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第四章 (ゆめ)(うつつ)か〔五九四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻 篇:第1篇 神軍霊馬 よみ(新仮名遣い):しんぐんれいば
章:第4章 夢か現か よみ(新仮名遣い):ゆめかうつつか 通し章番号:594
口述日:1922(大正11)年04月05日(旧03月09日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年12月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
亀彦は、二人の門番を足にぶらさげ引きずりながら、本宅の入口にまでやってきた。そこで英子姫と再会した。
そして足を蹴り上げると、二人の門番は空中を飛ばされて、ぷりんぷりんと、元の門番小屋に戻されてしまった。
門番たちは、偉い豪傑が来た、と思っていたら、それは夢であった。銀公と加米公は二人揃って、同じ夢を見ていたのであった。
するとそこへ、夢で見たとおりの美人の旅連れがやってきた。また後から、亀彦と名乗る宣伝使が夢の通りの出で立ちでやってきた。二人は逆らっては一大事と、門を開けて一行を迎え入れる。
英子姫と亀彦はようやく再会した。秋山彦は、亀彦を案内する。亀彦は敵地にて秋山彦の素性をよく知らないため、一瞬疑いの心に囚われるが、思い直して秋山彦の後を追った。
すると、通された居間には神素盞嗚大神、国武彦が厳然と控えていた。亀彦は神素盞嗚大神との再開に感激するまもなく、館には鬼彦が捕り手を従えて襲来した。
早速迎え撃とうとする亀彦に対して、国武彦が制止した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-01-29 18:03:54 OBC :rm1604
愛善世界社版:47頁 八幡書店版:第3輯 418頁 修補版: 校定版:49頁 普及版:20頁 初版: ページ備考:
001 亀彦(かめひこ)二人(ふたり)門番(もんばん)を、002(くつ)穿()いたやうな心持(こころもち)で、003本宅(ほんたく)入口(いりぐち)(まで)やつて()た。004門口(もんぐち)(さわ)がしさに(なか)より()()()けて(あら)はれし二人(ふたり)(をんな)
005二人『ヤア貴方(あなた)亀彦(かめひこ)さま』
006亀彦(かめひこ)『ヨウ、007二人(ふたり)(さま)008不思議(ふしぎ)(ところ)でお()(かか)りました』
009英子姫(ひでこひめ)亀彦(かめひこ)さま、010貴方(あなた)(なに)(あし)()つかけてゐらつしやるの』
011亀彦(かめひこ)『ヤア、012(なん)でも御座(ござ)らぬ、013(ふん)から()いた銀蠅(ぎんばへ)一匹(いつぴき)糞亀(くそがめ)一匹(いつぴき)014(あし)()ひつきました、015(どぢやう)(なま)でもあつたら(ひと)つやつて(くだ)さいナ、016アハヽヽヽ』
017二女(にぢよ)『ホヽヽヽ』
018(ぎん)019加米(かめ)『チエツ、020(ひと)馬鹿(ばか)にして()やがる、021(この)銀公司(ぎんこうつかさ)(つかま)へて銀蠅(ぎんばへ)だの、022加米(かめ)糞亀(くそがめ)だのと(むし)()(こと)()やがるワイ。023これや(かめ)(やつ)024(いま)に、025一寸(いつすん)(むし)でも五分(ごぶ)(たましひ)だ、026むしかへしをやつてやるから、027(その)覚悟(かくご)()たらよからうぞ』
028 亀彦(かめひこ)は、029(みぎ)(あし)中天(ちうてん)(むか)つてピンと(はね)途端(とたん)に、030銀公(ぎんこう)七八間(しちはちけん)プリンプリンプリンと中天(ちうてん)()(あが)り、031表門(おもてもん)自分(じぶん)(しつ)(まへ)行儀(ぎやうぎ)よく()ちたまま、032チヨコナンと(すわ)つて()る。033亀彦(かめひこ)(また)(ひだり)(あし)をピンと(はね)ると、034加米公(かめこう)中空(ちうくう)(まり)(ごと)()ひながら(ふたた)自分(じぶん)門番(もんばん)小屋(ごや)にチヨコナンと(すわ)つて()る。
035銀公(ぎんこう)『アヽヽヽ、036(さび)しい(こと)だ、037(えら)(やつ)()よつて、038(おれ)中天(ちうてん)()()げよつたと(おも)つたら、039()んだ(ゆめ)()()たのか、040それにしても怪体(けつたい)(ゆめ)()たもんだワイ』
041加米公(かめこう)『ヤヤ銀公(ぎんこう)042貴様(きさま)(ゆめ)()たのか、043(おれ)(その)(とほ)りだ。044(かめ)()(やつ)()よつて、045(おれ)(あし)(さき)中天(ちうてん)()りよつたと(おも)つたら、046(おれ)矢張(やつぱ)(ゆめ)だつた。047アヽコンナ(ゆめ)()るやうでは、048(ろく)(こと)はない(わい)049(ばく)()はせ(ばく)()はせ、050茫々(ばうばう)漠々(ばくばく)として(ゆめ)(ごと)しだアハヽヽ』
051 (この)(とき)門前(もんぜん)(こゑ)あつて、
052『モシモシ門番(もんばん)(さま)053(わたし)漂泊(さすらひ)(たび)(をんな)054何卒(どうぞ)慈悲(じひ)(この)(もん)(ひら)いて(くだ)さいませ。055悪神(わるがみ)取巻(とりま)かれ、056(いのち)からがら此処迄(ここまで)()げて(まゐ)りました』
057門番(銀公または加米公)『ヤア()()れぬ(をんな)(こゑ)
058()ひながら(もん)をサラリと(ひら)けば、059二人(ふたり)丁寧(ていねい)目礼(もくれい)しながら、060(おく)目蒐(めが)けて足早(あしばや)(すす)()く。
061銀公(ぎんこう)『オイ加米公(かめこう)062(ゆめ)()(とほ)りの二人(ふたり)美人(びじん)がやつて()よつた。063(ゆめ)()ふものは馬鹿(ばか)にならぬなア』
064加米公(かめこう)『ヨー(その)(ゆめ)なら(おれ)()たのだ。065(ゆめ)()美人(びじん)(ちつ)とも(ちが)はぬ瓜二(うりふた)つだ、066(しか)しながら、067()(ゆめ)(あた)るとすれば、068今度目(こんどめ)()()亀彦(かめひこ)()(つよ)(やつ)は、069それこそ大変(たいへん)だぞ、070(おと)なしく(した)()無事(ぶじ)(もん)(とほ)すに(かぎ)るぞ』
071銀公(ぎんこう)『オヽさうだ、072相手(あひて)にならぬやうに(おとな)しく()けてやらうかい』
073 ()かる(ところ)門前(もんぜん)(きこ)ゆる(をとこ)(こゑ)074(もん)をポンポンと(たた)いて、
075亀彦『モシモシ、076(わたくし)(たび)(をとこ)亀彦(かめひこ)(まを)します、077邪魔(じやま)()りませうが、078(この)(もん)()うか()けて(くだ)さいますまいか』
079加米公(かめこう)『それそれ(ゆめ)本当(ほんたう)になつて()たぞ、080加米(かめ)さんがよい相方(あひかた)だ』
081(また)もや(もん)をサラリと(ひら)き、
082加米公(かめこう)『これはこれはようこそお()(くだ)さいました。083サアずつと(おく)へお(とほ)(くだ)さい、084どうぞ中天(ちうてん)()()げる(こと)だけは、085オツト、086ドツコイこれは(ゆめ)御座(ござ)いました、087(はや)(おとな)しく(あば)れずにお(はい)りなさいませ』
088亀彦(かめひこ)(わたくし)(けつ)して乱暴(らんばう)(こと)(いた)しませぬ、089()安心(あんしん)(くだ)さいませ』
090(おく)目蒐(めが)けて悠々(いういう)(すす)()る。
091由良(ゆら)(みなと)人子(ひとご)(つかさ)
092秋山彦(あきやまひこ)門前(もんぜん)
093サツと(ひら)かせ()(きた)
094暗夜(やみよ)もはれて英子姫(ひでこひめ)
095四方(よも)景色(けしき)悦子姫(よしこひめ)
096小春(こはる)朝日(あさひ)()にうけて
097(ふゆ)(はじめ)()ひながら
098まだ(あたた)かき破風口(はふぐち)
099(ねこ)()()長閑(のどか)さよ
100夜昼(よるひる)不寝身(ねずみ)門番(もんばん)
101(しゆ)には(つく)忠勤振(ちうきんぶり)
102中門(なかもん)サラリと()()けて
103(なん)躊躇(ちうちよ)荒男(あらをとこ)
104門番役(もんばんやく)(おく)られて
105玄関口(げんくわんぐち)にさしかかり
106(たの)(たの)もと(おとな)へば
107あいと(こた)へて二人(ふたり)(をんな)
108(ふすま)()しあけ()(きた)
109アツと見合(みあは)(かほ)(かほ)
110オヽ亀彦(かめひこ)(ひめ)(さま)
111(おも)はぬ(ところ)()ひました
112魔神(まがみ)様子(やうす)如何(いか)にぞと
113()はむとせしが()(しば)
114(こころ)(ゆる)せぬ(この)(やかた)
115如何(いか)なる魔神(まがみ)(ひそ)むやら
116(ひま)()(こま)のいつしかに
117()れてはならぬ(かべ)(みみ)
118(ちち)便(たよ)りを菊月(きくづき)
119()(ぐわつ)八日(やうか)今朝(けさ)(あき)
120()()(もの)()はせつつ
121二人(ふたり)(をんな)静々(しづしづ)
122(おく)()さして()りにける
123(あと)にしよんぼり亀彦(かめひこ)
124両手(りやうて)()みて思案顔(しあんがほ)
125あゝ(いぶ)かしや(いぶ)かしや
126様子(やうす)ありげの(この)(やかた)
127英子(ひでこ)(ひめ)(おん)()つき
128只事(ただごと)ならぬ気配(けはい)なり
129()()()けて()()もか
130()()(しば)()(しば)
131大事(だいじ)(まへ)(いち)小事(せうじ)
132もしも仕損(しそん)じた(その)(とき)
133(なが)苦労(くらう)(みづ)(あわ)
134()はぬは()ふに(いや)まさる
135(ためし)数多(あまた)ある月日(つきひ)
136(しば)しは此処(ここ)(たたず)みて
137(いへ)内外(うちと)様子(やうす)をば
138(こと)(こま)やかに(さぐ)らむと
139直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
140(おも)(なほ)すぞ雄々(をを)しけれ。
141 玄関(げんくわん)(たたず)みし亀彦(かめひこ)は、142さし(のぼ)朝日(あさひ)(むか)つて合掌(がつしやう)し、143何事(なにごと)沁々(しみじみ)暗祈(あんき)黙祷(もくたう)(つづ)けて()る。144(この)(とき)玄関(げんくわん)(ふすま)(さつ)(ひら)いて(あら)はれ()でたる二人(ふたり)(むすめ)は、145亀彦(かめひこ)(むか)つて丁寧(ていねい)会釈(ゑしやく)し、
146二人の娘『これはこれは遠方(ゑんぱう)のお客様(きやくさま)147(おく)案内(あんない)(いた)しませう、148サアこうお()でなさいませ』
149廊下(らうか)()して、150ニコニコしながら(さき)()つて(すす)()る。
151 亀彦(かめひこ)は、
152亀彦『ヤア有難(ありがた)有難(ありがた)い、153(ひと)(ちが)へば門前(もんぜん)(ばら)ひの憂目(うきめ)()(ところ)だつた。154アヽ世間(せけん)(おに)はない、155此処(ここ)には(ひろ)いお(には)がある。156(おに)外々(そとそと)(ふく)(うち)157(いへ)様子(やうす)何処(どこ)となく物床(ものゆか)しげに、158一弦(いちげん)(こと)()さへも(きこ)えて()る。159あの(こゑ)(たしか)英子姫(ひでこひめ)()()すさび、160(この)(いへ)(おのづ)平和(へいわ)(かぜ)(ふく)(かみ)161上下(かみしも)(そろ)うて(むつ)まじく月日(つきひ)(おく)(その)様子(やうす)162もしや(この)(いへ)に、163()(した)(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)(かく)(いま)すには(あら)ざるか、164(かみ)ならぬ()(こころ)にも、165物穏(ものおだや)かな内外(うちと)空気(くうき)
166(ひと)()ちつつ(むすめ)(あと)(したが)ひて、167(なが)廊下(らうか)(つた)()く。
168 (この)()主人(しゆじん)()えて、169人品(じんぴん)骨柄(こつがら)(いや)しからぬ、170五十(ごじふ)前後(ぜんご)(をとこ)171服装(みなり)(ただ)しく衣紋(えもん)(つくろ)()(むか)へ、
172秋山彦『これはこれは(うはさ)()(およ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)亀彦(かめひこ)(さま)173よくも()らせられました。174(わたくし)(この)(さと)人子(ひとご)(つかさ)175秋山彦(あきやまひこ)(まを)すもの、176サアサア遠慮(ゑんりよ)なくズツと大奥(おほおく)へお(とほ)(くだ)さいませ、177()案内(あんない)(いた)しませう』
178(さき)()つて(すす)()く。179亀彦(かめひこ)不審(ふしん)(かうべ)(かたむ)けながら、180前後(ぜんご)左右(さいう)()(くば)り、181(こころ)(そそ)ぎ、
182亀彦『ヤア、183(いや)らしき(ほど)鄭重(ていちよう)なもてなしだ。184愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()ると()(おと)しにかけられて、185(しこ)(いはや)のやうに陥穽(おとしあな)にでも(おと)されるのではあるまいか。186否々(いないな)(ひと)(うたが)ふは(つみ)(もつと)(だい)なるもの、187(こころ)(くも)りあれば(ひと)(うたが)ふとやら、188アヽ(はづ)かしい、189(いま)(ふく)守護神(しゆごじん)(やつ)190身体(からだ)一部(いちぶ)割拠(かつきよ)して猜疑心(さいぎしん)()(はな)猛威(まうゐ)(たくま)しうせむと計画(けいくわく)して()るらしい、191(おそ)るべきは(こころ)(うち)(てき)だ』
192(おも)はず大声(おほごゑ)()した。
193 秋山彦(あきやまひこ)(この)(こゑ)()いて(あと)()(かへ)り、
194秋山彦『これはこれは亀彦(かめひこ)(さま)195貴方(あなた)(いま)(てき)だと(おほ)せられましたが、196(けつ)して(てき)では御座(ござ)いませぬ、197()心配(しんぱい)なくお(とほ)(くだ)さい』
198亀彦『イヤ(まこと)()みませぬ、199吾々(われわれ)心中(しんちゆう)(ひそ)副守(ふくしゆ)(やつ)(ささや)いたのです、200(こころ)(おに)()(せめ)るとやら、201いやもう(かみ)ならぬ()吾々(われわれ)人間(にんげん)は、202宣伝使(せんでんし)()立派(りつぱ)なレツテルは()つて()りますが、203(じつ)にお(はづ)かしい代物(しろもの)です』
204(あゆ)(あゆ)(かた)()る。
205秋山彦『サアこれが大奥(おほおく)()御座(ござ)います、206貴方(あなた)にお()はせ申度(まをした)(おん)(かた)御座(ござ)いますれば、207何卒(どうぞ)(はい)(くだ)さいませ』
208(こし)(かが)め、209(しと)やかに(ふすま)()しあけ案内(あんない)する。210亀彦(かめひこ)不審(ふしん)(くも)(つつ)まれながら(すす)()り、211上座(じやうざ)()れば、212こは如何(いか)に、213正面(しやうめん)高座(かうざ)には、214(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)215厳然(げんぜん)として(ひか)へさせたまひ、216(すこ)しく()がつて国武彦(くにたけひこ)217右側(みぎがは)には英子姫(ひでこひめ)218ズツと()がつて悦子姫(よしこひめ)219(この)()(つま)()えて四十(しじつ)(さい)(ばか)りの(うるは)しき(をんな)220行儀(ぎやうぎ)よく(ひか)()る。221亀彦(かめひこ)一目(ひとめ)()るより()(おどろ)き、
222亀彦『ヤア貴神(あなた)尊様(みことさま)
223一言(ひとこと)()つたきり(あと)(なみだ)にかき(くも)り、224(そで)(かほ)をば(おほ)ひつつ(しば)しが(あひだ)平伏(へいふく)沈黙(ちんもく)持続(ぢぞく)()たりける。225四十(しじふ)(ばか)りの(をんな)亀彦(かめひこ)(あたま)()ぐるを()ちかねたやうな調子(てうし)で、
226紅葉姫『これはこれは亀彦(かめひこ)(さま)とやら、227よく()(くだ)さいました。228(わらは)秋山彦(あきやまひこ)(つま)紅葉姫(もみぢひめ)(まを)(もの)229御存(ごぞん)じの(とほ)不便(ふべん)土地(とち)230(かま)ひも出来(でき)ませぬが、231どうぞ、232ゆるりと()逗留(とうりう)(くだ)さいませ』
233亀彦(かめひこ)『これはこれは(いた)()つたる()挨拶(あいさつ)234何分(なにぶん)宜敷(よろし)くお(ねが)(いた)します。235ヤア貴神(あなた)尊様(みことさま)御座(ござ)いましたか、236()うまア無事(ぶじ)()(くだ)さいました。237(うれ)しう(ぞん)じます』
238素尊(すそん)(その)(はう)亀彦(かめひこ)なりしか、239無事(ぶじ)()目出度(めでた)い。240英子姫(ひでこひめ)途中(とちう)(おい)いかい世話(せわ)になつたさうだナア』
241亀彦(かめひこ)『どう(いた)しまして』
242英子姫(ひでこひめ)亀彦(かめひこ)さま貴方(あなた)無事(ぶじ)でお目出度(めでた)う、243(わらは)(いま)今迄(いままで)(あん)(まをし)()りました、244安心(あんしん)安心(あんしん)
245(よろこ)(をり)しも、246門外(もんぐわい)(にはか)(さわ)がしく数多(あまた)人声(ひとごゑ)247秋山彦(あきやまひこ)(あはただ)しく()(きた)り、
248秋山彦『アヽ皆様(みなさま)249(しづ)かにして(くだ)さいませ、250(おもて)(わたくし)引受(ひきう)けます、251一寸(ちよつと)した(こと)(おこ)つて()ました』
252素尊(すそん)『アハヽヽヽ、253(その)(はう)()きに取計(とりはか)らへ』
254亀彦(かめひこ)秋山彦(あきやまひこ)殿(どの)255(こと)(おこ)つたとは鬼雲彦(おにくもひこ)襲来(しふらい)したのでせう、256何卒(どうぞ)(わたくし)()れて()つて(くだ)さい、257ヤア面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、258日頃(ひごろ)(きた)へし言霊(ことたま)(ちから)(ため)すは(いま)(この)(とき)
259(さき)()つて()かむとす。260国武彦(くにたけひこ)(はじ)めて(くち)(ひら)き、
261国武彦『ヤア亀彦(かめひこ)(しばら)()たれよ、262(みこと)()(ゆる)しあるまでは、263一寸(いつすん)(この)()(うご)(こと)(まか)りなりませぬぞ』
264 亀彦(かめひこ)(みぎ)()にて(あたま)()きながら、
265亀彦『ヘエヘエヘヽヽヽヘイ、266シシ仕方(しかた)がありませぬ、267ハイ、268()るは()るは(この)(うで)が、269ウンウンと()つて仕方(しかた)()いワイ』
270一同(いちどう)『アハヽヽヽ、271オホヽヽヽ』
272大正一一・四・五 旧三・九 加藤明子録)

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