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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第13巻(子の巻)
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凡例
総説
第1篇 勝利光栄
第1章 言霊開
第2章 波斯の海
第3章 波の音
第4章 夢の幕
第5章 同志打
第6章 逆転
第2篇 洗礼旅行
第7章 布留野原
第8章 醜の窟
第9章 火の鼠
第3篇 探険奇聞
第10章 巌窟
第11章 怪しの女
第12章 陥穽
第13章 上天丸
第4篇 奇窟怪巌
第14章 蛙船
第15章 蓮花開
第16章 玉遊
第17章 臥竜姫
第18章 石門開
第19章 馳走の幕
第20章 宣替
第21章 本霊
第5篇 膝栗毛
第22章 高加索詣
第23章 和解
第24章 大活躍
信天翁(三)
余白歌
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霊界物語
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第13巻(子の巻)
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<<< 怪しの女
(B)
(N)
上天丸 >>>
第一二章
陥穽
(
おとしあな
)
〔五三八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻
篇:
第3篇 探険奇聞
よみ(新仮名遣い):
たんけんきぶん
章:
第12章 陥穽
よみ(新仮名遣い):
おとしあな
通し章番号:
538
口述日:
1922(大正11)年03月18日(旧02月20日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年10月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
日の出別命の出現で元気付いた岩彦は、女に降伏を迫る。女は、岩彦に降伏したような口ぶりをし、日の出別命には、岩彦はデモ宣伝使だから係わり合いにならないように、と言うと、すっと煙のように消えてしまった。
岩彦は、やはり妖怪変化であったかと威張っている。すると、外でガクリと異様な音がした。女は小窓の外から中をのぞき、岩窟の中にずっと居て修行をしなさい、と言う。そして、日の出別命と一緒にどこかへ行ってしまった。
鷹彦は神変不可思議の術を使って、小さい鷹となって小窓から外に出ることができた。岩彦は鷹彦に助けを求めるが、鷹彦は薄情な物言いをして、岩彦をからかっている。しかし岩彦もそれに強気で返している。
鷹彦は岩窟の扉を開けた。勢い余って岩の部屋の中に転げ込んだすきに、五人はさっさと外へ出て、扉を閉めてしまった。今度は五人で鷹彦をからかっているが、鷹彦はまたもや術を使って小窓から抜け出してしまった。
鷹彦は、岩彦がしょうもないことばかり言うから、日の出別命に置いてけぼりをくったのだ、と小言を言った。一同は日の出別命を追って駆け出した。
またもや大きな岩壁につきあたった。岩壁には、広い階段が上に彫ってあり、また細い道が続いている。どちらを行ったらよいかで、議論になった。亀彦一人が、暗くても細い道を行こうと言い、残りの五人は上の広い階段を登って行った。
亀彦は一人暗い低い道を進んで行くと、上から、広い道を行ったはずの五人が落ちてきて、井戸に落ち込んでしまった。亀彦と岩彦はこっけいな問答をするが、そのうちに井戸に落ちた五人は石段を登って上がってきた。
このとき、前方から怪しい宣伝歌が聞こえてきた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-26 17:58:24
OBC :
rm1312
愛善世界社版:
146頁
八幡書店版:
第3輯 84頁
修補版:
校定版:
146頁
普及版:
62頁
初版:
ページ備考:
001
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
神
(
かみ
)
の
出現
(
しゆつげん
)
に、
002
形勢
(
けいせい
)
もつとも
危
(
あやふ
)
かりし
岩公
(
いはこう
)
は、
003
俄
(
にはか
)
に
元気
(
げんき
)
づき、
004
岩彦
(
いはひこ
)
『サア
妖怪
(
えうくわい
)
変化
(
へんげ
)
の
魔性
(
ましやう
)
の
女
(
をんな
)
、
005
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つても、
006
モウ
駄目
(
だめ
)
だ。
007
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
大将
(
たいしやう
)
が
現
(
あら
)
はれた
以上
(
いじやう
)
は、
008
最早
(
もはや
)
運
(
うん
)
の
尽
(
つ
)
きだ。
009
どうだ、
010
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
経綸
(
けいりん
)
と
云
(
い
)
ふものは、
011
用意
(
ようい
)
周到
(
しうたう
)
なものだぞ』
012
女
(
をんな
)
『
妾
(
わたし
)
は、
013
あなたの
様
(
やう
)
な
強
(
つよ
)
いお
方
(
かた
)
には
尾
(
を
)
を
巻
(
ま
)
きます。
014
モウ
是
(
これ
)
で
御免
(
ごめん
)
を
蒙
(
かうむ
)
ります』
015
岩彦
(
いはひこ
)
『
態
(
ざま
)
ア
見
(
み
)
やがれ、
016
大蛇
(
をろち
)
の
化者
(
ばけもの
)
奴
(
め
)
が。
017
尾
(
を
)
を
巻
(
ま
)
くと
自白
(
じはく
)
したぢやないか』
018
女
(
をんな
)
『ヤア
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
、
019
能
(
よ
)
う
迎
(
むか
)
へに
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいました。
020
岩
(
いは
)
サンのやうな
分
(
わか
)
らずやは、
021
今後
(
こんご
)
は
決
(
けつ
)
して、
022
係
(
かか
)
り
合
(
あ
)
はない
様
(
やう
)
にして
下
(
くだ
)
さい。
023
此
(
この
)
方
(
かた
)
は
優勝
(
いうしよう
)
劣敗
(
れつぱい
)
、
024
弱肉
(
じやくにく
)
強食
(
きやうしよく
)
、
025
身勝手
(
みがつて
)
千万
(
せんばん
)
な、
026
非人道
(
ひじんだう
)
的
(
てき
)
、
027
デモ
宣伝使
(
せんでんし
)
ですから………』
028
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤイヤイ、
029
馬鹿
(
ばか
)
にするない、
030
能
(
よ
)
いかと
思
(
おも
)
つて…………、
031
女
(
をんな
)
に
似合
(
にあ
)
はぬ
暴言
(
ばうげん
)
を
吐
(
は
)
く
奴
(
やつ
)
だ』
032
女
(
をんな
)
『さようなら、
033
ゆつくりと
御
(
ご
)
休息
(
きうそく
)
なさいませ』
034
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
035
岩壁
(
がんぺき
)
の
細
(
ほそ
)
い
穴
(
あな
)
から、
036
スツと
烟
(
けむり
)
の
様
(
やう
)
に
脱
(
ぬ
)
けて
了
(
しま
)
つた。
037
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤア
案
(
あん
)
に
違
(
たが
)
はぬ
妖怪
(
えうくわい
)
変化
(
へんげ
)
の
正体
(
しやうたい
)
を
顕
(
あら
)
はしよつて、
038
アンナ
首
(
くび
)
も
這入
(
はい
)
らぬやうな
穴
(
あな
)
から
出
(
で
)
て
仕舞
(
しまひ
)
よつた。
039
オイ
鷹公
(
たかこう
)
、
040
音公
(
おとこう
)
、
041
梅公
(
うめこう
)
、
042
亀
(
かめ
)
、
043
駒
(
こま
)
どうだ、
044
俺
(
おれ
)
の
天眼通
(
てんがんつう
)
は
偉
(
えら
)
いものだらう。
045
鷹公
(
たかこう
)
の
奴
(
やつ
)
め、
046
瞞
(
だま
)
されよつて、
047
丁寧
(
ていねい
)
な
言葉
(
ことば
)
を
使
(
つか
)
つて
居
(
ゐ
)
たが
斯
(
か
)
うなる
以上
(
いじやう
)
は
貴様
(
きさま
)
の
眼力
(
がんりき
)
も
底
(
そこ
)
が
見
(
み
)
えた』
048
鷹彦
(
たかひこ
)
『アハヽヽヽ、
049
弥之助
(
やのすけ
)
人形
(
にんぎやう
)
の
空威張
(
からいば
)
りはやめてくれ』
050
斯
(
か
)
く
云
(
い
)
ふ
中
(
うち
)
、
051
ガクリと
異様
(
いやう
)
な
音
(
おと
)
がした。
052
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤア
変
(
へん
)
な
音
(
おと
)
がしたぞ、
053
一体
(
いつたい
)
コラどうだ』
054
女
(
をんな
)
は
外
(
そと
)
より
白
(
しろ
)
い
顔
(
かほ
)
を、
055
岩壁
(
がんぺき
)
の
穴
(
あな
)
から、
056
ニヨツと
突出
(
つきだ
)
し、
057
女
(
をんな
)
『
岩
(
いは
)
サン、
058
マアマア
十日
(
とをか
)
も
二十日
(
はつか
)
も
百
(
ひやく
)
日
(
にち
)
も、
059
緩
(
ゆつく
)
りこの
岩窟
(
いはや
)
に
御
(
ご
)
逗留
(
とうりう
)
遊
(
あそ
)
ばして
下
(
くだ
)
さいませ
入口
(
いりくち
)
はポンと
戸
(
と
)
を
閉
(
し
)
めてありますから、
060
外
(
そと
)
から
悪者
(
わるもの
)
の
這入
(
はい
)
る
気
(
き
)
づかひもなければあなた
方
(
がた
)
が
脱
(
ぬ
)
けて
出
(
で
)
る
気遣
(
きづか
)
ひも
有
(
あ
)
りませぬよ。
061
ナンにも
献
(
あ
)
げるものはありませぬから
岩
(
いは
)
の
油
(
あぶら
)
なつと
舐
(
ねぶ
)
つて、
062
…………ネー……
温順
(
おとな
)
しく
御
(
ご
)
修行
(
しうぎやう
)
をなさいませ。
063
妾
(
わたし
)
は
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
サンと、
064
手
(
て
)
に
手
(
て
)
を
把
(
と
)
つて…………オホヽヽヽヽ、
065
ア
嬉
(
うれ
)
し、
066
マアゆつくりお
寛
(
くつろ
)
ぎ
遊
(
あそ
)
ばせ。
067
アバヨ』
068
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤア
大変
(
たいへん
)
だ、
069
最前
(
さいぜん
)
の
音
(
おと
)
は、
070
入口
(
いりくち
)
の
戸
(
と
)
を
閉
(
し
)
めよつたのだな。
071
こりや
斯
(
か
)
うしては
居
(
を
)
られぬワイ』
072
女
(
をんな
)
『
居
(
を
)
られなくつても、
073
斯
(
か
)
うして
居
(
を
)
らねば
仕方
(
しかた
)
がありませぬよ。
074
イヤ
出方
(
でかた
)
がありませぬワ。
075
お
前
(
まへ
)
サン
等
(
ら
)
の
出方
(
でかた
)
に
依
(
よ
)
りては、
076
此方
(
こちら
)
にも
亦
(
また
)
、
077
何
(
なん
)
とか
仕方
(
しかた
)
が
有
(
あ
)
りませう』
078
岩彦
(
いはひこ
)
『イヤア、
079
強圧
(
きやうあつ
)
的
(
てき
)
強談
(
がうだん
)
だ、
080
人
(
ひと
)
は
見
(
み
)
かけに
依
(
よ
)
らぬ
者
(
もの
)
、
081
優
(
やさ
)
しい
顔
(
かほ
)
をして、
082
蚤
(
のみ
)
一匹
(
いつぴき
)
殺
(
ころ
)
さぬやうな
容子
(
ようす
)
で、
083
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
は
夜叉
(
やしや
)
の
様
(
やう
)
だ。
084
オイ
一統
(
いつとう
)
の
者
(
もの
)
、
085
入口
(
いりくち
)
があつたら、
086
キツト
出口
(
でぐち
)
が
有
(
あ
)
るに
違
(
ちが
)
ひないぞ。
087
この
穴
(
あな
)
から
一
(
ひと
)
つ、
088
手
(
て
)
を
掛
(
かけ
)
て、
089
引
(
ひ
)
くなと、
090
押
(
お
)
すなとやつて
見
(
み
)
ようかい。
091
六
(
ろく
)
尺
(
しやく
)
の
男子
(
だんし
)
が、
092
繊弱
(
かよわ
)
き
女
(
をんな
)
の
一人
(
ひとり
)
に
監禁
(
かんきん
)
されて、
093
どうぞ
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さいなぞと、
094
言
(
い
)
はれた
義理
(
ぎり
)
ぢやない。
095
…………モシモシ
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
さま、
096
貴神
(
あなた
)
どうかして
下
(
くだ
)
さらないか』
097
日の出別
『ヤア、
098
岩
(
いは
)
サンマアゆつくり
御
(
ご
)
休息
(
きうそく
)
なさいませ、
099
……ヤア
女
(
をんな
)
のお
方
(
かた
)
、
100
是
(
これ
)
から
天国
(
てんごく
)
へでも
旅行
(
りよかう
)
致
(
いた
)
しませうか』
101
女
(
をんな
)
『
有難
(
ありがた
)
うございます、
102
妾
(
わたし
)
貴方
(
あなた
)
と、
103
たとへ
半時
(
はんとき
)
でも、
104
一緒
(
いつしよ
)
に
連
(
つら
)
つて
歩
(
ある
)
かして
貰
(
もら
)
へば、
105
死
(
し
)
んでも
遺
(
のこ
)
る
事
(
こと
)
は
有
(
あ
)
りませぬワ、
106
ホヽヽヽ』
107
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤアまた
吐
(
ぬ
)
かしたりな
吐
(
ぬ
)
かしたりな、
108
「
妾
(
わたし
)
アンタと
半時
(
はんとき
)
でも
一緒
(
いつしよ
)
に
歩
(
ある
)
く
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
れば、
109
死
(
し
)
んでも
得心
(
とくしん
)
だ」とかナンとか
吐
(
ぬ
)
かしよつて、
110
仕様
(
しやう
)
もないローマンスを
人
(
ひと
)
の
前
(
まへ
)
に
展開
(
てんかい
)
させよつて、
111
馬鹿
(
ばか
)
にしてけつかる。
112
オヽもう
何処
(
どこ
)
やら
往
(
い
)
つて
仕舞
(
しまひ
)
よつた。
113
エー
怪体
(
けつたい
)
の
悪
(
わる
)
い』
114
鷹彦
(
たかひこ
)
『ヤア
折角
(
せつかく
)
俺
(
おれ
)
の
所有
(
しよいう
)
にしようと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
つたのに、
115
外部
(
はた
)
から
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
がやつて
来
(
き
)
て、
116
サツパリ
横領
(
わうりやう
)
して
了
(
しま
)
つた。
117
エー
自棄
(
やけ
)
だ………と
云
(
い
)
つて、
118
どうも
仕方
(
しかた
)
がないワ、
119
俺
(
おれ
)
も
一
(
ひと
)
つ、
120
あの
女
(
をんな
)
ぢやないが、
121
この
穴
(
あな
)
から
脱
(
ぬ
)
けてやらうかい』
122
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
123
鷹彦
(
たかひこ
)
は、
124
神変
(
しんぺん
)
不思議
(
ふしぎ
)
の
術
(
じゆつ
)
を
以
(
もつ
)
て、
125
身体
(
しんたい
)
を
縮小
(
しゆくせう
)
し、
126
小
(
ちひ
)
さい
鷹
(
たか
)
となつてスツと
脱
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
した。
127
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤアまた
出
(
で
)
よつた、
128
オイ
鷹公
(
たかこう
)
、
129
アヽ
貴様
(
きさま
)
は
偉
(
えら
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
130
最前
(
さいぜん
)
の
石蓋
(
いしぶた
)
を
揚
(
あ
)
げて、
131
吾々
(
われわれ
)
を
旧
(
もと
)
の
所
(
ところ
)
へ
歓迎
(
くわんげい
)
するのだぞ』
132
鷹彦
(
たかひこ
)
『コレコレ
岩
(
いは
)
サン
御
(
ご
)
一統
(
いつとう
)
様
(
さま
)
へ、
133
妾
(
わらは
)
は
是
(
これ
)
より
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
と、
134
手
(
て
)
に
手
(
て
)
を
執
(
と
)
つて
天国
(
てんごく
)
の
旅行
(
りよかう
)
を
致
(
いた
)
します。
135
コンナローマンスをお
目
(
め
)
にかけて
済
(
す
)
まないが、
136
是
(
これ
)
も
因縁
(
いんねん
)
づくぢやと
諦
(
あきら
)
めて
下
(
くだ
)
しやンせ、
137
オホヽヽヽヽ、
138
アバヨ』
139
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤイヤイ
鷹
(
たか
)
の
奴
(
やつ
)
、
140
ナンだ、
141
化女
(
ばけをんな
)
の
真似
(
まね
)
をしよつて、
142
ソンナ
能
(
よ
)
い
気
(
き
)
な
事
(
こと
)
かい。
143
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
の
身
(
み
)
にもなつて
見
(
み
)
よ』
144
鷹彦
(
たかひこ
)
『(
義太夫
(
ぎだいふ
)
口調
(
くてう
)
)「お
前
(
まへ
)
はお
前
(
まへ
)
、
145
妾
(
わらは
)
は
妾
(
わらは
)
、
146
マアマアゆつくりと、
147
十日
(
とをか
)
も
二十日
(
はつか
)
も
百
(
ひやく
)
日
(
にち
)
も、
148
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
も
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
も
化石
(
くわせき
)
になる
迄
(
まで
)
ゆつくり
御
(
ご
)
逗留
(
とうりう
)
遊
(
あそ
)
ばせや。
149
千松
(
せんまつ
)
ぢやないが、
150
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
待
(
ま
)
つてもまだ
見
(
み
)
えぬ、
151
二
(
に
)
年
(
ねん
)
待
(
ま
)
つてもまだ
見
(
み
)
えぬ、
152
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
待
(
ま
)
つたとて、
153
何
(
なん
)
の
便
(
たよ
)
りがあろかいな、
154
と
郷里
(
くに
)
に
残
(
のこ
)
つた、
155
貴様
(
きさま
)
たちの
女房
(
にようばう
)
が
嘸
(
さぞ
)
や
嘆
(
なげ
)
くであらう。
156
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
やな、
157
神
(
かみ
)
や
仏
(
ほとけ
)
もなきものか、
158
力
(
ちから
)
に
思
(
おも
)
ふ
岩
(
いは
)
サンは、
159
何処
(
どこ
)
にどうして
御座
(
ござ
)
るやら、
160
会
(
あ
)
ひたい
見
(
み
)
たいと
明
(
あ
)
け
暮
(
くれ
)
に、
161
こがれ
慕
(
した
)
ふて
居
(
ゐ
)
るものを、
162
何
(
なん
)
の
便
(
たよ
)
りも
梨
(
なし
)
の
礫
(
つぶて
)
、
163
礫
(
つぶて
)
の
様
(
やう
)
な
涙
(
なみだ
)
こぼして、
164
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
妾
(
わし
)
ほど
因果
(
いんぐわ
)
は
世
(
よ
)
にあらうか、
165
アーどうしようぞいなどうしようぞいなア……」と
悲劇
(
ひげき
)
の
幕
(
まく
)
が
下
(
お
)
りる、
166
その
種蒔
(
たねまき
)
だ。
167
マア
精出
(
せいだ
)
して、
168
種
(
たね
)
でも
蒔
(
ま
)
いて
置
(
お
)
くが
能
(
よ
)
からう、
169
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
ほど
先
(
さき
)
へ
行
(
い
)
つた
時
(
とき
)
に、
170
この
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
に
岩公
(
いはこう
)
といふ
岩固
(
がんこ
)
男
(
をとこ
)
が
化石
(
くわせき
)
して…………と
云
(
い
)
つて、
171
涎掛
(
よだれかけ
)
でも
持
(
も
)
つて
参拝
(
さんぱい
)
する
奴
(
やつ
)
があるかも
知
(
し
)
れやしないぞ。
172
人
(
ひと
)
は
一代
(
いちだい
)
名
(
な
)
は
末代
(
まつだい
)
だ、
173
是
(
これ
)
も
良
(
い
)
い
話
(
はなし
)
の
種
(
たね
)
だ。
174
種
(
たね
)
蒔
(
ま
)
いて
苗
(
なへ
)
が
立
(
た
)
ちたら
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
くぞよ、
175
刈込
(
かりこ
)
みになりたら
手柄
(
てがら
)
をさして、
176
元
(
もと
)
へ
戻
(
もど
)
らすぞよ………と
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
にある
通
(
とほ
)
りだ。
177
国治立
(
くにはるたち
)
の
大神
(
おほかみ
)
さまでさへ、
178
永
(
なが
)
らく
押込
(
おしこ
)
められて
御座
(
ござ
)
つた
位
(
くらゐ
)
だから、
179
先
(
ま
)
づ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
にあやかつて、
180
三千
(
さんぜん
)
年
(
ねん
)
の
修行
(
しうぎやう
)
をなさるが、
181
宣伝使
(
せんでんし
)
各位
(
かくゐ
)
の
光栄
(
くわうえい
)
だらう。
182
アハヽヽヽ、
183
オホヽヽヽ』
184
岩彦
(
いはひこ
)
『ナアンダ、
185
一人
(
ひとり
)
居
(
を
)
つて
男
(
をとこ
)
と
女
(
をんな
)
の
笑
(
わら
)
ひ
様
(
やう
)
をしよつて、
186
化物
(
ばけもの
)
みたよな
奴
(
やつ
)
だナ』
187
鷹彦
(
たかひこ
)
『
定
(
きま
)
つた
事
(
こと
)
だ、
188
肉体
(
にくたい
)
は
男
(
をとこ
)
で
霊
(
れい
)
は
女
(
をんな
)
だ、
189
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
守護神
(
しゆごじん
)
だ』
190
岩彦
(
いはひこ
)
『エー、
191
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
も
男子
(
だんし
)
もあつたものかい。
192
遍照
(
へんぜう
)
金剛
(
こんがう
)
吐
(
ぬか
)
さずに、
193
早
(
はや
)
く
開岩
(
かいがん
)
せぬか…………オイ
門番
(
もんばん
)
奴
(
め
)
が、
194
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
いたして
居
(
ゐ
)
ると、
195
免職
(
めんしよく
)
をさそか』
196
鷹彦
(
たかひこ
)
『ホヽヽヽヽ、
197
岩
(
いは
)
さま、
198
免職
(
めんしよく
)
さすとはソラ
誰
(
たれ
)
に、
199
………あなたは
岩戸
(
いはと
)
に
押込
(
おしこ
)
められて
既
(
すで
)
に
既
(
すで
)
に
面色
(
めんしよく
)
なしだ、
200
終身官
(
しうしんくわん
)
だな、
201
終身
(
しうしん
)
此処
(
ここ
)
に、
202
晏如
(
あんじよ
)
として、
203
就職
(
しうしよく
)
なさるが
宜
(
よろ
)
しからう』
204
岩彦
(
いはひこ
)
『
複雑
(
ふくざつ
)
なる
問題
(
もんだい
)
は、
205
一切
(
いつさい
)
総括
(
そうくわつ
)
して、
206
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
この
岩窟
(
がんくつ
)
を
開
(
ひら
)
いて
呉
(
く
)
れたがよからうぞ』
207
鷹彦
(
たかひこ
)
『イヤー、
208
先
(
さき
)
が
急
(
せ
)
く、
209
モウ
是丈
(
これだけ
)
イチヤつかして
遺
(
や
)
れば
充分
(
じうぶん
)
だ、
210
エー
仕方
(
しかた
)
がない、
211
開
(
あ
)
けてやらうかい』
212
岩彦
(
いはひこ
)
『
何時
(
いつ
)
までもこの
方
(
はう
)
を
岩戸
(
いはと
)
に
押込
(
おしこ
)
めておくと、
213
咫尺
(
しせき
)
暗澹
(
あんたん
)
昼夜
(
ちうや
)
を
弁
(
べん
)
ぜずだ。
214
化
(
ばけ
)
の
女
(
をんな
)
を
呼
(
よ
)
んで
来
(
き
)
て
鈿女
(
うづめの
)
命
(
みこと
)
の
俳優技
(
わざおぎ
)
を
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れぬか。
215
さうでないと、
216
容易
(
ようい
)
にお
出
(
で
)
ましにならぬぞ』
217
鷹彦
(
たかひこ
)
『
減
(
へ
)
らず
口
(
ぐち
)
を
叩
(
たた
)
くない。
218
サア
手力男
(
たぢからを
)
の
神
(
かみ
)
さまが、
219
岩戸
(
いはと
)
を
開
(
ひら
)
くから、
220
サツサと
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
い。
221
天照
(
あまてらす
)
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
のやうな
奇麗
(
きれい
)
な「あな
面白
(
おもしろ
)
や、
222
あなさやけおけ」と
言
(
い
)
つた
様
(
やう
)
な、
223
愛
(
あい
)
の
女神
(
めがみ
)
なれば、
224
開
(
ひら
)
きごたへがあるが、
225
この
岩戸
(
いはと
)
開
(
びら
)
きは、
226
五百
(
ごひやく
)
羅漢
(
らかん
)
の
陳列会
(
ちんれつくわい
)
を
見
(
み
)
るよなシヤツ
面
(
つら
)
の
渋紙
(
しぶかみ
)
さま
計
(
ばか
)
りだから、
227
開
(
ひら
)
きごたへがないワ。
228
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
229
旅
(
たび
)
は
道
(
みち
)
づれ
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
だ。
230
情
(
なさけ
)
を
以
(
もつ
)
て
開扉
(
かいひ
)
してやらう』
231
岩彦
(
いはひこ
)
『オツト
待
(
ま
)
つた、
232
海河
(
うみかは
)
山野
(
やまぬ
)
、
233
種々
(
いろいろ
)
の
美味物
(
うましもの
)
を
八足
(
やたり
)
の
机代
(
つくゑしろ
)
に
置足
(
おきた
)
らはして、
234
献
(
たてま
)
つる
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れなよ…………
出
(
で
)
いと
云
(
い
)
つたつて、
235
鏡
(
かがみ
)
もなければ
劔
(
つるぎ
)
もなし、
236
五百津
(
いほつ
)
美須麻琉
(
みすまる
)
の
珠
(
たま
)
も
無
(
な
)
くして、
237
さう
易々
(
やすやす
)
とお
出
(
で
)
ましになると
思
(
おも
)
ふか。
238
香具
(
かぐ
)
の
果物
(
このみ
)
でも、
239
木机
(
きづくゑ
)
にピラミツドの
様
(
やう
)
に
横山
(
よこやま
)
の
如
(
ごと
)
く
置足
(
おきた
)
らはし、
240
御
(
お
)
供物
(
くもつ
)
の
建築法
(
けんちくはふ
)
を
能
(
よ
)
く
心得
(
こころえ
)
て、
241
粗相
(
そさう
)
のない
様
(
やう
)
に、
242
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
243
太玉串
(
ふとたまぐし
)
を
奉
(
たてまつ
)
れ』
244
鷹彦
(
たかひこ
)
『
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
しよるのだ。
245
千手
(
せんじゆ
)
観音
(
くわんおん
)
の
様
(
やう
)
に、
246
俺
(
おれ
)
一人
(
ひとり
)
でソンナ
八人芸
(
はちにんげい
)
が
出来
(
でき
)
るかい。
247
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
いふと、
248
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
永久
(
とこしへ
)
に、
249
岩戸
(
いはと
)
の
中
(
なか
)
の
閉門
(
へいもん
)
だぞ』
250
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤア、
251
もうお
供物
(
くもつ
)
は
免除
(
めんぢよ
)
してやらう。
252
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
253
開
(
ひら
)
けば
良
(
よ
)
いのだ。
254
貴様
(
きさま
)
もコンナ
魔窟
(
まくつ
)
に
単身
(
ひとり
)
置
(
お
)
かれては、
255
大
(
おほい
)
に
寂寥
(
せきれう
)
を
感
(
かん
)
ずるだらう』
256
鷹彦
(
たかひこ
)
『エー
仕方
(
しかた
)
がない』
257
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
258
力
(
ちから
)
を
籠
(
こ
)
めて、
259
岩壁
(
がんぺき
)
をウンと
押
(
お
)
した。
260
思
(
おも
)
つたよりも
岩
(
いは
)
の
戸
(
と
)
は
軽
(
かる
)
く、
261
勢
(
いきほひ
)
余
(
あま
)
つて
鷹彦
(
たかひこ
)
は、
262
岩戸
(
いはと
)
の
中
(
なか
)
へ
又
(
また
)
もや
飛込
(
とびこ
)
み、
263
膝頭
(
ひざがしら
)
を
打
(
う
)
つて『アイタヽ』と
撫
(
な
)
で
擦
(
さす
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
264
その
間
(
ま
)
に
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は、
265
逸早
(
いちはや
)
く
表
(
おもて
)
に
脱
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
し、
266
外
(
そと
)
より
石門
(
せきもん
)
をピシヤツと
閉
(
と
)
ぢた。
267
岩彦
(
いはひこ
)
『サア
入
(
い
)
れ
替
(
か
)
はりだ、
268
今度
(
こんど
)
は、
269
太玉
(
ふとたまの
)
命
(
みこと
)
も、
270
児屋根
(
こやねの
)
命
(
みこと
)
も、
271
何
(
なに
)
もかも、
272
五伴男
(
いつとものを
)
揃
(
そろ
)
うたのだ。
273
オイ
鷹津
(
たかつ
)
神
(
かみ
)
さま、
274
どうだ』
275
鷹彦
(
たかひこ
)
『
代
(
かは
)
れば
変
(
かは
)
る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ。
276
サア
貴様
(
きさま
)
、
277
岩戸
(
いはと
)
の
前
(
まへ
)
に
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
奏上
(
そうじやう
)
するのだぞ、
278
アハヽヽヽ』
279
音彦
(
おとひこ
)
『オイ
岩公
(
いはこう
)
、
280
コンナ
洒落
(
しやれ
)
ばつかりに、
281
貴重
(
きちよう
)
な
光陰
(
くわういん
)
を
濫費
(
らんぴ
)
しては
詰
(
つ
)
まらぬぢやないか。
282
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
前進
(
ぜんしん
)
だ』
283
亀彦
(
かめひこ
)
『オイオイ
音公
(
おとこう
)
待
(
ま
)
つた、
284
この
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
の
鷹彦
(
たかひこ
)
は、
285
どうするのだ』
286
音彦
(
おとひこ
)
『ナニ
構
(
かま
)
ふものか、
287
人間
(
にんげん
)
一人
(
ひとり
)
位
(
くらゐ
)
、
288
どうなつたつて
放
(
ほ
)
つとけ』
289
岩彦
(
いはひこ
)
『アハ、
290
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い』
291
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
292
以前
(
いぜん
)
の
岩穴
(
いはあな
)
から、
293
黒
(
くろ
)
い
顔
(
かほ
)
をちよつと
出
(
だ
)
し、
294
岩彦
(
いはひこ
)
『ホヽヽヽヽ、
295
モシモシ
鷹
(
たか
)
サンとやら、
296
妾
(
わらは
)
は
是
(
これ
)
より
五人
(
ごにん
)
連
(
づれ
)
この
岩窟
(
いはや
)
を
探険
(
たんけん
)
し、
297
お
前
(
まへ
)
さまの
様
(
やう
)
な
瓢箪面
(
へうたんづら
)
の
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
を、
298
片
(
かた
)
つ
端
(
ぱし
)
から
言向和
(
ことむけやは
)
し、
299
勝利
(
しようり
)
光栄
(
くわうえい
)
の
神
(
かみ
)
となつて
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
る
迄
(
まで
)
、
300
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
でも
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
でも
此処
(
ここ
)
に
晏如
(
あんじよ
)
として、
301
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
鎮座
(
ちんざ
)
ましませや、
302
ホヽヽヽ』
303
鷹彦
(
たかひこ
)
『アハヽヽ、
304
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
しよるのだ。
305
鷹
(
たか
)
さまは、
306
貴様
(
きさま
)
も
最前
(
さいぜん
)
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ただらう、
307
針
(
はり
)
の
穴
(
あな
)
からでもお
出
(
で
)
ましになる、
308
不思議
(
ふしぎ
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
だよ』
309
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
310
再
(
ふたた
)
び
鷹
(
たか
)
となつて
穴
(
あな
)
より
飛出
(
とびだ
)
し、
311
見
(
み
)
る
見
(
み
)
る
身体
(
しんたい
)
膨張
(
ばうちよう
)
し、
312
一丈
(
いちぢやう
)
余
(
あま
)
りの
羽
(
はね
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
313
バタバタと
羽
(
は
)
ばたきした。
314
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤア
偉
(
えら
)
い
元気
(
げんき
)
だナア。
315
オイオイ
斯
(
か
)
うなれば、
316
鷹
(
たか
)
さまも
話
(
はな
)
せるワイ。
317
今
(
いま
)
の
美人
(
びじん
)
の
後
(
あと
)
を
一
(
ひと
)
つ、
318
空中
(
くうちう
)
滑走
(
くわつそう
)
を
行
(
や
)
つて、
319
捕獲
(
ほくわく
)
して
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れないか。
320
所有権
(
しよいうけん
)
は
岩
(
いは
)
さまにあるのだから、
321
都合
(
つがふ
)
によれば、
322
賃貸借
(
ちんたいしやく
)
ぐらゐは
許可
(
きよか
)
してやるワ』
323
鷹彦
(
たかひこ
)
『
貴様
(
きさま
)
は
仕様
(
しやう
)
もない
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ひ、
324
永
(
なが
)
らく
洒落
(
しやれ
)
るものだから、
325
肝腎
(
かんじん
)
の
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけの
)
命
(
みこと
)
さまに
放
(
ほ
)
つとけぼりを
喰
(
くら
)
つたのだ。
326
サーサ
是
(
これ
)
から
全速力
(
ぜんそくりよく
)
を
出
(
だ
)
して、
327
岩窟内
(
がんくつない
)
の
駆歩
(
かけあし
)
だ、
328
落伍
(
らくご
)
せない
様
(
やう
)
に…………
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
けツ、
329
右
(
みぎ
)
へ
廻
(
まは
)
れオイ、
330
一
(
いち
)
二
(
に
)
三
(
さん
)
……』
331
と
鷹公
(
たかこう
)
は
駆出
(
かけだ
)
した。
332
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
是非
(
ぜひ
)
なく
追跡
(
ついせき
)
する、
333
ピタツと
行当
(
ゆきあた
)
つた
第二
(
だいに
)
の
岩壁
(
がんぺき
)
、
334
鷹彦
(
たかひこ
)
『ヨー、
335
コラ
大変
(
たいへん
)
だ。
336
如何
(
いか
)
に
行詰
(
ゆきつま
)
りの
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だと
云
(
い
)
つても、
337
斯
(
こ
)
う
岩
(
がん
)
と
行詰
(
ゆきつま
)
つては
仕方
(
しかた
)
がない。
338
ナンとか
一
(
ひと
)
つ
善後策
(
ぜんごさく
)
を
講究
(
かうきう
)
せなくてはなるまい』
339
岩彦
(
いはひこ
)
『サア
臨時
(
りんじ
)
議会
(
ぎくわい
)
の
開会
(
かいくわい
)
だツ』
340
亀彦
(
かめひこ
)
『
議会
(
ぎくわい
)
無用論
(
むようろん
)
の
持上
(
もちあが
)
つた
今日
(
こんにち
)
は、
341
チツト
遅臭
(
おそくさ
)
いぞ。
342
ソンナ
珍聞漢
(
ちんぷんかん
)
な
発議
(
はつぎ
)
をする
奴
(
やつ
)
が、
343
何処
(
どこ
)
にあるかい。
344
五十万
(
ごじふまん
)
年
(
ねん
)
の
将来
(
さき
)
の
二十
(
にじつ
)
世紀
(
せいき
)
とやらの
人間
(
にんげん
)
の
吐
(
ほざ
)
く
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふものぢやないワ』
345
駒彦
(
こまひこ
)
『ヤア
窮
(
きう
)
すれば
達
(
たつ
)
すと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
がある。
346
オイオイ
貴様
(
きさま
)
、
347
一寸
(
ちよつと
)
横
(
よこ
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
い。
348
坦々
(
たんたん
)
たる
大道
(
だいだう
)
が
開鑿
(
かいさく
)
されて
有
(
あ
)
るぢやないか』
349
一同
(
いちどう
)
『ヨー
有
(
あ
)
る
有
(
あ
)
る、
350
サア
是
(
これ
)
からこの
階段
(
かいだん
)
を
上
(
あが
)
らうかい』
351
亀彦
(
かめひこ
)
『マア
待
(
ま
)
て
待
(
ま
)
て、
352
あまり
高
(
たか
)
い
所
(
ところ
)
へ
上
(
あが
)
ると、
353
又
(
また
)
落
(
お
)
ちるぞ』
354
鷹彦
(
たかひこ
)
『
落
(
お
)
ちたつて
良
(
い
)
いぢやないか、
355
滅多
(
めつた
)
に
天
(
てん
)
に
墜落
(
つゐらく
)
する
虞
(
おそれ
)
はないワ、
356
貴様
(
きさま
)
の
様
(
やう
)
に、
357
井戸
(
ゐど
)
に
着水
(
ちやくすゐ
)
するのとは
天地
(
てんち
)
の
相違
(
さうゐ
)
だ。
358
ヨー
此処
(
ここ
)
にも
道
(
みち
)
がある、
359
何方
(
どちら
)
の
道
(
みち
)
を
行
(
い
)
つたら
宜
(
よ
)
からうかナア』
360
岩彦
(
いはひこ
)
『
いは
いでも
定
(
きま
)
つて
居
(
を
)
る。
361
一目
(
いちもく
)
瞭然
(
れうぜん
)
、
362
広
(
ひろ
)
い
道
(
みち
)
の
明
(
あか
)
るい
道
(
みち
)
へ
行
(
ゆ
)
けば
良
(
い
)
いぢやないか』
363
亀彦
(
かめひこ
)
『
新道
(
しんだう
)
と
旧道
(
きうだう
)
と
二路
(
ふたみち
)
拵
(
こしら
)
へてあるぞよ。
364
新道
(
しんだう
)
へ
行
(
ゆ
)
けば、
365
初
(
はじ
)
めは
楽
(
らく
)
な
様
(
やう
)
なが、
366
往
(
い
)
き
行
(
い
)
つた
所
(
ところ
)
で
道
(
みち
)
が
無
(
な
)
くなりて
又
(
また
)
元
(
もと
)
の
所
(
ところ
)
へ
後戻
(
あともど
)
りを
致
(
いた
)
さねばならぬぞよ』
367
音彦
(
おとひこ
)
『
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
しよるのだ。
368
ソンナ
道
(
みち
)
の
事
(
こと
)
ぢやないワ。
369
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
の
事
(
こと
)
を
仰有
(
おつしや
)
るのだぞ。
370
頭脳
(
あたま
)
の
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
だナ』
371
亀彦
(
かめひこ
)
『
俺
(
おれ
)
は
少
(
すこ
)
し
暗
(
くら
)
くつても、
372
細路
(
ほそみち
)
の
下道
(
したみち
)
を
進
(
すす
)
んで
行
(
ゆ
)
かうと
思
(
おも
)
ふ』
373
岩彦
(
いはひこ
)
『
勝手
(
かつて
)
にせい。
374
心
(
こころ
)
の
暗
(
くら
)
い
奴
(
やつ
)
は、
375
暗
(
くら
)
い
所
(
ところ
)
に
行
(
ゆ
)
きたがるものだ………オイ
皆
(
みな
)
の
連中
(
れんちう
)
、
376
どちらにするか』
377
音
(
おと
)
、
378
駒
(
こま
)
、
379
鷹
(
たか
)
、
380
梅
(
うめ
)
一度
(
いちど
)
に、
381
音、駒、鷹、梅
『
広
(
ひろ
)
い
道
(
みち
)
広
(
ひろ
)
い
道
(
みち
)
』
382
と
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は、
383
岩路
(
いはみち
)
の
階段
(
かいだん
)
を
上
(
のぼ
)
つて
行
(
ゆ
)
く、
384
亀公
(
かめこう
)
は
唯一人
(
ただひとり
)
、
385
やや
暗
(
くら
)
き、
386
低
(
ひく
)
き
路
(
みち
)
を
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
387
四五丁
(
しごちやう
)
許
(
ばか
)
り
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くと、
388
忽
(
たちま
)
ち
頭上
(
づじやう
)
より、
389
黒
(
くろ
)
い
影
(
かげ
)
四
(
よ
)
つ
五
(
いつ
)
つ
落下
(
らくか
)
し
来
(
きた
)
り、
390
暗黒
(
あんこく
)
なる
陥穽
(
おとしあな
)
にゾボゾボゾボと
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てて
落込
(
おちこ
)
んだ。
391
亀彦
(
かめひこ
)
『ヤア
何
(
なん
)
だ、
392
上
(
うへ
)
から
獅子
(
しし
)
でも
落
(
お
)
ちて
来
(
き
)
よつたのかナ、
393
コンナ
岩窟
(
がんくつ
)
のトンネルの
中
(
なか
)
に
又
(
また
)
しても
又
(
また
)
しても、
394
陥穽
(
おとしあな
)
を
拵
(
こしら
)
へよつて………
鷹公
(
たかこう
)
、
395
岩公
(
いはこう
)
が
此処
(
ここ
)
に
居
(
を
)
つたら、
396
また「
議会
(
ぎくわい
)
の
開会
(
かいくわい
)
だ」などと
洒落
(
しやれ
)
よるのだけれど、
397
俺
(
おれ
)
一人
(
ひとり
)
では、
398
議会
(
ぎくわい
)
を
開
(
ひら
)
く
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かず、
399
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
だ。
400
彼奴
(
あいつ
)
、
401
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
きよつたのか
知
(
し
)
らぬ。
402
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
も
有
(
あ
)
れ、
403
何者
(
なにもの
)
だか
一
(
ひと
)
つトツクリと
正体
(
しやうたい
)
を
見届
(
みとど
)
けてやらう』
404
と
首
(
くび
)
を
伸
(
の
)
ばして、
405
足許
(
あしもと
)
に
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
け
乍
(
なが
)
ら、
406
怖
(
こは
)
さうに
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
んだ。
407
井戸
(
ゐど
)
の
中
(
なか
)
より、
408
岩彦
(
いはひこ
)
『ヤア
貴様
(
きさま
)
は
亀公
(
かめこう
)
ぢやないか、
409
俺
(
おれ
)
を
助
(
たす
)
けて
呉
(
く
)
れぬかい』
410
亀彦
(
かめひこ
)
『さういふ
声
(
こゑ
)
は
岩公
(
いはこう
)
だナ』
411
岩彦
(
いはひこ
)
『オーさうだ、
412
岩
(
いは
)
サンに
鷹
(
たか
)
サン、
413
音
(
おと
)
サン
梅
(
うめ
)
サン、
414
駒
(
こま
)
サンだ』
415
亀彦
(
かめひこ
)
『
助
(
たす
)
けて
呉
(
くれ
)
と
言
(
い
)
つたつて、
416
どうにも
斯
(
か
)
うにも、
417
手
(
て
)
の
着
(
つ
)
け
様
(
やう
)
が
無
(
な
)
いぢやないか。
418
マアさう
喧
(
やかま
)
し
云
(
い
)
はずに
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
れ。
419
今
(
いま
)
臨時
(
りんじ
)
議会
(
ぎくわい
)
を
開
(
ひら
)
いて
見
(
み
)
るから、
420
開会
(
かいくわい
)
の
上
(
うへ
)
で
助
(
たす
)
けるか
助
(
たす
)
けぬかが
決定
(
きま
)
るのだ。
421
アハヽヽヽ』
422
岩彦
(
いはひこ
)
『
馬鹿
(
ばか
)
にしよるナ、
423
最前
(
さいぜん
)
の
敵討
(
かたきう
)
ちをしようと
思
(
おも
)
つてけつかるナ』
424
亀彦
(
かめひこ
)
『さうだから、
425
あまり
高上
(
たかあが
)
りすると、
426
逆様
(
さかさま
)
に
地獄
(
ぢごく
)
の
底
(
そこ
)
へ
落
(
おと
)
されるのだよ。
427
どうだ、
428
是
(
これ
)
で
慢神心
(
まんしんごころ
)
をスツパリと
取
(
と
)
り
去
(
さ
)
つて
改心
(
かいしん
)
を
致
(
いた
)
すか』
429
岩彦
(
いはひこ
)
『
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
すも
致
(
いた
)
さぬも
有
(
あ
)
つたものかい。
430
改心
(
かいしん
)
のし
切
(
き
)
つた
者
(
もの
)
に
改心
(
かいしん
)
が
有
(
あ
)
つてたまるかい。
431
改心
(
かいしん
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
432
貴様
(
きさま
)
のやうな
不完全
(
ふくわんぜん
)
な
人間
(
にんげん
)
に
必要
(
ひつえう
)
な
言葉
(
ことば
)
だ。
433
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
に
対
(
たい
)
しては、
434
辞典
(
じてん
)
から
改心
(
かいしん
)
の
二字
(
にじ
)
を
除去
(
ぢよきよ
)
すべきものだ………
大
(
おほ
)
きに
憚
(
はばか
)
りさま、
435
エライご
心配
(
しんぱい
)
を
掛
(
か
)
けました。
436
此処
(
ここ
)
にもどうやら、
437
立派
(
りつぱ
)
な
段梯子
(
だんばしご
)
が
懸
(
かか
)
つて
居
(
を
)
ります。
438
アハ……』
439
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
440
五
(
ご
)
人
(
にん
)
はゲラゲラ
笑
(
わら
)
ひ
笑
(
わら
)
ひ
上
(
あが
)
つて
来
(
き
)
た。
441
亀彦
(
かめひこ
)
『ナンダ、
442
一寸
(
ちよつと
)
も
濡
(
ぬ
)
れて
居
(
を
)
らぬぢやないか』
443
鷹彦
(
たかひこ
)
『きまつた
事
(
こと
)
だい、
444
井戸
(
ゐど
)
の
底
(
そこ
)
へ
転落
(
てんらく
)
した
時
(
とき
)
に、
445
この
鷹
(
たか
)
サンが、
446
両翼
(
りやうよく
)
をパツと
開
(
ひら
)
いて、
447
井戸
(
ゐど
)
一面
(
いちめん
)
を
閉塞
(
へいそく
)
したのだ。
448
そこへ
四匹
(
しひき
)
の
小雀
(
こすずめ
)
が
下
(
お
)
りて
来
(
き
)
て、
449
ポンと
止
(
と
)
まつたものだから
濡
(
ぬ
)
れさうな
筈
(
はず
)
があるかい』
450
岩彦
(
いはひこ
)
『
小雀
(
こすずめ
)
とは、
451
チト
残酷
(
ざんこく
)
ぢやないか。
452
ナア
梅
(
うめ
)
、
453
音
(
おと
)
、
454
駒
(
こま
)
の
御
(
ご
)
連中
(
れんちう
)
………』
455
鷹彦
(
たかひこ
)
『それでも
生命
(
いのち
)
の
親
(
おや
)
だ。
456
ナント
云
(
い
)
はれたつて、
457
チツト
位
(
くらゐ
)
は
隠忍
(
いんにん
)
するのだ。
458
忍耐
(
にんたい
)
は
成功
(
せいこう
)
の
基礎
(
もと
)
だから、
459
アハヽヽ』
460
岩彦
(
いはひこ
)
『
第二
(
だいに
)
の………これは
陥穽
(
おとしあな
)
だ。
461
是
(
これ
)
から
前途
(
さき
)
に、
462
ドンナ
事
(
こと
)
を
悪神
(
わるがみ
)
の
奴
(
やつ
)
、
463
企
(
たく
)
んで
居
(
を
)
るか
分
(
わか
)
つたものぢやない。
464
うつかりと
歩
(
ある
)
けたものぢやないワ。
465
幸
(
さいは
)
ひ
此処
(
ここ
)
に、
466
鷹
(
たか
)
サンを
飛行船
(
ひかうせん
)
にして、
467
吾々
(
われわれ
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
が
操縦
(
さうじう
)
する
事
(
こと
)
にしたら、
468
都合
(
つがふ
)
が
良
(
い
)
いぢやないか』
469
鷹彦
(
たかひこ
)
『この
飛行船
(
ひかうせん
)
は、
470
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
様
(
さま
)
とあの
女神
(
めがみ
)
様
(
さま
)
との
御用
(
ごよう
)
だ。
471
お
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さま、
472
お
生憎
(
あいにく
)
さまだ、
473
アハヽヽヽ』
474
この
時
(
とき
)
前方
(
ぜんぱう
)
の
薄暗
(
うすぐら
)
き
隧道
(
すゐだう
)
の
中
(
なか
)
より、
475
怪
(
あや
)
しき
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
声
(
こゑ
)
聞
(
きこ
)
え
来
(
き
)
たる。
476
一同
(
いちどう
)
『ヤア、
477
聞
(
き
)
き
覚
(
おぼ
)
えのある
宣伝歌
(
せんでんか
)
だ、
478
ハテナ』
479
(
大正一一・三・一八
旧二・二〇
松村真澄
録)
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(B)
(N)
上天丸 >>>
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如意宝珠(第13~24巻)
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【第12章 陥穽|第13巻|如意宝珠|霊界物語|/rm1312】
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