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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第78巻(巳の巻)
序文
第1篇 波濤の神光
第1章 浜辺の訣別
第2章 波上の追懐
第3章 グロスの島
第4章 焼野の行進
第5章 忍ケ丘
第6章 焼野の月
第2篇 焼野ケ原
第7章 四神出陣
第8章 鏡の沼
第9章 邪神征服
第10章 地異天変
第11章 初対面
第12章 月下の宿り
第3篇 葦原新国
第13章 春野の進行
第14章 花見の宴
第15章 聖地惜別
第16章 天降地上
第17章 天任地命
第18章 神嘉言
第19章 春野の御行
第20章 静波の音
第4篇 神戦妖敗
第21章 怪体の島
第22章 歎声仄聞
第23章 天の蒼雲河
第24章 国津神島彦
第25章 歓の島根
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> 第1篇 波濤の神光 > 第2章 波上の追懐
<<< 浜辺の訣別
(B)
(N)
グロスの島 >>>
第二章
波上
(
はじやう
)
の
追懐
(
つゐくわい
)
〔一九五八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
篇:
第1篇 波濤の神光
よみ(新仮名遣い):
はとうのしんこう
章:
第2章 波上の追懐
よみ(新仮名遣い):
はじょうのついかい
通し章番号:
1958
口述日:
1933(昭和8)年12月20日(旧11月4日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
森良仁
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年5月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
朝香比女の神が乗った磐楠船は、薄霞たなびく初夏の海原を、悠々としてたどって行った。
田族比女の神一行は、名残惜しみつつ、船が見えなくなるまで見送り、歌を歌った。
田族比女は、朝香比女の諭しに万里ケ島の経営に思いを新たにし、また朝香比女の御魂を祭る宮居を立てることを誓った。
従者神たち一同も、それぞれ別れの歌を歌った。
船が見えなくなると、一行は万里の聖所に戻ってきた。そして、さっそく火の若宮の工事に取り掛かったが、十日ほどで荘厳な若宮が完成した。
湯結比女の神はこの火の若宮に仕えて、主の神と朝香比女の神の生魂に、沸かした白湯を笹葉にひたして左右左に打ち振り御魂を清め、湯を奉って、まめやかに仕えた。
これより今の世に至るまで、神社には御巫(みかんのこ、神事に奉仕する未婚の女性)というものがあり、御湯を沸かして神明に奉ることとなった。
一方、朝香比女の神一行は、田族比女の神一行に別れを惜しみ、振り返り振り返り手を上げて歌を歌いつつ、進んでいった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7802
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 35頁
修補版:
校定版:
25頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
乗
(
の
)
らせる
磐楠舟
(
いはくすぶね
)
は、
002
薄霞
(
うすがすみ
)
棚引
(
たなび
)
く
初夏
(
しよか
)
の
海原
(
うなばら
)
を
悠々
(
いういう
)
として
辿
(
たど
)
り
行
(
ゆ
)
くを、
003
御影
(
みかげ
)
の
隠
(
かく
)
るるまで、
004
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
名残
(
なごり
)
惜
(
を
)
しみつつ
見送
(
みおく
)
らせ
給
(
たま
)
ひ、
005
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
006
『
天晴
(
あは
)
れ
天晴
(
あは
)
れ
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
は
出
(
い
)
でましぬ
007
浪
(
なみ
)
の
秀
(
ほ
)
隈
(
くま
)
なく
照
(
て
)
らし
給
(
たま
)
ひつ
008
懐
(
なつ
)
かしき
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
に
永久
(
とこしへ
)
に
009
訣別
(
わか
)
ると
思
(
おも
)
へば
悲
(
かな
)
しき
吾
(
われ
)
かも
010
美
(
うる
)
はしき
優
(
やさ
)
しき
雄々
(
をを
)
しき
比女神
(
ひめがみ
)
の
011
御舟
(
みふね
)
を
送
(
おく
)
る
悲
(
かな
)
しき
吾
(
われ
)
なり
012
手
(
て
)
をあげて
訣別
(
わかれ
)
を
惜
(
を
)
しみ
給
(
たま
)
ひつる
013
比女
(
ひめ
)
の
優
(
やさ
)
しき
心
(
こころ
)
ばせかも
014
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
天降
(
あも
)
らせ
給
(
たま
)
ひてし
015
思
(
おも
)
ひするかな
比女
(
ひめ
)
の
出
(
い
)
でましは
016
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
に
訣別
(
わか
)
るる
身
(
み
)
のつらさ
017
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べて
悲
(
かな
)
しき
吾
(
われ
)
なり
018
此
(
この
)
広
(
ひろ
)
き
神国
(
みくに
)
の
親
(
おや
)
と
選
(
えら
)
まれて
019
吾
(
われ
)
は
悲
(
かな
)
しき
今日
(
けふ
)
に
逢
(
あ
)
ひける
020
今
(
いま
)
よりは
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立直
(
たてなほ
)
し
021
比女
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
に
報
(
むく
)
ひ
奉
(
まつ
)
らむ
022
八潮路
(
やしほぢ
)
の
潮
(
しほ
)
の
八百路
(
やほぢ
)
の
八潮路
(
やしほぢ
)
を
023
踏
(
ふ
)
み
分
(
わ
)
け
出
(
い
)
でます
功
(
いさを
)
尊
(
たふと
)
き
024
永久
(
とこしへ
)
に
此
(
この
)
島ケ根
(
しまがね
)
に
宮居
(
みや
)
建
(
た
)
てて
025
比女
(
ひめ
)
の
御心
(
みこころ
)
安
(
やす
)
んじ
奉
(
まつ
)
らむ
026
片時
(
かたとき
)
も
早
(
はや
)
く
御舎
(
みあらか
)
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
り
027
比女
(
ひめ
)
の
御魂
(
みたま
)
を
斎
(
いつ
)
き
奉
(
まつ
)
らな
028
御姿
(
みすがた
)
はよし
見
(
み
)
えずとも
神社
(
かむなび
)
に
029
御魂
(
みたま
)
祀
(
まつ
)
りて
御功
(
みいさを
)
偲
(
しの
)
ばむ
030
刻々
(
こくこく
)
に
遠
(
とほ
)
ざかり
行
(
ゆ
)
く
御
(
おん
)
舟
(
ふね
)
の
031
御影
(
みかげ
)
は
吾
(
われ
)
を
泣
(
な
)
かしめにけり
032
万斛
(
ばんこく
)
の
涙
(
なみだ
)
湛
(
たた
)
へて
御来矢
(
みくりや
)
の
033
浜辺
(
はまべ
)
に
御舟
(
みふね
)
を
送
(
おく
)
り
奉
(
まつ
)
るも
034
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
定
(
さだ
)
めと
思
(
おも
)
へど
今一度
(
いまいちど
)
035
会
(
あ
)
はまくほしき
公
(
きみ
)
なりにけり
036
八潮路
(
やしほぢ
)
の
浪
(
なみ
)
の
秀
(
ほ
)
の
旅
(
たび
)
安
(
やす
)
かれと
037
神言
(
かみごと
)
宣
(
の
)
りて
御神
(
みかみ
)
に
祈
(
いの
)
らむ』
038
輪守
(
わもり
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
海原
(
うなばら
)
を
打見
(
うちみ
)
やりつつ
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
039
『
天晴
(
あは
)
れ
天晴
(
あは
)
れ
御舟
(
みふね
)
は
遠
(
とほ
)
くなりにけり
040
吾
(
われ
)
は
悲
(
かな
)
しさ
弥
(
いや
)
まさりつつ
041
幾千代
(
いくちよ
)
も
公
(
きみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
わが
胸
(
むね
)
に
042
輝
(
かがや
)
きまして
忘
(
わす
)
れざるべし
043
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
は
浪
(
なみ
)
平
(
たひら
)
かに
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
は
044
うららに
照
(
て
)
れり
御舟
(
みふね
)
幸
(
さち
)
あれ
045
振返
(
ふりかへ
)
り
振返
(
ふりかへ
)
りつつ
出
(
い
)
でませる
046
神
(
かみ
)
の
姿
(
すがた
)
の
優
(
やさ
)
しくもあるか
047
高地秀
(
たかちほ
)
の
峰
(
みね
)
より
天降
(
あも
)
りし
神
(
かみ
)
なれば
048
一入
(
ひとしほ
)
尊
(
たふと
)
く
御
(
お
)
在
(
はし
)
ましける
049
御姿
(
みすがた
)
に
再
(
ふたた
)
び
見
(
まみ
)
えむ
術
(
すべ
)
なしと
050
思
(
おも
)
へば
今日
(
けふ
)
の
訣別
(
わかれ
)
惜
(
を
)
しまる
051
果
(
はて
)
しなき
大海原
(
おほうなばら
)
の
浪
(
なみ
)
別
(
わ
)
けて
052
進
(
すす
)
ます
公
(
きみ
)
の
幸
(
さち
)
かれと
思
(
おも
)
ふ』
053
霊山
(
たまやま
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
054
『
御
(
おん
)
訣別
(
わかれ
)
余
(
あま
)
り
惜
(
を
)
しさに
悲
(
かな
)
しさに
055
われ
言霊
(
ことたま
)
を
参
(
まゐ
)
らせざりける
056
万里
(
まで
)
の
島
(
しま
)
の
光
(
ひかり
)
を
賜
(
たま
)
ひし
比女神
(
ひめがみ
)
の
057
出
(
い
)
でまし
送
(
おく
)
りて
何
(
なに
)
か
淋
(
さび
)
しき
058
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
珍
(
めづら
)
しき
出
(
い
)
でましに
059
稚国原
(
わかくにはら
)
はよみがへりたり
060
浪路
(
なみぢ
)
遥
(
はろ
)
かに
御舟
(
みふね
)
小
(
ちひ
)
さくなりにつつ
061
吾
(
わが
)
眼界
(
まなかひ
)
を
離
(
はな
)
れむとすも』
062
保宗
(
もちむね
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
063
『
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
清
(
きよ
)
き
姿
(
すがた
)
は
弥永
(
いやなが
)
に
064
公
(
きみ
)
の
御行
(
みゆき
)
を
送
(
おく
)
りまつらむ
065
吾
(
わが
)
眼
(
まなこ
)
小
(
ちひ
)
さくあれば
公
(
きみ
)
が
行
(
ゆ
)
く
066
御舟
(
みふね
)
は
早
(
はや
)
くも
見
(
み
)
えずなりけり
067
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
峰
(
みね
)
羨
(
うらや
)
ましも
比女神
(
ひめがみ
)
の
068
御行
(
みゆき
)
を
永久
(
とは
)
に
送
(
おく
)
りまつれば
069
御来矢
(
みくりや
)
の
浜辺
(
はまべ
)
に
立
(
た
)
ちて
送
(
おく
)
り
奉
(
まつ
)
る
070
御舟
(
みふね
)
は
早
(
はや
)
くも
目路
(
めぢ
)
を
離
(
さか
)
りぬ
071
永久
(
とこしへ
)
に
留
(
とど
)
まりたまへと
祈
(
いの
)
りてし
072
光
(
ひかり
)
の
公
(
きみ
)
は
帰
(
かへ
)
りましける
073
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
に
真心
(
まごころ
)
を
074
尽
(
つく
)
して
国土
(
くに
)
に
仕
(
つか
)
へまつらむ
075
此
(
この
)
国土
(
くに
)
の
宝
(
たから
)
と
比女
(
ひめ
)
の
賜
(
たま
)
ひたる
076
燧石
(
ひうち
)
の
光
(
ひかり
)
に
世
(
よ
)
をまもらばや』
077
直道
(
なほみち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
078
『
此
(
この
)
国土
(
くに
)
に
光
(
ひかり
)
となりて
天降
(
あも
)
りましし
079
神
(
かみ
)
は
情
(
つれ
)
なく
帰
(
かへ
)
りましける
080
会
(
あ
)
ふ
事
(
こと
)
の
嬉
(
うれ
)
しきものを
今日
(
けふ
)
はしも
081
悲
(
かな
)
しき
訣別
(
わかれ
)
に
御舟
(
みふね
)
送
(
おく
)
るも
082
永久
(
とこしへ
)
に
忘
(
わす
)
れぬ
公
(
きみ
)
となりにけり
083
此
(
この
)
稚国土
(
わかぐに
)
に
光
(
ひかり
)
を
賜
(
たま
)
へば
084
朝夕
(
あさゆふ
)
に
火
(
ひ
)
の
若宮
(
わかみや
)
に
仕
(
つか
)
へつつ
085
公
(
きみ
)
の
功
(
いさを
)
を
讃
(
たた
)
へ
奉
(
まつ
)
らむ
086
心
(
こころ
)
清
(
きよ
)
く
優
(
やさ
)
しくまして
雄々
(
をを
)
しかる
087
比女
(
ひめ
)
は
真言
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
なりにけり』
088
正道
(
まさみち
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
089
『
舷
(
ふなばた
)
に
打寄
(
うちよ
)
す
浪
(
なみ
)
の
響
(
ひびき
)
さへ
090
いや
次々
(
つぎつぎ
)
に
遠
(
とほ
)
ざかりける
091
輝
(
かがや
)
ける
白
(
しろ
)
き
優
(
やさ
)
しき
御面
(
みおもて
)
は
092
浪
(
なみ
)
の
秀
(
ほ
)
高
(
たか
)
く
隠
(
かく
)
れましけり
093
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
浪
(
なみ
)
に
沈
(
しづ
)
ます
思
(
おも
)
ひかな
094
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
は
目路
(
めぢ
)
を
離
(
さか
)
れり
095
永遠
(
とこしへ
)
に
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
ると
思
(
おも
)
ひてし
096
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
此
(
この
)
国土
(
くに
)
になし
097
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
に
畏
(
かしこ
)
みて
098
吾
(
われ
)
は
朝夕
(
あさゆふ
)
仕
(
つか
)
へまつらむ
099
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
も
比女神
(
ひめがみ
)
の
100
功
(
いさを
)
に
驚
(
おどろ
)
き
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せにけむ
101
牛頭ケ峰
(
ごづがみね
)
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
頂
(
いただき
)
を
102
振返
(
ふりかへ
)
りつつ
御覧
(
みそなは
)
すらむ
103
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
麓
(
ふもと
)
に
小
(
ち
)
さき
吾
(
われ
)
ありと
104
偲
(
しの
)
ばせ
給
(
たま
)
へ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
』
105
雲川
(
くもかは
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
106
『
今
(
いま
)
となりて
惜
(
を
)
しみ
奉
(
まつ
)
るも
詮
(
せん
)
なけれ
107
只
(
ただ
)
真心
(
まごころ
)
を
捧
(
ささ
)
げ
御魂
(
みたま
)
に
仕
(
つか
)
へむ
108
御
(
おん
)
舟
(
ふね
)
の
影
(
かげ
)
さへ
見
(
み
)
えず
歎
(
なげ
)
かひの
109
涙
(
なみだ
)
しげしげまさり
行
(
ゆ
)
くかも
110
此
(
この
)
島
(
しま
)
の
森羅万象
(
すべてのものら
)
おしなべて
111
公
(
きみ
)
に
名残
(
なごり
)
を
惜
(
を
)
しみつつ
泣
(
な
)
かむ
112
百草
(
ももくさ
)
の
花
(
はな
)
も
萎
(
しを
)
れて
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
の
113
浜辺
(
はまべ
)
の
訣別
(
わかれ
)
惜
(
を
)
しむがに
見
(
み
)
ゆ
114
御空
(
みそら
)
行
(
ゆ
)
く
陽光
(
ひかげ
)
も
薄
(
うす
)
ら
曇
(
くも
)
らひつ
115
今日
(
けふ
)
の
訣別
(
わかれ
)
を
惜
(
を
)
しませ
給
(
たま
)
へる』
116
山跡
(
やまと
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
117
『
天
(
あめ
)
も
地
(
つち
)
も
照
(
て
)
らして
隈
(
くま
)
なき
比女神
(
ひめがみ
)
の
118
御姿
(
みすがた
)
今
(
いま
)
は
見
(
み
)
えずなりける
119
せめてもの
記念
(
かたみ
)
と
賜
(
たま
)
ひし
燧石
(
ひうちいし
)
は
120
万里
(
まで
)
の
神国
(
みくに
)
の
光
(
ひかり
)
なるかも
121
宝石
(
たからいし
)
の
光
(
ひかり
)
は
如何
(
いか
)
に
貴
(
たか
)
くとも
122
国土
(
くに
)
を
救
(
すく
)
はむ
代
(
しろ
)
にはならず
123
奉
(
たてまつ
)
るものもなければ
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
124
卑
(
いや
)
しき
宝
(
たから
)
を
奉
(
たてまつ
)
りける
125
心
(
こころ
)
よく
受
(
う
)
けさせ
給
(
たま
)
ひし
比女神
(
ひめがみ
)
の
126
優
(
やさ
)
しき
心
(
こころ
)
を
忝
(
かたじけ
)
なみ
思
(
おも
)
ふ
127
如何
(
いか
)
にせむ
光
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
は
帰
(
かへ
)
りましぬ
128
万里
(
まで
)
の
海原
(
うなばら
)
の
浪
(
なみ
)
踏
(
ふ
)
み
別
(
わ
)
けて
129
永久
(
とこしへ
)
に
公
(
きみ
)
の
功
(
いさを
)
を
畏
(
かしこ
)
みて
130
火
(
ひ
)
の
若宮
(
わかみや
)
に
仕
(
つか
)
へまつらむ』
131
千貝
(
ちかひ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
132
『
国土
(
くに
)
稚
(
わか
)
き
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
に
吾
(
われ
)
ありて
133
今日
(
けふ
)
の
悲
(
かな
)
しき
訣別
(
わかれ
)
に
遇
(
あ
)
ふも
134
懐
(
なつ
)
かしく
優
(
やさ
)
しく
雄々
(
をを
)
しき
比女神
(
ひめがみ
)
に
135
吾
(
わが
)
魂線
(
たましひ
)
はいつかひにけり
136
吾
(
わが
)
魂
(
たま
)
は
公
(
きみ
)
の
御
(
おん
)
身
(
み
)
にいつかひて
137
海原
(
うなばら
)
遠
(
とほ
)
く
守
(
まも
)
り
行
(
ゆ
)
くらむ
138
御功
(
みいさを
)
の
尊
(
たふと
)
くませば
比女神
(
ひめがみ
)
の
139
霊衣
(
れいい
)
は
広
(
ひろ
)
く
四方
(
よも
)
を
照
(
て
)
らせり
140
真心
(
まごころ
)
の
尊
(
たふと
)
さ
始
(
はじ
)
めて
覚
(
さと
)
りけり
141
御身
(
みま
)
に
溢
(
あふ
)
るる
貴
(
うづ
)
の
光
(
ひかり
)
に
142
天
(
あめ
)
も
地
(
つち
)
も
公
(
きみ
)
の
宣
(
の
)
らする
言霊
(
ことたま
)
に
143
従
(
したが
)
ひまつると
思
(
も
)
へば
畏
(
かしこ
)
し』
144
湯結
(
ゆむすび
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
145
『
今日
(
けふ
)
よりは
比女
(
ひめ
)
の
賜
(
たま
)
ひし
燧石
(
ひうちいし
)
の
146
功
(
いさを
)
に
清
(
きよ
)
き
湯
(
ゆ
)
をむすぶべし
147
朝夕
(
あさゆふ
)
に
火
(
ひ
)
の
若宮
(
わかみや
)
に
仕
(
つか
)
ふべく
148
御湯
(
みゆ
)
をむすびて
禊
(
みそぎ
)
せむかな
149
みはるかす
大海原
(
おほうなばら
)
は
広
(
ひろ
)
らかに
150
御舟
(
みふね
)
の
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
えずなりける
151
いざさらば
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
吾
(
わが
)
公
(
きみ
)
よ
152
万里
(
まで
)
の
聖所
(
すがど
)
に
帰
(
かへ
)
りまさずや
153
いつまでも
浪
(
なみ
)
の
秀
(
ほ
)
見
(
み
)
つつ
偲
(
しの
)
ぶとも
154
詮
(
せん
)
なきものを
早
(
は
)
や
帰
(
かへ
)
りませ』
155
茲
(
ここ
)
に
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
一行
(
いつかう
)
は、
156
目路
(
めぢ
)
を
離
(
さか
)
りし
御舟
(
みふね
)
に
諦
(
あきら
)
めの
心
(
こころ
)
を
定
(
さだ
)
め、
157
雄々
(
をを
)
しくも
駿馬
(
はやこま
)
の
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
り
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
も
勇
(
いさ
)
ましく、
158
其
(
その
)
日
(
ひ
)
の
黄昏
(
たそが
)
るる
頃
(
ころ
)
、
159
無事
(
ぶじ
)
万里
(
まで
)
の
丘
(
をか
)
の
聖所
(
すがど
)
に
帰
(
かへ
)
り
着
(
つ
)
き
給
(
たま
)
ひ、
160
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
さず
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
に
継
(
つ
)
いで
火
(
ひ
)
の
若宮
(
わかみや
)
の
工事
(
こうじ
)
にかからせ
給
(
たま
)
ひけるが、
161
旬日
(
じゆんじつ
)
ならずして
神
(
かみ
)
の
幸
(
さちは
)
ひ
弥厚
(
いやあつ
)
く、
162
荘厳
(
さうごん
)
なる
若宮
(
わかみや
)
は
築
(
きづ
)
かれにける。
163
茲
(
ここ
)
に
湯結
(
ゆむすび
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
朝夕
(
あさゆふ
)
火
(
ひ
)
の
若宮
(
わかみや
)
に
仕
(
つか
)
へまし、
164
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
を
始
(
はじ
)
め
火
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
と
称
(
たた
)
へまつりし
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
生魂
(
いくたま
)
に
白湯
(
さゆ
)
を
沸
(
わ
)
かして
笹葉
(
ささば
)
に
浸
(
ひた
)
し、
165
左右左
(
さいうさ
)
に
打振
(
うちふ
)
り
朝々
(
きぬぎぬ
)
の
身魂
(
みたま
)
を
清
(
きよ
)
め
御湯
(
みゆ
)
を
御前
(
みまへ
)
に
奉
(
たてまつ
)
りて
忠実
(
まめやか
)
に
仕
(
つか
)
へ
給
(
たま
)
ひける。
166
是
(
これ
)
より
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
に
到
(
いた
)
るまで
何
(
いづ
)
れの
神社
(
じんじや
)
にも
御巫
(
みかんのこ
)
なるものありて、
167
御湯
(
みゆ
)
を
沸
(
わ
)
かせ、
168
神明
(
しんめい
)
に
奉
(
たてまつ
)
る
事
(
こと
)
とはなりたるなり。
169
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御来矢
(
みくりや
)
の
浜
(
はま
)
を
立出
(
たちい
)
で
給
(
たま
)
ひ、
170
御舟
(
みふね
)
の
中
(
なか
)
より
田族
(
たから
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
一行
(
いつかう
)
に
訣別
(
わかれ
)
を
惜
(
を
)
しみつつ、
171
振返
(
ふりかへ
)
り
振返
(
ふりかへ
)
り
御手
(
みて
)
を
挙
(
あ
)
げさせ
給
(
たま
)
ひ
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
172
『
天晴
(
あは
)
れ
天晴
(
あは
)
れ
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
の
現
(
あ
)
れませる
173
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
に
訣別
(
わか
)
れむとすも
174
神々
(
かみがみ
)
の
優
(
やさ
)
しき
心
(
こころ
)
に
絆
(
ほだ
)
されて
175
思
(
おも
)
はず
月日
(
つきひ
)
を
重
(
かさ
)
ねけるかも
176
永久
(
とこしへ
)
に
住
(
す
)
みたく
思
(
おも
)
へど
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
177
依
(
よ
)
さしに
背
(
そむ
)
く
術
(
すべ
)
なき
吾
(
われ
)
なり
178
雄心
(
をごころ
)
の
大和心
(
やまとごころ
)
を
振
(
ふ
)
り
起
(
おこ
)
し
179
惜
(
を
)
しき
訣別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げにけるかな
180
いつまでも
訣別
(
わか
)
るる
機会
(
しほ
)
のなかるらむ
181
雄々
(
をを
)
しき
健
(
たけ
)
き
心
(
こころ
)
持
(
も
)
たずば
182
神々
(
かみがみ
)
の
心
(
こころ
)
知
(
し
)
らぬにあらねども
183
神業
(
みわざ
)
思
(
おも
)
ひて
吾
(
われ
)
は
訣別
(
わか
)
れし
184
神々
(
かみがみ
)
は
浜辺
(
はまべ
)
に
立
(
た
)
ちて
吾
(
わが
)
舟
(
ふね
)
を
185
心
(
こころ
)
優
(
やさ
)
しく
見送
(
みおく
)
り
給
(
たま
)
へる
186
万世
(
よろづよ
)
の
末
(
すゑ
)
の
末
(
すゑ
)
まで
忘
(
わす
)
れまじ
187
真言
(
まこと
)
輝
(
かがや
)
く
神々
(
かみがみ
)
の
心
(
こころ
)
は
188
百
(
ひやく
)
年
(
ねん
)
の
親
(
した
)
しき
友
(
とも
)
に
会
(
あ
)
へる
如
(
ごと
)
189
隔
(
へだ
)
てなかりし
神々
(
かみがみ
)
を
思
(
おも
)
ふ
190
吾
(
わが
)
舟
(
ふね
)
は
浪路
(
なみぢ
)
遥
(
はろ
)
けくなりにける
191
島
(
しま
)
の
神々
(
かみがみ
)
安
(
やす
)
くましませ
192
真鶴
(
まなづる
)
の
声
(
こゑ
)
も
悲
(
かな
)
しく
聞
(
きこ
)
えけり
193
万里
(
まで
)
の
新国土
(
にひくに
)
去
(
さ
)
らむと
思
(
おも
)
へば』
194
初頭
(
うぶがみ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
195
『
二柱
(
ふたはしら
)
比女神
(
ひめがみ
)
等
(
たち
)
の
神宣
(
みことのり
)
196
聞
(
き
)
くにつけても
涙
(
なみだ
)
ぐまるる
197
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
優
(
やさ
)
しき
清
(
きよ
)
き
神々
(
かみがみ
)
の
198
生言霊
(
いくことたま
)
を
聞
(
き
)
かざりにけり
199
比女神
(
ひめがみ
)
は
斯
(
か
)
くあるべきを
大方
(
おほかた
)
の
200
心
(
こころ
)
は
嫉
(
ねた
)
み
妬
(
そね
)
みに
満
(
み
)
つるも
201
御樋代
(
みひしろ
)
の
神
(
かみ
)
と
神
(
かみ
)
との
言問
(
ことと
)
ひの
202
其
(
その
)
優
(
やさ
)
しさに
涙
(
なみだ
)
ぐまれつ
203
御来矢
(
みくりや
)
の
浜辺
(
はまべ
)
にはろばろ
見送
(
みおく
)
りし
204
神
(
かみ
)
の
優
(
やさ
)
しき
心
(
こころ
)
ばせを
思
(
おも
)
ふ
205
地
(
つち
)
稚
(
わか
)
き
国土
(
くに
)
を
拓
(
ひら
)
かす
苦
(
くる
)
しさを
206
思
(
おも
)
へば
吾
(
われ
)
は
心
(
こころ
)
畏
(
かしこ
)
む
207
真心
(
まごころ
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
し
愛善
(
あいぜん
)
の
208
道
(
みち
)
に
進
(
すす
)
ます
百神
(
ももがみ
)
天晴
(
あは
)
れ
209
吾
(
わが
)
舟
(
ふね
)
は
浪
(
なみ
)
の
秀
(
ほ
)
遠
(
とほ
)
く
離
(
さか
)
りつつ
210
浜辺
(
はまべ
)
に
立
(
た
)
たす
神
(
かみ
)
見
(
み
)
えまさず
211
次々
(
つぎつぎ
)
に
舟
(
ふね
)
遠
(
とほ
)
ざかり
行
(
ゆ
)
く
海原
(
うなばら
)
に
212
益々
(
ますます
)
近
(
ちか
)
く
親
(
した
)
しき
神々
(
かみがみ
)
よ
213
神々
(
かみがみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
見
(
み
)
えなくなりにけり
214
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
峰
(
みね
)
は
光
(
ひか
)
りつ
215
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
聳立
(
そばた
)
つ
国土
(
くに
)
におはします
216
神々
(
かみがみ
)
等
(
たち
)
の
御姿
(
みすがた
)
なつかし』
217
起立
(
おきたつ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
218
『
広
(
ひろ
)
き
稚
(
わか
)
き
国土
(
くに
)
は
吾
(
わが
)
目路
(
めぢ
)
離
(
さか
)
りつつ
219
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
の
峰
(
みね
)
のみ
光
(
ひか
)
れる
220
万里
(
まで
)
の
海
(
うみ
)
に
浮
(
うか
)
べる
万里
(
まで
)
の
生島
(
いくしま
)
は
221
永遠
(
とは
)
に
栄
(
さか
)
えよ
天地
(
あめつち
)
と
共
(
とも
)
に
222
刻々
(
こくこく
)
に
遠
(
とほ
)
ざかり
行
(
ゆ
)
く
島ケ根
(
しまがね
)
を
223
懐
(
なつ
)
かしみつつ
吾
(
われ
)
は
行
(
ゆ
)
くなり
224
果
(
はて
)
しなき
此
(
この
)
海原
(
うなばら
)
の
中
(
なか
)
にして
225
万里
(
まで
)
の
島根
(
しまね
)
は
恋
(
こひ
)
しき
国土
(
くに
)
なり』
226
立世
(
たつよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
227
『
御樋代
(
みひしろ
)
の
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へて
万里
(
まで
)
ケ
島
(
しま
)
の
228
聖所
(
すがど
)
に
清
(
きよ
)
く
吾
(
われ
)
は
遊
(
あそ
)
びぬ
229
草
(
くさ
)
も
木
(
き
)
も
百鳥
(
ももどり
)
千鳥
(
ちどり
)
も
稚国土
(
わかくに
)
の
230
春
(
はる
)
をうたひて
長閑
(
のどか
)
なりけり
231
雲霧
(
くもきり
)
も
隈
(
くま
)
なく
晴
(
は
)
れて
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
232
御影
(
みかげ
)
清
(
すが
)
しき
万里
(
まで
)
の
国土
(
くに
)
はや
233
御樋代
(
みひしろ
)
の
神
(
かみ
)
御自
(
みみづか
)
ら
御来矢
(
みくりや
)
の
234
浜辺
(
はまべ
)
に
公
(
きみ
)
を
見送
(
みおく
)
りたまひし
235
吾
(
わが
)
舟
(
ふね
)
は
浪
(
なみ
)
の
鼓
(
つづみ
)
を
打
(
う
)
ちながら
236
比女
(
ひめ
)
に
訣別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げにけらしな
237
比女神
(
ひめがみ
)
の
優
(
やさ
)
しき
姿
(
すがた
)
目
(
め
)
に
浮
(
う
)
きて
238
忘
(
わす
)
れぬ
君
(
きみ
)
となりにけらしな
239
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
に
見合
(
みあ
)
ひす
其
(
その
)
日
(
ひ
)
まで
240
若
(
わか
)
く
優
(
やさ
)
しくいませと
祈
(
いの
)
るも』
241
天晴
(
あめはれ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
242
『
天
(
あめ
)
も
地
(
つち
)
も
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
りたる
海原
(
うなばら
)
を
243
公
(
きみ
)
に
訣別
(
わか
)
れて
行
(
ゆ
)
くは
淋
(
さび
)
しも
244
比女神
(
ひめがみ
)
を
始
(
はじ
)
め
十柱神
(
とはしらかみ
)
等
(
たち
)
の
245
優
(
やさ
)
しき
心
(
こころ
)
仰
(
あふ
)
がるるかな
246
優
(
やさ
)
しくて
雄々
(
をを
)
しくいます
神々
(
かみがみ
)
は
247
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがみ
)
を
退
(
やら
)
ひ
給
(
たま
)
ひし
248
漸
(
やうや
)
くに
御来矢
(
みくりや
)
の
浜
(
はま
)
も
遠
(
とほ
)
くなりて
249
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
はひとりかがよふ
250
吾
(
わが
)
舟
(
ふね
)
は
太平
(
たいへい
)
の
浪
(
なみ
)
を
辿
(
たど
)
りつつ
251
公
(
きみ
)
を
守
(
まも
)
りていや
進
(
すす
)
むなり
252
海原
(
うなばら
)
を
包
(
つつ
)
みし
霧
(
きり
)
も
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り
253
楽
(
たの
)
しき
今日
(
けふ
)
の
舟
(
ふね
)
の
旅
(
たび
)
かも』
254
(
昭和八・一二・二〇
旧一一・四
於大阪分院蒼雲閣
森良仁
謹録)
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