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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第78巻(巳の巻)
序文
第1篇 波濤の神光
第1章 浜辺の訣別
第2章 波上の追懐
第3章 グロスの島
第4章 焼野の行進
第5章 忍ケ丘
第6章 焼野の月
第2篇 焼野ケ原
第7章 四神出陣
第8章 鏡の沼
第9章 邪神征服
第10章 地異天変
第11章 初対面
第12章 月下の宿り
第3篇 葦原新国
第13章 春野の進行
第14章 花見の宴
第15章 聖地惜別
第16章 天降地上
第17章 天任地命
第18章 神嘉言
第19章 春野の御行
第20章 静波の音
第4篇 神戦妖敗
第21章 怪体の島
第22章 歎声仄聞
第23章 天の蒼雲河
第24章 国津神島彦
第25章 歓の島根
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第78巻(巳の巻)
> 第1篇 波濤の神光 > 第1章 浜辺の訣別
<<< 序文
(B)
(N)
波上の追懐 >>>
第一章
浜辺
(
はまべ
)
の
訣別
(
けつべつ
)
〔一九五七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
篇:
第1篇 波濤の神光
よみ(新仮名遣い):
はとうのしんこう
章:
第1章 浜辺の訣別
よみ(新仮名遣い):
はまべのけつべつ
通し章番号:
1957
口述日:
1933(昭和8)年12月20日(旧11月4日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年5月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
万里(まで)の大海原に浮かぶ万里の島は、面積八千方里。豊葦原の瑞穂の国の発祥地である。
八十曲津神がこの島に発生し暴威を振るっていたが、八十御樋代神の一人、田族(たから)比女の神が、主の神の命により十柱の女男の神将を率いて荒ぶる曲津神たちを追い伏せ追い払った。
その後、やはり御樋代神である朝香比女の神が万里の島を訪れ、国の形が改まり、また曲神の恐れる天の真火の火打石をもたらした。
この巻では、その後太元顕津男の神が西方の国を治め、朝香比女に国魂神の養育を任せて万里ケ島に降り立ち、田族比女の神と御水火をあわせて国魂神を生み、再び高照山北面の稚国原を修理固成するべく進んで行く、その大略を示す。
朝香比女の神とその従者神男女四柱の神々が、万里ケ島を立ち去ろうとすると、田族比女の神は十柱の神々を率いて御来矢の浜辺まで見送り、別れの歌を互いに交わした。
朝香比女は、万里ケ島の栄を祈り、顕津男の神に出会えたら、田族比女のことを伝えようと歌った。また、天の真火によって国を守るように諭した。
田族比女以下、みな朝香比女への名残おしさと天の真火を賜ったことへの感謝を歌った。
田族比女の従者神、直道比古は、せめて西方の国の国境まで、朝香比女一行を遅らせてくれるようにたのんだ。しかし朝香比女は、残って万里ケ島を守るように諭した。
一同はさらに訣別の歌を交し合い、朝香比女の神と四柱の従者神は、駒とともに磐楠船にひらりと乗り移れば、すがすがしい陽気に満ちた風がたちまち吹いて来て、櫓や櫂を使わずに、舟は海上に静かに動き出した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7801
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 29頁
修補版:
校定版:
3頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
万里
(
まで
)
の
大海原
(
おほうなばら
)
に
浮
(
うか
)
びたる
万里
(
まで
)
の
島ケ根
(
しまがね
)
は、
002
その
面積
(
めんせき
)
約
(
やく
)
八千
(
はちせん
)
方里
(
はうり
)
にして、
003
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂
(
みづほ
)
の
国
(
くに
)
の
発祥地
(
はつしやうち
)
なりければ、
004
土地
(
とち
)
殊
(
こと
)
に
肥
(
こ
)
え、
005
春夏
(
しゆんか
)
秋冬
(
しうとう
)
の
四季
(
しき
)
の
順序
(
じゆんじよ
)
正
(
ただ
)
しく、
006
万物
(
ばんぶつ
)
の
発育
(
はついく
)
又
(
また
)
極
(
きは
)
めて
良好
(
りやうかう
)
なりければ、
007
味
(
あぢ
)
よき
果物
(
くだもの
)
や
美
(
うるは
)
しき
花
(
はな
)
に
害虫
(
がいちう
)
の
好
(
この
)
んで
簇生
(
ぞくせい
)
するが
如
(
ごと
)
く、
008
八十
(
やそ
)
曲津見
(
まがつみ
)
は
千代
(
ちよ
)
の
棲処
(
すみか
)
と
此処
(
ここ
)
に
暴威
(
ばうゐ
)
を
振
(
ふる
)
ひ
居
(
ゐ
)
たりけるが、
009
八十柱
(
やそはしら
)
の
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
一柱
(
ひとはしら
)
とまします
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
010
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
神宣
(
みことのり
)
を
畏
(
かしこ
)
み
給
(
たま
)
ひ、
011
十柱
(
とはしら
)
の
女男
(
めを
)
の
神将
(
しんしやう
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
此
(
この
)
島ケ根
(
しまがね
)
に
降臨
(
かうりん
)
し、
012
生言霊
(
いくことたま
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
抜
(
ぬ
)
き
持
(
も
)
ちて、
013
荒
(
あら
)
ぶる
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
を
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
ごとに
追伏
(
おひふ
)
せ
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
ごとに
追攘
(
おひはら
)
ひて
打
(
う
)
ち
譴責
(
きた
)
め
給
(
たま
)
ひ、
014
心安
(
うらやす
)
く
心楽
(
うらたぬ
)
しき
神国
(
みくに
)
と
定
(
さだ
)
め
給
(
たま
)
ひける。
015
折
(
をり
)
しもあれ
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮居
(
みや
)
に
親
(
した
)
しく
仕
(
つか
)
へ
給
(
たま
)
ひし
八柱
(
やはしら
)
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
中
(
なか
)
にても
最
(
もつと
)
も
美
(
うる
)
はしく
最
(
もつと
)
も
面勝神
(
おもかつがみ
)
と
射向
(
いむか
)
ふ
神
(
かみ
)
なる
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
が、
016
女男
(
めを
)
四柱
(
よはしら
)
の
神
(
かみ
)
を
従
(
したが
)
へ、
017
しばし
此
(
この
)
土
(
ど
)
に
御跡
(
みあと
)
をとどめ
給
(
たま
)
ひしより
俄
(
にはか
)
に
国形
(
くにがた
)
新
(
あらた
)
まり、
018
其
(
その
)
威光
(
ゐくわう
)
を
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
加
(
くは
)
へ
給
(
たま
)
ひけるこそ
目出度
(
めでた
)
けれ。
019
加
(
くは
)
ふるに
曲神
(
まがかみ
)
の
最
(
もつと
)
も
忌
(
い
)
み
恐
(
おそ
)
るる
真火
(
まひ
)
を
切
(
き
)
り
出
(
い
)
づるべき
燧石
(
ひうち
)
を、
020
此
(
この
)
国土
(
くに
)
の
御
(
おん
)
宝
(
たから
)
として
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
御手
(
みて
)
づから
授
(
さづ
)
け
給
(
たま
)
ひしより、
021
日日
(
ひび
)
に
国土
(
くに
)
治
(
をさ
)
まり、
022
総
(
すべ
)
ての
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
は
其
(
その
)
恩恵
(
おんけい
)
に
浴
(
よく
)
し、
023
火食
(
くわしよく
)
の
道
(
みち
)
を
盛
(
さか
)
んに
行
(
おこな
)
ひにける。
024
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
生
(
う
)
み
給
(
たま
)
ひし
八十国
(
やそくに
)
八十島
(
やそしま
)
の
中
(
なか
)
にて、
025
最
(
もつと
)
も
早
(
はや
)
く
火食
(
くわしよく
)
の
道
(
みち
)
を
始
(
はじ
)
めたるは
狭野
(
さぬ
)
の
里
(
さと
)
なれども、
026
国内
(
こくない
)
一般
(
いつぱん
)
に
火食
(
くわしよく
)
の
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
きたるは、
027
この
万里
(
まで
)
の
島
(
しま
)
をもつて
濫觴
(
らんしやう
)
となす。
028
故
(
ゆゑ
)
に
一名
(
いちめい
)
火
(
ひ
)
の
国
(
くに
)
とも
称
(
とな
)
へける。
029
是
(
これ
)
より
程経
(
ほどへ
)
て
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
勧
(
すす
)
めにより、
030
太元
(
おほもと
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
を
治
(
をさ
)
め、
031
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
に
国魂神
(
くにたまがみ
)
の
養育
(
やういく
)
を
任
(
まか
)
せおき、
032
照男
(
てるを
)
の
神
(
かみ
)
をして
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
を
守
(
まも
)
らしめ
置
(
お
)
き、
033
潮
(
しお
)
の
八百路
(
やほぢ
)
を
渡
(
わた
)
りて
万里
(
まで
)
ケ
島
(
しま
)
に
天降
(
あも
)
り
給
(
たま
)
ひ、
034
茲
(
ここ
)
に
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
に
御水火
(
みいき
)
を
合
(
あは
)
せ
給
(
たま
)
ひ、
035
左右
(
ひだりみぎ
)
りの
大神業
(
おほみわざ
)
を
終
(
を
)
へて
国魂神
(
くにたまがみ
)
を
生
(
う
)
ませ
給
(
たま
)
ひ、
036
国土
(
くに
)
の
基礎
(
きそ
)
定
(
さだ
)
まるを
見
(
み
)
すまして
再
(
ふたた
)
び
高照山
(
たかてるやま
)
北面
(
ほくめん
)
の
稚国原
(
わかくにはら
)
を
修理
(
しうり
)
固成
(
こせい
)
すべく
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ひしなり。
037
本巻
(
ほんくわん
)
に
於
(
おい
)
て
其
(
その
)
経緯
(
けいゐ
)
を
略序
(
りやくじよ
)
せむと
欲
(
ほつ
)
す。
038
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
及
(
およ
)
び
女男
(
めを
)
四柱
(
よはしら
)
の
神々
(
かみがみ
)
が、
039
万里
(
まで
)
ケ
島
(
しま
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
らむとし
給
(
たま
)
ふや、
040
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
十柱
(
とはしら
)
の
神々
(
かみがみ
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
御来矢
(
みくりや
)
の
浜辺
(
はまべ
)
まで
馬上
(
ばじやう
)
豊
(
ゆたか
)
に
見送
(
みおく
)
らせ
給
(
たま
)
ひ、
041
訣別
(
けつべつ
)
の
御歌
(
みうた
)
を
互
(
たがひ
)
に
交
(
かは
)
し
給
(
たま
)
ひける。
042
茲
(
ここ
)
に
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御舟
(
みふね
)
に
乗
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
はむとして
駒
(
こま
)
を
下
(
お
)
り、
043
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
に
対
(
たい
)
して
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
044
『
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
の
栄
(
さか
)
えを
祈
(
いの
)
りつつ
045
別
(
わか
)
れてゆかむ
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
へ
046
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
は
平
(
たひら
)
けく
047
安
(
やす
)
らけくませ
国魂
(
くにたま
)
生
(
う
)
ますと
048
四方
(
よも
)
八方
(
やも
)
の
雲霧
(
くもきり
)
晴
(
は
)
れて
月日
(
つきひ
)
稚
(
わか
)
き
049
国土
(
くに
)
の
栄
(
さかえ
)
の
思
(
おも
)
はるるかな
050
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
にしあへば
汝
(
な
)
が
神
(
かみ
)
の
051
功
(
いさを
)
を
審
(
つぶ
)
さに
語
(
かた
)
り
伝
(
つた
)
へむ
052
美
(
うる
)
はしく
雄々
(
をを
)
しくいます
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
053
神
(
かみ
)
の
真心
(
まごころ
)
伝
(
つた
)
へまつらな
054
短
(
みじ
)
かけれどこの
新国土
(
にひくに
)
に
留
(
とど
)
まりて
055
吾
(
わ
)
が
魂線
(
たましひ
)
は
足
(
た
)
らひけるかな
056
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
手
(
て
)
づからたまひし
宝石
(
たからいし
)
を
057
清
(
きよ
)
き
御魂
(
みたま
)
と
朝夕
(
あさゆふ
)
仰
(
あふ
)
ぐも
058
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
荒
(
すさ
)
び
狂
(
くる
)
はむ
事
(
こと
)
あらば
059
真火
(
まひ
)
の
力
(
ちから
)
に
追
(
お
)
ひそけたまへ
060
海原
(
うなばら
)
の
雲霧
(
くもきり
)
晴
(
は
)
れて
浪
(
なみ
)
の
秀
(
ほ
)
は
061
天津
(
あまつ
)
日光
(
ひかげ
)
にかがやき
渡
(
わた
)
るも
062
別
(
わか
)
れゆく
今日
(
けふ
)
の
名残
(
なごり
)
は
惜
(
を
)
しめども
063
留
(
とど
)
まるよしなき
吾
(
われ
)
なりにけり』
064
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
酬
(
こたへ
)
の
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
065
『
雄々
(
をを
)
しくて
優
(
やさ
)
しくいます
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
066
神
(
かみ
)
に
別
(
わか
)
ると
思
(
おも
)
へば
悲
(
かな
)
しも
067
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
に
吾事
(
わがこと
)
まつぶさに
068
宣
(
の
)
らすと
言
(
い
)
ひし
公
(
きみ
)
に
感謝
(
ゐやひ
)
す
069
此
(
この
)
国土
(
くに
)
の
千代
(
ちよ
)
の
固
(
かた
)
めの
宝
(
たから
)
なる
070
燧石
(
ひうち
)
をたまひし
嬉
(
うれ
)
しさに
泣
(
な
)
く
071
何
(
なに
)
よりの
貴
(
うづ
)
の
宝
(
たから
)
よ
燧石
(
ひうち
)
もて
072
治
(
をさ
)
まる
国土
(
くに
)
に
曲神
(
まがかみ
)
はなし
073
公
(
きみ
)
が
御行
(
みゆき
)
天津
(
あまつ
)
日光
(
ひかげ
)
も
祝
(
ほ
)
ぎまして
074
大海原
(
おほうなばら
)
を
晴
(
は
)
らさせたまへり
075
朝宵
(
あさよひ
)
に
公
(
きみ
)
の
御幸
(
みさち
)
を
祈
(
いの
)
りつつ
076
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
仕
(
つか
)
へまつらむ
077
万里
(
まで
)
ケ
丘
(
をか
)
に
公
(
きみ
)
が
記念
(
かたみ
)
と
美
(
うる
)
はしき
078
宮居
(
みやゐ
)
造
(
つく
)
りて
仕
(
つか
)
へまつるも
079
八柱
(
やはしら
)
の
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
天降
(
あも
)
りましし
080
此
(
こ
)
の
島ケ根
(
しまがね
)
は
特
(
とく
)
に
尊
(
たふと
)
し
081
万世
(
よろづよ
)
に
伝
(
つた
)
へ
伝
(
つた
)
へて
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
082
御魂
(
みたま
)
を
祀
(
まつ
)
り
守
(
も
)
り
神
(
がみ
)
とせむ
083
火
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
と
御名
(
みな
)
を
称
(
たた
)
へて
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
084
大宮柱
(
おほみやばしら
)
太
(
ふと
)
しく
仕
(
つか
)
へむ
085
永久
(
とこしへ
)
に
公
(
きみ
)
が
御魂
(
みたま
)
を
止
(
とど
)
めおきて
086
この
新国土
(
にひくに
)
を
守
(
まも
)
らせたまへよ
087
千早振
(
ちはやぶ
)
る
神世
(
かみよ
)
も
聞
(
き
)
かず
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
088
八柱神
(
やはしらがみ
)
のいでまし
尊
(
たふと
)
し
089
今日
(
けふ
)
よりは
御空
(
みそら
)
の
月日
(
つきひ
)
も
光
(
かげ
)
清
(
きよ
)
く
090
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
るらむ
公
(
きみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
に』
091
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
092
『
御来矢
(
みくりや
)
の
浜辺
(
はまべ
)
に
公
(
きみ
)
を
見送
(
みおく
)
りて
093
名残
(
なごり
)
惜
(
を
)
しさに
涙
(
なみだ
)
こぼるる
094
如何
(
いか
)
にしても
止
(
とど
)
めむよしなき
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
095
神
(
かみ
)
のいでたち
惜
(
を
)
しまるるかな
096
永久
(
とこしへ
)
にこの
新国土
(
にひくに
)
に
御
(
おん
)
魂
(
たま
)
を
097
止
(
とど
)
めて
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
守
(
まも
)
らせたまへ
098
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
の
宝
(
たから
)
を
賜
(
たま
)
ひつつ
099
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
たすよ
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
は
100
いざさらば
潮
(
しほ
)
の
八百路
(
やほぢ
)
も
恙
(
つつが
)
なく
101
進
(
すす
)
ませたまへ
面勝
(
おもかつ
)
の
神
(
かみ
)
』
102
輪守
(
わもり
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
103
『
天晴
(
あは
)
れ
天晴
(
あは
)
れ
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
は
帰
(
かへ
)
りますかと
104
思
(
おも
)
へば
惜
(
を
)
しき
今日
(
けふ
)
の
別
(
わか
)
れよ
105
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
に
賜
(
たま
)
ひし
燧石
(
ひうちいし
)
は
106
公
(
きみ
)
の
光
(
ひかり
)
と
千代
(
ちよ
)
を
照
(
て
)
らさむ
107
天地
(
あめつち
)
に
又
(
また
)
なき
宝
(
たから
)
を
賜
(
たま
)
ひつつ
108
出
(
い
)
で
立
(
た
)
たす
公
(
きみ
)
を
送
(
おく
)
る
淋
(
さび
)
しさ
109
曲神
(
まがかみ
)
は
如何
(
いか
)
に
伊猛
(
いたけ
)
り
狂
(
くる
)
ふとも
110
光
(
ひかり
)
賜
(
たま
)
ひし
国土
(
くに
)
はやすけむ
111
曲津見
(
まがつみ
)
の
伊猛
(
いたけ
)
り
狂
(
くる
)
ふ
暁
(
あかつき
)
は
112
焼
(
や
)
き
滅
(
ほろぼ
)
さむ
山
(
やま
)
に
火
(
ひ
)
をかけて
113
百万
(
ひやくまん
)
の
曲
(
まが
)
の
猛
(
たけ
)
びも
何
(
なに
)
かあらむ
114
ただ
一点
(
いつてん
)
の
真火
(
まひ
)
の
光
(
ひか
)
りに』
115
若春
(
わかはる
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
116
『
国土
(
くに
)
稚
(
わか
)
く
春
(
はる
)
の
陽気
(
やうき
)
の
漂
(
ただよ
)
へる
117
国土
(
くに
)
に
仕
(
つか
)
ふる
若春
(
わかはる
)
の
神
(
かみ
)
118
若春
(
わかはる
)
の
神
(
かみ
)
も
悲
(
かな
)
しくなりにけり
119
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
の
旅立
(
たびだ
)
ち
送
(
おく
)
りて
120
瑞御霊
(
みづみたま
)
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
天降
(
あも
)
りませと
121
伝
(
つた
)
へたまはれ
面勝
(
おもかつ
)
の
神
(
かみ
)
よ
122
かくのごと
雄々
(
をを
)
しく
優
(
やさ
)
しく
美
(
うる
)
はしき
123
女神
(
めがみ
)
に
別
(
わか
)
ると
思
(
おも
)
へば
悲
(
かな
)
しも
124
惟神
(
かむながら
)
また
時
(
とき
)
あらば
此
(
こ
)
の
島
(
しま
)
に
125
天降
(
あも
)
らせたまへ
光
(
ひかり
)
の
女神
(
めがみ
)
よ』
126
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
127
『
天地
(
あめつち
)
の
一度
(
いちど
)
に
晴
(
は
)
れし
思
(
おも
)
ひせし
128
公
(
きみ
)
帰
(
かへ
)
らすと
思
(
おも
)
へば
淋
(
さび
)
し
129
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
に
賜
(
たま
)
ひし
御宝
(
みたから
)
に
130
吾
(
われ
)
は
仕
(
つか
)
へむ
公
(
きみ
)
と
仰
(
あふ
)
ぎて
131
万里
(
まで
)
の
島
(
しま
)
の
生
(
いき
)
の
命
(
いのち
)
の
燧石
(
ひうち
)
こそ
132
千代
(
ちよ
)
万代
(
よろづよ
)
の
宝
(
たから
)
なりけり
133
国向
(
くにむけ
)
の
鋒
(
ほこ
)
にもまして
尊
(
たふと
)
きは
134
公
(
きみ
)
の
賜
(
たま
)
ひし
燧石
(
ひうち
)
なりける』
135
直道
(
なほみち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
136
『
久方
(
ひさかた
)
の
御空
(
みそら
)
はさやかに
晴
(
は
)
るれども
137
吾
(
わが
)
魂線
(
たましひ
)
は
曇
(
くも
)
らひにけり
138
幾千代
(
いくちよ
)
も
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
におはしませと
139
祈
(
いの
)
りし
心
(
こころ
)
も
夢
(
ゆめ
)
となりしか
140
尊
(
たふと
)
かる
八柱神
(
やはしらがみ
)
の
天降
(
あも
)
りましし
141
万里
(
まで
)
の
国原
(
くにはら
)
は
輝
(
かがや
)
きにけり
142
此
(
こ
)
の
島
(
しま
)
の
森羅万象
(
すべてのものら
)
おしなべて
143
今日
(
けふ
)
の
別
(
わか
)
れを
惜
(
を
)
しみつつなく
144
許
(
ゆる
)
しあればせめて
西方
(
にしかた
)
の
国境
(
くにざかひ
)
まで
145
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
を
送
(
おく
)
りたきかな
146
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
は
尊
(
たふと
)
けれど
147
一入
(
ひとしほ
)
貴
(
たか
)
き
公
(
きみ
)
が
御光
(
みひかり
)
148
万世
(
よろづよ
)
の
記念
(
かたみ
)
と
公
(
きみ
)
が
賜
(
たま
)
はりし
149
燧石
(
ひうち
)
は
国土
(
くに
)
の
光
(
ひかり
)
なるかも』
150
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
に
向
(
むか
)
ひて
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
151
『
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
よ
直道
(
なほみち
)
比古
(
ひこ
)
の
152
願
(
ねが
)
ひをつばらに
許
(
ゆる
)
させたまへ
153
直道
(
なほみち
)
比古
(
ひこ
)
神
(
かみ
)
の
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
ふるは
154
吾
(
わが
)
御手代
(
みてしろ
)
と
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
しまして』
155
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
酬
(
こたへ
)
の
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
156
『
雄々
(
をを
)
しかる
直道
(
なほみち
)
比古
(
ひこ
)
の
真心
(
まごころ
)
を
157
吾
(
われ
)
嘉
(
よみ
)
すれど
許
(
ゆる
)
すすべなし
158
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
の
定
(
さだ
)
めし
十柱
(
とはしら
)
の
159
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
の
柱
(
はしら
)
ならずや
160
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
も
十柱神
(
とはしらがみ
)
の
欠
(
か
)
くるあらば
161
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
は
又
(
また
)
も
動
(
うご
)
かむ
162
四柱
(
よはしら
)
の
神
(
かみ
)
を
従
(
したが
)
へ
出
(
い
)
でてゆく
163
吾
(
われ
)
には
何
(
なん
)
の
艱
(
なや
)
みなければ
164
十柱
(
とはしら
)
の
神
(
かみ
)
を
手足
(
てあし
)
と
朝夕
(
あさゆふ
)
を
165
国土生
(
くにう
)
みの
神業
(
わざ
)
に
使
(
つか
)
はせ
給
(
たま
)
へ
166
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
御言葉
(
みことば
)
否
(
いな
)
むにあらねども
167
万里
(
まで
)
の
新国土
(
にひくに
)
思
(
おも
)
ふが
故
(
ゆゑ
)
なり』
168
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
169
『
明
(
あき
)
らけき
公
(
きみ
)
の
言葉
(
ことば
)
に
照
(
て
)
らされて
170
答
(
いらへ
)
の
言葉
(
ことば
)
吾
(
われ
)
なかりけり
171
御教
(
みをしへ
)
を
畏
(
かしこ
)
みまつり
十柱
(
とはしら
)
の
172
神
(
かみ
)
と
諸共
(
もろとも
)
国土
(
くに
)
を
拓
(
ひら
)
かむ
173
直道
(
なほみち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
よ
心
(
こころ
)
を
落
(
お
)
ち
付
(
つ
)
けて
174
公
(
きみ
)
の
御教
(
みのり
)
に
従
(
したが
)
ひまつれよ』
175
直道
(
なほみち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
176
『
二柱
(
ふたはしら
)
の
女神
(
めがみ
)
の
神言
(
みこと
)
畏
(
かしこ
)
みて
177
高鳴
(
たかな
)
る
胸
(
むね
)
の
火
(
ひ
)
を
鎮
(
しづ
)
めなむ
178
万里
(
まで
)
の
海
(
うみ
)
は
到
(
いた
)
る
処
(
ところ
)
に
曲津
(
まが
)
棲
(
す
)
めば
179
心
(
こころ
)
し
行
(
ゆ
)
きませ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
御神
(
みかみ
)
』
180
正道
(
まさみち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
181
『
浪
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
はいやさやさやに
響
(
ひび
)
かへど
182
心
(
こころ
)
の
海
(
うみ
)
に
浪
(
なみ
)
たち
騒
(
さわ
)
ぐも
183
公
(
きみ
)
が
御舟
(
みふね
)
かくるるまでも
佇
(
たたず
)
みて
184
見送
(
みおく
)
る
外
(
ほか
)
にすべなかるべし
185
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
潮
(
しほ
)
の
八百路
(
やほぢ
)
も
安
(
やす
)
かれと
186
吾
(
われ
)
真心
(
まごころ
)
に
祈
(
いの
)
るのみなる
187
果
(
はて
)
しなき
広
(
ひろ
)
き
稚国土
(
わかぐに
)
万里
(
まで
)
ケ
島
(
しま
)
の
188
記念
(
かたみ
)
と
賜
(
たま
)
ひし
燧石
(
ひうちいし
)
はも
189
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
御言葉
(
みことば
)
をかしこみて
190
公
(
きみ
)
が
宮居
(
みやゐ
)
を
仕
(
つか
)
へまつらむ』
191
雲川
(
くもかは
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
192
『
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
に
会
(
あ
)
はすと
出
(
い
)
でたたす
193
公
(
きみ
)
が
旅路
(
たびぢ
)
の
遥
(
はろ
)
けくもあるか
194
八潮路
(
やしほぢ
)
の
潮
(
しほ
)
の
八百路
(
やほぢ
)
も
恙
(
つつが
)
なく
195
進
(
すす
)
ませたまへ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
196
四柱
(
よはしら
)
の
御供
(
みとも
)
の
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
おはしませば
197
心
(
こころ
)
やすけく
御舟
(
みふね
)
を
送
(
おく
)
るも
198
をりをりは
思
(
おも
)
ひ
出
(
いだ
)
して
万里
(
まで
)
ケ
島
(
しま
)
に
199
清
(
きよ
)
き
御魂
(
みたま
)
を
通
(
かよ
)
はせたまはれ』
200
初頭
(
うぶがみ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
201
『
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
真心
(
まごころ
)
に
202
別
(
わか
)
れの
涙
(
なみだ
)
止
(
とど
)
めあへぬも
203
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
御尾前
(
みをさき
)
を
204
守
(
まも
)
り
進
(
すす
)
まむ
御心
(
みこころ
)
安
(
やす
)
かれ
205
いろいろと
生言霊
(
いくことたま
)
のもてなしに
206
わが
魂線
(
たましひ
)
はよみがへりつつ
207
なつかしき
万里
(
まで
)
の
島ケ根
(
しまがね
)
を
後
(
あと
)
にして
208
潮
(
しほ
)
の
八百路
(
やほぢ
)
を
進
(
すす
)
みてゆかむ
209
此
(
この
)
島
(
しま
)
は
紫微天界
(
たかあまはら
)
の
真秀良場
(
まほらば
)
と
210
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
栄
(
さか
)
えますらむ
211
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へて
美
(
うる
)
はしき
212
万里
(
まで
)
ケ
島根
(
しまね
)
の
国形
(
くにがた
)
見
(
み
)
しはや
213
いざさらば
名残
(
なごり
)
は
尽
(
つ
)
きじ
吾
(
わが
)
公
(
きみ
)
の
214
御尾前
(
みをさき
)
守
(
も
)
りて
神国
(
みくに
)
に
別
(
わか
)
れむ』
215
起立
(
おきたつ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
216
『
幾年
(
いくとせ
)
もこの
島ケ根
(
しまがね
)
に
村肝
(
むらきも
)
の
217
心
(
こころ
)
清
(
きよ
)
けく
住
(
す
)
ままく
思
(
おも
)
ひし
218
吾
(
わが
)
公
(
きみ
)
の
御
(
おん
)
供
(
とも
)
なれば
村肝
(
むらきも
)
の
219
心
(
こころ
)
に
任
(
まか
)
せぬ
吾
(
われ
)
なりにけり
220
牛頭ケ峰
(
ごづがみね
)
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
に
立
(
た
)
つ
雲
(
くも
)
を
221
遠行
(
とほゆ
)
く
舟
(
ふね
)
に
仰
(
あふ
)
ぎて
偲
(
しの
)
ばむ
222
霊
(
たま
)
幸
(
ち
)
はふ
神世
(
かみよ
)
の
初
(
はじ
)
めの
田族国
(
たからぐに
)
と
223
吾
(
われ
)
は
思
(
おも
)
ひぬ
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
を
224
雲霧
(
くもきり
)
を
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひたる
万里
(
まで
)
ケ
島
(
しま
)
は
225
光
(
ひかり
)
にみつる
貴
(
うづ
)
の
国原
(
くにはら
)
よ
226
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
光
(
ひかり
)
の
国土
(
くに
)
を
後
(
あと
)
にして
227
光
(
ひかり
)
の
公
(
きみ
)
と
海原
(
うなばら
)
進
(
すす
)
まむ
228
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
は
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
とまして
229
万里
(
まで
)
の
新国土
(
にひくに
)
を
照
(
て
)
らさせたまへ』
230
立世
(
たつよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
231
『
新
(
あたら
)
しき
国土
(
くに
)
の
光
(
ひかり
)
を
見
(
み
)
ながらに
232
吾
(
われ
)
は
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へて
行
(
ゆ
)
くも
233
鳥
(
とり
)
獣
(
けもの
)
草木
(
くさき
)
の
端
(
はし
)
に
至
(
いた
)
るまで
234
なつかしく
思
(
おも
)
ふ
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
は
235
森羅万象
(
すべてのもの
)
皆
(
みな
)
吾友
(
わがとも
)
と
親
(
した
)
しみし
236
この
新国土
(
にひくに
)
に
別
(
わか
)
れむとすも
237
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
許
(
ゆる
)
しありせば
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
238
この
新国土
(
にひくに
)
に
再
(
ふたた
)
び
来
(
きた
)
らむ
239
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
顔
(
かむばせ
)
を
240
いや
永久
(
とこしへ
)
に
若
(
わか
)
く
守
(
まも
)
らむ
241
この
島
(
しま
)
の
別
(
わか
)
れにのぞみ
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
242
神
(
かみ
)
の
優
(
やさ
)
しさ
若
(
わか
)
さを
守
(
まも
)
らむ
243
十柱
(
とはしら
)
の
神
(
かみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
永久
(
とこしへ
)
に
244
いや
若
(
わか
)
かれと
吾
(
われ
)
は
祈
(
いの
)
るも』
245
天晴
(
あめはれ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
246
『
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
十柱
(
とはしら
)
の
神
(
かみ
)
いざさらば
247
名残
(
なごり
)
を
惜
(
を
)
しみて
今
(
いま
)
や
別
(
わか
)
れむ
248
心若
(
うらわか
)
く
永久
(
とは
)
にましませ
万里
(
まで
)
ケ
島
(
しま
)
の
249
守
(
まも
)
りの
神
(
かみ
)
と
光
(
ひか
)
らせたまひつ』
250
かく
互
(
たがひ
)
に
歌
(
うた
)
もて
訣別
(
けつべつ
)
の
辞
(
じ
)
を
述
(
の
)
べたまひ、
251
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
初
(
はじ
)
め
四柱
(
よはしら
)
の
神
(
かみ
)
は
駒
(
こま
)
諸共
(
もろとも
)
に
磐楠舟
(
いはくすぶね
)
にひらりと
移
(
うつ
)
らせたまへば、
252
春
(
はる
)
とも
初夏
(
しよか
)
とも
知
(
し
)
れぬ
陽気
(
やうき
)
にみてる
清
(
すが
)
しき
風
(
かぜ
)
は
忽
(
たちま
)
ち
吹
(
ふ
)
き
来
(
きた
)
り、
253
艪櫂
(
ろかい
)
を
用
(
もち
)
ひたまはぬに
御舟
(
みふね
)
は
波上
(
はじやう
)
静
(
しづか
)
に
動
(
うご
)
き
出
(
い
)
でにける。
254
(
昭和八・一二・二〇
旧一一・四
於大阪分院蒼雲閣
加藤明子
謹録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
波上の追懐 >>>
霊界物語
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天祥地瑞(第73~81巻)
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第78巻(巳の巻)
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