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松の露

インフォメーション
題名:松の露 著者:出口王仁三郎
ページ:442 目次メモ:
概要: 備考:旧仮名遣いを新仮名遣いに改めた。 タグ:言霊反し(言霊返し) データ凡例: データ最終更新日:2018-12-21 13:21:29 OBC :B121805c221
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]『明光』第20号(昭和3年4月)
 「猿どもの方からよく似ましているのだ」と、うまくご機嫌を新左(しんざ)に取られて満足した文禄の古親爺が、平安京の聚楽邸で朝鮮人を招き、陶器や茶器を焼いてこれを楽焼と称し、大いに茶人気分を発揮し、千の利休と共に楽焼の名は今にやかましくその家系さえ現存しているが、王仁も一昨年頃から太閤気取りで楽焼をやってみたが、土練り、茶碗造り、素焼、釉薬塗(うわぐすりぬり)と、大変な手間がかかってなかなか楽やきどころの話でなく、まことにまことに苦労焼だった。
   ○
 言霊学の上から見れば、アの音は天なり、地なりとあるが、地球上にある五大洲の名義を言霊返しの方法で調べてみると、亜細亜はアと返り、アメリカもアと返り、欧羅巴もアと返り、オーストラリアもアの言霊に返るのである。しかしながら同じア声にしても、それぞれ使命が違っているのはアオウエイの位置によって区別がついている。アヤベのア声また大いに意義を異にし世界を支配する言霊である。
   ○
 豊秋津洲(とよあきつしま)と云うは、日本言霊学上五大洲の古称であり、豊秋津根別(とよあきつねわけ)と称うるは現代の極東日本国のことである。そして五大洲の縮図として、我が日本国が今にその雛型を伝えている。そのまた我が日本国五大陸の縮図は、大島に形が伝わっている。
 要するに鹿児島県下の大島郡は、現代我が日本国の縮図であり、日本国は即ち亜細亜、亜弗利加、亜米利加、オーストラリア、欧羅巴、以上五大洲の縮図であるのだ。
 全大地球上から見れば、我が日本国は艮の方位であり、パレスチナは坤の方位にあるのだ。
 次に我が日本国の上から見れば、北海道が艮となり、大島郡の喜界ケ島が坤となるのである。
 地質学上の見地から見れば、綾部は世界の真の中心であり、丹後の冠島、沓島が艮の方位に当たり、播州の神島が坤の方位に当たるのである。
 喜界ケ島は、その昔は鬼ケ島とも鬼界ケ島とも称えられていたが、明治になって島名を現今の如く喜界ケ島と改められた。喜界ケ島には宮原山と云う小さき丘があり、神島の如く一本の老松が金字形に山頂に立っている。島人はこれを金字松(きんじまつ)という。この宮原山は島人より神の山、霊地と畏れられて、足を入れるものが今にないのである。坤の金神が、パレスチナや神島に隠れられた如く、この坤なる喜界ケ島にもかくれておられたのだ。裏鬼門の金神の隠れ島だから、鬼ケ島または鬼界ケ島と称えられたのであった。
   ○
 鹿児島には真羅(まら)と名の付いた、珍々妙々の味のよい○○形の菓子がある。高貴の方に献るにはあまりに敬意を欠くとかにて、春駒と改称したと云う。真羅でも、花駒でも、春駒でも、何だか一種異様の感を与える。名産地が鹿に因縁ある地名と聞いては、馬鹿にされたような気にもなる。
   ○
 毎日毎夜チンチン喧嘩の夫婦ども、いっそ人間たることを神様に願い下げして、蟷螂(かまきり)になれ。天消地滅した後で、雌に食われて満足して死ぬ恋愛の秀逸者になればよい。
   ○
 仙人の羽化登天、そんなことが何面白い。糞虫(くそむし)でさえ羽を生やして、自由自在に空中をかけり、聖者君子の頭に止まり悠然として糞を()ける。
   ○
 二十貫の大男、身体(からだ)の水分を搾り出したら、残りの貫目わずかに二十五斤。水のおかげで生きていて、水に溺れて死ぬる弱虫人に対して水臭いのも無理はないわい。
   ○
 猶太国(ゆだやこく)ナザレの耶蘇(やそ)は救世主で、天の独子(ひとりご)で、基督(キリスト)の名をほしいままにして降りたと云う。聖書の記すところによれば、あしかけ首かけ三年の民衆宣伝、極めて卑近なる比喩をもって、人を導き病人を癒やし、ついに十字架上に生命を失ったに過ぎない。
 天帝の独子ともあろうものが、十字架にかけられるまで神力がないとすれば、天帝そのものも実に無能無力と云わねばならぬ。アーメンどうだ。基督教のお歴々が、王仁が聖書に警告してある偽キリストじゃ、偽救世主じゃと攻撃しているようだが、王仁としては大変な迷惑を感ずるものだ。なるほど奉道の初期には、キリストぐらいの神力よりなかったから、基督と呼ばれるのは身魂相応かも知れぬ。しかしキリストが再生したところで、ゲッセマネで十字架にかかって死んだことを思い比べてみると、あまりクリスチャンが鶴首して待つだけの価値があるかどうか、疑わざるを得ない。王仁の教え弟子には、すでにすでに三千人の大キリストがあって、種々の奇蹟を現し、万民を救うの聖業に奉仕している。故に自分はキリストを地上に星の如く生むところの神の真の宣伝使だ。キリストなんか、そんなけちな、小っぽけなことを言ってくれるな。弥勒も、釈迦も、マホメットも、キリストも、孔孟も、老揚も、みな王仁の傘下に集まって、昔以上の大神力を発揮しているのだ。アア惟神霊幸倍坐世。
   ○
 基督は真の天国を知らない。大本の信者は現幽一致、天国を自ら開拓する。(まこと)の神の(うづ)の子ばかりだ。光は東方よりと云う聖者の予言を考えてみるがよい。
(昭和三・四 明光誌 第二〇号)
   
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