霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三一章 神閣(しんかく)〔一六〇六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻 篇:第6篇 聖地の花 よみ(新仮名遣い):せいちのはな
章:第31章 神閣 よみ(新仮名遣い):しんかく 通し章番号:1606
口述日:1923(大正12)年05月16日(旧04月1日) 口述場所:教主殿 筆録者:明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6231
愛善世界社版:364頁 八幡書店版:第11輯 250頁 修補版: 校定版:397頁 普及版:61頁 初版: ページ備考:
001第五五二
002
003常闇(とこやみ)(よる)(とばり)(おろ)されて
004(はじ)めて(した)(つき)(かげ)かな。
005
006足引(あしびき)五十路(いそぢ)(やま)(ふた)()えて
007()つの(かみ)ます花園(はなぞの)(すす)む。
008
009一人(ひとり)()くも()しくぞ(おも)(はな)(やま)
010ふりかへりつつ(まね)友垣(ともがき)
011
012(あかつき)()ぐる御殿(みとの)太鼓(たいこ)()
013(なが)(ねむ)りをさましつつゆく。
014
015(ひと)(みな)(ふか)暗路(やみぢ)(わた)(がは)
016(きよ)(なが)れに更生主(きみ)一人(ひとり)()つ。
017第五五三
018
019(かたむ)きし(つき)(こころ)()みぬれば
020(あだ)一夜(ひとよ)()られざりけり。
021
022(むらさき)(くも)棚曳(たなび)きて大空(おほぞら)
023(かたむ)(つき)(した)()るかな。
024
025大空(おほぞら)(ふる)ひて()める月影(つきかげ)
026()(こがらし)(かこ)(がほ)なる。
027
028小夜(さよ)()けて山川(やまかは)草木(くさき)(しづ)かなり
029(ただ)(つき)のみぞ(そら)()えぬる。
030
031わくらはに(こころ)(つき)()みぬるは
032(さと)りに()るの(はじ)めなりけり。
033第五五四
034
035(たま)()(そこ)(しづ)むも大空(おほぞら)
036(しる)けき(つき)(おな)(ひかり)ぞ。
037
038白梅(しらうめ)(はな)(にほ)ひていつしかに
039(うと)みし(ひと)(たづ)()るかな。
040
041神垣(かみがき)(あと)見捨(みす)てて()(かり)
042(なか)にも(のこ)一列(ひとつら)ありけり。
043
044白梅(しらうめ)(にほ)ふも()たで()(かり)
045(こころ)(そら)(さび)しかるらむ。
046
047神垣(かみがき)(はる)もあさ()若草(わかぐさ)
048かくれて雉子(きぎす)()(わた)るなり。
049第五五五
050
051円山(まるやま)木々(きぎ)(こずゑ)呼子鳥(よびこどり)
052()(まね)くらむ(こゑ)(しづ)けく。
053
054神園(かみぞの)(うめ)手折(たを)らむと()()れば
055(はや)くも()りて()(むす)びたり。
056
057白梅(しらうめ)(ほか)にかぐはし(とも)もなし
058()りたる(のち)(こころ)(さび)しさ。
059
060()るとてもまた()(はる)松ケ枝(まつがえ)
061(みどり)(いろ)のすがすがしくあれ。
062
063(こがらし)(すさ)みし(あと)円山(まるやま)
064()月影(つきかげ)はいとも長閑(のど)けし。
065第五五六
066
067三五(あななひ)(つき)御空(みそら)(ただ)一人(ひとり)
068わがもの(がほ)()(わた)るなり。
069
070久方(ひさかた)天津(あまつ)日影(ひかげ)月影(つきかげ)
071元津(もとつ)御神(みかみ)(ひかり)なりけり。
072
073時鳥(ほととぎす)五月(さつき)(そら)(さと)なれて
074(よる)()くるまで()(わた)るかな。
075
076金竜(きんりう)(いけ)のみぎはもさみだれて
077菖蒲(あやめ)(はな)(むらさき)()く。
078
079皇神(すめかみ)(めぐみ)もわけて大八洲(おほやしま)
080(まつ)()()迦陵(から)頻伽(びんが)()く。
081第五五七
082
083和田(わだ)(はら)()(わた)りたる月影(つきかげ)
084(かたむ)()れば(さび)しかりけり。
085
086金竜(きんりう)(いけ)(こほり)()けてより
087水底(みなそこ)(ふか)くうつる月影(つきかげ)
088
089(そら)(たか)()河霧(かはぎり)隙間(すきま)より
090()()(つき)(ひかり)(した)はし。
091
092(なが)()()けて(くや)しく(おも)ふかな
093(つき)(ひかり)のあせて()ゆれば。
094
095神垣(かみがき)(そら)(つつ)みし黒雲(くろくも)
096すかして()れる有明(ありあけ)(つき)
097第五五八
098
099(つき)()でて(まつ)(みどり)(さか)えけり
100紅葉(もみぢ)()()(こがらし)(あと)に。
101
102呉竹(くれたけ)(かけひ)(みづ)におく(つゆ)
103(つき)(ひかり)をうけて(かがよ)ふ。
104
105富士(ふじ)()()白雪(しらゆき)のいと(きよ)
106永久(とは)()えざる(こころ)ともがな。
107
108富士(ふじ)(ゆき)永久(とは)()えざる(こころ)もて
109(きよ)御前(みまへ)(つか)へまつらむ。
110
111(しも)(とこ)(つき)(まくら)(かず)(かさ)
112神国(みくに)のために(みち)(つた)()く。
113第五五九
114
115山川(やまかは)(かぜ)のかけたる(はな)(はし)
116(わた)らむとすも(いま)世人(よびと)は。
117
118(ひかり)()(たに)(そこ)にも岩躑躅(いはつつじ)
119(つき)(めぐみ)(つゆ)(にほ)へる。
120
121()(ため)()てし宮居(みやゐ)醜司(しこづかさ)
122真金(まがね)(ほこ)()ちふり(くだ)きぬ。
123
124()のために(つく)すと()ひし醜司(しこづかさ)
125(しこ)(かぎ)りを(つく)したるかな。
126
127ひたすらに()(やす)かれと(いの)るかな
128(あさ)(ゆふ)なに(かみ)御前(みまへ)に。
129第五六〇
130
131神垣(かみがき)(まつ)(こころ)(ちか)ひにて
132(きみ)千歳(ちとせ)朝夕(あさゆふ)(いの)る。
133
134千早振(ちはやふる)神代(かみよ)()らず老松(おいまつ)
135(こずゑ)()める(つき)はさやけし。
136
137綿津海(わたつみ)真砂(まさご)(かず)はかぞふとも
138(かぞ)へきれぬは(かみ)御恵(みめぐみ)
139
140白梅(しらうめ)(はな)常磐(ときは)(いろ)()ひて
141八重(やへ)神垣(かみがき)(にほ)ひけるかな。
142
143()(ひと)(こころ)(やみ)()れぬらむ
144()(わた)りたる円山(まるやま)(つき)に。
145第五六一
146
147大空(おほぞら)(つき)()みけり池水(いけみづ)
148()(わた)りたる神垣(かみがき)(には)
149
150御禊(みそぎ)する小雲(こくも)(かは)小波(さざなみ)
151日数(ひかず)(かさ)ねて(かみ)(いの)りつ。
152
153(みな)(ひと)のやがて(わた)らむ三瀬川(みつせがは)
154せき()むるよしも()(なみだ)かな。
155
156白妙(しろたへ)のわが衣手(ころもで)()れにけり
157(つゆ)()えにし可憐児(いとしご)のため。
158
159(くさ)()におく白露(しらつゆ)のいつまでも
160(しこ)(あらし)()らぬものかは。
161大正一二・五・一六 旧四・一 於教主殿 明子録)
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