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第62巻（丑の巻）
序歌
総説
第1篇 言海霊山
01 神威
〔1576〕
02 神柱
〔1577〕
03 神力
〔1578〕
04 神慈
〔1579〕
05 神世
〔1580〕
第2篇 桶伏の山
06 神栄
〔1581〕
07 神降
〔1582〕
08 神生
〔1583〕
09 神子
〔1584〕
10 神宮
〔1585〕
第3篇 四尾の嶺
11 神勲
〔1586〕
12 神教
〔1587〕
13 神祈
〔1588〕
14 神幸
〔1589〕
15 神情
〔1590〕
第4篇 弥仙の峰
16 神息
〔1591〕
17 神心
〔1592〕
18 神園
〔1593〕
19 神水
〔1594〕
20 神香
〔1595〕
第5篇 金竜世界
21 神悟
〔1596〕
22 神樹
〔1597〕
23 神導
〔1598〕
24 神瑞
〔1599〕
25 神雲
〔1600〕
第6篇 聖地の花
26 神丘
〔1601〕
27 神習
〔1602〕
28 神滝
〔1603〕
29 神洲
〔1604〕
30 神座
〔1605〕
31 神閣
〔1606〕
32 神殿
〔1607〕
余白歌
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> 第3篇 四尾の嶺 > 第14章 神幸
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第一四章
神幸
(
しんかう
)
〔一五八九〕
インフォメーション
著者：
出口王仁三郎
巻：
霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻
篇：
第3篇 四尾の嶺
よみ（新仮名遣い）：
よつおのみね
章：
第14章 神幸
よみ（新仮名遣い）：
しんこう
通し章番号：
1589
口述日：
1923（大正12）年05月12日（旧03月27日）
口述場所：
竜宮館
筆録者：
隆光
校正日：
校正場所：
初版発行日：
1925（大正14）年10月16日
概要：
舞台：
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です（一部加筆訂正してあります）。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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：
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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：
備考：
タグ：
データ凡例：
データ最終更新日：
OBC ：
rm6214
愛善世界社版：
158頁
八幡書店版：
第11輯 188頁
修補版：
校定版：
173頁
普及版：
61頁
初版：
ページ備考：
001
第三八二
002
一
003
三
(
さん
)
月
(
ぐわつ
)
三日
(
みつか
)
の
桃
(
もも
)
の
花
(
はな
)
004
五
(
ご
)
月
(
ぐわつ
)
五日
(
いつか
)
の
桃
(
もも
)
の
実
(
み
)
や
005
菖蒲
(
あやめ
)
の
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
006
厳
(
いづ
)
の
吉
(
よ
)
き
日
(
ひ
)
は
来
(
きた
)
りけり
007
遠
(
とほ
)
き
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
より
008
弥
(
いや
)
永久
(
とこしへ
)
に
定
(
さだ
)
まれる
009
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
は
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
の
010
生代
(
いくよ
)
を
契
(
ちぎ
)
る
神柱
(
かむばしら
)
011
祝
(
いはひ
)
の
日
(
ひ
)
とぞなりにける。
012
二
013
山
(
やま
)
と
山
(
やま
)
との
谷間
(
たにあひ
)
を
014
流
(
なが
)
るる
水
(
みづ
)
の
底
(
そこ
)
清
(
きよ
)
く
015
菖蒲
(
あやめ
)
の
花
(
はな
)
は
朝夕
(
あさゆふ
)
に
016
妙
(
たへ
)
なる
薫
(
かを
)
りを
放
(
はな
)
ちつつ
017
わが
庭前
(
にはさき
)
の
池
(
いけ
)
の
面
(
も
)
に
018
影
(
かげ
)
をば
映
(
うつ
)
す
水鏡
(
みづかがみ
)
019
上
(
うへ
)
と
下
(
した
)
とは
紫
(
むらさき
)
の
020
花
(
はな
)
と
花
(
はな
)
との
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
が
021
睦
(
むつ
)
びし
如
(
ごと
)
く
映
(
うつ
)
ろへり。
022
三
023
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
憂
(
う
)
きも
悩
(
なや
)
みをも
024
又
(
また
)
喜
(
よろこ
)
びも
楽
(
たの
)
しみも
025
共
(
とも
)
におひつつ
睦
(
むつま
)
じく
026
厳
(
いづ
)
の
栄光
(
さかえ
)
の
神園
(
みその
)
をば
027
望
(
のぞ
)
みて
進
(
すす
)
む
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
の
028
正
(
ただ
)
しき
道
(
みち
)
の
楽
(
たの
)
しさよ。
029
四
030
八千代
(
やちよ
)
と
寿
(
ことほ
)
ぐ
百鳥
(
ももどり
)
の
031
歌
(
うた
)
の
調
(
しらべ
)
も
長閑
(
のどか
)
なり
032
神
(
かみ
)
の
御庭
(
みには
)
に
集
(
あつ
)
まりし
033
珍
(
うづ
)
の
信徒
(
まめひと
)
睦
(
むつ
)
び
合
(
あ
)
ひ
034
花
(
はな
)
の
莚
(
むしろ
)
に
嬉
(
うれ
)
しげに
035
うごなはり
居
(
ゐ
)
る
有様
(
ありさま
)
は
036
天津使
(
あまつつかひ
)
の
如
(
ごと
)
くにて
037
妹背
(
いもせ
)
の
幸
(
さち
)
を
祈
(
いの
)
るなり
038
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
039
恩頼
(
みたまのふゆ
)
を
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る。
040
第三八三
041
一
042
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
の
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
きし
那岐
(
なぎ
)
那美
(
なみ
)
の
043
神
(
かみ
)
の
御声
(
みこゑ
)
は
今
(
いま
)
尚
(
なほ
)
聞
(
きこ
)
ゆも。
044
二
045
厳御霊
(
いづみたま
)
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
下
(
くだ
)
り
来
(
き
)
て
046
今日
(
けふ
)
の
喜
(
よろこ
)
び
幸
(
さち
)
はひ
給
(
たま
)
はむ。
047
三
048
現
(
うつ
)
し
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
ちて
働
(
はたら
)
くわが
友
(
とも
)
を
049
与
(
あた
)
へ
給
(
たま
)
はれ
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
の
道
(
みち
)
。
050
四
051
須勢理
(
すせり
)
姫
(
ひめ
)
出雲
(
いづも
)
の
神
(
かみ
)
とならばして
052
結
(
むす
)
び
給
(
たま
)
ひぬ
妹背
(
いもせ
)
の
道
(
みち
)
を。
053
五
054
産土
(
うぶすな
)
の
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
のとりなしに
055
結
(
むす
)
び
終
(
をは
)
りぬ
妹背
(
いもせ
)
の
道
(
みち
)
を。
056
六
057
幾千代
(
いくちよ
)
も
幸
(
さち
)
はひ
給
(
たま
)
へ
大御神
(
おほみかみ
)
058
産土神
(
うぶすながみ
)
と
力
(
ちから
)
協
(
あは
)
せて。
059
第三八四
060
一
061
元津
(
もとつ
)
神
(
かみ
)
厳
(
いづ
)
と
瑞
(
みづ
)
との
二柱
(
ふたはしら
)
に
062
仕
(
つか
)
ふる
家内
(
やぬち
)
は
永久
(
とは
)
に
楽
(
たの
)
しき。
063
二
064
兄弟
(
はらから
)
も
家族
(
うから
)
親族
(
やから
)
も
親
(
した
)
しみて
065
喜
(
よろこ
)
び
分
(
わか
)
つ
家
(
いへ
)
の
楽
(
たの
)
しさ。
066
三
067
朝夕
(
あさゆふ
)
に
業
(
わざ
)
勤
(
いそ
)
しみて
皇神
(
すめかみ
)
の
068
御栄光
(
みさかえ
)
あれと
祈
(
いの
)
る
朝宵
(
あさよひ
)
。
069
四
070
霜枯
(
しもが
)
れし
浮世
(
うきよ
)
に
住
(
す
)
めど
楽
(
たの
)
もしき
071
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
の
心地
(
ここち
)
するなり。
072
第三八五
073
一
074
天津国
(
あまつくに
)
花
(
はな
)
の
御園
(
みその
)
に
建
(
た
)
つ
家
(
いへ
)
は
075
黄金
(
こがね
)
の
薨
(
いらか
)
四辺
(
あたり
)
まばゆき。
076
二
077
火
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
かれ
水
(
みづ
)
に
流
(
なが
)
るる
現
(
うつ
)
し
世
(
よ
)
の
078
家居
(
いへゐ
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
果敢
(
はか
)
なきを
知
(
し
)
れ。
079
三
080
八重葎
(
やへむぐら
)
門
(
かど
)
を
鎖
(
とざ
)
せし
賤ケ家
(
しづがや
)
も
081
祝詞
(
のりと
)
聞
(
きこ
)
えて
宮居
(
みやゐ
)
となれり。
082
四
083
逸
(
はや
)
りてし
己
(
おの
)
が
心
(
こころ
)
を
笑
(
わら
)
ひつつ
084
今
(
いま
)
落
(
お
)
ち
着
(
つ
)
きぬ
神
(
かみ
)
の
言葉
(
ことば
)
に。
085
五
086
湧
(
わ
)
くままに
野中
(
のなか
)
の
清水
(
しみづ
)
掬
(
むす
)
びつつ
087
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
恵
(
めぐみ
)
さとりぬ。
088
六
089
玉
(
たま
)
の
井
(
ゐ
)
に
宿
(
やど
)
る
月影
(
つきかげ
)
いと
清
(
きよ
)
し
090
魂
(
たま
)
を
研
(
みが
)
けと
教
(
をし
)
へ
給
(
たま
)
ふか。
091
第三八六
092
一
093
芝垣
(
しばがき
)
の
一重
(
ひとへ
)
の
中
(
うち
)
も
楽
(
たの
)
しけれ
094
神
(
かみ
)
を
讃
(
たた
)
へて
世
(
よ
)
を
渡
(
わた
)
る
身
(
み
)
は。
095
二
096
わが
妹
(
いも
)
は
花
(
はな
)
と
笑
(
ゑ
)
みつついとし
子
(
ご
)
は
097
鳥
(
とり
)
と
歌
(
うた
)
ひて
神
(
かみ
)
を
称
(
たた
)
へり。
098
三
099
円山
(
まるやま
)
に
登
(
のぼ
)
りて
四方
(
よも
)
を
眺
(
なが
)
むれば
100
神
(
かみ
)
の
栄光
(
さかえ
)
は
目
(
ま
)
のあたり
見
(
み
)
ゆ。
101
四
102
橄欖
(
かんらん
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
円山
(
まるやま
)
に
103
胸
(
むね
)
をどるかも
瑞垣
(
みづがき
)
の
跡
(
あと
)
。
104
五
105
皇神
(
すめかみ
)
の
珍
(
うづ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
の
砕
(
くだ
)
かれし
106
跡
(
あと
)
見
(
み
)
る
度
(
たび
)
に
涙
(
なみだ
)
こぼるる。
107
六
108
八重葎
(
やへむぐら
)
茂
(
しげ
)
れる
賤ケ伏家
(
しづがふせや
)
にも
109
月
(
つき
)
は
窓
(
まど
)
より
覗
(
のぞ
)
かせ
給
(
たま
)
ふ。
110
七
111
御恵
(
みめぐみ
)
の
雨
(
あめ
)
は
枢
(
とぼそ
)
を
潤
(
うるほ
)
して
112
生命
(
いのち
)
の
水
(
みづ
)
をそそがせ
玉
(
たま
)
へり。
113
八
114
わが
家
(
いへ
)
は
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
住居
(
すまゐ
)
115
珍
(
うづ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
と
尊
(
たふと
)
み
守
(
まも
)
らへ。
116
第三八七
117
一
118
ほのぼのと
東
(
あづま
)
の
空
(
そら
)
は
明
(
あ
)
けにけり
119
はや
昇
(
のぼ
)
るらし
待
(
ま
)
ちわびし
日
(
ひ
)
は。
120
二
121
大空
(
おほぞら
)
にかすみし
月
(
つき
)
も
奇
(
くし
)
びなる
122
光
(
ひかり
)
を
放
(
はな
)
つ
夜
(
よ
)
とはなりぬる。
123
三
124
冬籠
(
ふゆごも
)
り
春
(
はる
)
待
(
ま
)
ちわびし
白梅
(
しらうめ
)
の
125
神
(
かみ
)
の
御園
(
みその
)
に
身
(
み
)
をひそめ
居
(
ゐ
)
つ。
126
四
127
声
(
こゑ
)
高
(
たか
)
く
鶯
(
うぐひす
)
雲雀
(
ひばり
)
野
(
の
)
に
叫
(
さけ
)
ぶは
128
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
を
謳
(
うた
)
ふなるらむ。
129
五
130
梅
(
うめ
)
柳
(
やなぎ
)
花
(
はな
)
橘
(
たちばな
)
の
色
(
いろ
)
清
(
きよ
)
く
131
主
(
きみ
)
の
栄
(
さか
)
えを
粧
(
よそ
)
ひぬるかな。
132
六
133
皇神
(
すめかみ
)
の
同
(
おな
)
じ
身魂
(
みたま
)
を
受
(
う
)
くる
身
(
み
)
は
134
男女
(
をのこをみな
)
の
区別
(
わかち
)
あるなし。
135
七
136
珍
(
めづ
)
らしき
花
(
はな
)
匂
(
にほ
)
ふなる
庭
(
には
)
の
面
(
も
)
に
137
導
(
みちび
)
かれ
行
(
ゆ
)
くも
神
(
かみ
)
のまにまに。
138
第三八八
139
一
140
時鳥
(
ほととぎす
)
深山
(
みやま
)
の
奥
(
おく
)
に
身
(
み
)
をかくし
141
瑞枝
(
みづえ
)
栄
(
さか
)
ゆる
夏
(
なつ
)
を
待
(
ま
)
ちつつ。
142
二
143
時鳥
(
ほととぎす
)
泣
(
な
)
く
音
(
ね
)
に
醒
(
さ
)
めて
起
(
お
)
き
出
(
い
)
づれば
144
有明
(
ありあけ
)
の
月
(
つき
)
かがやき
渡
(
わた
)
らふ。
145
三
146
花蓮
(
はなはちす
)
白梅
(
しらうめ
)
の
如
(
ごと
)
薫
(
かを
)
りつつ
147
神
(
かみ
)
の
御旨
(
みむね
)
を
教
(
をし
)
へ
示
(
しめ
)
せり。
148
四
149
月
(
つき
)
涼
(
すず
)
し
秋
(
あき
)
亦
(
また
)
涼
(
すず
)
し
野
(
の
)
も
山
(
やま
)
も
150
涼
(
すず
)
しき
空
(
そら
)
に
月
(
つき
)
は
輝
(
かがや
)
く。
151
五
152
旅人
(
たびびと
)
のなやむ
真昼
(
まひる
)
の
夕立
(
ゆふだち
)
に
153
心
(
こころ
)
の
塵
(
ちり
)
は
洗
(
あら
)
はれにけり。
154
六
155
皇神
(
すめかみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
称
(
たた
)
ふる
珍
(
うづ
)
の
声
(
こゑ
)
は
156
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
の
神
(
かみ
)
に
通
(
かよ
)
はむ。
157
第三八九
158
一
159
皇神
(
すめかみ
)
の
教
(
のり
)
に
交
(
まじ
)
らふ
友垣
(
ともがき
)
は
160
兄弟
(
はらから
)
よりも
親
(
した
)
しかりけり。
161
二
162
来
(
きた
)
ります
主
(
きみ
)
待
(
ま
)
ちわびて
長月
(
ながつき
)
の
163
消息
(
たより
)
をきくの
花莚
(
はなむしろ
)
かな。
164
三
165
麻柱
(
あななひ
)
の
赤
(
あか
)
き
心
(
こころ
)
は
紅葉
(
もみぢば
)
の
166
奇
(
くし
)
き
色香
(
いろか
)
に
通
(
かよ
)
ひぬるかな。
167
四
168
永久
(
とこしへ
)
の
神
(
かみ
)
の
望
(
のぞ
)
みはさやかなる
169
御空
(
みそら
)
の
月
(
つき
)
にさも
似
(
に
)
たるかな。
170
五
171
田
(
た
)
の
面
(
おも
)
に
稔
(
みの
)
る
稲穂
(
いなほ
)
を
鏡
(
かがみ
)
とし
172
謙遜
(
へりくだ
)
りつつ
御世
(
みよ
)
を
渡
(
わた
)
らへ。
173
六
174
秋
(
あき
)
の
夜
(
よ
)
の
虫
(
むし
)
の
泣
(
な
)
く
音
(
ね
)
に
合
(
あは
)
せつつ
175
小琴
(
をごと
)
の
調
(
しらべ
)
に
御代
(
みよ
)
を
謳
(
うた
)
はむ。
176
第三九〇
177
一
178
日
(
ひ
)
は
流
(
なが
)
れ
月
(
つき
)
は
歩
(
あゆ
)
みて
星
(
ほし
)
移
(
うつ
)
り
179
今年
(
ことし
)
も
余
(
あま
)
り
尠
(
すくな
)
くなりぬ。
180
二
181
御恵
(
みめぐみ
)
の
深
(
ふか
)
きも
知
(
し
)
らず
白雪
(
しらゆき
)
の
182
中
(
なか
)
にまよふも
夢心地
(
ゆめごごち
)
して。
183
三
184
野
(
の
)
も
山
(
やま
)
もはや
冬枯
(
ふゆが
)
れて
見
(
み
)
る
目
(
め
)
淋
(
さび
)
し
185
頼
(
たよ
)
りとするは
御光
(
みひかり
)
のみなる。
186
四
187
皇神
(
すめかみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
場
(
には
)
の
睦
(
むつ
)
びこそ
188
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
永久
(
とは
)
の
春
(
はる
)
かも。
189
五
190
いと
清
(
きよ
)
き
教
(
をしへ
)
の
友
(
とも
)
の
交
(
まじ
)
らひは
191
後
(
のち
)
の
世
(
よ
)
かけて
変
(
かは
)
らざらまし。
192
六
193
埋火
(
うづみび
)
の
深
(
ふか
)
き
心
(
こころ
)
を
知
(
し
)
らずして
194
煙
(
けむり
)
の
如
(
ごと
)
くさまよひ
巡
(
めぐ
)
るも。
195
第三九一
196
一
197
豊栄
(
とよさか
)
昇
(
のぼ
)
る
朝日影
(
あさひかげ
)
198
さすや
迷
(
まよ
)
ひの
雲
(
くも
)
晴
(
は
)
れて
199
天津
(
あまつ
)
御国
(
みくに
)
に
永久
(
とこしへ
)
に
200
あれます
元津
(
もとつ
)
祖神
(
おやがみ
)
の
201
御稜威
(
みいづ
)
は
四方
(
よも
)
に
輝
(
かがや
)
きぬ
202
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
なる
人草
(
ひとぐさ
)
の
203
打
(
うち
)
仰
(
あふ
)
ぎつつ
御空
(
みそら
)
をば
204
恋慕
(
こひした
)
ふこそ
床
(
ゆか
)
しけれ。
205
二
206
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
下
(
くだ
)
します
207
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
を
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けて
208
罪
(
つみ
)
や
穢
(
けがれ
)
に
萎
(
しを
)
れたる
209
青人草
(
あをひとぐさ
)
に
御栄光
(
みさかえ
)
の
210
再
(
ふたた
)
び
花
(
はな
)
を
咲
(
さ
)
かしむる
211
目出度
(
めでた
)
き
時
(
とき
)
は
近
(
ちか
)
づきぬ
212
仰
(
あふ
)
ぎ
敬
(
うやま
)
へ
神
(
かみ
)
の
徳
(
とく
)
。
213
三
214
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
を
譬
(
たと
)
ふれば
215
風
(
かぜ
)
も
誘
(
さそ
)
はぬ
春
(
はる
)
の
花
(
はな
)
216
雲
(
くも
)
もかからぬ
秋
(
あき
)
の
月
(
つき
)
217
朝日
(
あさひ
)
の
豊栄
(
とよさか
)
昇
(
のぼ
)
る
如
(
ごと
)
218
いと
明
(
あきら
)
かに
天地
(
あめつち
)
に
219
弥
(
いや
)
永久
(
とこしへ
)
に
栄
(
さか
)
えます
220
仰
(
あふ
)
ぎ
敬
(
うやま
)
へ
大稜威
(
おほみいづ
)
221
慕
(
した
)
ひまつれよ
神
(
かみ
)
の
愛
(
あい
)
。
222
四
223
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
集
(
つど
)
ひ
来
(
き
)
て
224
瑞
(
みづ
)
の
御声
(
みこゑ
)
を
聞
(
き
)
く
時
(
とき
)
は
225
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
226
果
(
は
)
てしも
知
(
し
)
らぬ
嬉
(
うれ
)
しさを
227
包
(
つつ
)
む
術
(
すべ
)
なき
薄衣
(
うすごろも
)
228
畳
(
たた
)
むも
惜
(
を
)
しき
心地
(
ここち
)
かな
229
仰
(
あふ
)
ぎ
敬
(
うやま
)
へ
神
(
かみ
)
の
稜威
(
いづ
)
230
慕
(
した
)
ひまつれよ
神
(
かみ
)
の
愛
(
あい
)
。
231
（
大正一二・五・一二
旧三・二七
於竜宮館
隆光
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