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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第77巻(辰の巻)
序文
第1篇 万里の海原
第1章 天馬行空
第2章 天地七柱
第3章 狭野の食国
第4章 狭野の島生み
第5章 言霊生島
第6章 田族島着陸
第2篇 十一神将
第7章 万里平定
第8章 征魔の出陣
第9章 馬上征誦
第10章 樹下の雨宿
第11章 望月の影
第12章 月下の森蔭
第3篇 善戦善闘
第13章 五男三女神
第14章 夜光の眼球
第15章 笹原の邂逅
第16章 妖術破滅
第17章 剣槍の雨
第18章 国津女神
第19章 邪神全滅
第20章 女神の復命
第4篇 歓天喜地
第21章 泉の森出発
第22章 歓声満天(一)
第23章 歓声満天(二)
第24章 会者定離
余白歌
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霊界物語
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天祥地瑞(第73~81巻)
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第77巻(辰の巻)
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<<< 国津女神
(B)
(N)
女神の復命 >>>
第一九章
邪神
(
じやしん
)
全滅
(
ぜんめつ
)
〔一九五一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰の巻
篇:
第3篇 善戦善闘
よみ(新仮名遣い):
ぜんせんぜんとう
章:
第19章 邪神全滅
よみ(新仮名遣い):
じゃしんぜんめつ
通し章番号:
1951
口述日:
1933(昭和8)年12月16日(旧10月29日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
ここに五柱の男神は、魔棲ケ谷を囲んだ岡の周りに立ち、おのおの生言霊の矢を絶え間なく放つと、曲津神はいたたまれず、雲霧・岩・火の玉となって男神たちに襲い掛かった。
霊山比古は身辺に危険が迫ってきたのを見て、「アオウエイ」と繰り返し言霊を発した。山麓の小笹ケ原の楠の森で待っていた、三柱の比女神は、自分たちの駒に向かって「タトツテチ ハホフヘヒ」と力いっぱい言霊を宣りあげた。すると、駒にはたちまち翼が生え、大きな鷲に変化した。
三柱の比女神は言霊の力に感謝し、鷲馬に乗ると宙高く翔け、天上から鷲のくちばしでもって竜神を攻撃し、大勝利を得たのであった。
比女神は鷲に乗って御樋代神に勝利を報告し、一方男神たちは、生言霊を宣りながら、魔棲ケ谷の巣窟を奥へ進んでいった。曲津神の狼狽の様ありありと、あたりには数多の宝玉が飛び散ったままになっていた。男神たちはそれを集めて、戦利品として御樋代神に奉ることとした。
曲津神は、自身に光を発することがないので、真の神を真似ようと、こうした宝玉を身にまとうのである。愛善の徳に満ち、信真の光があるならば、身に宝石を着けなくても、宝石の何倍もの光を全身にみなぎらせているのであり、知らず知らずのうちに、尊敬を集めることができるのである。
五柱の男神は、魔棲ケ谷の曲津神を根絶することができ、歓喜に耐えず、勝利の歌を歌った。男神たちが戦利品を背負って小笹ケ原に戻ってくると、五頭の神馬たちは、主の帰りを待って整列していた。その様を見て、五柱の男神はそれぞれ勝利の述懐歌を歌い、御樋代神の待つ泉の森の本陣へと帰って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
御須麻琉(美須麻琉)
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-21 15:33:38
OBC :
rm7719
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 674頁
修補版:
校定版:
324頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
茲
(
ここ
)
に
五柱
(
いつはしら
)
の
男神
(
をがみ
)
は、
002
谷間
(
たにま
)
の
嶮
(
けん
)
を
千辛
(
せんしん
)
万苦
(
ばんく
)
を
重
(
かさ
)
ねつつ
辛
(
から
)
うじて
突破
(
とつぱ
)
し、
003
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
を
囲
(
かこ
)
める
丘
(
をか
)
の
廻
(
まは
)
りに
佇
(
たたず
)
み
給
(
たま
)
ひて、
004
各自
(
おのもおのも
)
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
生言霊
(
いくことたま
)
の
征矢
(
そや
)
を
間断
(
かんだん
)
なく
放
(
はな
)
ち
給
(
たま
)
ひければ、
005
遉
(
さすが
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
も
居耐
(
ゐたたま
)
らず
此処
(
ここ
)
を
先途
(
せんど
)
と
必死
(
ひつし
)
の
力
(
ちから
)
を
現
(
あら
)
はし、
006
百千
(
ももち
)
の
邪神
(
まがかみ
)
は
雲霧
(
くもきり
)
となり
岩
(
いは
)
となり
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
となり、
007
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
狂
(
くる
)
ひ
廻
(
まは
)
り、
008
幾度
(
いくど
)
となく
五柱神
(
いつはしらがみ
)
の
身辺
(
しんぺん
)
を
襲
(
おそ
)
ひ
危険
(
きけん
)
刻々
(
こくこく
)
に
迫
(
せま
)
りければ、
009
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
はもはやこれ
迄
(
まで
)
なりと
臍下
(
せいか
)
丹田
(
たんでん
)
に
力
(
ちから
)
を
籠
(
こ
)
め、
010
『ア オ ウ エ イ』
011
と
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
し
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
し
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
ひければ、
012
山麓
(
さんろく
)
の
小笹
(
をざさ
)
ケ
原
(
はら
)
の
傍
(
かたはら
)
なる
楠
(
くす
)
の
森
(
もり
)
に、
013
手具脛
(
てぐすね
)
ひいて
待
(
ま
)
ち
給
(
たま
)
ひける
三柱
(
みはしら
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
は、
014
わが
乗
(
の
)
り
来
(
きた
)
りし
駿馬
(
はやこま
)
に
向
(
むか
)
ひ、
015
『タ ト ツ テ チ
016
ハ ホ フ ヘ ヒ』
017
と
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
言霊
(
ことたま
)
を
宣
(
の
)
り
給
(
たま
)
ひけるにぞ、
018
駒
(
こま
)
は
忽
(
たちま
)
ち
大
(
おほい
)
なる
翼
(
つばさ
)
を
生
(
はや
)
し、
019
長大
(
ちやうだい
)
なる
鷲
(
わし
)
と
化
(
くわ
)
しけるにぞ、
020
三柱
(
みはしら
)
比女神
(
ひめがみ
)
はこれぞ
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
の
賜
(
たまもの
)
なりと、
021
鷲馬
(
じうめ
)
の
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
り、
022
一目散
(
いちもくさん
)
に
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
の
邪神
(
じやしん
)
の
巣窟
(
さうくつ
)
さして
中空
(
ちうくう
)
高
(
たか
)
く
翔
(
かけ
)
りつき
給
(
たま
)
ひ、
023
天上
(
てんじやう
)
より
大
(
おほい
)
なる
鷲
(
わし
)
の
嘴
(
くちばし
)
もて、
024
竜神
(
たつがみ
)
の
頭
(
あたま
)
を
啄
(
つつ
)
き、
025
或
(
あるひ
)
は
太刀膚
(
たちはだ
)
を
傷
(
やぶ
)
り、
026
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
勢
(
いきほひ
)
をもて
挑
(
いど
)
み
戦
(
たたか
)
ひ
給
(
たま
)
へば、
027
遉
(
さすが
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
も
敵
(
てき
)
し
得
(
え
)
ず、
028
谷川
(
たにがは
)
は
忽
(
たちま
)
ち
血
(
ち
)
の
川
(
かは
)
となりて
邪神
(
まがかみ
)
の
影
(
かげ
)
は
跡
(
あと
)
もなく
清
(
きよ
)
まりける。
029
この
大勝利
(
だいしようり
)
を
見
(
み
)
るよりも、
030
三柱
(
みはしら
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
は、
031
其
(
その
)
儘
(
まま
)
中空
(
ちうくう
)
を
翔
(
かけ
)
り、
032
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
屯
(
たむろ
)
し
給
(
たま
)
ふ
泉
(
いづみ
)
の
森
(
もり
)
をさして、
033
一目散
(
いちもくさん
)
に
復命
(
かへりごと
)
申
(
まを
)
し
給
(
たま
)
ひ、
034
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
感賞
(
かんしやう
)
の
言葉
(
ことば
)
を
頂
(
いただ
)
き
給
(
たま
)
ひける。
035
扨
(
さ
)
て
五柱
(
いつはしら
)
の
比古神
(
ひこがみ
)
は、
036
大蛇
(
をろち
)
の
群
(
むれ
)
の
永久
(
とことは
)
に
棲
(
す
)
みし
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
の
巣窟
(
さうくつ
)
に、
037
生言霊
(
いくことたま
)
を
宣
(
の
)
りつつ
進
(
すす
)
み
給
(
たま
)
へば、
038
周章
(
しうしやう
)
狼狽
(
らうばい
)
のあとありありと
見
(
み
)
えて、
039
数多
(
あまた
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
は
彼方
(
あち
)
此方
(
こち
)
に
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
りて、
040
目
(
め
)
も
眩
(
まば
)
ゆきばかりなりければ、
041
五柱
(
いつはしら
)
の
男神
(
をがみ
)
は
戦利品
(
せんりひん
)
として
悉
(
ことごと
)
く
拾
(
ひろ
)
ひ
帰
(
かへ
)
り、
042
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
に
奉
(
たてまつ
)
らむと
評議
(
ひやうぎ
)
一決
(
いつけつ
)
し、
043
金銀
(
きんぎん
)
、
044
瑪瑙
(
めなう
)
、
045
瑠璃
(
るり
)
、
046
硨磲
(
しやこ
)
、
047
白金
(
はくきん
)
、
048
金剛石
(
こんがうせき
)
なぞ、
049
数
(
かず
)
限
(
かぎ
)
りなき
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
五
(
いつ
)
つの
苞
(
つと
)
に
包
(
つつ
)
み、
050
勝鬨
(
かちどき
)
あげて
一先
(
ひとま
)
づ
泉
(
いづみ
)
の
森
(
もり
)
に
引
(
ひ
)
き
返
(
かへ
)
し
給
(
たま
)
ふ
事
(
こと
)
とはなりぬ。
051
総
(
すべ
)
て
真言
(
まこと
)
の
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
はスの
言霊
(
ことたま
)
より
生
(
うま
)
れたるさまざまの
声
(
こゑ
)
の
水火
(
いき
)
より
生
(
あ
)
れませる
神
(
かみ
)
にましませば、
052
全身
(
ぜんしん
)
悉
(
ことごと
)
く
光
(
ひかり
)
に
輝
(
かがや
)
き、
053
恰
(
あたか
)
も
水晶
(
すゐしやう
)
の
如
(
ごと
)
く
透明体
(
とうめいたい
)
にましませば、
054
ダイヤモンドまたは
金銀
(
きんぎん
)
珠玉
(
しゆぎよく
)
の
装飾物
(
さうしよくぶつ
)
を
要
(
えう
)
せずとも
其
(
その
)
光彩
(
くわうさい
)
妙
(
たへ
)
にましましにけり。
055
之
(
これ
)
に
反
(
はん
)
して
曲神
(
まがかみ
)
は、
056
身体
(
しんたい
)
曇
(
くも
)
りに
満
(
み
)
ちぬれば
種々
(
しゆじゆ
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
全身
(
ぜんしん
)
に
附着
(
ふちやく
)
して
光
(
ひかり
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
057
真言
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
を
真似
(
まね
)
むとするものなり。
058
例
(
たと
)
へば
真言
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
は
孔雀
(
くじやく
)
の
如
(
ごと
)
く
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
は
烏
(
からす
)
の
如
(
ごと
)
し、
059
烏
(
からす
)
は
孔雀
(
くじやく
)
の
翼
(
つばさ
)
の
美
(
うるは
)
しきを
羨
(
うらや
)
みて、
060
其
(
その
)
落
(
お
)
ちし
羽根
(
はね
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ
吾
(
わが
)
翼
(
つばさ
)
の
間
(
あひだ
)
に
挿
(
はさ
)
み
置
(
お
)
きて
数多
(
あまた
)
の
烏
(
からす
)
に
其
(
その
)
美
(
うるは
)
しさを
誇
(
ほこ
)
るが
如
(
ごと
)
く、
061
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
は
競
(
きそ
)
ひて
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
集
(
あつ
)
め、
062
其
(
その
)
輩
(
ともがら
)
に
対
(
たい
)
して
光
(
ひかり
)
を
誇
(
ほこ
)
るものなれば、
063
曲神
(
まがかみ
)
の
強
(
つよ
)
きもの
程
(
ほど
)
数多
(
あまた
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
身
(
み
)
に
附着
(
ふちやく
)
し
居
(
を
)
りしものなり。
064
此
(
この
)
度
(
たび
)
の
言霊戦
(
ことたません
)
によりて
太刀膚
(
たちはだ
)
の
竜神
(
たつがみ
)
も、
065
長大身
(
ナーガラシヤー
)
大蛇
(
をろち
)
も、
066
百
(
もも
)
の
竜神
(
たつがみ
)
も、
067
装
(
よそほ
)
ふべき
宝
(
たから
)
を
取
(
と
)
り
纒
(
まと
)
むる
暇
(
ひま
)
もあらず、
068
倉皇
(
さうくわう
)
として
天
(
てん
)
の
一方
(
いつぱう
)
に
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
り、
069
天日
(
てんじつ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされて、
070
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
亡
(
ほろ
)
び
失
(
う
)
せけるこそ
目出度
(
めでた
)
き
限
(
かぎ
)
りなりけれ。
071
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
太古
(
たいこ
)
の
神々
(
かみがみ
)
は、
072
光
(
ひかり
)
なき
天然
(
てんねん
)
の
石
(
いし
)
を
琢磨
(
みが
)
きて
五百津
(
いほつ
)
御須麻琉
(
みすまる
)
の
珠
(
たま
)
をつくり
首飾
(
くびかざり
)
、
073
腕飾
(
うでかざり
)
又
(
また
)
は
腰
(
こし
)
の
辺
(
あた
)
りの
飾
(
かざり
)
となし
給
(
たま
)
ひしかども、
074
決
(
けつ
)
して
金剛石
(
ダイヤモンド
)
の
如
(
ごと
)
き
光
(
ひかり
)
を
放
(
はな
)
つものを
身
(
み
)
に
帯
(
お
)
ぶることを
卑
(
いや
)
しめ
給
(
たま
)
ひしものなり。
075
何故
(
なにゆゑ
)
なれば、
076
神
(
かみ
)
の
御
(
ご
)
身体
(
しんたい
)
はすべて
光
(
ひかり
)
にましませば、
077
光
(
ひかり
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
身
(
み
)
に
纒
(
まと
)
ふ
時
(
とき
)
は
神
(
かみ
)
自身
(
じしん
)
の
光
(
ひかり
)
の
弱
(
よわ
)
きを
示
(
しめ
)
す
理由
(
りゆう
)
となりて、
078
他
(
た
)
の
神々
(
かみがみ
)
に
卑
(
いや
)
しめらるるを
忌
(
い
)
み
給
(
たま
)
ひたればなり。
079
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
にも
貴婦人
(
きふじん
)
とか
称
(
しよう
)
するもの、
080
令嬢
(
れいぢやう
)
とか
言
(
い
)
へるものはさておき、
081
すべての
婦人
(
ふじん
)
等
(
たち
)
が
競
(
きそ
)
ひてダイヤモンドの
光
(
ひかり
)
に
憧憬
(
あこが
)
れ、
082
千金
(
せんきん
)
を
惜
(
を
)
しまず
競
(
きそ
)
ひ
購
(
あがな
)
ひ、
083
身体
(
しんたい
)
の
各部
(
かくぶ
)
に
飾
(
かざ
)
りつけて
其
(
その
)
豪奢
(
がうしや
)
を
誇
(
ほこ
)
り、
084
美
(
び
)
を
誇
(
ほこ
)
り、
085
光
(
ひかり
)
を
誇
(
ほこ
)
れるは、
086
恰
(
あたか
)
も
烏
(
からす
)
が
孔雀
(
くじやく
)
の
落羽根
(
おちばね
)
を
吾
(
わが
)
翼
(
つばさ
)
の
間
(
あひだ
)
にさして
誇
(
ほこ
)
れるのと
何
(
なん
)
の
選
(
えら
)
ぶところなかるべし。
087
全身
(
ぜんしん
)
を
光
(
ひかり
)
強
(
つよ
)
き
金剛石
(
ダイヤモンド
)
につつむなればまだしも、
088
唯
(
ただ
)
一局部
(
いつきよくぶ
)
に
小
(
ちひ
)
さき
光
(
ひかり
)
を
附着
(
ふちやく
)
して
誇
(
ほこ
)
るが
如
(
ごと
)
きは、
089
実
(
じつ
)
に
卑劣
(
ひれつ
)
なる
心性
(
しんせい
)
を
暴露
(
ばくろ
)
せる
卑
(
いや
)
しき
業
(
わざ
)
と
言
(
い
)
ふべし。
090
愛善
(
あいぜん
)
の
徳
(
とく
)
に
満
(
み
)
ち
信真
(
しんしん
)
の
光
(
ひかり
)
添
(
そ
)
はば、
091
身
(
み
)
に
宝石
(
ほうせき
)
を
附着
(
ふちやく
)
せずとも、
092
幾層倍
(
いくそうばい
)
の
光
(
ひかり
)
を
全身
(
ぜんしん
)
に
漲
(
みなぎ
)
らせ、
093
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずの
間
(
あひだ
)
に
尊敬
(
そんけい
)
せらるるものなり。
094
吾人
(
ごじん
)
は
婦人
(
ふじん
)
等
(
ら
)
の
指
(
ゆび
)
又
(
また
)
は
首
(
くび
)
のあたりに
鏤
(
ちりば
)
めたる
種々
(
しゆじゆ
)
の
宝石
(
ほうせき
)
の
鈍
(
にぶ
)
き
光
(
ひかり
)
を
眺
(
なが
)
めつつ、
095
浅
(
あさ
)
ましき
卑
(
いや
)
しき
心
(
こころ
)
よと、
096
常々
(
つねづね
)
嘔吐
(
おうと
)
を
催
(
もよほ
)
し、
097
其
(
その
)
人々
(
ひとびと
)
の
醜
(
みにく
)
さを
層一層
(
そういつそう
)
感
(
かん
)
ぜしめらるるなり。
098
五柱
(
いつはしら
)
の
神
(
かみ
)
は、
099
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
の
醜神
(
しこがみ
)
を
根底
(
こんてい
)
より
剿滅
(
さうめつ
)
し、
100
歓喜
(
くわんき
)
に
堪
(
た
)
へず、
101
常
(
つね
)
に
黒煙
(
こくえん
)
を
吐
(
は
)
きて
国土
(
くに
)
をなやませたる
曲津見
(
まがつみ
)
の
棲処
(
すみか
)
を
瞰下
(
かんか
)
しながら、
102
稍
(
やや
)
小高
(
こだか
)
き
丘
(
をか
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
ち、
103
御歌
(
みうた
)
うたひつつ
踊
(
をど
)
り
舞
(
ま
)
ひ
狂
(
くる
)
はせ
給
(
たま
)
ひける。
104
其
(
その
)
御歌
(
みうた
)
、
105
『
天晴
(
あはれ
)
々々
(
あはれ
)
四方
(
よも
)
の
国原
(
くにはら
)
晴
(
は
)
れにけり
106
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
南側
(
なんそく
)
の
107
百谷
(
ももだに
)
千谷
(
ちだに
)
を
集
(
あつ
)
めたる
108
大谷川
(
おほたにがは
)
の
上流
(
じやうりう
)
に
109
潜
(
ひそ
)
みて
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがかみ
)
の
110
猛
(
たけ
)
び
狂
(
くる
)
ひしそのありか
111
世
(
よ
)
を
曇
(
くも
)
らせし
元津場
(
もとつには
)
112
雲
(
くも
)
を
起
(
おこ
)
せし
醜
(
しこ
)
の
山
(
やま
)
113
霧
(
きり
)
を
涌
(
わ
)
かせて
物
(
もの
)
皆
(
みな
)
の
114
育
(
そだ
)
ちを
妨
(
さまた
)
げ
荒
(
すさ
)
びたる
115
元津砦
(
もとつとりで
)
は
亡
(
ほろ
)
びけり
116
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
は
今日
(
けふ
)
よりは
117
醜
(
しこ
)
の
荒
(
すさ
)
びの
黒雲
(
くろくも
)
も
118
冷
(
つめ
)
たき
霧
(
きり
)
の
涌
(
わ
)
きたちも
119
跡
(
あと
)
なく
消
(
き
)
えて
久方
(
ひさかた
)
の
120
蒼
(
あを
)
き
御空
(
みそら
)
の
奥
(
おく
)
深
(
ふか
)
く
121
天津陽
(
あまつひ
)
の
光
(
かげ
)
輝
(
かがや
)
きたまひ
122
月読
(
つきよみ
)
の
神
(
かみ
)
はさやかなる
123
光
(
ひかり
)
を
雲井
(
くもゐ
)
にとどめまし
124
地上
(
ちじやう
)
に
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
ふらし
125
すべてのものの
命
(
いのち
)
をば
126
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
守
(
まも
)
りまし
127
この
神国
(
かみくに
)
は
永久
(
とこしへ
)
に
128
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
きみのり
穀物
(
たなつもの
)
129
豊
(
ゆたか
)
になりて
牛馬
(
うしうま
)
も
130
肥
(
こ
)
え
太
(
ふと
)
りつつ
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
131
栄
(
さか
)
ゆる
神世
(
みよ
)
となりぬべし
132
此
(
この
)
国原
(
くにはら
)
は
未
(
ま
)
だ
稚
(
わか
)
く
133
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
の
影
(
かげ
)
もなし
134
蛙
(
かはず
)
と
鼠
(
ねずみ
)
の
輩
(
ともがら
)
は
135
田畑
(
たはた
)
を
耕
(
たがや
)
し
穀物
(
たなつもの
)
136
育
(
そだ
)
てて
命
(
いのち
)
を
保
(
たも
)
ちつつ
137
弥永久
(
いやとこしへ
)
に
永久
(
とこしへ
)
に
138
月日
(
つきひ
)
と
共
(
とも
)
にやすらはむ
139
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
140
生言霊
(
いくことたま
)
の
幸
(
さちは
)
ひて
141
三柱
(
みはしら
)
比女神
(
ひめがみ
)
逸
(
いち
)
はやく
142
鷲馬
(
じうめ
)
の
背
(
せな
)
に
跨
(
またが
)
りて
143
大空
(
おほぞら
)
高
(
たか
)
く
翔
(
かけ
)
り
来
(
き
)
つ
144
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
のなやみし
戦
(
たたかひ
)
を
145
たすけたまひし
雄々
(
をを
)
しさよ
146
曲津
(
まがつ
)
の
神
(
かみ
)
の
秘
(
ひ
)
めおきし
147
百
(
もも
)
の
宝
(
たから
)
は
欲
(
ほ
)
りせねど
148
今日
(
けふ
)
の
戦
(
いくさ
)
の
勝鬨
(
かちどき
)
の
149
印
(
しるし
)
と
集
(
あつ
)
め
包
(
つつ
)
みとし
150
駿馬
(
はやこま
)
の
背
(
せ
)
に
積
(
つ
)
み
満
(
み
)
たし
151
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
152
供
(
そな
)
へまつらむ
勇
(
いさ
)
ましや
153
天地
(
あめつち
)
創
(
はじ
)
めし
昔
(
むかし
)
より
154
かかる
例
(
ためし
)
はあら
尊
(
たふと
)
155
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
神業
(
かむわざ
)
を
156
𪫧怜
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
仕
(
つか
)
へし
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
157
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
伝
(
つた
)
はりつ
158
世
(
よ
)
の
語
(
かた
)
り
草
(
ぐさ
)
となりぬべし
159
思
(
おも
)
へば
嬉
(
うれ
)
し
勇
(
いさ
)
ましし
160
思
(
おも
)
へば
畏
(
かしこ
)
し
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
161
生言霊
(
いくことたま
)
の
光
(
ひかり
)
なれ
162
貴
(
うづ
)
の
御水火
(
みいき
)
の
力
(
ちから
)
なれ
163
久方
(
ひさかた
)
の
天
(
あま
)
はせ
使
(
つか
)
ひ
164
事
(
こと
)
の
語
(
かた
)
り
言
(
ごと
)
も
是
(
こ
)
をば。
165
烏羽玉
(
うばたま
)
の
夜
(
よ
)
は
迫
(
せま
)
り
来
(
こ
)
むいざさらば
166
下
(
お
)
りて
帰
(
かへ
)
らむ
泉
(
いづみ
)
の
森
(
もり
)
まで』
167
五柱
(
いつはしら
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
数多
(
あまた
)
の
宝玉
(
ほうぎよく
)
を
戦利品
(
せんりひん
)
として
背
(
せな
)
に
負
(
お
)
はせつつ、
168
百津
(
ゆつ
)
石村
(
いはむら
)
の
碁列
(
ごれつ
)
せる
難所
(
なんしよ
)
を
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
しつつ
漸
(
やうや
)
くにして
山麓
(
さんろく
)
の
小笹
(
をざさ
)
ケ
原
(
はら
)
の
楠
(
くす
)
の
森
(
もり
)
に
着
(
つ
)
かせ
給
(
たま
)
ひければ、
169
五頭
(
ごとう
)
の
神馬
(
しんめ
)
は
主
(
あるじ
)
の
帰
(
かへ
)
りを
待
(
ま
)
ち
佗
(
わ
)
びつつ、
170
樹下
(
じゆか
)
に
頭
(
あたま
)
を
並
(
なら
)
べ
整列
(
せいれつ
)
し
居
(
ゐ
)
たりける。
171
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
之
(
これ
)
を
見
(
み
)
て
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
172
『
吾
(
わが
)
駒
(
こま
)
は
雄々
(
をを
)
しく
正
(
ただ
)
しく
待
(
ま
)
ち
居
(
ゐ
)
たり
173
生言霊
(
いくことたま
)
の
耳
(
みみ
)
にさへしか
174
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
荒
(
あら
)
ぶる
神
(
かみ
)
を
打
(
う
)
ち
払
(
はら
)
ひ
175
勝鬨
(
かちどき
)
あげて
帰
(
かへ
)
りきつるも
176
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
晴
(
は
)
れたりわが
魂
(
たま
)
は
177
駿馬
(
はやこま
)
なして
勇
(
いさ
)
みつるかも
178
復命
(
かへりごと
)
確
(
たし
)
に
申
(
まを
)
さむ
嬉
(
うれ
)
しさに
179
この
黄昏
(
たそがれ
)
も
心
(
こころ
)
明
(
あか
)
るき』
180
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
181
『
吾
(
わが
)
いゆく
道
(
みち
)
に
遮
(
さや
)
りし
曲津見
(
まがつみ
)
も
182
煙
(
けむり
)
と
消
(
き
)
えて
今日
(
けふ
)
の
勝鬨
(
かちどき
)
183
中空
(
なかぞら
)
を
翔
(
かけ
)
り
来
(
き
)
ませる
比女神
(
ひめがみ
)
の
184
力
(
ちから
)
に
曲津
(
まが
)
は
苦
(
く
)
もなく
破
(
やぶ
)
れし
185
今日
(
けふ
)
よりは
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
に
立
(
た
)
ち
昇
(
のぼ
)
る
186
雲
(
くも
)
はいづれも
紅
(
くれなゐ
)
に
映
(
は
)
えむ
187
稚
(
わか
)
き
地
(
つち
)
稚国原
(
わかくにはら
)
の
草
(
くさ
)
も
木
(
き
)
も
188
今日
(
けふ
)
を
限
(
かぎ
)
りと
繁
(
しげ
)
り
栄
(
さか
)
えむ
189
かくのごと
雄々
(
をを
)
しき
正
(
ただ
)
しき
神業
(
かむわざ
)
に
190
仕
(
つか
)
へし
吾身
(
わがみ
)
の
幸
(
さち
)
を
思
(
おも
)
ふも
191
非時
(
ときじく
)
に
黒雲
(
くろくも
)
立
(
た
)
ちし
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
192
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
は
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
りつつ
193
面白
(
おもしろ
)
し
曲津
(
まが
)
の
砦
(
とりで
)
を
打
(
う
)
ち
破
(
やぶ
)
り
194
明日
(
あす
)
は
御前
(
みまへ
)
に
復命
(
かへりごと
)
せむ』
195
直道
(
なほみち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
196
『
岩根
(
いはね
)
木根
(
きね
)
踏
(
ふ
)
みさくみつつ
登
(
のぼ
)
りゆく
197
谷間
(
たにま
)
の
道
(
みち
)
は
嶮
(
さか
)
しかりけり
198
曲津見
(
まがつみ
)
は
女神
(
めがみ
)
となりて
吾
(
わが
)
行手
(
ゆくて
)
に
199
遮
(
さや
)
らむとせり
浅
(
あさ
)
はかなるも
200
五柱
(
いつはしら
)
水火
(
いき
)
を
合
(
あは
)
せて
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
ぐる
201
生言霊
(
いくことたま
)
に
曲津
(
まが
)
はさやぎぬ
202
岩
(
いは
)
となり
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
となりいろいろに
203
力
(
ちから
)
尽
(
つく
)
して
射対
(
いむか
)
ひ
来
(
きた
)
りぬ
204
危
(
あやふ
)
しと
見
(
み
)
るより
霊山
(
たまやま
)
比古神
(
ひこがみ
)
は
205
水火
(
いき
)
を
凝
(
こ
)
らして
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
らせり
206
言霊
(
ことたま
)
の
終
(
をは
)
る
間
(
ま
)
もなく
比女神
(
ひめがみ
)
は
207
鷲馬
(
じうめ
)
に
跨
(
またが
)
り
翔
(
かけ
)
り
来
(
き
)
ましぬ
208
後
(
のち
)
の
世
(
よ
)
に
語
(
かた
)
り
伝
(
つた
)
へむ
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
の
209
生言霊
(
いくことたま
)
の
奇
(
くし
)
びの
神業
(
みわざ
)
を』
210
正道
(
まさみち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
211
『
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
にかかりし
神業
(
かむわざ
)
も
212
苦
(
く
)
もなくすみて
空
(
そら
)
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
りぬ
213
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
は
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
に
傾
(
かたむ
)
きて
214
大
(
おほ
)
いなる
影
(
かげ
)
さし
来
(
きた
)
りつる
215
山蔭
(
やまかげ
)
は
横
(
よこ
)
に
倒
(
たふ
)
れて
御空
(
みそら
)
より
216
地
(
つち
)
より
闇
(
やみ
)
は
迫
(
せま
)
り
来
(
く
)
らしも
217
顧
(
かへり
)
みれば
吾
(
われ
)
勇
(
いさ
)
ましよ
諸神
(
ももがみ
)
と
218
水火
(
いき
)
を
合
(
あは
)
せて
曲津
(
まが
)
を
退
(
やら
)
ひし
219
黒雲
(
くろくも
)
と
霧
(
きり
)
に
艱
(
なや
)
みし
万里
(
まで
)
の
島
(
しま
)
の
220
天地
(
てんち
)
は
清
(
きよ
)
く
明
(
あ
)
け
渡
(
わた
)
りぬる』
221
雲川
(
くもかは
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
222
『
諸神
(
ももがみ
)
の
功
(
いさを
)
は
千代
(
ちよ
)
に
万代
(
よろづよ
)
に
223
輝
(
かがや
)
きたまはむ
語草
(
かたりぐさ
)
にも
224
いざさらば
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うち
大野原
(
おほのはら
)
225
急
(
いそ
)
ぎ
帰
(
かへ
)
らむ
泉
(
いづみ
)
の
森
(
もり
)
まで』
226
ここに
神々
(
かみがみ
)
は
駒
(
こま
)
の
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
り、
227
黄昏
(
たそがれ
)
の
野路
(
のぢ
)
を、
228
轡
(
くつわ
)
を
並
(
なら
)
べて
泉
(
いづみ
)
の
森
(
もり
)
へと
急
(
いそ
)
がせ
給
(
たま
)
ひける。
229
(
昭和八・一二・一六
旧一〇・二九
於大阪分院蒼雲閣
加藤明子
謹録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
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