霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 神寿言(かむよごと)〔九二〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻 篇:第2篇 鶴亀躍動 よみ(新仮名遣い):かくきやくどう
章:第5章 神寿言 よみ(新仮名遣い):かむよごと 通し章番号:920
口述日:1922(大正11)年08月26日(旧07月4日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年11月10日
概要: 舞台:ウヅの館 あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
末子姫と国依別の結婚も、ようやく高姫のしぶしぶの同意を得て、執り行われた。言依別命が祭主となり、めでたく神前結婚の祭典は済んだ。直会の宴に移り、十二分の歓喜を尽くし、各々歌を歌い、舞い、踊りなどして慶事を祝した。
言依別命は恭しく神殿に拝礼し、礼服を付けたまま、声しとやかに歌い始めた。その歌は、自転倒島から国依別とともに出立した経緯を歌い、時世時節によって高くまた低く生まれることは神界の幽玄微妙の御経綸であるが、魂の宿る肉体に尊卑はあれども、その源は同じ御神の分霊であると歌って祝いの言葉を継いだ。
次に松若彦が立って祝歌を歌い、続いて捨子姫が祝歌を歌った。捨子姫の祝歌には、自らの末子姫との出会いからこれまでの経緯を歌い、末子姫夫婦への祝いの言葉で締めた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-07-28 18:50:29 文字数:3225 OBC :rm3305
愛善世界社版:51頁 八幡書店版:第6輯 275頁 修補版: 校定版:53頁 普及版:23頁 初版: ページ備考:
001 末子姫(すゑこひめ)、002国依別(くによりわけ)の結婚(けつこん)問題(もんだい)も、003高姫(たかひめ)の不同意(ふどうい)的(てき)了解(れうかい)を得(え)て、004漸(やうや)く執行(とりおこな)はるる事(こと)となつた。005珍(うづ)の館(やかた)の大広前(おほひろまへ)に於(おい)て祭壇(さいだん)を設(まう)け、006言依別(ことよりわけの)命(みこと)は斎主(さいしゆ)となり、007松若彦(まつわかひこ)、008竜国別(たつくにわけ)は其(その)他(た)の神務(しんむ)に奉仕(ほうし)し、009茲(ここ)に芽出度(めでた)く、010神前(しんぜん)結婚(けつこん)の祭典(さいてん)は済(す)んだ。011愈(いよいよ)直会(なほらひ)の宴(えん)に移(うつ)り、012十二分(じふにぶん)の歓喜(くわんき)を尽(つく)し、013各(おのおの)歌(うた)を唄(うた)ひ、014舞(ま)ひ、015踊(をど)りなどして、016今日(けふ)の慶事(けいじ)を祝(しゆく)することとなつた。
017 言依別(ことよりわけの)命(みこと)は恭(うやうや)しく神殿(しんでん)に拝礼(はいれい)し、018礼服(れいふく)を着(つ)けたる儘(まま)、019声(こゑ)淑(しと)やかに歌(うた)ひ始(はじ)めたり。
020言依別命『仰(おほ)[※ルビ「おほ」は原文通り。オニペディア「霊界物語第33巻の諸本相違点」参照。]げば高(たか)し久方(ひさかた)の
021天(あめ)の八重雲(やへくも)かき分(わ)けて
022筑紫(つくし)の日向(ひむか)の立花(たちばな)の
023青木(あをき)ケ原(はら)に天降(あも)りまし
024撞(つき)の御柱(みはしら)巡(めぐ)り合(あ)ひ
025妹背(いもせ)の契(ちぎり)を結(むす)びたる
026神(かむ)伊弉諾(いざなぎの)大御神(おほみかみ)
027神(かむ)伊弉冊(いざなみの)大神(おほかみ)の
028其(その)古事(ふるごと)に神(かむ)ならひ
029瑞(みづ)の御霊(みたま)と現(あ)れませる
030神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
031御(おん)子(こ)とあれます末子姫(すゑこひめ)
032心(こころ)の色(いろ)も紅(くれなゐ)の
033誠(まこと)一(ひと)つの神司(かむつかさ)
034珍(うづ)の御国(みくに)に天降(あも)りまし
035神(かみ)の教(をしへ)を楯(たて)となし
036四方(よも)の民草(たみぐさ)安(やす)らかに
037治(をさ)め玉(たま)ひし功績(いさをし)は
038皇(すめ)大神(おほかみ)の御心(みこころ)に
039叶(かな)ひまつれるものぞかし
040三五教(あななひけう)の神司(かむつかさ)
041言依別(ことよりわけ)は自凝(おのころ)の
042秀妻(ほづま)の国(くに)を後(あと)にして
043心(こころ)も清(きよ)き宣伝使(せんでんし)
044国依別(くによりわけ)と諸共(もろとも)に
045神(かみ)の教(をしへ)を開(ひら)かむと
046波(なみ)かき分(わ)けてテルの国(くに)
047高砂島(たかさごじま)に名(な)も高(たか)き
048テル山峠(やまたうげ)を乗越(のりこ)えて
049ウヅの都(みやこ)に来(き)て見(み)れば
050五風(ごふう)十雨(じふう)の序(ついで)よく
051五穀(ごこく)は稔(みの)り果物(くだもの)は
052豊(ゆたか)に熟(じゆく)する神(かみ)の国(くに)
053あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
054神(かみ)の恵(めぐみ)の幸(さち)はひて
055末子(すゑこ)の姫(ひめ)の御(ご)神力(しんりき)
056月日(つきひ)と共(とも)に輝(かがや)きぬ
057かかる折(をり)しも素盞嗚(すさのを)の
058神(かみの)尊(みこと)ははるばると
059ウブスナ峠(たうげ)の斎苑(いそ)館(やかた)
060立出(たちい)でここに来(きた)りまし
061末子(すゑこ)の姫(ひめ)に巡(めぐ)り会(あ)ひ
062喜(よろこ)び勇(いさ)み玉(たま)ふ折(をり)
063言依別(ことよりわけ)の伴(ともな)ひし
064国依別(くによりわけ)を見(み)そなはし
065末子(すゑこ)の姫(ひめ)の夫(つま)となし
066此(この)神国(かみくに)を守(まも)れよと
067宣(の)らせ玉(たま)ひし尊(たふと)さよ
068言依別(ことよりわけ)は畏(かしこ)みて
069松若彦(まつわかひこ)や捨子姫(すてこひめ)
070其(その)外(ほか)数多(あまた)の人々(ひとびと)に
071皇(すめ)大神(おほかみ)の言(こと)の葉(は)を
072宣(の)べ伝(つた)ふれば悉(ことごと)く
073喜(よろこ)び勇(いさ)み此(この)度(たび)の
074慶事(けいじ)をあななひ玉(たま)ひけり。
075あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
076結(むす)びの神(かみ)の引合(ひきあわ)せ
077魂(たま)と魂(たま)との睦(むつ)び合(あ)ひ
078魂(たま)の納(をさ)まる肉宮(にくみや)に
079尊卑(そんぴ)高下(かうげ)はありとても
080その源(みなもと)を尋(たづ)ぬれば
081同(おな)じ御神(みかみ)の分霊(わけみたま)
082時世(ときよ)時節(じせつ)につれられて
083高(たか)くも生(うま)れ又(また)低(ひく)く
084生(うま)るる事(こと)は神界(しんかい)の
085幽玄(いうげん)微妙(びめう)の御(ご)経綸(けいりん)
086霊魂(みたま)と霊魂(みたま)の系統(すぢ)を分(わ)け
087清(きよ)く結(むす)びし此(この)縁(えにし)
088千代(ちよ)も八千代(やちよ)も限(かぎ)りなく
089高砂島(たかさごじま)のいつ迄(まで)も
090栄(さか)え尽(つ)きせぬ松(まつ)の世(よ)の
091色(いろ)も褪(あ)せざれ永久(とこしへ)に
092波(なみ)も静(しづ)かに二柱(ふたはしら)
093鴛鴦(をし)の衾(ふすま)の暖(あたた)かに
094浮(うか)びて進(すす)む和田(わだ)の原(はら)
095深(ふか)きは民(たみ)の心(こころ)かな
096深(ふか)きは神(かみ)の御恵(みめぐ)みぞ
097月日(つきひ)は清(きよ)く明(あきら)かに
098空(そら)澄(す)み渡(わた)る今日(けふ)の宵(よひ)
099心(こころ)も勇(いさ)み身(み)も勇(いさ)み
100此(この)慶(よろこ)びは此処(ここ)よりは
101外(ほか)へはやらじと真心(まごころ)を
102神(かみ)の御前(みまへ)に誓(ちか)ひつつ
103嬉(うれ)しみ尊(たふと)み祝(ほ)ぎまつる
104嬉(うれ)しみ尊(たふと)み祝(ほ)ぎまつる』
105と歌(うた)ひ終(をは)り、106元(もと)の座(ざ)に着(つ)きぬ。107松若彦(まつわかひこ)は立上(たちあが)り、108銀扇(ぎんせん)を開(ひら)いて祝歌(しゆくか)を歌(うた)ひ且(か)つ自(みづか)ら舞(ま)ひ踊(をど)りける。
109松若彦『豊葦原(とよあしはら)の瑞穂国(みづほくに)
110島(しま)の八十島(やそしま)八十(やそ)の国(くに)
111隈(くま)なく巡(めぐ)り救(すく)ひます
112神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
113末(すゑ)の御(おん)子(こ)と生(あ)れませる
114末子(すゑこ)の姫(ひめ)のくはし女(め)に
115浮瀬(うきせ)に沈(しづ)みて悩(なや)み居(ゐ)る
116世人(よびと)を普(あまね)く救(すく)ひ行(ゆ)く
117三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)
118国依別(くによりわけ)の神司(かむつかさ)
119汐(しほ)の八百路(やほぢ)を打渡(うちわた)り
120奇(く)しき功績(いさを)を遠近(をちこち)に
121現(あら)はし玉(たま)ひて今(いま)ここに
122ウヅの都(みやこ)に出(い)で玉(たま)ひ
123神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
124御言(みこと)畏(かしこ)みましまして
125末子(すゑこ)の姫(ひめ)と妹(いも)と背(せ)の
126契(ちぎり)を結(むす)ぶ今日(けふ)の宵(よひ)
127天津(あまつ)御空(みそら)に照(て)りわたる
128日影(ひかげ)は明(あ)かく月(つき)清(きよ)く
129星(ほし)の影(かげ)さへキラキラと
130いつもに変(かは)る空(そら)の色(いろ)
131天祥(てんしやう)地瑞(ちずゐ)の吉祥日(きつしやうび)
132言依別(ことよりわけ)の神司(かむつかさ)
133斎主(さいしゆ)となりて神前(しんぜん)に
134結婚式(けつこんしき)を挙行(きよかう)し
135いよいよ茲(ここ)に妹(いも)と背(せ)の
136道(みち)を結(むす)びて永久(とこしへ)に
137此(この)神国(かみくに)を守(まも)ります
138今日(けふ)は初(はじ)めとなりにけり
139いよいよこれよりウヅ館(やかた)
140月日(つきひ)並(なら)びて皓々(かうかう)と
141輝(かがや)き玉(たま)ふ高砂(たかさご)の
142常磐(ときは)の御世(みよ)となりぬべし
143あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
144松若彦(まつわかひこ)が真心(まごころ)を
145述(の)べて芽出度(めでた)き今日(けふ)の日(ひ)を
146寿(ことほ)ぎまつり瑞御霊(みづみたま)
147神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
148千代(ちよ)の齢(よはひ)を祈(いの)りつつ
149夫婦(めをと)が幸(さち)を皇神(すめかみ)の
150御前(みまへ)に祈(いの)り奉(たてまつ)る
151朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
152月(つき)は盈(み)つ共(とも)虧(か)くる共(とも)
153国依別(くによりわけ)や末子姫(すゑこひめ)
154さかし女(め)くはし夫(を)相並(あひなら)び
155現(あら)はれゐます上(うへ)からは
156高砂島(たかさごじま)は何時(いつ)までも
157珍(うづ)の御国(みくに)と称(たた)へられ
158常世(とこよ)の春(はる)の永久(とこしへ)に
159花(はな)咲(さ)き乱(みだ)れ鳥(とり)歌(うた)ひ
160山川(やまかは)清(きよ)く風(かぜ)清(きよ)く
161野(の)は青々(あをあを)と茂(しげ)り合(あ)ひ
162青人草(あをひとぐさ)は大空(おほぞら)の
163星(ほし)の如(ごと)くに生(う)み殖(ふ)えて
164栄(さか)え久(ひさ)しき松(まつ)の世(よ)の
165嬉(うれ)しき姿(すがた)を瑞御霊(みづみたま)
166神(かみ)の御前(みまへ)に言霊(ことたま)の
167清(きよ)き限(かぎ)りを捧(ささ)げつつ
168畏(かしこ)み畏(かしこ)み願(ね)ぎまつる
169畏(かしこ)み畏(かしこ)み願(ね)ぎまつる』
170と歌(うた)ひ了(をは)つて座(ざ)に着(つ)いた。171捨子(すてこ)の姫(ひめ)は立上(たちあが)り、172銀扇(ぎんせん)を開(ひら)いて自(みづか)ら歌(うた)ひ自(みづか)ら舞(ま)ひ、173今日(けふ)の慶事(けいじ)を祝(ほ)ぎ奉(まつ)りける。174其(その)歌(うた)、
175捨子姫『久方(ひさかた)の高天原(たかあまはら)を出(い)でまして
176四方(よも)の国々(くにぐに)巡(めぐ)りまし
177八岐(やまた)大蛇(をろち)や醜神(しこがみ)の
178伊猛(いたけ)り狂(くる)ひ民草(たみぐさ)を
179苦(くる)しめ悩(なや)ます曲津見(まがつみ)を
180仁慈(じんじ)無限(むげん)の大神(おほかみ)は
181生言霊(いくことたま)の神力(しんりき)に
182言向(ことむ)け和(やは)し玉(たま)ひつつ
183百(もも)の悩(なや)みを嘗(な)め玉(たま)ひ
184心(こころ)も辛(から)き潮沫(しほなわ)の
185凝(こ)りて成(な)るてふ島々(しまじま)を
186巡(めぐ)らせ玉(たま)ひ御恵(みめぐみ)の
187露(つゆ)をば与(あた)へ玉(たま)ひつつ
188草木(くさき)も靡(なび)く御(ご)威勢(ゐせい)に
189高天原(たかあまはら)の空(そら)清(きよ)く
190大海原(おほうなばら)の底(そこ)あかく
191波(なみ)に泛(うか)べる国土(くにつち)は
192清(きよ)くさやけく茂(しげ)り合(あ)ひ
193三千(さんぜん)世界(せかい)の万有(ばんいう)は
194君(きみ)の威徳(ゐとく)を畏(かしこ)みて
195仕(つか)へまつれる尊(たふと)さよ
196かかる目出度(めでた)き大神(おほかみ)の
197珍(うづ)の御(おん)子(こ)と生(あ)れませる
198八人(やたり)乙女(をとめ)の末子姫(すゑこひめ)
199年端(としは)も行(ゆ)かぬ中(うち)よりも
200神(かみ)の御(おん)為(ため)世(よ)の為(ため)に
201神(かみ)の誠(まこと)の御恵(みめぐみ)を
202草(くさ)の片葉(かきは)に至(いた)るまで
203うるほはせむと思召(おぼしめ)し
204顕恩郷(けんおんきやう)に現(あ)れまして
205バラモン教(けう)の鬼雲彦(おにくもひこ)が
206館(やかた)に入(い)らせ玉(たま)ひつつ
207醜(しこ)の魔人(まびと)の惟神(かむながら)
208誠(まこと)の道(みち)に服従(まつろ)ふを
209待(ま)たせ玉(たま)へる折柄(をりから)に
210太玉神(ふとたまがみ)の現(あ)れまして
211鬼雲彦(おにくもひこ)は逸早(いちはや)く
212雲(くも)を起(おこ)して逃(に)げ去(さ)りぬ
213末子(すゑこ)の姫(ひめ)は是非(ぜひ)もなく
214姉(あね)の命(みこと)と諸共(もろとも)に
215流(なが)れも清(きよ)きエデン川(がは)
216渡(わた)りて四方(よも)に神(かみ)の道(みち)
217開(ひら)かせ玉(たま)ふ折(をり)もあれ
218鬼雲彦(おにくもひこ)が部下(ぶか)共(ども)に
219嗅(か)ぎつけられて妾(わらは)まで
220半(なかば)朽(く)ちたる釣舟(つりぶね)に
221乗(の)せてすげなく和田(わだ)の原(はら)
222つき放(はな)されし苦(くる)しさよ
223神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
224雄々(をを)しき清(きよ)き霊(みたま)をば
225受(う)けさせ玉(たま)ふ末子姫(すゑこひめ)
226少(すこ)しも驚(おどろ)き玉(たま)はずて
227妾(わらは)の心(こころ)を励(はげ)ませつ
228荒波(あらなみ)猛(たけ)る海原(うなばら)を
229かいくぐりつつ漸(やうや)くに
230神(かみ)の御稜威(みいづ)もテルの国(くに)
231ハラの港(みなと)に上陸(じやうりく)し
232テル山峠(やまたうげ)を乗越(のりこ)えて
233御霊(みたま)の力(ちから)を現(あら)はしつ
234バラモン教(けう)の神司(かむづかさ)
235石熊(いしくま)カールの両人(りやうにん)を
236言向和(ことむけやは)せ急坂(きふはん)を
237登(のぼ)りつ下(くだ)りつ人々(ひとびと)の
238命(いのち)を狙(ねら)ふ曲神(まがかみ)を
239稜威(いづ)の言霊(ことたま)宣(の)り玉(たま)ひ
240言向和(ことむけやは)してウヅの国(くに)
241神(かみ)の館(やかた)に出(い)でましぬ
242妾(わらは)も姫(ひめ)に従(したが)ひて
243ここに現(あら)はれ来(きた)る身(み)の
244嬉(うれ)しさ楽(たの)しさ如何(いか)許(ばか)り
245国(くに)の司(つかさ)となり玉(たま)ひ
246世人(よびと)を導(みちび)き玉(たま)ふ折(をり)
247三五教(あななひけう)の神司(かむつかさ)
248言依別(ことよりわけ)の神人(しんじん)が
249雲霧(くもきり)分(わ)けて降(くだ)りまし
250此処(ここ)に止(とど)まり玉(たま)ひつつ
251教(をしへ)を開(ひら)き玉(たま)ひしが
252神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
253瑞(みづ)の御霊(みたま)は捨子姫(すてこひめ)
254此(この)現身(うつそみ)にかからせて
255アマゾン河(がは)に向(むか)ひたる
256鷹依姫(たかよりひめ)や高姫(たかひめ)の
257危難(きなん)を救(すく)ひ言霊(ことたま)の
258御稜威(みいづ)に百(もも)の曲神(まがかみ)を
259言向和(ことむけやは)せと宣(の)り玉(たま)ふ
260言依別(ことよりわけ)の神人(しんじん)は
261其(その)神言(かみこと)を畏(かしこ)みて
262時(とき)を移(うつ)さず供人(ともびと)を
263従(したが)へ都(みやこ)を立出(たちい)でて
264帽子(ぼうし)ケ岳(だけ)に向(むか)ひまし
265アマゾン河(かは)を見下(みおろ)して
266微笑(ほほゑ)み玉(たま)ふ折柄(をりから)に
267国依別(くによりわけ)の宣伝使(せんでんし)
268仕組(しぐみ)の糸(いと)に引(ひ)かされて
269四(よ)人(にん)の供(とも)を従(したが)へつ
270ここに登(のぼ)りて来(き)ましける。
271琉(りう)と球(きう)との宝玉(ほうぎよく)の
272御稜威(みいづ)に充(み)てる両人(りやうにん)は
273アマゾン河(かは)の南北(なんぽく)に
274展開(てんかい)したる森林(しんりん)の
275醜(しこ)の曲津(まがつ)を射(い)てらせば
276神(かみ)の御稜威(みいづ)は目(ま)のあたり
277鷹依姫(たかよりひめ)や高姫(たかひめ)も
278光(ひかり)を慕(した)ひて屏風山(びやうぶやま)
279帽子(ぼうし)ケ岳(だけ)に集(あつ)まりぬ
280かくも尊(たふと)き神徳(しんとく)を
281負(お)はせ玉(たま)へる宣伝使(せんでんし)
282国依別(くによりわけ)の真人(しんじん)が
283ウヅの都(みやこ)に現(あ)れまして
284末子(すゑこ)の姫(ひめ)の夫(つま)となり
285幾久(いくひさ)しくも末永(すえなが)く
286契(ちぎり)を結(むす)ばせ玉(たま)ふこそ
287実(げ)にも尊(たふと)き限(かぎ)りなれ。
288加之(しかのみならず)瑞御霊(みづみたま)
289神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)は
290遠(とほ)く波路(なみぢ)を打(うち)わたり
291これの慶事(けいじ)に臨(のぞ)みまし
292親子(おやこ)夫婦(ふうふ)の契(ちぎり)をば
293依(よ)さし玉(たま)へる有難(ありがた)さ
294あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
295神(かみ)の恵(めぐみ)は目(ま)のあたり
296永(なが)く仕(つか)へし捨子姫(すてこひめ)
297やうやう心(こころ)もおちつきて
298雪(ゆき)積(つ)む山(やま)の冬(ふゆ)の木(き)の
299花(はな)咲(さ)く春(はる)に会(あ)ふ心地(ここち)
300あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
301結(むす)ぶの神(かみ)のいつ迄(まで)も
302二人(ふたり)の仲(なか)は睦(むつま)じく
303変(かは)ることなくましまして
304神(かみ)の御稜威(みいづ)も高砂(たかさご)の
305尾(を)の上(へ)の松(まつ)の色(いろ)深(ふか)く
306千年(ちとせ)の鶴(つる)の末永(すえなが)く
307亀(かめ)の齢(よはひ)の万世(よろづよ)も
308いと平(たひら)けく安(やす)らけく
309鎮(しづ)まりゐませ二柱(ふたはしら)
310捨子(すてこ)の姫(ひめ)は今(いま)よりは
311尚(なほ)も心(こころ)を励(はげ)まして
312力(ちから)の続(つづ)く其(その)限(かぎ)り
313誠(まこと)一(ひと)つを楯(たて)となし
314神(かみ)と君(きみ)とに仕(つか)へなむ
315あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
316御霊(みたま)幸(さち)はへましませよ』
317と歌(うた)ひ了(をは)り、318悠々(いういう)として吾(わが)座(ざ)に着(つ)きける。
319(大正一一・八・二六 旧七・四 松村真澄録)
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