霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 神嘉言(かむよごと)〔一九七四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻 篇:第3篇 葦原新国 よみ(新仮名遣い):あしはらしんこく
章:第18章 神嘉言 よみ(新仮名遣い):かむよごと 通し章番号:1974
口述日:1933(昭和8)年12月23日(旧11月7日) 口述場所:大阪分院蒼雲閣 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年5月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
妖邪の気が鬱積して、ほとんど亡国に瀕していたグロスの島は、朝香比女の神の降臨によって天地清まり、葦原新国と改称してよみがえった。そして国津神を抜擢して神業を司らせることとなった。
グロノス、ゴロスの曲津神たちは生言霊と真火の功によって逃げ失せたので、国土の中心にある忍ケ丘に宮居を移し、国津神たちを治めることとなった。生きとし生けるものは忍ケ丘の聖場に集まり来て、新しい国土の成立を寿ぎ祝うこととなった。
葦原比女は、新たに任命した天津神たちを率いて忍ケ丘に太き宮柱を立てて主の大神を斎き祭り、大御前に潔斎して国の初めの神嘉言を奏し、感謝と喜びの歌を歌った。朝香比女の神は、寿ぎの歌を歌った。
朝香比女の神が寿ぎの歌を歌っているおりしも、鋭敏鳴出(うなりづ)の神が、天空より十曜の神旗をふりかざし、数多の従神を従えて、紫の雲に乗ってこの場に天降った。朝香比女の神はこの光景に驚き、合掌敬拝しつつ鋭敏鳴出の神への感謝と祈願を歌った。
鋭敏鳴出の神は、まず新宮に主の大神へののりごとを上げ、そして葦原比女の神に、新しい国土の誕生への寿ぎ歌を歌った。葦原比女の神は驚きと感謝の歌を歌い、朝香比女、鋭敏鳴出の神の御魂をこの国土に永遠に止めてもらうよう、歌を歌った。
野槌比古を始め、新任の天津神たちは、祝歌を歌った。天津神々は、葦原の国土の新たな甦りに祝辞を述べ、忍ケ丘の中心地に宮居を移した大神業を謳歌しつつ、おのおの言祝ぎをして国土の前途を祈った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:3822 OBC :rm7818
愛善世界社版: 八幡書店版:第14輯 113頁 修補版: 校定版:321頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 妖邪(えうじや)の気(き)鬱積(うつせき)して黒雲(こくうん)天地(てんち)を塞(ふさ)ぎ、002殆(ほとん)ど亡国(ばうこく)に瀕(ひん)したるグロスの島(しま)は、003天(てん)の時(とき)到(いた)りて、004高地秀(たかちほ)の宮居(みや)より天降(あも)りませる八柱(やはしら)御樋代(みひしろ)神(がみ)の一柱(ひとはしら)なる朝香(あさか)比女(ひめ)の神(かみ)の御(ご)降臨(かうりん)によりて、005天地(てんち)清(きよ)まり、006国内(こくない)一点(いつてん)の風塵(ふうぢん)も止(とど)めざるに至(いた)りたれば、007茲(ここ)にグロスの島国(しまぐに)を葦原(あしはら)新国(しんこく)と改称(かいしよう)し、008国津(くにつ)神(かみ)を抜擢(ばつてき)して葦原(あしはら)比女(ひめ)の神(かみ)の国津柱(くにつはしら)の御側(みそば)近(ちか)く神業(みわざ)を司(つかさど)らしめ給(たま)ふ事(こと)とはなりぬ。009茲(ここ)に新(あたら)しく蘇(よみがへ)りたる葦原(あしはら)の国土(くに)はグロノス、010ゴロスの曲津(まがつ)神(かみ)、011生言霊(いくことたま)の御光(みひかり)と真火(まひ)の功(いさを)に逃(に)げ失(う)せければ、012国土(くに)の中心(ちうしん)なる忍ケ丘(しのぶがをか)に宮居(みや)を移(うつ)し給(たま)ひ、013八尋殿(やひろどの)を急(いそ)ぎ見建(みた)て給(たま)ひて、014国津(くにつ)神(かみ)の上(うへ)に臨(のぞ)ませ給(たま)ふ事(こと)とはなりぬ。015十曜(とえう)の神旗(しんき)は春風(はるかぜ)に翩翻(へんぽん)として翻(ひるがへ)り、016日月(じつげつ)の光(ひかり)は殊更(ことさら)に美(うる)はしく天(てん)に輝(かがや)き地(ち)に照(て)らひ、017四方(よも)八方(やも)より国津(くにつ)神(かみ)を初(はじ)めとし禽獣(きんじう)虫魚(ちうぎよ)の生(い)きとし生(い)けるものの限(かぎ)り、018忍ケ丘(しのぶがをか)の聖場(せいぢやう)に集(あつ)まり来(きた)りて、019新(あたら)しき国土(くに)の成立(せいりつ)を寿(ことほ)ぎ祝(いは)ひ奉(たてまつ)る事(こと)とはなりぬ。
020 茲(ここ)に葦原(あしはら)比女(ひめ)の神(かみ)は新(あらた)に言依(ことよ)さし給(たま)へる天津神(あまつかみ)等(たち)を率(ひき)ゐて、021忍ケ丘(しのぶがをか)に宮柱太(みやはしらふと)しき立(た)て主(ス)の大神(おほかみ)を斎(いつ)き祭(まつ)り給(たま)ひ、022大御前(おほみまへ)に潔斎(けつさい)して国(くに)の初(はじ)めの神嘉言(かむよごと)を奏(そう)し給(たま)ひける。023其(その)神嘉言(かむよごと)に言(い)ふ。
 
024『掛巻(かけまく)も綾(あや)に畏(かしこ)き忍ケ丘(しのぶがをか)の下津(したつ)岩根(いはね)に大宮柱(おほみやはしら)太(ふと)しき立(た)て、025高天原(たかあまはら)に千木高(ちぎたか)知(し)りて、026国(くに)の鎮(しづ)めと鎮(しづ)まりたまふ主(ス)の大神(おほかみ)の大御前(おほみまへ)に、027葦原(あしはら)の国(くに)の国津柱(くにつはしら)と仕(つか)へまつる葦原(あしはら)比女(ひめ)の神(かみ)、028謹(つつし)み敬(ゐやま)ひ畏(かしこ)み畏(かしこ)みも白(まを)す、029抑々(そもそも)これの神国(みくに)は、030未(いま)だ地(つち)稚(わか)く、031国形(くにがた)定(さだ)まらず、032曲津見(まがつみ)の醜(しこ)の悪(あ)しき水火(いき)は天地(あめつち)に塞(ふさ)がり、033雲霧(くもきり)深(ふか)く、034天日(あまつひ)の光(ひかり)は地(つち)に届(とど)かず、035総(すべ)ての木草(きぐさ)を初(はじ)め、036五穀(たなつもの)等(ら)豊(ゆた)に稔(みの)らず、037国津神(くにつかみ)等(たち)の生(いき)の命(いのち)を危(あやふ)からしめ、038これの稚国土(わかぐに)は二葉(ふたば)にして枯果(かれは)てむとしけるが故(ゆゑ)に、039如何(いか)にもして神(かみ)の依(よ)さしの美国(うましくに)を造(つく)り固(かた)めばやと、040朝(あさ)な夕(ゆふ)なに心(こころ)を砕(くだ)き血潮(ちしほ)をしぼり天(あめ)を仰(あふ)ぎ地(つち)に俯(ふ)して歎(なげ)かひける折(をり)もあれ、041高地秀(たかちほ)山(やま)の貴(うづ)の聖所(すがど)に宮柱(みやはしら)清(すが)しく立(た)てて仕(つか)へませる朝香(あさか)の比女神(ひめがみ)の端(はし)なくもこの稚国土(わかぐに)に天降(あも)りまし、042生言霊(いくことたま)の御光(みひかり)と真火(まひ)の功(いさを)に曲津見(まがつみ)の醜(しこ)の棲処(すみか)を焼(や)き尽(つく)しまし、043今(いま)は全(また)く風塵(かぜちり)治(をさ)まりて、044曲津見(まがつみ)の影(かげ)も朝(あした)の御霧(みきり)夕(ゆふべ)の御霧(みきり)を朝風(あさかぜ)夕風(ゆふかぜ)の吹(ふ)き払(はら)ふ如(ごと)く散(ち)らせ失(うしな)ひ給(たま)ひければ、045国土(くに)の東(ひがし)に偏在(かたよ)れる桜ケ丘(さくらがをか)の宮居(みや)を国土(くに)の真秀良場(まほらば)なるこれの聖所(すがど)に移(うつ)し、046主(ス)の大神(おほかみ)の神霊(みたま)を永久(とこしへ)に斎(いつ)きまつりて、047国(くに)の御旗(みはた)を定(さだ)め政所(まんどころ)を移(うつ)して国土生(くにう)み、048神生(かみう)みの神業(みわざ)に心(こころ)清(すが)しく真言(まこと)の水火(いき)を凝(こ)らして仕(つか)へまつらむと思(おも)ふが故(ゆゑ)に、049朝香(あさか)比女(ひめ)の神(かみ)の天降(あも)り給(たま)ひしを機会(しほ)に、050今日(けふ)の佳辰(よきひ)の吉時(よきとき)に新(あたら)しき国土(くに)の生(あ)れの御祭(みまつ)りを取行(とりおこな)ひ、051天津(あまつ)神(かみ)八百万(やほよろづ)の神(かみ)等(たち)の神霊(みたま)を招(お)ぎ奉(まつ)りて、052この国(くに)の山野(やまぬ)に生(お)ふる種々(くさぐさ)の美味物(うましもの)を百足(ももたり)の机代(つくゑしろ)に置(お)き足(たら)はして供(そな)へまつる有様(ありさま)を、053平(たひ)らけく安(やす)らけく聞召(きこしめ)し相諾(あひうづな)ひたまひて、054これの新国土(にひくに)を千代(ちよ)に八千代(やちよ)に動(うご)くことなく変(かは)る事(こと)なく、055五十橿(いかし)八桑枝(やくはへ)のごとく茂栄(むくさか)に栄(さか)えしめ給(たま)ひ夜(よ)の守(まも)り日(ひ)の守(まも)りに守(まも)り幸(さきは)へ給(たま)へと、056恐(かし)こみ恐(かし)こみも祈願(こひのみ)奉(まつ)らくと白(まを)す。
057天晴(あは)れ天晴(あは)れ豊葦原(とよあしはら)と栄(さか)えます
058神(かみ)の御国(みくに)は生(うま)れけるはや
059主(ス)の神(かみ)の大宮柱(おほみやはしら)太知(ふとし)りて
060仕(つか)へまつらむ今日(けふ)ぞ目出度(めでた)き
061群雲(むらくも)の天地(あめつち)を塞(ふさ)ぎし島ケ根(しまがね)も
062隈(くま)なく晴(は)れて月日(つきひ)はかがよふ
063二十年(はたとせ)の長(なが)き月日(つきひ)を包(つつ)みてし
064醜(しこ)の黒雲(くろくも)晴(は)れ渡(わた)りけり
065光(ひかり)ある国津神(くにつかみ)等(ら)を選(え)りあげて
066国(くに)の守(まもり)の神(かみ)と依(よ)さしぬ
067主(ス)の神(かみ)の恵(めぐみ)は永久(とは)に葦原(あしはら)の
068新(あたら)しき国土(くに)を光(て)らさせたまへ
069天津(あまつ)神(かみ)国津神(くにつかみ)等(ら)は各(おの)も各(おの)も
070任(ま)けのまにまにならはせたまへ
071久方(ひさかた)の天(あま)の岩戸(いはと)は開(ひら)けたり
072常世(とこよ)の闇(やみ)も明(あ)け渡(わた)りつつ
073桜ケ丘(さくらがをか)の宮居(みや)をこの地(ち)に新(あたら)しく
074移(うつ)して治(をさ)めむこの新国土(にひくに)を
075葦原(あしはら)の国土(くに)の中央(なかご)の忍ケ丘(しのぶがをか)は
076大政所(おほまんどころ)にふさはしきかな
077忍ケ丘(しのぶがをか)を常磐(ときは)ケ丘(をか)と改(あらた)めて
078神世(かみよ)のまつり開(ひら)かむと思(おも)ふ
079万世(よろづよ)に神(かみ)の賜(たま)ひし燧石(ひうちいし)を
080伝(つた)へて日継(ひつぎ)の印(しるし)と定(さだ)めむ
081もろもろの国津神(くにつかみ)等(ら)も生物(いきもの)も
082今日(けふ)のよき日(ひ)を蘇(よみがへ)るかな
083歓(よろこ)びの声(こゑ)は天地(てんち)に響(ひび)かひて
084動(ゆる)ぐがごとし葦原(あしはら)の国土(くに)は
085万世(よろづよ)も動(ゆる)がぬ国土(くに)の礎(いしずゑ)を
086立(た)てし功(いさを)に天地(てんち)は動(ゆる)げり
087歓(よろこ)びの声(こゑ)に天地(てんち)は動(ゆる)ぎつつ
088動(ゆる)がぬ国土(くに)の基礎(きそ)固(かた)まりぬ
089朝香(あさか)比女(ひめ)神(かみ)の神言(みこと)の功績(いさをし)に
090葦原(あしはら)国土(くに)は稚(わか)く生(うま)れし』
091 朝香(あさか)比女(ひめ)の神(かみ)は寿(ことほ)ぎの御歌(みうた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
092『葦原(あしはら)の国土(くに)の礎(いしずゑ)固(かた)まりて
093御空(みそら)の月日(つきひ)も冴(さ)え渡(わた)りける
094天(あめ)清(きよ)く地(つち)又(また)浄(きよ)く生(うま)れたる
095この新国土(にひくに)は永久(とは)に栄(さか)えよ
096遥々(はろばろ)と荒野(あらの)を渉(わた)り海(うみ)越(こ)えて
097国土(くに)の固(かた)めの吉日(よきひ)にあふかな
098過(あやまち)を直日(なほひ)に見直(みなほ)し聞(き)き直(なほ)し
099罪(つみ)なる神(かみ)も許(ゆる)したまひぬ
100天津(あまつ)神(かみ)もゆるされここに国津(くにつ)神(かみ)と
101なりて永久(とこしへ)に蘇(よみがへ)りませり
102国津(くにつ)神(かみ)の清(きよ)き神魂(みたま)を選(え)り抜(ぬ)きて
103依(よ)さしたまへる神(かみ)の畏(かしこ)さ
104新(あたら)しき国土(くに)の生(うま)れをことほぎて
105生言霊(いくことたま)を奉(たてまつ)りける』
106 かく歌(うた)はせ給(たま)ふ折(をり)しも天津(あまつ)御空(みそら)より十曜(とえう)の神旗(しんき)を振翳(ふりかざ)し、107数多(あまた)の従神(じうしん)をしたがへて紫(むらさき)の雲(くも)に乗(の)り此(この)場(ば)に天降(あも)り給(たま)ひしは、108主(ス)の大神(おほかみ)の御使(みつか)ひ神(がみ)なる鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)の雄姿(ゆうし)に在(おは)しましける。
109 朝香(あさか)比女(ひめ)の神(かみ)はこの光景(くわうけい)に驚(おどろ)きたまひ、110合掌(がつしやう)敬拝(けいはい)しつつ御歌(みうた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
111『掛巻(かけま)くも畏(かしこ)き鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)は
112今日(けふ)の吉日(よきひ)に天降(あも)りましける
113鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)の功(いさを)に草枕(くさまくら)
114吾(わが)行(ゆ)く旅(たび)は安(やす)けかりけり
115曲津見(まがつみ)の伊猛(いたけ)り狂(くる)ひしこの島(しま)も
116公(きみ)の功(いさを)に清(きよ)まりにける
117曲津見(まがつみ)の伊猛(いたけ)る国(くに)を進(すす)みゆく
118吾(わが)道(みち)の辺(べ)を守(まも)らせたまへ
119鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)の助(たす)けのなかりせば
120吾(わが)旅立(たびだ)ちに光(ひかり)あらまじを』
121 鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)は大宮(おほみや)の前(まへ)に降(くだ)らせ給(たま)ひ、122恭(うやうや)しく拍手(はくしゆ)しながら、
123『掛巻(かけま)くもこれの新宮(にひみや)におはします
124主(ス)の大神(おほかみ)にのりごと申(まを)さむ
125久方(ひさかた)の雲路(くもぢ)をわけて神宣(みことのり)
126畏(かしこ)み吾(われ)はここに来(き)つるも
127願(ねが)はくは千代(ちよ)に八千代(やちよ)に葦原(あしはら)の
128国土(くに)を守(まも)りて栄(さかえ)あらせよ
129朝香(あさか)比女(ひめ)神(かみ)の出立(いでた)ち守(まも)らひつ
130目出度(めでた)く今日(けふ)を現(あら)はれにける
131葦原(あしはら)比女(ひめ)神(かみ)の神言(みこと)に新(あたら)しき
132国土(くに)の生(うま)れをことほぎまつるも
133地(つち)稚(わか)く国土(くに)稚(わか)けれど鋭敏鳴出(うなりづ)の
134神(かみ)は非時(ときじく)守(まも)りまつらむ
135心安(うらやす)くこの稚国土(わかくに)を開(ひら)きませ
136吾(われ)は力(ちから)を添(そ)へて守(まも)らむ』
137 葦原(あしはら)比女(ひめ)の神(かみ)は驚喜(きやうき)しながら御歌(みうた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
138『思(おも)ひきやこの新国土(にひくに)に鋭敏鳴出(うなりづ)の
139尊(たふと)き神(かみ)の天降(あも)りますとは
140力(ちから)なき吾(われ)にありせば昼夜(ひるよる)を
141守(まも)らせたまへ鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)
142天地(あめつち)の雲霧(くもきり)晴(は)れて新(あたら)しく
143神(かみ)の御稜威(みいづ)に国土(くに)は生(うま)れし
144朝香(あさか)比女(ひめ)鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)の二柱(ふたはしら)を
145斎(いつ)きまつりて永久(とは)に仕(つか)へむ
146二柱(ふたはしら)の神(かみ)よ御魂(みたま)を永遠(とことは)に
147この新国土(にひくに)に止(とど)めたまはれ
148国津(くにつ)神(かみ)百千万(ももちよろづ)の生(い)けるもの
149今日(けふ)の吉日(よきひ)に蘇(よみがへ)りつつ』
150 野槌(ぬづち)比古(ひこ)の神(かみ)は祝歌(ほぎうた)をうたひ給(たま)ふ。
151『掛(かけ)まくも綾(あや)に尊(たふと)き神々(かみがみ)の
152光(ひかり)に生(あ)れし葦原(あしはら)の国土(くに)よ
153葦原(あしはら)の国土(くに)稚(わか)けれど主(ス)の神(かみ)の
154恵(めぐ)みに生(い)きていよよ栄(さか)えむ
155朝香(あさか)比女(ひめ)鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)の功績(いさをし)に
156醜(しこ)の黒雲(くろくも)晴(は)れ渡(わた)りける
157桜ケ丘(さくらがをか)の宮居(みや)をここに移(うつ)しまして
158神国(みくに)を知(し)らさす今日(けふ)ぞ目出度(めでた)き
159国津(くにつ)神(かみ)もろもろここに集(あつ)まりて
160国土(くに)の基礎(もとゐ)を寿(ことほ)ぎ祝(いは)ふ
161吾(わが)公(きみ)に選(えら)まれわれは今日(けふ)の日(ひ)ゆ
162天津(あまつ)御神(みかみ)となりて仕(つか)へむ
163許々多久(ここたく)の国(くに)の罪穢(つみけが)れ吹(ふ)き払(はら)ひ
164仕(つか)へまつらむ千代(ちよ)に八千代(やちよ)に
165果(はて)しなきこの新国土(にひくに)を今日(けふ)よりは
166国津神(くにつかみ)等(ら)と共(とも)に開(ひら)かむ
167天地(あめつち)の水火(いき)を清(きよ)めて今日(けふ)よりは
168生国原(いくくにはら)と神世(みよ)を開(ひら)かむ
169長年(ながとせ)の雲霧(くもきり)ここに晴(は)れ渡(わた)り
170公(きみ)に親(した)しく仕(つか)へまつるも』
171 高比古(たかひこ)の神(かみ)は祝歌(ほぎうた)を詠(よ)ませ給(たま)ふ。
172『村肝(むらきも)の心(こころ)を清(きよ)め身(み)を浄(きよ)め
173つつしみ敬(ゐやま)ひ神国(みくに)に仕(つか)へむ
174朝夕(あさゆふ)に生言霊(いくことたま)を宣(の)りあげて
175国土(くに)の栄(さかえ)を吾(われ)は祈(いの)らむ
176惟神(かむながら)禊(みそぎ)の神事(わざ)を怠(をこた)らず
177天地(てんち)の水火(いき)を清(きよ)め澄(す)まさむ
178葦原(あしはら)比女(ひめ)神(かみ)の畏(かしこ)き神宣(みことのり)に
179常磐(ときは)ケ丘(をか)となりし聖所(すがど)よ
180常磐(ときは)ケ丘(をか)の常磐(ときは)の宮居(みや)に朝(あさ)な夕(ゆふ)な
181生言霊(いくことたま)を宣(の)りて仕(つか)へむ
182天界(てんかい)は愛(あい)と善(ぜん)との国(くに)故(ゆゑ)に
183生言霊(いくことたま)を怠(をこた)るべけむや
184朝香(あさか)比女(ひめ)の神(かみ)鋭敏鳴出(うなりづ)の神(かみ)の守(まも)ります
185葦原(あしはら)比女(ひめ)の神(かみ)世(よ)は安(やす)けれ
186主(ス)の神(かみ)の御水火(みいき)に生(あ)れし神司(かむづかさ)
187葦原(あしはら)比女(ひめ)の神(かみ)は光(ひかり)よ
188葦原(あしはら)比女(ひめ)の神(かみ)の光(ひかり)をつつみたる
189醜雲(しこぐも)晴(は)れし今日(けふ)の目出度(めでた)さ
190葦原(あしはら)やいや永久(とこしへ)に弥長(いやなが)に
191栄(さか)えましませ神(かみ)のまにまに』
192 照比古(てるひこ)の神(かみ)は御歌(みうた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
193『三柱(みはしら)の大神(おほかみ)等(たち)の御功(みいさを)に
194葦原(あしはら)の国土(くに)今(いま)生(うま)れたり
195グロスの島(しま)は跡(あと)なく消(き)えて葦原(あしはら)の
196国土(くに)新(あたら)しく生(うま)れましける
197新(あたら)しき国津柱(くにつはしら)の比女神(ひめがみ)に
198つかへて真言(まこと)を捧(ささ)げまつらむ
199野(や)にありて国津神(くにつかみ)等(ら)ををさめつつ
200今日(けふ)の吉日(よきひ)を待(ま)ち佗(わ)びしはや
201葦原(あしはら)比女(ひめ)の神(かみ)の御(おん)目(め)に見出(みいだ)され
202天津(あまつ)神位(みくら)に仕(つか)へまつるも
203国津(くにつ)神(かみ)の心(こころ)濁(にご)りて大空(おほぞら)に
204醜(しこ)の黒雲(くろくも)立(た)ち塞(ふさ)ぎける
205天津(あまつ)神(かみ)国津神(くにつかみ)等(ら)は隔(へだ)てなく
206親(した)しみあひて国土(くに)開(ひら)かばや
207天津(あまつ)神(かみ)と国津神(くにつかみ)等(ら)の心(こころ)より
208御空(みそら)に黒雲(くろくも)湧(わ)き立(た)ちしかも
209天津(あまつ)神(かみ)と国津神(くにつかみ)等(ら)は村肝(むらきも)の
210心(こころ)をてらして国土(くに)は栄(さか)えむ』
211 清比古(きよひこ)の神(かみ)は御歌(みうた)詠(よ)ませ給(たま)ふ。
212『新(あたら)しく生(あ)れましにける新国土(にひくに)の
213千代(ちよ)の栄(さかえ)を寿(ことほ)ぎまつる
214もろもろの国津神(くにつかみ)等(ら)は勇(いさ)みたち
215国土(くに)の生(うま)れをことほぎまつれり
216御功(みいさを)は鷹巣(たかし)の山(やま)の頂(いただき)を
217光(て)らして昇(のぼ)る朝日(あさひ)に等(ひと)しも
218月(つき)も日(ひ)も清(きよ)く輝(かがや)く新国土(にひくに)の
219この真秀良場(まほらば)に神嘉言(かむよごと)宣(の)る
220喜(よろこ)びの心(こころ)は凝(こ)りて歌(うた)となり
221言霊(ことたま)となりて鳴(な)り出(い)でにけり』
222 晴比古(はるひこ)の神(かみ)は祝歌(ほぎうた)をうたひ給(たま)ふ。
223『久方(ひさかた)の空(そら)に月日(つきひ)も晴比古(はるひこ)の
224吾(われ)は祝(いは)はむ新(あたら)しき国土(くに)を
225新(あたら)しく神(かみ)の御稜威(みいづ)に生(うま)れたる
226国土(くに)の栄(さかえ)は久(ひさ)しかるらむ
227天地(あめつち)と共(とも)に果(はて)なき葦原(あしはら)の
228国土(くに)の礎(いしずゑ)定(さだ)めし今日(けふ)かも
229樛(つが)の木(き)のいやつぎつぎに葦原(あしはら)の
230国土(くに)の国魂(くにたま)知(しろ)しめすらむ
231やがて今(いま)顕津男(あきつを)の神(かみ)天降(あも)りまして
232国魂神(くにたまがみ)を授(さづ)けたまはむ』
233 茲(ここ)に天津(あまつ)神々(かみがみ)は葦原(あしはら)の国土(くに)の新(あらた)に蘇(よみがへ)りたる祝辞(しゆくじ)や、234桜ケ丘(さくらがをか)の宮居(みや)を忍ケ丘(しのぶがをか)の中心地(ちうしんち)に移(うつ)し給(たま)ひし大神業(おほみわざ)を謳歌(おうか)しながら各自(おのもおのも)言祝(ことほ)ぎたまひ、235新国土(にひくに)の前途(ぜんと)を祈(いの)らせ給(たま)ひける。236又(また)新(あらた)に国津(くにつ)神(かみ)の司(つかさ)に任命(にんめい)されたる五柱(いつはしら)の神(かみ)及(およ)び国津神(くにつかみ)等(たち)の祝(ほ)ぎ歌(うた)は数限(かずかぎ)りなくあれども、237余(あま)り長(なが)ければ茲(ここ)に省略(しやうりやく)しおく事(こと)とせり。
238(昭和八・一二・二三 旧一一・七 加藤明子謹録)
 
239本章を口述し初むる折しも
240  皇太子殿下御誕生遊ばさる
241との号外来り、242我国民の魂を蘇らせ歓喜せしめたるぞ畏けれ。
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