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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第78巻(巳の巻)
序文
第1篇 波濤の神光
第1章 浜辺の訣別
第2章 波上の追懐
第3章 グロスの島
第4章 焼野の行進
第5章 忍ケ丘
第6章 焼野の月
第2篇 焼野ケ原
第7章 四神出陣
第8章 鏡の沼
第9章 邪神征服
第10章 地異天変
第11章 初対面
第12章 月下の宿り
第3篇 葦原新国
第13章 春野の進行
第14章 花見の宴
第15章 聖地惜別
第16章 天降地上
第17章 天任地命
第18章 神嘉言
第19章 春野の御行
第20章 静波の音
第4篇 神戦妖敗
第21章 怪体の島
第22章 歎声仄聞
第23章 天の蒼雲河
第24章 国津神島彦
第25章 歓の島根
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>
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第78巻(巳の巻)
> 第4篇 神戦妖敗 > 第22章 歎声仄聞
<<< 怪体の島
(B)
(N)
天の蒼雲河 >>>
第二二章
歎声
(
たんせい
)
仄聞
(
そくぶん
)
〔一九七八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻
篇:
第4篇 神戦妖敗
よみ(新仮名遣い):
しんせんようはい
章:
第22章 歎声仄聞
よみ(新仮名遣い):
たんせいそくぶん
通し章番号:
1978
口述日:
1933(昭和8)年12月25日(旧11月9日)
口述場所:
大阪分院蒼雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年5月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
朝香比女の神一行は、グロノス・ゴロスの化身であった巌島の邪神を、言霊の光によって島もろとも焼き尽くし、万里の海原を東南に向けて進んでいった。
一行は歌を歌いつつ進んで行ったが、東北の方面に浮かんでいる島から、怪しき声が聞こえてくるのに気づいた。朝香比女の神は、その悲しい声は国津神たちの叫び声かもしれないので、一刻も早く島に向かおう、と歌った。すると、舟は東北方面に自然に舳先を向けて進んでいった。
すると、浮島の方面から、多角多頭の大悪竜が、幾千丈とも限りなく、波しぶきをたててこちらに進んできた。朝香比女の神は、これこそまさに八岐の大蛇であると見取り、舟よ広くなれ大きくなれ、八岐大蛇の数百倍となれ、と歌った。
歌い終わると、磐楠舟は膨れ広がってたちまち山のようになってしまった。多角多頭の大蛇は舟の近くまで進んできたが、舟のあまりの大きさに驚いたのか、無念そうに水中に姿を隠してしまった。
朝香比女の神は、臍下丹田に魂を鎮め、天に向かって合掌し天津祝詞を奏上し、生言霊を述べた。たちまち海水は熱湯のように煮え返り、八岐大蛇は熱湯に焼かれて全身ただれ、もがき苦しみ、ついに死体となって水面に浮かび出た。
朝香比女の神が、歎きの島に急ぎ進め、と歌うと、舟は千里を駆ける勢いで、黄昏の海原を進んでいった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7822
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 138頁
修補版:
校定版:
412頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
一行
(
いつかう
)
はグロノス、
002
ゴロスの
化身
(
けしん
)
なりし
巌島
(
いはしま
)
の
邪神
(
じやしん
)
を
生言霊
(
いくことたま
)
の
光
(
ひかり
)
に
島
(
しま
)
もろとも
焼
(
や
)
き
尽
(
つく
)
し
給
(
たま
)
ひ、
003
春風
(
はるかぜ
)
のそよろに
渡
(
わた
)
る
万里
(
まで
)
の
海原
(
うなばら
)
を、
004
舳
(
へさき
)
を
東南
(
とうなん
)
に
向
(
む
)
け
悠々
(
いういう
)
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ひける。
005
初頭
(
うぶがみ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
006
『くさぐさの
曲
(
まが
)
の
艱
(
なや
)
みを
放
(
はふ
)
りつつ
007
御舟
(
みふね
)
やうやく
安
(
やす
)
くなりける
008
晃々
(
くわうくわう
)
と
浪
(
なみ
)
を
照
(
て
)
らして
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
は
009
春
(
はる
)
の
海原
(
うなばら
)
のぞきたまへり
010
目路
(
めぢ
)
の
限
(
かぎ
)
り
万里
(
まで
)
の
海原
(
うなばら
)
に
霞
(
かすみ
)
立
(
た
)
ちて
011
風
(
かぜ
)
暖
(
あたた
)
かき
浪路
(
なみぢ
)
楽
(
たの
)
しも
012
黒雲
(
くろくも
)
に
海原
(
うなばら
)
包
(
つつ
)
み
浪
(
なみ
)
立
(
た
)
てて
013
グロノス、ゴロスは
猛
(
たけ
)
びたるかも
014
グロノスもゴロスも
公
(
きみ
)
の
功績
(
いさをし
)
に
015
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せたるぞ
勇
(
いさ
)
ましかりけり
016
海底
(
うなそこ
)
に
遊
(
あそ
)
べる
小魚
(
さな
)
の
姿
(
かげ
)
さへも
017
透
(
す
)
き
通
(
とほ
)
り
見
(
み
)
ゆ
清
(
すが
)
しき
今日
(
けふ
)
なり
018
わが
公
(
きみ
)
の
御供
(
みとも
)
は
楽
(
たの
)
し
言霊
(
ことたま
)
の
019
水火
(
いき
)
の
光
(
ひかり
)
を
居
(
ゐ
)
ながら
拝
(
はい
)
しつ
020
万里
(
まで
)
の
島
(
しま
)
と
葦原
(
あしはら
)
の
国土
(
くに
)
を
拓
(
ひら
)
きまして
021
公
(
きみ
)
が
渡
(
わた
)
らす
万里
(
まで
)
の
海原
(
うなばら
)
022
月
(
つき
)
も
星
(
ほし
)
も
白
(
しろ
)
く
輝
(
かがや
)
く
海原
(
うなばら
)
に
023
立
(
た
)
つ
白浪
(
しらなみ
)
は
陽
(
ひ
)
に
耀
(
かがよ
)
へる
024
月
(
つき
)
と
日
(
ひ
)
と
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
に
守
(
まも
)
られて
025
吾
(
わが
)
行
(
ゆ
)
く
舟
(
ふね
)
は
恙
(
つつが
)
あらじな』
026
起立
(
おきたつ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
027
『
楽
(
たの
)
しさの
限
(
かぎ
)
りなるかも
吾
(
わが
)
公
(
きみ
)
の
028
御舟
(
みふね
)
に
曲
(
まが
)
のたはむれ
見
(
み
)
る
今日
(
けふ
)
029
生島
(
いくしま
)
ゆ
島
(
しま
)
に
渡
(
わた
)
らふ
水鳥
(
みづどり
)
の
030
翼
(
つばさ
)
は
白
(
しろ
)
く
浪
(
なみ
)
にうつれり
031
水底
(
みなそこ
)
を
飛
(
と
)
びたつごとく
思
(
おも
)
はれぬ
032
澄
(
す
)
みきらひたる
水鳥
(
みづどり
)
の
影
(
かげ
)
は
033
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
る
鷹巣
(
たかし
)
の
山
(
やま
)
は
紫
(
むらさき
)
の
034
雲
(
くも
)
漂
(
ただよ
)
ひて
日影
(
ひかげ
)
は
高
(
たか
)
し
035
曲津見
(
まがつみ
)
は
戦
(
たたか
)
ふたびに
破
(
やぶ
)
れつつ
036
西方
(
にしかた
)
の
空
(
そら
)
に
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せにけり』
037
立世
(
たつよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
038
『
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
は
雲
(
くも
)
に
霞
(
かす
)
みて
空
(
そら
)
の
奥
(
おく
)
に
039
もやもや
燃
(
も
)
ゆる
白雲
(
しらくも
)
のどけし
040
白雲
(
しらくも
)
は
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
下
(
した
)
をよぎりつつ
041
この
海原
(
うなばら
)
に
影
(
かげ
)
を
落
(
おと
)
せり
042
遠
(
とほ
)
の
海
(
うみ
)
は
青
(
あを
)
く
見
(
み
)
えつつ
目路
(
めぢ
)
近
(
ちか
)
き
043
浪
(
なみ
)
は
白々
(
しろじろ
)
輝
(
かがや
)
けるかも
044
鷹巣山
(
たかしやま
)
は
白馬
(
はくば
)
ケ
岳
(
だけ
)
に
比
(
くら
)
ぶれば
045
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
りつつ
高
(
たか
)
さ
及
(
およ
)
ばず
046
吾
(
わが
)
伊行
(
いゆ
)
く
浪路
(
なみぢ
)
遥
(
はろ
)
けく
守
(
まも
)
りませ
047
主
(
ス
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
048
公
(
きみ
)
が
旅
(
たび
)
を
安
(
やす
)
く
守
(
まも
)
りて
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
049
神
(
かみ
)
は
折々
(
をりをり
)
唸
(
うな
)
らせたまふも
050
御光
(
みひかり
)
の
神
(
かみ
)
の
出
(
い
)
でます
海原
(
うなばら
)
に
051
遮
(
さや
)
らむ
雲
(
くも
)
は
忽
(
たちま
)
ち
消
(
き
)
ゆるも
052
海中
(
わだなか
)
の
岩
(
いは
)
に
浪
(
なみ
)
の
秀
(
ほ
)
突
(
つ
)
き
当
(
あた
)
り
053
白
(
しろ
)
き
飛沫
(
しぶき
)
は
高
(
たか
)
のぼりつつ
054
白浪
(
しらなみ
)
は
飛沫
(
しぶき
)
となりて
高
(
たか
)
のぼり
055
再
(
ふたた
)
び
水
(
みづ
)
に
落
(
お
)
つるさやけさ
056
次
(
つ
)
ぎ
次
(
つ
)
ぎに
飛沫
(
しぶき
)
立
(
た
)
ちつつ
又
(
また
)
消
(
き
)
えつ
057
今日
(
けふ
)
の
浪路
(
なみぢ
)
の
風
(
かぜ
)
静
(
しづ
)
かなり』
058
天晴
(
あめはれ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
059
『
天
(
あめ
)
も
地
(
つち
)
も
隈
(
くま
)
なく
晴
(
は
)
れし
海原
(
うなばら
)
の
060
旅行
(
たびゆ
)
く
今日
(
けふ
)
の
穏
(
おだや
)
かなるも
061
帆
(
ほ
)
を
揚
(
あ
)
げず
艫櫂
(
ろかい
)
用
(
もち
)
ゐぬ
磐楠舟
(
いはくすぶね
)
の
062
進
(
すす
)
むは
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
なりけり
063
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
に
任
(
まか
)
せたる
064
公
(
きみ
)
の
御舟
(
みふね
)
は
安
(
やす
)
く
進
(
すす
)
むも
065
海鳥
(
うみどり
)
の
啼
(
な
)
く
音
(
ね
)
か
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
の
066
叫
(
さけ
)
びか
仄
(
ほの
)
かに
響
(
ひび
)
き
渡
(
わた
)
らふ
067
東北
(
とうほく
)
の
浪
(
なみ
)
に
浮
(
うか
)
べる
島ケ根
(
しまがね
)
ゆ
068
怪
(
あや
)
しき
声
(
こゑ
)
は
響
(
ひび
)
き
来
(
く
)
らしも』
069
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
070
『
浪
(
なみ
)
の
秀
(
ほ
)
を
渡
(
わた
)
り
聞
(
きこ
)
ゆる
声
(
こゑ
)
は
悲
(
かな
)
し
071
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
の
叫
(
さけ
)
びなるらむ
072
兎
(
と
)
にもあれ
角
(
かく
)
にもあれや
声
(
こゑ
)
すなる
073
島
(
しま
)
に
向
(
むか
)
ひて
吾
(
われ
)
は
進
(
すす
)
まむ』
074
かく
歌
(
うた
)
はせ
給
(
たま
)
ふや、
075
御舟
(
みふね
)
は
心
(
こころ
)
あるものの
如
(
ごと
)
く、
076
思
(
おも
)
ふ
舳
(
へさき
)
を
東北
(
とうほく
)
に
変
(
へん
)
じ、
077
波上
(
はじやう
)
に
霞
(
かす
)
める
島影
(
しまかげ
)
さして
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くこそ
不思議
(
ふしぎ
)
なる。
078
初頭
(
うぶがみ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
079
『
天地
(
あめつち
)
の
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
か
吾
(
わが
)
舟
(
ふね
)
は
080
神言
(
みこと
)
のまにまに
方向
(
むき
)
をかへたる
081
風
(
かぜ
)
の
方向
(
むき
)
変
(
かは
)
りて
公
(
きみ
)
が
御
(
おん
)
舟
(
ふね
)
は
082
東北
(
とうほく
)
の
島
(
しま
)
をさして
流
(
なが
)
るる
083
彼方
(
あち
)
此方
(
こち
)
と
水面
(
みのも
)
に
峙
(
そばだ
)
つ
巌ケ根
(
いはがね
)
は
084
草木
(
くさき
)
も
生
(
お
)
ひず
赫々
(
あかあか
)
映
(
は
)
ゆるも
085
荒風
(
あらかぜ
)
に
立
(
た
)
ち
騒
(
さわ
)
ぎたる
浪頭
(
なみがしら
)
の
086
島
(
しま
)
を
洗
(
あら
)
ひしあとにやあらむ
087
島影
(
しまかげ
)
も
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
近
(
ちか
)
く
見
(
み
)
えて
088
歎
(
なげ
)
かひの
声
(
こゑ
)
高
(
たか
)
まりにける
089
片時
(
かたとき
)
も
疾
(
と
)
く
速
(
すむ
)
やけく
御
(
おん
)
舟
(
ふね
)
の
090
御行
(
みゆき
)
待
(
ま
)
つらむ
歎
(
なげ
)
かひの
声
(
こゑ
)
は』
091
起立
(
おきたつ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
092
『
仄
(
ほの
)
見
(
み
)
ゆる
島
(
しま
)
は
広
(
ひろ
)
しも
曲津見
(
まがつみ
)
に
093
歎
(
なげ
)
かふ
神
(
かみ
)
の
声
(
こゑ
)
にやあらむ
094
曲津見
(
まがつみ
)
は
島
(
しま
)
より
島
(
しま
)
に
渡
(
わた
)
らひて
095
荒
(
すさ
)
び
狂
(
くる
)
ふかこれの
神世
(
かみよ
)
に』
096
立世
(
たつよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
097
『
歎
(
なげ
)
かひの
声
(
こゑ
)
は
次
(
つ
)
ぎ
次
(
つ
)
ぎ
高
(
たか
)
まりぬ
098
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
め
御舟
(
みふね
)
よ
速
(
はや
)
く
099
海原
(
うなばら
)
を
右
(
みぎ
)
や
左
(
ひだり
)
ととび
交
(
か
)
ひて
100
御舟
(
みふね
)
を
守
(
まも
)
る
水鳥
(
みづどり
)
の
影
(
かげ
)
101
水鳥
(
みづどり
)
は
空
(
そら
)
を
真白
(
ましろ
)
に
染
(
そ
)
めながら
102
歎
(
なげ
)
きの
島
(
しま
)
ゆ
飛
(
と
)
び
立
(
た
)
てる
見
(
み
)
ゆ
103
グロノスやゴロスの
曲津
(
まが
)
の
片割
(
かたわれ
)
の
104
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
ら
)
を
艱
(
なや
)
ますなるべし
105
西南
(
せいなん
)
の
風
(
かぜ
)
は
力
(
ちから
)
を
増
(
ま
)
しにつつ
106
公
(
きみ
)
が
御舟
(
みふね
)
の
進
(
すす
)
みは
速
(
はや
)
し』
107
天晴
(
あめはれ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
108
『
歎
(
なげ
)
かひの
声
(
こゑ
)
は
水鳥
(
みづどり
)
ならずして
109
神
(
かみ
)
の
御声
(
みこゑ
)
と
吾
(
われ
)
も
思
(
おも
)
へり
110
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
も
早
(
はや
)
く
御舟
(
みふね
)
よ
進
(
すす
)
みませ
111
歎
(
なげ
)
きの
島
(
しま
)
を
救
(
すく
)
はむがために』
112
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
島影
(
しまかげ
)
の
近
(
ちか
)
づきしを
打
(
う
)
ち
眺
(
なが
)
めながら、
113
『
曲神
(
まがかみ
)
に
艱
(
なや
)
まされたる
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
114
最後
(
いまは
)
の
際
(
きは
)
の
叫
(
さけ
)
びなるらし
115
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
畏
(
かしこ
)
み
片時
(
かたとき
)
も
116
疾
(
と
)
く
進
(
すす
)
まなむ
島
(
しま
)
の
岸辺
(
きしべ
)
に
117
ただならぬ
百神
(
ももがみ
)
等
(
たち
)
の
歎
(
なげ
)
き
声
(
ごゑ
)
118
いやますますも
高
(
たか
)
まりにつつ』
119
かかる
折
(
をり
)
しも、
120
浮島
(
うきしま
)
の
方面
(
はうめん
)
より
荒浪
(
あらなみ
)
を
押
(
お
)
しわけながら
多角
(
たかく
)
多頭
(
たとう
)
の
大悪竜
(
だいあくりう
)
、
121
幾千丈
(
いくせんぢやう
)
とも
限
(
かぎ
)
りなく、
122
浪飛沫
(
なみしぶき
)
を
立
(
た
)
て、
123
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つて
数万
(
すうまん
)
噸級
(
とんきふ
)
の
船
(
ふね
)
の
走
(
はし
)
るが
如
(
ごと
)
き
凄
(
すさま
)
じき
勢
(
いきほひ
)
にて
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
るあり。
124
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
はこの
光景
(
くわうけい
)
を
打
(
う
)
ち
見
(
み
)
やり
給
(
たま
)
ひつつ、
125
『グロノスにあらずゴロスにあらずして
126
正
(
まさ
)
しく
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
なりける
127
吾
(
わが
)
舟
(
ふね
)
を
只
(
ただ
)
一口
(
ひとくち
)
に
葬
(
はうむ
)
らむと
128
勢
(
いきほひ
)
強
(
つよ
)
く
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
るなり
129
舟
(
ふね
)
よ
舟
(
ふね
)
よ
広
(
ひろ
)
くなれなれ
大
(
おほ
)
きくなれよ
130
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
数百倍
(
すうひやくばい
)
となれ』
131
かく
歌
(
うた
)
はせ
給
(
たま
)
ふや、
132
磐楠舟
(
いはくすぶね
)
は
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
上下
(
じやうげ
)
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
膨
(
ふく
)
れ
拡
(
ひろ
)
ごり、
133
堅
(
かた
)
き
事
(
こと
)
岩
(
いは
)
の
如
(
ごと
)
く、
134
忽
(
たちま
)
ち
其
(
その
)
形
(
かたち
)
山
(
やま
)
の
如
(
ごと
)
くなりければ、
135
初頭
(
うぶがみ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
余
(
あま
)
りの
不思議
(
ふしぎ
)
さに
驚
(
おどろ
)
き
給
(
たま
)
ひて
御歌
(
みうた
)
うたはせ
給
(
たま
)
ふ。
136
『
今更
(
いまさら
)
に
公
(
きみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
の
畏
(
かしこ
)
さを
137
思
(
おも
)
ひて
吾
(
われ
)
は
心
(
こころ
)
戦
(
をのの
)
く
138
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
来向
(
きむか
)
ふ
影
(
かげ
)
に
驚
(
おどろ
)
きつ
139
更
(
さら
)
に
御稜威
(
みいづ
)
に
畏
(
かしこ
)
みしはや
140
天界
(
てんかい
)
は
意志
(
いし
)
想念
(
さうねん
)
の
世界
(
せかい
)
とは
141
かねて
知
(
し
)
りつつ
今更
(
いまさら
)
驚
(
おどろ
)
きぬ
142
かくならば
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
も
何
(
なに
)
かあらむ
143
御舟
(
みふね
)
の
舳
(
へさき
)
に
截
(
き
)
り
放
(
はふ
)
るのみ』
144
起立
(
おきたつ
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
145
『
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
大蛇
(
をろち
)
の
勢
(
いきほひ
)
強
(
つよ
)
くとも
146
公
(
きみ
)
の
御舟
(
みふね
)
に
対
(
むか
)
ひ
得
(
う
)
べしや
147
山
(
やま
)
のごと
弥拡
(
いやひろ
)
ごれる
御
(
おん
)
舟
(
ふね
)
に
148
乗
(
の
)
れる
吾身
(
わがみ
)
も
大
(
おほ
)
きくなりぬ
149
吾
(
わが
)
身体
(
からだ
)
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
太
(
ふと
)
りつつ
150
無限
(
むげん
)
の
力
(
ちから
)
備
(
そな
)
はりしはや』
151
かく
歌
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
152
多角
(
たかく
)
多頭
(
たとう
)
の
大蛇
(
をろち
)
は
御舟
(
みふね
)
間近
(
まぢか
)
く
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
り
余
(
あま
)
りの
大船
(
おほふね
)
に
驚
(
おどろ
)
きにけむ、
153
大口
(
おほぐち
)
を
開
(
ひら
)
き
鎌首
(
かまくび
)
を
立
(
た
)
てたまま、
154
さも
無念
(
むねん
)
さうな
面持
(
おももち
)
にて、
155
ざんぶとばかり
水中
(
すゐちう
)
に
怪
(
あや
)
しき
姿
(
すがた
)
をかくしける。
156
茲
(
ここ
)
に
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
157
臍下
(
せいか
)
丹田
(
たんでん
)
に
魂
(
たま
)
を
鎮
(
しづ
)
め、
158
天
(
てん
)
に
向
(
むか
)
つて
合掌
(
がつしやう
)
し、
159
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
160
生言霊
(
いくことたま
)
を
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
へば、
161
海水
(
かいすゐ
)
は
忽
(
たちま
)
ち
熱湯
(
ねつたう
)
の
如
(
ごと
)
く
煮
(
に
)
え
返
(
かへ
)
り、
162
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
は
潜
(
ひそ
)
むに
由
(
よし
)
なく
且
(
かつ
)
熱湯
(
ねつたう
)
に
焼
(
や
)
かれて
全身
(
ぜんしん
)
糜爛
(
ただ
)
れ
藻掻
(
もが
)
き
苦
(
くる
)
しみ、
163
海上
(
かいじやう
)
をのたうち
廻
(
まは
)
り、
164
遂
(
つひ
)
には
死体
(
したい
)
となりて
赤
(
あか
)
き
腹部
(
ふくぶ
)
を
現
(
あら
)
はし、
165
水面
(
すゐめん
)
に
浮
(
うか
)
び
出
(
い
)
でたり。
166
立世
(
たつよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
はこの
状
(
さま
)
を
見
(
み
)
て、
167
『あはれあはれ
公
(
きみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
幸
(
さち
)
はひて
168
大蛇
(
をろち
)
は
脆
(
もろ
)
くも
亡
(
ほろ
)
びけるかな
169
潮水
(
しほみづ
)
は
沸
(
わ
)
き
返
(
かへ
)
りつつ
湯気
(
ゆげ
)
立
(
た
)
ちて
170
大蛇
(
をろち
)
は
遂
(
つひ
)
に
滅
(
ほろ
)
びけるかも
171
百旬
(
ひやくじゆん
)
に
余
(
あま
)
る
大蛇
(
をろち
)
の
遺骸
(
なきがら
)
は
172
浪
(
なみ
)
の
上
(
へ
)
赤
(
あか
)
く
浮
(
うか
)
べる
凄
(
すご
)
さよ
173
物凄
(
ものすご
)
き
形相
(
ぎやうさう
)
なして
迫
(
せま
)
り
来
(
こ
)
し
174
大蛇
(
をろち
)
はあへなく
身
(
み
)
亡
(
う
)
せけるかも
175
大蛇神
(
をろちがみ
)
よ
今日
(
けふ
)
より
御魂
(
みたま
)
を
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
176
再
(
ふたた
)
び
神
(
かみ
)
と
蘇
(
よみがへ
)
り
来
(
こ
)
よ』
177
天晴
(
あめはれ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
178
『
奇
(
くし
)
びなる
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
の
神言
(
かみごと
)
に
179
磐楠舟
(
いはくすぶね
)
は
拡
(
ひろ
)
ごりにけり
180
膨
(
ふく
)
れ
膨
(
ふく
)
れ
太
(
ふと
)
り
太
(
ふと
)
りて
極
(
きは
)
みなく
181
公
(
きみ
)
の
御舟
(
みふね
)
は
巌
(
いは
)
となりける
182
常巌
(
とこいは
)
の
堅
(
かた
)
き
御舟
(
みふね
)
もかろがろと
183
進
(
すす
)
みゆくかも
歎
(
なげ
)
きの
島
(
しま
)
に』
184
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
185
『
曲津見
(
まがつみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
大蛇
(
をろち
)
は
亡
(
ほろ
)
びたり
186
歎
(
なげ
)
きの
島
(
しま
)
は
蘇
(
よみがへ
)
るべし
187
黄昏
(
たそがれ
)
に
近
(
つか
)
づきければ
吾
(
わが
)
舟
(
ふね
)
は
188
歎
(
なげ
)
きの
島
(
しま
)
に
急
(
いそ
)
ぎ
進
(
すす
)
めよ』
189
かく
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
ふや、
190
御舟
(
みふね
)
は
一潟
(
いつしや
)
千里
(
せんり
)
の
勢
(
いきほひ
)
をもつて
黄昏
(
たそがれ
)
近
(
ちか
)
き
海原
(
うなばら
)
を
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
191
(
昭和八・一二・二五
旧一一・九
於大阪分院蒼雲閣
加藤明子
謹録)
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