霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 上天丸(じやうてんまる)〔五三九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻 篇:第3篇 探険奇聞 よみ(新仮名遣い):たんけんきぶん
章:第13章 上天丸 よみ(新仮名遣い):じょうてんまる 通し章番号:539
口述日:1922(大正11)年03月18日(旧02月20日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年10月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
宣伝歌は、岩窟を守る神であると名乗り、宣伝使たちに注意を与え、これ以上の進入を脅す内容であった。
しかし一同は怖じずに進んで行く。行く手に光が見えたところで、頭上の岩石が大きな音を立てて唸り始めた。
一同は一目散に光めがけて走っていくと、そこは向こうも見えないくらいの広場で、天井が開けて空が見えた。そして、四方は高い岩壁に囲まれている。
鷹彦はにわかに羽を出して空に上っていってしまった。後に残された宣伝使たちは、端座して祝詞を奏上する。すると轟音を響かせて天の鳥船が降りてきた。
鳥船からは日の出別命、岩窟の中で出あった女宣伝使、そして鷹彦が現れた。日の出別命は岩窟探検の終わりを宣言すると、一同を鳥船に招き入れた。
鳥船は爆音と共に天空に姿を隠した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-11-26 18:00:11 文字数:1708 OBC :rm1313
愛善世界社版:161頁 八幡書店版:第3輯 90頁 修補版: 校定版:161頁 普及版:69頁 初版: ページ備考:
001声『神(かみ)が表(おもて)に現(あら)はれて
002善(ぜん)と悪(あく)とを立別(たてわ)ける
003醜(しこ)の窟(いはや)に入(い)り来(きた)る
004三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)
005鼻息(はないき)荒(あら)き鷹彦(たかひこ)や
006固(かた)そに見(み)えて和(やは)らかき
007岩彦(いはひこ)亀彦(かめひこ)駒彦(こまひこ)が
008音(おと)に名高(なだか)き布留野(ふるの)原(はら)
009これの窟(いはや)に迷(まよ)ひ来(き)て
010千尋(ちひろ)の深(ふか)き陥穽(おとしあな)に
011二度(にど)吃驚(びつくり)の為体(ていたらく)
012あゝ痛(いた)ましや痛(いた)ましや
013是(これ)から先(さき)は真暗黒(まくらがり)
014幾百千(いくひやくせん)とも限(かぎ)りなき
015醜(しこ)の曲津(まがつ)の群(むらが)りて
016汝(なれ)が生命(いのち)は嵐(あらし)吹(ふ)く
017颶風(はやて)に向(むか)ふ灯火(ともしび)の
018消(き)え入(い)るばかり身魂(みたま)をば
019いろいろさまざま嘖(さいな)まれ
020二度(にど)と帰(かへ)らぬ根(ね)の国(くに)の
021旅路(たびぢ)をなすが気(き)の毒(どく)ぢや
022われは窟(いはや)を守(まも)る神(かみ)
023汝(なんぢ)等(ら)一行(いつかう)憐(あは)れみて
024生命(いのち)救(たす)けむその為(ため)に
025此処(ここ)に現(あら)はれ気(き)をつける
026気(き)をつけられるその時(とき)に
027きかねば後(あと)は何(ど)うなろと
028われは構(かま)はぬ憐(あはれ)みの
029心(こころ)を以(もつ)て告(つ)げてやる
030あゝ叶(かな)はぬぞ叶(かな)はぬぞと
031魂消(たまげ)て腰(こし)をぬかすより
032一(いち)時(じ)も早(はや)く元(もと)の道(みち)ヘ
033踵(きびす)を返(かへ)して退(しりぞ)けよ。
034ウヽヽ、ルヽヽ、サヽヽ、イヽヽ』
035と云(い)つた限(き)り異声(いせい)怪音(くわいおん)はピタリと止(と)まりける。
036梅彦(うめひこ)『オイ皆(みな)の連中(れんちう)、037一寸(ちよつと)ここで相談(さうだん)をして見(み)ようか。038勢(いきほひ)に任(まか)して軽々(かるがる)しく進(すす)むは智者(ちしや)の為(な)す可(べ)き所(ところ)では無(な)いぞ』
039岩彦(いはひこ)『エーナアンだ。040弱音(よわね)を吹(ふ)きよつて一体(いつたい)貴様(きさま)は何(なに)を目標(めあて)に、041ソンナ卑怯(ひけふ)な事(こと)を云(い)ふのだ。042声(こゑ)が怖(おそ)ろしいのか、043声(こゑ)が恐(こは)くつて雷(かみなり)の鳴(な)る世(よ)の中(なか)に生(い)きて居(を)れるか』
044梅彦(うめひこ)『声(こゑ)が恐(こは)いのぢやないが、045その声(こゑ)の主(ぬし)をよく探究(たんきう)して、046その上(うへ)に策戦(さくせん)計画(けいくわく)をやらうかと云(い)ふのだ』
047鷹彦(たかひこ)『何(なに)かまふものか。048何(いづ)れ悪魔(あくま)の巣窟(そうくつ)だ。049これ位(くらゐ)の余興(よきよう)がなくては進撃(しんげき)するのも張合(はりあひ)がないワ』
050梅彦(うめひこ)『進撃(しんげき)すると云(い)つたつて此(こ)の隧道(トンネル)は馬鹿(ばか)に闇(くら)いぢやないか』
051岩彦(いはひこ)『闇(くら)くても構(かま)ふものか。052いはゆる暗中(あんちう)飛躍(ひやく)だ。053百鬼(ひやくき)暗行(あんかう)の岩窟(がんくつ)だもの、054此方(こちら)も厄鬼(やくき)となつて対抗(たいかう)運動(うんどう)をやれば、055夫(そ)れで好(い)いのだ』
056 幽(かす)か向方(むかう)に稍(やや)光(ひかり)の有(あ)る円(まる)き穴(あな)が見(み)え初(はじ)めた。
057岩彦(いはひこ)『オイオイ、058モウ先(さき)が見(み)えた。059兎(と)も角(かく)あの明(あか)い穴(あな)を目標(めあて)に進(すす)むことにしよう』
060 頭上(づじやう)の岩石(がんせき)は猛烈(まうれつ)なる音響(おんきやう)を立(た)ててウヽヽヽと唸(うな)り始(はじ)めた。061鼓膜(こまく)が破裂(はれつ)しさうな巨音(きよおん)である。062一同(いちどう)は耳(みみ)に指(ゆび)を当(あ)て乍(なが)ら一目散(いちもくさん)に円(まる)き光(ひかり)を目標(めあて)に進(すす)み行(ゆ)く。063漸(やうや)う此処(ここ)に着(つ)いて見(み)れば、064眼(め)の届(とど)かぬばかりの広場(ひろば)がある。065さうして上面(うはつら)は雲(くも)が見(み)えてゐる。066四辺(あたり)は幾千丈(いくせんぢやう)とも知(し)れぬ岩壁(いはかべ)を以(もつ)て囲(かこ)まれありて、067坦々(たんたん)たる大道(だいだう)は四方(しはう)八方(はつぱう)に通(つう)じゐたり。
068鷹彦(たかひこ)『ホー、069此処(ここ)は天(あめ)の八衢(やちまた)のやうな所(ところ)だ。070お前(まへ)達(たち)は、071マア悠乎(ゆつくり)と相談(さうだん)をして是(これ)から本当(ほんたう)の妖怪窟(えうくわいくつ)へ進撃(しんげき)して呉(く)れ。072俺(おれ)は暫(しば)らく御免(ごめん)を蒙(かうむ)る』
073と言(い)ふより早(はや)く背(せな)の両翼(りやうよく)を左右(さいう)にひろげ、074羽(は)ばたきし乍(なが)ら中空(ちうくう)に舞(ま)ひ上(あが)り、075この窟(いはや)を脱出(だつしゆつ)して了(しま)つた。
076岩彦(いはひこ)『アヽ日(ひ)の出別(でわけ)には捨(す)てられ、077魔性(ましやう)の女(をんな)には遁(に)げられ、078鷹彦(たかひこ)は帰(かへ)つて了(しま)ひ、079是(これ)から前途(ぜんと)遼遠(れうゑん)暗澹(あんたん)と云(い)ふ所(ところ)になつて、080吾々(われわれ)五(ご)人(にん)が振(ふ)り残(のこ)されたのだから、081この先(さき)はよほど注意(ちうい)をせなくてはいかぬぞ。082少(すこ)し気(き)の利(き)いた奴(やつ)が居(を)ればよいのに、083ガラクタばつかり残(のこ)つて居(ゐ)るものぢやから、084如何(どう)にも斯(か)うにも策(さく)の施(ほどこ)しようがないワイ』
085音彦(おとひこ)『コラ岩公(いはこう)、086失敬(しつけい)なことを云(い)ふな。087粕(かす)ばつかりとは何(なん)だ。088残(のこ)りものに福(ふく)があるぞ。089もう斯(か)うなれば力(ちから)にするのは神(かみ)ばつかりだ。090サーサ天津(あまつ)祝詞(のりと)だ』
091と云(い)ひ乍(なが)ら音彦(おとひこ)は墜道(いはみち)に端坐(たんざ)して祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)する。092四(よ)人(にん)も続(つづ)いて一生(いつしやう)懸命(けんめい)になつて合唱(がつしやう)して居(ゐ)る。093何処(どこ)ともなく天空(てんくう)を轟(とどろ)かし来(きた)る天(あま)の鳥船(とりふね)は、094五(ご)人(にん)の端坐(たんざ)する前(まへ)に爆音(ばくおん)すさまじく降下(かうか)した。095中(なか)より日(ひ)の出別(でわけの)命(みこと)、096鷹彦(たかひこ)、097以前(いぜん)の女(をんな)の三(さん)人(にん)現(あら)はれ来(きた)り、
098日(ひ)の出別(でわけ)『ヤア皆(みな)さま、099ご苦労(くらう)であつた。100巌窟(がんくつ)の探険(たんけん)はこれで終結(しうけつ)だ。101此(こ)の岩壁(がんぺき)を到底(たうてい)人間(にんげん)として攀(よ)ぢ登(のぼ)る訳(わけ)にも行(い)かないから、102迎(むか)ひに来(き)たのだ、103サア早(はや)く乗(の)つたがよからう』
104岩彦(いはひこ)『これはこれは、105何(なに)から何(なに)までお気(き)つけられまして有難(ありがた)うございます。106流石(さすが)は日(ひ)の出別(でわけの)命(みこと)さまだ。107人(ひと)に将(しやう)たるものは斯(か)うなくてはならぬ道理(だうり)だ』
108鷹彦(たかひこ)『オイ岩公(いはこう)、109うまいな、110巧妙(かうめう)な辞令(じれい)だ。111この八衢(やちまた)は斯(か)う見(み)えても、112これが少(すこ)し行(ゆ)けば皆(みな)行(ゆ)き詰(つま)つてゐるのだから、113未練(みれん)を残(のこ)さず早(はや)くこの船(ふね)に乗(の)つたらよからう』
114岩彦(いはひこ)『誰(たれ)がコンナ怪体(けつたい)な巌窟(がんくつ)に未練(みれん)があつて堪(たま)るか。115天女(てんによ)のやうな女神(めがみ)さまと一緒(いつしよ)に天(あま)の鳥船(とりふね)に乗(の)つて、116天国(てんごく)へ遊行(いうぎやう)するかと思(おも)へば実(じつ)に有難(ありがた)い。117サア皆(みな)の者(もの)早(はや)く乗(の)らうかい』
118と云(い)ひ乍(なが)ら五(ご)人(にん)はヒラリと飛(と)び乗(の)つた。
119 又(また)もや鳥船(とりふね)は巨大(きよだい)なる爆音(ばくおん)の響(ひびき)と共(とも)に、120何処(いづく)とも無(な)く天空(てんくう)に姿(すがた)を隠(かく)しける。
121(大正一一・三・一八 旧二・二〇 外山豊二録)
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