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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第16巻(卯の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 神軍霊馬
第1章 天橋立
第2章 暗夜の邂逅
第3章 門番の夢
第4章 夢か現か
第5章 秋山館
第6章 石槍の雨
第7章 空籠
第8章 衣懸松
第9章 法螺の貝
第10章 白狐の出現
第2篇 深遠微妙
第11章 宝庫の鍵
第12章 捜索隊
第13章 神集の玉
第14章 鵜呑鷹
第15章 谷間の祈
第16章 神定の地
第17章 谷の水
第3篇 真奈為ケ原
第18章 遷宅婆
第19章 文珠如来
第20章 思はぬ歓
第21章 御礼参詣
跋
霊の礎(一)
霊の礎(二)
余白歌
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霊界物語
>
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第16巻(卯の巻)
> 第1篇 神軍霊馬 > 第4章 夢か現か
<<< 門番の夢
(B)
(N)
秋山館 >>>
第四章
夢
(
ゆめ
)
か
現
(
うつつ
)
か〔五九四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻
篇:
第1篇 神軍霊馬
よみ(新仮名遣い):
しんぐんれいば
章:
第4章 夢か現か
よみ(新仮名遣い):
ゆめかうつつか
通し章番号:
594
口述日:
1922(大正11)年04月05日(旧03月09日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年12月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
亀彦は、二人の門番を足にぶらさげ引きずりながら、本宅の入口にまでやってきた。そこで英子姫と再会した。
そして足を蹴り上げると、二人の門番は空中を飛ばされて、ぷりんぷりんと、元の門番小屋に戻されてしまった。
門番たちは、偉い豪傑が来た、と思っていたら、それは夢であった。銀公と加米公は二人揃って、同じ夢を見ていたのであった。
するとそこへ、夢で見たとおりの美人の旅連れがやってきた。また後から、亀彦と名乗る宣伝使が夢の通りの出で立ちでやってきた。二人は逆らっては一大事と、門を開けて一行を迎え入れる。
英子姫と亀彦はようやく再会した。秋山彦は、亀彦を案内する。亀彦は敵地にて秋山彦の素性をよく知らないため、一瞬疑いの心に囚われるが、思い直して秋山彦の後を追った。
すると、通された居間には神素盞嗚大神、国武彦が厳然と控えていた。亀彦は神素盞嗚大神との再開に感激するまもなく、館には鬼彦が捕り手を従えて襲来した。
早速迎え撃とうとする亀彦に対して、国武彦が制止した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-01-29 18:03:54
OBC :
rm1604
愛善世界社版:
47頁
八幡書店版:
第3輯 418頁
修補版:
校定版:
49頁
普及版:
20頁
初版:
ページ備考:
001
亀彦
(
かめひこ
)
は
二人
(
ふたり
)
の
門番
(
もんばん
)
を、
002
靴
(
くつ
)
に
穿
(
は
)
いたやうな
心持
(
こころもち
)
で、
003
本宅
(
ほんたく
)
の
入口
(
いりぐち
)
迄
(
まで
)
やつて
来
(
き
)
た。
004
門口
(
もんぐち
)
の
騒
(
さわ
)
がしさに
中
(
なか
)
より
戸
(
と
)
を
引
(
ひ
)
き
開
(
あ
)
けて
現
(
あら
)
はれし
二人
(
ふたり
)
の
女
(
をんな
)
、
005
二人
『ヤア
貴方
(
あなた
)
は
亀彦
(
かめひこ
)
さま』
006
亀彦
(
かめひこ
)
『ヨウ、
007
お
二人
(
ふたり
)
様
(
さま
)
、
008
不思議
(
ふしぎ
)
な
処
(
ところ
)
でお
目
(
め
)
に
掛
(
かか
)
りました』
009
英子姫
(
ひでこひめ
)
『
亀彦
(
かめひこ
)
さま、
010
貴方
(
あなた
)
何
(
なに
)
を
足
(
あし
)
に
引
(
ひ
)
つかけてゐらつしやるの』
011
亀彦
(
かめひこ
)
『ヤア、
012
何
(
なん
)
でも
御座
(
ござ
)
らぬ、
013
糞
(
ふん
)
から
生
(
わ
)
いた
銀蠅
(
ぎんばへ
)
が
一匹
(
いつぴき
)
と
糞亀
(
くそがめ
)
が
一匹
(
いつぴき
)
、
014
足
(
あし
)
に
喰
(
く
)
ひつきました、
015
鰌
(
どぢやう
)
の
生
(
なま
)
でもあつたら
一
(
ひと
)
つやつて
下
(
くだ
)
さいナ、
016
アハヽヽヽ』
017
二女
(
にぢよ
)
『ホヽヽヽ』
018
銀
(
ぎん
)
、
019
加米
(
かめ
)
『チエツ、
020
人
(
ひと
)
を
馬鹿
(
ばか
)
にして
居
(
ゐ
)
やがる、
021
此
(
この
)
銀公司
(
ぎんこうつかさ
)
を
捉
(
つかま
)
へて
銀蠅
(
ぎんばへ
)
だの、
022
加米
(
かめ
)
を
糞亀
(
くそがめ
)
だのと
虫
(
むし
)
の
好
(
よ
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
やがるワイ。
023
これや
亀
(
かめ
)
の
奴
(
やつ
)
、
024
今
(
いま
)
に、
025
一寸
(
いつすん
)
の
虫
(
むし
)
でも
五分
(
ごぶ
)
の
魂
(
たましひ
)
だ、
026
むしかへ
しをやつてやるから、
027
其
(
その
)
覚悟
(
かくご
)
で
居
(
ゐ
)
たらよからうぞ』
028
亀彦
(
かめひこ
)
は、
029
右
(
みぎ
)
の
足
(
あし
)
を
中天
(
ちうてん
)
に
向
(
むか
)
つてピンと
跳
(
はね
)
る
途端
(
とたん
)
に、
030
銀公
(
ぎんこう
)
は
七八間
(
しちはちけん
)
プリンプリンプリンと
中天
(
ちうてん
)
に
舞
(
ま
)
ひ
上
(
あが
)
り、
031
表門
(
おもてもん
)
の
自分
(
じぶん
)
の
室
(
しつ
)
の
前
(
まへ
)
に
行儀
(
ぎやうぎ
)
よく
落
(
お
)
ちたまま、
032
チヨコナンと
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
033
亀彦
(
かめひこ
)
は
又
(
また
)
も
左
(
ひだり
)
の
足
(
あし
)
をピンと
跳
(
はね
)
ると、
034
加米公
(
かめこう
)
は
中空
(
ちうくう
)
を
毬
(
まり
)
の
如
(
ごと
)
く
舞
(
ま
)
ひながら
再
(
ふたた
)
び
自分
(
じぶん
)
の
門番
(
もんばん
)
小屋
(
ごや
)
にチヨコナンと
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
035
銀公
(
ぎんこう
)
『アヽヽヽ、
036
淋
(
さび
)
しい
事
(
こと
)
だ、
037
偉
(
えら
)
い
奴
(
やつ
)
が
来
(
き
)
よつて、
038
俺
(
おれ
)
を
中天
(
ちうてん
)
に
蹴
(
け
)
り
上
(
あ
)
げよつたと
思
(
おも
)
つたら、
039
何
(
な
)
んだ
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たのか、
040
それにしても
怪体
(
けつたい
)
な
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たもんだワイ』
041
加米公
(
かめこう
)
『ヤヤ
銀公
(
ぎんこう
)
、
042
貴様
(
きさま
)
も
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たのか、
043
俺
(
おれ
)
も
其
(
その
)
通
(
とほ
)
りだ。
044
亀
(
かめ
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
が
来
(
き
)
よつて、
045
俺
(
おれ
)
を
足
(
あし
)
の
先
(
さき
)
で
中天
(
ちうてん
)
に
蹴
(
け
)
りよつたと
思
(
おも
)
つたら、
046
俺
(
おれ
)
も
矢張
(
やつぱ
)
り
夢
(
ゆめ
)
だつた。
047
アヽコンナ
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
るやうでは、
048
碌
(
ろく
)
な
事
(
こと
)
はない
哩
(
わい
)
、
049
獏
(
ばく
)
に
喰
(
く
)
はせ
獏
(
ばく
)
に
喰
(
く
)
はせ、
050
茫々
(
ばうばう
)
漠々
(
ばくばく
)
として
夢
(
ゆめ
)
の
如
(
ごと
)
しだアハヽヽ』
051
此
(
この
)
時
(
とき
)
門前
(
もんぜん
)
に
声
(
こゑ
)
あつて、
052
女
『モシモシ
門番
(
もんばん
)
様
(
さま
)
、
053
妾
(
わたし
)
は
漂泊
(
さすらひ
)
の
旅
(
たび
)
の
女
(
をんな
)
、
054
何卒
(
どうぞ
)
お
慈悲
(
じひ
)
に
此
(
この
)
門
(
もん
)
開
(
ひら
)
いて
下
(
くだ
)
さいませ。
055
悪神
(
わるがみ
)
に
取巻
(
とりま
)
かれ、
056
命
(
いのち
)
からがら
此処迄
(
ここまで
)
逃
(
に
)
げて
参
(
まゐ
)
りました』
057
門番(銀公または加米公)
『ヤア
聞
(
き
)
き
慣
(
な
)
れぬ
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
』
058
と
云
(
い
)
ひながら
門
(
もん
)
をサラリと
開
(
ひら
)
けば、
059
二人
(
ふたり
)
は
丁寧
(
ていねい
)
に
目礼
(
もくれい
)
しながら、
060
奥
(
おく
)
を
目蒐
(
めが
)
けて
足早
(
あしばや
)
に
進
(
すす
)
み
往
(
ゆ
)
く。
061
銀公
(
ぎんこう
)
『オイ
加米公
(
かめこう
)
、
062
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
た
通
(
とほ
)
りの
二人
(
ふたり
)
の
美人
(
びじん
)
がやつて
来
(
き
)
よつた。
063
夢
(
ゆめ
)
と
云
(
い
)
ふものは
馬鹿
(
ばか
)
にならぬなア』
064
加米公
(
かめこう
)
『ヨー
其
(
その
)
夢
(
ゆめ
)
なら
俺
(
おれ
)
も
見
(
み
)
たのだ。
065
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
た
美人
(
びじん
)
と
些
(
ちつ
)
とも
違
(
ちが
)
はぬ
瓜二
(
うりふた
)
つだ、
066
併
(
しか
)
しながら、
067
斯
(
か
)
う
夢
(
ゆめ
)
が
当
(
あた
)
るとすれば、
068
今度目
(
こんどめ
)
に
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る
亀彦
(
かめひこ
)
と
云
(
い
)
ふ
強
(
つよ
)
い
奴
(
やつ
)
は、
069
それこそ
大変
(
たいへん
)
だぞ、
070
柔
(
おと
)
なしく
下
(
した
)
に
出
(
で
)
て
無事
(
ぶじ
)
に
門
(
もん
)
を
通
(
とほ
)
すに
限
(
かぎ
)
るぞ』
071
銀公
(
ぎんこう
)
『オヽさうだ、
072
相手
(
あひて
)
にならぬやうに
柔
(
おとな
)
しく
開
(
あ
)
けてやらうかい』
073
斯
(
か
)
かる
所
(
ところ
)
へ
門前
(
もんぜん
)
に
聞
(
きこ
)
ゆる
男
(
をとこ
)
の
声
(
こゑ
)
、
074
門
(
もん
)
をポンポンと
叩
(
たた
)
いて、
075
亀彦
『モシモシ、
076
私
(
わたくし
)
は
旅
(
たび
)
の
男
(
をとこ
)
亀彦
(
かめひこ
)
と
申
(
まを
)
します、
077
お
邪魔
(
じやま
)
で
有
(
あ
)
りませうが、
078
此
(
この
)
門
(
もん
)
を
何
(
ど
)
うか
開
(
あ
)
けて
下
(
くだ
)
さいますまいか』
079
加米公
(
かめこう
)
『それそれ
夢
(
ゆめ
)
が
本当
(
ほんたう
)
になつて
来
(
き
)
たぞ、
080
加米
(
かめ
)
さんがよい
相方
(
あひかた
)
だ』
081
と
又
(
また
)
もや
門
(
もん
)
をサラリと
開
(
ひら
)
き、
082
加米公
(
かめこう
)
『これはこれはようこそお
出
(
い
)
で
下
(
くだ
)
さいました。
083
サアずつと
奥
(
おく
)
へお
通
(
とほ
)
り
下
(
くだ
)
さい、
084
どうぞ
中天
(
ちうてん
)
へ
放
(
ほ
)
り
上
(
あ
)
げる
事
(
こと
)
だけは、
085
オツト、
086
ドツコイこれは
夢
(
ゆめ
)
で
御座
(
ござ
)
いました、
087
早
(
はや
)
く
柔
(
おとな
)
しく
暴
(
あば
)
れずにお
入
(
はい
)
りなさいませ』
088
亀彦
(
かめひこ
)
『
私
(
わたくし
)
は
決
(
けつ
)
して
乱暴
(
らんばう
)
な
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
しませぬ、
089
御
(
ご
)
安心
(
あんしん
)
下
(
くだ
)
さいませ』
090
と
奥
(
おく
)
を
目蒐
(
めが
)
けて
悠々
(
いういう
)
と
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
091
由良
(
ゆら
)
の
港
(
みなと
)
の
人子
(
ひとご
)
の
司
(
つかさ
)
092
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
門前
(
もんぜん
)
を
093
サツと
開
(
ひら
)
かせ
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
る
094
暗夜
(
やみよ
)
もはれて
英子姫
(
ひでこひめ
)
095
四方
(
よも
)
の
景色
(
けしき
)
も
悦子姫
(
よしこひめ
)
096
小春
(
こはる
)
の
朝日
(
あさひ
)
を
身
(
み
)
にうけて
097
冬
(
ふゆ
)
の
初
(
はじめ
)
と
云
(
い
)
ひながら
098
まだ
温
(
あたた
)
かき
破風口
(
はふぐち
)
に
099
猫
(
ねこ
)
の
眠
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
る
長閑
(
のどか
)
さよ
100
夜昼
(
よるひる
)
不寝身
(
ねずみ
)
の
門番
(
もんばん
)
も
101
主
(
しゆ
)
には
尽
(
つく
)
す
忠勤振
(
ちうきんぶり
)
102
中門
(
なかもん
)
サラリと
引
(
ひ
)
き
開
(
あ
)
けて
103
何
(
なん
)
の
躊躇
(
ちうちよ
)
も
荒男
(
あらをとこ
)
104
門番役
(
もんばんやく
)
に
送
(
おく
)
られて
105
玄関口
(
げんくわんぐち
)
にさしかかり
106
頼
(
たの
)
も
頼
(
たの
)
もと
訪
(
おとな
)
へば
107
あいと
応
(
こた
)
へて
二人
(
ふたり
)
の
女
(
をんな
)
108
襖
(
ふすま
)
押
(
お
)
しあけ
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
る
109
アツと
見合
(
みあは
)
す
顔
(
かほ
)
と
顔
(
かほ
)
110
オヽ
亀彦
(
かめひこ
)
か
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
か
111
思
(
おも
)
はぬ
所
(
ところ
)
で
遇
(
あ
)
ひました
112
魔神
(
まがみ
)
の
様子
(
やうす
)
は
如何
(
いか
)
にぞと
113
問
(
と
)
はむとせしが
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し
114
心
(
こころ
)
許
(
ゆる
)
せぬ
此
(
この
)
館
(
やかた
)
115
如何
(
いか
)
なる
魔神
(
まがみ
)
の
潜
(
ひそ
)
むやら
116
隙
(
ひま
)
行
(
ゆ
)
く
駒
(
こま
)
のいつしかに
117
漏
(
も
)
れてはならぬ
壁
(
かべ
)
に
耳
(
みみ
)
118
父
(
ちち
)
の
便
(
たよ
)
りを
菊月
(
きくづき
)
の
119
九
(
く
)
月
(
ぐわつ
)
八日
(
やうか
)
の
今朝
(
けさ
)
の
秋
(
あき
)
120
目
(
め
)
と
目
(
め
)
に
物
(
もの
)
を
云
(
い
)
はせつつ
121
二人
(
ふたり
)
の
女
(
をんな
)
は
静々
(
しづしづ
)
と
122
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
さして
入
(
い
)
りにける
123
後
(
あと
)
にしよんぼり
亀彦
(
かめひこ
)
は
124
両手
(
りやうて
)
を
組
(
く
)
みて
思案顔
(
しあんがほ
)
125
あゝ
訝
(
いぶ
)
かしや
訝
(
いぶ
)
かしや
126
様子
(
やうす
)
ありげの
此
(
この
)
館
(
やかた
)
127
英子
(
ひでこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御
(
おん
)
眼
(
め
)
つき
128
只事
(
ただごと
)
ならぬ
気配
(
けはい
)
なり
129
戸
(
と
)
を
押
(
お
)
し
明
(
あ
)
けて
踏
(
ふ
)
み
込
(
こ
)
もか
130
待
(
ま
)
て
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し
131
大事
(
だいじ
)
の
前
(
まへ
)
の
一
(
いち
)
小事
(
せうじ
)
132
もしも
仕損
(
しそん
)
じた
其
(
その
)
時
(
とき
)
は
133
長
(
なが
)
の
苦労
(
くらう
)
も
水
(
みづ
)
の
泡
(
あわ
)
134
遇
(
あ
)
はぬは
遇
(
あ
)
ふに
弥
(
いや
)
まさる
135
例
(
ためし
)
も
数多
(
あまた
)
ある
月日
(
つきひ
)
136
暫
(
しば
)
しは
此処
(
ここ
)
に
佇
(
たたず
)
みて
137
家
(
いへ
)
の
内外
(
うちと
)
の
様子
(
やうす
)
をば
138
事
(
こと
)
細
(
こま
)
やかに
探
(
さぐ
)
らむと
139
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
140
思
(
おも
)
ひ
直
(
なほ
)
すぞ
雄々
(
をを
)
しけれ。
141
玄関
(
げんくわん
)
に
佇
(
たたず
)
みし
亀彦
(
かめひこ
)
は、
142
さし
上
(
のぼ
)
る
朝日
(
あさひ
)
に
向
(
むか
)
つて
合掌
(
がつしやう
)
し、
143
何事
(
なにごと
)
か
沁々
(
しみじみ
)
と
暗祈
(
あんき
)
黙祷
(
もくたう
)
を
続
(
つづ
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
144
此
(
この
)
時
(
とき
)
玄関
(
げんくわん
)
の
襖
(
ふすま
)
を
颯
(
さつ
)
と
開
(
ひら
)
いて
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でたる
二人
(
ふたり
)
の
娘
(
むすめ
)
は、
145
亀彦
(
かめひこ
)
に
向
(
むか
)
つて
丁寧
(
ていねい
)
に
会釈
(
ゑしやく
)
し、
146
二人の娘
『これはこれは
遠方
(
ゑんぱう
)
のお
客様
(
きやくさま
)
、
147
奥
(
おく
)
へ
案内
(
あんない
)
致
(
いた
)
しませう、
148
サアこうお
出
(
い
)
でなさいませ』
149
と
廊下
(
らうか
)
を
指
(
さ
)
して、
150
ニコニコしながら
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
151
亀彦
(
かめひこ
)
は、
152
亀彦
『ヤア
有難
(
ありがた
)
い
有難
(
ありがた
)
い、
153
一
(
ひと
)
つ
違
(
ちが
)
へば
門前
(
もんぜん
)
払
(
ばら
)
ひの
憂目
(
うきめ
)
に
遇
(
あ
)
ふ
所
(
ところ
)
だつた。
154
アヽ
世間
(
せけん
)
に
鬼
(
おに
)
はない、
155
此処
(
ここ
)
には
広
(
ひろ
)
いお
庭
(
には
)
がある。
156
鬼
(
おに
)
は
外々
(
そとそと
)
福
(
ふく
)
は
内
(
うち
)
、
157
家
(
いへ
)
の
様子
(
やうす
)
は
何処
(
どこ
)
となく
物床
(
ものゆか
)
しげに、
158
一弦
(
いちげん
)
の
琴
(
こと
)
の
音
(
ね
)
さへも
聞
(
きこ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
159
あの
声
(
こゑ
)
は
確
(
たしか
)
に
英子姫
(
ひでこひめ
)
の
御
(
お
)
手
(
て
)
すさび、
160
此
(
この
)
家
(
いへ
)
は
自
(
おのづ
)
と
平和
(
へいわ
)
な
風
(
かぜ
)
も
福
(
ふく
)
の
神
(
かみ
)
、
161
上下
(
かみしも
)
揃
(
そろ
)
うて
睦
(
むつ
)
まじく
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
る
其
(
その
)
様子
(
やうす
)
、
162
もしや
此
(
この
)
家
(
いへ
)
に、
163
吾
(
わ
)
が
慕
(
した
)
ふ
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
隠
(
かく
)
れ
在
(
いま
)
すには
非
(
あら
)
ざるか、
164
神
(
かみ
)
ならぬ
身
(
み
)
の
心
(
こころ
)
にも、
165
物穏
(
ものおだや
)
かな
内外
(
うちと
)
の
空気
(
くうき
)
』
166
と
独
(
ひと
)
り
言
(
ご
)
ちつつ
娘
(
むすめ
)
の
後
(
あと
)
に
従
(
したが
)
ひて、
167
長
(
なが
)
き
廊下
(
らうか
)
を
伝
(
つた
)
ひ
行
(
ゆ
)
く。
168
此
(
この
)
家
(
や
)
の
主人
(
しゆじん
)
と
見
(
み
)
えて、
169
人品
(
じんぴん
)
骨柄
(
こつがら
)
卑
(
いや
)
しからぬ、
170
五十
(
ごじふ
)
前後
(
ぜんご
)
の
男
(
をとこ
)
、
171
服装
(
みなり
)
正
(
ただ
)
しく
衣紋
(
えもん
)
繕
(
つくろ
)
ひ
出
(
い
)
で
迎
(
むか
)
へ、
172
秋山彦
『これはこれは
噂
(
うはさ
)
に
聞
(
き
)
き
及
(
およ
)
ぶ
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
亀彦
(
かめひこ
)
様
(
さま
)
、
173
よくも
入
(
い
)
らせられました。
174
私
(
わたくし
)
は
此
(
この
)
郷
(
さと
)
の
人子
(
ひとご
)
の
司
(
つかさ
)
、
175
秋山彦
(
あきやまひこ
)
と
申
(
まを
)
すもの、
176
サアサア
遠慮
(
ゑんりよ
)
なくズツと
大奥
(
おほおく
)
へお
通
(
とほ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ、
177
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
致
(
いた
)
しませう』
178
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
進
(
すす
)
み
往
(
ゆ
)
く。
179
亀彦
(
かめひこ
)
は
不審
(
ふしん
)
の
首
(
かうべ
)
を
傾
(
かたむ
)
けながら、
180
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
目
(
め
)
を
配
(
くば
)
り、
181
心
(
こころ
)
を
注
(
そそ
)
ぎ、
182
亀彦
『ヤア、
183
嫌
(
いや
)
らしき
程
(
ほど
)
の
鄭重
(
ていちよう
)
なもてなしだ。
184
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
して
居
(
を
)
ると
抱
(
だ
)
き
落
(
おと
)
しにかけられて、
185
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
のやうに
陥穽
(
おとしあな
)
にでも
落
(
おと
)
されるのではあるまいか。
186
否々
(
いないな
)
人
(
ひと
)
を
疑
(
うたが
)
ふは
罪
(
つみ
)
の
最
(
もつと
)
も
大
(
だい
)
なるもの、
187
心
(
こころ
)
に
曇
(
くも
)
りあれば
人
(
ひと
)
を
疑
(
うたが
)
ふとやら、
188
アヽ
恥
(
はづ
)
かしい、
189
未
(
いま
)
だ
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
の
奴
(
やつ
)
、
190
身体
(
からだ
)
の
一部
(
いちぶ
)
に
割拠
(
かつきよ
)
して
猜疑心
(
さいぎしん
)
の
矢
(
や
)
を
放
(
はな
)
ち
猛威
(
まうゐ
)
を
逞
(
たくま
)
しうせむと
計画
(
けいくわく
)
して
居
(
ゐ
)
るらしい、
191
恐
(
おそ
)
るべきは
心
(
こころ
)
の
内
(
うち
)
の
敵
(
てき
)
だ』
192
と
思
(
おも
)
はず
大声
(
おほごゑ
)
を
出
(
だ
)
した。
193
秋山彦
(
あきやまひこ
)
は
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いて
後
(
あと
)
振
(
ふ
)
り
返
(
かへ
)
り、
194
秋山彦
『これはこれは
亀彦
(
かめひこ
)
様
(
さま
)
、
195
貴方
(
あなた
)
は
今
(
いま
)
敵
(
てき
)
だと
仰
(
おほ
)
せられましたが、
196
決
(
けつ
)
して
敵
(
てき
)
では
御座
(
ござ
)
いませぬ、
197
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
なくお
通
(
とほ
)
り
下
(
くだ
)
さい』
198
亀彦
『イヤ
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
みませぬ、
199
吾々
(
われわれ
)
の
心中
(
しんちゆう
)
に
潜
(
ひそ
)
む
副守
(
ふくしゆ
)
の
奴
(
やつ
)
が
囁
(
ささや
)
いたのです、
200
心
(
こころ
)
の
鬼
(
おに
)
が
身
(
み
)
を
責
(
せめ
)
るとやら、
201
いやもう
神
(
かみ
)
ならぬ
身
(
み
)
の
吾々
(
われわれ
)
人間
(
にんげん
)
は、
202
宣伝使
(
せんでんし
)
と
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
なレツテルは
貼
(
は
)
つて
居
(
を
)
りますが、
203
実
(
じつ
)
にお
恥
(
はづ
)
かしい
代物
(
しろもの
)
です』
204
と
歩
(
あゆ
)
み
歩
(
あゆ
)
み
語
(
かた
)
り
居
(
ゐ
)
る。
205
秋山彦
『サアこれが
大奥
(
おほおく
)
の
間
(
ま
)
で
御座
(
ござ
)
います、
206
貴方
(
あなた
)
にお
会
(
あ
)
はせ
申度
(
まをした
)
き
御
(
おん
)
方
(
かた
)
も
御座
(
ござ
)
いますれば、
207
何卒
(
どうぞ
)
お
入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいませ』
208
と
腰
(
こし
)
を
屈
(
かが
)
め、
209
淑
(
しと
)
やかに
襖
(
ふすま
)
を
押
(
お
)
しあけ
案内
(
あんない
)
する。
210
亀彦
(
かめひこ
)
は
不審
(
ふしん
)
の
雲
(
くも
)
に
包
(
つつ
)
まれながら
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り、
211
上座
(
じやうざ
)
を
見
(
み
)
れば、
212
こは
如何
(
いか
)
に、
213
正面
(
しやうめん
)
の
高座
(
かうざ
)
には、
214
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
215
厳然
(
げんぜん
)
として
控
(
ひか
)
へさせたまひ、
216
少
(
すこ
)
しく
下
(
さ
)
がつて
国武彦
(
くにたけひこ
)
、
217
右側
(
みぎがは
)
には
英子姫
(
ひでこひめ
)
、
218
ズツと
下
(
さ
)
がつて
悦子姫
(
よしこひめ
)
、
219
此
(
この
)
家
(
や
)
の
妻
(
つま
)
と
見
(
み
)
えて
四十
(
しじつ
)
歳
(
さい
)
許
(
ばか
)
りの
麗
(
うるは
)
しき
女
(
をんな
)
、
220
行儀
(
ぎやうぎ
)
よく
控
(
ひか
)
へ
居
(
ゐ
)
る。
221
亀彦
(
かめひこ
)
は
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るより
打
(
う
)
ち
驚
(
おどろ
)
き、
222
亀彦
『ヤア
貴神
(
あなた
)
は
尊様
(
みことさま
)
』
223
と
一言
(
ひとこと
)
云
(
い
)
つたきり
後
(
あと
)
は
涙
(
なみだ
)
にかき
曇
(
くも
)
り、
224
袖
(
そで
)
に
顔
(
かほ
)
をば
覆
(
おほ
)
ひつつ
暫
(
しば
)
しが
間
(
あひだ
)
は
平伏
(
へいふく
)
沈黙
(
ちんもく
)
を
持続
(
ぢぞく
)
し
居
(
ゐ
)
たりける。
225
四十
(
しじふ
)
許
(
ばか
)
りの
女
(
をんな
)
は
亀彦
(
かめひこ
)
の
頭
(
あたま
)
を
上
(
あ
)
ぐるを
待
(
ま
)
ちかねたやうな
調子
(
てうし
)
で、
226
紅葉姫
『これはこれは
亀彦
(
かめひこ
)
様
(
さま
)
とやら、
227
よく
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいました。
228
妾
(
わらは
)
は
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
妻
(
つま
)
紅葉姫
(
もみぢひめ
)
と
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
、
229
御存
(
ごぞん
)
じの
通
(
とほ
)
り
不便
(
ふべん
)
の
土地
(
とち
)
、
230
お
構
(
かま
)
ひも
出来
(
でき
)
ませぬが、
231
どうぞ、
232
ゆるりと
御
(
ご
)
逗留
(
とうりう
)
下
(
くだ
)
さいませ』
233
亀彦
(
かめひこ
)
『これはこれは
痛
(
いた
)
み
入
(
い
)
つたる
御
(
ご
)
挨拶
(
あいさつ
)
、
234
何分
(
なにぶん
)
宜敷
(
よろし
)
くお
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します。
235
ヤア
貴神
(
あなた
)
は
尊様
(
みことさま
)
で
御座
(
ござ
)
いましたか、
236
好
(
よ
)
うまア
無事
(
ぶじ
)
で
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さいました。
237
嬉
(
うれ
)
しう
存
(
ぞん
)
じます』
238
素尊
(
すそん
)
『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
亀彦
(
かめひこ
)
なりしか、
239
無事
(
ぶじ
)
で
先
(
ま
)
づ
目出度
(
めでた
)
い。
240
英子姫
(
ひでこひめ
)
が
途中
(
とちう
)
に
於
(
おい
)
て
いかい
お
世話
(
せわ
)
になつたさうだナア』
241
亀彦
(
かめひこ
)
『どう
致
(
いた
)
しまして』
242
英子姫
(
ひでこひめ
)
『
亀彦
(
かめひこ
)
さま
貴方
(
あなた
)
も
無事
(
ぶじ
)
でお
目出度
(
めでた
)
う、
243
妾
(
わらは
)
は
今
(
いま
)
の
今迄
(
いままで
)
お
案
(
あん
)
じ
申
(
まをし
)
て
居
(
を
)
りました、
244
安心
(
あんしん
)
安心
(
あんしん
)
』
245
と
喜
(
よろこ
)
ぶ
折
(
をり
)
しも、
246
門外
(
もんぐわい
)
俄
(
にはか
)
に
騒
(
さわ
)
がしく
数多
(
あまた
)
の
人声
(
ひとごゑ
)
、
247
秋山彦
(
あきやまひこ
)
は
慌
(
あはただ
)
しく
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
248
秋山彦
『アヽ
皆様
(
みなさま
)
、
249
お
静
(
しづ
)
かにして
下
(
くだ
)
さいませ、
250
表
(
おもて
)
は
私
(
わたくし
)
が
引受
(
ひきう
)
けます、
251
一寸
(
ちよつと
)
した
事
(
こと
)
が
起
(
おこ
)
つて
来
(
き
)
ました』
252
素尊
(
すそん
)
『アハヽヽヽ、
253
其
(
その
)
方
(
はう
)
好
(
よ
)
きに
取計
(
とりはか
)
らへ』
254
亀彦
(
かめひこ
)
『
秋山彦
(
あきやまひこ
)
殿
(
どの
)
、
255
事
(
こと
)
が
起
(
おこ
)
つたとは
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
襲来
(
しふらい
)
したのでせう、
256
何卒
(
どうぞ
)
私
(
わたくし
)
も
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい、
257
ヤア
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い、
258
日頃
(
ひごろ
)
鍛
(
きた
)
へし
言霊
(
ことたま
)
の
力
(
ちから
)
を
試
(
ため
)
すは
今
(
いま
)
此
(
この
)
時
(
とき
)
』
259
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
かむとす。
260
国武彦
(
くにたけひこ
)
は
初
(
はじ
)
めて
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
き、
261
国武彦
『ヤア
亀彦
(
かめひこ
)
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
たれよ、
262
尊
(
みこと
)
の
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
しあるまでは、
263
一寸
(
いつすん
)
も
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
動
(
うご
)
く
事
(
こと
)
罷
(
まか
)
りなりませぬぞ』
264
亀彦
(
かめひこ
)
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
にて
頭
(
あたま
)
を
掻
(
か
)
きながら、
265
亀彦
『ヘエヘエヘヽヽヽヘイ、
266
シシ
仕方
(
しかた
)
がありませぬ、
267
ハイ、
268
鳴
(
な
)
るは
鳴
(
な
)
るは
此
(
この
)
腕
(
うで
)
が、
269
ウンウンと
云
(
い
)
つて
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いワイ』
270
一同
(
いちどう
)
『アハヽヽヽ、
271
オホヽヽヽ』
272
(
大正一一・四・五
旧三・九
加藤明子
録)
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