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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第13巻(子の巻)
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凡例
総説
第1篇 勝利光栄
第1章 言霊開
第2章 波斯の海
第3章 波の音
第4章 夢の幕
第5章 同志打
第6章 逆転
第2篇 洗礼旅行
第7章 布留野原
第8章 醜の窟
第9章 火の鼠
第3篇 探険奇聞
第10章 巌窟
第11章 怪しの女
第12章 陥穽
第13章 上天丸
第4篇 奇窟怪巌
第14章 蛙船
第15章 蓮花開
第16章 玉遊
第17章 臥竜姫
第18章 石門開
第19章 馳走の幕
第20章 宣替
第21章 本霊
第5篇 膝栗毛
第22章 高加索詣
第23章 和解
第24章 大活躍
信天翁(三)
余白歌
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霊界物語
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第13巻(子の巻)
> 第2篇 洗礼旅行 > 第8章 醜の窟
<<< 布留野原
(B)
(N)
火の鼠 >>>
第八章
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
〔五三四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻
篇:
第2篇 洗礼旅行
よみ(新仮名遣い):
せんれいりょこう
章:
第8章 醜の窟
よみ(新仮名遣い):
しこのいわや
通し章番号:
534
口述日:
1922(大正11)年03月17日(旧02月19日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年10月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
夜が明けて、岩彦は今度こそ我が折れたと鷹彦に認めた。しかし日の出別宣伝使の行動が腑に落ちないと疑問を呈するが、鷹彦は一兵卒に御経綸がわかってたまるか、と諭す。
鷹彦は、腹ごしらえをしてフル野ケ原の醜の窟に巣くう魔神どもを言向け和しに行こう、と提案する。そして、昨日の化け物は、魔神たちの偵察に違いない、と言う。醜の窟には六つの入口があるので、めいめい一人ずつ進んで行くことにした。
一行が原野を進んで行くと、屏風のように長く突き立った岩山が見えてきた。その上には一人の人影が見える。それは日の出別宣伝使であった。日の出別は宣伝歌にて、醜の窟の入口がふさがれていてわからないが、ここを清めて三五教の教えを顕すべし、と歌っていた。
岩彦は昨夜の化け物のことを報告し、自分の言霊で追い払ったかのように吹聴する。しかし日の出別は岩彦が腰を抜かしたことを知っていて、化け物の口真似をして岩彦をからかう。
岩彦は化け物が日の出別に化けているのかと思って疑うが、日の出別は拍手を打って天津祝詞を奏上した。その声は六合に鳴り渡るようで、たちまち雲は晴れて太陽が姿を現した。
疑いは晴れ、一同は岩窟に進み入ることとなった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-26 16:56:45
OBC :
rm1308
愛善世界社版:
100頁
八幡書店版:
第3輯 67頁
修補版:
校定版:
100頁
普及版:
42頁
初版:
ページ備考:
001
夜
(
よ
)
は
漸
(
やうや
)
く
明
(
あ
)
け
放
(
はな
)
れたと
見
(
み
)
え、
002
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
影
(
かげ
)
は
見
(
み
)
えねども、
003
天地
(
てんち
)
は
ホンノリ
と
明
(
あか
)
るくなつて
来
(
き
)
た。
004
鷹彦
(
たかひこ
)
『オイ
岩彦
(
いはひこ
)
、
005
何
(
ど
)
うだ、
006
貴様
(
きさま
)
もモウこれで
我
(
が
)
が
折
(
を
)
れただらうナア』
007
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤー
今度
(
こんど
)
に
限
(
かぎ
)
つて
徹底
(
てつてい
)
的
(
てき
)
に
我
(
が
)
が
折
(
を
)
れたよ。
008
モウ
心配
(
しんぱい
)
して
呉
(
く
)
れな。
009
併
(
しか
)
し
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
何
(
ど
)
うなつたのだらう。
010
どうも
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちぬ
行動
(
かうどう
)
ぢやないか』
011
鷹彦
(
たかひこ
)
『
貴様
(
きさま
)
は
未
(
ま
)
だソンナ
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふから
駄目
(
だめ
)
だ。
012
何
(
ど
)
うならうと、
013
斯
(
か
)
うならうと
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
が、
014
吾々
(
われわれ
)
の
如
(
ごと
)
き
一兵卒
(
いつぺいそつ
)
に
分
(
わか
)
つてたまるかい。
015
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
がフル
野ケ原
(
のがはら
)
の
魔神
(
まがみ
)
を
平
(
たひら
)
げると
仰有
(
おつしや
)
つた
以上
(
いじやう
)
は、
016
屹度
(
きつと
)
先
(
さき
)
へ
行
(
い
)
つて
水
(
みづ
)
も
漏
(
も
)
らさぬ
経綸
(
けいりん
)
をしてござるに
違
(
ちが
)
ひないワ。
017
ソンナ
事
(
こと
)
は
吾々
(
われわれ
)
の
容喙
(
ようかい
)
すべき
所
(
ところ
)
で
無
(
な
)
い。
018
サアサア
皆
(
みな
)
一時
(
いつとき
)
に
用意
(
ようい
)
だ
用意
(
ようい
)
だ』
019
音彦
(
おとひこ
)
『ヤア
鷹
(
たか
)
サン、
020
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
021
腹
(
はら
)
の
虫
(
むし
)
が
休戦
(
きうせん
)
の
催促
(
さいそく
)
を
頻
(
しき
)
りに
志
(
し
)
てゐます』
022
鷹彦
(
たかひこ
)
『オーさうだつた。
023
各自
(
めいめい
)
に
腹
(
はら
)
を
拵
(
こしら
)
へねばならぬ』
024
と
言
(
い
)
ひつつ
固
(
かた
)
きパンを
出
(
だ
)
して、
025
各自
(
めいめい
)
に
噛
(
か
)
じり
乍
(
なが
)
ら
旅装
(
りよさう
)
を
整
(
ととの
)
へ、
026
西北
(
せいほく
)
を
指
(
さ
)
して、
027
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
歌
(
うた
)
ひ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
028
鷹彦
(
たかひこ
)
『サア
是
(
これ
)
からが
戦場
(
せんぢやう
)
だ。
029
孰
(
いづ
)
れもしつかり
戦闘
(
せんとう
)
準備
(
じゆんび
)
に
取
(
と
)
りかかれよ。
030
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
いフル
野ケ原
(
のがはら
)
の
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
だからのう』
031
岩彦
(
いはひこ
)
『
其
(
そ
)
の
窟
(
いはや
)
には、
032
一体
(
いつたい
)
ドンナ
魔神
(
まがみ
)
が
居
(
を
)
るのだ』
033
鷹彦
(
たかひこ
)
『
夫
(
そ
)
れは
種々
(
しゆじゆ
)
雑多
(
ざつた
)
の
悪魔
(
あくま
)
が
棲息
(
せいそく
)
しとるのだ。
034
夜前
(
やぜん
)
斥候隊
(
せきこうたい
)
が
来
(
き
)
ただらう』
035
岩彦
(
いはひこ
)
『ウン
彼
(
あ
)
の
化
(
ばけ
)
か。
036
ナーニアンナ
奴
(
やつ
)
位
(
くらゐ
)
は
屁
(
へ
)
のお
茶
(
ちや
)
だ』
037
音彦
(
おとひこ
)
『
油断
(
ゆだん
)
大敵
(
たいてき
)
だ。
038
小敵
(
せうてき
)
たりとも
侮
(
あなど
)
るべからず、
039
大敵
(
たいてき
)
たりとも
恐
(
おそ
)
るるべからず。
040
機
(
き
)
に
臨
(
のぞ
)
み
変
(
へん
)
に
応
(
おう
)
じ、
041
変幻
(
へんげん
)
出没
(
しゆつぼつ
)
、
042
進退
(
しんたい
)
自由
(
じいう
)
の
大活動
(
だいくわつどう
)
を
吾々
(
われわれ
)
は
開始
(
かいし
)
するのだ』
043
鷹彦
(
たかひこ
)
『アヽ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
能
(
よ
)
く
仕組
(
しぐ
)
まれたものだ。
044
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
には
六個
(
ろくこ
)
の
入口
(
いりぐち
)
がある。
045
其処
(
そこ
)
へ
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
と
云
(
い
)
ふのだから
恰度
(
ちやうど
)
都合
(
つがふ
)
がよい。
046
各自
(
めいめい
)
に
其
(
そ
)
の
一
(
ひと
)
つ
宛
(
づつ
)
の
穴
(
あな
)
を
担当
(
たんたう
)
して
進入
(
しんにふ
)
するのだナア』
047
岩彦
(
いはひこ
)
『それは
面白
(
おもしろ
)
からう、
048
俺
(
おれ
)
が
一番槍
(
いちばんやり
)
の
功名
(
こうみやう
)
手柄
(
てがら
)
。
049
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
肝腎
(
かんじん
)
の
大将
(
たいしやう
)
が
見
(
み
)
てゐて
呉
(
く
)
れねば、
050
働
(
はたら
)
きごたへが
無
(
な
)
いやうな
気
(
き
)
がするぢやないか』
051
鷹彦
(
たかひこ
)
『
貴様
(
きさま
)
はそれだから
未
(
ま
)
だいかぬのだ。
052
大将
(
たいしやう
)
が
見
(
み
)
て
居
(
を
)
らうが、
053
居
(
を
)
らうまいが、
054
自分
(
じぶん
)
の
職務
(
しよくむ
)
は
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
全力
(
ぜんりよく
)
を
傾注
(
けいちゆう
)
してやればよいのだ』
055
岩彦
(
いはひこ
)
『それでも
蔭
(
かげ
)
の
舞
(
まひ
)
、
056
縁
(
えん
)
の
下
(
した
)
の
踊
(
をど
)
りになつては
骨折
(
ほねを
)
り
甲斐
(
がひ
)
が
無
(
な
)
いやうな
気
(
き
)
がする。
057
ナア
梅公
(
うめこう
)
、
058
音公
(
おとこう
)
』
059
音彦
(
おとひこ
)
『イヤ
吾々
(
われわれ
)
はソンナことは
決
(
けつ
)
して
思
(
おも
)
はぬ。
060
どうせ
碌
(
ろく
)
な
勝利
(
しようり
)
は
得
(
え
)
られないのだから。
061
下手
(
へた
)
なことをして
居
(
ゐ
)
る
所
(
ところ
)
を
大将
(
たいしやう
)
に
見
(
み
)
られては
却
(
かへ
)
つて
恥
(
はづ
)
かしい。
062
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
勢
(
いきほひ
)
を
以
(
もつ
)
て
力限
(
ちからかぎ
)
りのベストを
尽
(
つく
)
し、
063
能
(
あた
)
ふ
限
(
かぎ
)
りの
奮戦
(
ふんせん
)
をやるのだ』
064
梅彦
(
うめひこ
)
『オイ
鷹彦
(
たかひこ
)
、
065
何
(
ど
)
うだ。
066
此
(
この
)
辺
(
へん
)
で
一寸
(
ちよつと
)
休息
(
きうそく
)
をして
各自
(
めいめい
)
に
策戦
(
さくせん
)
計画
(
けいくわく
)
を
定
(
さだ
)
め、
067
悠乎
(
ゆつくり
)
と
行
(
ゆ
)
かうぢやないか。
068
化物
(
ばけもの
)
退治
(
たいぢ
)
は
夜
(
よる
)
の
方
(
はう
)
が
却
(
かへ
)
つて
都合
(
つがふ
)
がよいかも
知
(
し
)
れぬぞ』
069
岩彦
(
いはひこ
)
『さうだ。
070
昼
(
ひる
)
の
化物
(
ばけもの
)
は
見
(
み
)
たことが
無
(
な
)
い。
071
化物
(
ばけもの
)
の
留守
(
るす
)
に
行
(
い
)
つた
所
(
ところ
)
で
変哲
(
へんてつ
)
が
無
(
な
)
いから。
072
時機
(
じき
)
を
考
(
かんが
)
へて
六方
(
ろくぱう
)
から
突撃
(
とつげき
)
を
試
(
こころ
)
みると
云
(
い
)
ふことにしようかい』
073
一行
(
いつかう
)
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
は
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれ
乍
(
なが
)
ら
勢
(
いきほひ
)
よく
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
074
前方
(
ぜんぱう
)
を
見
(
み
)
れば
原野
(
げんや
)
の
中央
(
ちうあう
)
に
屏風
(
びやうぶ
)
の
如
(
ごと
)
く
長
(
なが
)
く
衝立
(
つきた
)
てる
岩山
(
いはやま
)
あり、
075
その
岩山
(
いはやま
)
の
頂
(
いただき
)
に
一人
(
ひとり
)
の
人影
(
ひとかげ
)
が
立
(
た
)
ちゐる。
076
鷹彦
(
たかひこ
)
『オイ
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
、
077
彼
(
あ
)
の
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
の
上
(
うへ
)
に
何
(
なに
)
が
居
(
を
)
るか
一寸
(
ちよつと
)
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
よ。
078
あれは
夜前
(
やぜん
)
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
された
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
間違
(
まちが
)
ひ
無
(
な
)
からう。
079
吾々
(
われわれ
)
の
行
(
ゆ
)
くまでにチヤンと
悪魔
(
あくま
)
を
封
(
ふう
)
じて
遁走
(
とんそう
)
せないやうな
計略
(
けいりやく
)
と
見
(
み
)
ゆる。
080
サアもう
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ。
081
急
(
いそ
)
げ
急
(
いそ
)
げ。
082
オイ
岩公
(
いはこう
)
、
083
もうウラル
教
(
けう
)
は
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つただらうな』
084
岩彦
(
いはひこ
)
『
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたも
切
(
き
)
らぬもあるかい。
085
テンで
ウラル
教
(
けう
)
ナンか、
086
夢
(
ゆめ
)
にも
思
(
おも
)
つたことは
無
(
な
)
いわ』
087
鷹彦
(
たかひこ
)
『アハヽヽヽ、
088
勝手
(
かつて
)
な
奴
(
やつ
)
だ。
089
マア
何
(
ど
)
うでもよい。
090
駆歩
(
かけあし
)
だ』
091
一
(
いち
)
二
(
に
)
三
(
さん
)
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
092
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
を
指
(
さ
)
して
駆
(
か
)
けついた。
093
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
は
岩上
(
がんじやう
)
に
立
(
た
)
つて
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひゐる。
094
日の出別
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
095
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
096
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
097
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
098
直日
(
なほひ
)
の
神
(
かみ
)
の
分霊
(
わけみたま
)
099
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
曇
(
くも
)
りを
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ふ
100
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
別
(
わけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
101
雨
(
あめ
)
もフル
野ケ原
(
のがはら
)
を
越
(
こ
)
え
102
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
103
出口
(
でぐち
)
入口
(
いりぐち
)
塞
(
ふさ
)
がりて
104
百草
(
ももくさ
)
千草
(
ちぐさ
)
生茂
(
おひしげ
)
り
105
何処
(
いづこ
)
をそれと
白真弓
(
しらまゆみ
)
106
射向
(
いむか
)
ふ
的
(
まと
)
も
あら
風
(
かぜ
)
に
107
吹
(
ふ
)
かれて
立
(
た
)
てる
此
(
こ
)
の
窟
(
いはや
)
108
岩
(
いは
)
より
堅
(
かた
)
き
鋭心
(
とごころ
)
の
109
誠心
(
まことごころ
)
を
振
(
ふ
)
り
起
(
おこ
)
し
110
フサの
天地
(
てんち
)
を
曇
(
くも
)
らせし
111
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
分霊
(
わけみたま
)
112
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
を
言霊
(
ことたま
)
の
113
珍
(
うづ
)
の
気吹
(
いぶき
)
に
払
(
はら
)
はむと
114
待
(
ま
)
つ
間
(
ま
)
程
(
ほど
)
なく
鷹彦
(
たかひこ
)
や
115
巌
(
いづ
)
の
身魂
(
みたま
)
の
あと
五
(
ご
)
人
(
にん
)
116
漸
(
やうや
)
く
此処
(
ここ
)
に
現
(
あら
)
はれて
117
曲
(
まが
)
の
砦
(
とりで
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ふ
118
あゝ
勇
(
いさ
)
ましや
勇
(
いさ
)
ましや
119
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
の
開
(
ひら
)
け
口
(
ぐち
)
120
出口
(
でぐち
)
入口
(
いりぐち
)
わからねど
121
草
(
くさ
)
をわけても
探
(
さが
)
し
出
(
だ
)
し
122
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
さで
置
(
お
)
くべきか
123
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
さで
置
(
お
)
くべきか
124
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
125
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
126
たとへ
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
127
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せし
此
(
こ
)
の
身体
(
からだ
)
128
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
ため
世
(
よ
)
のために
129
捨
(
す
)
てて
甲斐
(
かひ
)
あるわが
生命
(
いのち
)
130
来
(
きた
)
れよ
来
(
きた
)
れいざ
来
(
きた
)
れ
131
葎
(
むらぐも
)
茂
(
しげ
)
れる
岩
(
いは
)
の
戸
(
と
)
を
132
隈
(
くま
)
なく
探
(
さぐ
)
りし
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
133
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
の
太祝詞
(
ふとのりと
)
134
声
(
こゑ
)
も
高天
(
たかま
)
と
詔
(
の
)
りつれば
135
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
は
久方
(
ひさかた
)
の
136
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
を
押開
(
おしひら
)
き
137
八重雲
(
やへくも
)
四方
(
よも
)
に
吹
(
ふ
)
きわけて
138
誠
(
まこと
)
の
願
(
ねがひ
)
を
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
し
139
国
(
くに
)
の
御祖
(
みおや
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
140
国治立
(
くにはるたち
)
の
大神
(
おほかみ
)
に
141
随
(
したが
)
ひ
給
(
たま
)
ふ
百神
(
ももがみ
)
は
142
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
や
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の
143
伊保理
(
いほり
)
をさつと
掻
(
か
)
きわけて
144
吾
(
あ
)
が
祈言
(
ねぎごと
)
を
悉
(
ことごと
)
く
145
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
すらむ
三五
(
あななひ
)
の
146
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
隈
(
くま
)
も
無
(
な
)
く
147
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
くフル
野原
(
のはら
)
148
払
(
はら
)
ひ
清
(
きよ
)
めむ
曲津霊
(
まがつひ
)
の
149
醜
(
しこ
)
の
曲業
(
まがわざ
)
逸早
(
いちはや
)
く
150
汝
(
なれ
)
が
心
(
こころ
)
の
真寸鏡
(
ますかがみ
)
151
照
(
てら
)
して
醜
(
しこ
)
の
正体
(
しやうたい
)
を
152
現
(
あら
)
はす
時
(
とき
)
ぞ
来
(
きた
)
りけり
153
現
(
あら
)
はす
時
(
とき
)
ぞ
来
(
きた
)
りけり
154
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
155
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
156
と
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
歌
(
うた
)
ひ
興
(
きよう
)
じつつありけり。
157
鷹彦
(
たかひこ
)
一行
(
いつかう
)
は
漸
(
やうや
)
くにして
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
安着
(
あんちやく
)
したり。
158
岩彦
(
いはひこ
)
『ホー
貴使
(
あなた
)
は
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
159
夜前
(
やぜん
)
は
大変
(
たいへん
)
にお
先
(
さき
)
へ
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
を
致
(
いた
)
しました』
160
日の出別
『イヤ
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
はお
互
(
たが
)
ひだ。
161
昨夜
(
さくや
)
は
別
(
べつ
)
に
変
(
かは
)
つたことはなかつたかな』
162
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤー
別
(
べつ
)
に
大
(
たい
)
したことはありませぬ。
163
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
の
斥候隊
(
せきこうたい
)
が
一寸
(
ちよつと
)
やつて
来
(
き
)
て、
164
岩彦
(
いはひこ
)
の
言霊
(
ことたま
)
の
気吹
(
いぶき
)
に
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らされ、
165
鼠
(
ねずみ
)
のやうに
小
(
ちひ
)
さくなつて
狐鼠
(
こそ
)
々々
(
こそ
)
と
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
つたのですよ。
166
イヤモウ
悪神
(
あくがみ
)
と
云
(
い
)
ふものは
弱
(
よわ
)
いものです』
167
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
『それは
結構
(
けつこう
)
だつた。
168
併
(
しか
)
し
一寸
(
ちよつと
)
腰
(
こし
)
を
抜
(
ぬ
)
いたでせう』
169
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤー
此奴
(
こいつ
)
は
変
(
へん
)
だ。
170
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
と
見
(
み
)
せかけて
昨夜
(
ゆふべ
)
の
化助
(
ばけすけ
)
奴
(
め
)
が、
171
又
(
また
)
此処
(
ここ
)
に
作戦
(
さくせん
)
をやつて
居
(
を
)
るのぢやなからうか。
172
ハテナ
合点
(
がてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬ
事
(
こと
)
もあればあるものだ。
173
オイこらお
化
(
ばけ
)
、
174
馬鹿
(
ばか
)
にするない。
175
貴様
(
きさま
)
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
に
化
(
ば
)
けて
居
(
ゐ
)
よるが、
176
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
は
喰
(
く
)
はぬぞ。
177
化物
(
ばけもの
)
の
証拠
(
しようこ
)
には
昨夜
(
ゆふべ
)
俺
(
おれ
)
が
腰
(
こし
)
をぬかしたことを
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
つたぢやないか。
178
本当
(
ほんたう
)
の
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
は
吾々
(
われわれ
)
を
置去
(
おきざ
)
りにして、
179
お
先
(
さき
)
へ
御免
(
ごめん
)
とも
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
はずに、
180
ドロンと
其
(
その
)
場
(
ば
)
から
消滅
(
せうめつ
)
して
了
(
しま
)
つたのだ。
181
大体
(
だいたい
)
が
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
からして
怪体
(
けつたい
)
な
代物
(
しろもの
)
だが、
182
彼奴
(
あいつ
)
は
貴様
(
きさま
)
のやうに
化
(
ば
)
けないから
安心
(
あんしん
)
だ。
183
コラ
夜前
(
やぜん
)
の
化
(
ば
)
けの
同類
(
どうるゐ
)
、
184
夜前
(
やぜん
)
は
夜分
(
やぶん
)
だつたから
一寸
(
ちよつと
)
ねむた
目
(
め
)
に
相手
(
あひて
)
になつてやつたのだが、
185
今日
(
けふ
)
は
真剣
(
しんけん
)
だぞ。
186
じたばた
致
(
いた
)
してもモウ
敵
(
かな
)
はぬ
百年目
(
ひやくねんめ
)
、
187
サア
尋常
(
じんじやう
)
に
兜
(
かぶと
)
を
脱
(
ぬ
)
ぐか、
188
返答
(
へんたふ
)
は
如何
(
どう
)
ぢや』
189
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
『キヤツハヽヽヽ』
190
岩彦
(
いはひこ
)
はトンと
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
して、
191
岩彦
『キヤツキヤツ、
192
キヤツハヽヽとは、
193
そりや
何
(
なに
)
吐
(
ぬ
)
かす。
194
合点
(
がてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬ
脱線
(
だつせん
)
だらけの
笑
(
わら
)
ひ
声
(
ごゑ
)
をしよつて、
195
キヤツハヽヽヽキユツフヽヽのとは
何
(
なに
)
の
態
(
ざま
)
だ。
196
奴畜生
(
どちくしやう
)
の
化
(
ば
)
けた
証拠
(
しるし
)
には、
197
拗音
(
ようおん
)
や
鼻音
(
びおん
)
を
使用
(
しよう
)
してゐるぢやないか』
198
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
『アハヽヽヽ、
199
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
は
何
(
なに
)
吐
(
ぬ
)
かすと
云
(
い
)
ふが、
200
さう
云
(
い
)
ふお
前
(
まへ
)
は
腰
(
こし
)
ヌかす』
201
岩彦
(
いはひこ
)
『
吐
(
ぬ
)
かすない
吐
(
ぬ
)
かすない、
202
黙
(
だま
)
つて
居
(
を
)
れば
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬ
)
かすかわかつたものぢやない。
203
ヤイ
一同
(
いちどう
)
の
者
(
もの
)
、
204
ぬかるな。
205
此奴
(
こいつ
)
も
変智
(
へんち
)
奇珍
(
きちん
)
だぞ』
206
鷹彦
(
たかひこ
)
『アハヽヽヽ、
207
オイこら
岩公
(
いはこう
)
、
208
貴様
(
きさま
)
はよつぽど
瓢六玉
(
へうろくだま
)
だ。
209
彼
(
あ
)
の
立派
(
りつぱ
)
な
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
が
化物
(
ばけもの
)
に
見
(
み
)
ゆるのか』
210
岩彦
(
いはひこ
)
『
見
(
み
)
えいでかい。
211
定
(
きま
)
つた
巾着
(
きんちやく
)
、
212
揚
(
あ
)
げたお
豆腐
(
とうふ
)
。
213
何
(
なに
)
ほど
俺
(
おれ
)
をおどかさうと
思
(
おも
)
つたつて
豆腐
(
とうふ
)
に
鎹
(
かすがい
)
、
214
糠
(
ぬか
)
に
釘
(
くぎ
)
だ。
215
坊主
(
ばうず
)
鉢巻
(
はちまき
)
でチツトもこたへないのだ。
216
俺
(
おれ
)
は
岩
(
いは
)
より
固
(
かた
)
い
岩
(
いは
)
サンだ。
217
化物
(
ばけもの
)
の
百匹
(
ひやつぴき
)
や
千匹
(
せんびき
)
位
(
くらゐ
)
群
(
むれ
)
をなして
押寄
(
おしよ
)
せ
来
(
きた
)
るとも
何
(
なに
)
のものかは。
218
ウラル
教
(
けう
)
のオツトドツコイ
三五教
(
あななひけう
)
の
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
の
気吹
(
いぶき
)
に
依
(
よ
)
り、
219
気吹
(
いぶき
)
き
払
(
はら
)
ひ
給
(
たま
)
へ
清
(
きよ
)
め
給
(
たま
)
へと
申
(
まを
)
すことの
由
(
よし
)
を
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
共
(
とも
)
に
小男鹿
(
さをしか
)
の
耳振
(
みみふ
)
り
立
(
た
)
て
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
せと、
220
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
申
(
まを
)
す。
221
ポンポンだ』
222
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
『アハヽヽヽ、
223
相変
(
あひかは
)
らず
面白
(
おもしろ
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
224
オイ
岩彦
(
いはひこ
)
、
225
本当
(
ほんたう
)
だ、
226
本物
(
ほんもの
)
だ。
227
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
に
間違
(
まちが
)
ひは
無
(
な
)
いぞ。
228
安心
(
あんしん
)
せい』
229
岩彦
(
いはひこ
)
『サーその
弁解
(
べんかい
)
が
気
(
き
)
に
喰
(
く
)
はぬ。
230
何
(
なん
)
でも
嘘
(
うそ
)
を
言
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
はうまい
事
(
こと
)
弁解
(
べんかい
)
をするものだ』
231
音彦
(
おとひこ
)
『オイオイ、
232
貴様
(
きさま
)
疑
(
うたが
)
ひが
深過
(
ふかす
)
ぎるぢやないか。
233
さう
深
(
ふか
)
はまりしては
物
(
もの
)
がさつさと
片付
(
かたづ
)
いて
行
(
ゆ
)
かぬ。
234
後家
(
ごけ
)
婆
(
ばあ
)
サンの
宿換
(
やどが
)
へのやうに
何
(
なん
)
でも
手軽
(
てがる
)
に
片付
(
かたづ
)
けるものだよ』
235
梅彦
(
うめひこ
)
『ヤー
昨日
(
きのふ
)
と
云
(
い
)
ひ
今日
(
けふ
)
といひだ』
236
駒彦
(
こまひこ
)
『
本当
(
ほんたう
)
に
皆目
(
かいもく
)
一体
(
いつたい
)
全体
(
ぜんたい
)
訳
(
わけ
)
がわからぬやうになつて
来
(
き
)
た。
237
化物
(
ばけもの
)
退治
(
たいぢ
)
にやつて
来
(
き
)
て
何
(
なん
)
だか
化物
(
ばけもの
)
に
玩弄
(
おもちや
)
になつてゐるやうな
気
(
き
)
がする、
238
又
(
また
)
夢
(
ゆめ
)
ではあるまいか』
239
鷹彦
(
たかひこ
)
『
夢々
(
ゆめゆめ
)
疑
(
うたが
)
ふ
勿
(
なか
)
れ。
240
夢
(
ゆめ
)
ではないぞ、
241
現
(
うつつ
)
ではないぞ』
242
岩彦
(
いはひこ
)
『イヨー
此奴
(
こいつ
)
又
(
また
)
怪
(
あや
)
しくなつて
来
(
き
)
たぞ。
243
矢張
(
やつぱり
)
フル
野ケ原
(
のがはら
)
の
醜
(
しこ
)
の
窟
(
いはや
)
式
(
しき
)
だ』
244
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
は
拍手
(
かしはで
)
を
打
(
う
)
ち
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
する。
245
其
(
そ
)
の
声
(
こゑ
)
は
天地
(
てんち
)
六合
(
りくがふ
)
に
鳴
(
な
)
り
渡
(
わた
)
るが
如
(
ごと
)
く、
246
忽
(
たちま
)
ち
雲
(
くも
)
の
戸
(
と
)
破
(
やぶ
)
れて
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
西天
(
せいてん
)
に
温顔
(
をんがん
)
を
現
(
あら
)
はし、
247
一行
(
いつかう
)
の
迷
(
まよ
)
ひの
雲
(
くも
)
をさらりと
解
(
と
)
き
給
(
たま
)
ひける。
248
ここに
岩彦
(
いはひこ
)
以下
(
いか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
始
(
はじ
)
めて
真正
(
しんせい
)
の
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
なることを
確認
(
かくにん
)
し、
249
いよいよ
黄昏
(
たそがれ
)
を
期
(
き
)
してこの
岩窟
(
がんくつ
)
に
進入
(
しんにふ
)
することとなりにける。
250
(
大正一一・三・一七
旧二・一九
外山豊二
録)
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