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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第33巻(申の巻)
序歌
瑞祥
第1篇 誠心誠意
第1章 高論濁拙
第2章 灰猫婆
第3章 言霊停止
第4章 楽茶苦
第2篇 鶴亀躍動
第5章 神寿言
第6章 皮肉歌
第7章 心の色
第8章 春駒
第9章 言霊結
第10章 神歌
第11章 波静
第12章 袂別
第3篇 時節到来
第13章 帰途
第14章 魂の洗濯
第15章 婆論議
第16章 暗夜の歌
第17章 感謝の涙
第18章 神風清
第4篇 理智と愛情
第19章 報告祭
第20章 昔語
第21章 峯の雲
第22章 高宮姫
第23章 鉄鎚
第24章 春秋
第25章 琉の玉
第26章 若の浦
伊豆温泉旅行につき訪問者人名詠込歌
附記 湯ケ島所感
余白歌
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霊界物語
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海洋万里(第25~36巻)
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第33巻(申の巻)
> 第3篇 時節到来 > 第14章 魂の洗濯
<<< 帰途
(B)
(N)
婆論議 >>>
第一四章
魂
(
たま
)
の
洗濯
(
せんたく
)
〔九二九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻
篇:
第3篇 時節到来
よみ(新仮名遣い):
じせつとうらい
章:
第14章 魂の洗濯
よみ(新仮名遣い):
たまのせんたく
通し章番号:
929
口述日:
1922(大正11)年08月28日(旧07月6日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年11月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
テーリスタンは、カール並みに滑稽な歌を歌いながら坂道を下り、一行は腹をかかえて笑いながら下って行った。
一行は乾の滝に着いた。見れば男が一人、禊を修しているのが見えた。高姫はまっさきに滝壺めがけて飛び込んだが、それきり見えなくなってしまった。竜国別たちはあわてて滝壺を捜索したが、高姫は見つからなかった。
滝で禊をしていた男は、鷹依姫の前に来ると挨拶をなした。鷹依姫は男に、一行の一人が滝壺で姿が見えなくなり、探しているところだと窮状を訴えた。
男は高島丸の船長をしていたタルチールだと名乗った。そして、高姫は神様に祈願もせずに真っ先に滝壺に飛び込んでしまったため、神様に修行をさせられているが、命に別状はないだろうと答えた。
やがて、滝壺の捜索から上がってきた常彦は、タルチールを見知っていて、高島丸での道中を思い起こしてしばらく話にふけっていた。
そのうちに、高姫が茂みの中から美しい女二人に手を引かれて姿を現した。高姫は心配をかけたお詫びを述べると、滝壺の中で真っ赤な者が自分の足を加えて引っ張って行き、浅い池に導かれ、その池の岩島から二人の女が現れて自分を導いてくれたのだ、と語った。
女は比沼の真奈井の宝座に仕えていた清子姫、もう一人は妹の照子姫であると語った。二人は琉球の近海で言依別命から高姫や鷹依姫一行の玉探しのことを聞かされ、常世の国の宣伝を命じられた後、この場所で一行が来るのを待っていたのだと語った。
そして、自分たちも修した、結構な乾の滝の水くぐりの修行ができた高姫は、もう大丈夫だと太鼓判を押した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
乾の瀑布(乾の滝)
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-08-24 19:54:34
OBC :
rm3314
愛善世界社版:
152頁
八幡書店版:
第6輯 307頁
修補版:
校定版:
159頁
普及版:
56頁
初版:
ページ備考:
001
テーリスタンは
坂
(
さか
)
を
降
(
くだ
)
りつつカールもどきに
歌
(
うた
)
を
唄
(
うた
)
ひ、
002
足拍子
(
あしびやうし
)
を
取
(
と
)
り
乍
(
なが
)
ら
下
(
くだ
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
003
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
腹
(
はら
)
を
抱
(
かか
)
へ、
004
笑
(
わら
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
005
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
趾
(
ゆび
)
の
先
(
さき
)
に
力
(
ちから
)
を
入
(
い
)
れて、
006
覚束
(
おぼつか
)
なげに
杖
(
つゑ
)
を
力
(
ちから
)
に
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
007
テーリスタン
『テル
山峠
(
やまたうげ
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
は
008
今
(
いま
)
を
去
(
さ
)
ること
一昔
(
ひとむかし
)
009
昔
(
むかし
)
と
云
(
い
)
つても
三十年
(
みそとせ
)
だ
010
正鹿
(
まさか
)
山津見
(
やまづみ
)
神
(
かみ
)
さまが
011
五月
(
さつき
)
の
姫
(
ひめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
012
ウヅの
館
(
やかた
)
にましまして
013
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
き
民
(
たみ
)
を
撫
(
な
)
で
014
三五教
(
あななひけう
)
の
御御
(
みをしへ
)
を
015
アルゼンチンの
空
(
そら
)
高
(
たか
)
く
016
照
(
てら
)
し
玉
(
たま
)
ひしウヅ
都
(
みやこ
)
017
後
(
あと
)
に
眺
(
なが
)
めて
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
018
松竹梅
(
まつたけうめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
019
此
(
この
)
頂上
(
ちやうじやう
)
に
登
(
のぼ
)
り
詰
(
つ
)
め
020
名残
(
なごり
)
を
惜
(
をし
)
み
蚊々虎
(
かがとら
)
の
021
神
(
かみ
)
の
化身
(
けしん
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
022
歌
(
うた
)
ひ
玉
(
たま
)
ひし
旧跡地
(
きうせきち
)
023
高姫
(
たかひめ
)
さまが
言霊
(
ことたま
)
を
024
ウヅの
館
(
やかた
)
に
差向
(
さしむ
)
けて
025
法界
(
ほふかい
)
悋気
(
りんき
)
の
物凄
(
ものすご
)
さ
026
側
(
そば
)
に
聞
(
き
)
いてるテーリスタン
027
実
(
まこと
)
に
情
(
なさ
)
けなくなつた
028
雀
(
すずめ
)
百
(
ひやく
)
まで
牡鳥
(
おんどり
)
を
029
忘
(
わす
)
れないとは
能
(
よ
)
く
言
(
い
)
うた
030
高姫
(
たかひめ
)
さまも
是
(
これ
)
からは
031
心
(
こころ
)
が
和
(
やは
)
らぎ
来
(
き
)
たならば
032
物
(
もの
)
の
憐
(
あは
)
れも
知
(
し
)
るであろ
033
固
(
かた
)
い
計
(
ばか
)
りが
能
(
のう
)
でない
034
オツトドツコイ
危
(
あぶ
)
ないぞ
035
うつかりしてると
石車
(
いしぐるま
)
036
乗
(
の
)
つて
転
(
こ
)
けては
堪
(
たま
)
らない
037
玉
(
たま
)
ぢや
玉
(
たま
)
ぢやと
喧
(
やか
)
ましく
038
騒
(
さわ
)
いでゐたが
此
(
この
)
道
(
みち
)
に
039
沢山
(
たくさん
)
転
(
ころ
)
げた
石玉
(
いしだま
)
を
040
持
(
も
)
つて
御
(
お
)
帰
(
かへ
)
り
遊
(
あそ
)
ばして
041
黒姫
(
くろひめ
)
さまに
見
(
み
)
せたなら
042
喜
(
よろこ
)
び
飛
(
と
)
びつきしがみつき
043
固
(
かた
)
く
喜
(
よろこ
)
びなさるだろ
044
ウントコドツコイ ドツコイシヨ
045
高姫
(
たかひめ
)
さまよ
如何
(
どう
)
なさる
046
石
(
いし
)
でもヤツパリ
丸
(
まる
)
ければ
047
玉
(
たま
)
に
能
(
よ
)
う
似
(
に
)
て
居
(
を
)
りまする
048
国依別
(
くによりわけ
)
が
釣
(
つ
)
り
上
(
あ
)
げた
049
お
前
(
まへ
)
は
魚
(
さかな
)
を
頂
(
いただ
)
いて
050
怒
(
おこ
)
つたことがあるさうな
051
ウントコドツコイ コレワイシヨ
052
グヅグヅしてると
転
(
ころ
)
げるぞ
053
国依別
(
くによりわけ
)
や
末子姫
(
すゑこひめ
)
054
二人
(
ふたり
)
のお
方
(
かた
)
も
今頃
(
いまごろ
)
は
055
スツカリ
転
(
ころ
)
んで
御座
(
ござ
)
るだろ
056
同
(
おな
)
じ
転
(
ころ
)
ぶにしたとこが
057
ここで
転
(
ころ
)
ぶはたまらない
058
是
(
これ
)
から
少
(
すこ
)
し
下
(
くだ
)
つたら
059
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
が
石熊
(
いしくま
)
を
060
お
助
(
たす
)
けなさつた
滝
(
たき
)
がある
061
皆
(
みな
)
さま
寄
(
よ
)
つて
行
(
ゆ
)
きませうか
062
高砂島
(
たかさごじま
)
を
去
(
さ
)
るにつけ
063
汗
(
あせ
)
をば
流
(
なが
)
し
垢
(
あか
)
を
取
(
と
)
り
064
身魂
(
みたま
)
を
浄
(
きよ
)
めてスクスクと
065
大海原
(
おほうなばら
)
を
打渡
(
うちわた
)
り
066
いよいよ
目出
(
めで
)
たく
自凝
(
おのころ
)
の
067
神
(
かみ
)
のまします
真秀良場
(
まほらば
)
へ
068
帰
(
かへ
)
ると
思
(
おも
)
へば
有難
(
ありがた
)
い
069
ドツコイシヨ、ドツコイシヨ
070
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
071
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
072
国依別
(
くによりわけ
)
の
神
(
かみ
)
さまは
073
善
(
ぜん
)
の
酬
(
むく
)
いが
廻
(
めぐ
)
り
来
(
き
)
て
074
珍
(
うづ
)
の
司
(
つかさ
)
とならしやつた
075
私
(
わたし
)
は
身魂
(
みたま
)
が
悪
(
わる
)
いので
076
高姫
(
たかひめ
)
さまと
同
(
おな
)
じよに
077
折角
(
せつかく
)
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
此
(
この
)
島
(
しま
)
で
078
一
(
ひと
)
つの
玉
(
たま
)
をも
能
(
よ
)
う
取
(
と
)
らず
079
やみやみ
帰
(
かへ
)
るか
情
(
なさ
)
けない
080
何
(
なん
)
の
因果
(
いんぐわ
)
で
此
(
この
)
様
(
やう
)
に
081
拍子
(
ひやうし
)
の
悪
(
わる
)
い
身魂
(
みたま
)
だろ
082
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
083
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ
084
ウントコドツコイ ドツコイシヨ
085
皆
(
みな
)
さま
気
(
き
)
をつけ
危
(
あぶ
)
ないぞ
086
それ
又
(
また
)
そこに
石
(
いし
)
ころだ
087
辷
(
すべ
)
つて
転
(
ころ
)
んで
泡
(
あわ
)
吹
(
ふ
)
いて
088
高姫
(
たかひめ
)
さまの
御
(
ご
)
厄介
(
やくかい
)
089
ならない
様
(
やう
)
にしておくれ
090
テーリスタンが
心
(
こころ
)
から
091
気
(
き
)
をつけますぞや
皆
(
みな
)
の
人
(
ひと
)
092
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
093
とは
云
(
い
)
ふものの
今
(
いま
)
の
人
(
ひと
)
094
何
(
いづ
)
れも
神
(
かみ
)
の
仇
(
あだ
)
となり
095
悪魔
(
あくま
)
の
宮
(
みや
)
となつてゐる
096
乾
(
いぬゐ
)
の
滝
(
たき
)
に
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ちて
097
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
め
身
(
み
)
を
浄
(
きよ
)
め
098
ついた
曲津
(
まがつ
)
を
放
(
はう
)
り
出
(
だ
)
して
099
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
となり
100
神
(
かみ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
となりませう
101
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
102
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎまつる』
103
高姫
(
たかひめ
)
一行
(
いつかう
)
はテル
山峠
(
やまたうげ
)
を
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へと
下
(
くだ
)
りつつ、
104
瀑布
(
ばくふ
)
の
音
(
おと
)
凄
(
すさま
)
じく
聞
(
きこ
)
えたるテル
山峠
(
やまたうげ
)
の
中腹
(
ちうふく
)
に
下
(
くだ
)
り
着
(
つ
)
いた。
105
これより
高姫
(
たかひめ
)
一行
(
いつかう
)
は
乾
(
いぬゐ
)
の
瀑布
(
ばくふ
)
をさして、
106
御禊
(
みそぎ
)
を
修
(
しう
)
すべく、
107
音
(
おと
)
を
尋
(
たづ
)
ねて
探
(
さぐ
)
り
寄
(
よ
)
つた。
108
相当
(
さうたう
)
に
幅
(
はば
)
の
広
(
ひろ
)
い
高
(
たか
)
い
瀑布
(
ばくふ
)
である。
109
此処
(
ここ
)
はバラモン
教
(
けう
)
の
神司
(
かむつかさ
)
石熊
(
いしくま
)
が
水垢離
(
みづごり
)
を
取
(
と
)
つてゐる
際
(
さい
)
、
110
大蛇
(
をろち
)
に
魅
(
み
)
せられて
九死
(
きうし
)
一生
(
いつしやう
)
の
破目
(
はめ
)
に
陥
(
おちい
)
りたる
折
(
をり
)
、
111
末子姫
(
すゑこひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
に
救
(
すく
)
はれた
有名
(
いうめい
)
な
瀑布
(
ばくふ
)
である。
112
近
(
ちか
)
づき
見
(
み
)
れば
大
(
だい
)
の
男
(
をとこ
)
が
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
、
113
一心
(
いつしん
)
不乱
(
ふらん
)
に
滝
(
たき
)
にかかつてゐる。
114
高姫
(
たかひめ
)
は
委細
(
ゐさい
)
構
(
かま
)
はず、
115
薄衣
(
うすぎぬ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎすて、
116
滝壺
(
たきつぼ
)
目
(
め
)
がけてザンブと
許
(
ばか
)
り
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
みしが、
117
如何
(
いかが
)
はしけむ、
118
高姫
(
たかひめ
)
の
姿
(
すがた
)
はそれ
切
(
き
)
り、
119
何
(
なに
)
も
見
(
み
)
えなくなつて
了
(
しま
)
つた。
120
竜国別
(
たつくにわけ
)
、
121
テー、
122
カー、
123
常彦
(
つねひこ
)
の
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
慌
(
あわ
)
ただしく、
124
赤裸
(
まつぱだか
)
となつて、
125
滝壺
(
たきつぼ
)
に
探
(
さぐ
)
り
探
(
さぐ
)
り
這入
(
はい
)
つて、
126
高姫
(
たかひめ
)
の
肉体
(
にくたい
)
の
若
(
も
)
しや
水底
(
みなそこ
)
に
沈
(
しづ
)
み
居
(
を
)
らざるかと、
127
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
捜索
(
そうさく
)
し
始
(
はじ
)
めた。
128
されど
如何
(
どう
)
しても
所在
(
ありか
)
が
分
(
わか
)
らぬ。
129
何
(
いづ
)
れも
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
れて、
130
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
高姫
(
たかひめ
)
の
肉体
(
にくたい
)
の
浮
(
う
)
き
上
(
あが
)
ることを
祈願
(
きぐわん
)
するのであつた。
131
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
は
悠々
(
いういう
)
として
水垢離
(
みづごうり
)
を
終
(
をは
)
り、
132
タオルにて
体
(
からだ
)
を
拭
(
ふ
)
き
乍
(
なが
)
ら、
133
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
の
前
(
まへ
)
に
来
(
きた
)
り、
134
男
(
をとこ
)
『
随分
(
ずゐぶん
)
暑
(
あつ
)
いことで
御座
(
ござ
)
いますな。
135
貴方
(
あなた
)
も
一
(
ひと
)
つ
滝
(
たき
)
におかかりになつては
如何
(
いかが
)
ですか。
136
随分
(
ずゐぶん
)
涼
(
すず
)
しい
滝
(
たき
)
で、
137
身魂
(
みたま
)
の
垢
(
あか
)
がスツカリと
除
(
と
)
れた
様
(
やう
)
な
気分
(
きぶん
)
が
致
(
いた
)
しますよ』
138
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
『ハイ
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
139
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
只
(
ただ
)
今
(
いま
)
私
(
わたくし
)
の
同行者
(
どうかうしや
)
の
一人
(
ひとり
)
なる
高姫
(
たかひめ
)
さまと
云
(
い
)
ふ
方
(
かた
)
が、
140
滝壺
(
たきつぼ
)
へ
飛込
(
とびこ
)
み、
141
其
(
その
)
儘
(
まま
)
お
姿
(
すがた
)
がなくなつて
了
(
しま
)
ひましたので……アレあの
通
(
とほ
)
り、
142
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
が
赤裸
(
まつぱだか
)
になり、
143
水底
(
みなそこ
)
を
探
(
さぐ
)
つて
居
(
を
)
ります。
144
どうで
御座
(
ござ
)
いませうか、
145
此
(
この
)
滝壺
(
たきつぼ
)
はそれ
程
(
ほど
)
深
(
ふか
)
いので
御座
(
ござ
)
いませうか』
146
男
(
をとこ
)
『
別
(
べつ
)
に
大
(
たい
)
した
深
(
ふか
)
い
滝壺
(
たきつぼ
)
では
御座
(
ござ
)
いませぬが、
147
私
(
わたくし
)
が
最前
(
さいぜん
)
滝
(
たき
)
にかかつて
居
(
を
)
ります
際
(
さい
)
、
148
高姫
(
たかひめ
)
さまは
衣類
(
いるゐ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎすて、
149
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
にお
願
(
ねがひ
)
もせず、
150
先頭一
(
せんとういち
)
に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
みました。
151
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
生命
(
いのち
)
に
別状
(
べつじやう
)
はありますまい。
152
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
から
御禊
(
みそぎ
)
の
行
(
ぎやう
)
をさせられて
居
(
を
)
られるのでせう』
153
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
『それぢやと
申
(
まを
)
して、
154
モウ
大分
(
だいぶん
)
にタイムが
経
(
た
)
ちます。
155
人間
(
にんげん
)
の
肉体
(
にくたい
)
を
以
(
もつ
)
てさう
永
(
なが
)
らく
水中
(
すゐちう
)
に
生
(
いき
)
て
居
(
を
)
られる
筈
(
はず
)
が
御座
(
ござ
)
いませぬ。
156
如何
(
どう
)
したら
助
(
たす
)
かりませうかなア』
157
男
(
をとこ
)
『
私
(
わたくし
)
は
高島丸
(
たかしままる
)
の
船長
(
せんちやう
)
をやつて
居
(
を
)
つた、
158
タルチールと
云
(
い
)
ふ
者
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
いますが、
159
随分
(
ずゐぶん
)
高姫
(
たかひめ
)
と
云
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
は
我慢
(
がまん
)
の
強
(
つよ
)
い
方
(
かた
)
ですから、
160
此
(
この
)
高砂島
(
たかさごじま
)
を
離
(
はな
)
れるに
際
(
さい
)
し、
161
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
修祓
(
しうばつ
)
を
受
(
う
)
けて
居
(
ゐ
)
るのでせう。
162
マア
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
なされますな』
163
と
平気
(
へいき
)
な
顔
(
かほ
)
にて
笑
(
わら
)
つてゐる。
164
竜国別
(
たつくにわけ
)
外
(
ほか
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
滝壺
(
たきつぼ
)
を
隈
(
くま
)
なく
捜
(
さが
)
し、
165
どうしても
高姫
(
たかひめ
)
の
姿
(
すがた
)
の
見
(
み
)
えざるに
絶望
(
ぜつばう
)
の
声
(
こゑ
)
を
放
(
はな
)
ち
乍
(
なが
)
ら、
166
二人
(
ふたり
)
の
前
(
まへ
)
に
赤裸
(
まつぱだか
)
の
儘
(
まま
)
、
167
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
り、
168
竜国別
(
たつくにわけ
)
『お
母
(
か
)
アさま、
169
如何
(
どう
)
しても
駄目
(
だめ
)
ですワ。
170
仮令
(
たとへ
)
肉体
(
にくたい
)
が
現
(
あら
)
はれた
所
(
ところ
)
で、
171
最早
(
もはや
)
縡切
(
ことき
)
れて
了
(
しま
)
つてゐるに
違
(
ちが
)
ひありませぬ。
172
困
(
こま
)
つたことが
出来
(
でき
)
ましたなあ』
173
と
思案顔
(
しあんがほ
)
にうなだれる。
174
タルチール『あなたは
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
竜国別
(
たつくにわけ
)
さまで
御座
(
ござ
)
いましたか』
175
竜国別
(
たつくにわけ
)
『ヤア
貴方
(
あなた
)
は
何処
(
いづこ
)
のお
方
(
かた
)
か
存
(
ぞん
)
じませぬが、
176
余
(
あま
)
りあわてまして、
177
此処
(
ここ
)
にお
居
(
ゐ
)
でになるのも
気
(
き
)
が
着
(
つ
)
かず、
178
失礼
(
しつれい
)
致
(
いた
)
しました。
179
どうでせう、
180
高姫
(
たかひめ
)
さまはモウ
駄目
(
だめ
)
でせうかなあ』
181
タルチール『マア
気
(
き
)
を
落
(
おち
)
つけなさい。
182
何事
(
なにごと
)
も
惟神
(
かむながら
)
に
任
(
まか
)
すより
仕方
(
しかた
)
がありませぬ。
183
高姫
(
たかひめ
)
さまは
随分
(
ずゐぶん
)
我
(
が
)
の
強
(
つよ
)
い
人
(
ひと
)
ですから、
184
こんな
事
(
こと
)
がなくては
本当
(
ほんたう
)
の
身魂研
(
みたまみが
)
きは
出来
(
でき
)
ませぬからなア』
185
常彦
(
つねひこ
)
『
貴方
(
あなた
)
は
高島丸
(
たかしままる
)
の
船長
(
せんちやう
)
タルチールさまでは
御座
(
ござ
)
いませぬか。
186
私
(
わたくし
)
は
常彦
(
つねひこ
)
と
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
、
187
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りでお
目
(
め
)
にかかります』
188
竜国別
(
たつくにわけ
)
『
常彦
(
つねひこ
)
さま、
189
此
(
この
)
方
(
かた
)
を
如何
(
どう
)
して
知
(
し
)
つてゐるのだ』
190
常彦
(
つねひこ
)
『
高姫
(
たかひめ
)
さまと
春彦
(
はるひこ
)
と
吾々
(
われわれ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
高砂島
(
たかさごじま
)
へ
小舟
(
こぶね
)
に
乗
(
の
)
つて
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る
途中
(
とちう
)
、
191
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さつた
御
(
お
)
方
(
かた
)
です』
192
竜国別
(
たつくにわけ
)
『
珍
(
めづ
)
らしい
所
(
ところ
)
でお
目
(
め
)
にかかりました。
193
何
(
なに
)
かの
御縁
(
ごえん
)
で
御座
(
ござ
)
いませう。
194
さうして
又
(
また
)
貴方
(
あなた
)
は
斯様
(
かやう
)
な
所
(
ところ
)
へお
越
(
こ
)
しになつたのは、
195
何
(
なに
)
か
深
(
ふか
)
い
訳
(
わけ
)
があるのでは
御座
(
ござ
)
いませぬか』
196
タルチール『
私
(
わたくし
)
は
高島丸
(
たかしままる
)
の
船中
(
せんちう
)
に
於
(
おい
)
て、
197
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
、
198
国依別
(
くによりわけ
)
様
(
さま
)
より
三五教
(
あななひけう
)
の
教理
(
けうり
)
を
聞
(
き
)
かして
頂
(
いただ
)
き、
199
直
(
ただ
)
ちに
入信
(
にふしん
)
致
(
いた
)
しまして、
200
船長
(
せんちやう
)
を
伜
(
せがれ
)
のテルチルに
譲
(
ゆづ
)
り、
201
私
(
わたくし
)
は
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
、
202
国依別
(
くによりわけ
)
様
(
さま
)
に
従
(
したが
)
ひ、
203
ハラの
港
(
みなと
)
へ
上陸
(
じやうりく
)
し、
204
言依別
(
ことよりわけ
)
様
(
さま
)
の
命令
(
めいれい
)
に
依
(
よ
)
つて、
205
テルの
国
(
くに
)
の
宣伝
(
せんでん
)
を
言
(
い
)
ひ
付
(
つ
)
けられ、
206
此
(
こ
)
の
乾
(
いぬゐ
)
の
滝
(
たき
)
に
時々
(
ときどき
)
身魂研
(
みたまみが
)
きに
参
(
まゐ
)
つて
居
(
を
)
りました。
207
今日
(
けふ
)
は
端
(
はし
)
なくも
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
にお
出会
(
であ
)
ひ
申
(
まを
)
し、
208
実
(
じつ
)
に
愉快
(
ゆくわい
)
な
気分
(
きぶん
)
に
打
(
う
)
たれました』
209
竜国別
(
たつくにわけ
)
『それは
不思議
(
ふしぎ
)
の
御縁
(
ごえん
)
で
御座
(
ござ
)
いますなア、
210
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
高姫
(
たかひめ
)
さまの
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
が
案
(
あん
)
じられて、
211
ゆつくり
御
(
お
)
話
(
はなし
)
を
承
(
うけたま
)
はる
気
(
き
)
も
致
(
いた
)
しませぬ。
212
今一度
(
いまいちど
)
捜索
(
そうさく
)
を
行
(
や
)
つて
見
(
み
)
ますから、
213
後
(
あと
)
でゆるゆる
御
(
お
)
話
(
はなし
)
を
承
(
うけたま
)
はりませう』
214
タルチール『
決
(
けつ
)
して
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
なさいますな。
215
此
(
この
)
滝壺
(
たきつぼ
)
には
横穴
(
よこあな
)
があつて、
216
そこから
水
(
みづ
)
が
或
(
あ
)
る
地点
(
ちてん
)
へ
流出
(
りうしゆつ
)
して
居
(
を
)
ります。
217
大方
(
おほかた
)
其
(
その
)
穴
(
あな
)
へ
吸
(
す
)
ひ
込
(
こ
)
まれたのでせう。
218
キツト
今頃
(
いまごろ
)
は
無事
(
ぶじ
)
でいらつしやいませう。
219
貴方
(
あなた
)
もお
望
(
のぞ
)
みならば、
220
滝壺
(
たきつぼ
)
の
横穴
(
よこあな
)
を
潜
(
くぐ
)
り、
221
私
(
わたくし
)
と
一緒
(
いつしよ
)
に
高姫
(
たかひめ
)
さまの
所
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
かうぢやありませぬか』
222
竜国別
(
たつくにわけ
)
『
合点
(
がつてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬ
事
(
こと
)
を
仰
(
あふ
)
せられます。
223
うつかりして
居
(
ゐ
)
ると、
224
幽冥界
(
いうめいかい
)
へ
往
(
い
)
つて
了
(
しま
)
ふのではありますまいかな』
225
タルチール『
別状
(
べつじやう
)
は
御座
(
ござ
)
いますまい』
226
と
話
(
はな
)
して
居
(
ゐ
)
る。
227
傍
(
かたはら
)
の
木
(
き
)
の
茂
(
しげ
)
みより、
228
高姫
(
たかひめ
)
は
赤裸
(
まつばだか
)
の
儘
(
まま
)
、
229
二人
(
ふたり
)
の
美
(
うる
)
はしい
女
(
をんな
)
に
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
かれ、
230
一行
(
いつかう
)
の
前
(
まへ
)
に
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
た。
231
竜国別
(
たつくにわけ
)
『ヤアこれは
高姫
(
たかひめ
)
さま、
232
能
(
よ
)
うマア
無事
(
ぶじ
)
で
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいました。
233
吾々
(
われわれ
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
貴方
(
あなた
)
のお
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えなくなつたので、
234
滝壺
(
たきつぼ
)
へ
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
み
捜
(
さが
)
してゐた
所
(
ところ
)
で
御座
(
ござ
)
います』
235
高姫
(
たかひめ
)
『ハイ
有難
(
ありがた
)
う、
236
エライ
心配
(
しんぱい
)
をかけました。
237
何
(
なん
)
とはなしに
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
むや
否
(
いな
)
や、
238
真赤
(
まつか
)
いけの
者
(
もの
)
がやつて
来
(
き
)
て、
239
私
(
わたし
)
の
足
(
あし
)
を
銜
(
くわ
)
へたと
思
(
おも
)
つたら、
240
ドンドンドンドンと
矢
(
や
)
の
如
(
ごと
)
く
深
(
ふか
)
い
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
を
流
(
なが
)
され、
241
パツと
明
(
あか
)
くなつたと
思
(
おも
)
へば、
242
大変
(
たいへん
)
な
広
(
ひろ
)
い
底
(
そこ
)
の
浅
(
あさ
)
い
池
(
いけ
)
へ
流
(
なが
)
されました。
243
其
(
その
)
池
(
いけ
)
の
中
(
なか
)
に
美
(
うつく
)
しい
岩島
(
いはしま
)
があり、
244
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
綺麗
(
きれい
)
な
小
(
ちい
)
さい
家
(
いへ
)
が
建
(
た
)
つてゐました。
245
其
(
その
)
家
(
いへ
)
の
中
(
なか
)
から
此
(
この
)
お
二人
(
ふたり
)
の
方
(
かた
)
が
現
(
あら
)
はれて、
246
私
(
わたし
)
の
手
(
て
)
を
取
(
と
)
り
救
(
すく
)
ひあげ、
247
ここ
迄
(
まで
)
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さつたのですよ。
248
どうぞ
御
(
お
)
礼
(
れい
)
を
申
(
まを
)
して
下
(
くだ
)
さいませ』
249
竜国別
(
たつくにわけ
)
『これはどうも
御
(
お
)
二人
(
ふたり
)
様
(
さま
)
、
250
偉
(
えら
)
い
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
になりました。
251
竜国別
(
たつくにわけ
)
、
252
一同
(
いちどう
)
を
代表
(
だいへう
)
して
御
(
お
)
礼
(
れい
)
を
申上
(
まをしあ
)
げます。
253
貴方
(
あなた
)
は
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
御
(
お
)
方
(
かた
)
で
御座
(
ござ
)
いますか、
254
お
差支
(
さしつかへ
)
なくば、
255
何卒
(
どうぞ
)
お
名
(
な
)
をお
名乗
(
なの
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
256
私
(
わたくし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
竜国別
(
たつくにわけ
)
と
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
います』
257
女
(
をんな
)
の
一
(
いち
)
『
貴方
(
あなた
)
が
噂
(
うはさ
)
に
高
(
たか
)
き
竜国別
(
たつくにわけ
)
様
(
さま
)
で
御座
(
ござ
)
いましたか。
258
黄金
(
わうごん
)
の
玉
(
たま
)
の
詮索
(
せんさく
)
に、
259
はるばる
高砂島
(
たかさごじま
)
まで、
260
親子
(
おやこ
)
共
(
とも
)
にお
越
(
こ
)
しになつたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を、
261
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
より
承
(
うけたま
)
はつて
居
(
を
)
りました。
262
其
(
その
)
玉
(
たま
)
は
此
(
この
)
島
(
しま
)
には
御座
(
ござ
)
いますまいがなア』
263
竜国別
(
たつくにわけ
)
『
何
(
なん
)
と
詳
(
くは
)
しいことを
御存
(
ごぞん
)
じですな、
264
さうして
言依別
(
ことよりわけ
)
様
(
さま
)
には
何時
(
いつ
)
御
(
お
)
会
(
あ
)
ひになりましたか』
265
女
(
をんな
)
の
一
(
いち
)
『ハイ、
266
琉球
(
りうきう
)
の
近海
(
きんかい
)
でお
目
(
め
)
にかかり、
267
高姫
(
たかひめ
)
さまが
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
うて
御
(
お
)
いでになることやら、
268
鷹依姫
(
たかよりひめ
)
様
(
さま
)
がそれに
先
(
さき
)
んじて
玉詮議
(
たませんぎ
)
にお
越
(
こ
)
しになつたことを
一伍
(
いちぶ
)
一什
(
しじう
)
承
(
うけたま
)
はりました』
269
竜国別
(
たつくにわけ
)
『さうして
貴女
(
あなた
)
のお
名
(
な
)
は
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
しますか』
270
女
(
をんな
)
の
一
(
いち
)
『ハイ、
271
私
(
わたくし
)
は
永
(
なが
)
らく
比沼
(
ひぬ
)
の
真名井
(
まなゐ
)
の
宝座
(
ほうざ
)
に
仕
(
つか
)
へて
居
(
ゐ
)
ました
清子姫
(
きよこひめ
)
で
御座
(
ござ
)
います。
272
一人
(
ひとり
)
は
私
(
わたくし
)
の
妹
(
いもうと
)
で
照子
(
てるこ
)
と
申
(
まを
)
します。
273
言依別
(
ことよりわけ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
より、
274
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
の
宣伝
(
せんでん
)
を
仰
(
あふ
)
せ
付
(
つ
)
けられましたので、
275
一巡
(
いちじゆん
)
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
を
渡
(
わた
)
り、
276
神界
(
しんかい
)
の
都合
(
つがふ
)
に
依
(
よ
)
つて、
277
一
(
いつ
)
ケ
月
(
げつ
)
程
(
ほど
)
以前
(
いぜん
)
に
此処
(
ここ
)
に
参
(
まゐ
)
り、
278
身魂
(
みたま
)
を
清
(
きよ
)
め、
279
貴方
(
あなた
)
方
(
がた
)
のここをお
通
(
とほ
)
り
遊
(
あそ
)
ばすことを
知
(
し
)
つて、
280
お
待受
(
まちう
)
けして
居
(
を
)
りました。
281
高姫
(
たかひめ
)
様
(
さま
)
も
結構
(
けつこう
)
な
水
(
みづ
)
くぐりの
御
(
ご
)
修業
(
しうげふ
)
が
出来
(
でき
)
ましたから、
282
最早
(
もはや
)
これで
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
で
御座
(
ござ
)
います。
283
妾
(
わらは
)
姉妹
(
おとどい
)
も
一度
(
いちど
)
此
(
この
)
経路
(
けいろ
)
を
踏
(
ふ
)
んだので
御座
(
ござ
)
います』
284
竜国別
(
たつくにわけ
)
『
何
(
なん
)
と
不思議
(
ふしぎ
)
な
修業場
(
しうげふば
)
もあるものですな。
285
吾々
(
われわれ
)
の
様
(
やう
)
な
身魂
(
みたま
)
の
汚
(
けが
)
れた
者
(
もの
)
は
到底
(
たうてい
)
無事
(
ぶじ
)
に
通過
(
つうくわ
)
することは
出来
(
でき
)
ますまい』
286
清子姫
(
きよこひめ
)
『これ
位
(
くらゐ
)
の
水道
(
すゐだう
)
が
通過
(
つうくわ
)
出来
(
でき
)
ない
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
では、
287
到底
(
たうてい
)
肝腎
(
かんじん
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
は
勤
(
つと
)
まりませぬよ。
288
皆
(
みな
)
さま
如何
(
いかが
)
です。
289
一度
(
いちど
)
御
(
ご
)
修行
(
しうぎやう
)
遊
(
あそ
)
ばしましたら……』
290
竜国別
(
たつくにわけ
)
『イヤもう
結構
(
けつこう
)
で
御座
(
ござ
)
います』
291
と
気味
(
きみ
)
悪
(
わる
)
さうに
慄
(
ふる
)
うて
居
(
ゐ
)
る。
292
清子姫
(
きよこひめ
)
『ホヽヽヽヽ』
293
(
大正一一・八・二八
旧七・六
松村真澄
録)
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