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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第33巻(申の巻)
序歌
瑞祥
第1篇 誠心誠意
第1章 高論濁拙
第2章 灰猫婆
第3章 言霊停止
第4章 楽茶苦
第2篇 鶴亀躍動
第5章 神寿言
第6章 皮肉歌
第7章 心の色
第8章 春駒
第9章 言霊結
第10章 神歌
第11章 波静
第12章 袂別
第3篇 時節到来
第13章 帰途
第14章 魂の洗濯
第15章 婆論議
第16章 暗夜の歌
第17章 感謝の涙
第18章 神風清
第4篇 理智と愛情
第19章 報告祭
第20章 昔語
第21章 峯の雲
第22章 高宮姫
第23章 鉄鎚
第24章 春秋
第25章 琉の玉
第26章 若の浦
伊豆温泉旅行につき訪問者人名詠込歌
附記 湯ケ島所感
余白歌
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第33巻(申の巻)
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<<< 峯の雲
(B)
(N)
鉄鎚 >>>
第二二章
高宮姫
(
たかみやひめ
)
〔九三七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻
篇:
第4篇 理智と愛情
よみ(新仮名遣い):
りちとあいじょう
章:
第22章 高宮姫
よみ(新仮名遣い):
たかみやひめ
通し章番号:
937
口述日:
1922(大正11)年09月19日(旧07月28日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年11月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
高姫は心の底から悔悟の色をあらわし、自ら立って、自分の過去の一切の秘密を歌い始めた。高姫の誠の素性は、コーカス山のウラル彦、ウラル姫の間に生まれた高宮姫であり、厳の御霊の系統ではなかったと明かした。
娘のときに三五教の本城であるエルサレムを偵察に行ったとき、眉目すぐれた青年に一目ぼれをし、お供の神司たちを追い散らして、青年の後を付いて行ったという。そして山道を行くうちに二人は恋に落ち、黄金山下に庵を結んで同棲をなした。
そのうちに身重となって子供をなした。しかし北照神の信仰調べが始まり、夫は筑紫の国の尊い神人の息子だということがわかってしまった。夫はウラル教主の娘と添うことはできないと言いだし、高姫と子供を置いて逃げてしまったという。
高姫は子供を抱えて夫に逃げられどうしようもなく、守り刀と金太郎という名を添えて、四つ辻に捨て子をした。その後メソポタミヤに出てバラモン教を聞いたが、やはり夫の信仰である三五教を守ろうと心に決めたという。
しかしフサの国で教えを開く折、変性女子のやり方が気に食わず、ウラル教と三五教の教えを合わせてウラナイ教を自ら立てたのだ、と自らの来歴を明かした。
高姫は筑紫の国の建国別は自分の子に間違いないと告白し、わが子を思い、また別れた夫を思って神々に祈りつつ、力なげに歌い恥ずかしさにうつむいてしまった。
黒姫は高姫の告白を聞いて、厳の御霊の系統であると信じてきた高姫がウラル教主の娘であったことに驚きながらも、ウラナイ教時代から力いっぱい反抗してきた神素盞嗚大神、国武彦命、言依別命がそのことを知りながら、自分や高姫の魂を磨いて結構な御用に使ってやろうという御心であったことに思い至り、感涙にむせび声を放って泣きはらした。
高姫は言依別命を疑って反抗してきたことを悔い、これからは聖地の首脳たちの指図にしたがって働くことを誓い、一同の前で懺悔をなした。
秋彦は高姫を慰め場を和めようと、高姫に茶々を入れたが、東助がそれを押しとどめ、自ら今一つの愁嘆場を聞かせようと立ち上がった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-09-07 16:17:40
OBC :
rm3322
愛善世界社版:
243頁
八幡書店版:
第6輯 339頁
修補版:
校定版:
255頁
普及版:
96頁
初版:
ページ備考:
001
高姫
(
たかひめ
)
は、
002
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
悔悟
(
くわいご
)
の
色
(
いろ
)
を
現
(
あら
)
はし、
003
一切
(
いつさい
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
自
(
みづか
)
ら
暴露
(
ばくろ
)
すべく、
004
立
(
た
)
つて
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めたり。
005
高姫
『
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
006
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
系統
(
ひつぽう
)
で
007
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
008
今
(
いま
)
まで
固執
(
こしつ
)
して
来
(
き
)
たが
009
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
恐
(
おそ
)
ろしい
010
誠
(
まこと
)
の
素性
(
すじやう
)
を
明
(
あか
)
すれば
011
コーカス
山
(
ざん
)
に
現
(
あ
)
れませる
012
ウラルの
彦
(
ひこ
)
やウラル
姫
(
ひめ
)
013
二人
(
ふたり
)
の
中
(
なか
)
に
生
(
うま
)
れたる
014
吾
(
われ
)
は
高宮姫
(
たかみやひめ
)
命
(
みこと
)
015
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
016
使
(
つか
)
ひ
玉
(
たま
)
へる
宣伝使
(
せんでんし
)
017
松
(
まつ
)
竹
(
たけ
)
梅
(
うめ
)
を
初
(
はじ
)
めとし
018
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
東彦
(
あづまひこ
)
019
高彦
(
たかひこ
)
などが
現
(
あら
)
はれて
020
言霊戦
(
ことたません
)
を
開
(
ひら
)
きてゆ
021
母
(
はは
)
と
現
(
あ
)
れます
大気津
(
おほげつ
)
の
022
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
は
逸早
(
いちはや
)
く
023
アーメニヤへと
帰
(
かへ
)
りまし
024
其
(
その
)
時
(
とき
)
妾
(
わらは
)
は
小娘
(
こむすめ
)
の
025
詮術
(
せんすべ
)
もなく
暮
(
くら
)
す
折
(
をり
)
026
御伴
(
みとも
)
の
神
(
かみ
)
を
引
(
ひき
)
つれて
027
高天原
(
たかあまはら
)
のエルサレム
028
三五教
(
あななひけう
)
の
本城
(
ほんじやう
)
を
029
探
(
さぐ
)
らむ
為
(
ため
)
と
往
(
い
)
て
見
(
み
)
れば
030
眉目
(
びもく
)
秀
(
すぐ
)
れし
青年
(
せいねん
)
が
031
花
(
はな
)
の
顔色
(
かんばせ
)
麗
(
うるは
)
しく
032
向
(
むか
)
ふの
方
(
かた
)
より
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
033
茲
(
ここ
)
に
妾
(
わらは
)
は
何
(
なん
)
となく
034
其
(
その
)
青年
(
せいねん
)
を
慕
(
した
)
はしく
035
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
はむとしたりしが
036
御伴
(
みとも
)
の
神
(
かみ
)
が
邪魔
(
じやま
)
になり
037
甘
(
うま
)
く
之
(
これ
)
をばまかむとて
038
千思
(
せんし
)
万慮
(
ばんりよ
)
の
其
(
その
)
結果
(
けつくわ
)
039
事
(
こと
)
を
構
(
かま
)
へて
追
(
お
)
ひ
散
(
ち
)
らし
040
木
(
こ
)
かげに
見
(
み
)
ゆる
恋人
(
こひびと
)
を
041
慕
(
した
)
ひて
進
(
すす
)
む
山
(
やま
)
の
路
(
みち
)
042
男
(
をとこ
)
は
足
(
あし
)
もいと
早
(
はや
)
く
043
いつの
間
(
ま
)
にやら
山蔭
(
やまかげ
)
に
044
姿
(
すがた
)
をかくし
玉
(
たま
)
ひけり
045
かよわき
女
(
をんな
)
の
足
(
あし
)
を
以
(
も
)
て
046
追
(
おひ
)
つく
術
(
すべ
)
も
泣
(
な
)
き
倒
(
たふ
)
れ
047
助
(
たす
)
けてくれと
呼
(
よ
)
ばはれば
048
恋
(
こひ
)
しき
人
(
ひと
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
049
わが
傍
(
かたはら
)
へスタスタと
050
帰
(
かへ
)
り
来
(
き
)
ませる
恥
(
はづ
)
かしさ
051
これこれ
旅
(
たび
)
の
女中
(
ぢよちう
)
さま
052
只今
(
ただいま
)
助
(
たす
)
けを
叫
(
さけ
)
んだは
053
お
前
(
まへ
)
の
声
(
こゑ
)
ではなかつたか
054
訝
(
いぶ
)
かしさよと
尋
(
たづ
)
ねられ
055
答
(
こた
)
ふる
由
(
よし
)
もないじやくり
056
「ハイハイ
誠
(
まこと
)
に
有難
(
ありがた
)
う
057
あなたのお
蔭
(
かげ
)
で
悪者
(
わるもの
)
は
058
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げました」
059
「
何卒
(
どうぞ
)
用心
(
ようじん
)
なされませ
060
女
(
をんな
)
の
危
(
あやふ
)
い
一人旅
(
ひとりたび
)
」
061
「あなたも
若
(
わか
)
い
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
062
此
(
この
)
山路
(
やまみち
)
を
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
063
お
行
(
ゆ
)
きなさるは
如何
(
どう
)
しても
064
危険
(
きけん
)
が
体
(
からだ
)
に
迫
(
せま
)
りませう
065
なる
事
(
こと
)
ならば
妾
(
わたくし
)
を
066
何卒
(
なにとぞ
)
連
(
つ
)
れて
此
(
この
)
坂
(
さか
)
を
067
向
(
むか
)
ふへ
越
(
こ
)
えて
下
(
くだ
)
さい」と
068
二
(
ふた
)
つの
睫毛
(
まつげ
)
に
唾
(
つば
)
をつけ
069
泣
(
な
)
き
真似
(
まね
)
すれば
恋人
(
こひびと
)
は
070
稍
(
やや
)
同情
(
どうじやう
)
の
念
(
ねん
)
に
暮
(
く
)
れ
071
「ホンに
危
(
あぶ
)
ない
山路
(
やまみち
)
よ
072
私
(
わたし
)
も
貴女
(
あなた
)
も
一人旅
(
ひとりたび
)
073
願
(
ねが
)
うてもなき
道
(
みち
)
づれだ
074
そんなら
一緒
(
いつしよ
)
に
行
(
ゆ
)
きませう」と
075
答
(
こた
)
へてくれた
嬉
(
うれ
)
しさよ
076
人
(
ひと
)
も
通
(
とほ
)
らぬ
山路
(
やまみち
)
を
077
若
(
わか
)
き
血汐
(
ちしほ
)
に
燃
(
も
)
え
立
(
た
)
つる
078
二人
(
ふたり
)
の
男女
(
だんぢよ
)
が
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いて
079
嬉
(
うれ
)
しく
楽
(
たの
)
しく
話
(
はな
)
しつつ
080
貴
(
うづ
)
の
聖地
(
せいち
)
へ
行
(
ゆ
)
く
途中
(
とちう
)
081
いつとはなしに
四
(
よ
)
つの
目
(
め
)
が
082
ピタリと
合
(
あ
)
うた
恋鏡
(
こひかがみ
)
083
燃
(
も
)
ゆる
思
(
おも
)
ひが
如何
(
いか
)
にして
084
互
(
たがひ
)
の
心
(
こころ
)
に
映
(
うつ
)
らめや
085
忽
(
たちま
)
ち
妥協
(
だけふ
)
は
成立
(
せいりつ
)
し
086
水
(
みづ
)
も
洩
(
も
)
らさぬ
仲
(
なか
)
となり
087
黄金山
(
わうごんさん
)
下
(
か
)
に
身
(
み
)
を
忍
(
しの
)
び
088
庵
(
いほり
)
を
結
(
むす
)
びて
暮
(
くら
)
す
中
(
うち
)
089
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
吾
(
わが
)
身
(
み
)
が
重
(
おも
)
くなり
090
月
(
つき
)
を
重
(
かさ
)
ねて
腹
(
はら
)
太
(
ふと
)
り
091
生
(
うま
)
れおとした
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
092
名
(
な
)
も
金太郎
(
きんたらう
)
と
与
(
あた
)
へつつ
093
二月
(
ふたつき
)
三月
(
みつき
)
暮
(
くら
)
す
中
(
うち
)
094
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
095
北照
(
きたてる
)
神
(
かみ
)
が
現
(
あら
)
はれて
096
信仰
(
しんかう
)
調
(
しら
)
べを
始
(
はじ
)
めかけ
097
恋
(
こひ
)
しき
人
(
ひと
)
は
筑紫国
(
つくしくに
)
098
都
(
みやこ
)
に
居
(
ゐ
)
ます
神人
(
かみびと
)
の
099
尊
(
たふと
)
き
御子
(
みこ
)
と
見破
(
みやぶ
)
られ
100
親
(
おや
)
の
恥
(
はぢ
)
をば
曝
(
さら
)
すのは
101
辛
(
つら
)
いと
云
(
い
)
つてあわて
出
(
だ
)
し
102
コリヤ
高姫
(
たかひめ
)
よ
高姫
(
たかひめ
)
よ
103
聞
(
き
)
けばお
前
(
まへ
)
はウラル
教
(
けう
)
104
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
の
御腹
(
みはら
)
より
105
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
御子
(
みこ
)
なれば
106
如何
(
どう
)
して
永
(
なが
)
く
添
(
そ
)
はれうぞ
107
神
(
かみ
)
の
咎
(
とが
)
めも
恐
(
おそ
)
ろしい
108
二人
(
ふたり
)
の
縁
(
えにし
)
はこれ
迄
(
まで
)
と
109
諦
(
あきら
)
めここで
別
(
わか
)
れよかと
110
藪
(
やぶ
)
から
棒
(
ぼう
)
の
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
に
111
妾
(
わらは
)
は
心
(
こころ
)
も
転倒
(
てんたふ
)
し
112
泣
(
な
)
いつ くどいつ
頼
(
たの
)
め
共
(
ども
)
113
袖
(
そで
)
ふり
切
(
き
)
つてスタスタと
114
暗
(
やみ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
逃
(
に
)
げましぬ
115
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
つた
一振
(
ひとふり
)
の
116
守
(
まも
)
り
刀
(
がたな
)
に「
東
(
ひがし
)
」の
字
(
じ
)
117
「
高
(
たか
)
」の
印
(
しるし
)
を
刻
(
きざ
)
みたる
118
剣
(
つるぎ
)
を
記念
(
きねん
)
と
残
(
のこ
)
しおき
119
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せし
120
男
(
をとこ
)
の
無情
(
むじやう
)
を
歎
(
かこ
)
ちつつ
121
幼児
(
をさなご
)
抱
(
かか
)
へし
女
(
をんな
)
の
身
(
み
)
122
いかに
詮術
(
せんすべ
)
なき
儘
(
まま
)
に
123
守刀
(
まもりがたな
)
に
綾錦
(
あやにしき
)
124
守袋
(
まもりぶくろ
)
に
金太郎
(
きんたらう
)
と
125
名
(
な
)
をば
書
(
か
)
き
添
(
そ
)
へ
四辻
(
よつつじ
)
に
126
不憫
(
ふびん
)
乍
(
なが
)
らも
捨子
(
すてご
)
して
127
なくなく
此処
(
ここ
)
を
立別
(
たちわか
)
れ
128
メソポタミヤの
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
129
バラモン
教
(
けう
)
を
探
(
さぐ
)
らむと
130
尋
(
たづ
)
ね
詣
(
まう
)
でて
暫
(
しばら
)
くは
131
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
聞
(
き
)
きつるが
132
夫
(
をつと
)
の
君
(
きみ
)
の
守
(
まも
)
りたる
133
三五教
(
あななひけう
)
を
守
(
まも
)
りなば
134
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
幸
(
さち
)
はひて
135
恋
(
こひ
)
しき
夫
(
をつと
)
に
何時
(
いつ
)
の
日
(
ひ
)
か
136
巡
(
めぐ
)
り
合
(
あ
)
ふ
世
(
よ
)
もあるならむ
137
三五教
(
あななひけう
)
に
若
(
し
)
くなしと
138
系統
(
ひつぽう
)
の
身魂
(
みたま
)
と
詐
(
いつは
)
りて
139
フサの
御国
(
みくに
)
に
居
(
きよ
)
を
構
(
かま
)
へ
140
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
く
折柄
(
をりから
)
に
141
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
行方
(
やりかた
)
が
142
心
(
こころ
)
に
合
(
あ
)
はぬ
所
(
ところ
)
より
143
ウラルの
教
(
をしへ
)
と
三五
(
あななひ
)
の
144
教
(
をしへ
)
を
合
(
あ
)
はしてウラナイ
教
(
けう
)
と
145
大看板
(
だいかんばん
)
を
掲
(
かか
)
げつつ
146
北山村
(
きたやまむら
)
に
立籠
(
たてこも
)
り
147
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
き
居
(
ゐ
)
たりける
148
それより
進
(
すす
)
んで
自凝
(
おろころ
)
の
149
神
(
かみ
)
の
島
(
しま
)
なる
中心地
(
ちうしんち
)
150
由良
(
ゆら
)
の
港
(
みなと
)
に
程
(
ほど
)
近
(
ちか
)
き
151
魔窟
(
まくつ
)
ケ
原
(
はら
)
に
黒姫
(
くろひめ
)
を
152
遣
(
つか
)
はし
教
(
をしへ
)
の
司
(
つかさ
)
とし
153
バラモン
教
(
けう
)
の
大棟梁
(
だいとうりやう
)
154
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
や
三五
(
あななひ
)
の
155
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
を
根底
(
ねそこ
)
より
156
改良
(
かいりやう
)
せむといら
立
(
だ
)
ちて
157
心
(
こころ
)
を
千々
(
ちぢ
)
に
砕
(
くだ
)
きしが
158
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
159
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
御心
(
みこころ
)
が
160
身
(
み
)
に
浸
(
し
)
みわたり
三五
(
あななひ
)
の
161
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
入信
(
にふしん
)
し
162
教司
(
をしへつかさ
)
に
任
(
ま
)
けられて
163
茲
(
ここ
)
まで
仕
(
つか
)
へ
来
(
きた
)
りけり
164
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
罪
(
つみ
)
深
(
ふか
)
き
165
われは
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
166
今
(
いま
)
まで
積
(
つ
)
み
来
(
き
)
し
塵
(
ちり
)
芥
(
あくた
)
167
清
(
きよ
)
むる
由
(
よし
)
もないじやくり
168
心
(
こころ
)
に
恥
(
は
)
づる
折柄
(
をりから
)
に
169
黒姫
(
くろひめ
)
さまの
物語
(
ものがたり
)
170
筑紫
(
つくし
)
の
島
(
しま
)
の
熊襲国
(
くまそくに
)
171
建日
(
たけひ
)
の
館
(
やかた
)
の
神司
(
かむつかさ
)
172
建国別
(
たけくにわけ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
173
思
(
おも
)
ひ
廻
(
まは
)
せば
紛
(
まぎ
)
れなき
174
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
に
相違
(
さうゐ
)
あらざらむ
175
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
176
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
深
(
ふか
)
くして
177
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
で
178
いとしき
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
の
所在
(
ありか
)
をば
179
探
(
さぐ
)
り
得
(
え
)
たりし
嬉
(
うれ
)
しさよ
180
さはさり
乍
(
なが
)
ら
其
(
その
)
時
(
とき
)
の
181
夫
(
つま
)
の
命
(
みこと
)
は
今
(
いま
)
何処
(
いづこ
)
182
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
生
(
い
)
きていますなら
183
定
(
さだ
)
めて
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
の
行先
(
ゆくさき
)
を
184
行
(
ゆ
)
く
年波
(
としなみ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
185
思
(
おも
)
ひ
出
(
いだ
)
して
朝夕
(
あさゆふ
)
に
186
心
(
こころ
)
を
痛
(
いた
)
めますならむ
187
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
188
国治立
(
くにはるたちの
)
大御神
(
おほみかみ
)
189
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大御神
(
おほみかみ
)
190
金勝要
(
きんかつかねの
)
大御神
(
おほみかみ
)
191
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
親
(
おや
)
と
子
(
こ
)
の
192
憂
(
う
)
き
瀬
(
せ
)
にさまよふ
憐
(
あは
)
れさを
193
救
(
すく
)
はせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
194
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
高姫
(
たかひめ
)
が
195
慎
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
願
(
ね
)
ぎまつる
196
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
197
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
198
と
力
(
ちから
)
なげに
歌
(
うた
)
ひ、
199
恥
(
はづ
)
かしげに
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
俯
(
うつむ
)
く。
200
黒姫
(
くろひめ
)
は
少
(
すこ
)
しく
笑
(
ゑみ
)
を
含
(
ふく
)
み、
201
いそいそとして、
202
黒姫
『
高姫
(
たかひめ
)
さま、
203
あなたの
素性
(
すじやう
)
を
承
(
うけたま
)
はりました。
204
何
(
なん
)
とマア、
205
時節
(
じせつ
)
といふものは
恐
(
おそ
)
ろしいもので
御座
(
ござ
)
いますなア。
206
私
(
わたくし
)
は
今
(
いま
)
まで
稚姫君
(
わかひめぎみの
)
尊
(
みこと
)
様
(
さま
)
の
孫
(
まご
)
さま
位
(
くらゐ
)
に
信
(
しん
)
じて
居
(
を
)
りましたが、
207
マア
恐
(
おそ
)
ろしいウラル
彦
(
ひこ
)
、
208
ウラル
姫
(
ひめ
)
の
腹
(
はら
)
から
生
(
うま
)
れなさつた
貴女
(
あなた
)
とは、
209
夢
(
ゆめ
)
のやうで
御座
(
ござ
)
いますワ。
210
さうしてマア
随分
(
ずゐぶん
)
と
私
(
わたし
)
と
同
(
おな
)
じ
様
(
やう
)
に、
211
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
は
勝手
(
かつて
)
気儘
(
きまま
)
を
遊
(
あそ
)
ばしたと
見
(
み
)
えますなア。
212
互
(
たがひ
)
に
人
(
ひと
)
が
悪
(
わる
)
いと
思
(
おも
)
へば
皆
(
みな
)
吾
(
われ
)
が
悪
(
わる
)
いのだと、
213
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
仰有
(
おつしや
)
いますが、
214
ようマア
屑人間
(
くづにんげん
)
ばかり
是
(
こ
)
れだけ
引
(
ひき
)
よせて、
215
大切
(
たいせつ
)
な
御用
(
ごよう
)
をさして
下
(
くだ
)
さつたものです。
216
之
(
これ
)
を
思
(
おも
)
へば
本当
(
ほんたう
)
に
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
大御心
(
おほみこころ
)
が
有難
(
ありがた
)
くて
堪
(
たま
)
りませぬ。
217
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
、
218
国武彦
(
くにたけひこの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
は
申
(
まを
)
すに
及
(
およ
)
ばず、
219
言依別
(
ことよりわけ
)
の
教主
(
けうしゆ
)
様
(
さま
)
も
確
(
たしか
)
に
御存
(
ごぞん
)
じであつた
筈
(
はず
)
、
220
何時
(
いつ
)
やら
言依別
(
ことよりわけの
)
神
(
かみ
)
さまが
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
ひ、
221
高姫
(
たかひめ
)
さまは
決
(
けつ
)
して
厳
(
いづ
)
の
身魂
(
みたま
)
の
系統
(
ひつぽう
)
ではない、
222
あれは
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
の
腹
(
はら
)
から
生
(
うま
)
れた
女
(
をんな
)
だと
仰有
(
おつしや
)
つた
事
(
こと
)
が
御座
(
ござ
)
いました。
223
その
時
(
とき
)
に
私
(
わたくし
)
はドハイカラの
教主
(
けうしゆ
)
が
訳
(
わけ
)
も
知
(
し
)
らずに、
224
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ふのだ、
225
人
(
ひと
)
の
悪口
(
わるくち
)
を
云
(
い
)
ふにも
程
(
ほど
)
があると
思
(
おも
)
ひ、
226
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
ち、
227
それから
一層
(
いつそう
)
あなたを
思
(
おも
)
ふやうになり、
228
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
が
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
つてなりませなんだ。
229
誹
(
そし
)
る
勿
(
なか
)
れと
云
(
い
)
ふ
律法
(
りつぱう
)
を
守
(
まも
)
らねばならぬ、
230
併
(
しか
)
も
教主
(
けうしゆ
)
とあるものが、
231
何
(
なん
)
といふ
情
(
なさけ
)
ないことを
仰有
(
おつしや
)
るのか、
232
ヤツパリ
悪
(
あく
)
の
霊
(
みたま
)
の
守護
(
しゆご
)
に
相違
(
さうゐ
)
あるまいと、
233
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に
蔑
(
さげす
)
んで
居
(
を
)
りましたが、
234
今
(
いま
)
思
(
おも
)
へばホンに
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
も
偉
(
えら
)
いお
方
(
かた
)
だ。
235
どんな
悪
(
あく
)
の
霊
(
みたま
)
でも、
236
魂
(
たま
)
を
研
(
みが
)
いて
改心
(
かいしん
)
さして
結構
(
けつこう
)
な
御用
(
ごよう
)
に
使
(
つか
)
うてやらうとの
思召
(
おぼしめし
)
、
237
私
(
わたくし
)
は
有難
(
ありがた
)
うて、
238
今更
(
いまさら
)
の
如
(
ごと
)
く
涙
(
なみだ
)
が
止
(
と
)
まりませぬワイナ、
239
オンオンオン』
240
と
声
(
こゑ
)
を
放
(
はな
)
つて
泣
(
な
)
き
立
(
た
)
てる。
241
一同
(
いちどう
)
は
黒姫
(
くろひめ
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて、
242
今更
(
いまさら
)
の
如
(
ごと
)
く
大神
(
おほかみ
)
を
初
(
はじ
)
め、
243
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
の
広
(
ひろ
)
き
心
(
こころ
)
に
感歎
(
かんたん
)
するのみであつた。
244
高姫
『そんな
事
(
こと
)
が
御座
(
ござ
)
いましたか。
245
私
(
わたくし
)
も
此
(
こ
)
れでスツパリと
改心
(
かいしん
)
を
致
(
いた
)
します。
246
生
(
うま
)
れ
赤子
(
あかご
)
になつて、
247
今後
(
こんご
)
は
何事
(
なにごと
)
も
英子姫
(
ひでこひめ
)
様
(
さま
)
、
248
東助
(
とうすけ
)
様
(
さま
)
の
指図
(
さしづ
)
に
従
(
したが
)
ひ、
249
御用
(
ごよう
)
の
端
(
はし
)
に
使
(
つか
)
つて
頂
(
いただ
)
きませう。
250
かやうな
身魂
(
みたま
)
の
悪
(
わる
)
い
素性
(
すじやう
)
の
人間
(
にんげん
)
と
知
(
し
)
り
乍
(
なが
)
ら、
251
麻邇
(
まに
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
迄
(
まで
)
さして
下
(
くだ
)
さつた、
252
其
(
その
)
御
(
ご
)
高恩
(
かうおん
)
は
何時
(
いつ
)
になつても
忘
(
わす
)
れませぬ。
253
ホンに
今
(
いま
)
まで
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
の
美
(
うる
)
はしき
優
(
やさ
)
しき
御心
(
みこころ
)
を
知
(
し
)
らなんだか、
254
エヽ
残念
(
ざんねん
)
な、
255
定
(
さだ
)
めて
高姫
(
たかひめ
)
ははしたない
女
(
をんな
)
だと、
256
心
(
こころ
)
の
奥
(
おく
)
で
笑
(
わら
)
うてゐられたであらう。
257
実
(
じつ
)
に
情
(
なさけ
)
ない
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
います。
258
斯様
(
かやう
)
な
母親
(
ははおや
)
があつたかと、
259
伜
(
せがれ
)
が
聞
(
き
)
いたら、
260
どれだけ
悔
(
くや
)
むでせう。
261
又
(
また
)
私
(
わたくし
)
の
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
の
掛合
(
かかりあひ
)
の
男
(
をとこ
)
が
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
居
(
を
)
つて、
262
私
(
わたくし
)
の
脱線振
(
だつせんぶ
)
りを
聞
(
き
)
いたなら、
263
さぞやさぞ
愛想
(
あいさう
)
をつかして、
264
折角
(
せつかく
)
廻
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
うても、
265
逃
(
に
)
げて
了
(
しま
)
はれるでせう。
266
ホンに
私
(
わたくし
)
には
矢張
(
やつぱり
)
悪霊
(
あくれい
)
が
守護
(
しゆご
)
してゐたに
違
(
ちがひ
)
ありませぬ……あゝ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
267
どうぞ
赦
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さいませ。
268
誠
(
まこと
)
に
今日
(
けふ
)
迄
(
まで
)
は
済
(
す
)
まぬ
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
しました。
269
今度
(
こんど
)
こそ
本当
(
ほんたう
)
に
改心
(
かいしん
)
を
致
(
いた
)
します。
270
今
(
いま
)
までは
改心
(
かいしん
)
々々
(
かいしん
)
と
申
(
まを
)
して、
271
掛値
(
かけね
)
を
申上
(
まをしあ
)
げて
居
(
を
)
りました』
272
秋彦
(
あきひこ
)
は
思
(
おも
)
はず
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
し、
273
秋彦
(
あきひこ
)
『ウツフヽヽヽ
高姫
(
たかひめ
)
さま、
274
改心
(
かいしん
)
の
掛値
(
かけね
)
といふのはどんな
事
(
こと
)
ですか、
275
私
(
わたし
)
には
分
(
わか
)
りませぬがなア』
276
高姫
(
たかひめ
)
『
秋彦
(
あきひこ
)
、
277
どうぞ
堪忍
(
かんにん
)
して
下
(
くだ
)
さい。
278
恥
(
はづ
)
かしうて
何
(
なん
)
にも
言
(
い
)
へませぬから、
279
恋
(
こひ
)
しい
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
にさへも
会
(
あ
)
ふのが
恥
(
はづ
)
かしうなつて
来
(
き
)
たのだから……』
280
秋彦
(
あきひこ
)
『さうすると、
281
今日
(
けふ
)
のあなたの
改心
(
かいしん
)
は
生中
(
きなか
)
も
掛値
(
かけね
)
のない、
282
ネツトプライス
[
※
ネットプライスとは英語で net price 原価(製造原価や仕入原価)のこと。
]
の
正札付
(
しやうふだつき
)
の
改心
(
かいしん
)
ですか、
283
オツホヽヽヽ』
284
東助
(
とうすけ
)
『コレ
秋彦
(
あきひこ
)
、
285
お
黙
(
だま
)
りなさい。
286
此
(
この
)
愁歎場
(
しうたんば
)
が
俄
(
にはか
)
に
晴
(
はれ
)
やかになつては、
287
薩張
(
さつぱり
)
興
(
きよう
)
がさめて
了
(
しま
)
ふぢやないか。
288
サア
是
(
これ
)
からこの
東助
(
とうすけ
)
が
罪亡
(
つみほろ
)
ぼしに、
289
一
(
ひと
)
つ
愁歎場
(
しうたんば
)
をお
聞
(
き
)
きに
達
(
たつ
)
しようアツハヽヽヽヽ』
290
(
大正一一・九・一九
旧七・二八
松村真澄
録)
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