霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第31巻(午の巻)
序歌
総説
第1篇 千状万態
第1章 主一無適
第2章 大地震
第3章 救世神
第4章 不知恋
第5章 秋鹿の叫
第6章 女弟子
第2篇 紅裙隊
第7章 妻の選挙
第8章 人獣
第9章 誤神託
第10章 噂の影
第11章 売言買辞
第12章 冷い親切
第13章 姉妹教
第3篇 千里万行
第14章 樹下の宿
第15章 丸木橋
第16章 天狂坊
第17章 新しき女
第18章 シーズンの流
第19章 怪原野
第20章 脱皮婆
第21章 白毫の光
第4篇 言霊将軍
第22章 神の試
第23章 化老爺
第24章 魔違
第25章 会合
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第31巻(午の巻)
> 第1篇 千状万態 > 第2章 大地震
<<< 主一無適
(B)
(N)
救世神 >>>
第二章
大地震
(
だいぢしん
)
〔八六八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第31巻 海洋万里 午の巻
篇:
第1篇 千状万態
よみ(新仮名遣い):
せんじょうばんたい
章:
第2章 大地震
よみ(新仮名遣い):
だいじしん
通し章番号:
868
口述日:
1922(大正11)年08月18日(旧06月26日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-03-06 19:01:31
OBC :
rm3102
愛善世界社版:
19頁
八幡書店版:
第6輯 47頁
修補版:
校定版:
19頁
普及版:
7頁
初版:
ページ備考:
001
国依別
(
くによりわけ
)
の
立去
(
たちさ
)
つた
後
(
あと
)
のエリナは、
002
掌中
(
しやうちう
)
の
玉
(
たま
)
を
何者
(
なにもの
)
にか
奪
(
うば
)
はれたるが
如
(
ごと
)
き
心地
(
ここち
)
し
乍
(
なが
)
ら、
003
門
(
かど
)
に
立出
(
たちい
)
でて、
004
宣伝使
(
せんでんし
)
の
姿
(
すがた
)
の
広
(
ひろ
)
き
原野
(
げんや
)
に
見
(
み
)
えなくなる
迄
(
まで
)
打見
(
うちみ
)
まもり、
005
エリナ
『アヽ
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
な
御
(
お
)
方
(
かた
)
であつたナ。
006
どうぞモウ
暫
(
しばら
)
く
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さればよかつたのに……
俄
(
にはか
)
に
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
を
損
(
そこ
)
ねたと
見
(
み
)
えて、
007
とうとう
帰
(
かへ
)
つて
了
(
しま
)
はれた。
008
最早
(
もはや
)
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
三五
(
あななひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
見放
(
みはな
)
されたに
違
(
ちがひ
)
ない。
009
ヤツパリ
昔
(
むかし
)
から
信仰
(
しんかう
)
して
来
(
き
)
た
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
を、
010
一心
(
いつしん
)
不乱
(
ふらん
)
に
信仰
(
しんかう
)
致
(
いた
)
しませう。
011
お
父
(
とう
)
さまが
日暮
(
ひぐら
)
シ
山
(
やま
)
の
牢獄
(
らうごく
)
に
囚
(
とら
)
はれて、
012
あるにあられぬ
責苦
(
せめく
)
に
会
(
あ
)
ひ、
013
お
苦
(
くる
)
しみ
遊
(
あそ
)
ばすのも、
014
其
(
その
)
元
(
もと
)
を
尋
(
たづ
)
ぬれば、
015
ウラル
教
(
けう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
であり
乍
(
なが
)
ら、
016
ブールの
教主
(
けうしゆ
)
様
(
さま
)
が
常
(
つね
)
に
異端
(
いたん
)
とし、
017
外道
(
げだう
)
としてお
嫌
(
きら
)
ひ
遊
(
あそ
)
ばす
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
吾家
(
わがや
)
に
泊
(
と
)
めたり、
018
又
(
また
)
ウラル
教
(
けう
)
の
信者
(
しんじや
)
に
対
(
たい
)
し、
019
異端
(
いたん
)
外道
(
げだう
)
の
教
(
をしへ
)
を
御
(
お
)
勧
(
すす
)
め
遊
(
あそ
)
ばした
天罰
(
てんばつ
)
が
酬
(
むく
)
うたのであらう。
020
何程
(
なにほど
)
誠
(
まこと
)
の
教
(
をしへ
)
でも、
021
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
に
仕
(
つか
)
へて
居
(
ゐ
)
る
以上
(
いじやう
)
は、
022
二心
(
ふたごころ
)
を
出
(
だ
)
して
他
(
た
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
信仰
(
しんかう
)
すれば、
023
神罰
(
しんばつ
)
が
当
(
あた
)
るのは
当然
(
たうぜん
)
だ。
024
アヽ
是
(
これ
)
から
心
(
こころ
)
を
改
(
あらた
)
めて、
025
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
に
対
(
たい
)
し、
026
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
よりお
詫
(
わ
)
びを
致
(
いた
)
し、
027
主一
(
しゆいつ
)
無適
(
むてき
)
の
信仰
(
しんかう
)
を
捧
(
ささ
)
げませう。
028
……あゝ
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
、
029
吾々
(
われわれ
)
教子
(
をしへご
)
の
重々
(
ぢうぢう
)
の
罪
(
つみ
)
、
030
何卒
(
なにとぞ
)
御
(
お
)
赦
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さいませ』
031
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
032
家
(
いへ
)
に
入
(
い
)
り、
033
母親
(
ははおや
)
の
枕許
(
まくらもと
)
に
進
(
すす
)
み
寄
(
よ
)
り
見
(
み
)
れば、
034
母親
(
ははおや
)
は
少
(
すこ
)
しく
頭
(
あたま
)
を
擡
(
もた
)
げ、
035
ニコニコと
笑
(
わら
)
ひ
初
(
はじ
)
めた。
036
エリナ
『アヽお
母
(
か
)
アさま!
大変
(
たいへん
)
に
御
(
ご
)
気分
(
きぶん
)
がよささうに
御座
(
ござ
)
いますなア。
037
こんな
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
は
御座
(
ござ
)
いませぬ』
038
母(テール)
『お
前
(
まへ
)
は
余
(
あま
)
り
両親
(
りやうしん
)
を
大切
(
たいせつ
)
に
思
(
おも
)
ふ
真心
(
まごころ
)
より、
039
遂
(
つひ
)
にウラル
教
(
けう
)
の
有難
(
ありがた
)
い
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れ
又
(
また
)
お
父
(
とう
)
さまの
様
(
やう
)
に
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
吾家
(
わがや
)
に
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り、
040
外道
(
げだう
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
信仰
(
しんかう
)
なさるものだから、
041
私
(
わたし
)
も
又
(
また
)
もやブールの
大将
(
たいしやう
)
に
睨
(
にら
)
まれ、
042
お
前
(
まへ
)
と
私
(
わし
)
とが、
043
再
(
ふたた
)
びお
父
(
と
)
うさまの
様
(
やう
)
に、
044
水牢
(
みづろう
)
の
責苦
(
せめく
)
に
会
(
あ
)
はねばならぬかと、
045
それが
心配
(
しんぱい
)
になつて、
046
病気
(
びやうき
)
はだんだん
重
(
おも
)
る
計
(
ばか
)
り、
047
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
で……
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
、
048
どうぞ
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
宣伝使
(
せんでんし
)
が
帰
(
かへ
)
つて
呉
(
く
)
れます
様
(
やう
)
……と、
049
祈願
(
きぐわん
)
をこらして
居
(
を
)
りました。
050
おかげに
依
(
よ
)
つて
外道
(
げだう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
051
吾家
(
わがや
)
を
立出
(
たちい
)
で、
052
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
せなくなつたので、
053
ヤツと
安心
(
あんしん
)
し、
054
俄
(
にはか
)
に
気分
(
きぶん
)
も
良
(
よ
)
くなつて
来
(
き
)
たのよ。
055
モウ
是
(
これ
)
からどんな
事
(
こと
)
があつても、
056
外道
(
げだう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
吾家
(
わがや
)
へ
連
(
つ
)
れて
帰
(
かへ
)
ることはなりませぬぞや。
057
お
前
(
まへ
)
は
親
(
おや
)
を
助
(
たす
)
けようと
思
(
おも
)
うて
焦
(
あせ
)
り、
058
却
(
かへつ
)
て、
059
外道
(
げだう
)
に
迷
(
まよ
)
ひ、
060
親
(
おや
)
を
苦
(
くる
)
しめる
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
になるから、
061
どうしても
斯
(
こ
)
うしても
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
の
教
(
をしへ
)
を
疎外
(
そぐわい
)
し、
062
外道
(
げだう
)
に
迷
(
まよ
)
はぬ
様
(
やう
)
に
心得
(
こころえ
)
て
下
(
くだ
)
されや。
063
おかげは
忽
(
たちま
)
ち
此
(
この
)
通
(
とほ
)
りだから、
064
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
種々
(
いろいろ
)
として、
065
吾々
(
われわれ
)
親子
(
おやこ
)
の
信仰
(
しんかう
)
の
厚薄
(
こうはく
)
を
御
(
お
)
試
(
ため
)
し
遊
(
あそ
)
ばすのだから、
066
チツとも
油断
(
ゆだん
)
はなりませぬぞえ』
067
エリナ
『ハイ、
068
現当
(
げんたう
)
利益
(
りやく
)
と
言
(
い
)
ひ、
069
お
母
(
か
)
アさまのお
言葉
(
ことば
)
といひ、
070
只今
(
ただいま
)
限
(
かぎ
)
りスツパリと
心
(
こころ
)
を
改
(
あらた
)
め、
071
決
(
けつ
)
して
外
(
ほか
)
の
道
(
みち
)
へは
迷
(
まよ
)
ひませぬから、
072
御
(
ご
)
安心
(
あんしん
)
下
(
くだ
)
さいませ』
073
母
『あゝそれを
聞
(
き
)
いて
母
(
はは
)
も
安心
(
あんしん
)
しました。
074
サア
早
(
はや
)
く
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
に
御
(
お
)
礼
(
れい
)
を
申上
(
まをしあ
)
げてお
呉
(
く
)
れ!』
075
エリナ
『ハイ、
076
只今
(
ただいま
)
直
(
すぐ
)
に
感謝
(
かんしや
)
の
詞
(
ことば
)
を
捧
(
ささ
)
げませう』
077
と
直
(
ただ
)
ちに、
078
庭先
(
にはさき
)
を
流
(
なが
)
るる
細谷川
(
ほそたにがは
)
に
身
(
み
)
を
清
(
きよ
)
め、
079
衣類
(
いるゐ
)
を
着替
(
きか
)
へ、
080
恭
(
うやうや
)
しく
感謝
(
かんしや
)
祈願
(
きぐわん
)
の
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
居
(
ゐ
)
る。
081
かかる
所
(
ところ
)
へ
日暮
(
ひぐら
)
シ
山
(
やま
)
のブールの
使
(
つかい
)
として、
082
アナンは
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
の
部下
(
ぶか
)
を
引
(
ひき
)
つれ、
083
此
(
この
)
家
(
や
)
に
荒々
(
あらあら
)
しく
入来
(
いりきた
)
り、
084
いとも
声高
(
こわだか
)
にエリナに
向
(
むか
)
ひ、
085
アナン
『オイ、
086
エリナとやら、
087
貴様
(
きさま
)
は
又
(
また
)
しても、
088
三五教
(
あななひけう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
を
吾家
(
わがや
)
に
引入
(
ひきい
)
れ、
089
朝夕
(
あさゆふ
)
……
親
(
おや
)
の
病気
(
びやうき
)
を
直
(
なほ
)
さうとか、
090
父
(
ちち
)
の
危難
(
きなん
)
を
遁
(
のが
)
れさせ
玉
(
たま
)
へとか
云
(
い
)
つて、
091
祈
(
いの
)
らして
居
(
を
)
つたではないか?
近所
(
きんじよ
)
の
者
(
もの
)
の
注進
(
ちうしん
)
によつて、
092
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
もスツカリと
教主
(
けうしゆ
)
の
耳
(
みみ
)
に
這入
(
はい
)
つてゐるぞ! それにも
拘
(
かか
)
はらず、
093
三五教
(
あななひけう
)
の
乱暴者
(
らんばうもの
)
キジ、
094
マチの
両人
(
りやうにん
)
を
差向
(
さしむ
)
け、
095
聖場
(
せいぢやう
)
を
蹂躙
(
じうりん
)
せむと
致
(
いた
)
した
図太
(
づぶと
)
き
代物
(
しろもの
)
……サア
教主
(
けうしゆ
)
の
命令
(
めいれい
)
だ、
096
尋常
(
じんじやう
)
に
手
(
て
)
を
廻
(
まは
)
せ。
097
日暮
(
ひぐら
)
シ
山
(
やま
)
の
館
(
やかた
)
に
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り、
098
其
(
その
)
方
(
はう
)
もエスの
様
(
やう
)
に
水牢
(
みづろう
)
に
投込
(
なげこ
)
み、
099
戒
(
いまし
)
めてやらねばならぬ』
100
と
鼻息
(
はないき
)
荒
(
あら
)
く
呶鳴
(
どな
)
りつける。
101
母親
(
ははおや
)
はアナンの
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いて
又
(
また
)
もや
心
(
こころ
)
を
痛
(
いた
)
め、
102
猛烈
(
まうれつ
)
なる
癪気
(
しやくき
)
を
起
(
おこ
)
し、
103
其
(
その
)
場
(
ば
)
に『ウン』と
倒
(
たふ
)
れて
人事
(
じんじ
)
不詳
(
ふしよう
)
の
体
(
てい
)
なり。
104
エリナは
身
(
み
)
も
世
(
よ
)
もあられぬ
心地
(
ここち
)
し
乍
(
なが
)
ら、
105
こわごわ
手
(
て
)
を
仕
(
つか
)
へ、
106
エリナ
『これはこれはアナンの
大将
(
たいしやう
)
様
(
さま
)
、
107
能
(
よ
)
くこそ
御
(
ご
)
入来
(
じゆらい
)
下
(
くだ
)
さいました。
108
御存
(
ごぞん
)
じの
通
(
とほ
)
り、
109
父
(
ちち
)
は
館
(
やかた
)
に
囚
(
とら
)
はれ、
110
跡
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
つた
一人
(
ひとり
)
の
母
(
はは
)
は
此
(
この
)
通
(
とほ
)
りの
大病
(
たいびやう
)
、
111
今
(
いま
)
私
(
わたし
)
が
引
(
ひ
)
つ
立
(
た
)
てられて
参
(
まゐ
)
りますれば、
112
あとに
誰
(
たれ
)
が
母
(
はは
)
の
世話
(
せわ
)
を
致
(
いた
)
す
者
(
もの
)
が
御座
(
ござ
)
いませう。
113
是非
(
ぜひ
)
行
(
ゆ
)
かねばならぬ
者
(
もの
)
なれば
潔
(
いさぎよ
)
く
参
(
まゐ
)
りますが、
114
どうぞ
此
(
この
)
母
(
はは
)
の
病気
(
びやうき
)
が
直
(
なほ
)
りますまで、
115
御
(
ご
)
猶予
(
いうよ
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
116
アナンは
烈
(
はげ
)
しく
首
(
くび
)
を
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
り、
117
アナン
『あゝイヤイヤ、
118
其
(
その
)
事
(
こと
)
許
(
ばか
)
りは
罷
(
まか
)
り
成
(
な
)
らぬ。
119
一時
(
いつとき
)
も
早
(
はや
)
く
汝
(
なんぢ
)
を
召捕
(
めしとり
)
来
(
きた
)
れよとの
厳命
(
げんめい
)
、
120
到底
(
たうてい
)
吾々
(
われわれ
)
の
独断
(
どくだん
)
にて
其
(
その
)
方
(
はう
)
に
猶予
(
いうよ
)
を
与
(
あた
)
へる
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
121
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
引捉
(
ひつとら
)
へて
帰
(
かへ
)
らねば、
122
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
役目
(
やくめ
)
が
済
(
す
)
まぬ。
123
そうして
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
何時
(
いつ
)
此処
(
ここ
)
を
立
(
た
)
つたか?』
124
エリナ
『
只今
(
ただいま
)
御
(
お
)
立
(
た
)
ちになりました』
125
アナン
『さうだらう。
126
最前
(
さいぜん
)
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
つて
行
(
い
)
きよつたのが、
127
神力
(
しんりき
)
無双
(
むそう
)
の
国依別
(
くによりわけ
)
だらう。
128
彼奴
(
あいつ
)
が
居
(
ゐ
)
やがると、
129
チツと
此方
(
こつち
)
も
都合
(
つがふ
)
が
好
(
よ
)
くないのだ。
130
二三
(
にさん
)
日前
(
にちまへ
)
から、
131
此
(
この
)
家
(
いへ
)
を
遠巻
(
とほまき
)
に
巻
(
ま
)
いてゐたのだ。
132
サアもう
斯
(
か
)
うなる
上
(
うへ
)
は、
133
泣
(
な
)
いても
悔
(
くや
)
むでもおつつかぬ。
134
キリキリと
手
(
て
)
をまはさぬか』
135
エリナは
自棄
(
やけ
)
気味
(
ぎみ
)
になり、
136
容
(
かたち
)
を
改
(
あらた
)
め、
137
悪胴
(
わるどう
)
を
据
(
す
)
ゑ、
138
エリナ
『コレ、
139
アナンさま! お
前
(
まへ
)
さまも
余程
(
よほど
)
良
(
よ
)
い
腰抜
(
こしぬけ
)
だなア。
140
日暮
(
ひぐら
)
シ
河
(
がは
)
では
脆
(
もろ
)
くも
一人
(
ひとり
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
追
(
お
)
ひまくられ、
141
又
(
また
)
たつた
一人
(
ひとり
)
の
国依別
(
くによりわけ
)
が
恐
(
おそ
)
ろしうて、
142
二晩
(
ふたばん
)
も
三晩
(
みばん
)
も、
143
此
(
この
)
暑
(
あつ
)
い、
144
蚊
(
か
)
の
喰
(
く
)
うのに、
145
頼
(
たの
)
みもせぬ
私
(
わたし
)
の
家
(
うち
)
の
夜警
(
やけい
)
をして
下
(
くだ
)
され、
146
渋茶
(
しぶちや
)
の
一杯
(
いつぱい
)
も
進
(
しん
)
ぜるのが
道
(
みち
)
かは
知
(
し
)
りませぬが、
147
餓鬼
(
がき
)
にやる
茶
(
ちや
)
があつても、
148
お
前
(
まへ
)
さま
等
(
ら
)
に
呑
(
の
)
ます
茶
(
ちや
)
はありませぬワ。
149
そこに
谷川
(
たにがは
)
の
水
(
みづ
)
が
流
(
なが
)
れてゐるから、
150
それなつと
呑
(
の
)
むで、
151
モウ
一
(
ひと
)
きり
御
(
ご
)
講演
(
かうえん
)
を
願
(
ねが
)
ひます。
152
ラツパ
節
(
ぶし
)
でも
法螺貝
(
ほらがい
)
節
(
ぶし
)
でも
構
(
かま
)
ひませぬワ。
153
お
母
(
か
)
アさまの
冥途
(
めいど
)
の
土産
(
みやげ
)
に、
154
一
(
ひと
)
つ
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
吹
(
ふ
)
き
立
(
たて
)
て
下
(
くだ
)
さい』
155
アナンはクワツと
怒
(
いか
)
り、
156
巨眼
(
きよがん
)
を
見開
(
みひら
)
き、
157
アナン
『コリヤ
女
(
をんな
)
!
譬
(
たと
)
へがたなき
汝
(
なんぢ
)
の
雑言
(
ざふごん
)
無礼
(
ぶれい
)
、
158
最早
(
もはや
)
聞捨
(
ききすて
)
はならぬぞ』
159
エリナ
『お
父
(
と
)
うさまはお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
悪人
(
あくにん
)
の
為
(
ため
)
に
囚
(
とら
)
へられ、
160
お
母
(
か
)
アさまは
此
(
この
)
通
(
とほ
)
りの
重病
(
ぢうびやう
)
、
161
たつた
今
(
いま
)
の
先
(
さき
)
、
162
余程
(
よほど
)
快方
(
くわいはう
)
にお
向
(
むか
)
ひ
遊
(
あそ
)
ばし、
163
ヤツと
安心
(
あんしん
)
する
間
(
ま
)
もなく、
164
お
前
(
まへ
)
がここへふみ
込
(
こ
)
んで
大声
(
おほごゑ
)
を
出
(
だ
)
し、
165
お
母
(
か
)
アさまを
最早
(
もはや
)
取返
(
とりかへ
)
しのならぬ
様
(
やう
)
な
重態
(
ぢうたい
)
におとして
了
(
しま
)
ひよつた
以上
(
いじやう
)
は、
166
お
母
(
か
)
アさまの
御
(
ご
)
寿命
(
じゆめう
)
も
今日
(
けふ
)
一
(
いち
)
日
(
にち
)
が
保
(
たも
)
ちかねる。
167
さうならば
此
(
この
)
エリナは
最早
(
もはや
)
自棄
(
やけ
)
くそだ。
168
たかが
男
(
をとこ
)
の
五匹
(
ごひき
)
や
十匹
(
じつぴき
)
、
169
何
(
なに
)
が
恐
(
おそ
)
ろしい……
国依別
(
くによりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
より
神変
(
しんぺん
)
不思議
(
ふしぎ
)
の
神力
(
しんりき
)
を
授
(
さづ
)
かり、
170
最早
(
もはや
)
立派
(
りつぱ
)
な
三五教
(
あななひけう
)
の
女
(
をんな
)
宣伝使
(
せんでんし
)
だ。
171
指
(
ゆび
)
一本
(
いつぽん
)
でも
触
(
さ
)
へるなら、
172
見事
(
みごと
)
触
(
さ
)
へて
見
(
み
)
よ』
173
と
呶鳴
(
どな
)
り
立
(
た
)
て、
174
睨
(
にら
)
み
付
(
つ
)
けたる。
175
其
(
その
)
権幕
(
けんまく
)
に
流石
(
さすが
)
剛情
(
がうじやう
)
我慢
(
がまん
)
のアナンも
辟易
(
へきえき
)
し、
176
エリナの
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
つめて
稍
(
やや
)
不安
(
ふあん
)
の
念
(
ねん
)
に
沈
(
しづ
)
みゐる。
177
母親
(
ははおや
)
は『キヤツ』と
一声
(
ひとこゑ
)
悲鳴
(
ひめい
)
をあげた
儘
(
まま
)
、
178
縡切
(
ことぎ
)
れにける。
179
エリナは
驚
(
おどろ
)
いて、
180
エリナ
『お
母
(
か
)
アさま!モ
一度
(
いちど
)
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
うて
下
(
くだ
)
さいませ……エリナで
御座
(
ござ
)
います』
181
と
死骸
(
しがい
)
に
取付
(
とりつ
)
き、
182
あたり
構
(
かま
)
はず
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶ。
183
アナンは
今
(
いま
)
こそと、
184
手早
(
てばや
)
く
捕縄
(
とりなは
)
を
取出
(
とりだ
)
し、
185
エリナの
首
(
くび
)
にひつかけようとする
一刹那
(
いつせつな
)
、
186
俄
(
にはか
)
に
轟々
(
ぐわうぐわう
)
ガタガタと
凄
(
すさま
)
じき
物音
(
ものおと
)
聞
(
きこ
)
え
来
(
き
)
たりければ、
187
アナンを
始
(
はじ
)
め
一同
(
いちどう
)
は
驚
(
おどろ
)
き
戸外
(
こぐわい
)
に
駆出
(
かけだ
)
す
刹那
(
せつな
)
強烈
(
きやうれつ
)
なる
大地震
(
おほぢしん
)
起
(
おこ
)
り、
188
アナンを
始
(
はじ
)
め
一同
(
いちどう
)
は
生命
(
いのち
)
カラガラ、
189
転
(
こ
)
けつまろびつ、
190
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんのう
)
の
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
を
指
(
さ
)
して、
191
四這
(
よつばい
)
となり
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
く。
192
地震
(
ぢしん
)
は
益々
(
ますます
)
烈
(
はげ
)
しさの
度
(
ど
)
を
加
(
くは
)
へ
来
(
き
)
たる。
193
エリナは
母親
(
ははおや
)
の
死体
(
したい
)
を
抱
(
かか
)
へて
外
(
そと
)
へ
飛出
(
とびだ
)
さうとする
途端
(
とたん
)
、
194
家
(
いへ
)
はメキメキメキと
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
て、
195
バサリと
打
(
う
)
ち
倒
(
たふ
)
れける。
196
エリナは
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、
197
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
逃
(
のが
)
れたるが、
198
忽
(
たちま
)
ち
火
(
ひ
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
199
エリナの
家
(
いへ
)
は
火煙
(
くわえん
)
濛々
(
もうもう
)
として
立上
(
たちのぼ
)
り、
200
母親
(
ははおや
)
の
死体
(
したい
)
は
惟神
(
かむながら
)
的
(
てき
)
に
火葬
(
くわさう
)
に
附
(
ふ
)
せられ
了
(
おは
)
りぬ。
201
上下動
(
じやうげどう
)
の
激震
(
げきしん
)
は
刻々
(
こくこく
)
に
烈
(
はげ
)
しく、
202
エリナは
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
の
株
(
かぶ
)
にシカと
抱付
(
だきつ
)
き、
203
目
(
め
)
を
塞
(
ふさ
)
ぎ、
204
地震
(
ぢしん
)
の
歇
(
や
)
むのを
待
(
ま
)
ち
乍
(
なが
)
ら、
205
一心
(
いつしん
)
不乱
(
ふらん
)
に『
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
守
(
まも
)
り
玉
(
たま
)
へ
幸
(
さち
)
はひ
玉
(
たま
)
へ……』と
祈念
(
きねん
)
をこらしける。
206
……
漸
(
やうや
)
くにして
地震
(
ぢしん
)
は
止
(
と
)
まり、
207
エリナはホツと
一息
(
ひといき
)
し
乍
(
なが
)
ら、
208
ここに
居
(
を
)
つては
又
(
また
)
何時
(
いつ
)
捕手
(
とりて
)
の
襲
(
おそ
)
ひ
来
(
く
)
るやも
計
(
はか
)
られずと、
209
俄
(
にはか
)
に
国依別
(
くによりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
が
恋
(
こひ
)
しくなり、
210
ヒルの
都
(
みやこ
)
を
指
(
さ
)
して
一目散
(
いちもくさん
)
に
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く。
211
ヒルの
都
(
みやこ
)
を
遠
(
とほ
)
く
見下
(
みお
)
ろせば、
212
大激震
(
だいげきしん
)
の
為
(
ため
)
火災
(
くわさい
)
起
(
おこ
)
り、
213
火
(
ひ
)
は
天
(
てん
)
に
冲
(
ちう
)
し、
214
空
(
そら
)
の
雲
(
くも
)
迄
(
まで
)
真赤
(
まつか
)
に
染
(
そ
)
まり、
215
所謂
(
いはゆる
)
雲焼
(
くもやけ
)
志
(
し
)
居
(
ゐ
)
たりける。
216
(
大正一一・八・一八
旧六・二六
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 主一無適
(B)
(N)
救世神 >>>
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第31巻(午の巻)
> 第1篇 千状万態 > 第2章 大地震
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第2章 大地震|第31巻|海洋万里|霊界物語|/rm3102】
合言葉「みろく」を入力して下さい→