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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第77巻(辰の巻)
序文
第1篇 万里の海原
第1章 天馬行空
第2章 天地七柱
第3章 狭野の食国
第4章 狭野の島生み
第5章 言霊生島
第6章 田族島着陸
第2篇 十一神将
第7章 万里平定
第8章 征魔の出陣
第9章 馬上征誦
第10章 樹下の雨宿
第11章 望月の影
第12章 月下の森蔭
第3篇 善戦善闘
第13章 五男三女神
第14章 夜光の眼球
第15章 笹原の邂逅
第16章 妖術破滅
第17章 剣槍の雨
第18章 国津女神
第19章 邪神全滅
第20章 女神の復命
第4篇 歓天喜地
第21章 泉の森出発
第22章 歓声満天(一)
第23章 歓声満天(二)
第24章 会者定離
余白歌
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天祥地瑞(第73~81巻)
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第77巻(辰の巻)
> 第3篇 善戦善闘 > 第14章 夜光の眼球
<<< 五男三女神
(B)
(N)
笹原の邂逅 >>>
第一四章
夜光
(
やくわう
)
の
眼球
(
めだま
)
〔一九四六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰の巻
篇:
第3篇 善戦善闘
よみ(新仮名遣い):
ぜんせんぜんとう
章:
第14章 夜光の眼球
よみ(新仮名遣い):
やこうのめだま
通し章番号:
1946
口述日:
1933(昭和8)年12月15日(旧10月28日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
森良仁
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
先陣を切った霊山比古の神は大野ケ原を進んで来たが、にわかに魔棲ケ谷方面から吐き出された黒煙が天を塞ぎ地を這い、あたりの様子もわからなくなった。たそがれるころになって、山麓のやや平坦な小笹が原までようやくたどり着いたが、ここで行き詰まってしまった。霊山比古は、邪気をはらすべく、生言霊に言霊歌を宣り上げた。
すると、胸に夜光の玉をかけた山跡比女、千貝比女、湯結比女の三女神が現れた。三女神は霊山比古に軽く目礼しながら、夜光の玉であたりを照らした。
霊山比古は、三女神は後から出立したはずなのに先に着いていたこと、また夜光の玉のような宝玉を持っていることをいぶかり、偽の女神であろう、と歌で問い掛けた。
三女神は、夜光の玉は自分たちの御魂であり、疑いをかける霊山比古をたしなめ、また後について自分たちの庵で休むように誘った。
霊山比古はますますいぶかしみ、こんなところに三女神の庵があろうはずはない、と問い掛ける。三女神は、疑いを解くために夜光の玉を隠しましょうか、と霊山比古に問い掛けた。霊山比古が承諾すると、三柱の比女神も夜光の玉も、まったく消えうせ、あたりは見分けもつかない闇となり、小笹を吹き渡る嵐の音が、ただ凄惨に聞こえてくるのみであった。
霊山比古は一人両腕を組み、夜が明けるのを待って戦おうと、歌を詠み始めた。こうして、一人闇の中で歌を詠みつつ一夜を明かした。やがて東雲の空がほの明るくなり、紫雲たなびき、今日の征途を祝するように見えた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7714
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 649頁
修補版:
校定版:
234頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
茲
(
ここ
)
に
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は、
002
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
屯
(
たむろ
)
し
給
(
たま
)
ふ
泉
(
いづみ
)
の
森
(
もり
)
の
本営
(
ほんえい
)
を
立出
(
たちい
)
で、
003
大野
(
おほの
)
ケ
原
(
はら
)
を
南
(
みなみ
)
へ
南
(
みなみ
)
へと
駒
(
こま
)
を
駈
(
か
)
けながら
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ひけるが、
004
俄
(
にはか
)
に
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
の
方面
(
はうめん
)
より
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
す
黒煙
(
くろけむり
)
は
天
(
てん
)
に
塞
(
ふさ
)
がり
地
(
ち
)
に
這
(
は
)
ひて、
005
咫尺
(
しせき
)
を
弁
(
べん
)
ぜず、
006
駒
(
こま
)
の
歩
(
あゆ
)
みも
捗々
(
はかばか
)
しからず、
007
行
(
ゆ
)
き
艱
(
なや
)
みつつ
其
(
その
)
日
(
ひ
)
の
黄昏
(
たそが
)
るる
頃
(
ころ
)
、
008
漸
(
やうや
)
くにして
山麓
(
さんろく
)
の
稍
(
やや
)
平坦
(
へいたん
)
なる
小笹
(
をざさ
)
ケ
原
(
はら
)
に
着
(
つ
)
き
給
(
たま
)
ひけるが、
009
昼
(
ひる
)
も
猶
(
なほ
)
暗
(
くら
)
きに、
010
搗
(
かて
)
て
加
(
くは
)
へて
夕闇
(
ゆふやみ
)
の
迫
(
せま
)
りければ、
011
其
(
その
)
身
(
み
)
の
乗
(
の
)
ります
白
(
しろ
)
き
駒
(
こま
)
さへも
完全
(
くわんぜん
)
に
見別
(
みわ
)
け
難
(
がた
)
くなりけるにぞ、
012
流石
(
さすが
)
の
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
もひたと
行詰
(
ゆきつま
)
り、
013
当惑
(
たうわく
)
の
体
(
てい
)
にて、
014
邪気
(
じやき
)
を
晴
(
は
)
らすべく
生言霊
(
いくことたま
)
を
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
げ
給
(
たま
)
ふ。
015
其
(
その
)
御歌
(
みうた
)
、
016
『アオウエイ
天津
(
あまつ
)
高宮
(
たかみや
)
の
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
017
依
(
よ
)
さしの
旅
(
たび
)
ぞ
雲霧
(
くもきり
)
退
(
しりぞ
)
け
018
カコクケキ
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
る
日月
(
じつげつ
)
の
019
永遠
(
とは
)
に
伊照
(
いて
)
らす
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
ぞ
020
曲神
(
まがかみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
猛
(
たけ
)
びの
強
(
つよ
)
くとも
021
生言霊
(
いくことたま
)
に
雲霧
(
くもきり
)
晴
(
は
)
らさむ
022
サソスセシ
023
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
る
月日
(
つきひ
)
の
影
(
かげ
)
を
曲神
(
まがかみ
)
は
024
隠
(
かく
)
さむとするぞ
忌々
(
ゆゆ
)
しかりけれ
025
五月蠅
(
さばへ
)
なす
曲津
(
まが
)
の
砦
(
とりで
)
を
射照
(
いてら
)
して
026
吾
(
われ
)
は
進
(
すす
)
まむ
魔棲
(
ますみ
)
ケ
谷
(
やつ
)
に
027
タトツテチ
028
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
水火
(
いき
)
の
命
(
いのち
)
のある
限
(
かぎ
)
り
029
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
を
照
(
て
)
らさむ
吾
(
われ
)
なり
030
高山
(
たかやま
)
の
谷間
(
たにま
)
に
潜
(
ひそ
)
む
曲津見
(
まがつみ
)
の
031
水火
(
いき
)
を
祓
(
はら
)
ひて
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
を
照
(
て
)
らさむ
032
魂線
(
たましひ
)
の
生
(
い
)
きの
生命
(
いのち
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りを
033
尽
(
つく
)
して
曲神
(
まが
)
と
戦
(
たたか
)
はむかな
034
ナノヌネニ
035
七重
(
ななへ
)
八重
(
やへ
)
十重
(
とへ
)
に
二十重
(
はたへ
)
に
包
(
つつ
)
みたる
036
雲霧
(
くもきり
)
晴
(
は
)
れよ
生言霊
(
いくことたま
)
に
037
長
(
なが
)
き
間
(
あひだ
)
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
を
閉
(
とざ
)
したる
038
雲霧
(
くもきり
)
祓
(
はら
)
はむ
水火
(
いき
)
の
命
(
いのち
)
に
039
流
(
なが
)
れ
落
(
お
)
つる
滝
(
たき
)
の
響
(
ひびき
)
も
濁
(
にご
)
りたり
040
大蛇
(
をろち
)
の
棲
(
す
)
める
此
(
この
)
谷川
(
たにがは
)
は
041
艱
(
なや
)
みなき
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
の
中
(
なか
)
にして
042
荒振
(
あらぶ
)
る
曲神
(
まが
)
を
憐
(
あは
)
れみ
思
(
おも
)
ふ
043
ハホフヘヒ
044
駿馬
(
はやこま
)
の
白
(
しろ
)
き
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
えぬまで
045
曲神
(
まがみ
)
の
水火
(
いき
)
は
黒
(
くろ
)
く
包
(
つつ
)
みぬ
046
果
(
はて
)
しなき
生言霊
(
いくことたま
)
の
力
(
ちから
)
にて
047
吾
(
われ
)
は
払
(
はら
)
はむ
醜
(
しこ
)
の
黒雲
(
くろくも
)
を
048
はしけやし
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御水火
(
みいき
)
以
(
も
)
て
049
ヲ
声
(
ごゑ
)
に
生
(
あ
)
れし
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
ぞや
050
マモムメミ
051
曲神
(
まがかみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
砦
(
とりで
)
をことごとく
052
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
すと
吾
(
われ
)
は
来
(
き
)
つるも
053
万里
(
まで
)
ケ
島
(
しま
)
は
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御樋代
(
みひしろ
)
ぞ
054
服従
(
まつろ
)
へ
奉
(
まつ
)
れ
醜
(
しこ
)
の
竜神
(
たつがみ
)
055
摩訶
(
まか
)
不思議
(
ふしぎ
)
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
山裾
(
やますそ
)
に
056
醜
(
しこ
)
の
黒雲
(
くろくも
)
立
(
た
)
ち
迷
(
まよ
)
ふとは
057
まさにこれ
醜
(
しこ
)
の
竜神
(
たつがみ
)
大蛇
(
をろち
)
等
(
ら
)
が
058
吾
(
われ
)
謀
(
はか
)
らむと
包
(
つつ
)
める
雲
(
くも
)
かも
059
ワヲウヱヰ
060
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
神言
(
みこと
)
以
(
も
)
て
061
曲神
(
まが
)
の
征途
(
きため
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ひたり
062
悪神
(
あくがみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
奸計
(
たくみ
)
をことごとく
063
討斬
(
うちき
)
り
払
(
はら
)
ひ
雄々
(
をを
)
しく
進
(
すす
)
まむ
064
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
これの
笹生
(
ささふ
)
に
休
(
やす
)
らひて
065
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
くるまで
待
(
ま
)
たむと
思
(
おも
)
ふ
066
進
(
すす
)
まむとひたに
思
(
おも
)
へど
咫尺
(
しせき
)
弁
(
わ
)
かぬ
067
この
常闇
(
とこやみ
)
は
詮術
(
せんすべ
)
もなき』
068
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
069
胸
(
むね
)
に
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
をかけ、
070
悠々
(
いういう
)
と
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
れる
三柱
(
みはしら
)
の
女神
(
めがみ
)
あり。
071
ふと
見
(
み
)
れば
山跡
(
やまと
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
、
072
千貝
(
ちかひ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
、
073
湯結
(
ゆむすび
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
三女神
(
さんぢよしん
)
にして、
074
神言
(
みこと
)
の
前
(
まへ
)
に
軽
(
かる
)
く
目礼
(
もくれい
)
しながら
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
に
四辺
(
しへん
)
を
照
(
てら
)
し、
075
比女神
(
ひめがみ
)
の
姿
(
すがた
)
は
常
(
つね
)
に
勝
(
まさ
)
りて
美
(
うるは
)
しく、
076
神々
(
かうがう
)
しく、
077
優
(
やさ
)
しく
見
(
み
)
えにける。
078
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は、
079
三女神
(
さんぢよしん
)
は
吾
(
われ
)
より
後
(
あと
)
に
進
(
すす
)
みたる
筈
(
はず
)
なるに、
080
早
(
はや
)
くも
先着
(
せんちやく
)
したるは
合点
(
がてん
)
ゆかずと
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
み
暫
(
しば
)
し
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れ
居給
(
ゐたま
)
ひけるが、
081
『
審
(
いぶ
)
かしも
汝
(
なれ
)
は
三柱
(
みはしら
)
比女神
(
ひめがみ
)
に
082
面
(
おも
)
ざし
偽
(
に
)
せし
曲津見
(
まがつみ
)
なるらむ
083
三柱
(
みはしら
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
は
夜光
(
やくわう
)
の
珍
(
うづ
)
の
玉
(
たま
)
084
持
(
も
)
たせしことの
未
(
ま
)
だ
無
(
な
)
きものを』
085
山跡
(
やまと
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は「ホホホホホホ」と
優
(
やさ
)
しき
御声
(
みこゑ
)
に
打笑
(
うちわら
)
ひながら、
086
『
愚
(
おろ
)
かなる
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
よ
087
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
はわが
神魂
(
みたま
)
ぞや
088
吾
(
わが
)
神魂
(
みたま
)
まさかの
時
(
とき
)
には
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
089
光
(
ひかり
)
となりて
闇
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らすも
090
常闇
(
とこやみ
)
はいや
深
(
ふか
)
くとも
吾
(
わが
)
持
(
も
)
てる
091
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
に
山路
(
やまぢ
)
を
照
(
て
)
らさむ
092
吾
(
わが
)
魂
(
たま
)
の
光
(
ひかり
)
に
従
(
したが
)
ひ
登
(
のぼ
)
りませ
093
闇
(
やみ
)
の
山路
(
やまぢ
)
を
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
よ』
094
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
095
『
如何
(
いか
)
にしても
心
(
こころ
)
落
(
お
)
ちゐぬ
汝
(
なれ
)
の
姿
(
すがた
)
096
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがみ
)
の
化身
(
けしん
)
とおもふ
097
よしやよし
他
(
た
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
闇
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らす
098
光
(
ひかり
)
に
迷
(
まよ
)
はむも
吾
(
われ
)
は
認
(
みと
)
めじ』
099
千貝
(
ちかひ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
はニコニコしながら、
100
『
愚
(
おろ
)
かしき
言
(
こと
)
を
宣
(
の
)
らすよ
汝
(
な
)
が
宣
(
の
)
りし
101
生言霊
(
いくことたま
)
に
耀
(
かがよ
)
ひし
吾
(
わが
)
魂
(
たま
)
よ
102
汝
(
な
)
が
宣
(
の
)
りし
生言霊
(
いくことたま
)
の
光
(
ひかり
)
なくば
103
吾
(
われ
)
は
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
を
得
(
え
)
まじきを
104
兎
(
と
)
にもあれ
角
(
かく
)
にもあれや
闇
(
やみ
)
の
道
(
みち
)
を
105
吾
(
われ
)
に
続
(
つづ
)
きて
登
(
のぼ
)
らせ
給
(
たま
)
へ
106
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
御尾前
(
みをさき
)
明
(
あか
)
さむと
107
吾
(
われ
)
は
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
を
照
(
て
)
らすも
108
三柱
(
みはしら
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
何
(
いづ
)
れも
汝
(
なれ
)
が
為
(
た
)
め
109
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
を
照
(
て
)
らして
待
(
ま
)
つも』
110
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
審
(
いぶ
)
かしさに
堪
(
た
)
へず、
111
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
112
『
兎見斯見
(
とみかうみ
)
汝
(
なれ
)
が
面
(
おも
)
ざし
眺
(
なが
)
むれば
113
三柱
(
みはしら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
とは
思
(
おも
)
へず
114
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
くるまでは
吾
(
われ
)
は
此処
(
ここ
)
に
115
生言霊
(
いくことたま
)
を
養
(
やしな
)
はむと
思
(
おも
)
ふ』
116
女神
(
めがみ
)
『
愚
(
おろか
)
なる
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
らすも
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
117
神
(
かみ
)
の
眼
(
まなこ
)
は
迷
(
まよ
)
ひましけむ
118
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
に
照
(
て
)
らされて
119
吾
(
わが
)
面
(
おも
)
ざしは
変
(
かは
)
りて
見
(
み
)
ゆるも
120
真昼
(
まひる
)
見
(
み
)
る
女神
(
めがみ
)
と
夜光
(
やくわう
)
の
光
(
かげ
)
に
見
(
み
)
る
121
女神
(
めがみ
)
の
姿
(
すがた
)
はうつらふものを
122
山裾
(
やますそ
)
の
此処
(
ここ
)
は
笹原
(
ささはら
)
露
(
つゆ
)
しげし
123
吾
(
わが
)
住
(
す
)
む
庵
(
いほり
)
へ
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
へ』
124
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
益々
(
ますます
)
審
(
いぶ
)
かしみながら、
125
『
三柱
(
みはしら
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
庵
(
いほり
)
の
此
(
この
)
山
(
やま
)
に
126
ありと
思
(
おも
)
へず
欺罔言
(
たばかりごと
)
宣
(
の
)
るな』
127
女神
(
めがみ
)
『
言霊
(
ことたま
)
の
伊照
(
いて
)
り
幸
(
さちは
)
ふ
国
(
くに
)
なれば
128
束
(
つか
)
の
間
(
あひ
)
にも
庵
(
いほり
)
は
建
(
た
)
つなり
129
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
森羅万象
(
あらゆるもの
)
は
言霊
(
ことたま
)
の
130
水火
(
いき
)
に
生
(
い
)
くると
思召
(
おぼしめ
)
さずや』
131
湯結
(
ゆむすび
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
微笑
(
ほほゑ
)
みながら、
132
『
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
山跡
(
やまと
)
比女
(
ひめ
)
千貝
(
ちかひ
)
比女
(
ひめ
)
133
神
(
かみ
)
の
争論
(
いさかひ
)
可笑
(
をか
)
しくもあるか
134
疑
(
うたが
)
ひの
雲霧
(
くもきり
)
互
(
たがひ
)
に
行
(
ゆ
)
き
交
(
か
)
ひて
135
黒白
(
あやめ
)
も
判
(
わ
)
かぬ
闇
(
やみ
)
の
笹原
(
ささはら
)
136
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
吾
(
われ
)
も
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
を
持
(
も
)
ちて
137
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
の
闇
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らすも
138
あくまでも
疑
(
うたが
)
ひ
給
(
たま
)
ふは
宜
(
うべ
)
ながら
139
汝
(
な
)
も
言霊
(
ことたま
)
の
神
(
かみ
)
にあらずや
140
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
疑
(
うたが
)
ひ
晴
(
は
)
らさむと
141
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
をいざや
隠
(
かく
)
さむ』
142
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
『
山跡
(
やまと
)
比女
(
ひめ
)
千貝
(
ちかひ
)
の
比女
(
ひめ
)
よ
汝
(
な
)
が
持
(
も
)
てる
143
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
も
隠
(
かく
)
させ
給
(
たま
)
へ』
144
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふや、
145
三柱
(
みはしら
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
の
姿
(
すがた
)
も
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
も
全
(
まつた
)
く
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて、
146
四辺
(
あたり
)
は
咫尺
(
しせき
)
弁
(
べん
)
ぜぬ
真
(
しん
)
の
闇
(
やみ
)
となり、
147
小笹
(
をざざ
)
を
吹
(
ふ
)
き
渡
(
わた
)
る
嵐
(
あらし
)
の
音
(
おと
)
のみ
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る
其
(
そ
)
の
凄惨
(
せいさん
)
さ、
148
譬
(
たと
)
ふるにもの
無
(
な
)
かりける。
149
茲
(
ここ
)
に
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
小笹
(
をざさ
)
を
渡
(
わた
)
る
山嵐
(
やまあらし
)
の
音
(
おと
)
と
駿馬
(
はやこま
)
の
鼻息
(
はないき
)
のみ
聞
(
きこ
)
ゆる
淋
(
さび
)
しき
小笹
(
をざさ
)
ケ
原
(
はら
)
に、
150
両腕
(
りやううで
)
を
組
(
く
)
み
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
くるを
待
(
ま
)
ちて
戦
(
たたか
)
はむとして、
151
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
152
『
荒果
(
あれは
)
てし
小笹
(
をざさ
)
の
原
(
はら
)
に
迫
(
せま
)
りたる
153
闇
(
やみ
)
はまさしく
曲神
(
まが
)
の
水火
(
いき
)
なる
154
掛巻
(
かけま
)
くも
畏
(
かしこ
)
き
神
(
かみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
155
夜光
(
やくわう
)
の
曲津
(
まが
)
は
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せにけり
156
笹原
(
ささはら
)
に
山風
(
やまかぜ
)
立
(
た
)
ちて
肌
(
はだ
)
寒
(
さむ
)
く
157
この
一夜
(
ひとよさ
)
を
如何
(
いか
)
に
明
(
あか
)
さむ
158
立向
(
たちむか
)
ふ
曲神
(
まが
)
の
征途
(
きため
)
に
黄昏
(
たそが
)
れて
159
吾
(
われ
)
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
言霊歌
(
ことたまうた
)
詠
(
よ
)
む
160
何事
(
なにごと
)
も
吾
(
わが
)
魂線
(
たましひ
)
のささやきに
161
従
(
したが
)
ひ
進
(
すす
)
まむ
曲津
(
まが
)
の
征途
(
きため
)
に
162
はからずも
此処
(
ここ
)
に
出
(
い
)
で
来
(
こ
)
し
比女神
(
ひめがみ
)
は
163
曲津
(
まが
)
の
化身
(
けしん
)
か
眼
(
まなこ
)
光
(
ひか
)
れる
164
眩
(
まぶ
)
しきまで
光
(
て
)
れる
眼
(
まなこ
)
を
光
(
ひか
)
らせて
165
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
と
偽
(
いつは
)
る
曲神
(
まがかみ
)
166
八百万
(
やほよろづ
)
の
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがかみ
)
集
(
あつ
)
まりし
167
此
(
この
)
山道
(
やまみち
)
は
畏
(
かしこ
)
かりける
168
未
(
ま
)
だ
稚
(
わか
)
き
国原
(
くにはら
)
なれば
曲津見
(
まがつみ
)
は
169
恣
(
ほしいまま
)
なる
振舞
(
ふるまひ
)
なすも
170
色々
(
いろいろ
)
と
姿
(
すがた
)
を
変
(
か
)
へて
迫
(
せま
)
り
来
(
く
)
る
171
この
山下
(
やまもと
)
の
曲神
(
まがみ
)
忌々
(
ゆゆ
)
しも
172
肝
(
きも
)
向
(
むか
)
ふ
心
(
こころ
)
の
魂
(
たま
)
を
光
(
ひか
)
らせて
173
吾
(
わが
)
神業
(
かむわざ
)
を
遂
(
と
)
げむとぞ
思
(
おも
)
ふ
174
しきり
降
(
ふ
)
るこの
俄雨
(
はやあめ
)
は
竜神
(
たつがみ
)
の
175
業
(
わざ
)
にやあらむ
長続
(
ながつづ
)
きせず
176
千早振
(
ちはやぶ
)
る
神
(
かみ
)
の
水火
(
いき
)
より
生
(
うま
)
れたる
177
正
(
ただ
)
しき
吾
(
われ
)
は
進
(
すす
)
むのみなる
178
俄雨
(
にはかあめ
)
降
(
お
)
りて
俄
(
にはか
)
に
止
(
や
)
みにけり
179
曲神
(
まがみ
)
の
力
(
ちから
)
斯
(
か
)
くも
脆
(
もろ
)
かり
180
久
(
ひさ
)
しきに
堪
(
た
)
へて
戦
(
たたか
)
ひ
迫
(
せま
)
りつつ
181
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがみ
)
を
言向
(
ことむ
)
けてみむ
182
竜蛇神
(
りうだしん
)
これの
谷間
(
たにま
)
に
集
(
あつ
)
まりて
183
非時
(
ときじく
)
雲
(
くも
)
を
起
(
おこ
)
す
憎
(
にく
)
さよ
184
生言霊
(
いくことたま
)
の
水火
(
いき
)
の
幸
(
さちは
)
ひ
著
(
しる
)
ければ
185
八十
(
やそ
)
の
曲津
(
まがつ
)
も
何
(
なに
)
か
恐
(
おそ
)
れむ
186
浮雲
(
うきぐも
)
の
定
(
さだ
)
まりもなき
曲津見
(
まがつみ
)
の
187
脆
(
もろ
)
き
奸計
(
たくみ
)
を
破
(
やぶ
)
りて
進
(
すす
)
まむ
188
黒雲
(
くろくも
)
は
十重
(
とへ
)
に
二十重
(
はたへ
)
に
包
(
つつ
)
むとも
189
晴
(
は
)
らして
行
(
ゆ
)
かむ
生言霊
(
いくことたま
)
に
190
澄
(
す
)
みきらふ
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
に
恐
(
おそ
)
れしか
191
竜蛇
(
りうだ
)
は
比女
(
ひめ
)
となりて
窺
(
うかが
)
ひぬ
192
次々
(
つぎつぎ
)
に
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
と
見
(
み
)
せかけて
193
醜女
(
しこめ
)
は
吾
(
われ
)
を
欺
(
あざむ
)
かむとせり
194
奴婆玉
(
ぬばたま
)
の
闇
(
やみ
)
は
迫
(
せま
)
れど
吾
(
わが
)
持
(
も
)
てる
195
神魂
(
みたま
)
の
光
(
ひかり
)
はますます
明
(
あか
)
るし
196
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
ぶ
醜
(
しこ
)
の
嵐
(
あらし
)
も
曲神
(
まがかみ
)
の
197
水火
(
いき
)
にありしよ
頓
(
とみ
)
に
止
(
や
)
みぬる
198
睦
(
むつ
)
まじき
女神
(
めがみ
)
の
姿
(
すがた
)
に
体
(
み
)
を
変
(
か
)
へて
199
吾
(
われ
)
を
欺
(
あざむ
)
く
醜女
(
しこめ
)
探女
(
さぐめ
)
等
(
ら
)
200
由縁
(
ゆかり
)
ある
比女神
(
ひめがみ
)
の
名
(
な
)
を
騙
(
かた
)
らひつ
201
闇
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らして
吾
(
われ
)
を
誘
(
さそ
)
へり
202
美
(
うるは
)
しき
比女神
(
ひめがみ
)
の
姿
(
すがた
)
を
吾前
(
わがまへ
)
に
203
現
(
あら
)
はせ
誘
(
さそ
)
ふ
醜
(
しこ
)
のたくらみ
204
画
(
ゑ
)
にさへも
書
(
か
)
けぬ
美
(
うるは
)
しき
優姿
(
やさすがた
)
を
205
現
(
あら
)
はし
吾眼
(
わがめ
)
を
眩
(
くら
)
まさむとせし
206
健気
(
けなげ
)
なる
三柱
(
みはしら
)
比女神
(
ひめがみ
)
は
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
207
怪
(
け
)
しき
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
らさざるなり
208
せせらぎの
音
(
おと
)
のみ
聞
(
きこ
)
ゆる
谷川
(
たにがは
)
の
209
傍
(
かたへ
)
の
笹原
(
ささはら
)
は
露
(
つゆ
)
のしづけき
210
天
(
あめ
)
も
地
(
つち
)
も
常闇
(
とこやみ
)
の
如
(
ごと
)
曇
(
くも
)
りたり
211
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
曲津
(
まが
)
の
謀
(
はか
)
るか
212
寝
(
ね
)
もやらずこれの
笹生
(
ささふ
)
に
端坐
(
たんざ
)
して
213
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
くるまで
吾
(
われ
)
は
待
(
ま
)
たむか
214
隔
(
へだ
)
てなき
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
守
(
まも
)
られて
215
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
に
勝
(
か
)
たむと
祈
(
いの
)
る
216
目
(
め
)
を
閉
(
と
)
ぢし
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
ゆるも
常闇
(
とこやみ
)
の
217
この
山裾
(
やますそ
)
は
曲津
(
まが
)
の
入口
(
いりぐち
)
か』
218
斯
(
か
)
く
一人
(
ひとり
)
闇
(
やみ
)
の
芝生
(
しばふ
)
に
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませつつ
一夜
(
いちや
)
を
此処
(
ここ
)
に
明
(
あか
)
し
給
(
たま
)
ひける。
219
東雲
(
しののめ
)
の
空
(
そら
)
はほの
明
(
あか
)
くして
紫雲
(
しうん
)
棚引
(
たなび
)
き、
220
今日
(
けふ
)
の
征途
(
せいと
)
を
祝
(
しゆく
)
するがに
覚
(
おぼ
)
えたり。
221
『
東
(
ひむがし
)
の
空
(
そら
)
は
漸
(
やうや
)
く
東雲
(
しのの
)
めて
222
紫
(
むらさき
)
の
雲
(
くも
)
は
棚引
(
たなび
)
きにけり
223
百鳥
(
ももとり
)
の
声
(
こゑ
)
も
爽
(
さや
)
けく
聞
(
きこ
)
え
来
(
き
)
ぬ
224
早
(
はや
)
昇
(
のぼ
)
りまさむ
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
光
(
かげ
)
は
225
百千谷
(
ももちだに
)
の
滝津瀬
(
たきつせ
)
の
音
(
おと
)
はいや
高
(
たか
)
く
226
響
(
ひび
)
かひにつつ
夜
(
よ
)
は
明
(
あ
)
けにけり』
227
(
昭和八・一二・一五
旧一〇・二八
於大阪分院蒼雲閣
森良仁
謹録)
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