霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 言霊(ことたま)開(ひらき)〔五二七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻 篇:第1篇 勝利光栄 よみ(新仮名遣い):しょうりこうえい
章:第1章 言霊開 よみ(新仮名遣い):ことたまひらき 通し章番号:527
口述日:1922(大正11)年03月17日(旧02月19日) 口述場所: 筆録者:王仁 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年10月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
天の岩戸
誓約に勝った須佐之男の陣営は、勝ちに乗じて荒び暴れまわった。しかし天照大御神は見直し詔り直し、善意に解釈していた。
しかし機屋に天の斑駒の皮を落とし入れて神衣織女が亡くなった事件を契機に、天照大御神は天の岩屋戸の中に隠れてしまった。高天原も葦原の中津国も、常夜となり暗くなってしまった。災いがあちこちで起こった。
そこで八百万の神々は、思兼神を議長にして会議を開いた。石凝姥命に八咫の鏡を作らせ、玉の御祖命には八坂の勾玉を作らせ、天の児屋根命や太玉命には鹿の骨で占いを行わせた。そして祭祀の準備をさせた。これが顕斎のはじめである。
そして天之宇受売の幽斎によって、皇大神を岩屋戸から開き出だしたのである。
鎮魂
日出る国の国体が、他に優れて比類ない理由を、この国の民として究め覚らないわけにはいかない。
万世変わらぬ天津御祖の定めた皇大君のしろしめす国は、日本だけである。神代の昔、那岐那美の二尊が修理固成の大御神勅の実践により国を産み、青人草や山川・木草の神を生み、ついには天照大御神、月夜見大神、速須佐之男大御神をお生みになった。
伊弉那岐大神は、天照大神は高天原、月夜見大神は夜の食国、速須佐之男大神は大海原を治めるように、と言いつけた。
伊弉那岐大神は、首の八坂勾玉の五百津御魂美須麻琉を玉緒もゆらに取り揺らし、高天原を治めるべく日の大神に賜った。これがその魂を取り憑けて、日の神国の主宰神たらしめるという御術である。これが鎮魂のはじめであり、治国の道の要である。
天照大御神は、その神業を受け継いで、二二岐命に統治権を譲られた。その御しるしが、三種の神器である。これより代々の天皇は、その大御心を受け継いで即位の御制度となされた。
これが鎮魂の御徳であり、尊奉崇敬怠らずに神の御神威を仰ぐべきである。鎮魂の神業は、天津御祖が定めた顕幽不二の御法であり、上は治国平天下、下は修身斉家の基本である。
それだけでなく、この道は無形無声の霊界を明らかにする基礎でもある。
神の御国に住む人は、邪な道を捨てて、神術に心を清めて身をゆだねて、霊魂の活動を鍛えるべきである。
国家多端のこのときにあたり、神洲男子はやまと魂を世界に輝かし、天に代わって功績を立てよ。直霊を経となし、厳の魂を緯となして、八洲にわだかまる悪魔が亡ぶまで進め。
富士山
フジのフは、地球の中心から金剛力を持って火焔を噴出すこと。ジは火脈の辻であり、滲み出す言霊である。
フジの霊返しはヒであり、日であり霊である。いつまた活火山と復するかもしれない神山である。
言霊の活用を思考するとき、富士山とは大日本国の表徴にして、神国と神民がその最優秀なる天職を発揮して、世界の万国を教え救うという神国天賦の本能を現している。神霊の活用する神峯ということである。
富士山は、日本国の崇高なる意義を代わりに表した神の山なのである。
以上の数篇は、大正十一年一月号の神霊界に所載したものである。そのうち、神旗の由来、霊力体、天岩戸、鎮魂等の章はいずれも、明治三十三年の王仁の旧作を再録したものである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考:第13巻第1章「言霊開」は、『神霊界』大正10年(1921年)1月号p72「八面六峰」(著者名は「王仁」)内の「天岩戸」「鎮魂」「富士山」を再録したもの。「日本の光明」「皇道大本十曜神旗の由来」「霊力体」は第13巻総説に再録してある。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2026-09-21 11:46:04 文字数:3778 OBC :rm1301
愛善世界社版:19頁 八幡書店版:第3輯 39頁 修補版: 校定版:19頁 普及版:8頁 初版: ページ備考:
001天(あま)の岩戸(いはと)
002故(か)れ須佐之男(すさのを)の大神(おほかみ)は
003清明(せいめい)無垢(むく)の吾(あが)御魂(みたま)
004現(あら)はれ出(いで)て手弱女(たよわめ)を
005生(う)みしは乃(すなは)ち吾(あれ)勝(か)ちぬ
006勝(か)てり勝(か)てりと勝(か)ち荒(さ)びに
007神御(かむみ)営田(つくだ)の畔(あ)を放(はな)ち
008溝(みぞ)埋(う)め樋(ひ)放(はな)ち頻(しき)蒔(まき)し
009大嘗殿(おほにへどの)に屎(くそ)散(ま)りて
010荒(すさ)びに暴(あら)び給(たま)ひけり
011故(か)れ然(しか)すれど皇神(すめかみ)は
012咎(とが)め給(たま)はず屎(くそ)如(な)すは
013那勢(なせ)の命(みこと)の酒(さけ)の所為(わざ)
014屎(くそ)には非(あら)で吐(は)ける也(なり)
015田(た)の畔(あ)を放(はな)ち溝埋(みぞうめ)は
016地所(ところ)惜(あた)らし思(おも)ふため
017那勢(なせ)の命(みこと)の罪(つみ)ならじ
018神心(みこころ)平(たひら)に安(やす)らかに
019直日(なほひ)に見直(みなほ)し詔直(のりなほ)し
020言(こと)解(と)き給(たま)へど荒(すさ)び行(わざ)
021未(いま)だ止(や)まずに転(うた)てあり。
022○
 
023若日女(わかひめ)機屋(はたや)に坐(ましま)して
024神御衣(かむみそ)織(お)らしめ給(たま)ふ時(とき)
025機屋(はたや)の棟(むね)を取(と)り毀(こぼ)ち
026天(あめ)の班駒(ふちこま)逆剥(さかはぎ)て
027墜(おと)し入(いる)れば神衣(みそ)織女(おりめ)
028驚(おどろ)き秀処(ほと)を梭(ひ)に突(つき)て
029終(つひ)に敢(あへ)なく身(み)亡(う)せけり
030ここに皇神(すめかみ)見(み)畏(かしこ)み
031天(あま)の岩屋戸(いはやど)閉(さし)立(た)てて
032隠(かく)りたまへば天(あま)の原(はら)
033とよあし原(はら)の中津国(なかつくに)
034常夜(とこよ)となりて皆(みな)暗(くら)く
035黒白(あやめ)も判(わか)ぬ世(よ)と成(な)りぬ
036曲津(まがつ)の神(かみ)の音(おと)なひは
037五月(さつき)の蝿(はへ)の沸(わ)く如(ごと)く
038万(よろづ)の妖害(わざはひ)みな起(おこ)る。
039○
 
040百千万(ももちよろづ)のかみがみは
041安(やす)の河原(かはら)に神集(かむつど)ひ
042ここに議会(ぎくわい)は開(ひら)かれて
043議長(ぎちやう)に思兼(おもひかね)の神(かみ)
044思(おも)ひ議(はか)りて常夜(とこよ)なる
045長鳴鶏(ながなきどり)を鳴(な)かしめて
046安(やす)の河原(かはら)の石(いし)を採(と)り
047天(あま)の香山(かぐやま)の鉄(かね)を採(と)り
048鍛冶(かぬち)真浦(まうら)を求(ま)き寄(よ)せて
049石凝姥(いしこりどめ)のみことには
050八咫(やあた)の鏡(かがみ)を作(つく)らしめ
051玉(たま)の御祖(みおや)の命(みこと)には
052八阪(やさか)の曲玉(まがたま)造(つく)らしめ
053天(あめ)の児屋根(こやね)や太玉(ふとだま)の
054命(みこと)を呼(よ)びて香具山(かぐやま)の
055男鹿(をじか)の肩(かた)を打抜(うちぬ)きて
056天(あま)の羽々迦(はばか)を切採(きりと)りて
057占(うら)へ真叶(まかな)はしめ給(たま)ひ
058天(あま)の真榊(まさかき)根掘(ねこぎ)して
059上枝(ほつえ)に八阪(やさか)の玉(たま)を懸(か)け
060八咫(やあた)の鏡(かがみ)を中津枝(なかつえ)に
061下枝(しづえ)に和帛(にぎて)を取垂(とりしで)て
062祭祀(まつり)の御式(みのり)具備(そなは)りぬ
063是(こ)れ顕斎(けんさい)の始(はじ)めなり。
064○
 
065故(かれ)太玉(ふとだま)のみことには
066太幣帛(ふとみてくら)を採(と)り持(も)たし
067天(あめ)の児屋根(こやね)の命(みこと)には
068太祝詞(ふとのりと)ごと詔曰(のりまを)し
069天(あめ)の手力男(たぢからを)のかみは
070窟戸(いはと)のわきに隠(かく)り立(た)ち
071あめの宇受売(うづめの)命(みこと)には
072天(あめ)の日蔭(ひかげ)を手襁(たすき)とし
073天(あま)の真拆(まさき)をかづらとし
074竹葉(ささは)を手草(たぐさ)に結占(ゆひしめ)て
075窟戸(いはと)の前(まへ)に槽伏(うけふ)せて
076踏轟(ふみとどろ)かしかしこくも
077神人(しんじん)感合(かんがふ)の神懸(かみがか)り
078至玄(しげん)至妙(しめう)の幽斎(いうさい)を
079行(おこな)ひ給(たま)ひし尊(たふと)さよ
080胸乳(むなぢ)掻出(かきい)で裳緒(もひも)をば
081番登(ほと)に忍垂(おした)れ笑(わら)ひ鳧(けり)
082命(みこと)の俳優(みわざ)に天地(あめつち)も
083動(ゆ)りて神(かみ)等(たち)勇(いさ)み立(た)つ
084皇神(すめかみ)怪(あや)しと思召(おぼほ)して
085窟戸(いはと)を細目(ほそめ)に開(ひら)きまし
086御戸(みと)の内(うち)より詔賜(のたま)はく
087吾(あれ)いま岩窟戸(いはやど)に篭(こも)りなば
088高天原(たかあまはら)も皆(みな)暗(くら)く
089あし原(はら)の国(くに)暗(くら)けむと
090思(おも)ひ居(ゐ)たるに何故(なにゆゑ)に
091宇受売(うづめ)の命(みこと)は楽(あそ)びしぞ
092百千(ももち)よろづの神(かみ)等(たち)も
093歌舞(かぶ)音楽(おんがく)に耽(ふけ)るやと
094怪(あや)しみ給(たま)へば智慧(ちゑ)深(ふか)き
095宇受売(うづめの)命(みこと)の答(いひ)けらく
096皇(すめ)大神(おほかみ)にいや勝(まさ)り
097尊(たふと)き神(かみ)ぞ現(あ)れ坐(ませ)り
098夫(そ)れゆゑ歓(ゑら)ぎ遊(あそ)ぶなり。
099○
 
100斯(か)く宣(の)る間(うち)に二柱(ふたはしら)
101八咫(やあた)の鏡(かがみ)をさし出(いで)て
102皇(すめ)大神(おほかみ)に奉(たてまつ)る
103いよいよ怪(あや)しと思召(おぼほし)て
104御戸(みと)より出(いで)て臨(のぞ)み坐(ま)す
105その時(とき)戸(と)わきに隠(かく)り立(た)ち
106天(あめ)の手力男(たぢからを)の神(かみ)は
107御手(みて)持(もち)曳(ひ)き出(だ)し奉(たてまつ)り
108斯(か)れ太玉(ふとだま)の命(みこと)には
109尻久米(しりくめ)縄(なは)を御後(みしり)へに
110引張(ひきはり)渡(わた)し此処(ここ)よりは
111内(うち)に勿(な)還(かへ)り入(い)りましそ
112言葉(ことば)穏(おだ)いに願(ねが)ひけり
113大神(おほかみ)御心(みこころ)平(たひら)かに
114御戸(みと)出(い)でませば久方(ひさかた)の
115高天原(たかあまはら)も葦原(あしはら)の
116中津(なかつ)御国(みくに)も自(おのづか)ら
117隈(くま)なく光(ひか)り冴(さ)え渡(わた)り
118万(よろづ)の神々(かみがみ)いさみ立(た)ち
119天晴(あまは)れ地晴(くには)れ面白(おもしろ)や
120あな尊(たふと)しや佐夜計弘計(さやけをけ)
121目出度(めでたく)窟戸(いはと)は開(ひら)き鳧(けり)
122是(こ)れ顕斎(けんさい)の御徳(みとく)にて
123また幽斎(いうさい)の賜(たまもの)ぞ。
124○
 
125仰(あふ)ぎ敬(いや)まへ神国(かみくに)に
126生(せい)を享(う)けたる民草(たみぐさ)よ
127天津(あまつ)御神(みかみ)の神勅(みこと)以(も)て
128直霊(なほひ)の御魂(みたま)現(あら)はれて
129至粋(しすゐ)至純(しじゆん)の神(かみ)の美智(みち)
130顕斎(けんさい)幽斎(いうさい)鎮魂(ちんこん)の
131尊(たふと)き神業(みわざ)を説明(せつめい)し
132地上億兆(せかいのうへの)蒼生(ひとびと)に
133向(むか)ふ所(ところ)を覚(さと)すなり
134神(かみ)の御恵(みめぐ)み君(きみ)の恩(おん)
135神国(みくに)を思(おも)ふ正人(まさびと)は
136固(かた)く守(まも)れや神(かみ)の道(みち)。
137鎮魂(ちんこん)
138豊葦原(とよあしはら)の千五百(ちいほ)あき
139みづほの国(くに)の神(かみ)の苑(その)
140栄(さか)え久(ひさ)しき常磐木(ときはぎ)の
141松(まつ)の御国(みくに)に生(うま)れたる
142七(しち)せん余万(よまん)の同胞(はらから)は
143日(ひ)出(いづ)るくにの国体(くにがら)の
144外(ほか)に優(すぐ)れて比類(たぐひ)無(な)き
145奇(く)すしく尊(たふと)き理由(ことわり)を
146究(きは)め覚(さと)らで有(あ)るべきや
147万世(よろづよ)変(かは)らぬ一(ひと)すぢの
148天津(あまつ)御祖(みおや)のさだめてし
149皇大君(すめおほきみ)の知(し)ろしめす
150国(くに)は日(ひ)の本(もと)ばかりなり
151神代(かみよ)の昔(むかし)那岐(なぎ)那美(なみ)の
152二尊(みこと)あらはれ坐々(ましまし)て
153修理(しうり)固成(こせい)の大御神勅(みことのり)
154実践(じつせん)ありて国(くに)を産(う)み
155青人草(あをひとぐさ)や山川(やまかは)や
156木草(きくさ)の神(かみ)まで生(うみ)給(たま)ひ
157つひに天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)
158また月夜見(つきよみ)の大神(おほかみ)や
159速(はや)須佐之男(すさのを)の大御神(おほみかみ)
160現出(あれいで)坐(まし)し目出度(めでた)さよ
161皇神(すめかみ)甚(いた)くよろこばし
162今迄(いままで)御子(みこ)を生(う)みつれど
163是(これ)に勝(まさ)りし児(みこ)はなし
164吁(あゝ)尊(たふと)しや貴(うづ)の御子(みこ)
165生(う)み得(え)てけりと勇(いさ)み立(た)ち
166ただちに天(あめ)に参上(まゐのぼ)り
167皇産霊(むすび)の神(かみ)の太占(ふとうら)に
168卜(うら)ヘ賜(たま)ひて詔賜(のりたま)はく
169あが御児(みこ)天照(あまてらす)大神(おほかみ)は
170高天原(たかあまはら)をしろしめせ
171また月夜見(つきよみ)の大神(おほかみ)は
172夜(よ)の食国(おすくに)を守(まも)りませ
173速(はや)須佐之男(すさのを)の大神(おほかみ)は
174大海原(おほうなばら)を知(し)らせよと
175天津(あまつ)御祖(みおや)の御言(みこと)もて
176各自(おのも)々々(おのも)におす国(くに)を
177持別(もちわけ)依(よ)さし給(たま)ひけり。
178○
 
179茲(ここ)に大神(おほかみ)おんくびに
180まかせる八阪(やさか)曲玉(まがたま)の
181五百津(いほつ)御魂(みたま)美須麻琉(みすまる)の
182玉緒(たまのを)母(も)由良(ゆら)に取揺(とりゆら)し
183高天原(たかあまはら)を知(し)らさねと
184日(ひ)の大神(おほかみ)に賜(たま)ひけり
185故(かれ)その御頸珠(みくびたま)の名(な)を
186御倉棚(みくらたな)のかみとなす
187これ其(その)魂(たま)を取憑(とりか)けて
188日(ひ)の神国(かみくに)の主宰神(つかさがみ)
189たらしめなむと神定(かむさだ)め
190玉(たま)ひし畏(かしこ)き御術(みわざ)なり
191是(これ)鎮魂(ちんこん)のはじめにて
192治国(ちこく)の道(みち)の要(かなめ)なり。
193○
 
194天照(あまてら)し坐(ま)すおほみかみ
195その神業(かむわざ)を受(う)け賜(たま)ひ
196二二岐(ににぎ)の命(みこと)に天(あめ)の下(した)
197統治(とうぢ)の権(けん)を譲(ゆづ)らるる
198其(その)みしるしと畏(かしこ)くも
199三種(みくさ)の神器(たから)を賜(たま)はりし
200この方(かた)世々(よよ)の天皇(すめらぎ)は
201大御心(おほみこころ)をこころとし
202即位(ひつぎ)の御制(みのり)と為(な)し給(たま)ふ
203これ鎮魂(ちんこん)の御徳(みとく)なり
204かくも尊(たふと)き縁由(ゆかり)ある
205御国(みくに)に生(お)ひし国民(くにたみ)は
206台湾(たいわん)千島(ちしま)の果(は)てまでも
207尊奉(そんぼう)崇敬(すうけい)おこたらず
208あさな夕(ゆふ)なに奉体(ほうたい)し
209神(かみ)の稜威(みいづ)を仰(あふ)ぐべし。
210○
 
211そも鎮魂(ちんこん)の神(かむ)わざは
212天津(あまつ)御祖(みおや)の定(さだ)めてし
213顕幽(けんいう)不二(ふじ)の御法(みのり)にて
214かみは一天(いつてん)万乗(ばんじやう)の
215畏(かしこ)き日嗣(ひつぎ)の天皇(すめらぎ)の
216祭政(さいせい)一致(いつち)の大道(おほぢ)より
217下(しも)万民(ばんみん)にいたるまで
218修身(しうしん)斉家(せいか)の基本(きほん)なり
219然(しか)のみならず斯(こ)の道(みち)は
220無形(むけい)無声(むせい)の霊界(れいかい)を
221闡明(せんめい)するの基礎(きそ)ぞかし
222神(かみ)の御国(みくに)に住(す)む人(ひと)は
223異(け)しき卑(いや)しき蟹(かに)が行(ゆ)く
224横邪(よこさ)の道(みち)をうち捨(す)てて
225束(つか)のあひだも神術(かむわざ)に
226心(こころ)を清(きよ)め身(み)をゆだね
227天(てん)にむかひて一向(ひたすら)に
228幽冥(かみ)に心(こころ)を通(かよ)はせて
229おのが霊魂(みたま)の活動(くわつどう)を
230伊豆(いづ)の魂(みたま)に神(かむ)ならひ
231身(み)も棚知(たなし)らに鍛(きた)へかし
232この正道(まさみち)を踏(ふ)みしめて
233国家(こくか)多端(たたん)のこの際(きは)に
234神洲(しんしう)男子(だんし)のやまと魂(だま)
235地球(ちきう)の上(うへ)に輝(かがや)かし
236天(てん)にもかはる功績(いさをし)を
237千代(ちよ)万代(よろづよ)にたてよ人(ひと)
238勇(いさ)み進(すす)めやいざ進(すす)め
239直霊(なほひ)の魂(みたま)を経(たて)となし
240厳(いづ)の魂(みたま)を緯(よこ)として
241八洲(やしま)の国(くに)に蟠(わだか)まる
242曲津(まがつ)の軍(いくさ)の亡(ほろ)ぶまで
243進(すす)めや進(すす)めふるひ立(た)て
244醜(しこ)の悪魔(あくま)の失(う)せる迄(まで)。
245富士山(ふじさん)
246 富士山(ふじさん)は古来(こらい)不尽山(ふじさん)または不二山(ふじさん)と書(か)き、247芙蓉(ふよう)の峰(みね)、248福知(ふくち)ケ嶺(みね)と称(しよう)し、249天教山(てんけうざん)、250扶桑山(ふさうざん)とも謂(い)ひ、251木花(このはな)咲耶姫(さくやひめの)命(みこと)の御(ご)神体(しんたい)とも云(い)ひ、252鳴沢(なきさは)ケ岳(だけ)、253二十山(にじふさん)、254秀穂山(しうほざん)、255山君(やまきみ)ケ嶽(だけ)とも別称(べつしよう)され、256この山(やま)の名義(めいぎ)については、257色々(いろいろ)と古来(こらい)の解説(かいせつ)があれども何(いづ)れも皆(みな)謬(あやま)りなり。258日本(にほん)は古来(こらい)言霊(ことたま)の幸(さち)はふ国(くに)と云(い)ひ、259只(ただ)一(ひと)つの小山(こやま)にも山(やま)の活用(くわつよう)を名(な)に現(あら)はし居(ゐ)るなり。
260 フジのフは力(ちから)なり。261地球(ちきう)の中心(ちうしん)より、262金剛力(こんがうりき)を以(もつ)て、263火煙(くわえん)を噴出(ふきだ)すをフと云(い)ふ。264ジは火脈(くわみやく)の辻(つじ)であり浸(にじ)み出(いづ)る言霊(ことたま)なり。
265 またフジの霊返(たまかへ)しはヒなり。266ヒは火(ひ)なり、267霊(ひ)なり、268日(ひ)なり。269故(ゆゑ)に富士(ふじ)の火山(くわざん)とも云(い)ひ、270霊峰(れいほう)とも称(とな)へ、271日本国(にほんこく)の代表(だいへう)とも成(な)り居(ゐ)るなり。272今(いま)は木花(このはな)冬篭(ふゆごも)りの状態(じやうたい)で休火山(きうくわざん)なれども、273何時(いつ)発動(はつどう)して元(もと)の活火山(くわつくわざん)に復(ふく)するかも知(し)れざる神山(しんざん)なり。274猶(な)ほ細(こま)かく調(しら)ぶればフの言霊(ことたま)は天中(てんちう)の常(かたち)也(なり)、275世界(せかい)一切(いつさい)の活用(くわつよう)を司(つかさど)る也(なり)、276生(せい)の常(かたち)也(なり)、277忽(たちま)ち往(ゆ)き忽(たちま)ち来(きた)り、278忽(たちま)ち昇(のぼ)り忽(たちま)ち降(くだ)り、279忽(たちま)ち出(い)で忽(たちま)ち入(い)り、280進退(しんたい)兼持(かねも)ち火熱(くわねつ)の合結(がふけつ)となり、281機臨(きし)の府(ふ)となる也(なり)、282八咫(やあた)に照(て)る也(なり)の大活用(だいくわつよう)あるなり。
283 ジの言霊(ことたま)は強(つよ)く守(まも)る也(なり)、284打(う)ち固(かた)める也(なり)、285辻(つじ)立(た)つ也(なり)、286予誓(よせい)也(なり)の大活動(だいくわつどう)なり。
287 ヒの言霊(ことたま)は明(あきら)かに通徹(つうてつ)する也(なり)、288日(ひ)の結(むすび)也(なり)[※「総説」及び「第一章」はもともと『神霊界』大正10年(1921年)1月号p71-81に「八面六峰」と題して掲載されたものである。「日(ひ)の結(むすび)也」の該当箇所は、「八面六峰」(p81)では「日(ふい)の結(むすび)也」になっている。「ヒ」の活用として「日(ひ)の結び」では意味がおかしい。「ふい」の結びが「日(ひ)」である、と解した方が意味が通る(水茎文字ではフとア行イの結合がヒになる)。]、289無不(むふ)所照(しよせう)也(なり)[※「総説」及び「第一章」はもともと『神霊界』大正10年(1921年)1月号p71-81に「八面六峰」と題して掲載されたものである。「無不所照(むふしよせう)也」の該当箇所は、「八面六峰」(p81)では「無所不照(てらさざるところなき)也」になっている。漢文としては「無所不照」の方が意味が通る。また古来より使われている熟語である(中国語だと「无所不照」)。「無不所照」の場合、漢文の「無不」は「~しないものはない」という二重否定であり、「所照」は「照らすところ」なので、「照らす所がないことはない」と解すれば、「無所不照」と同じ意味になるか?]、290日(ひ)也(なり)、291昼(ひる)也(なり)、292顕幽(けんいう)皆(みな)貫徹(くわんてつ)する也(なり)、293大慈(だいじ)大悲(だいひ)の極(きよく)也(なり)、294⦿(ス)の形(かたち)を照(て)り顕(あら)はす也(なり)、295悉皆(しつかい)帰伏(きふく)而(して)一致(いつち)一和(いちわ)の意(い)也(なり)。296尊厳(そんげん)也(なり)、297⦿(ス)の朝(てう)也(なり)、298⦿(ス)の寿(じゆ)也(なり)、299三世(さんせ)照明(せうめい)也(なり)、300等(とう)の活用(くわつよう)あるなり。
301 以上(いじやう)の言霊(げんれい)活用(くわつよう)を思考(しかう)する時(とき)は、302大(だい)日本国(にほんごく)の[※元々は「天津(あまつ)日嗣(ひつぎ)天皇(てんわう)の統御(とうぎよ)し給(たま)ふ大(だい)日本(にほん)国(ごく)の」だが、御校正本で「天津日嗣天皇の統御し給ふ」が削除されている。]表徴(へうちよう)にして、303神国(しんこく)と神民(しんみん)との最優(さいいう)最秀(さいしう)なる天職(てんしよく)を発揮(はつき)し、304世界(せかい)万国(ばんこく)を教(をし)へ救(すく)ふ神国(しんこく)天賦(てんぷ)の本能(ほんのう)を顕(あら)はせる、305神霊(しんれい)の活用(くわつよう)する神峯(しんぽう)と云(い)ふ事(こと)になるなり。306彼(か)の有名(いうめい)なる白扇(はくせん)倒懸(さかしまにかかる)東海天(とうかいのてん)の句(く)を始(はじ)め、307富士山(ふじさん)に関(くわん)する詩歌(しか)は随分(ずゐぶん)沢山(たくさん)ありて、308詩(し)にも歌(うた)にも、309句(く)にも此(この)富士山(ふじさん)位(くらゐ)詠(よ)まれたものは無(な)かるべし。310契冲(けいちゆう)の歌(うた)にも
 
311 富士(ふじ)がねは山(やま)の君(きみ)にて高御座(たかみくら)  空(そら)にかけたる雪(ゆき)の経笠(たてかさ)
 
312 実(じつ)に上品(じやうひん)な歌(うた)にして、313天皇(てんわう)の高御座(たかみくら)の上(うへ)に釣(つ)るす経笠(たてかさ)の如(ごと)くにて然(しか)も天空(てんくう)高(たか)く、314白(はく)皚々(がいがい)たる、315純白(じゆんぱく)の雪(ゆき)を戴(いただ)き、316群峰(ぐんぽう)の上(うへ)に屹(きつ)として、317一番(いちばん)高(たか)く峙(そび)え立(た)ち居(ゐ)る富士山(ふじさん)は実(じつ)に山(やま)の中(なか)の君主(くんしゆ)なりといふ意味(いみ)なり。
 
318 心(こころ)あてに見(み)し白雪(しらゆき)はふもとにて  思(おも)はぬかたに霽(は)るる富士(ふじ)ケ嶺(ね)
 
319 あの辺(へん)が頂上(ちやうじやう)かしら、320雲(くも)に包(つつ)まれて見(み)えぬのかと、321あせりあせり見(み)る中(うち)に、322雲(くも)が晴(は)れると、323ヤア何(なん)だアンナエライ高(たか)い雲表(ひんぺう)にニヨツキリと頂(いただき)が現(あら)はれて居(を)ると云(い)つて茫然(ばうぜん)自失(じしつ)、324今更(いまさら)にその高(たか)さに驚(おどろ)かされ、325且(か)つ崇高(すうかう)の感(かん)に撃(う)たれて居(ゐ)る真境(しんきやう)を写(うつ)し出(だ)したる歌(うた)なり。
 
326 元朝(ぐわんてう)に見(み)るものにせむ富士(ふじ)の山(やま)
 
327 これは宗祇(そうぎ)の作句(さくく)なり。328正(しやう)月(ぐわつ)も近(ちか)い目出度(めでた)い元旦(ぐわんたん)の見(み)ものとして富士(ふじ)の山(やま)に越(こ)したものは無(な)く、329尊(たふと)しと云(い)ふの意味(いみ)なり。330万葉集(まんえうしふ)にも随分(ずゐぶん)富士(ふじ)を賞(ほ)めたる和歌(わか)が沢山(たくさん)載(の)せられあるが、331凡(すべ)て此(こ)の富士山(ふじさん)は日本国(にほんこく)の崇高(すうかう)なる意義(いぎ)を代顕(だいけん)したる神峰(しんぽう)なり。
 
332 東洋独立玉芙蓉  万古千秋不改容
333 清嶽鮮山朝揖処  五刕高聳此仙峰
 
334 以上(いじやう)の数篇(すうへん)は大正(たいしやう)十(じふ)年(ねん)一(いち)月(ぐわつ)号(ごう)の神霊界(しんれいかい)に所載(しよさい)したるものなり。335其(その)中(うち)神旗(しんき)の由来(ゆらい)、336霊力体(れいりよくたい)、337天岩戸(あまのいはと)、338鎮魂(ちんこん)等(とう)の章(しやう)は孰(いづ)れも明治(めいじ)三十三(さんじふさん)年(ねん)の王仁(おに)の旧作(きうさく)なるも、339今(いま)また都合(つがふ)に依(よ)りここに再録(さいろく)するものなり。
340(大正一一・三・一七 旧二・一九 王仁)
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