霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第31巻(午の巻)
序歌
総説
第1篇 千状万態
第1章 主一無適
第2章 大地震
第3章 救世神
第4章 不知恋
第5章 秋鹿の叫
第6章 女弟子
第2篇 紅裙隊
第7章 妻の選挙
第8章 人獣
第9章 誤神託
第10章 噂の影
第11章 売言買辞
第12章 冷い親切
第13章 姉妹教
第3篇 千里万行
第14章 樹下の宿
第15章 丸木橋
第16章 天狂坊
第17章 新しき女
第18章 シーズンの流
第19章 怪原野
第20章 脱皮婆
第21章 白毫の光
第4篇 言霊将軍
第22章 神の試
第23章 化老爺
第24章 魔違
第25章 会合
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第31巻(午の巻)
> 第2篇 紅裙隊 > 第11章 売言買辞
<<< 噂の影
(B)
(N)
冷い親切 >>>
第一一章
売言
(
ばいげん
)
買辞
(
ばいじ
)
〔八七七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第31巻 海洋万里 午の巻
篇:
第2篇 紅裙隊
よみ(新仮名遣い):
こうくんたい
章:
第11章 売言買辞
よみ(新仮名遣い):
ばいげんばいじ
通し章番号:
877
口述日:
1922(大正11)年08月19日(旧06月27日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-03-28 19:46:58
OBC :
rm3111
愛善世界社版:
128頁
八幡書店版:
第6輯 89頁
修補版:
校定版:
131頁
普及版:
59頁
初版:
ページ備考:
001
アナンはハル、
002
ナイルの
両人
(
りやうにん
)
を
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
て、
003
岩窟
(
がんくつ
)
の
入口
(
いりぐち
)
に
悠然
(
いうぜん
)
として
腰打
(
こしうち
)
掛
(
か
)
けて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る
国依別
(
くによりわけ
)
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
の
前
(
まへ
)
に
来
(
きた
)
り、
004
忽
(
たちま
)
ち
地
(
ぢ
)
ベタに
手
(
て
)
をつき
乍
(
なが
)
ら、
005
アナン
『これはこれは、
006
国依別
(
くによりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
007
能
(
よ
)
くこそ
斯様
(
かやう
)
な
所迄
(
ところまで
)
御
(
ご
)
入来
(
じゆらい
)
下
(
くだ
)
さいまして、
008
岩窟内
(
がんくつない
)
一同
(
いちどう
)
恐悦
(
きようえつ
)
至極
(
しごく
)
に
存
(
ぞん
)
じ
奉
(
たてまつ
)
ります。
009
就
(
つ
)
いては
今迄
(
いままで
)
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
の
御
(
お
)
咎
(
とが
)
めも
厶
(
ござ
)
りませうなれど、
010
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
通
(
どほ
)
り、
011
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
神直日
(
かむなほひ
)
大直日
(
おほなほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し、
012
吾々
(
われわれ
)
の
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
下
(
くだ
)
さいまして、
013
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
大御心
(
おほみこころ
)
を
発揮
(
はつき
)
し
下
(
くだ
)
さいまして、
014
何事
(
なにごと
)
もあなた
様
(
さま
)
の
大御心
(
おほみこころ
)
によりて
寛大
(
くわんだい
)
なる
御
(
ご
)
処置
(
しよち
)
を
取
(
と
)
られむ
事
(
こと
)
を
神
(
かみ
)
かけて
念
(
ねん
)
じ
奉
(
たてまつ
)
ります。
015
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
016
と
国依別
(
くによりわけ
)
を
無暗
(
むやみ
)
矢鱈
(
やたら
)
に
拝
(
をが
)
み
倒
(
たふ
)
し、
017
一口
(
ひとくち
)
も
不足
(
ふそく
)
を
言
(
い
)
はせない
様
(
やう
)
に、
018
大手
(
おほて
)
搦手
(
からめて
)
より
鉄条網
(
てつでうまう
)
を
張
(
は
)
つて
了
(
しま
)
つたのは、
019
実
(
じつ
)
に
狡猾
(
かうくわつ
)
至極
(
しごく
)
の
曲者
(
くせもの
)
である。
020
国依別
『これはこれはアナンさまとやら、
021
何時
(
いつ
)
ぞやらは
丸木橋
(
まるきばし
)
の
畔
(
ほとり
)
に
於
(
おい
)
て、
022
花々
(
はなばな
)
しく
御
(
ご
)
奮闘
(
ふんとう
)
遊
(
あそ
)
ばされ、
023
実
(
じつ
)
にあなたの
神謀
(
しんぼう
)
鬼策
(
きさく
)
には
国依別
(
くによりわけ
)
感嘆
(
かんたん
)
の
舌
(
した
)
を
巻
(
ま
)
いて
厶
(
ござ
)
る。
024
兵法
(
へいはふ
)
の
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
は
三十六
(
さんじふろく
)
計
(
けい
)
の
中
(
うち
)
、
025
逃
(
に
)
ぐるを
以
(
もつ
)
て
第一
(
だいいち
)
とすとかや、
026
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
勝
(
か
)
たう
勝
(
か
)
たうと
思
(
おも
)
ふに
依
(
よ
)
つて
治
(
おさ
)
まらない、
027
あなた
方
(
がた
)
の
様
(
やう
)
に、
028
少数
(
せうすう
)
の
敵
(
てき
)
に
勝
(
かち
)
を
譲
(
ゆづ
)
り、
029
恥
(
はづ
)
かしげもなく
算
(
さん
)
を
乱
(
みだ
)
して
御
(
ご
)
遁走
(
とんさう
)
遊
(
あそ
)
ばす
其
(
その
)
御
(
ご
)
勇気
(
ゆうき
)
には、
030
吾々
(
われわれ
)
も
倣
(
なら
)
はなくてはなりませぬ。
031
負
(
まけ
)
て
勝
(
かち
)
取
(
と
)
るとやら、
032
ネツトプライスの
掛値
(
かけね
)
なしの
店
(
みせ
)
よりも、
033
ドツサリと
負値
(
おひね
)
を
吹
(
ふ
)
き
立
(
た
)
て、
034
客
(
きやく
)
に
対
(
たい
)
しドツサリ
負
(
まけ
)
てやる
店
(
みせ
)
の
方
(
はう
)
が
能
(
よ
)
く
繁昌
(
はんじやう
)
致
(
いた
)
しますから、
035
定
(
さだ
)
めてウラル
教
(
けう
)
もよくお
負
(
まけ
)
遊
(
あそ
)
ばしたのでせう。
036
それ
故
(
ゆゑ
)
得意
(
とくい
)
は
億客
(
おくきやく
)
兆来
(
てうらい
)
の
御
(
ご
)
繁昌
(
はんじやう
)
で
厶
(
ござ
)
いませう。
037
イヤもう
国依別
(
くによりわけ
)
、
038
側
(
そば
)
へも
寄
(
よ
)
れませぬ。
039
どうぞ
相変
(
あひかは
)
らず
御
(
お
)
店
(
みせ
)
の
繁昌
(
はんじやう
)
する
様
(
やう
)
に、
040
今度
(
こんど
)
もキレーサツパリと
御
(
お
)
負
(
まけ
)
下
(
くだ
)
さいませ。
041
あなたの
方
(
はう
)
に
於
(
おい
)
て、
042
算盤
(
そろばん
)
が
合
(
あ
)
はないから
負
(
まけ
)
ないと
仰有
(
おつしや
)
れば
仕方
(
しかた
)
がありませぬ。
043
私
(
わたし
)
は
漆彦
(
うるしひこの
)
命
(
みこと
)
となつて
負
(
ま
)
かしてあげませう。
044
チツとはうるし、
045
否
(
いや
)
うるさくても、
046
そこが
何事
(
なにごと
)
も
神直日
(
かむなほひ
)
大直日
(
おほなほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
すので
厶
(
ござ
)
いますからなア、
047
ハヽヽヽヽ』
048
アナン
『ハイハイ、
049
まだ
御
(
お
)
取引
(
とりひき
)
の
御
(
ご
)
用命
(
ようめい
)
を
蒙
(
かうむ
)
らぬ
中
(
うち
)
から、
050
負
(
まけ
)
て
負
(
まけ
)
てとこ
切
(
ぎ
)
り
御
(
ご
)
便利
(
べんり
)
を
計
(
はか
)
つて
居
(
を
)
りまするから、
051
何卒
(
なにとぞ
)
永当
(
えいたう
)
々々
(
えいたう
)
御
(
ご
)
贔屓
(
ひいき
)
の
程
(
ほど
)
を
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
します』
052
国依別
『
時
(
とき
)
に
吾々
(
われわれ
)
の
参
(
まゐ
)
りましたのは、
053
一
(
ひと
)
つ
売
(
う
)
つて
貰
(
もら
)
ひたい
品物
(
しなもの
)
が
厶
(
ござ
)
いまして、
054
ワザワザ
当
(
たう
)
商店
(
しやうてん
)
へ
罷
(
まか
)
り
越
(
こ
)
した、
055
新得意
(
しんとくい
)
で
厶
(
ござ
)
います。
056
どうぞ
安
(
やす
)
く
負
(
まけ
)
て
御
(
お
)
譲
(
ゆづ
)
り
下
(
くだ
)
さいませぬか』
057
アナン
『
御
(
ご
)
註文
(
ちうもん
)
の
品物
(
しなもの
)
とは
一体
(
いつたい
)
何物
(
なにもの
)
で
御座
(
ござ
)
いますか。
058
動物
(
どうぶつ
)
か、
059
植物
(
しよくぶつ
)
か、
060
器具
(
きぐ
)
か
或
(
あるひ
)
は
魚類
(
ぎよるゐ
)
か、
061
貝類
(
かひるゐ
)
か、
062
何
(
なん
)
なつと
御
(
ご
)
註文
(
ちゆうもん
)
次第
(
しだい
)
、
063
有
(
あり
)
さへすれば
只
(
ただ
)
でも
進
(
しん
)
ぜませう。
064
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
無
(
な
)
いものは
御免
(
ごめん
)
を
蒙
(
かうむ
)
つておかねばなりませぬ』
065
国依別
『
吾々
(
われわれ
)
の
買
(
か
)
ひ
求
(
もと
)
めに
来
(
き
)
た
者
(
もの
)
は
動物
(
どうぶつ
)
や
植物
(
しよくぶつ
)
ではありませぬ。
066
摺出
(
すりだ
)
しと、
067
キギスと
住家
(
すみか
)
とで
御座
(
ござ
)
いますよ』
068
アナン
『へー、
069
これは
又
(
また
)
妙
(
めう
)
な
御
(
ご
)
註文
(
ちゆうもん
)
ですな。
070
キギスなどは
此
(
この
)
館
(
やかた
)
には
居
(
を
)
りませぬ。
071
摺火
(
すりび
)
もなければ
売
(
う
)
る
様
(
やう
)
な
家
(
いへ
)
も
生憎
(
あいにく
)
仕入
(
しい
)
れて
居
(
をり
)
ませぬので、
072
どうぞ
外
(
よそ
)
さまを
御
(
お
)
尋
(
たづ
)
ねなさつて
下
(
くだ
)
さいませ。
073
へー
毎度
(
まいど
)
有難
(
ありがた
)
う、
074
御
(
ご
)
贔屓
(
ひいき
)
に
預
(
あづか
)
りまして……』
075
国依別
『
毎度
(
まいど
)
御
(
ご
)
贔屓
(
ひいき
)
と
云
(
い
)
ふが、
076
今日
(
けふ
)
始
(
はじ
)
めて
註文
(
ちうもん
)
に
来
(
き
)
たのぢやないか』
077
アナンは
切
(
しき
)
りに
腰
(
こし
)
を
屈
(
かが
)
め、
078
揉手
(
もみで
)
をし
乍
(
なが
)
ら、
079
アナン
『へー、
080
これは
商
(
あきな
)
ひの
習慣
(
しふくわん
)
で
御座
(
ござ
)
いまして、
081
始
(
はじ
)
めての
御
(
お
)
客
(
きやく
)
さまでも、
082
毎度
(
まいど
)
御
(
ご
)
ひいきに……と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
になつて
居
(
を
)
りまする。
083
どうぞマア
奥
(
おく
)
へお
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいまして、
084
京
(
きやう
)
の
御
(
お
)
茶漬
(
ちやづ
)
けでもドツサリ
食
(
あが
)
つて
下
(
くだ
)
さつて、
085
御
(
お
)
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ』
086
国依別
『
最前
(
さいぜん
)
の
吾々
(
われわれ
)
が
註文
(
ちうもん
)
致
(
いた
)
した、
087
キギスと
云
(
い
)
ふのは、
088
三五教
(
あななひけう
)
のキジ
公
(
こう
)
の
事
(
こと
)
だ。
089
又
(
また
)
摺出
(
すりだ
)
しと
云
(
い
)
ふたのはマチ
公
(
こう
)
の
事
(
こと
)
だよ。
090
住家
(
すみか
)
と
云
(
い
)
ふたのはエスと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
091
何時
(
いつ
)
までも
穴倉
(
あなぐら
)
の
中
(
なか
)
へ
仕舞
(
しま
)
ひ
込
(
こ
)
みておいても、
092
余
(
あま
)
り
利益
(
りえき
)
にもなりますまい。
093
新規
(
しんき
)
流行
(
りうかう
)
の
此
(
この
)
時節
(
じせつ
)
、
094
寝息物
(
ねいきもの
)
になれば
売
(
う
)
れ
行
(
ゆ
)
きが
悪
(
わる
)
くなるから、
095
買手
(
かひて
)
のある
中
(
うち
)
にお
売
(
う
)
りになる
方
(
はう
)
がお
店
(
みせ
)
のお
得
(
とく
)
だと
考
(
かんが
)
へますがなア』
096
アナン
『コレ
計
(
ばつか
)
りは
親方
(
おやかた
)
の
意見
(
いけん
)
を
聞
(
き
)
かねば、
097
番頭
(
ばんとう
)
の
自由
(
じいう
)
にはなりませぬから、
098
一寸
(
ちよつと
)
待
(
ま
)
つてゐて
下
(
くだ
)
さい。
099
マア
奥
(
おく
)
に
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
がお
茶
(
ちや
)
でも
立
(
た
)
ててお
待受
(
まちうけ
)
で
御座
(
ござ
)
いますから、
100
どうぞ
何
(
なん
)
なら
御
(
お
)
這入
(
はい
)
りになつては
如何
(
いかが
)
で
御座
(
ござ
)
います。
101
たつて
厭
(
いや
)
なお
方
(
かた
)
に
這入
(
はい
)
つて
貰
(
もら
)
ひたい
事
(
こと
)
も
御座
(
ござ
)
いませぬ……では
御座
(
ござ
)
いませぬが』
102
国依別
『
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ、
103
奥
(
おく
)
へふみ
込
(
こ
)
み、
104
ブールの
大将
(
たいしやう
)
に
直接
(
ちよくせつ
)
面談
(
めんだん
)
を
遂
(
と
)
げ、
105
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
を
受取
(
うけと
)
つて
帰
(
かへ
)
りませう。
106
……サア
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
、
107
エリナさま、
108
私
(
わたくし
)
に
従
(
つ
)
いて
御
(
お
)
出
(
い
)
でなさりませ』
109
と
無理
(
むり
)
に
行
(
ゆ
)
かうとするを、
110
アナンは
大手
(
おほで
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
111
アナン
『モシモシそれは
余
(
あま
)
り
理不尽
(
りふじん
)
と
申
(
まを
)
すもの、
112
暫
(
しばら
)
くお
待
(
ま
)
ち
下
(
くだ
)
されば、
113
教主
(
けうしゆ
)
の
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
しが
出
(
で
)
ますから、
114
それ
迄
(
まで
)
余
(
あま
)
り
永
(
なが
)
くとは
申
(
まを
)
しませぬ。
115
暫
(
しばら
)
くお
待
(
まち
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
116
国依別
(
くによりわけ
)
は、
117
国依別
『イヤ、
118
少
(
すこ
)
しも
猶予
(
いうよ
)
はならぬ。
119
邪魔
(
じやま
)
めさるな』
120
と
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
るを、
121
又
(
また
)
もやアナンは
大手
(
おほで
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
122
『
待
(
ま
)
つた
待
(
ま
)
つた』と
後退
(
あとしざ
)
りし
乍
(
なが
)
ら、
123
行手
(
ゆくて
)
に
塞
(
ふさ
)
がり、
124
過
(
あやま
)
つてキジ、
125
マチの
落込
(
おちこ
)
める
落
(
おと
)
し
穴
(
あな
)
へ
真逆
(
まつさか
)
様
(
さま
)
に
自分
(
じぶん
)
も
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
みにける。
126
国依別
『ヤア
自分
(
じぶん
)
の
作
(
つく
)
つた
陥穽
(
おとしあな
)
へ
自分
(
じぶん
)
がはまるとは、
127
実
(
じつ
)
に
天罰
(
てんばつ
)
と
云
(
い
)
ふものは
恐
(
おそ
)
ろしいものだナ。
128
併
(
しか
)
しチツとも
油断
(
ゆだん
)
は
出来
(
でき
)
ない。
129
……
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
様
(
さま
)
、
130
エリナ
様
(
さま
)
、
131
国依別
(
くによりわけ
)
の
歩
(
ある
)
いた
足跡
(
あしあと
)
より
外
(
ほか
)
を
歩
(
ある
)
いちや
可
(
い
)
けませぬよ。
132
大変
(
たいへん
)
な
危険
(
きけん
)
区域
(
くゐき
)
ですから……』
133
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
134
陥穽
(
おとしあな
)
を
上
(
うへ
)
から
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
めば、
135
穴
(
あな
)
の
底
(
そこ
)
にキジ、
136
マチの
両人
(
りやうにん
)
が
今
(
いま
)
おち
込
(
こ
)
みしアナンを
引捉
(
ひつとら
)
へ、
137
キジ
『サア、
138
アナン、
139
貴様
(
きさま
)
も
此処
(
ここ
)
へ
落込
(
おちこ
)
みし
以上
(
いじやう
)
は、
140
最早
(
もはや
)
叶
(
かな
)
ふまい。
141
一時
(
いつとき
)
も
早
(
はや
)
く
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
を
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げる
様
(
やう
)
に、
142
大将
(
たいしやう
)
に
歎願
(
たんぐわん
)
致
(
いた
)
せばよし、
143
グヅグヅ
致
(
いた
)
すと、
144
生首
(
なまくび
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
いて
了
(
しま
)
うぞ。
145
モウ
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ、
146
上
(
うへ
)
から
何
(
なに
)
を
落
(
お
)
としよつても、
147
貴様
(
きさま
)
の
体
(
たい
)
で
受
(
う
)
ければ
好
(
よ
)
いなり、
148
良
(
よ
)
いものが
降
(
ふ
)
つて
来
(
き
)
たものだ。
149
万一
(
まんいち
)
腹
(
はら
)
が
減
(
へ
)
れば
貴様
(
きさま
)
の
肉
(
にく
)
を
食
(
く
)
つてやるなり、
150
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つてもモウ
此方
(
こちら
)
のものだ。
151
アツハヽヽヽ』
152
と
笑
(
わら
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
153
空
(
そら
)
を
仰
(
あふ
)
ぐ
途端
(
とたん
)
にふと
目
(
め
)
に
付
(
つ
)
いたのは
国依別
(
くによりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
であつた。
154
キジ
公
(
こう
)
は
思
(
おも
)
はず、
155
キジ
『ヤア
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
156
能
(
よ
)
う
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいましたナア』
157
マチ
『
今日
(
けふ
)
か
今日
(
けふ
)
かとマチ
公
(
こう
)
はマチかね
山
(
やま
)
の
時鳥
(
ほととぎす
)
、
158
マチに
待
(
ま
)
つたる
今日
(
けふ
)
の
吉日
(
きちじつ
)
、
159
アナ
有難
(
ありがた
)
やアナ
尊
(
たふと
)
や、
160
アナ
嬉
(
うれ
)
しやなア。
161
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
へアナンが
又
(
また
)
降
(
ふ
)
つて
来
(
き
)
ました。
162
モシ
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
163
あなたさへ
御
(
お
)
越
(
こ
)
し
下
(
くだ
)
さらば
最早
(
もはや
)
千人力
(
せんにんりき
)
です。
164
どうか、
165
梯子
(
はしご
)
をかけて
下
(
くだ
)
さいませ。
166
梯子
(
はしご
)
が
無
(
な
)
ければ、
167
太
(
ふと
)
い
綱
(
つな
)
を
吊
(
つ
)
りおろして
下
(
くだ
)
さらば、
168
それに
縋
(
すが
)
つて
上
(
のぼ
)
ります』
169
国依別
『
永
(
なが
)
らくの
御
(
ご
)
隠居
(
いんきよ
)
、
170
さぞ
精神
(
せいしん
)
修養
(
しうやう
)
が
出来
(
でき
)
たでせう。
171
実
(
じつ
)
に
国依別
(
くによりわけ
)
はお
羨
(
うらや
)
ましう
存
(
ぞん
)
じますワイ』
172
キジ
『
何事
(
なにごと
)
も
善意
(
ぜんい
)
に
解釈
(
かいしやく
)
すれば、
173
陥穽
(
おとしあな
)
だつて、
174
別
(
べつ
)
に
苦
(
くる
)
しいとは
思
(
おも
)
ひませぬ。
175
本当
(
ほんたう
)
に
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
で、
176
キジ
公
(
こう
)
も
結構
(
けつこう
)
な
魂研
(
たまみが
)
きをさして
頂
(
いただ
)
きました』
177
国依別
『それ
程
(
ほど
)
結構
(
けつこう
)
ならば、
178
モウ
暫
(
しばら
)
く
御
(
ご
)
両人
(
りやうにん
)
共
(
とも
)
、
179
そこで
徹底
(
てつてい
)
的
(
てき
)
の
修業
(
しうげふ
)
を
遊
(
あそ
)
ばしては
如何
(
いかが
)
ですか』
180
マチ
『イヤもう
是
(
こ
)
れで
一寸
(
ちよつと
)
一服
(
いつぷく
)
さして
貰
(
もら
)
ひまして、
181
又
(
また
)
更
(
あらた
)
めて
荒行
(
あらげう
)
にかかりますから、
182
どうぞ
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
吊
(
つ
)
り
上
(
あ
)
げて
下
(
くだ
)
さいませ。
183
併
(
しか
)
し、
184
此
(
この
)
アナン
殿
(
どの
)
は
今
(
いま
)
這入
(
はい
)
つたばかしですから、
185
上
(
あ
)
げては
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
です。
186
せめて
四五
(
しご
)
年
(
ねん
)
も、
187
実地
(
じつち
)
修行
(
しうげう
)
の
出来
(
でき
)
る
迄
(
まで
)
、
188
此
(
この
)
井
(
ゐど
)
の
底
(
そこ
)
で
断食
(
だんじき
)
修業
(
しうげふ
)
をさしてやりませう。
189
……なア、
190
アナン、
191
それが
結構
(
けつこう
)
だらう、
192
吾身
(
わがみ
)
を
抓
(
つめ
)
つて
人
(
ひと
)
の
痛
(
いた
)
さを
知
(
し
)
れ……と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
がある、
193
吾々
(
われわれ
)
も
永
(
なが
)
らく
結構
(
けつこう
)
な
深
(
ふか
)
い、
194
冷
(
つめ
)
たい
陥穽
(
おとしあな
)
の
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
に
預
(
あづか
)
つて、
195
此
(
この
)
御恩
(
ごおん
)
は
忘
(
わす
)
れられませぬワイ。
196
己
(
おのれ
)
の
欲
(
ほつ
)
する
所
(
ところ
)
は
之
(
これ
)
を
人
(
ひと
)
に
施
(
ほどこ
)
せ、
197
欲
(
ほつ
)
せざる
所
(
ところ
)
は
人
(
ひと
)
に
施
(
ほどこ
)
す
勿
(
なか
)
れ……と
云
(
い
)
つて、
198
吾々
(
われわれ
)
は
大変
(
たいへん
)
に
此
(
この
)
陥穽
(
おとしあな
)
の
底
(
そこ
)
が
気
(
き
)
に
入
(
い
)
つたから、
199
アナンさまにも
御
(
お
)
神徳
(
かげ
)
の
丸取
(
まるど
)
りをせずに、
200
分配
(
ぶんぱい
)
してあげませうかい』
201
アナン
『
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
まぬ
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
しました。
202
どうぞ
今迄
(
いままで
)
の
事
(
こと
)
は
一条
(
いちでう
)
の
夢
(
ゆめ
)
とお
忘
(
わす
)
れ
下
(
くだ
)
さいまして、
203
此
(
この
)
アナンをあなたと
一所
(
いつしよ
)
に
引上
(
ひきあ
)
げて
貰
(
もら
)
ふやうに
国依別
(
くによりわけ
)
さまに、
204
お
願
(
ねが
)
ひ
下
(
くだ
)
さいな』
205
キジ
『ヤアそれは
願
(
ねが
)
つてあげませう。
206
併
(
しか
)
し
何時
(
いつ
)
上
(
あ
)
げて
下
(
くだ
)
さるかはキジ
公
(
こう
)
が
保証
(
ほしよう
)
する
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬよ。
207
人間
(
にんげん
)
は
刹那心
(
せつなしん
)
が
大切
(
たいせつ
)
だ。
208
マアゆつくりと
気
(
き
)
を
落着
(
おちつ
)
けて
居
(
を
)
られたがよからう。
209
泰然
(
たいぜん
)
自若
(
じじやく
)
として
山岳
(
さんがく
)
の
動
(
うご
)
かざるが
如
(
ごと
)
し
底
(
てい
)
の
大度量
(
だいどりやう
)
がなくては、
210
ウラル
教
(
けう
)
の
幹部
(
かんぶ
)
は
勤
(
つと
)
まりますまい、
211
アハヽヽヽ』
212
斯
(
か
)
く
云
(
い
)
ふ
中
(
うち
)
、
213
国依別
(
くによりわけ
)
は
縄梯子
(
なはばしご
)
を
捜
(
さが
)
し
出
(
だ
)
し、
214
パラリと
吊
(
つ
)
り
下
(
お
)
ろせば、
215
一番
(
いちばん
)
にキジ
公
(
こう
)
は、
216
猿
(
ましら
)
の
如
(
ごと
)
く
縄梯子
(
なはばしご
)
を
伝
(
つた
)
ひあがる。
217
次
(
つい
)
で、
218
マチ
公
(
こう
)
が
上
(
あ
)
がつて
来
(
き
)
た。
219
今度
(
こんど
)
はアナンが
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
縄梯子
(
なはばしご
)
に
手
(
て
)
をかけ、
220
二段
(
にだん
)
三段
(
さんだん
)
上
(
あ
)
がつた
所
(
ところ
)
を、
221
キジ
公
(
こう
)
縄梯子
(
なはばしご
)
の
結
(
むす
)
び
手
(
て
)
をプツツと
切
(
き
)
つた。
222
アナンは
再
(
ふたた
)
び
井戸
(
ゐど
)
の
底
(
そこ
)
にドスンと
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てて
尻餅
(
しりもち
)
をつき、
223
アナン
『
助
(
たす
)
けて
呉
(
く
)
れい、
224
助
(
たす
)
けて
呉
(
く
)
れい』
225
と
叫
(
さけ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
226
キジ
公
(
こう
)
は
上
(
うへ
)
から、
227
キジ
『
助
(
たす
)
けてやらぬ
事
(
こと
)
はないが、
228
それには
一
(
ひと
)
つ
註文
(
ちうもん
)
がある。
229
其
(
その
)
註文
(
ちうもん
)
に
応
(
おう
)
ずるかどうだ』
230
アナン
『ハイハイ、
231
何事
(
なにごと
)
も
御
(
ご
)
註文
(
ちゆうもん
)
に
応
(
おう
)
じます。
232
最前
(
さいぜん
)
も
国依別
(
くによりわけ
)
様
(
さま
)
に
無類
(
むるゐ
)
飛切
(
とびき
)
り、
233
めちやめちやの
投売
(
なげうり
)
を
致
(
いた
)
しますと、
234
約束
(
やくそく
)
しておきました。
235
ドツと
負
(
まけ
)
ておきますから、
236
精々
(
せいぜい
)
御
(
ご
)
註文
(
ちうもん
)
を
願
(
ねが
)
ひます。
237
其
(
その
)
代
(
かは
)
り、
238
私
(
わたし
)
を
井戸
(
ゐど
)
から
上
(
あ
)
げて
下
(
くだ
)
さるでせうなア』
239
キジ
『
負
(
まけ
)
る
品物
(
しなもの
)
を
上
(
あ
)
げるといふ
事
(
こと
)
があるかい。
240
就
(
つ
)
いては
註文
(
ちうもん
)
の
次第
(
しだい
)
は、
241
エスの
所在
(
ありか
)
はどこだ。
242
それをキツパリと
白状
(
はくじやう
)
するのだ。
243
さうせなくてはキジ
公
(
こう
)
も
助
(
たす
)
けてやる
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬワイ』
244
アナン
『エスさまですか、
245
そりや
私
(
わたし
)
では
分
(
わか
)
りませぬ。
246
ブールの
大将
(
たいしやう
)
に
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さい。
247
大将
(
たいしやう
)
が
秘密
(
ひみつ
)
にして
居
(
を
)
りますから、
248
吾々
(
われわれ
)
の
窺知
(
きち
)
を
許
(
ゆる
)
しませぬ』
249
国依別
(
くによりわけ
)
は
言
(
ことば
)
も
急
(
いそ
)
がしげに、
250
国依別
『キジさま、
251
マチさま、
252
サア
是
(
こ
)
れから
気
(
き
)
をつけもつて
奥
(
おく
)
へ
参
(
まゐ
)
らう。
253
……アナンさま、
254
暫
(
しばら
)
くそこで
修業
(
しうげふ
)
をなさいませ。
255
キツと
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げますから、
256
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らエスの
所在
(
ありか
)
が
分
(
わか
)
り
次第
(
しだい
)
助
(
たす
)
けますから、
257
それ
迄
(
まで
)
そこで
御
(
ご
)
辛抱
(
しんぼう
)
をなさいませや。
258
何
(
なに
)
か
御
(
ご
)
入用
(
いりよう
)
の
物
(
もの
)
が
厶
(
ござ
)
いますれば、
259
何
(
なん
)
なりと
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
仰有
(
おつしや
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ。
260
石
(
いし
)
の
団子
(
だんご
)
でも、
261
砂
(
すな
)
の
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
でも、
262
蛔蟲虫
(
くわいちうむし
)
の
素麺
(
そうめん
)
でも、
263
御
(
ご
)
註文
(
ちうもん
)
次第
(
しだい
)
、
264
勉強
(
べんきやう
)
して
御
(
お
)
安
(
やす
)
く
差上
(
さしあ
)
げますワ、
265
アハヽヽヽ』
266
と
笑
(
わら
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
267
教主
(
けうしゆ
)
の
居間
(
ゐま
)
を
指
(
さ
)
して、
268
三男
(
さんなん
)
二女
(
にぢよ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
足許
(
あしもと
)
に
気
(
き
)
をつけ
乍
(
なが
)
ら、
269
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
270
(
大正一一・八・一九
旧六・二七
松村真澄
録)
271
(昭和九・一二・一七 於七尾市 王仁校正)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 噂の影
(B)
(N)
冷い親切 >>>
霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
>
第31巻(午の巻)
> 第2篇 紅裙隊 > 第11章 売言買辞
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第11章 売言買辞|第31巻|海洋万里|霊界物語|/rm3111】
合言葉「みろく」を入力して下さい→