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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第62巻(丑の巻)
序歌
総説
第1篇 言海霊山
第1章 神威
第2章 神柱
第3章 神力
第4章 神慈
第5章 神世
第2篇 桶伏の山
第6章 神栄
第7章 神降
第8章 神生
第9章 神子
第10章 神宮
第3篇 四尾の嶺
第11章 神勲
第12章 神教
第13章 神祈
第14章 神幸
第15章 神情
第4篇 弥仙の峰
第16章 神息
第17章 神心
第18章 神園
第19章 神水
第20章 神香
第5篇 金竜世界
第21章 神悟
第22章 神樹
第23章 神導
第24章 神瑞
第25章 神雲
第6篇 聖地の花
第26章 神丘
第27章 神習
第28章 神滝
第29章 神洲
第30章 神座
第31章 神閣
第32章 神殿
余白歌
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霊界物語
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第62巻(丑の巻)
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<<< 神座
(B)
(N)
神殿 >>>
第三一章
神閣
(
しんかく
)
〔一六〇六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻
篇:
第6篇 聖地の花
よみ(新仮名遣い):
せいちのはな
章:
第31章 神閣
よみ(新仮名遣い):
しんかく
通し章番号:
1606
口述日:
1923(大正12)年05月16日(旧04月1日)
口述場所:
教主殿
筆録者:
明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年10月16日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm6231
愛善世界社版:
364頁
八幡書店版:
第11輯 250頁
修補版:
校定版:
397頁
普及版:
61頁
初版:
ページ備考:
001
第五五二
002
一
003
常闇
(
とこやみ
)
の
夜
(
よる
)
の
帳
(
とばり
)
は
降
(
おろ
)
されて
004
初
(
はじ
)
めて
慕
(
した
)
ふ
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
かな。
005
二
006
足引
(
あしびき
)
の
五十路
(
いそぢ
)
の
山
(
やま
)
を
二
(
ふた
)
つ
越
(
こ
)
えて
007
三
(
み
)
つの
神
(
かみ
)
ます
花園
(
はなぞの
)
に
進
(
すす
)
む。
008
三
009
一人
(
ひとり
)
行
(
ゆ
)
くも
惜
(
を
)
しくぞ
思
(
おも
)
ふ
花
(
はな
)
の
山
(
やま
)
010
ふりかへりつつ
招
(
まね
)
く
友垣
(
ともがき
)
。
011
四
012
暁
(
あかつき
)
を
告
(
つ
)
ぐる
御殿
(
みとの
)
の
太鼓
(
たいこ
)
の
音
(
ね
)
に
013
長
(
なが
)
き
眠
(
ねむ
)
りをさましつつゆく。
014
五
015
人
(
ひと
)
は
皆
(
みな
)
深
(
ふか
)
き
暗路
(
やみぢ
)
を
渡
(
わた
)
り
川
(
がは
)
016
清
(
きよ
)
き
流
(
なが
)
れに
更生主
(
きみ
)
一人
(
ひとり
)
立
(
た
)
つ。
017
第五五三
018
一
019
傾
(
かたむ
)
きし
月
(
つき
)
に
心
(
こころ
)
の
澄
(
す
)
みぬれば
020
仇
(
あだ
)
に
一夜
(
ひとよ
)
も
寝
(
ね
)
られざりけり。
021
二
022
紫
(
むらさき
)
の
雲
(
くも
)
棚曳
(
たなび
)
きて
大空
(
おほぞら
)
に
023
傾
(
かたむ
)
く
月
(
つき
)
を
慕
(
した
)
ひ
見
(
み
)
るかな。
024
三
025
大空
(
おほぞら
)
に
慄
(
ふる
)
ひて
澄
(
す
)
める
月影
(
つきかげ
)
は
026
地
(
ち
)
の
凩
(
こがらし
)
を
歎
(
かこ
)
ち
顔
(
がほ
)
なる。
027
四
028
小夜
(
さよ
)
更
(
ふ
)
けて
山川
(
やまかは
)
草木
(
くさき
)
静
(
しづ
)
かなり
029
只
(
ただ
)
月
(
つき
)
のみぞ
空
(
そら
)
に
冴
(
さ
)
えぬる。
030
五
031
わくらはに
心
(
こころ
)
の
月
(
つき
)
の
澄
(
す
)
みぬるは
032
悟
(
さと
)
りに
入
(
い
)
るの
初
(
はじ
)
めなりけり。
033
第五五四
034
一
035
玉
(
たま
)
の
井
(
ゐ
)
の
底
(
そこ
)
に
沈
(
しづ
)
むも
大空
(
おほぞら
)
に
036
著
(
しる
)
けき
月
(
つき
)
も
同
(
おな
)
じ
光
(
ひかり
)
ぞ。
037
二
038
白梅
(
しらうめ
)
の
花
(
はな
)
は
匂
(
にほ
)
ひていつしかに
039
疎
(
うと
)
みし
人
(
ひと
)
も
尋
(
たづ
)
ね
来
(
く
)
るかな。
040
三
041
神垣
(
かみがき
)
を
後
(
あと
)
に
見捨
(
みす
)
てて
行
(
ゆ
)
く
雁
(
かり
)
の
042
中
(
なか
)
にも
残
(
のこ
)
る
一列
(
ひとつら
)
ありけり。
043
四
044
白梅
(
しらうめ
)
の
匂
(
にほ
)
ふも
待
(
ま
)
たで
行
(
ゆ
)
く
雁
(
かり
)
の
045
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
は
淋
(
さび
)
しかるらむ。
046
五
047
神垣
(
かみがき
)
の
春
(
はる
)
もあさ
野
(
の
)
の
若草
(
わかぐさ
)
に
048
かくれて
雉子
(
きぎす
)
鳴
(
な
)
き
渡
(
わた
)
るなり。
049
第五五五
050
一
051
円山
(
まるやま
)
の
木々
(
きぎ
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
呼子鳥
(
よびこどり
)
052
誰
(
た
)
を
招
(
まね
)
くらむ
声
(
こゑ
)
も
静
(
しづ
)
けく。
053
二
054
神園
(
かみぞの
)
の
梅
(
うめ
)
手折
(
たを
)
らむと
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
055
早
(
はや
)
くも
散
(
ち
)
りて
実
(
み
)
は
結
(
むす
)
びたり。
056
三
057
白梅
(
しらうめ
)
の
外
(
ほか
)
にかぐはし
友
(
とも
)
もなし
058
散
(
ち
)
りたる
後
(
のち
)
の
心
(
こころ
)
淋
(
さび
)
しさ。
059
四
060
散
(
ち
)
るとてもまた
来
(
く
)
る
春
(
はる
)
を
松ケ枝
(
まつがえ
)
に
061
緑
(
みどり
)
の
色
(
いろ
)
のすがすがしくあれ。
062
五
063
凩
(
こがらし
)
の
荒
(
すさ
)
みし
跡
(
あと
)
の
円山
(
まるやま
)
に
064
照
(
て
)
る
月影
(
つきかげ
)
はいとも
長閑
(
のど
)
けし。
065
第五五六
066
一
067
三五
(
あななひ
)
の
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
を
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
068
わがもの
顔
(
がほ
)
に
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
るなり。
069
二
070
久方
(
ひさかた
)
の
天津
(
あまつ
)
日影
(
ひかげ
)
も
月影
(
つきかげ
)
も
071
元津
(
もとつ
)
御神
(
みかみ
)
の
光
(
ひかり
)
なりけり。
072
三
073
時鳥
(
ほととぎす
)
五月
(
さつき
)
の
空
(
そら
)
に
里
(
さと
)
なれて
074
夜
(
よる
)
の
更
(
ふ
)
くるまで
啼
(
な
)
き
渡
(
わた
)
るかな。
075
四
076
金竜
(
きんりう
)
の
池
(
いけ
)
のみぎはもさみだれて
077
菖蒲
(
あやめ
)
の
花
(
はな
)
の
紫
(
むらさき
)
に
咲
(
さ
)
く。
078
五
079
皇神
(
すめかみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
もわけて
大八洲
(
おほやしま
)
080
松
(
まつ
)
の
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に
迦陵
(
から
)
頻伽
(
びんが
)
鳴
(
な
)
く。
081
第五五七
082
一
083
和田
(
わだ
)
の
原
(
はら
)
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
りたる
月影
(
つきかげ
)
の
084
傾
(
かたむ
)
く
見
(
み
)
れば
淋
(
さび
)
しかりけり。
085
二
086
金竜
(
きんりう
)
の
池
(
いけ
)
の
氷
(
こほり
)
の
解
(
と
)
けてより
087
水底
(
みなそこ
)
深
(
ふか
)
くうつる
月影
(
つきかげ
)
。
088
三
089
空
(
そら
)
高
(
たか
)
く
立
(
た
)
つ
河霧
(
かはぎり
)
の
隙間
(
すきま
)
より
090
漏
(
も
)
れ
来
(
く
)
る
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
慕
(
した
)
はし。
091
四
092
長
(
なが
)
き
夜
(
よ
)
も
明
(
あ
)
けて
悔
(
くや
)
しく
思
(
おも
)
ふかな
093
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
のあせて
見
(
み
)
ゆれば。
094
五
095
神垣
(
かみがき
)
の
空
(
そら
)
を
包
(
つつ
)
みし
黒雲
(
くろくも
)
を
096
すかして
照
(
て
)
れる
有明
(
ありあけ
)
の
月
(
つき
)
。
097
第五五八
098
一
099
月
(
つき
)
出
(
い
)
でて
松
(
まつ
)
の
緑
(
みどり
)
は
栄
(
さか
)
えけり
100
紅葉
(
もみぢ
)
散
(
ち
)
り
敷
(
し
)
く
凩
(
こがらし
)
の
後
(
あと
)
に。
101
二
102
呉竹
(
くれたけ
)
の
筧
(
かけひ
)
の
水
(
みづ
)
におく
露
(
つゆ
)
も
103
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
をうけて
輝
(
かがよ
)
ふ。
104
三
105
富士
(
ふじ
)
の
根
(
ね
)
に
積
(
つ
)
む
白雪
(
しらゆき
)
のいと
清
(
きよ
)
く
106
永久
(
とは
)
に
消
(
き
)
えざる
心
(
こころ
)
ともがな。
107
四
108
富士
(
ふじ
)
の
雪
(
ゆき
)
の
永久
(
とは
)
に
消
(
き
)
えざる
心
(
こころ
)
もて
109
清
(
きよ
)
く
御前
(
みまへ
)
に
仕
(
つか
)
へまつらむ。
110
五
111
霜
(
しも
)
の
褥
(
とこ
)
月
(
つき
)
の
枕
(
まくら
)
を
数
(
かず
)
重
(
かさ
)
ね
112
神国
(
みくに
)
のために
道
(
みち
)
伝
(
つた
)
へ
往
(
ゆ
)
く。
113
第五五九
114
一
115
山川
(
やまかは
)
に
風
(
かぜ
)
のかけたる
花
(
はな
)
の
橋
(
はし
)
を
116
渡
(
わた
)
らむとすも
今
(
いま
)
の
世人
(
よびと
)
は。
117
二
118
光
(
ひかり
)
無
(
な
)
き
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
にも
岩躑躅
(
いはつつじ
)
119
月
(
つき
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
に
匂
(
にほ
)
へる。
120
三
121
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
建
(
た
)
てし
宮居
(
みやゐ
)
を
醜司
(
しこづかさ
)
122
真金
(
まがね
)
の
鉾
(
ほこ
)
を
打
(
う
)
ちふり
砕
(
くだ
)
きぬ。
123
四
124
世
(
よ
)
のために
尽
(
つく
)
すと
言
(
い
)
ひし
醜司
(
しこづかさ
)
の
125
醜
(
しこ
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
したるかな。
126
五
127
ひたすらに
世
(
よ
)
を
安
(
やす
)
かれと
祈
(
いの
)
るかな
128
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に。
129
第五六〇
130
一
131
神垣
(
かみがき
)
の
松
(
まつ
)
の
心
(
こころ
)
の
誓
(
ちか
)
ひにて
132
主
(
きみ
)
が
千歳
(
ちとせ
)
を
朝夕
(
あさゆふ
)
祈
(
いの
)
る。
133
二
134
千早振
(
ちはやふる
)
神代
(
かみよ
)
は
知
(
し
)
らず
老松
(
おいまつ
)
の
135
梢
(
こずゑ
)
に
澄
(
す
)
める
月
(
つき
)
はさやけし。
136
三
137
綿津海
(
わたつみ
)
の
真砂
(
まさご
)
の
数
(
かず
)
はかぞふとも
138
数
(
かぞ
)
へきれぬは
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
。
139
四
140
白梅
(
しらうめ
)
の
花
(
はな
)
も
常磐
(
ときは
)
の
色
(
いろ
)
添
(
そ
)
ひて
141
八重
(
やへ
)
神垣
(
かみがき
)
に
匂
(
にほ
)
ひけるかな。
142
五
143
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
の
闇
(
やみ
)
や
晴
(
は
)
れぬらむ
144
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
りたる
円山
(
まるやま
)
の
月
(
つき
)
に。
145
第五六一
146
一
147
大空
(
おほぞら
)
の
月
(
つき
)
も
澄
(
す
)
みけり
池水
(
いけみづ
)
も
148
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
りたる
神垣
(
かみがき
)
の
庭
(
には
)
。
149
二
150
御禊
(
みそぎ
)
する
小雲
(
こくも
)
の
川
(
かは
)
の
小波
(
さざなみ
)
の
151
日数
(
ひかず
)
重
(
かさ
)
ねて
神
(
かみ
)
に
祈
(
いの
)
りつ。
152
三
153
皆
(
みな
)
人
(
ひと
)
のやがて
渡
(
わた
)
らむ
三瀬川
(
みつせがは
)
154
せき
留
(
と
)
むるよしも
無
(
な
)
き
涙
(
なみだ
)
かな。
155
四
156
白妙
(
しろたへ
)
のわが
衣手
(
ころもで
)
は
濡
(
ぬ
)
れにけり
157
露
(
つゆ
)
と
消
(
き
)
えにし
可憐児
(
いとしご
)
のため。
158
五
159
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
におく
白露
(
しらつゆ
)
のいつまでも
160
醜
(
しこ
)
の
嵐
(
あらし
)
に
散
(
ち
)
らぬものかは。
161
(
大正一二・五・一六
旧四・一
於教主殿
明子
録)
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