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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第50巻(丑の巻)
序文
総説
第1篇 和光同塵
第1章 至善至悪
第2章 照魔燈
第3章 高魔腹
第4章 御意犬
第2篇 兇党擡頭
第5章 霊肉問答
第6章 玉茸
第7章 負傷負傷
第8章 常世闇
第9章 真理方便
第3篇 神意と人情
第10章 据置貯金
第11章 鸚鵡返
第12章 敵愾心
第13章 盲嫌
第14章 虬の盃
第4篇 神犬の言霊
第15章 妖幻坊
第16章 鷹鷲掴
第17章 偽筆
第18章 安国使
第19章 逆語
第20章 悪魔払
第21章 犬嘩
余白歌
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★☆★
【磐座信仰】三輪山の三つの磐座と山添村の巨石群
★☆★
霊界物語
>
真善美愛(第49~60巻)
>
第50巻(丑の巻)
> 第1篇 和光同塵 > 第2章 照魔燈
<<< 至善至悪
(B)
(N)
高魔腹 >>>
第二章
照魔灯
(
せうまとう
)
〔一二九六〕
インフォメーション
著者:
巻:
篇:
よみ(新仮名遣い):
章:
よみ(新仮名遣い):
通し章番号:
口述日:
口述場所:
筆録者:
校正日:
校正場所:
初版発行日:
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。
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主な登場人物
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【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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備考:
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データ最終更新日:
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OBC :
rm5002
愛善世界社版:
八幡書店版:
修補版:
校定版:
普及版:
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派生
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出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第四篇 神霊世界 > 第八章 照魔燈
001
高天原
(
たかあまはら
)
の
最奥
(
さいあう
)
に
於
(
お
)
ける
霊国
(
れいごく
)
及
(
およ
)
び
天国
(
てんごく
)
の
天人
(
てんにん
)
は、
002
すべて
愛
(
あい
)
の
善徳
(
ぜんとく
)
を
完備
(
くわんび
)
し、
003
信
(
しん
)
の
真善
(
しんぜん
)
を
成就
(
じやうじゆ
)
し、
004
智慧
(
ちゑ
)
証覚
(
しようかく
)
に
充
(
み
)
ち
居
(
を
)
るを
以
(
もつ
)
て、
005
中間
(
ちうかん
)
天国
(
てんごく
)
以下
(
いか
)
の
天人
(
てんにん
)
の
如
(
ごと
)
く、
006
決
(
けつ
)
して
信
(
しん
)
を
説
(
と
)
かず、
007
又
(
また
)
信
(
しん
)
の
何
(
なん
)
たるかも
知
(
し
)
らないのである。
008
又
(
また
)
神
(
かみ
)
の
真
(
しん
)
に
就
(
つ
)
いて
論究
(
ろんきう
)
せないのである。
009
何故
(
なにゆゑ
)
ならば、
010
斯
(
か
)
かる
霊的
(
れいてき
)
及
(
およ
)
び
天的
(
てんてき
)
最高
(
さいかう
)
天人
(
てんにん
)
は、
011
大神
(
おほかみ
)
の
神格
(
しんかく
)
に
充
(
み
)
たされ、
012
愛善
(
あいぜん
)
信真
(
しんしん
)
これ
天人
(
てんにん
)
の
本体
(
ほんたい
)
なるが
故
(
ゆゑ
)
である。
013
故
(
ゆゑ
)
に
他界
(
たかい
)
の
天人
(
てんにん
)
の
如
(
ごと
)
く、
014
これは
果
(
はた
)
して
善
(
ぜん
)
なりや、
015
悪
(
あく
)
なりや、
016
などと
言
(
い
)
つて
真理
(
しんり
)
を
争
(
あらそ
)
はない。
017
只
(
ただ
)
争
(
あらそ
)
ふものは
中間
(
ちうかん
)
及
(
およ
)
び
下層
(
かそう
)
天界
(
てんかい
)
の
天人
(
てんにん
)
の
内分
(
ないぶん
)
の
度
(
ど
)
の
低
(
ひく
)
いものの
所為
(
しよゐ
)
である。
018
又
(
また
)
最奥
(
さいあう
)
の
天人
(
てんにん
)
は
視覚
(
しかく
)
によらず、
019
必
(
かなら
)
ず
其
(
その
)
聴覚
(
ちやうかく
)
によつて、
020
即
(
すなは
)
ち
宇宙
(
うちう
)
に
瀰漫
(
びまん
)
せるアオウエイの
五大
(
ごだい
)
父音
(
ふおん
)
の
音響
(
おんきやう
)
如何
(
いかん
)
によつて、
021
其
(
その
)
証覚
(
しようかく
)
をして
益々
(
ますます
)
円満
(
ゑんまん
)
ならしむるものである。
022
大本
(
おほもと
)
神諭
(
しんゆ
)
に『
生
(
うま
)
れ
赤子
(
あかご
)
の
心
(
こころ
)
にならねば、
023
神
(
かみ
)
の
真
(
まこと
)
は
分
(
わか
)
りは
致
(
いた
)
さぬぞよ……』とお
示
(
しめ
)
しになつてゐるが、
024
すべて
赤子
(
あかご
)
の
心
(
こころ
)
は
清浄
(
せいじやう
)
無垢
(
むく
)
にして
水晶
(
すゐしやう
)
の
如
(
ごと
)
きものであるから、
025
仮令
(
たとへ
)
智慧
(
ちゑ
)
証覚
(
しようかく
)
は
劣
(
おと
)
ると
雖
(
いへど
)
も、
026
直
(
ただ
)
ちに
其
(
その
)
清浄
(
せいじやう
)
と
無垢
(
むく
)
とは、
027
最奥
(
さいあう
)
天界
(
てんかい
)
に
和合
(
わがふ
)
し
得
(
う
)
るからである。
028
又
(
また
)
社会
(
しやくわい
)
的
(
てき
)
覊絆
(
きはん
)
を
脱
(
だつ
)
し、
029
すべての
物欲
(
ぶつよく
)
を
棄
(
す
)
て、
030
悠々
(
いういう
)
として
老後
(
らうご
)
を
楽
(
たの
)
しみ、
031
罪悪
(
ざいあく
)
に
遠
(
とほ
)
ざかり、
032
天命
(
てんめい
)
を
楽
(
たの
)
しむ
所
(
ところ
)
の
老人
(
らうじん
)
を
以
(
もつ
)
て、
033
証覚
(
しようかく
)
ありて
無垢
(
むく
)
なる
者
(
もの
)
たることを
現
(
あら
)
はし
給
(
たま
)
ふのである。
034
大本
(
おほもと
)
開祖
(
かいそ
)
が
世間
(
せけん
)
的
(
てき
)
生涯
(
しやうがい
)
を
終
(
をは
)
り、
035
夫
(
をつと
)
を
見送
(
みおく
)
り、
036
無垢
(
むく
)
の
生涯
(
しやうがい
)
に
入
(
い
)
り
給
(
たま
)
うた
時
(
とき
)
、
037
始
(
はじ
)
めて
神
(
かみ
)
は
予言者
(
よげんしや
)
として、
038
これに
神格
(
しんかく
)
の
充
(
みた
)
されたる
精霊
(
せいれい
)
を
降
(
くだ
)
し
給
(
たま
)
ひ、
039
天国
(
てんごく
)
の
福音
(
ふくいん
)
を
普
(
あまね
)
く
地上
(
ちじやう
)
に
宣伝
(
せんでん
)
し
給
(
たま
)
うたのは、
040
実
(
じつ
)
に
清浄
(
せいじやう
)
無垢
(
むく
)
の
身魂
(
みたま
)
に
復活
(
ふくくわつ
)
し、
041
精霊
(
せいれい
)
をして
天国
(
てんごく
)
の
籍
(
せき
)
におかせ
給
(
たま
)
うたからである。
042
故
(
ゆゑ
)
に
開祖
(
かいそ
)
の
如
(
ごと
)
きは、
043
生前
(
せいぜん
)
に
於
(
おい
)
て
已
(
すで
)
に
霊的
(
れいてき
)
復活
(
ふくくわつ
)
をせられたのである。
044
此
(
この
)
復活
(
ふくくわつ
)
を
称
(
しよう
)
して
霊的
(
れいてき
)
人格
(
じんかく
)
の
再生
(
さいせい
)
といふのである。
045
大神
(
おほかみ
)
は
人間
(
にんげん
)
をして
其
(
その
)
齢
(
よはひ
)
進
(
すす
)
むに
従
(
したが
)
ひ、
046
之
(
これ
)
に
対
(
たい
)
して
善
(
ぜん
)
と
真
(
しん
)
とを
流入
(
りうにふ
)
し
給
(
たま
)
ふものである。
047
先
(
ま
)
づ
人間
(
にんげん
)
を
導
(
みちび
)
いて
善
(
ぜん
)
と
真
(
しん
)
との
知識
(
ちしき
)
に
入
(
い
)
らしめ、
048
これより
進
(
すす
)
んで
不動
(
ふどう
)
不滅
(
ふめつ
)
の
智慧
(
ちゑ
)
に
入
(
い
)
り、
049
最後
(
さいご
)
に
其
(
その
)
智慧
(
ちゑ
)
より
仏者
(
ぶつしや
)
の
所謂
(
いはゆる
)
阿羅耶
(
あらや
)
識
(
しき
)
(
八識
(
はつしき
)
)
即
(
すなは
)
ち
証覚
(
しようかく
)
に
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ふものである。
050
之
(
これ
)
を
仏教
(
ぶつけう
)
にては、
051
阿耨
(
あのく
)
多羅
(
たら
)
、
052
三藐
(
さんみやく
)
三菩提心
(
さんぼだいしん
)
(
無上
(
むじやう
)
証覚
(
しようかく
)
)といふのである。
053
併
(
しか
)
しながら
現代
(
げんだい
)
の
人間
(
にんげん
)
は、
054
其
(
その
)
齢
(
よはひ
)
進
(
すす
)
むに
従
(
したが
)
つて、
055
益々
(
ますます
)
奸智
(
かんち
)
に
長
(
た
)
け、
056
表面
(
へうめん
)
は
楽隠居
(
らくいんきよ
)
の
如
(
ごと
)
く
世捨人
(
よすてびと
)
の
如
(
ごと
)
く、
057
或
(
あるひ
)
は
聖人
(
せいじん
)
君子
(
くんし
)
の
如
(
ごと
)
く
装
(
よそほ
)
ふと
雖
(
いへど
)
も、
058
その
実
(
じつ
)
益々
(
ますます
)
不良
(
ふりやう
)
老年
(
らうねん
)
の
域
(
ゐき
)
に
進
(
すす
)
むものが
大多数
(
だいたすう
)
である。
059
優勝
(
いうしよう
)
劣敗
(
れつぱい
)
、
060
弱肉
(
じやくにく
)
強食
(
きやうしよく
)
を
以
(
もつ
)
て
社会
(
しやくわい
)
の
真理
(
しんり
)
と
看做
(
みな
)
してゐる
現代
(
げんだい
)
に
立
(
た
)
ち、
061
多数
(
たすう
)
の
党与
(
たうよ
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
政治界
(
せいぢかい
)
又
(
また
)
は
実業界
(
じつげふかい
)
に
跋扈
(
ばつこ
)
跳梁
(
てうりやう
)
し、
062
益々
(
ますます
)
権謀
(
けんぼう
)
術数
(
じゆつすう
)
を
逞
(
たくま
)
しうし、
063
僅
(
わづか
)
に
其
(
その
)
地位
(
ちゐ
)
を
保
(
たも
)
ち、
064
世間
(
せけん
)
的
(
てき
)
権勢
(
けんせい
)
を
掌握
(
しやうあく
)
して
無上
(
むじやう
)
の
功名
(
こうみやう
)
と
看做
(
みな
)
してゐる
人物
(
じんぶつ
)
の
如
(
ごと
)
きは、
065
実
(
じつ
)
に
霊界
(
れいかい
)
より
之
(
これ
)
を
見
(
み
)
る
時
(
とき
)
は
憐
(
あは
)
れむべき
盲者
(
まうじや
)
である。
066
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
現界
(
げんかい
)
に
於
(
お
)
ける
権力者
(
けんりよくしや
)
よりも、
067
無智
(
むち
)
にして
其
(
その
)
日
(
ひ
)
の
労働
(
らうどう
)
に
勤
(
いそ
)
しみ、
068
現代人
(
げんだいじん
)
の
無道
(
むだう
)
の
権力
(
けんりよく
)
に
圧倒
(
あつたう
)
され、
069
孜々
(
しし
)
として
之
(
これ
)
に
盲従
(
まうじゆう
)
し、
070
不遇
(
ふぐう
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
生涯
(
しやうがい
)
送
(
おく
)
りし
人間
(
にんげん
)
が、
071
霊界
(
れいかい
)
に
至
(
いた
)
つて
神
(
かみ
)
の
恩寵
(
おんちやう
)
に
浴
(
よく
)
し、
072
其
(
その
)
霊魂
(
れいこん
)
は
智慧
(
ちゑ
)
相応
(
さうおう
)
の
光
(
ひかり
)
を
放
(
はな
)
ち、
073
善
(
ぜん
)
と
真
(
しん
)
との
徳
(
とく
)
に
包
(
つつ
)
まれて、
074
生前
(
せいぜん
)
の
位地
(
ゐち
)
を
転倒
(
てんたう
)
してゐる
者
(
もの
)
が
沢山
(
たくさん
)
にあるのである。
075
故
(
ゆゑ
)
に
霊的
(
れいてき
)
観察
(
くわんさつ
)
よりすれば、
076
権勢
(
けんせい
)
ある
者
(
もの
)
、
077
富
(
と
)
める
者
(
もの
)
、
078
智者
(
ちしや
)
学者
(
がくしや
)
といはるる
者
(
もの
)
よりも、
079
貧
(
まづ
)
しき
者
(
もの
)
、
080
卑
(
いや
)
しき
者
(
もの
)
、
081
力
(
ちから
)
弱
(
よわ
)
き
者
(
もの
)
、
082
現界
(
げんかい
)
に
於
(
おい
)
ていと
小
(
ちひ
)
さき
者
(
もの
)
として、
083
世人
(
せじん
)
の
脚下
(
きやくか
)
に
踏
(
ふ
)
み
躙
(
にじ
)
られたる
人間
(
にんげん
)
が、
084
却
(
かへ
)
つて
愛善
(
あいぜん
)
の
徳
(
とく
)
に
住
(
ぢゆう
)
し、
085
信真
(
しんしん
)
の
光
(
ひかり
)
に
輝
(
かがや
)
いて、
086
天国
(
てんごく
)
の
団体
(
だんたい
)
に
円満
(
ゑんまん
)
なる
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
るものである。
087
故
(
ゆゑ
)
に
神
(
かみ
)
には
一片
(
いつぺん
)
の
依怙
(
えこ
)
もなく
偏頗
(
へんぱ
)
もない
事
(
こと
)
を
信
(
しん
)
じ、
088
只管
(
ひたすら
)
神
(
かみ
)
を
愛
(
あい
)
し
神
(
かみ
)
に
従
(
したが
)
ひ、
089
正
(
ただ
)
しき
予言者
(
よげんしや
)
の
教
(
をしへ
)
に
信従
(
しんじゆう
)
せば、
090
生前
(
せいぜん
)
に
於
(
おい
)
ても、
091
仮令
(
たとへ
)
物質
(
ぶつしつ
)
上
(
じやう
)
の
満足
(
まんぞく
)
は
得
(
え
)
られずとも、
092
其
(
その
)
内分
(
ないぶん
)
に
受
(
う
)
くる
歓喜
(
くわんき
)
と
悦楽
(
えつらく
)
とは、
093
到底
(
たうてい
)
現界
(
げんかい
)
の
富者
(
ふうじや
)
や
権力者
(
けんりよくしや
)
や
智者
(
ちしや
)
学者
(
がくしや
)
の
窺知
(
きち
)
し
得
(
う
)
る
所
(
ところ
)
ではないのである。
094
此
(
この
)
物語
(
ものがたり
)
の
主人公
(
しゆじんこう
)
たる
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
再
(
ふたた
)
び
天
(
てん
)
の
命
(
めい
)
を
受
(
う
)
け、
095
地上
(
ちじやう
)
に
降誕
(
かうたん
)
して
大本
(
おほもと
)
開祖
(
かいそ
)
となり、
096
世間
(
せけん
)
的
(
てき
)
務
(
つと
)
めを
完成
(
くわんせい
)
し、
097
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
子女
(
しぢよ
)
を
生
(
う
)
み
夫々
(
それぞれ
)
神界
(
しんかい
)
の
内的
(
ないてき
)
事業
(
じげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
せしむべく、
098
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずの
間
(
あひだ
)
に
其
(
その
)
任
(
にん
)
を
果
(
はた
)
し、
099
微賤
(
びせん
)
に
下
(
くだ
)
りて、
100
溢
(
あふ
)
るる
許
(
ばか
)
りの
仁愛
(
じんあい
)
と
透徹
(
とうてつ
)
したる
信
(
しん
)
の
智
(
ち
)
を
発揮
(
はつき
)
して、
101
暗黒
(
あんこく
)
無道
(
むだう
)
の
地獄界
(
ぢごくかい
)
を
照破
(
せうは
)
する
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
し、
102
其
(
その
)
任務
(
にんむ
)
を
了
(
を
)
へて、
103
後事
(
こうじ
)
を
瑞霊
(
ずゐれい
)
に
充
(
みた
)
されたる
予言者
(
よげんしや
)
に
托
(
たく
)
し、
104
茲
(
ここ
)
に
目出度
(
めでた
)
く
昇天
(
しようてん
)
復活
(
ふくくわつ
)
されたのである。
105
故
(
ゆゑ
)
に
開祖
(
かいそ
)
は
生前
(
せいぜん
)
より
其
(
その
)
容貌
(
ようばう
)
恰
(
あだか
)
も
少女
(
せうぢよ
)
の
如
(
ごと
)
く、
106
其
(
その
)
声音
(
せいおん
)
は
優雅
(
いうが
)
美妙
(
びめう
)
にして、
107
又
(
また
)
少女
(
せうぢよ
)
の
如
(
ごと
)
く、
108
玲瓏
(
れいろう
)
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
き
顔容
(
かんばせ
)
を
抱持
(
はうぢ
)
し
給
(
たま
)
ひ、
109
開祖
(
かいそ
)
に
接近
(
せつきん
)
する
者
(
もの
)
は、
110
何時
(
いつ
)
とはなしに
其
(
その
)
円満
(
ゑんまん
)
なる
霊容
(
れいよう
)
に
感化
(
かんくわ
)
され、
111
霊光
(
れいくわう
)
に
照
(
てら
)
され、
112
善人
(
ぜんにん
)
は
之
(
これ
)
を
信従
(
しんじゆう
)
し
尊敬
(
そんけい
)
し、
113
悪人
(
あくにん
)
は
之
(
これ
)
を
嫌忌
(
けんき
)
し
恐怖
(
きようふ
)
したのである。
114
開祖
(
かいそ
)
の
前身
(
ぜんしん
)
たる
初稚姫
(
はつわかひめ
)
も
亦
(
また
)
神代
(
かみよ
)
に
於
(
お
)
ける
神格者
(
しんかくしや
)
にして、
115
大
(
だい
)
予言者
(
よげんしや
)
であつた。
116
その
容貌
(
ようばう
)
及
(
およ
)
び
全身
(
ぜんしん
)
より
金色
(
こんじき
)
の
光明
(
くわうみやう
)
を
放射
(
はうしや
)
し、
117
悪魔
(
あくま
)
をして
容易
(
ようい
)
に
近
(
ちか
)
づき
得
(
え
)
ざらしめたのである。
118
されど
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は、
119
其
(
その
)
霊徳
(
れいとく
)
と
霊光
(
れいくわう
)
を
深
(
ふか
)
く
秘
(
ひ
)
し
給
(
たま
)
ひ、
120
和光
(
わくわう
)
同塵
(
どうぢん
)
の
態度
(
たいど
)
を
以
(
もつ
)
て
普
(
あまね
)
く
万民
(
ばんみん
)
を
教化
(
けうくわ
)
し
天国
(
てんごく
)
に
救
(
すく
)
はむため、
121
ワザと
其
(
その
)
神相
(
しんさう
)
を
隠
(
かく
)
し
給
(
たま
)
ひて、
122
霊的
(
れいてき
)
及
(
およ
)
び
自然
(
しぜん
)
的
(
てき
)
活動
(
くわつどう
)
を
続
(
つづ
)
け
給
(
たま
)
うたのである。
123
開祖
(
かいそ
)
は
常
(
つね
)
に
云
(
い
)
はれた……
出口
(
でぐち
)
直
(
なほ
)
が
正体
(
しやうたい
)
を
現
(
あら
)
はしたなれば、
124
人民
(
じんみん
)
は
眼
(
まなこ
)
くらみ、
125
到底
(
たうてい
)
側
(
そば
)
へは
寄
(
よ
)
りつくことは
出来
(
でき
)
ない、
126
故
(
ゆゑ
)
にワザとに
世
(
よ
)
におちぶらし、
127
今
(
いま
)
まで
衆生
(
しゆじやう
)
済度
(
さいど
)
の
為
(
ため
)
に
化
(
ばか
)
してあつたのだ……と
物語
(
ものがた
)
られた
事
(
こと
)
は
屡々
(
しばしば
)
である。
128
此
(
この
)
時
(
とき
)
側
(
そば
)
に
親
(
した
)
しく
侍
(
じ
)
してゐた
役員
(
やくゐん
)
共
(
ども
)
は、
129
開祖
(
かいそ
)
の
平素
(
へいそ
)
の
人格
(
じんかく
)
には
敬服
(
けいふく
)
してゐたが、
130
併
(
しか
)
し
其
(
その
)
お
言葉
(
ことば
)
の
余
(
あま
)
りに
高調
(
かうてう
)
的
(
てき
)
なるに
対
(
たい
)
し、
131
開祖
(
かいそ
)
が
慢心
(
まんしん
)
をされたものとのみ
思
(
おも
)
うてゐた
者
(
もの
)
も
沢山
(
たくさん
)
にあつたのである。
132
神
(
かみ
)
は
必
(
かなら
)
ず
順序
(
じゆんじよ
)
を
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
ひ、
133
相応
(
さうおう
)
の
理
(
り
)
に
依
(
よ
)
りて
和合
(
わがふ
)
の
徳
(
とく
)
を
表
(
あら
)
はし
給
(
たま
)
ふが
故
(
ゆゑ
)
に、
134
其
(
その
)
対者
(
たいしや
)
に
向
(
むか
)
つて
余
(
あま
)
り
懸隔
(
けんかく
)
なき
様
(
やう
)
に
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
ふのである。
135
故
(
ゆゑ
)
に
対者
(
たいしや
)
の
徳
(
とく
)
と
智慧
(
ちゑ
)
の
如何
(
いかん
)
によつて、
136
神
(
かみ
)
又
(
また
)
は
開祖
(
かいそ
)
を
見
(
み
)
る
所
(
ところ
)
の
目
(
め
)
に
非常
(
ひじやう
)
の
差等
(
さとう
)
があるのは、
137
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ないのである。
138
神
(
かみ
)
は
瑞月
(
ずゐげつ
)
を
呼
(
よ
)
んで
大化物
(
おほばけもの
)
と
予言者
(
よげんしや
)
を
通
(
つう
)
じて
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
うた。
139
現代人
(
げんだいじん
)
は
大化物
(
おほばけもの
)
の
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
いて、
140
大悪人
(
だいあくにん
)
の
代名詞
(
だいめいし
)
の
如
(
ごと
)
く
或
(
あるひ
)
は
権謀
(
けんぼう
)
術数
(
じゆつすう
)
家
(
か
)
の
別称
(
べつしよう
)
の
如
(
ごと
)
く、
141
又
(
また
)
巧言
(
かうげん
)
令色
(
れいしよく
)
、
142
表
(
おもて
)
に
善
(
ぜん
)
を
飾
(
かざ
)
り
虚偽
(
きよぎ
)
を
行
(
おこな
)
ひ、
143
世人
(
せじん
)
を
誑惑
(
きやうわく
)
する
悪人
(
あくにん
)
と
認
(
みと
)
むる
者
(
もの
)
も
少
(
すくな
)
くないのである。
144
併
(
しか
)
し
神格
(
しんかく
)
に
充
(
みた
)
されたる
者
(
もの
)
を、
145
頑迷
(
ぐわんめい
)
不霊
(
ふれい
)
の
地獄界
(
ぢごくかい
)
に
籍
(
せき
)
を
於
(
お
)
ける
人間
(
にんげん
)
の
目
(
め
)
より
見
(
み
)
るときは、
146
忽
(
たちま
)
ち
眼
(
まなこ
)
眩
(
くら
)
み
頭
(
かしら
)
痛
(
いた
)
み、
147
息
(
いき
)
苦
(
くる
)
しくなり、
148
癲狂
(
てんきやう
)
痴呆
(
ちはう
)
と
忽
(
たちま
)
ち
変
(
へん
)
じて、
149
恐怖心
(
きようふしん
)
に
駆
(
か
)
られ、
150
その
真相
(
しんさう
)
を
看取
(
かんしゆ
)
することは
出来
(
でき
)
ないものである。
151
故
(
ゆゑ
)
にかかる
人間
(
にんげん
)
の
地位
(
ちゐ
)
に
立
(
た
)
ちて
予言者
(
よげんしや
)
を
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
る
時
(
とき
)
は、
152
大怪物
(
だいくわいぶつ
)
とより
見
(
み
)
ることが
出来
(
でき
)
ないのである。
153
吁
(
ああ
)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
頑迷
(
ぐわんめい
)
の
徒
(
と
)
をして、
154
神
(
かみ
)
の
光明
(
くわうみやう
)
に
浴
(
よく
)
せしめ、
155
愛善
(
あいぜん
)
の
徳
(
とく
)
に
住
(
ぢゆう
)
せしめて、
156
永遠
(
えいゑん
)
無窮
(
むきう
)
の
天国
(
てんごく
)
の
生涯
(
しやうがい
)
を
生
(
い
)
きながらに
送
(
おく
)
らしめむとするは、
157
実
(
じつ
)
に
最大
(
さいだい
)
難事
(
なんじ
)
である。
158
大正
(
たいしやう
)
五
(
ご
)
年
(
ねん
)
の
事
(
こと
)
であつた。
159
口述者
(
こうじゆつしや
)
は
役員室
(
やくゐんしつ
)
に
在
(
あ
)
つて
神諭
(
しんゆ
)
を
繙
(
ひもと
)
く
折
(
をり
)
しも、
160
慌
(
あわただ
)
しく
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
りしは
開祖
(
かいそ
)
の
娘
(
むすめ
)
なる
高島
(
たかしま
)
久子
(
ひさこ
)
であつた。
161
彼
(
かれ
)
は
前節
(
ぜんせつ
)
に
述
(
の
)
べたる
如
(
ごと
)
き
肉体
(
にくたい
)
的
(
てき
)
兇霊
(
きようれい
)
に
心身
(
しんしん
)
を
占領
(
せんりやう
)
されて、
162
吾
(
わが
)
居間
(
ゐま
)
に
走
(
はし
)
り
入
(
い
)
りて、
163
恭敬
(
きようけい
)
礼拝
(
らいはい
)
し
言
(
い
)
ふ。
164
『
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
様
(
さま
)
、
165
一大事
(
いちだいじ
)
が
突発
(
とつぱつ
)
致
(
いた
)
しました。
166
一厘
(
いちりん
)
の
秘密
(
ひみつ
)
をお
知
(
し
)
らせ
申
(
まを
)
します』と
言
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く、
167
吾
(
わが
)
耳
(
みみ
)
の
側
(
そば
)
に
口
(
くち
)
をよせ、
168
歯
(
は
)
のぬけた
口
(
くち
)
から、
169
臭
(
くさ
)
い
息
(
いき
)
と
唾
(
つば
)
を、
170
吾
(
わが
)
顔面
(
がんめん
)
にふきかけながら、
171
下
(
くだ
)
らぬ
不合理
(
ふがふり
)
に
充
(
み
)
ちたことを
喋々
(
てふてふ
)
と
弁
(
べん
)
じ
立
(
た
)
てた。
172
そこで
瑞月
(
ずゐげつ
)
は
儼然
(
げんぜん
)
として、
173
『
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
秘密
(
ひみつ
)
のあるべき
道理
(
だうり
)
なし、
174
秘密
(
ひみつ
)
の
秘
(
ひ
)
は
必
(
かなら
)
ず
示
(
しめ
)
すといふことである。
175
決
(
けつ
)
して
隠蔽
(
いんぺい
)
すべきものでない。
176
耳
(
みみ
)
もとに
囁
(
ささや
)
く
如
(
ごと
)
きは
神人
(
しんじん
)
のなすべき
所
(
ところ
)
でない。
177
これは
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
的
(
てき
)
人獣
(
にんじう
)
の
敢
(
あ
)
へてする
行為
(
かうゐ
)
である』と
云
(
い
)
ふや
否
(
いな
)
や、
178
高島
(
たかしま
)
久子
(
ひさこ
)
の
精霊
(
せいれい
)
は
大
(
おほ
)
いに
怒
(
いか
)
つて、
179
わが
耳
(
みみ
)
たぶを
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
にて
引張
(
ひつぱ
)
り、
180
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
を
以
(
もつ
)
てわが
頬
(
ほほ
)
をピシヤピシヤと
叩
(
たた
)
きつけ『
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
秘密
(
ひみつ
)
の
忠告
(
ちうこく
)
を
聞
(
き
)
かねば、
181
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
は
大騒動
(
だいさうどう
)
が
起
(
おこ
)
りますぞ。
182
何
(
ど
)
うなつても
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
は
知
(
し
)
らぬぞよ』とわめき
立
(
た
)
て、
183
狂
(
くる
)
ひまはつた。
184
そこで
瑞月
(
ずゐげつ
)
は
兇霊
(
きようれい
)
の
憑依
(
ひようい
)
せるものなることを
本人
(
ほんにん
)
に
懇々
(
こんこん
)
と
諭
(
さと
)
してみたが、
185
もはや
兇霊
(
きようれい
)
に
霊肉
(
れいにく
)
全
(
まつた
)
く
占領
(
せんりやう
)
された
彼女
(
かれ
)
には
何
(
なん
)
の
効能
(
かうのう
)
もなかつた、
186
のみならず
大
(
おほ
)
いに
怒
(
いか
)
つて、
187
吾
(
わが
)
喉元
(
のどもと
)
に
飛
(
と
)
びかかり、
188
咬
(
か
)
みつかむとした。
189
そこで
瑞月
(
ずゐげつ
)
は
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、
190
右
(
みぎ
)
の
人指
(
ひとさし
)
を
前
(
まへ
)
に
向
(
む
)
けて『ウン』と
一声
(
ひとこゑ
)
、
191
神
(
かみ
)
に
祈
(
いの
)
つて、
192
其
(
その
)
面体
(
めんてい
)
を
霊光
(
れいくわう
)
に
照
(
てら
)
すや
否
(
いな
)
や、
193
忽
(
たちま
)
ちパタリと
倒
(
たふ
)
れて
了
(
しま
)
つた。
194
そこで
瑞月
(
ずゐげつ
)
は
直
(
ただち
)
に
神
(
かみ
)
に
彼
(
かれ
)
が
為
(
ため
)
に
謝罪
(
しやざい
)
をなし、
195
お
許
(
ゆる
)
しを
請
(
こ
)
うた。
196
彼女
(
かれ
)
はムクムクと
立上
(
たちあが
)
り、
197
口
(
くち
)
を
極
(
きは
)
めて『
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
糞奴
(
くそやつこ
)
、
198
糞
(
くそ
)
先生
(
せんせい
)
の
奴
(
ど
)
先生
(
せんせい
)
、
199
小松林
(
こまつばやし
)
の
悪魔
(
あくま
)
奴
(
め
)
』と
喚
(
わめ
)
き
立
(
た
)
てながら、
200
長
(
なが
)
い
廊下
(
らうか
)
を
韋駄天
(
ゐだてん
)
走
(
ばし
)
りに
開祖
(
かいそ
)
の
居間
(
ゐま
)
に
侵入
(
しんにふ
)
した。
201
忽
(
たちま
)
ち
久子
(
ひさこ
)
に
憑依
(
ひようい
)
せる
兇霊
(
きようれい
)
は、
202
開祖
(
かいそ
)
の
容貌
(
ようばう
)
を
拝
(
はい
)
するや、
203
アツと
仰向
(
あふむ
)
けに
倒
(
たふ
)
れ、
204
キヤアキヤアと
喚
(
わめ
)
きながら、
205
長廊下
(
ながらうか
)
を
毬
(
まり
)
の
如
(
ごと
)
くころげて、
206
再
(
ふたた
)
びわが
居間
(
ゐま
)
に
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
り『
奴開祖
(
どかいそ
)
の
糞開祖
(
くそかいそ
)
奴
(
め
)
、
207
これから
俺
(
おれ
)
が
誠
(
まこと
)
の
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
ぢや、
208
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
も
女子
(
によし
)
も
此処
(
ここ
)
を
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
け、
209
これから
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
は、
210
高島
(
たかしま
)
久子
(
ひさこ
)
が
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
と
現
(
あら
)
はれて、
211
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
を
地
(
ぢ
)
に
致
(
いた
)
し、
212
大広木
(
おほひろき
)
正宗
(
まさむね
)
殿
(
どの
)
の
霊
(
みたま
)
を
御用
(
ごよう
)
に
使
(
つか
)
うて、
213
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
するから、
214
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
が
耳
(
みみ
)
に
入
(
はい
)
らぬ
奴
(
やつ
)
は、
215
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
出
(
で
)
てゆけ。
216
金勝要
(
きんかつかねの
)
神
(
かみ
)
の
身魂
(
みたま
)
は
我
(
が
)
が
強
(
つよ
)
いぞよ。
217
木花
(
このはな
)
咲耶姫
(
さくやひめ
)
の
生宮
(
いきみや
)
も
訳
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
らぬぞよ。
218
これから
此
(
この
)
高島
(
たかしま
)
久子
(
ひさこ
)
の
体
(
たい
)
を
借
(
か
)
つて、
219
誠
(
まこと
)
の
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
らすぞよ』などと
狂態
(
きやうたい
)
を
演
(
えん
)
じ、
220
身体
(
からだ
)
を
頻
(
しき
)
りに
震動
(
しんどう
)
させて、
221
猛悪
(
まうあく
)
の
相
(
さう
)
を
現
(
あら
)
はし、
222
座敷
(
ざしき
)
の
中央
(
まんなか
)
に
仁王立
(
にわうだ
)
ちとなつて
睨
(
ね
)
めつけてゐた。
223
そこへ
開祖
(
かいそ
)
は
梅
(
うめ
)
の
杖
(
つゑ
)
をつきながら、
224
障子
(
しやうじ
)
をあけて
一寸
(
ちよつと
)
覗
(
のぞ
)
かれると、
225
又
(
また
)
もやキヤツと
叫
(
さけ
)
んで
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
顛倒
(
てんたう
)
し、
226
毬
(
まり
)
のやうになつて
表
(
おもて
)
へ
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
して
了
(
しま
)
つた。
227
後
(
あと
)
に
至
(
いた
)
つて
高島
(
たかしま
)
久子
(
ひさこ
)
に
聞
(
き
)
けば、
228
彼
(
かれ
)
は
云
(
い
)
ふ……
開祖
(
かいそ
)
の
居間
(
ゐま
)
の
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
ひら
)
くや
否
(
いな
)
や、
229
開祖
(
かいそ
)
の
全肉体
(
ぜんにくたい
)
は
金色
(
きんしよく
)
燦爛
(
さんらん
)
たる
光明
(
くわうみやう
)
にみち、
230
そのお
姿
(
すがた
)
を
熟視
(
じゆくし
)
する
能
(
あた
)
はず、
231
忽
(
たちま
)
ち
恐
(
おそ
)
ろしくなつて、
232
妾
(
わたし
)
の
守護神
(
しゆごじん
)
が
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
しました……と
答
(
こた
)
へたのである。
233
又
(
また
)
彼女
(
かれ
)
が
自筆
(
じひつ
)
の
筆先
(
ふでさき
)
にも
此
(
この
)
事
(
こと
)
を
明記
(
めいき
)
してゐる。
234
それから
久子
(
ひさこ
)
は
表
(
おもて
)
へまはり、
235
金竜殿
(
きんりうでん
)
に
侵入
(
しんにふ
)
した。
236
そこには
数多
(
あまた
)
の
役員
(
やくゐん
)
や
修業者
(
しゆげふしや
)
が
幽斎
(
いうさい
)
の
最中
(
さいちう
)
であつた。
237
久子
(
ひさこ
)
は
矢庭
(
やには
)
に
暴
(
あば
)
れ
出
(
だ
)
していふ……
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
盲役員
(
めくらやくゐん
)
、
238
幽斎
(
いうさい
)
の
修業
(
しうげふ
)
などとは
以
(
もつ
)
ての
外
(
ほか
)
だ、
239
この
生宮
(
いきみや
)
の
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
け……と
呶鳴
(
どな
)
りながら、
240
修業
(
しうげふ
)
に
来
(
き
)
てゐた
河井
(
かはゐ
)
芳男
(
よしを
)
といふ
青年
(
せいねん
)
を
引捉
(
ひつとら
)
へ、
241
殿中
(
でんちう
)
に
於
(
おい
)
て
馬乗
(
うまのり
)
となり、
242
其
(
その
)
青年
(
せいねん
)
の
首
(
くび
)
にジヤウ ジヤウ ジヤウとぬくい
小便
(
せうべん
)
をたれかけ……
汝
(
なんぢ
)
の
如
(
ごと
)
き
者
(
もの
)
は
之
(
これ
)
にて
結構
(
けつこう
)
だ……と
喚
(
わめ
)
き
立
(
た
)
て、
243
狂態
(
きやうたい
)
を
演
(
えん
)
じてゐた。
244
この
事
(
こと
)
も
高島
(
たかしま
)
久子
(
ひさこ
)
の
精霊
(
せいれい
)
が
書
(
か
)
いた
筆先
(
ふでさき
)
に
自慢
(
じまん
)
さうに
記
(
しる
)
してある。
245
すべて
兇党界
(
きようたうかい
)
の
悪霊
(
あくれい
)
は
順序
(
じゆんじよ
)
を
弁
(
わきま
)
へず
又
(
また
)
善悪
(
ぜんあく
)
美醜
(
びしう
)
の
区別
(
くべつ
)
がつかないから、
246
神聖
(
しんせい
)
なる
金竜殿
(
きんりうでん
)
内
(
ない
)
に
於
(
おい
)
て、
247
人
(
ひと
)
の
首
(
くび
)
に
小便
(
せうべん
)
をかけ、
248
得意
(
とくい
)
となつてゐるのである。
249
而
(
しか
)
して
彼女
(
かれ
)
はいふ……わが
守護神
(
しゆごじん
)
は
実
(
じつ
)
に
偉大
(
ゐだい
)
なものだ、
250
あの
様
(
やう
)
な
聖
(
きよ
)
き
御殿
(
ごてん
)
に
於
(
おい
)
て、
251
外
(
ほか
)
の
者
(
もの
)
が
小便
(
せうべん
)
を
こかう
ものなら、
252
忽
(
たちま
)
ち
守護神
(
しゆごじん
)
も
肉体
(
にくたい
)
も
神罰
(
しんばつ
)
が
当
(
あた
)
るのであるが、
253
何
(
なに
)
をいつても
神格
(
しんかく
)
が
高
(
たか
)
いから、
254
あの
通
(
とほ
)
りチツとも
罰
(
ばち
)
が
当
(
あた
)
らなかつたのだ……と
誇
(
ほこ
)
つてゐるのは
実
(
じつ
)
に
済度
(
さいど
)
し
難
(
がた
)
き
難物
(
なんぶつ
)
である。
255
丁度
(
ちやうど
)
猫
(
ねこ
)
や
鼠
(
ねずみ
)
が
大神
(
おほかみ
)
の
鎮座
(
ちんざ
)
まします
神聖
(
しんせい
)
なる
扉
(
とびら
)
の
中
(
なか
)
に
巣
(
す
)
をくみ、
256
或
(
あるひ
)
は
糞尿
(
ふんねう
)
をたれても、
257
神
(
かみ
)
は
畜生
(
ちくしやう
)
として
看過
(
かんくわ
)
し
給
(
たま
)
ひ、
258
之
(
これ
)
を
懲
(
きた
)
め
給
(
たま
)
はざると
同様
(
どうやう
)
の
理
(
り
)
である
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
らない
癲狂
(
てんきやう
)
痴呆者
(
ちはうしや
)
である。
259
自愛心
(
じあいしん
)
強
(
つよ
)
く
世間愛
(
せけんあい
)
のみを
以
(
もつ
)
て
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
善事
(
ぜんじ
)
と
思惟
(
しゐ
)
しゐたる
人間
(
にんげん
)
は、
260
却
(
かへ
)
つて
斯
(
か
)
かる
奇矯
(
きけう
)
なる
行為
(
かうゐ
)
を
以
(
もつ
)
て、
261
神秘
(
しんぴ
)
の
行為
(
かうゐ
)
となし、
262
之
(
これ
)
を
随喜
(
ずゐき
)
渇仰
(
かつかう
)
していふ……
全
(
まつた
)
くあの
行
(
おこな
)
ひは
人間
(
にんげん
)
ではない、
263
人間心
(
にんげんごころ
)
で、
264
何
(
ど
)
うして
殿内
(
でんない
)
に
於
(
おい
)
て、
265
而
(
しか
)
も
人間
(
にんげん
)
の
首
(
くび
)
に
跨
(
また
)
がり、
266
小便
(
せうべん
)
がかけられようか、
267
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
証拠
(
しようこ
)
である……と、
268
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つて
感心
(
かんしん
)
するのである。
269
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
の
云
(
い
)
ふ
如
(
ごと
)
く
決
(
けつ
)
して
人間
(
にんげん
)
ではない。
270
併
(
しか
)
しながら
神
(
かみ
)
だと
思
(
おも
)
つたら
大変
(
たいへん
)
な
間違
(
まちがひ
)
である。
271
スツカリ
肉体
(
にくたい
)
的
(
てき
)
兇霊
(
きようれい
)
、
272
悪魔
(
あくま
)
が
彼女
(
かれ
)
の
全身
(
ぜんしん
)
を
支配
(
しはい
)
して
行
(
おこな
)
うた
所
(
ところ
)
の
狂態
(
きやうたい
)
であるのである。
273
其
(
その
)
後
(
ご
)
かれ
悪霊
(
あくれい
)
は
久子
(
ひさこ
)
の
肉体
(
にくたい
)
に
対
(
たい
)
し、
274
いろいろと
幻覚
(
げんかく
)
を
示
(
しめ
)
し、
275
益々
(
ますます
)
誑惑
(
きやうわく
)
の
淵
(
ふち
)
に
陥
(
おとしい
)
れ、
276
或
(
あるひ
)
は
一
(
いつ
)
ケ
月間
(
げつかん
)
の
断食
(
だんじき
)
を
与
(
あた
)
へ、
277
地獄
(
ぢごく
)
の
有様
(
ありさま
)
を
眼前
(
がんぜん
)
に
髣髴
(
はうふつ
)
せしめ……
汝
(
なんぢ
)
わが
言
(
げん
)
を
用
(
もち
)
ゐざる
時
(
とき
)
は、
278
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
無間
(
むげん
)
地獄
(
ぢごく
)
に
陥落
(
かんらく
)
すべし。
279
又
(
また
)
わが
言
(
げん
)
を
信従
(
しんじゆう
)
し、
280
わが
頤使
(
いし
)
に
従
(
したが
)
つて
活動
(
くわつどう
)
する
時
(
とき
)
は、
281
汝
(
なんぢ
)
をして
将来
(
しやうらい
)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
結構
(
けつこう
)
なる
位地
(
ゐち
)
につかしむべし……と、
282
或
(
あるひ
)
はたらし
或
(
あるひ
)
は
威
(
おど
)
し、
283
漸
(
やうや
)
くにして
開祖
(
かいそ
)
の
身内
(
みうち
)
たる
肉体
(
にくたい
)
を、
284
わが
自由
(
じいう
)
に
駆使
(
くし
)
する
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
たのである。
285
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
が
悪業
(
あくごふ
)
を
遂行
(
すゐかう
)
せむとすれば、
286
現界人
(
げんかいじん
)
の
浅薄
(
せんぱく
)
なる
識見
(
しきけん
)
より
見
(
み
)
て、
287
開祖
(
かいそ
)
の
血統
(
けつとう
)
と
生
(
うま
)
れし
人間
(
にんげん
)
なれば、
288
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
、
289
決
(
けつ
)
して
悪神
(
あくがみ
)
の
憑依
(
ひようい
)
すべきものでないと
信用
(
しんよう
)
させ
得
(
う
)
るの
便宜
(
べんぎ
)
があるからである。
290
かれ
兇霊
(
きようれい
)
は
無智
(
むち
)
なる
久子
(
ひさこ
)
の
霊肉
(
れいにく
)
を
完全
(
くわんぜん
)
に
占領
(
せんりやう
)
した
上
(
うへ
)
、
291
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
霊光
(
れいくわう
)
にゐたたまらず、
292
二三
(
にさん
)
の
迷
(
まよ
)
へる
信者
(
しんじや
)
を
引連
(
ひきつ
)
れ、
293
一目散
(
いちもくさん
)
に
八木
(
やぎ
)
へさして
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
り、
294
ここに
久子
(
ひさこ
)
の
記憶
(
きおく
)
と
信仰
(
しんかう
)
を
基礎
(
きそ
)
として、
295
其
(
その
)
想念中
(
さうねんちう
)
に
深
(
ふか
)
く
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
み、
296
兇党界
(
きようたうかい
)
の
団体
(
だんたい
)
をして
益々
(
ますます
)
大
(
だい
)
ならしめ、
297
大神
(
おほかみ
)
の
神業
(
しんげふ
)
を
極力
(
きよくりよく
)
妨害
(
ばうがい
)
せむと
企
(
たく
)
みつつあるのである。
298
さりながら
久子
(
ひさこ
)
其
(
その
)
人
(
ひと
)
は
元来
(
ぐわんらい
)
開祖
(
かいそ
)
を
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
最
(
もつと
)
も
深
(
ふか
)
く
且
(
かつ
)
無智
(
むち
)
にして
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
其
(
その
)
心
(
こころ
)
も
清
(
きよ
)
ければ、
299
遉
(
さすが
)
の
兇霊
(
きようれい
)
も
開祖
(
かいそ
)
の
神諭
(
しんゆ
)
を
非難
(
ひなん
)
することを
得
(
え
)
ず、
300
且
(
かつ
)
又
(
また
)
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
、
301
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
極力
(
きよくりよく
)
排斥
(
はいせき
)
し、
302
誹謗
(
ひばう
)
しては
其
(
その
)
目的
(
もくてき
)
を
完成
(
くわんせい
)
し
得
(
え
)
ざるを
知
(
し
)
るが
故
(
ゆゑ
)
に、
303
表面
(
へうめん
)
に
厳瑞
(
げんずゐ
)
二霊
(
にれい
)
を
尊敬
(
そんけい
)
し
信従
(
しんじゆう
)
する
如
(
ごと
)
く
装
(
よそほ
)
ひ、
304
先
(
ま
)
づ
久子
(
ひさこ
)
を
誑惑
(
きやうわく
)
し
其
(
その
)
口
(
くち
)
と
手
(
て
)
を
以
(
もつ
)
て
世人
(
せじん
)
を
魔道
(
まだう
)
に
引入
(
ひきい
)
れむと
企
(
たく
)
みつつあるのである。
305
之
(
これ
)
は
決
(
けつ
)
して
瑞月
(
ずゐげつ
)
が
卑
(
いや
)
しき
心
(
こころ
)
より
述
(
の
)
ぶるのではない。
306
大神
(
おほかみ
)
の
御子
(
みこ
)
たる
可憐
(
かれん
)
なる
精霊
(
せいれい
)
や
人間
(
にんげん
)
をして、
307
一人
(
ひとり
)
なりとも
邪道
(
じやだう
)
に
陥
(
おちい
)
らざらしめむが
為
(
ため
)
の
慈愛心
(
じあいしん
)
に
外
(
ほか
)
ならぬのである。
308
かれ
精霊
(
せいれい
)
は
久子
(
ひさこ
)
の
肉体
(
にくたい
)
を
綾部
(
あやべ
)
の
停車場
(
ていしやぢやう
)
に
仰向
(
あふむ
)
けに
倒
(
たふ
)
し、
309
陰部
(
いんぶ
)
を
曝
(
さら
)
して
大呼
(
たいこ
)
して
云
(
い
)
ふ……われは
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
出口
(
でぐち
)
直
(
なほ
)
の
肉体
(
にくたい
)
をかりて
生
(
うま
)
れた
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
であるぞよ。
310
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
、
311
これを
見
(
み
)
て、
312
大本
(
おほもと
)
の
教
(
をしへ
)
を
悟
(
さと
)
れよ……と
呶鳴
(
どな
)
り
立
(
た
)
てた。
313
精霊
(
せいれい
)
が
久子
(
ひさこ
)
に
斯
(
か
)
かる
衆人
(
しうじん
)
環視
(
くわんし
)
の
前
(
まへ
)
にて
狂態
(
きやうたい
)
を
演
(
えん
)
ぜしめた
其
(
その
)
底意
(
そこい
)
は、
314
要
(
えう
)
するに
神
(
かみ
)
の
名
(
な
)
を
冒涜
(
ぼうとく
)
し、
315
世人
(
せじん
)
をして
大本
(
おほもと
)
を
信用
(
しんよう
)
せしめざらむが
為
(
ため
)
の
悪計
(
あくけい
)
であつた。
316
されど
暗愚
(
あんぐ
)
なる
信者
(
しんじや
)
は、
317
そんな
所
(
ところ
)
に
少
(
すこ
)
しも
注意
(
ちゆうい
)
せずしていふ……ああ
吾々
(
われわれ
)
が
改心
(
かいしん
)
が
足
(
た
)
らぬ
故
(
ゆゑ
)
に
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
系統
(
けいとう
)
の
肉宮
(
にくみや
)
をかつて、
318
お
戒
(
いまし
)
め
下
(
くだ
)
さつたのであらう、
319
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
の
心
(
こころ
)
は
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
醜
(
みにく
)
いのだ、
320
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
が
神界
(
しんかい
)
より
罰
(
ばつ
)
せられ、
321
地獄
(
ぢごく
)
の
釜
(
かま
)
のドン
底
(
ぞこ
)
へ
落
(
おと
)
されるのだが、
322
高島
(
たかしま
)
久子
(
ひさこ
)
に
千座
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
はして
助
(
たす
)
けてやつて
居
(
ゐ
)
るぞよ、
323
との
深
(
ふか
)
き
思召
(
おぼしめし
)
であらう……などと
妙
(
めう
)
な
所
(
ところ
)
へ
曲解
(
きよくかい
)
して
益々
(
ますます
)
随喜
(
ずゐき
)
渇仰
(
かつかう
)
し、
324
精霊
(
せいれい
)
の
誑惑
(
きやうわく
)
に
乗
(
の
)
せられて、
325
遠近
(
ゑんきん
)
の
神社
(
じんじや
)
を
調査
(
てうさ
)
するといつて、
326
或
(
あるひ
)
は
其
(
その
)
費用
(
ひよう
)
を
献
(
けん
)
じ、
327
或
(
あるひ
)
は
随伴
(
ずゐはん
)
してゐる
者
(
もの
)
も
沢山
(
たくさん
)
現
(
あら
)
はれて
来
(
き
)
たのは、
328
実
(
じつ
)
に
神界
(
しんかい
)
の
為
(
ため
)
悲
(
かな
)
しむべきことである。
329
されど
神
(
かみ
)
は
決
(
けつ
)
して
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
兇霊
(
きようれい
)
に
汚
(
けが
)
され
給
(
たま
)
ふものでもなく、
330
又
(
また
)
如何
(
いか
)
に
妨害
(
ばうがい
)
せむとするも
聊
(
いささ
)
かの
痛痒
(
つうやう
)
も
感
(
かん
)
じ
給
(
たま
)
はないのである。
331
只々
(
ただただ
)
可憐
(
かれん
)
なる
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
が
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
兇霊
(
きようれい
)
に
心身
(
しんしん
)
を
誑惑
(
きやうわく
)
され
邪神界
(
じやしんかい
)
に
引入
(
ひきい
)
れられ、
332
無間
(
むげん
)
地獄
(
ぢごく
)
に
陥落
(
かんらく
)
しゆくを
悲
(
かな
)
しみ
給
(
たま
)
ふのみである。
333
かかる
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
も
知
(
し
)
らず、
334
男子
(
なんし
)
が
何
(
ど
)
うだとか、
335
女子
(
によし
)
の
言行
(
げんかう
)
がなんだとか
云
(
い
)
つて、
336
その
光明
(
くわうみやう
)
に
反
(
そむ
)
き、
337
醜穢
(
しうわい
)
極
(
きは
)
まる
地獄
(
ぢごく
)
に
転移
(
てんい
)
するは、
338
実
(
じつ
)
に
仁慈
(
じんじ
)
の
目
(
め
)
より
見
(
み
)
て
忍
(
しの
)
び
難
(
がた
)
き
所
(
ところ
)
である。
339
かれ
精霊
(
せいれい
)
は
久子
(
ひさこ
)
を
又
(
また
)
もや
八木
(
やぎ
)
の
停車場
(
ていしやぢやう
)
に
連
(
つ
)
れ
行
(
ゆ
)
き、
340
大声
(
たいせい
)
叱呼
(
しつこ
)
して
云
(
い
)
ふ……
此
(
この
)
女
(
をんな
)
は
元
(
もと
)
を
糺
(
ただ
)
せば、
341
丹波国
(
たんばのくに
)
何鹿
(
いかるが
)
の
郡
(
こほり
)
綾部町
(
あやべちやう
)
、
342
本宮
(
ほんぐう
)
新宮
(
しんぐう
)
坪
(
つぼ
)
の
内
(
うち
)
、
343
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
身魂
(
みたま
)
出口
(
でぐち
)
直
(
なほ
)
の
体
(
たい
)
をかり、
344
出口
(
でぐち
)
政五郎
(
まさごらう
)
といふ
父
(
ちち
)
を
持
(
も
)
ち、
345
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
から
男女
(
をとこをんな
)
と
呼
(
よ
)
ばれたる、
346
ヤンチヤ
娘
(
むすめ
)
の
出口
(
でぐち
)
久子
(
ひさこ
)
、
347
今
(
いま
)
は
神
(
かみ
)
の
因縁
(
いんねん
)
に
依
(
よ
)
つて、
348
八木
(
やぎ
)
の
高島
(
たかしま
)
寅之助
(
とらのすけ
)
が
妻
(
つま
)
となり、
349
あの
山
(
やま
)
の、
350
山
(
やま
)
のほでらのあばらや
住居
(
ずまゐ
)
、
351
今
(
いま
)
はおちぶれて
居
(
を
)
れども、
352
結構
(
けつこう
)
な
身魂
(
みたま
)
が
世
(
よ
)
におとしてあるぞよ。
353
侮
(
あなど
)
りて
居
(
を
)
りたものは、
354
アフンと
致
(
いた
)
してあいた
口
(
くち
)
がすぼまらぬぞよ。
355
今
(
いま
)
に
天地
(
てんち
)
がかへるぞよ。
356
欲
(
よく
)
を
致
(
いた
)
して
沢山
(
たくさん
)
の
金
(
かね
)
をためて
居
(
を
)
りても、
357
其
(
その
)
宝
(
たから
)
は
持切
(
もちきり
)
には
出来
(
でき
)
ぬ
宝
(
たから
)
であるぞよ。
358
此
(
この
)
神
(
かみ
)
の
申
(
まを
)
した
事
(
こと
)
には
一分
(
いちぶ
)
一厘
(
いちりん
)
間違
(
まちが
)
ひはないぞよ。
359
先
(
さき
)
をみてゐて
下
(
くだ
)
されよ、
360
と
前
(
まへ
)
をまくつて
大音声
(
だいおんぜう
)
……と
自
(
みづか
)
ら
呼
(
よ
)
ばはり、
361
停車場
(
ていしやぢやう
)
に
集
(
あつ
)
まる
人々
(
ひとびと
)
を
驚
(
おどろ
)
かせ、
362
之
(
これ
)
を
鎮定
(
ちんてい
)
せむと
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
りし
長左
(
ちやうざ
)
といふ
男
(
をとこ
)
の
腕
(
うで
)
にかぶりつき、
363
狂態
(
きやうたい
)
を
演
(
えん
)
じ、
364
大本
(
おほもと
)
の
教
(
をしへ
)
を
破壊
(
はくわい
)
せむと
企
(
たく
)
んだ
事
(
こと
)
もあつたのである。
365
兇霊
(
きようれい
)
は
此
(
この
)
筆法
(
ひつぱふ
)
を
以
(
もつ
)
て、
366
或
(
ある
)
時
(
とき
)
は
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
を
極力
(
きよくりよく
)
賞讃
(
しやうさん
)
し、
367
また
対者
(
たいしや
)
の
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に
男子
(
なんし
)
女子
(
によし
)
を
否
(
いな
)
むと
認
(
みと
)
むる
時
(
とき
)
は、
368
声
(
こゑ
)
を
秘
(
ひ
)
そめて
切
(
しき
)
りに
誹謗
(
ひばう
)
し、
369
吾
(
わが
)
薬籠中
(
やくろうちう
)
のものとなさむと
企
(
たく
)
むものである。
370
さて、
371
初稚姫
(
はつわかひめ
)
と
高姫
(
たかひめ
)
との
今後
(
こんご
)
の
活動
(
くわつどう
)
は
之
(
これ
)
に
類
(
るゐ
)
するもの
多
(
おほ
)
ければ、
372
巻頭
(
くわんとう
)
に
引証
(
いんしよう
)
することとしたのである。
373
追伸
(
つゐしん
)
=
霊界
(
れいかい
)
物語
(
ものがたり
)
の
読者
(
どくしや
)
の
中
(
なか
)
には
凡
(
すべ
)
て、
374
斯様
(
かやう
)
であります……とか、
375
斯
(
か
)
う
考
(
かんが
)
へます……とかいふ
謙譲
(
けんじやう
)
の
言葉
(
ことば
)
がなく、
376
かうである……どうである……などと
断定
(
だんてい
)
的
(
てき
)
に、
377
且
(
かつ
)
高圧
(
かうあつ
)
的
(
てき
)
に
口述
(
こうじゆつ
)
してあるのは、
378
所謂
(
いはゆる
)
口述者
(
こうじゆつしや
)
が
慢心
(
まんしん
)
した
結果
(
けつくわ
)
、
379
かかる
不遜
(
ふそん
)
の
言辞
(
げんじ
)
を
弄
(
ろう
)
するのだと
非難
(
ひなん
)
する
人
(
ひと
)
が
間々
(
まま
)
あるさうです。
380
併
(
しか
)
しながら『あります』と
云
(
い
)
へば
活字
(
くわつじ
)
を
四字
(
よじ
)
用
(
もち
)
ひなくてはなりませぬ。
381
『ある』といへば
二字
(
にじ
)
で
事
(
こと
)
がすみます。
382
それ
故
(
ゆゑ
)
にかかる
洪瀚
(
かうかん
)
な
物語
(
ものがたり
)
には
一字
(
いちじ
)
なりとも
冗言
(
じようげん
)
を
省
(
はぶ
)
き、
383
可成
(
なるべく
)
数多
(
あまた
)
の
意味
(
いみ
)
を
読者
(
どくしや
)
に
知
(
し
)
らさむが
為
(
ため
)
の
忠実
(
ちうじつ
)
なる
意思
(
いし
)
より
出
(
い
)
でたのであります。
384
而
(
しか
)
して
口述者
(
こうじゆつしや
)
自身
(
じしん
)
は
只
(
ただ
)
神格
(
しんかく
)
にみたされたる
聖霊
(
せいれい
)
に
霊
(
れい
)
と
体
(
たい
)
を
任
(
まか
)
せきつてゐるのでありますから、
385
口述者
(
こうじゆつしや
)
が
之
(
これ
)
を
改
(
あらた
)
めようと
致
(
いた
)
しましても、
386
肝腎
(
かんじん
)
の
局
(
きよく
)
に
当
(
あた
)
る
聖霊
(
せいれい
)
が
聞
(
き
)
かなければ
是非
(
ぜひ
)
ない
事
(
こと
)
であります。
387
一寸
(
ちよつと
)
茲
(
ここ
)
に
一言
(
いちごん
)
断
(
ことわ
)
つておく
次第
(
しだい
)
であります。
388
(
大正一二・一・二〇
旧一一・一二・四
松村真澄
録)
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