霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 言霊(ことたま)停止(ていし)〔九一八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻 篇:第1篇 誠心誠意 よみ(新仮名遣い):せいしんせいい
章:第3章 言霊停止 よみ(新仮名遣い):ことたまていし 通し章番号:918
口述日:1922(大正11)年08月26日(旧07月4日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年11月10日
概要: 舞台:ウヅの館 あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
言依別命は、激しい喧嘩の後を見て取って、これはどうしたことかと高姫に尋ねるが、高姫はこれも全部、言依別命のせいだと悪態をつく。また春彦と言い合いになるが、やにわに高姫は泡を吹いてその場に倒れてしまった。
春彦はいい気味だと嘲るが、言依別命とカールに諭され促され、三人は禊をして高姫に鎮魂を施した。
高姫は目をさまし、三人は高姫に話しかけるが、高姫は一時的に言霊の使用を神様より許されておらず、身振り手振りで不満と反対をあらわしている。
言依別命は高姫が言霊を再び使用できるようにと神様に祈願したが、なにゆえか言霊の発射がうまくできなかった。しかたなく春彦に高姫の介抱を願いおき、自分の館をさして帰って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-07-08 17:50:09 文字数:1971 OBC :rm3303
愛善世界社版:30頁 八幡書店版:第6輯 267頁 修補版: 校定版:31頁 普及版:13頁 初版: ページ備考:
001 言依別(ことよりわけの)命(みこと)は此(この)灰(はひ)まぶれ騒動(さうだう)を一目(ひとめ)見(み)て、002顔(かほ)をしかめ乍(なが)ら、
003言依別命『モシ高姫(たかひめ)さま、004言依別(ことよりわけ)で御座(ござ)います。005コリヤまあ如何(どう)なさいました。006カールに春彦(はるひこ)、007お前(まへ)さまも灰(はひ)まぶれぢやないか』
008カール『ハイ、009さつぱり灰猫婆(はひねこばば)に灰(はひ)を吹(ふ)かれまして、010イヤもう此(この)通(とほ)り、011ハイ北(ぼく)ハイ陣(ぢん)の為体(ていたらく)で御座(ござ)います。012ハイもうさつぱり、013さハイが付(つ)きませぬワイ。014どうぞ御(ご)ハイ慮(りよ)下(くだ)さいませぬ様(やう)に、015ハイ願(ぐわん)致(いた)します』
016春彦(はるひこ)『紅塵(こうぢん)万丈(ばんぢやう)……でなくて、017薩張(さつぱり)ハイ塵万丈(ぢんばんぢやう)な目(め)にあひました。018ハイ神楽(かぐら)の舞(まひ)を一(ひと)つ舞(ま)うて見(み)ましたが、019何分(なにぶん)爺(おやぢ)になる役(やく)がハイカラですものだから、020薩張(さつぱり)采(さい)ハイをふり損(そこな)つて、021灰猫婆(はひねこば)アさまに咬(か)みつかれました』
022言依別(ことよりわけ)『何(なん)だか知(し)らぬが、023大変(たいへん)な喧嘩(けんくわ)をしたと見(み)えますな。024………高姫(たかひめ)さま、025コリヤ一体(いつたい)如何(どう)して斯(こ)んな事(こと)が突発(とつぱつ)したのですか、026何(なに)か深(ふか)い事情(じじやう)があるでせう。027お差支(さしつかへ)なくば其(その)理由(りいう)を拝聴(はいちやう)したいものですな』
028高姫(たかひめ)『あのマア言(こと)さまの白々(しらじら)しい事(こと)ワイの。029甘(うま)く両人(りやうにん)に言(い)ひ含(ふく)ませ、030此(この)婆(ばば)アをこんな目(め)にあはしておいて、031ヘン、032そんな計略(けいりやく)は最早(もはや)駄目(だめ)ですよ。033良(い)い加減(かげん)にお前(まへ)も改心(かいしん)をなさいませ。034ドハイカラ奴(め)が……』
035言依別(ことよりわけ)『コレハ コレハ、036思(おも)ひがけなき高姫(たかひめ)様(さま)のお言葉(ことば)……』
037高姫(たかひめ)『思(おも)ひがけないでせう、038それだけ死際(しにぎは)の悪(わる)い高姫(たかひめ)とは、039いかなお前(まへ)でも思(おも)ひがけなかつたでせう、040ホツホヽヽヽ。041憎(にく)まれ子(ご)世(よ)に覇張(はば)る……とか申(まを)しましてな、042折角(せつかく)国依別(くによりわけ)が甘(うま)くドハイカラの言(こと)さまに取込(とりこ)み、043今晩(こんばん)は男蝶(をてふ)女蝶(めてふ)の花(はな)の盃(さかづき)酌(つぎ)かはす段取(だんどり)まで、044やうやう漕(こ)ぎつけた所(ところ)、045諸行(しよぎやう)無常(むじやう)の世(よ)の中(なか)、046月(つき)に叢雲(むらくも)、047花(はな)に嵐(あらし)の高姫(たかひめ)婆風(ばばかぜ)が、048情(つれ)なくも吹(ふ)きすさみ、049半開(はんかい)の莟(つぼみ)を散(ち)らさうとする。050其(その)防禦網(ぼうぎよあみ)を……否(いな)網(あみ)所(どころ)か、051妨害(ばうがい)を根絶(こんぜつ)せむと甘(うま)く企(たく)んだお前(まへ)達(たち)のお手際(てぎは)、052実(じつ)に見上(みあ)げたもので御座(ござ)いますワイ。053オツホヽヽヽ。054何程(なにほど)琉(りう)の玉(たま)や球(きう)の玉(たま)を手(て)に入(い)れたと云(い)つて、055琉球(りうきう)相(さう)にして居(を)つても、056肝腎(かんじん)の身魂(みたま)が曇(くも)り切(き)り、057灰泥(はひどろ)の様(やう)になつて居(を)つては、058玉(たま)の効用(かうよう)はサツパリ玉(たま)無(な)しですよ』
059春彦(はるひこ)『コラ灰猫婆(はひねこばば)ア! 貴様(きさま)は比喩方(たとへかた)のない悪垂婆(あくたればば)アだ。060改心(かいしん)をしたり、061慢心(まんしん)をしたり、062モウ是(これ)から先(さき)は何(なに)をするのだ。063疑心(ぎしん)暗鬼(あんき)の張本人(ちやうほんにん)奴(め)が』
064高姫(たかひめ)『改心(かいしん)慢心(まんしん)の後(あと)は感心(かんしん)だよ。065お前(まへ)達(たち)のどこ迄(まで)も執念深(しふねんぶか)い計略(けいりやく)には此(この)高姫(たかひめ)も実(じつ)に感心(かんしん)……否(いな)寒心(かんしん)せざるを得(え)ませぬワイ。066オツホヽヽヽ』
067と云(い)つた限(き)り『ウーン』と反(そ)り返(かへ)り、068癲癇(てんかん)の様(やう)に口(くち)から泡(あわ)を吹(ふ)き、069手足(てあし)をピリピリと震(ふる)はせて、070其(その)場(ば)にふん伸(の)びて了(しま)つた。
071春彦(はるひこ)『余(あま)り逆理屈(さかりくつ)ばかりを云(い)ふものだから、072神(かみ)様(さま)の神罰(しんばつ)が当(あた)つて、073此(この)通(とほ)りふん伸(の)びて了(しま)つたのだ。074……なあカール、075善(ぜん)と悪(あく)とを立別(たてわ)ける神(かみ)は、076此(この)世(よ)に確(たしか)に居(を)られますねえ』
077言依別(ことよりわけ)『オイお前(まへ)達(たち)、078そんな事(こと)言(い)つてゐる時(とき)ぢやない。079早(はや)く灰(はひ)を掃除(さうぢ)して、080顔(かほ)を洗(あら)ひ、081手(て)を清(きよ)め、082高姫(たかひめ)さまの御(ご)恢復(くわいふく)を祈(いの)らなならないぢやないか』
083春彦(はるひこ)『言依別(ことよりわけ)様(さま)、084こんな婆(ばば)アは懲戒(みせしめ)の為(ため)に、085斯(か)うやつて冷(つめ)たくなる所(ところ)まで放(はう)つといてやつたら如何(どう)でせう。086実(じつ)に怪(け)しからぬ奴(やつ)ですから、087又(また)呼(よ)び生(い)かしてやらうものなら、088それこそ反対(はんたい)に団子(だんご)理屈(りくつ)を捏(こ)ね、089殺人(さつじん)未遂犯(みすゐはん)で告訴(こくそ)するの何(なん)のと、090命(いのち)助(たす)けて貰(もら)うた恩人(おんじん)に向(むか)つて、091仇(あだ)を返(かへ)すのですから、092幸(さいは)ひ、093自分(じぶん)が勝手(かつて)に死(し)んだのですから、094こんな厄介者(やつかいもの)はモウ放(はう)つといたらどうでせうなア。095カールに対(たい)しても、096実(じつ)に私(わたくし)としては助(たす)けてやつて呉(く)れとは申(まを)されませぬワイ』
097カール『そんな御(お)気遣(きづか)ひは要(い)りませぬ。098サア早(はや)く御(ご)病気(びやうき)全快(ぜんくわい)の御(ご)祈念(きねん)を致(いた)しませう』
099と門先(かどさき)を流(なが)れる小川(をがは)に飛込(とびこ)み、100身(み)をきよめ、101一生(いつしやう)懸命(けんめい)に病気(びやうき)恢復(くわいふく)の祈願(きぐわん)をこめ始(はじ)めた。
102 言依別(ことよりわけの)命(みこと)は天(あま)の数歌(かずうた)を歌(うた)ひ上(あ)げ、103反魂(はんこん)の神術(かむわざ)を修(しう)して居(を)る。104春彦(はるひこ)も止(や)むを得(え)ず、105身(み)を清(きよ)め一生(いつしやう)懸命(けんめい)に祈願(きぐわん)をこめた。106漸(やうや)くにして高姫(たかひめ)は息(いき)吹(ふ)き返(かへ)し、107目(め)をキヨロつかせ乍(なが)ら、108三(さん)人(にん)の姿(すがた)をマンジリともせずに打眺(うちなが)めてゐる。
109言依別(ことよりわけ)『高姫(たかひめ)様(さま)、110お気(き)がつきましたか、111大変(たいへん)に心配(しんぱい)を致(いた)しましたよ』
112 高姫(たかひめ)は耳(みみ)は聞(きこ)えるが、113まだ言霊(ことたま)の応用(おうよう)を許(ゆる)されてゐなかつた。114蚕(かひこ)の蛹(さなぎ)か芋虫(いもむし)のやうに面(つら)をふくらし、115プリンと体(からだ)を振(ふ)つて、116背中(せなか)を向(む)けて、117……甘(うま)い事(こと)を言(い)うて呉(く)れな。118そんな上手(じやうず)追従(つゐしやう)は喰(く)ひませぬぞ……といふ意思(いし)を表示(へうじ)して居(ゐ)る。119春彦(はるひこ)は又(また)もや高姫(たかひめ)の前(まへ)にまはり、
120春彦(はるひこ)『高姫(たかひめ)さま、121御(ご)気分(きぶん)は如何(いかが)ですかな』
122と尋(たづ)ぬれば、123又(また)もプリンと背中(せなか)を向(む)ける。124カールも亦(また)前(まへ)に寄(よ)つて、
125カール『高姫(たかひめ)さま、126良(よ)い加減(かげん)に疑(うたがひ)を晴(は)らし、127御(ご)機嫌(きげん)を直(なほ)されては如何(いかが)ですか、128余(あま)り執拗(しつこう)過(す)ぎるぢやありませぬか』
129と顔(かほ)を覗(のぞ)けば、130又(また)もやプリンと背中(せなか)を向(む)ける。131三(さん)人(にん)の挨拶(あいさつ)を一人(ひとり)々々(ひとり)、132弓張(ゆみはり)はぢきでもする様(やう)に彼方(あちら)へ向(む)き此方(こちら)へ向(む)き、133恰度(ちやうど)、134操(あやつ)り人形(にんぎやう)の様(やう)に同(おな)じ所(ところ)に尻(しり)を卸(おろ)した儘(まま)、135右(みぎ)に左(ひだり)に回転(くわいてん)して居(ゐ)る。
136 言依別(ことよりわけの)命(みこと)は言霊(ことたま)の使用(しよう)を神(かみ)様(さま)より止(と)められて居(ゐ)る事(こと)を悟(さと)り、137又(また)もや天(あま)の数歌(かずうた)を歌(うた)つて、138言語(げんご)の自由(じいう)に発(はつ)し得(う)る様(やう)と祈願(きぐわん)をこめた。139されど何故(なにゆゑ)か容易(ようい)に言霊(ことたま)を発射(はつしや)することが出来(でき)なかつた。140言依別(ことよりわけ)はカールを従(したが)へ、141目礼(もくれい)し乍(なが)ら、142春彦(はるひこ)に介抱(かいほう)を命(めい)じ置(お)き館(やかた)を指(さ)して帰(かへ)り行(ゆ)く。
143(大正一一・八・二六 旧七・四 松村真澄録)
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