自然愛虚偽の社会に飽きはてて元津御国の慕はしくなりぬ〈序文(初版)〉
形ある宝は失せむさりながら愛と真との宝永久〈序文(初版)〉
聖場も自然愛なる道のために汚されむとす浅間しの世や〈第2章(初版)〉
如何にしてこの赤心にむくいむと思へど詮なき籠の鳥よ吾は〈第5章(初版)〉
天地の神の手すさびになり出でし百の瑞岩見る目涼しき〈第6章(初版)〉
空蝉の命はともあれ愛信の誠に生きて世をや守らむ〈第9章(初版)〉
永久の栄えに充てる天国へ昇らま欲しと祈る今日かな〈第9章(初版)〉
地の上の使命は未だ尽きざれど天にも諸の神業遺れる〈第9章(初版)〉
思ひきや教の庭の撫子に吾が負ふ千座を負はす苦しさ〈第13章(初版)〉
千座をば負ひて従ふまめ人と倶に遊ばむ天国の園〈第13章(初版)〉
肉体は狭き一と間に潜むとも魂は天地をかけめぐるなり〈第14章(初版)〉
村肝の心はいかにあせるとも動くすべなき今日の吾かな〈第14章(初版)〉
神柱直日の心おしはかり又も涙の袖しぼりつつ〈第15章(初版)〉
天下鳥樹の枝にしばし息やすめ暮れ行く春をうたふ今日かな〈第16章(初版)〉
比較的自由を与へられながらさても不便な窓の内かな〈第18章(初版)〉
浦々を巡る汽船を吾有と為して難波に浮かぶ夢見し〈第18章(初版)〉
山畠の高低ならし植ものを為したる夢を見たる床しさ〈第18章(初版)〉
吾が魂は天かけりつつ昼も夜も世のため人のために働く〈第18章(初版)〉
幾度か死線を越えて今やまた吾がたましひは労れ苦む〈第18章(初版)〉
ありがたし忝なしと拝謝より外に言なし君の赤心〈第22章(初版)〉
布団きて寝たる姿は涅槃像東山めがおにを見くさる〈第23章(初版)〉
渓深く流れも清き亀山の松の梢に夕陽輝く〈第24章(初版)〉
デブン・ニク(五十一)春の初めに波羅門の曲に襲はれ苦しみし吾〈巻末(初版)〉
還暦を去年すませたるジャルンホイル(六十二)現世に再生したる心地す〈巻末(初版)〉
ダルン・コルバ(七十三)ナステ重ねて現世の救ひの主と仰がれゆかむ〈巻末(初版)〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]