
(
いかづち
)
轟
(
とどろ
)
き
電光
(
いなづま
)
走
(
はし
)
り、
135
驟雨
(
しうう
)
沛然
(
はいぜん
)
として
臻
(
いた
)
り、
136
白馬下
(
はくばおろ
)
しの
風
(
かぜ
)
は、
137
さしもに
重
(
おも
)
き
千引
(
ちびき
)
の
巌
(
いは
)
を
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
如
(
ごと
)
く
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らし、
138
槍
(
やり
)
の
雨
(
あめ
)
、
139
剣
(
つるぎ
)
の
雨
(
あめ
)
、
140
間断
(
かんだん
)
なく
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
身辺
(
しんぺん
)
に
向
(
むか
)
つて
殊更
(
ことさら
)
しげく
降
(
お
)
り
注
(
そそ
)
ぎ、
141
その
危険
(
きけん
)
到底
(
たうてい
)
言語
(
げんご
)
のつくし
得
(
う
)
べからざるに
迫
(
せま
)
りける。
142
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
は
此処
(
ここ
)
を
先途
(
せんど
)
と
全力
(
ぜんりよく
)
を
尽
(
つく
)
して
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
征途
(
せいと
)
を
扼
(
やく
)
し、
143
且
(
か
)
つ
滅亡
(
めつばう
)
せしめむと、
144
必死
(
ひつし
)
の
力
(
ちから
)
をここに
集注
(
しふちう
)
せしなり。
145
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は、
146
曲神
(
まがかみ
)
の
猛烈
(
まうれつ
)
なる
邪気
(
じやき
)
に
囲繞
(
ゐねう
)
されて、
147
呼吸
(
いき
)
つまり
胸
(
むね
)
苦
(
くる
)
しく、
148
頭
(
かしら
)
は
痛
(
いた
)
み
出
(
だ
)
し
手足
(
てあし
)
の
働
(
はたら
)
き
全
(
まつた
)
く
止
(
とど
)
まり、
149
生言霊
(
いくことたま
)
に
使用
(
しよう
)
すべき
天
(
あま
)
の
瓊矛
(
ぬぼこ
)
なる
舌
(
した
)
は、
150
硬
(
こは
)
ばりて
如何
(
いかん
)
ともするに
由
(
よし
)
なく
進退
(
しんたい
)
ここにきはまりて
唯
(
ただ
)
曲津見
(
まがつみ
)
の
為
(
な
)
すがままに
任
(
まか
)
せ
死
(
し
)
を
待
(
ま
)
つより
外
(
ほか
)
何
(
なん
)
の
手段
(
てだて
)
もなかりける。
151
かかる
所
(
ところ
)
へ
泉
(
いづみ
)
の
森
(
もり
)
の
彼方
(
あなた
)
より、
152
巨大
(
きよだい
)
なる
火光
(
くわくわう
)
轟々
(
がうがう
)
と
大音響
(
だいおんきやう
)
をたて、
153
天地
(
てんち
)
を
震動
(
しんどう
)
させながら、
154
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
頭上
(
づじやう
)
高
(
たか
)
く
光
(
ひか
)
りて、
155
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
舞
(
ま
)
ひ
狂
(
くる
)
ひければ、
156
谷間
(
たにま
)
の
邪気
(
じやき
)
は
跡形
(
あとかた
)
もなく
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せ、
157
巌
(
いはほ
)
の
雨
(
あめ
)
も
槍剣
(
さうけん
)
の
暴雨
(
はやあめ
)
も
影
(
かげ
)
をかくし、
158
天地
(
てんち
)
寂然
(
せきぜん
)
として
太陽
(
たいやう
)
の
光
(
ひかり
)
隈
(
くま
)
なく
伊照
(
いて
)
らし
給
(
たま
)
ひければ、
159
ここに
始
(
はじ
)
めて
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
は
活動
(
くわつどう
)
の
自由
(
じいう
)
を
得
(
え
)
、
160
身心
(
しんしん
)
忽
(
たちま
)
ち
爽快
(
さうくわい
)
となりて、
161
幾千億
(
いくせんおく
)
の
敵
(
てき
)
にも
屈
(
くつ
)
せざる
大
(
だい
)
勇猛心
(
ゆうまうしん
)
に
蘇
(
よみが
)
へり
給
(
たま
)
ひけるぞ
畏
(
かしこ
)
けれ。
162
『
面白
(
おもしろ
)
き
曲津
(
まがつ
)
の
神
(
かみ
)
のすさびかな
163
醜言霊
(
しこことたま
)
のわざをぎ
始
(
はじ
)
めし
164
剣
(
つるぎ
)
槍
(
やり
)
巌
(
いはほ
)
の
雨
(
あめ
)
を
降
(
ふ
)
らせつつ
165
吾身
(
わがみ
)
の
周囲
(
まはり
)
を
驚
(
おどろ
)
かせける
166
吾
(
われ
)
もまた
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
に
囲
(
かこ
)
まれて
167
身動
(
みうご
)
きならず
苦
(
くる
)
しみしはや
168
曲津見
(
まがつみ
)
も
侮
(
あなど
)
り
難
(
がた
)
き
力
(
ちから
)
もちて
169
神
(
かみ
)
のいくさをなやませしはや
170
時
(
とき
)
じくに
生言霊
(
いくことたま
)
を
唱
(
とな
)
ふべき
171
道
(
みち
)
忘
(
わす
)
れをり
心
(
こころ
)
あせりて
172
吾
(
わが
)
神魂
(
みたま
)
進退
(
しんたい
)
ここにきはまりしを
173
助
(
たす
)
けたまひぬ
御樋代
(
みひしろ
)
の
神
(
かみ
)
は
174
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らず
心
(
こころ
)
驕
(
おご
)
りて
曲津見
(
まがつみ
)
の
175
醜
(
しこ
)
の
奸計
(
たくみ
)
におちいりにけり
176
今更
(
いまさら
)
に
吾
(
わが
)
魂線
(
たましひ
)
の
緩
(
ゆる
)
みたる
177
こと
悔
(
く
)
ゆれども
詮
(
せん
)
なし
恥
(
は
)
づかし
178
今
(
いま
)
よりは
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
引
(
ひ
)
きしめて
179
時
(
とき
)
じく
宣
(
の
)
らむ
貴
(
うづ
)
の
神言
(
かみごと
)
を
180
曲津見
(
まがつみ
)
の
影
(
かげ
)
はあとなく
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて
181
谷間
(
たにま
)
を
渡
(
わた
)
る
風
(
かぜ
)
の
音
(
ね
)
清
(
すが
)
しき
182
淙々
(
そうそう
)
と
落
(
お
)
ちて
流
(
なが
)
るる
滝津瀬
(
たきつせ
)
の
183
水音
(
みなおと
)
さへも
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
りける
184
曲津見
(
まがつみ
)
は
第一戦
(
だいいつせん
)
に
敗北
(
はいぼく
)
し
185
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
の
奥
(
おく
)
に
隠
(
かく
)
れしか
186
飽
(
あ
)
くまでも
追撃戦
(
つゐげきせん
)
を
継続
(
けいぞく
)
し
187
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
神業
(
みわざ
)
を
遂
(
と
)
げむ
188
向
(
むか
)
ふ
岸
(
ぎし
)
の
巌
(
いはほ
)
の
上
(
うへ
)
に
言霊
(
ことたま
)
の
189
光
(
ひかり
)
を
放
(
はな
)
ちて
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
は
立
(
た
)
たすも
190
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
神
(
かみ
)
の
祈
(
いの
)
りに
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
は
191
光
(
ひかり
)
となりて
出
(
い
)
でましにけむ
192
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
神
(
かみ
)
の
著
(
しる
)
けき
神力
(
みちから
)
に
193
比
(
くら
)
べて
吾
(
われ
)
は
小
(
ちひ
)
さきものなり
194
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らず
曲神
(
まがみ
)
をきたむと
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
195
驕
(
おご
)
りしものか
憂
(
う
)
き
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
ひしよ
196
第一
(
だいいち
)
の
曲津
(
まが
)
の
作戦
(
さくせん
)
かくのごと
197
激
(
はげ
)
しきものとは
思
(
おも
)
はざりしよ
198
次々
(
つぎつぎ
)
に
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
は
全力
(
ぜんりよく
)
を
199
尽
(
つく
)
して
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
に
迫
(
せま
)
り
来
(
く
)
るらむ
200
寡
(
くわ
)
をもちて
衆
(
しう
)
に
対
(
たい
)
する
此
(
こ
)
の
神業
(
みわざ
)
201
なみなみならぬ
言霊戦
(
ことたません
)
なり
202
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
神
(
かみ
)
の
姿
(
すがた
)
はつぎつぎに
203
小
(
ちひ
)
さく
見
(
み
)
えつ
高
(
たか
)
のぼりませり
204
吾
(
われ
)
もまた
生言霊
(
いくことたま
)
の
光
(
ひかり
)
にて
205
これの
谷間
(
たにま
)
をのぼり
進
(
すす
)
まばや
206
谷
(
たに
)
の
間
(
ま
)
を
深
(
ふか
)
く
包
(
つつ
)
みし
黒雲
(
くろくも
)
の
207
影
(
かげ
)
消
(
き
)
え
去
(
さ
)
りて
輝
(
かがや
)
く
日
(
ひ
)
の
光
(
かげ
)
』
208
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
はかく
述懐歌
(
じゆつくわいか
)
をうたひながら、
209
岩根
(
いはね
)
木根
(
きね
)
踏
(
ふ
)
みさくみつつ
神言
(
かみごと
)
を
不断
(
ふだん
)
的
(
てき
)
に
宣
(
の
)
りあげて、
210
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
の
森林
(
しんりん
)
さしてのぼらせ
給
(
たま
)
ひける。
211
(
昭和八・一二・一六
旧一〇・二九
於大阪分院蒼雲閣
白石恵子
謹録)
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