霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 満悦(まんえつ)〔一五三一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第60巻 真善美愛 亥の巻 篇:第1篇 天仁和楽 よみ(新仮名遣い):てんじんわらく
章:第6章 満悦 よみ(新仮名遣い):まんえつ 通し章番号:1531
口述日:1923(大正12)年04月07日(旧02月22日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年8月12日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
バラモン軍のキャプテンであったチルテルは、妻や部下たちと共に神殿の前に拝礼し、改心の歌を歌った。アキスは述懐と新しい聖地を守る誓いの歌を歌った。
各々遷宮式の祝歌を歌い、宴が終わると一同は道々歌を歌いながらバーチルの館を指して帰って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:2918 OBC :rm6006
愛善世界社版:65頁 八幡書店版:第10輯 619頁 修補版: 校定版:70頁 普及版:60頁 初版: ページ備考:
001 大空(おほぞら)は一点(いつてん)の雲翳(うんえい)もなく002天津(あまつ)日(ひ)の神(かみ)は煌々(くわうくわう)としてアヅモス山(さん)の霊地(れいち)を照臨(せうりん)したまひ、003梢(こずゑ)を渡(わた)る夏風(なつかぜ)は颯々(さつさつ)として清涼(せいりやう)の気(き)をおくる。004中空(ちうくう)には無声(むせい)の音楽(おんがく)聞(きこ)え渡(わた)り、0041芳香(はうかう)薫(くん)じ、005地上(ちじやう)には、006諸々(もろもろ)の楽器(がくき)の一度(いちど)に鳴(な)り渡(わた)る声(こゑ)、007梢(こずゑ)には百鳥(ももどり)の、0071千代(ちよ)の祥瑞(しやうずゐ)を囀(さへづ)る美声(びせい)、008天地人(てんちじん)三才(さんさい)合一(がふいつ)のこの瑞祥(ずゐしやう)は、009神前(しんぜん)に備(そな)へまつれる曼陀羅華(まんだらげ)の妙色(めうしき)に現(あら)はれて居(ゐ)る。010バラモン軍(ぐん)に永(なが)く仕(つか)へ、011キャプテンの職(しよく)にあつてキヨの関守(せきもり)を兼(か)ね、012相当(さうたう)に暴威(ばうゐ)を振(ふる)ひたるチルテルは、013其(その)妻(つま)チルナ姫(ひめ)を初(はじ)め、014カンナ、015ヘール其(その)他(た)の部下(ぶか)を率(ひき)ゐて大宮(おほみや)の前(まへ)に恭(うやうや)しく拝礼(はいれい)し、016曼陀羅華(まんだらげ)を手(て)に捧(ささ)げ、017歌(うた)ひ始(はじ)めた。
018チルテル『天(てん)は清浄(しやうじやう)地(ち)清浄(しやうじやう)
019六根(ろくこん)清浄(しやうじやう)懺悔(ざんげ)の花(はな)の咲(さ)き満(み)ちし
020今日(けふ)の喜(よろこ)び永久(とこしへ)に
021神(かみ)の御前(みまへ)に謹(つつし)みて
022吾(われ)人(ひと)共(とも)に村肝(むらきも)の
023心(こころ)の限(かぎ)り身(み)の限(かぎ)り
024感謝(かんしや)の涙(なみだ)に咽(むせ)かへる
025仰(あふ)いで空(そら)を眺(なが)むれば
026天津(あまつ)御空(みそら)は蒼々(あをあを)と
027際限(さいげん)もなく静(しづか)に広(ひろ)くいや高(たか)し
028伏(ふ)して地上(ちじやう)を眺(なが)むれば
029牡丹(ぼたん)芍薬(しやくやく)、ダリヤを初(はじ)め
030所(ところ)まんだら咲(さ)き乱(みだ)れ
031雑色(ざつしき)微妙(びめう)の蝶(てふ)は舞(ま)ひ
032万木(ばんもく)万草(ばんさう)いや茂(しげ)る
033夏野(なつの)に遊(あそ)び戯(たはむ)るる
034其(その)瑞祥(ずゐしやう)を目(ま)のあたり
035眺(なが)むる吾(われ)こそ嬉(うれ)しけれ
036この聖場(せいぢやう)に群集(うごなは)る
037人(ひと)の面(おもて)を眺(なが)むれば
038老若(らうにやく)男女(なんによ)の分(わか)ちなく
039皆(みな)紅(くれなゐ)に面(おも)照(て)りて
040宛然(さながら)天女(てんによ)の如(ごと)くなり
041天(てん)の造(つく)りし此(この)天地(てんち)
042真善(しんぜん)美愛(びあい)の実状(じつじやう)を
043いと広(ひろ)らかに安(やす)らかに
044示(しめ)させたまふ尊(たふと)さよ
045朝日(あさひ)は輝(かがや)く月(つき)は照(て)る
046星(ほし)は閃(きら)めく天津空(あまつそら)
047北極(ほつきよく)星座(せいざ)の動(うご)きなく
048七剣星(しちけんせい)が其(その)周囲(しうゐ)
049朝(あさ)な夕(ゆふ)なに撓(たわ)みなく
050廻(めぐ)るが如(ごと)く里人(さとびと)の
051これの宮居(みやゐ)に集(あつ)まりて
052歓(ゑら)ぎ楽(たの)しみ宮(みや)の辺(べ)を
053廻(まは)りて遊(あそ)ぶ目出(めで)たさよ
054ハルナの都(みやこ)に現(あ)れませる
055大黒主(おほくろぬし)の神司(かむづかさ)
056いかに心(こころ)を配(くば)りまし
057神(かみ)の御国(みくに)を地(ち)の上(うへ)に
058弥(いや)永久(とこしへ)に築(きづ)かむと
059焦(あせ)らせ給(たま)へど如何(いか)にして
060三五教(あななひけう)を守(まも)ります
061神(かみ)の功(いさを)に及(およ)ばむや
062遠(とほ)き近(ちか)きの隔(へだ)てなく
063神(かみ)の御稜威(みいづ)を恋(こ)ひ慕(した)ひ
064集(あつ)まり来(きた)る人(ひと)の数(かず)
065百千万(ももちよろづ)はまだ愚(おろ)か
066追々(おひおひ)寄(よ)り来(く)る潮(うしほ)の勢(いきほ)ひ
067又(また)霊界(れいかい)を調(しら)ぶれば
068天男(てんなん)天女(てんによ)を初(はじ)めとし
069万(よろづ)の人(ひと)の神霊(しんれい)や
070鳥(とり)獣(けだもの)や虫(むし)けらの
071御霊(みたま)も先(さき)を争(あらそ)ひて
072吾(われ)もわしもと集(つど)ひ来(く)る
073其(その)光景(くわうけい)は高天原(たかあまはら)の
074天(あま)の岩戸(いはと)の開(ひら)けし如(ごと)く
075あな面白(おもしろ)やあなさやけをけ
076目出度(めでた)さ嬉(うれ)しさ胸(むね)にみち
077身(み)もたなしらに神業(かむわざ)に
078仕(つか)へまつるぞ有難(ありがた)き
079あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
080大国治立(おほくにはるたち)大御神(おほみかみ)
081御伴(みとも)の神(かみ)と仕(つか)へます
082大国彦(おほくにひこ)の大神(おほかみ)の
083御前(みまへ)に謹(つつし)み畏(かしこ)みて
084バラモン軍(ぐん)のキャプテンが
085茲(ここ)に赤心(まごころ)披瀝(ひれき)して
086畏(かしこ)み畏(かしこ)み願(ね)ぎまつる
087三千(さんぜん)世界(せかい)の梅(うめ)の花(はな)
088一度(いちど)に開(ひら)く曼陀羅華(まんだらげ)
089常世(とこよ)の春(はる)の光景(くわうけい)を
090拝(をろが)む人(ひと)こそ目出度(めでた)けれ
091朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
092月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
093仮令(たとへ)大地(だいち)は沈(しづ)むとも
094テルモン山(ざん)は海(うみ)となり
095キヨメの湖(うみ)は山(やま)となり
096アヅモス山(さん)の聖場(せいぢやう)は
097雲間(くもま)に高(たか)く突(つ)き出(い)でて
098高(たか)く嶮(けは)しくなるとても
099神(かみ)に誓(ちか)ひし此(この)体(からだ)
100如何(いか)でか心(こころ)を変(か)へざらむ
101恵(めぐ)ませたまへ大御神(おほみかみ)
102従(したが)ひたまふ千万(ちよろづ)の
103司(つかさ)の神(かみ)の御(おん)前(まへ)に
104畏(かしこ)み畏(かしこ)み願(ね)ぎまつる
105畏(かしこ)み畏(かしこ)み願(ね)ぎまつる』
106 アキスは又(また)歌(うた)ひ出(だ)した。
107アキス『バーチル館(やかた)に幼少(えうせう)より
108家(いへ)の奴(やつこ)と仕(つか)へたる
109天(あま)の岩戸(いはと)もはやアキス
110猩々姫(しやうじやうひめ)の御言(みこと)もて
111伊太彦(いたひこ)司(つかさ)に付添(つきそ)ひつ
112千(せん)里(り)の浪(なみ)を漕(こ)ぎ渡(わた)り
113天(てん)にも地(ち)にもかけがへの
114無(な)き御子(みこ)数多(あまた)迎(むか)へたる
115猩々(しやうじやう)の小父(をぢ)が今(いま)此処(ここ)で
116三百(さんびやく)三十三(さんじふさん)体(たい)の
117御霊(みたま)に代(かは)り宣(の)り奉(まつ)る
118父(ちち)の命(みこと)は端(はし)なくも
119バーチクさまに玉(たま)の緒(を)の
120惜(を)しき命(いのち)を奪(うば)はれて
121後(あと)に残(のこ)りし母(はは)と子(こ)は
122周章(うろた)へ騒(さわ)ぎ手(て)も足(あし)も
123出(だ)す術(すべ)もなき悲(かな)しさに
124浜辺(はまべ)の船(ふね)を寄(よ)せ集(あつ)め
125夜陰(やいん)に乗(じやう)じて湖原(うなばら)を
126恐(おそ)れ乍(なが)らに逃(に)げて行(ゆ)く
127サーガラ竜王(りうわう)の棲所(すみか)ぞと
128怖(おそ)れられたる浮島(うきしま)に
129馴(な)れぬ艪櫂(ろかい)を操(あやつ)りて
130命(いのち)辛々(からがら)辿(たど)りつき
131僅(わづか)に命(いのち)を支(ささ)へつつ
132悲(かな)しき月日(つきひ)を送(おく)る折(をり)
133此(この)世(よ)を救(すく)ふ厳御霊(いづみたま)
134瑞(みづ)の御霊(みたま)の開(ひら)きたる
135三五教(あななひけう)の神司(かむづかさ)
136数多(あまた)現(あら)はれましまして
137父(ちち)の命(みこと)と崇(あが)めたる
138バーチルさまを船(ふね)に乗(の)せ
139磯(いそ)を離(はな)れて帰(かへ)ります
140恋(こひ)しき母(はは)は此(この)様(さま)を
141見(み)るより歎(なげ)かせたまひつつ
142二人(ふたり)の仲(なか)に生(うま)れたる
143人獣(にんじう)合一(がふいつ)の珍(うづ)の子(こ)を
144喉(のど)締(し)め殺(ころ)し母(はは)の身(み)は
145湖底(うなぞこ)深(ふか)く隠(かく)れましぬ
146後(あと)に残(のこ)りし一同(いちどう)は
147蚊(か)の鳴(な)く如(ごと)く騒(さわ)ぎ立(た)ち
148呼(よ)べどかへせど此(この)世(よ)へは
149再(ふたた)び帰(かへ)り給(たま)はざる
150悲運(ひうん)を歎(なげ)き居(ゐ)たりしが
151風(かぜ)の便(たより)か白浪(しらなみ)の
152彼方(かなた)に見(み)ゆる船(ふね)の影(かげ)
153浪(なみ)を蹴立(けた)てて寄(よ)り来(きた)る
154これぞ全(まつた)く吾(わが)父(ちち)の
155心(こころ)尽(づく)しの御船(みふね)ぞと
156子(こ)等(ら)は一同(いちどう)に磯端(いそばた)に
157垣(かき)を造(つく)つて眺(なが)め居(を)る
158仁慈(じんじ)の神(かみ)に仕(つか)へたる
159伊太彦(いたひこ)司(つかさ)が悠々(いういう)と
160数多(あまた)の船(ふね)を引(ひ)き連(つ)れて
161吾(われ)等(ら)一同(いちどう)をバーチルの
162館(やかた)に迎(むか)へ帰(かへ)らむと
163手真似(てまね)をもつて示(しめ)します
164其(その)嬉(うれ)しさは如何(いか)許(ばか)り
165天(てん)にも登(のぼ)る心地(ここち)して
166先(さき)を争(あらそ)ひ救(すく)ひの船(ふね)に
167身(み)を跳(をど)らして乗(の)り込(こ)めば
168思(おもひ)も寄(よ)らぬ般若湯(はんにやたう)
169いと馨(かんば)しき其(その)香(かをり)
170樽(たる)の鏡(かがみ)を打(う)ち開(あ)けて
171吾(われ)等(ら)を犒(ねぎら)ひたまひつつ
172静(しづか)な波(なみ)に真帆(まほ)を揚(あ)げ
173湖中(こちう)に棲(す)める魚族(うろくづ)に
174前後(ぜんご)左右(さいう)を守(まも)られて
175スマの港(みなと)に安着(あんちやく)し
176父(ちち)の館(やかた)に立(た)ち帰(かへ)り
177楽(たの)しき月日(つきひ)を送(おく)りつつ
178又(また)もや元(もと)の棲処(すみか)へと
179帰(かへ)り来(きた)りし嬉(うれ)しさよ
180あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
181神(かみ)の宮居(みやゐ)もいと清(きよ)く
182いと麗(うるは)しく建(た)ち終(をは)り
183厳(いづ)の御霊(みたま)の大御神(おほみかみ)
184バラモン帝釈(たいしやく)自在天(じざいてん)
185弥(いや)永久(とこしへ)に鎮(しづ)まりて
186イヅミの国(くに)の国人(くにびと)を
187守(まも)らせたまふ世(よ)となりぬ
188吾(われ)等(ら)一同(いちどう)の眷族(けんぞく)は
189清浄(しやうじやう)無垢(むく)の魂(たましひ)を
190捧(ささ)げて仕(つか)へ奉(たてまつ)り
191アヅモス山(さん)の森林(しんりん)を
192千代(ちよ)の棲処(すみか)と相定(あひさだ)め
193常世(とこよ)の春(はる)を楽(たの)しまむ
194あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
195神(かみ)の聖地(せいち)をおそれみて
196里人(さとびと)男女(なんによ)の分(わか)ちなく
197此(この)森林(しんりん)に永久(とは)に棲(す)む
198吾(われ)等(ら)が兄弟(おとどい)よく愛(あい)し
199決(けつ)して殺(ころ)す事(こと)勿(なか)れ
200若(も)しも過(あやま)ちある時(とき)は
201忽(たちま)ち神(かみ)に相祈(あひいの)り
202誡(いまし)め下(くだ)し世(よ)の人(ひと)の
203眼(まなこ)厳(きび)しくさますべし
204謹(つつし)みたまへ里人(さとびと)よ
205バラモン教(けう)の軍(いくさ)の君(きみ)よ
206猩々彦(しやうじやうひこ)や猩々姫(しやうじやうひめ)の
207水火(いき)より出(い)でし吾々(われわれ)一同(いちどう)
208茲(ここ)に言挙(ことあ)げ奉(たてまつ)る
209あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
210御霊(みたま)幸(さち)倍(はへ)ましませよ』
211玉国別(たまくにわけ)『久方(ひさかた)の天津(あまつ)御空(みそら)も地(ち)の上(うへ)も
212すみ渡(わた)りたる今日(けふ)ぞ目出度(めでた)き』
213真純彦(ますみひこ)『打(う)ち仰(あふ)ぐますみの空(そら)に塵(ちり)もなし
214田鶴(たづ)舞(ま)ひ遊(あそ)ぶ影(かげ)のみぞ見(み)ゆ』
215三千彦(みちひこ)『大神(おほかみ)の珍(うづ)の恵(めぐみ)は天地(あめつち)に
216いや三千彦(みちひこ)の今日(けふ)の嬉(うれ)しさ』
217伊太彦(いたひこ)『アヅモスの山(やま)に登(のぼ)りて四方(よも)の野(の)を
218見(み)る吾(わが)心(こころ)は広(ひろ)く安(やす)けし』
219デビス姫(ひめ)『月(つき)も日(ひ)も大空(おほぞら)高(たか)くテルモンの
220館(やかた)を後(あと)にデビス姫(ひめ)かな』
221バーチル『人(ひと)となり又(また)猩々(しやうじやう)となりかはり
222清浄(しやうじやう)無垢(むく)で神(かみ)に仕(つか)へむ』
223サーベル姫(ひめ)『月(つき)も日(ひ)も浪(なみ)より出(い)でて浪(なみ)に入(い)る
224神(かみ)の恵(めぐみ)の深(ふか)き湖(みづうみ)』
225テク『今(いま)迄(まで)は心(こころ)曇(くも)りし吾(われ)なれど
226冴(さ)え渡(わた)りけり神(かみ)の教(をしへ)に』
227アンチー『大神(おほかみ)の広(ひろ)き恵(めぐみ)に離(はな)れ島(じま)
228憂(うき)を三歳(みとせ)の今日(けふ)の吾(われ)かな』
229アキス『春(はる)も過(す)ぎ夏(なつ)の大空(おほぞら)澄(す)み渡(わた)り
230秋(あき)澄(す)み渡(わた)る吾(われ)の魂(たましひ)』
231カール『磯端(いそばた)に主(あるじ)の君(きみ)を待(ま)ち佗(わ)びし
232カール司(つかさ)の今日(けふ)の喜(よろこ)び』
233チルテル『花(はな)は散(ち)る月(つき)は御空(みそら)に照(てる)の国(くに)
234すましてすまむスマの関守(せきもり)』
235チルナ姫(ひめ)『曼陀羅(まんだら)の華(はな)はいつ迄(まで)チルナ姫(ひめ)
236早(はや)く散(ち)れ散(ち)れ塵(ちり)と芥(あくた)は』
237カンナ『惟神(かむながら)神(かみ)の光(ひかり)の強(つよ)くして
238常夜(とこよ)の闇(やみ)も晴(は)れ渡(わた)りけり』
239ヘール『テルモンの山(やま)は霞(かす)みて見(み)えねども
240目(ま)のあたり見(み)る神(かみ)の御恵(みめぐみ)』
241 斯(か)く互(たがひ)に遷宮式(せんぐうしき)の祭典(さいてん)を祝(しゆく)し終(をは)つて242道々(みちみち)口々(くちぐち)に歌(うた)を歌(うた)ひながら、243広大(くわうだい)なるバーチルの館(やかた)を指(さ)して帰(かへ)り行(ゆ)く。244漸(やうや)く日(ひ)は西山(せいざん)に舂(うすづ)きて黄昏(たそがれ)の空気(くうき)は四辺(あたり)を圧(あつ)した。245満天(まんてん)忽(たちま)ち金銀(きんぎん)の星光(せいくわう)恆河(こうが)の砂(すな)の如(ごと)く現(あら)はれて、246一行(いつかう)が歓喜(くわんき)の姿(すがた)を黙々(もくもく)として瞰下(かんか)して居(ゐ)る。247アヅモス山(さん)の峰続(みねつづ)き、248ハールナ山(さん)の中腹(ちうふく)にある寺院(じゐん)の梵鐘(ぼんしよう)は、249ボーンボーンと夕(ゆふ)べの空気(くうき)を圧(あつ)して響(ひび)き来(きた)る。
250(大正一二・四・七 旧二・二二 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)
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