霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第13巻(子の巻)
モノログ
凡例
総説
第1篇 勝利光栄
第1章 言霊開
第2章 波斯の海
第3章 波の音
第4章 夢の幕
第5章 同志打
第6章 逆転
第2篇 洗礼旅行
第7章 布留野原
第8章 醜の窟
第9章 火の鼠
第3篇 探険奇聞
第10章 巌窟
第11章 怪しの女
第12章 陥穽
第13章 上天丸
第4篇 奇窟怪巌
第14章 蛙船
第15章 蓮花開
第16章 玉遊
第17章 臥竜姫
第18章 石門開
第19章 馳走の幕
第20章 宣替
第21章 本霊
第5篇 膝栗毛
第22章 高加索詣
第23章 和解
第24章 大活躍
信天翁(三)
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
如意宝珠(第13~24巻)
>
第13巻(子の巻)
> 第5篇 膝栗毛 > 第23章 和解
<<< 高加索詣
(B)
(N)
大活躍 >>>
第二三章
和解
(
わかい
)
〔五四九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻
篇:
第5篇 膝栗毛
よみ(新仮名遣い):
ひざくりげ
章:
第23章 和解
よみ(新仮名遣い):
わかい
通し章番号:
549
口述日:
1922(大正11)年03月21日(旧02月23日)
口述場所:
筆録者:
谷村真友
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年10月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
夜、トイレに行きたくなった二人は、梯子を取られてしまったので、お茶を汲む土瓶の中に小便をして、それを返した。
怒ったお竹の母は、小便入りのお茶を二人に出した。このことで、二人はお竹の父母と喧嘩を始めてしまう。見物人が集まって大騒ぎになるが、そこへ六人の宣伝使がやってきて、宣伝歌を歌った。
一同は宣伝歌にあわせて踊り舞い、喧嘩は収まった。そして一行はコーカス山に向かって進んで行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-11-14 10:58:49
OBC :
rm1323
愛善世界社版:
272頁
八幡書店版:
第3輯 129頁
修補版:
校定版:
272頁
普及版:
119頁
初版:
ページ備考:
001
弥次彦
(
やじひこ
)
、
002
与太彦
(
よたひこ
)
の
二人
(
ふたり
)
は、
003
また
大土瓶
(
おほどびん
)
の
茶
(
ちや
)
をガブガブと
残
(
のこ
)
らず
飲
(
の
)
んでしまつた。
004
与太彦
『エー
気分
(
きぶん
)
の
悪
(
わる
)
い、
005
沢山
(
たくさん
)
の
茶
(
ちや
)
を
飲
(
の
)
んで
洗濯
(
せんたく
)
をした
積
(
つも
)
りだが、
006
何
(
なん
)
だかまだ
口
(
くち
)
が
粘
(
ねば
)
つくやうだ。
007
洗濯
(
せんたく
)
をしても
矢張
(
やつぱり
)
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
に
洟
(
みづばな
)
もあれば
鼻汁
(
はなじる
)
も
雑居
(
ざつきよ
)
して
居
(
ゐ
)
るのだから、
008
気持
(
きも
)
ちがあまり
冴
(
さ
)
えぬワイ。
009
お
前
(
まへ
)
も
殺生
(
せつしやう
)
な
奴
(
やつ
)
だ、
010
洟
(
みづばな
)
が
斯
(
か
)
う
斯
(
か
)
うだと
前
(
さき
)
に
言
(
い
)
うて
呉
(
く
)
れればよいものを、
011
腹
(
はら
)
が
悪
(
わる
)
いなア』
012
弥次彦
『
俺
(
おれ
)
は
腹
(
はら
)
がへつて
悪
(
わる
)
いが、
013
貴様
(
きさま
)
は
鱈腹
(
たらふく
)
喰
(
く
)
つて、
014
もつたいない
理窟
(
りくつ
)
を
言
(
い
)
ふとは、
015
よほど
腹
(
はら
)
の
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
016
アヽ
余
(
あま
)
り
沢山
(
たくさん
)
飲
(
の
)
んだので
小便
(
せうべん
)
が
仕度
(
した
)
くなつた。
017
梯子
(
はしご
)
も
何
(
なに
)
も
取
(
と
)
つて
仕舞
(
しま
)
つて
降
(
おり
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
やしない。
018
此処
(
ここ
)
でやれば
下
(
した
)
へ
漏
(
も
)
るし、
019
張
(
は
)
り
切
(
き
)
れる
様
(
やう
)
になつて
来
(
き
)
たワ、
020
どう
為
(
し
)
ようか
知
(
し
)
らぬて』
021
与太彦
(
よたひこ
)
『
都合
(
つがふ
)
の
好
(
よ
)
いものがある、
022
この
土瓶
(
どびん
)
の
中
(
なか
)
にやつたらどうだ、
023
下
(
した
)
に
漏
(
も
)
る
気遣
(
きづか
)
ひはないぞ』
024
と
云
(
い
)
ひながら、
025
かはるがはる
泡
(
あわ
)
立
(
だつ
)
た
茶色
(
ちやいろ
)
の
小便
(
せうべん
)
を
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
けるまでに
半分
(
はんぶん
)
ばかり
溜
(
た
)
めた。
026
二人
(
ふたり
)
は
旅
(
たび
)
の
疲
(
つか
)
れでグツスリと
寝込
(
ねこ
)
んでしまつた。
027
ソロソロ
聞
(
きこ
)
ゆる
鶏
(
にはとり
)
の
声
(
こゑ
)
、
028
小鳥
(
ことり
)
の
声
(
こゑ
)
、
029
弥次彦
(
やじひこ
)
『ヤー
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
は
短
(
みじか
)
いものだ、
030
此処
(
ここ
)
へこけたと
思
(
おも
)
へば
早鶏
(
はやとり
)
の
声
(
こゑ
)
だ、
031
折角
(
せつかく
)
煙
(
けむり
)
が
無
(
な
)
くなつたと
思
(
おも
)
へば
又
(
また
)
そろそろ
焚
(
た
)
き
出
(
だ
)
しよつて
燻
(
くすぶ
)
るワイ。
032
アヽ
煙
(
けむ
)
たい
煙
(
けむ
)
たい』
033
婆々
(
ばばあ
)
は
下
(
した
)
より、
034
婆(お竹の母)
『
二階
(
にかい
)
のお
客
(
きやく
)
さま、
035
土瓶
(
どびん
)
を
降
(
お
)
ろして
下
(
くだ
)
さらぬか』
036
弥次彦
『ヨシヨシ』
037
と
弥次彦
(
やじひこ
)
は
土瓶
(
どびん
)
を
鈎
(
かぎ
)
に
引
(
ひ
)
つ
掛
(
か
)
けツルツルと
釣
(
つ
)
り
降
(
お
)
ろした。
038
暫
(
しばら
)
くすると、
039
婆々
(
ばばあ
)
が、
040
婆
『お
客
(
きやく
)
さま
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
だ、
041
鈎
(
かぎ
)
を
降
(
おろ
)
したり』
042
弥次彦
(
やじひこ
)
はツルツルと
鈎
(
かぎ
)
を
降
(
おろ
)
す。
043
婆々
(
ばばあ
)
はまたもや
十文字
(
じふもんじ
)
に
縛
(
しば
)
つた
笊
(
ざる
)
に
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
を
盛
(
も
)
つて
引
(
ひつ
)
かける。
044
弥次彦
『オイ
与太公
(
よたこう
)
、
045
今日
(
けふ
)
は
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ、
046
どつさりと
頂
(
いただ
)
いて
見
(
み
)
ようかい』
047
与太彦
『イヤモウ
閉口
(
へいこう
)
だ、
048
夜
(
よ
)
の
短
(
みじか
)
いのに
二人前
(
ふたりまへ
)
も
頂
(
いただ
)
いて、
049
おまけに
土瓶
(
どびん
)
の
茶
(
ちや
)
を
沢山
(
たくさん
)
飲
(
の
)
んだものだから、
050
臨月
(
りんげつ
)
の
嬶
(
かか
)
アの
腹
(
はら
)
のやうに
筋張
(
すぢば
)
つてポンポンだ。
051
お
前
(
まへ
)
、
052
遠慮
(
ゑんりよ
)
せずに
頂
(
いただ
)
いて
終
(
しま
)
へ』
053
弥次彦
『
俺
(
おれ
)
も
何
(
なん
)
となく
腹
(
はら
)
がすかぬ、
054
マア
止
(
や
)
めて
置
(
お
)
かうかい』
055
与太彦
『お
腹
(
なか
)
がすいても
空腹
(
ひもじ
)
うないと
云
(
い
)
ふが、
056
空腹
(
ひもじ
)
いときのまずいものなし、
057
ひだるいときの
汚
(
きたな
)
いものなしぢや、
058
一
(
ひと
)
つ
奮発
(
ふんぱつ
)
して
五
(
いつ
)
つ
六
(
むつ
)
つ
平
(
たひら
)
げたらどうだい
弥次彦
(
やじひこ
)
』
059
弥次彦
『ヤアどう
思
(
おも
)
つても
胸膨
(
むなぶく
)
れがして
食
(
く
)
ふ
気
(
き
)
にならぬワイ。
060
それよりも
茶
(
ちや
)
なと
貰
(
もら
)
つて
腹
(
はら
)
を
膨
(
ふく
)
らさうぢやないか。
061
モシモシ
婆
(
ばあ
)
サン、
062
どつさりお
茶
(
ちや
)
を
下
(
くだ
)
さらぬか』
063
婆々
(
ばばあ
)
は
下
(
した
)
から、
064
婆
『
高取村
(
たかとりむら
)
の
旦那
(
だんな
)
さま、
065
お
茶
(
ちや
)
が
都合
(
つがふ
)
よく
沸
(
わ
)
きました、
066
あまり
熱
(
あつ
)
くもなし、
067
ぬるくもなし、
068
飲
(
の
)
み
頃
(
ごろ
)
ですぜ。
069
サア
鈎
(
かぎ
)
を
降
(
おろ
)
して
下
(
くだ
)
さい』
070
弥次彦
『
鈎
(
かぎ
)
は
最前
(
さいぜん
)
から
降
(
おろ
)
して
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
るのだ』
071
婆
『アヽ、
072
ホンニ
降
(
お
)
りてをつたなア、
073
年
(
とし
)
が
寄
(
よ
)
ると
目脂
(
めやに
)
、
074
鼻汁
(
はなじる
)
、
075
いやもう
じじむさい
ものだ』
076
と
言
(
い
)
ひながら、
077
手鼻
(
てばな
)
をかんでその
手
(
て
)
で
土瓶
(
どびん
)
の
蔓
(
つる
)
を
持
(
も
)
ち
鈎
(
かぎ
)
に
引掛
(
ひつか
)
けた。
078
弥次彦
(
やじひこ
)
は
手早
(
てばや
)
く
手繰上
(
たくりあ
)
げて、
079
弥次彦
『また
婆々
(
ばばあ
)
の
手鼻
(
てばな
)
をかんだ
手
(
て
)
で
茶
(
ちや
)
を
汲
(
く
)
んで
呉
(
く
)
れたが、
080
茶
(
ちや
)
の
中
(
なか
)
には
まさか
鼻汁
(
はなじる
)
は
這入
(
はい
)
つてゐまい。
081
マア
緩
(
ゆつ
)
くりと
茶腹
(
ちやばら
)
でも
膨
(
ふく
)
らかさうかい』
082
と
言
(
い
)
ひながら
互
(
たが
)
ひに
引
(
ひ
)
つたくり、
083
争
(
あらそ
)
ひつつ
七八分
(
しちはちぶ
)
まで
飲
(
の
)
んで
仕舞
(
しま
)
つたが、
084
何
(
なん
)
となく
妙
(
めう
)
な
臭
(
にほひ
)
が
鼻
(
はな
)
にプンプンとする。
085
弥次彦
『オイこの
茶
(
ちや
)
は
怪体
(
けつたい
)
な
臭
(
にほひ
)
がするぢやないか、
086
何
(
なん
)
だか
塩辛
(
しほから
)
い
味
(
あぢ
)
の、
087
よい
塩
(
しほ
)
加減
(
かげん
)
の
茶
(
ちや
)
だと
思
(
おも
)
うて
飲
(
の
)
んだが、
088
この
臭
(
にほひ
)
が
何
(
なん
)
だか
気
(
き
)
に
喰
(
く
)
はぬぢやないか、
089
のう
与太彦
(
よたひこ
)
』
090
と
云
(
い
)
ひながら
下
(
した
)
を
覗
(
のぞ
)
いて、
091
弥次彦
『コレコレお
婆
(
ばあ
)
さま、
092
この
茶
(
ちや
)
は
腐
(
くさ
)
つとらせぬかいなア。
093
妙
(
めう
)
な
臭
(
にほひ
)
がするぞ』
094
婆
『なに
腐
(
くさ
)
つて
居
(
を
)
るものかい、
095
昨夜
(
ゆうべ
)
沸
(
わか
)
した
所
(
ところ
)
だ、
096
現
(
げん
)
にお
前
(
まへ
)
さまが
昨夜
(
よんべ
)
飲
(
の
)
んだ
残
(
のこ
)
りの
上
(
うへ
)
に
茶
(
ちや
)
を
補
(
た
)
して
沸
(
わ
)
かして
上
(
あ
)
げたのだ。
097
腐
(
くさ
)
つて
居
(
を
)
る
気遣
(
きづか
)
ひは
無
(
な
)
いわいなア』
098
弥次彦
『ヤー
此奴
(
こいつ
)
は
堪
(
たま
)
らぬ、
099
どうしようか、
100
オイ
与太公
(
よたこう
)
』
101
与太彦
『
仕方
(
しかた
)
がないなア。
102
己
(
おのれ
)
に
出
(
い
)
づるものは
己
(
おのれ
)
に
帰
(
かへ
)
るぢや。
103
他人
(
ひと
)
の
小便
(
せうべん
)
ぢやあるまいし、
104
自分
(
じぶん
)
の
小便
(
せうべん
)
を
自分
(
じぶん
)
が
飲
(
の
)
んだのだ、
105
疝気
(
せんき
)
の
薬
(
くすり
)
ぢやと
思
(
おも
)
へば、
106
マア
辛抱
(
しんばう
)
するのだなア。
107
あんまり
常平生
(
つねへいぜい
)
から、
108
バリバリバリ
付
(
つ
)
くものだから、
109
因劫
(
いんがふ
)
が
報
(
むく
)
い
来
(
きた
)
つて
自業
(
じごう
)
自得
(
じとく
)
で、
110
狼
(
おほかみ
)
の
様
(
やう
)
にバリを
飲
(
の
)
まされたのだ。
111
ペツペツペツペツ』
112
ガア、
113
ガラガラガラと
咽
(
のど
)
に
指
(
ゆび
)
を
突
(
つ
)
き
込
(
こ
)
んで
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
す、
114
柴屋
(
しばや
)
の
簀子
(
すのこ
)
を
洩
(
も
)
れて
反吐水
(
へどみづ
)
は
下
(
した
)
を
通
(
とほ
)
り
爺
(
おやぢ
)
の
禿頭
(
はげあたま
)
にダラダラと
流
(
なが
)
れ
落
(
お
)
ちた。
115
爺
『チエツ、
116
鼠
(
ねずみ
)
の
奴
(
やつ
)
、
117
頭
(
あたま
)
から
小便
(
せうべん
)
をかけよつて、
118
ヤー
小便
(
せうべん
)
計
(
ばか
)
りぢやないぞ、
119
飯粒
(
めしつぶ
)
が
交
(
まじ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
120
ヤアこれは
大方
(
おほかた
)
二階
(
にかい
)
のお
客
(
きやく
)
だらう、
121
怪
(
け
)
しからぬ
奴
(
やつ
)
ぢや。
122
娘
(
むすめ
)
の
世話
(
せわ
)
になつた
旦那
(
だんな
)
、
123
主人
(
しゆじん
)
だと
思
(
おも
)
ふから
二階
(
にかい
)
に
泊
(
と
)
めてやれば
頭
(
あたま
)
から
反吐
(
へど
)
を
引
(
ひつ
)
かけるなんて
不人情
(
ふにんじやう
)
きはまる。
124
ヨシ
先方
(
せんぱう
)
がさうなら
此方
(
こつち
)
も
了見
(
れうけん
)
がある。
125
コレお
竹
(
たけ
)
、
126
梯子
(
はしご
)
を
差
(
さ
)
す
事
(
こと
)
はならぬぞ、
127
何時
(
いつ
)
までも
天井
(
てんじやう
)
へ
祭
(
まつ
)
り
込
(
こ
)
んで
焚物
(
たきもん
)
になるとこまで
燻
(
くす
)
べてやるのだ。
128
本当
(
ほんたう
)
に
人
(
ひと
)
を
馬鹿
(
ばか
)
にして
居
(
ゐ
)
る。
129
コラ
二階
(
にかい
)
の
兵六玉
(
ひやうろくだま
)
、
130
どうするのだ』
131
弥次彦
『モシモシ
爺
(
おやぢ
)
さま、
132
私
(
わし
)
ぢやない、
133
あれは
鼠
(
ねずみ
)
ぢや。
134
鼠
(
ねずみ
)
の
悪戯
(
いたづら
)
迄
(
まで
)
吾々
(
われわれ
)
に
転嫁
(
てんか
)
させられては
弥次彦
(
やじひこ
)
も
困
(
こま
)
るよ』
135
爺
『
馬鹿
(
ばか
)
言
(
い
)
ふない、
136
鼠
(
ねずみ
)
が
反吐
(
へど
)
をつくかい、
137
田舎者
(
ゐなかもん
)
だと
思
(
おも
)
つて
余
(
あま
)
り
馬鹿
(
ばか
)
にするな』
138
弥次彦
(
やじひこ
)
『コラコラお
竹
(
たけ
)
、
139
梯子
(
はしご
)
を
差
(
さ
)
さぬかい』
140
お竹
『ハイいま
差
(
さ
)
します、
141
チヨット
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
142
小用
(
こよう
)
して
来
(
く
)
るから』
143
与太彦
(
よたひこ
)
『
用事
(
ようじ
)
を
済
(
す
)
ましてから
差
(
さ
)
して
上
(
あ
)
げますとは、
144
洒落
(
しやれ
)
てけつかるワイ』
145
爺
(
おやぢ
)
『コラお
竹
(
たけ
)
、
146
親
(
おや
)
の
許
(
ゆる
)
しもなしに
梯子
(
はしご
)
をかけると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるか』
147
お竹
『それでも、
148
可愛
(
かあい
)
がつて
下
(
くだ
)
さつた
旦那
(
だんな
)
さまぢやもの、
149
親
(
おや
)
が
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
私
(
わたくし
)
は
差
(
さ
)
して
上
(
あ
)
げます。
150
サアサア
早
(
はや
)
くこれに
乗
(
の
)
つて
降
(
お
)
りて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さい』
151
弥次彦
『
乗
(
の
)
れと
言
(
い
)
つたつて、
152
コンナヒヨロヒヨロの
梯
(
はし
)
の
子
(
こ
)
にどうして
乗
(
の
)
れるのだ。
153
危
(
あぶ
)
なくつて
仕方
(
しかた
)
がない』
154
お竹
『
乗
(
の
)
るのがいやなら、
155
両方
(
りやうはう
)
の
親柱
(
おやばしら
)
をグツと
抱
(
だ
)
いて
大股
(
おほまた
)
に
跨
(
また
)
げて
降
(
お
)
りて
下
(
くだ
)
さい。
156
二人
(
ふたり
)
一緒
(
いつしよ
)
に
跨
(
また
)
げると
梯子
(
はしご
)
が
折
(
を
)
れます。
157
マア、
158
旦那
(
だんな
)
さまから
先
(
さき
)
い』
159
与太彦
『
旦那
(
だんな
)
さまから
先
(
さき
)
いなんて
馬鹿
(
ばか
)
にしてやがる。
160
エー
仕方
(
しかた
)
がない。
161
鎌
(
かま
)
の
柄
(
え
)
を
向
(
むか
)
ふに
握
(
にぎ
)
られて、
162
切
(
き
)
れる
方
(
はう
)
を
此方
(
こちら
)
が
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうなものだから、
163
この
柴屋
(
しばや
)
から
無事
(
ぶじ
)
に
着陸
(
ちやくりく
)
する
迄
(
まで
)
は、
164
猫
(
ねこ
)
を
被
(
かぶ
)
つて
大人
(
おとな
)
しうして
居
(
を
)
ろかい、
165
この
与太
(
よた
)
ヤンも』
166
二人
(
ふたり
)
は
漸
(
やうや
)
う
降
(
お
)
りて
来
(
き
)
た。
167
弥次彦
(
やじひこ
)
は
面
(
つら
)
を
脹
(
ふく
)
らして、
168
弥次彦
『コラ
婆々
(
ばばあ
)
、
169
人
(
ひと
)
に
小便
(
せうべん
)
を
飲
(
の
)
ましよつて
馬鹿
(
ばか
)
にするない』
170
婆
『この
人
(
ひと
)
は
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ふのだい、
171
誰
(
たれ
)
が
小便
(
せうべん
)
を
飲
(
の
)
ましました。
172
お
前
(
まへ
)
さまが
勝手
(
かつて
)
にこいて
飲
(
の
)
んだのぢやないか。
173
あんまり
勿体無
(
もつたいな
)
い
事
(
こと
)
をなさるから、
174
懲
(
こら
)
しめの
為
(
ため
)
に
小便
(
せうべん
)
だとは
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
つたけれど、
175
態
(
わざ
)
とに
其
(
その
)
儘
(
まま
)
にして
置
(
お
)
いたのだよ。
176
ソンナ
道楽
(
だうらく
)
な
心
(
こころ
)
で、
177
コーカス
詣
(
まゐ
)
りをしたつて
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は、
178
彼方
(
あつちや
)
向
(
む
)
いて
御座
(
ござ
)
るわ。
179
本当
(
ほんたう
)
に
自堕落
(
じだらく
)
な
兵六玉
(
ひやうろくだま
)
だナア。
180
奉公人
(
ほうこうにん
)
の
一人
(
ひとり
)
も
使
(
つか
)
ふ
人
(
ひと
)
だから、
181
チツトは
行儀
(
ぎやうぎ
)
ぐらゐ
知
(
し
)
つた
方
(
かた
)
だと
思
(
おも
)
うて
居
(
ゐ
)
たのに、
182
あまりの
仕打
(
しうち
)
で
愛想
(
あいさう
)
が
尽
(
つ
)
きた。
183
私
(
わし
)
は
斯
(
か
)
う
貧乏
(
びんぼう
)
して
居
(
を
)
つても、
184
綺麗
(
きれい
)
な
物
(
もの
)
と
汚
(
きたな
)
い
物
(
もの
)
ぐらゐは
弁
(
わきま
)
へて
居
(
を
)
る。
185
アタ
勿体
(
もつたい
)
ない、
186
先祖
(
せんぞ
)
譲
(
ゆづ
)
りの
履歴
(
りれき
)
のついた、
187
大事
(
だいじ
)
なお
土瓶
(
どびん
)
に
小便
(
せうべん
)
をこかれて、
188
どうしてこれが
使
(
つか
)
へるものか。
189
サア
旧
(
もと
)
の
通
(
とほ
)
りにして
下
(
くだ
)
され、
190
婆々
(
ばばあ
)
が
承知
(
しようち
)
しませぬぞや』
191
弥次彦
『
土瓶
(
どびん
)
の
一
(
ひと
)
つくらゐ
何
(
なん
)
だ、
192
それほど
惜
(
を
)
しけりや
買
(
か
)
うて
返
(
かへ
)
してやるわ。
193
何
(
なん
)
だ
大層
(
たいそう
)
らしい。
194
三銭
(
さんせん
)
や
五銭
(
ごせん
)
の
土瓶
(
どびん
)
を』
195
婆
『この
土瓶
(
どびん
)
は
三銭
(
さんせん
)
や
五銭
(
ごせん
)
ぢや
買
(
か
)
へませぬ、
196
百
(
ひやく
)
両
(
りやう
)
から
致
(
いた
)
しますよ』
197
弥次彦
『
金
(
きん
)
の
土瓶
(
どびん
)
でも
百
(
ひやく
)
両
(
りやう
)
出
(
だ
)
せばあるのに、
198
何
(
なん
)
ぢやコンナ
真
(
ま
)
つ
黒気
(
くろけ
)
な
蛸土瓶
(
たこどびん
)
をあまり
懸
(
か
)
け
値
(
ね
)
を
言
(
い
)
ふな。
199
足許
(
あしもと
)
を
付
(
つ
)
け
込
(
こ
)
みよつて
年寄
(
としより
)
の
癖
(
くせ
)
に
欲
(
よく
)
の
皮
(
かは
)
の
深
(
ふか
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
200
棺桶
(
くわんをけ
)
に
片足
(
かたあし
)
突込
(
つきこ
)
んで
居
(
を
)
つて
欲張
(
よくば
)
つて
何
(
なん
)
になる、
201
お
熊
(
くま
)
婆
(
ばば
)
[
※
「お熊婆」とは、熊手性(くまでしょう)(=強欲な性質)の老婆を意味する「熊手婆(くまでばば)」のことだと思われる。
]
奴
(
め
)
が』
202
婆
『この
土瓶
(
どびん
)
は
成
(
な
)
るほど
買
(
か
)
うた
時
(
とき
)
は
三銭
(
さんせん
)
だつたさうだが、
203
曽祖父
(
ひいぢいさん
)
の
代
(
だい
)
から
家宝
(
かほう
)
となつて
今
(
いま
)
まで
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
た
物
(
もの
)
だ。
204
三銭
(
さんせん
)
の
金
(
かね
)
に
利
(
り
)
に
利
(
り
)
を
盛
(
も
)
つて
百五十
(
ひやくごじふ
)
年
(
ねん
)
の
間
(
あひだ
)
勘定
(
かんぢやう
)
して
見
(
み
)
なさい、
205
百
(
ひやく
)
両
(
りやう
)
なら
安
(
やす
)
いものだよ』
206
弥次彦
『
何
(
なん
)
と
勘定
(
かんぢやう
)
の
高
(
たか
)
い
婆
(
ばば
)
アだなア、
207
こいつア、
208
ウラル
教
(
けう
)
だよ
与太公
(
よたこう
)
』
209
婆
『ウラルもウランもあるものか、
210
百
(
ひやく
)
両
(
りやう
)
だつて
千
(
せん
)
両
(
りやう
)
だつて、
211
家
(
いへ
)
の
宝
(
たから
)
を
売
(
う
)
つて
堪
(
たま
)
るものか』
212
弥次彦
(
やじひこ
)
『
蛸
(
たこ
)
なら
足
(
あし
)
もつくだらうが、
213
此奴
(
こいつ
)
は
足
(
あし
)
の
無
(
な
)
い
胴瓶
(
どうびん
)
ばかりだから、
214
素
(
もと
)
より
利足
(
りそく
)
の
付
(
つ
)
く
筈
(
はず
)
がないわ』
215
与太彦
(
よたひこ
)
『
形
(
かたち
)
あるものは
必
(
かなら
)
ず
滅
(
ほろ
)
び、
216
逢
(
あ
)
ふものは
離
(
はな
)
れると
云
(
い
)
ふのは
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
習
(
なら
)
ひだ。
217
諦
(
あきら
)
めて
置
(
お
)
くが
好
(
よ
)
からう、
218
後生
(
ごしやう
)
の
為
(
ため
)
だよ』
219
爺
(
おやぢ
)
『
何
(
な
)
んだ、
220
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
れば
親重代
(
おやぢゆうだい
)
の
土瓶
(
どびん
)
を
穢
(
けがら
)
はしい
小便
(
せうべん
)
を
垂
(
た
)
れよつたのか、
221
モウ
了見
(
れうけん
)
ならぬ、
222
俺
(
おれ
)
のとこの
宝
(
たから
)
を
台
(
だい
)
なしにしよつたナ』
223
弥次彦
(
やじひこ
)
『エー
小
(
ちひ
)
さい
事
(
こと
)
を
吐
(
ぬ
)
かすない、
224
土瓶
(
どびん
)
に
小便
(
せうべん
)
を
入
(
い
)
れたのがそれほど
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つのなら、
225
吾々
(
われわれ
)
の
胴腹
(
どうばら
)
に
小便
(
せうべん
)
を
入
(
い
)
れよつた
貴様
(
きさま
)
こそ
了見
(
れうけん
)
ならぬ
奴
(
やつ
)
だ。
226
胴瓶
(
どうびん
)
の
土瓶
(
どびん
)
いぢりの
薬鑵
(
やくわん
)
老爺
(
おやぢ
)
、
227
土瓶
(
どびん
)
も
薬鑵
(
やくわん
)
も
一緒
(
いつしよ
)
にポカンと
遺
(
や
)
つてやらうか』
228
爺
(
おやぢ
)
『
人
(
ひと
)
の
家
(
いへ
)
に
厄介
(
やくかい
)
になつて
置
(
お
)
きながら、
229
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
劫託
(
ごふたく
)
をこきよるのだ。
230
コラ、
231
年
(
とし
)
は
寄
(
よ
)
つてもこれでも
ヤンチヤ
の
虎
(
とら
)
サンと
綽名
(
あだな
)
を
取
(
と
)
つた
此
(
この
)
方
(
はう
)
だぞ』
232
と
云
(
い
)
ひながら
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
を
固
(
かた
)
めてポカンとやつた。
233
与太彦
(
よたひこ
)
は、
234
与太彦
『この
耄碌
(
まうろく
)
老爺
(
おやぢ
)
、
235
何
(
なに
)
をしやがる』
236
と
又
(
また
)
もや
鉄拳
(
てつけん
)
を
固
(
かた
)
めて
薬鑵頭
(
やくわんあたま
)
をポカンとやる。
237
老爺
(
おやぢ
)
は
甲声
(
かんごゑ
)
を
出
(
だ
)
して
怒
(
おこ
)
る、
238
お
竹
(
たけ
)
は
泣
(
な
)
く、
239
婆
(
ばば
)
はわめく、
240
弥次
(
やじ
)
はカンカンになつて
暴
(
あ
)
れ
廻
(
まは
)
る。
241
表
(
おもて
)
を
通
(
とほ
)
る
数多
(
あまた
)
の
参詣者
(
さんけいしや
)
は『ヤア
喧嘩
(
けんくわ
)
だ
喧嘩
(
けんくわ
)
だ』と
面白
(
おもしろ
)
がり
黒山
(
くろやま
)
の
如
(
ごと
)
く
集
(
あつ
)
まつて
来
(
く
)
る。
242
甲
(
かふ
)
『コラ
一体
(
いつたい
)
何
(
なん
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
だ』
243
乙
(
おつ
)
『
土瓶
(
どびん
)
と
薬鑵
(
やくわん
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
ださうな』
244
ワイワイと
野次馬
(
やじうま
)
連
(
れん
)
が
騒
(
さわ
)
いで
居
(
を
)
る、
245
斯
(
か
)
かる
所
(
ところ
)
へ
烏帽子
(
ゑぼうし
)
、
246
狩衣
(
かりぎぬ
)
、
247
厳
(
いか
)
めしく
馬上
(
ばじやう
)
ゆたかに
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
宣伝使
(
せんでんし
)
の
一行
(
いつかう
)
ありき。
248
宣伝使
(
せんでんし
)
は
馬
(
うま
)
を
止
(
と
)
め、
249
ツカツカと
群集
(
ぐんしふ
)
を
別
(
わ
)
けてこの
家
(
いへ
)
に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
み、
250
『アヽ、
251
お
前
(
まへ
)
サンは
弥次彦
(
やじひこ
)
サン
与太彦
(
よたひこ
)
サンぢやないか』
252
弥次彦、与太彦
『ホー、
253
貴様
(
あなた
)
は
醜
(
しこ
)
の
巌窟
(
いはや
)
でお
目
(
め
)
に
懸
(
かか
)
つた
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
254
エライ
所
(
ところ
)
でお
目
(
め
)
にかかりました』
255
宣伝使
(
せんでんし
)
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
は
声
(
こゑ
)
を
揃
(
そろ
)
へて
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
ちながら、
256
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
257
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
258
この
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
259
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
260
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
261
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞直
(
ききなほ
)
せ
262
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
詔直
(
のりなほ
)
せ』
263
と
歌
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めたる。
264
この
声
(
こゑ
)
に
連
(
つ
)
れて
弥次彦
(
やじひこ
)
、
265
与太彦
(
よたひこ
)
を
初
(
はじ
)
め、
266
老爺
(
おやぢ
)
も
婆々
(
ばばあ
)
もお
竹
(
たけ
)
も、
267
今
(
いま
)
までの
争
(
あらそ
)
ひをケロリと
忘
(
わす
)
れ、
268
共
(
とも
)
に
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
ち
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ふ。
269
音彦
(
おとひこ
)
『アヽ
世直
(
よなほ
)
し
世直
(
よなほ
)
し、
270
サーサ
皆
(
みな
)
さまコーカス
山
(
ざん
)
へ
参
(
まゐ
)
りませう』
271
一同
(
いちどう
)
『
有難
(
ありがた
)
う』
272
(
大正一一・三・二一
旧二・二三
谷村真友
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 高加索詣
(B)
(N)
大活躍 >>>
霊界物語
>
如意宝珠(第13~24巻)
>
第13巻(子の巻)
> 第5篇 膝栗毛 > 第23章 和解
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第23章 和解|第13巻|如意宝珠|霊界物語|/rm1323】
合言葉「みろく」を入力して下さい→