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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第78巻(巳の巻)
序文
第1篇 波濤の神光
第1章 浜辺の訣別
第2章 波上の追懐
第3章 グロスの島
第4章 焼野の行進
第5章 忍ケ丘
第6章 焼野の月
第2篇 焼野ケ原
第7章 四神出陣
第8章 鏡の沼
第9章 邪神征服
第10章 地異天変
第11章 初対面
第12章 月下の宿り
第3篇 葦原新国
第13章 春野の進行
第14章 花見の宴
第15章 聖地惜別
第16章 天降地上
第17章 天任地命
第18章 神嘉言
第19章 春野の御行
第20章 静波の音
第4篇 神戦妖敗
第21章 怪体の島
第22章 歎声仄聞
第23章 天の蒼雲河
第24章 国津神島彦
第25章 歓の島根
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> 第3篇 葦原新国 > 第13章 春野の進行
<<< 月下の宿り
(B)
(N)
花見の宴 >>>
第一三章
春野
(
はるの
)
の
進行
(
しんかう
)
〔一九六九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
篇:
第3篇 葦原新国
よみ(新仮名遣い):
あしはらしんこく
章:
第13章 春野の進行
よみ(新仮名遣い):
はるののしんこう
通し章番号:
1969
口述日:
1933(昭和8)年12月22日(旧11月6日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年5月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
中野河より西の大高原は、朝香比女の神が放った真火の力によって黒こげとなり、晴れ晴れしくなっていた。
しかし中野河以東は草ぼうぼうの原野で、あちこちに大蛇や異様な動物が生息し、深夜になれば作物に害を与えたり、国津神の老人子供を傷つけたりと、まだ平安とはいえない状態であった。
葦原比女は、鷹巣の山の麓にある桜ケ丘という小山に瑞の御舎を造り、邪神の襲来を防ぐために丘の周囲に濠をめぐらし、付近一帯の国津神を守っていた。
だから、五千方里もの広大なこの島も、御樋代神の恵みに浴すことができるのは、わずか四、五方里にすぎなかったのである。御樋代神の権威の及ぶところは、全島のわずか千分の一ほどであった。
常盤の松が生い茂る森に一夜を明かした十二柱の神々一行は、夜が明けるとともに桜ケ丘の聖所さして進んでいった。
真以比古は馬上にこれまでの経緯を読み込んだ述懐の歌を歌った。そして、葦原の新しい国土をこれから開いて行く楽しみを歌いこんだ。
葦原比女の神は、朝香比女の神のいさおしによって、この国が豊葦原の国と開けて行くことを感謝する歌を歌った。そして、顕津男の神が天降りますまでに、この国を開こうと決意を歌った。
朝香比女の神は、勝手に島を焼き払ったことをわび、国津神が住んでいるのを見て、ここに御樋代神が居ることを知ったのだ、と歌った。そして、葦原比女に、国魂神を生むよき日を共に待とう、と歌いかけた。
従者神たち一同も、それぞれ馬上の日長の退屈さに述懐の歌を交わしつつ、日のたそがれるころ、ようやく桜ケ丘の聖所に着いた。迎える多数の国津神たちの敬礼を受け、新しく築かれた八尋殿に上り、月を誉め夜桜をたたえながら、短い春の一夜を過ごした。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7813
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 86頁
修補版:
校定版:
219頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
中野河
(
なかのがは
)
以西
(
いせい
)
の
大高原
(
だいかうげん
)
は、
002
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
が
放
(
はな
)
ち
給
(
たま
)
へる
真火
(
まひ
)
の
力
(
ちから
)
によりて
黒焦
(
くろこげ
)
となり、
003
地上
(
ちじやう
)
一片
(
いつぺん
)
の
枯葉
(
かれは
)
も
留
(
とど
)
めず、
004
晴々
(
はればれ
)
しくなりけれども、
005
中野河
(
なかのがは
)
を
劃
(
くわく
)
して
以東
(
いとう
)
は
草
(
くさ
)
莽々
(
ばうばう
)
の
原野
(
げんや
)
にして
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
に
大蛇
(
をろち
)
棲息
(
せいそく
)
し
又
(
また
)
は
異様
(
いやう
)
の
動物
(
どうぶつ
)
潜伏
(
せんぷく
)
して、
006
深夜
(
しんや
)
になれば
総
(
すべ
)
ての
作物
(
さくもつ
)
に
害
(
がい
)
を
与
(
あた
)
へ
或
(
あるひ
)
は
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
老幼
(
らうえう
)
を
傷
(
きず
)
つけるなど、
007
未
(
いま
)
だ
全
(
まつた
)
く
平安
(
へいあん
)
の
域
(
ゐき
)
に
達
(
たつ
)
せざりける。
008
茲
(
ここ
)
に
御樋代
(
みひしろ
)
の
神
(
かみ
)
とまします
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
009
鷹巣
(
たかし
)
の
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
なる
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
と
言
(
い
)
へる
小山
(
こやま
)
に
瑞
(
みづ
)
の
御舎
(
みあらか
)
を
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひ、
010
邪神
(
じやしん
)
の
襲来
(
しふらい
)
を
防
(
ふせ
)
ぐために
丘
(
をか
)
の
周囲
(
しうゐ
)
に
濠
(
ほり
)
を
繞
(
めぐ
)
らし、
011
附近
(
ふきん
)
一帯
(
いつたい
)
の
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
を
守
(
まも
)
り
給
(
たま
)
ひつつありける。
012
故
(
ゆゑ
)
に
五千
(
ごせん
)
方里
(
はうり
)
の
広袤
(
くわうぼう
)
を
有
(
いう
)
する
此
(
この
)
島ケ根
(
しまがね
)
も、
013
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
浴
(
よく
)
し
其
(
その
)
生
(
せい
)
を
安
(
やす
)
んずる
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
及
(
およ
)
び
諸々
(
もろもろ
)
の
生物
(
せいぶつ
)
は
約
(
やく
)
四五
(
しご
)
方里
(
はうり
)
に
過
(
す
)
ぎず。
014
要
(
えう
)
するに
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
権威
(
けんゐ
)
の
及
(
およ
)
ぶところは
全島
(
ぜんたう
)
の
千分
(
せんぶん
)
の
一
(
いち
)
位
(
くらゐ
)
のものなり。
015
常磐
(
ときは
)
の
松
(
まつ
)
生
(
お
)
ひ
繁
(
しげ
)
る
野中
(
のなか
)
の
森
(
もり
)
に
月
(
つき
)
を
愛
(
め
)
でながら、
016
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あか
)
し
給
(
たま
)
ひたる
女男
(
めを
)
十一柱
(
じふいちはしら
)
の
神
(
かみ
)
及
(
およ
)
び
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
長
(
をさ
)
野槌彦
(
ぬづちひこ
)
の
一行
(
いつかう
)
は、
017
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
くると
共
(
とも
)
に
各自
(
おのもおのも
)
馬上
(
ばじやう
)
にて
遥
(
はる
)
か
東方
(
とうはう
)
なる
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
聖所
(
すがど
)
を
指
(
さ
)
して
一目散
(
いちもくさん
)
に
進
(
すす
)
む
事
(
こと
)
となりけり。
018
真以
(
まさもち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
真先
(
まつさき
)
に
立
(
た
)
ち、
019
馬上
(
ばじやう
)
ながら
歌
(
うた
)
はせ
給
(
たま
)
ふ。
020
『
今日
(
けふ
)
は
如何
(
いか
)
なる
吉
(
よ
)
き
日
(
ひ
)
ぞや
021
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
の
真秀良場
(
まほらば
)
と
022
其
(
その
)
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
高地秀
(
たかちほ
)
の
023
宮居
(
みや
)
をはろばろ
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でし
024
八柱神
(
やはしらがみ
)
と
現
(
あ
)
れませる
025
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
026
厳
(
いづ
)
の
雄心
(
をごころ
)
振
(
ふ
)
り
起
(
おこ
)
し
027
万里
(
ばんり
)
の
山野
(
やまぬ
)
を
打
(
う
)
ち
渉
(
わた
)
り
028
万里
(
まで
)
の
海原
(
うなばら
)
横
(
よこ
)
ぎりつ
029
地
(
つち
)
まだ
稚
(
わか
)
き
葦原
(
あしはら
)
の
030
これの
島根
(
しまね
)
に
天降
(
あも
)
りまし
031
世
(
よ
)
にも
珍
(
めづら
)
し
燧石
(
ひうちいし
)
032
切
(
き
)
り
出
(
い
)
でたまへばピカピカと
033
四方
(
よも
)
に
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
る
火
(
ひ
)
の
光
(
ひか
)
り
034
忽
(
たちま
)
ち
荒野
(
あらの
)
の
草
(
くさ
)
の
根
(
ね
)
に
035
パツと
燃
(
も
)
えつく
折
(
をり
)
もあれ
036
海原
(
うなばら
)
渡
(
わた
)
る
潮風
(
しほかぜ
)
に
037
吹
(
ふ
)
きあふられて
忽
(
たちま
)
ちに
038
荒野
(
あらの
)
ケ
原
(
はら
)
の
叢
(
くさむら
)
を
039
一潟
(
いつしや
)
千里
(
せんり
)
に
焼
(
や
)
き
尽
(
つく
)
し
040
グロノス、ゴロスの
曲津見
(
まがつみ
)
は
041
煙
(
けむり
)
にまかれ
火
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
かれ
042
何
(
なん
)
とせむ
術
(
すべ
)
なきままに
043
永久
(
とは
)
の
棲処
(
すみか
)
のグロス
沼
(
ぬま
)
044
水底
(
みなそこ
)
深
(
ふか
)
く
忍
(
しの
)
びけり
045
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
悠々
(
いういう
)
と
046
焼野
(
やけの
)
ケ
原
(
はら
)
を
打
(
う
)
ち
渉
(
わた
)
り
047
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
に
夕暮
(
ゆふぐれ
)
を
048
着
(
つ
)
かせたまひつ
一夜
(
ひとよさ
)
の
049
露
(
つゆ
)
の
宿
(
やど
)
りをなしたまひ
050
明
(
あ
)
くるを
待
(
ま
)
ちて
四柱
(
よはしら
)
の
051
神
(
かみ
)
に
曲津
(
まがつ
)
の
征服
(
せいふく
)
を
052
依
(
よ
)
さしたまへば
四柱
(
よはしら
)
は
053
勇
(
いさ
)
み
進
(
すす
)
んで
出
(
い
)
でたまひ
054
さしもに
深
(
ふか
)
き
沼底
(
ぬまそこ
)
に
055
潜
(
ひそ
)
める
曲津
(
まが
)
に
向
(
むか
)
はせて
056
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
057
生言霊
(
いくことたま
)
を
宣
(
の
)
りつれば
058
遉
(
さすが
)
の
曲津
(
まが
)
も
辟易
(
へきえき
)
し
059
苦
(
くる
)
しみながらも
執拗
(
しつえう
)
に
060
立
(
た
)
ち
退
(
の
)
かむとはせざりしが
061
忽
(
たちま
)
ち
聞
(
きこ
)
ゆる
唸
(
うな
)
り
声
(
ごゑ
)
062
ウウウーと
天地
(
あめつち
)
も
063
さけなむばかり
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
064
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
に
曲津見
(
まがつみ
)
は
065
雲
(
くも
)
をば
起
(
おこ
)
し
雨
(
あめ
)
降
(
ふ
)
らし
066
竜蛇
(
りうだ
)
の
正体
(
しやうたい
)
現
(
あら
)
はして
067
鷹巣
(
たかし
)
の
山
(
やま
)
の
谷
(
たに
)
の
間
(
ま
)
を
068
目
(
め
)
ざして
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げさりぬ
069
茲
(
ここ
)
に
四柱
(
よはしら
)
神々
(
かみがみ
)
は
070
忍ケ丘
(
しのぶがをか
)
におはします
071
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
072
一伍
(
いちぶ
)
一什
(
しじふ
)
の
物語
(
ものがたり
)
073
宣
(
の
)
らせたまへば
比女神
(
ひめがみ
)
は
074
其
(
その
)
功績
(
いさをし
)
を
嘉
(
よみ
)
しまし
075
野槌
(
ぬづち
)
の
彦
(
ひこ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
076
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
清庭
(
すがには
)
に
077
進
(
すす
)
みゆかむと
密
(
ひそ
)
やかに
078
経綸
(
しぐみ
)
の
糸
(
いと
)
を
繰
(
く
)
りたまふ
079
道
(
みち
)
に
当
(
あた
)
りし
中野河
(
なかのがは
)
の
080
広
(
ひろ
)
き
流
(
なが
)
れを
言霊
(
ことたま
)
の
081
光
(
ひかり
)
に
陸地
(
くがち
)
となしたまひ
082
河
(
かは
)
の
東
(
ひがし
)
に
渡
(
わた
)
らむと
083
思
(
おも
)
ほす
折
(
をり
)
しも
吾々
(
われわれ
)
は
084
葦原
(
あしはら
)
比女神
(
ひめがみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
085
謹
(
つつし
)
み
出迎
(
でむかへ
)
奉
(
たてまつ
)
り
086
此
(
この
)
島ケ根
(
しまがね
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
を
087
罰
(
きた
)
めたまひし
鴻恩
(
こうおん
)
を
088
心
(
こころ
)
の
限
(
かぎ
)
り
感謝
(
かんしや
)
しつ
089
はや
黄昏
(
たそがれ
)
に
近
(
ちか
)
づけば
090
野中
(
のなか
)
の
森
(
もり
)
の
松
(
まつ
)
かげに
091
月
(
つき
)
の
一夜
(
ひとよ
)
を
明
(
あ
)
かしつつ
092
思
(
おも
)
ひ
思
(
おも
)
ひに
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ひ
093
歓
(
ゑら
)
ぎ
楽
(
たの
)
しむ
其
(
その
)
状
(
さま
)
は
094
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
の
開
(
ひら
)
けたる
095
嬉
(
うれ
)
しき
楽
(
たの
)
しき
思
(
おも
)
ひなり
096
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
は
茜
(
あかね
)
さし
097
紫雲
(
しうん
)
をわけて
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
は
098
豊栄
(
とよさか
)
昇
(
のぼ
)
りたまひける
099
百鳥
(
ももどり
)
千鳥
(
ちどり
)
のなく
声
(
こゑ
)
は
100
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
をうたひつつ
101
処々
(
ところどころ
)
に
咲
(
さ
)
き
香
(
にほ
)
ふ
102
白梅
(
しらうめ
)
の
花
(
はな
)
美
(
うる
)
はしく
103
迦陵
(
かりよう
)
頻伽
(
びんが
)
に
送
(
おく
)
られて
104
真鶴
(
まなづる
)
うたふ
大野原
(
おほのはら
)
を
105
十一柱
(
じふいちはしら
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
106
野槌
(
ぬづち
)
の
彦
(
ひこ
)
を
従
(
したが
)
へて
107
荒野
(
あらの
)
ケ
原
(
はら
)
を
渉
(
わた
)
りつつ
108
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
御舎
(
みあらか
)
を
109
さして
進
(
すす
)
むぞ
勇
(
いさ
)
ましき
110
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
111
神
(
かみ
)
の
真言
(
まこと
)
の
御
(
おん
)
経綸
(
しぐみ
)
112
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
謹
(
つつし
)
み
敬
(
ゐやま
)
ひて
113
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なを
禊
(
みそぎ
)
しつ
114
生言霊
(
いくことたま
)
の
幸
(
さち
)
はひに
115
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
新国土
(
にひくに
)
を
116
開
(
ひら
)
きゆくこそ
楽
(
たの
)
しけれ
117
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
も
近
(
ちか
)
づきて
118
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
も
芳
(
かむ
)
ばしく
119
遠野
(
とほの
)
の
奥
(
おく
)
に
燃
(
も
)
え
立
(
た
)
てる
120
陽炎
(
かげろひ
)
豊
(
ゆたか
)
に
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
を
121
野辺
(
のべ
)
一面
(
いちめん
)
に
送
(
おく
)
るなり
122
ああ
惟神
(
かむながら
)
言霊
(
ことたま
)
の
123
厳
(
いづ
)
の
御水火
(
みいき
)
に
光
(
ひかり
)
あれ
124
わが
言霊
(
ことたま
)
に
生命
(
いのち
)
あれ』
125
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
126
『
天晴
(
あは
)
れ
天晴
(
あは
)
れ
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
はあれましぬ
127
葦原
(
あしはら
)
の
雲
(
くも
)
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひつつ
128
二十年
(
はたとせ
)
を
忍
(
しの
)
び
忍
(
しの
)
びて
守
(
まも
)
りてし
129
この
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
は
生
(
い
)
きたり
130
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
功績
(
いさをし
)
に
131
豊葦原
(
とよあしはら
)
と
開
(
ひら
)
けゆくなり
132
葦原
(
あしはら
)
の
中津
(
なかつ
)
神国
(
みくに
)
は
曲津見
(
まがつみ
)
の
133
朝夕
(
あさゆふ
)
荒
(
すさ
)
ぶ
醜処
(
しこど
)
なりける
134
醜国
(
しこくに
)
も
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
安国
(
やすくに
)
と
135
開
(
ひら
)
け
行
(
ゆ
)
くかも
生言霊
(
いくことたま
)
に
136
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
天降
(
あも
)
らす
朝
(
あさ
)
迄
(
まで
)
に
137
開
(
ひら
)
きおくべしこの
葦原
(
あしはら
)
を
138
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
賜
(
たま
)
ひし
燧石
(
ひうち
)
こそ
139
葦原
(
あしはら
)
を
開
(
ひら
)
く
光
(
ひかり
)
なりける
140
此
(
この
)
燧石
(
ひうち
)
二十年
(
はたとせ
)
前
(
まへ
)
に
吾
(
われ
)
もたば
141
この
葦原
(
あしはら
)
は
栄
(
さか
)
えしものを
142
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
数多
(
あまた
)
あれども
曲津見
(
まがつみ
)
の
143
醜
(
しこ
)
の
奸計
(
たくみ
)
に
滅
(
ほろぼ
)
されける
144
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
宮
(
みや
)
の
近
(
ちか
)
くの
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
は
145
纔
(
わづか
)
に
命
(
いのち
)
保
(
たも
)
ちけるはも
146
今日
(
けふ
)
よりは
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
大空
(
おほぞら
)
の
147
星
(
ほし
)
のごとくに
生
(
う
)
み
育
(
そだ
)
つべし
148
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
よ
御子
(
みこ
)
を
生
(
う
)
め
生
(
う
)
め
栄
(
さか
)
えよ
栄
(
さか
)
え
149
この
葦原
(
あしはら
)
は
今日
(
けふ
)
より
安
(
やす
)
けし
150
四柱
(
よはしら
)
の
神
(
かみ
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
天降
(
あも
)
らしし
151
八柱
(
やはしら
)
比女神
(
ひめがみ
)
を
迎
(
むか
)
ふる
今日
(
けふ
)
かな』
152
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
馬上
(
ばじやう
)
豊
(
ゆたか
)
に
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
153
『
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
領有
(
うしは
)
ぐこの
島
(
しま
)
を
154
吾
(
われ
)
恣
(
ほしいまま
)
に
焼
(
や
)
き
払
(
はら
)
ひけり
155
主
(
あるじ
)
なき
島
(
しま
)
と
思
(
おも
)
ひて
曲津見
(
まがつみ
)
を
156
払
(
はら
)
ひ
退
(
やら
)
ふと
真火
(
まひ
)
を
放
(
はな
)
ちし
157
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
れば
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
の
住
(
す
)
めるを
見
(
み
)
て
158
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
のおはすと
悟
(
さと
)
りし
159
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
御許
(
みもと
)
に
侍
(
さむ
)
らふと
160
吾
(
われ
)
は
旅行
(
たびゆ
)
く
道
(
みち
)
すがらにて
161
由縁
(
ゆかり
)
ある
此
(
この
)
島ケ根
(
しまがね
)
に
立寄
(
たちよ
)
りて
162
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
に
会
(
あ
)
ひにけらしな
163
非時
(
ときじく
)
の
香具
(
かぐ
)
の
木
(
こ
)
の
実
(
み
)
ゆ
生
(
あ
)
れませる
164
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
清
(
すが
)
しさ
165
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
永久
(
とは
)
にまします
高宮
(
たかみや
)
ゆ
166
天降
(
あも
)
りし
公
(
きみ
)
は
八十
(
やそ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
167
国々
(
くにぐに
)
に
八十
(
やそ
)
比女神
(
ひめがみ
)
を
配
(
くば
)
りおきて
168
国魂
(
くにたま
)
生
(
う
)
ます
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
天晴
(
あは
)
れ
169
御樋代
(
みひしろ
)
の
神
(
かみ
)
は
何
(
いづ
)
れも
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
170
水火
(
いき
)
に
生
(
うま
)
れし
神柱
(
かむばしら
)
なる
171
かくのごと
尊
(
たふと
)
き
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
かみ
)
をもて
172
国魂
(
くにたま
)
生
(
う
)
ますと
瑞霊
(
ずゐれい
)
たまひぬ
173
大家族
(
だいかぞく
)
国
(
くに
)
をつくると
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
は
174
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
独
(
ひと
)
りを
依
(
よ
)
させり
175
御樋代
(
みひしろ
)
は
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
国魂
(
くにたま
)
は
176
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
御子
(
みこ
)
なりにけり
177
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
よ
吉
(
よ
)
き
日
(
ひ
)
を
待
(
ま
)
たせつつ
178
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
と
国魂
(
くにたま
)
生
(
う
)
みませ
179
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
許
(
もと
)
に
180
進
(
すす
)
みて
国魂
(
くにたま
)
生
(
う
)
まむとぞ
思
(
おも
)
ふ
181
遥々
(
はろばろ
)
と
曲神
(
まがみ
)
の
荒
(
すさ
)
ぶ
西方
(
にしかた
)
の
182
国土
(
くに
)
に
進
(
すす
)
まむ
吾
(
われ
)
なやみつつ』
183
初頭
(
うぶがみ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
184
『
初夏
(
はつなつ
)
の
野
(
の
)
も
春弥生
(
はるやよひ
)
の
心地
(
ここち
)
して
185
大原
(
おほはら
)
の
奥
(
おく
)
に
陽炎
(
かげろひ
)
立
(
た
)
つも
186
陽炎
(
かげろひ
)
の
燃
(
も
)
え
立
(
た
)
つ
野辺
(
のべ
)
を
駒
(
こま
)
並
(
な
)
めて
187
進
(
すす
)
むも
楽
(
たの
)
し
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
へ
188
ぼやぼやと
吾
(
わが
)
面
(
おも
)
を
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
のいきに
189
吾目
(
わがめ
)
ねむたくなりにけらしな
190
駿馬
(
はやこま
)
も
歩
(
あゆ
)
みをゆるめて
眠
(
ねむ
)
るごと
191
大野
(
おほの
)
の
草
(
くさ
)
を
分
(
わ
)
けつつ
進
(
すす
)
めり
192
駒
(
こま
)
の
背
(
せ
)
にゆるく
揺
(
ゆ
)
られて
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らず
193
ねむけ
催
(
もよほ
)
す
春野
(
はるの
)
の
旅
(
たび
)
なり』
194
成山
(
なりやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
195
『
久方
(
ひさかた
)
の
高地秀
(
たかちほ
)
山
(
やま
)
ゆ
天降
(
あも
)
りましし
196
朝香
(
あさか
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
迎
(
むか
)
ふる
嬉
(
うれ
)
しさ
197
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
れば
鷹巣
(
たかし
)
の
山
(
やま
)
の
頂
(
いただき
)
は
198
紫雲
(
しうん
)
の
衣
(
きぬ
)
をつけて
迎
(
むか
)
ふる
199
野路
(
のぢ
)
を
吹
(
ふ
)
くねむたき
風
(
かぜ
)
の
息
(
いき
)
づかひ
200
聞
(
き
)
きつつ
進
(
すす
)
む
駒
(
こま
)
の
遅
(
おそ
)
きも
201
終夜
(
よもすがら
)
眠
(
ねむ
)
りもやらず
月舟
(
つきふね
)
の
202
下
(
した
)
びに
遊
(
あそ
)
びて
睡気
(
ねむけ
)
催
(
もよほ
)
す』
203
栄春
(
さかはる
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
204
『
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へつつ
205
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
出
(
い
)
でまし
迎
(
むか
)
へし
206
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
れば
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
の
御
(
おん
)
上
(
うへ
)
に
207
光
(
ひか
)
らせたまへり
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
は
208
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
は
御姿
(
みすがた
)
現
(
あら
)
はさず
209
蔭
(
かげ
)
にいそひて
守
(
まも
)
らせたまへる
210
吾
(
わが
)
公
(
きみ
)
に
守
(
まも
)
り
神
(
がみ
)
なし
如何
(
いか
)
にして
211
この
葦原
(
あしはら
)
を
拓
(
ひら
)
きますらむ
212
さりながら
生言霊
(
いくことたま
)
の
天照
(
あまて
)
らす
213
国土
(
くに
)
にしあれば
安
(
やす
)
く
開
(
ひら
)
けむ
214
とつおひつ
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れて
二十年
(
はたとせ
)
を
215
功績
(
いさをし
)
もなく
過
(
す
)
ぎにけらしな』
216
起立
(
おきたつ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
217
『
狭野
(
さぬ
)
の
島
(
しま
)
と
万里
(
まで
)
の
島ケ根
(
しまがね
)
造
(
つく
)
りをへし
218
朝香
(
あさか
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
ここに
来
(
き
)
ませり
219
葦原
(
あしはら
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神業
(
みわざ
)
を
補
(
おぎな
)
ふと
220
出
(
い
)
でましにけむ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
221
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
仕
(
つか
)
へつつ
222
真言
(
まこと
)
の
光
(
ひかり
)
を
悟
(
さと
)
り
得
(
え
)
ざるも
223
奥底
(
おくそこ
)
のわからぬ
御稜威
(
みいづ
)
を
保
(
たも
)
ちます
224
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御光
(
みひかり
)
なりけり』
225
八栄
(
やさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
226
『
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
貴
(
うづ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
227
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
を
野
(
の
)
に
迎
(
むか
)
へける
228
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
を
仰
(
あふ
)
ぎてゆ
229
吾目
(
わがめ
)
眩
(
まぶ
)
しくなりにけらしな
230
言霊
(
ことたま
)
の
天照
(
あまて
)
り
渡
(
わた
)
す
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
231
神
(
かみ
)
は
光
(
ひかり
)
にましましにけり
232
初夏
(
しよか
)
なれど
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
は
風
(
かぜ
)
寒
(
さむ
)
く
233
桜
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
は
真盛
(
まさか
)
りなりけり
234
白梅
(
しらうめ
)
と
桃
(
もも
)
と
桜
(
さくら
)
の
一時
(
ひととき
)
に
235
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
聖所
(
すがど
)
に
匂
(
にほ
)
へり
236
せめてもの
旅
(
たび
)
を
慰
(
なぐさ
)
めまつるべく
237
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
きみつる
聖所
(
すがど
)
に
導
(
みち
)
びかむ』
238
立世
(
たつよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
239
『
梅桜
(
うめさくら
)
桃
(
もも
)
も
一度
(
いちど
)
に
咲
(
さ
)
くと
言
(
い
)
ふ
240
珍
(
うづ
)
の
景色
(
けしき
)
を
眺
(
なが
)
めまほしけれ
241
吾
(
わが
)
公
(
きみ
)
の
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へて
百花
(
ももばな
)
の
242
薫
(
かを
)
る
聖所
(
すがど
)
に
進
(
すす
)
む
楽
(
たの
)
しさ
243
もやもやと
四方
(
よも
)
の
山野
(
やまぬ
)
に
霞
(
かすみ
)
立
(
た
)
ちて
244
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
は
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
包
(
つつ
)
めり
245
草枕
(
くさまくら
)
旅
(
たび
)
の
宿
(
やど
)
りの
楽
(
たの
)
しさは
246
花
(
はな
)
の
盛
(
さか
)
りの
春
(
はる
)
にあふなり』
247
天晴
(
あめはれ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
248
『
吾
(
わが
)
公
(
きみ
)
は
万里
(
ばんり
)
の
荒野
(
あらの
)
を
渉
(
わた
)
りつつ
249
国魂
(
くにたま
)
生
(
う
)
まむと
来
(
きた
)
りますかも
250
国魂神
(
くにたまがみ
)
あれますまでは
御
(
おん
)
供
(
とも
)
に
251
吾
(
われ
)
仕
(
つか
)
へむと
従
(
したが
)
ひ
来
(
きた
)
りし
252
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
は
遥
(
はろ
)
けしさりながら
253
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
に
進
(
すす
)
まむと
思
(
おも
)
ふ
254
葦原
(
あしはら
)
のこの
浮島
(
うきしま
)
の
風光
(
ふうくわう
)
を
255
眺
(
なが
)
めて
国土
(
くに
)
の
栄
(
さかえ
)
を
偲
(
しの
)
ぶも
256
遠方
(
をちかた
)
の
遠野
(
とほの
)
の
奥
(
おく
)
に
輝
(
かがや
)
ける
257
眺
(
なが
)
めは
雲
(
くも
)
かも
山桜
(
やまざくら
)
かも』
258
霊生
(
たまなり
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
259
『
目路
(
めぢ
)
遠
(
とほ
)
く
雲
(
くも
)
か
花
(
はな
)
かとまがふなる
260
聖所
(
すがど
)
に
吾
(
われ
)
は
導
(
みちび
)
きゆかむ
261
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
宮
(
みや
)
の
聖所
(
すがど
)
の
美
(
うる
)
はしさを
262
五柱神
(
いつはしらがみ
)
に
見
(
み
)
せたくぞ
思
(
おも
)
ふ
263
駿馬
(
はやこま
)
の
脚
(
あし
)
を
急
(
いそ
)
げば
黄昏
(
たそがれ
)
に
264
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
に
帰
(
かへ
)
り
得
(
う
)
べけむ
265
夕
(
ゆふ
)
されど
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
のさやかなれば
266
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
にひたに
進
(
すす
)
まむ』
267
かく
神々
(
かみがみ
)
は
馬上
(
ばじやう
)
にて
日長
(
ひなが
)
の
退屈
(
たいくつ
)
さに
交々
(
こもごも
)
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませつつ、
268
其
(
その
)
日
(
ひ
)
の
黄昏
(
たそが
)
るる
前
(
まへ
)
、
269
漸
(
やうや
)
くにして
桜ケ丘
(
さくらがをか
)
の
聖所
(
すがど
)
に
着
(
つ
)
きたまひ、
270
迎
(
むか
)
へまつる
数多
(
あまた
)
の
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
の
敬礼
(
けいれい
)
をうけ、
271
新
(
あたら
)
しく
築
(
きづ
)
かれし
八尋殿
(
やひろどの
)
に
上
(
のぼ
)
りて、
272
月
(
つき
)
を
賞
(
ほ
)
め
夜桜
(
よざくら
)
を
讃
(
たた
)
へながら、
273
短
(
みじか
)
き
春
(
はる
)
の
一夜
(
ひとよ
)
を
過
(
すご
)
させたまひける。
274
(
昭和八・一二・二二
旧一一・六
於大阪分院蒼雲閣
加藤明子
謹録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
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