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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第60巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 天仁和楽
第1章 清浄車
第2章 神森
第3章 瑞祥
第4章 木遣
第5章 鎮祭
第6章 満悦
第2篇 東山霊地
第7章 方便
第8章 土蜘蛛
第9章 夜光玉
第10章 玉国
第11章 法螺貝
第3篇 神の栄光
第12章 三美歌(その一)
第13章 三美歌(その二)
第4篇 善言美詞
第14章 神言
第15章 祝詞
第16章 祈言
第17章 崇詞
第18章 復祭
第19章 復活
第5篇 金言玉辞
第20章 三五神諭(その一)
第21章 三五神諭(その二)
第22章 三五神諭(その三)
第23章 三五神諭(その四)
第24章 三五神諭(その五)
第25章 三五神諭(その六)
余白歌
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真善美愛(第49~60巻)
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第60巻(亥の巻)
> 第2篇 東山霊地 > 第9章 夜光玉
<<< 土蜘蛛
(B)
(N)
玉国 >>>
第九章
夜光玉
(
やくわうのたま
)
〔一五三四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第60巻 真善美愛 亥の巻
篇:
第2篇 東山霊地
よみ(新仮名遣い):
あづもすれいち
章:
第9章 夜光玉
よみ(新仮名遣い):
やこうのたま
通し章番号:
1534
口述日:
1923(大正12)年04月07日(旧02月22日)
口述場所:
皆生温泉 浜屋
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年8月12日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
三人がさらに進んで行くと、青白い玉が二つ三つ現れて、ワックスの一二間前で爆発した。エルは驚いて倒れてしまった。
伊太彦は、自分たちはタクシャカ竜王への赦免を伝える使いだから、悪魔がそうそう苦しめることはないだろうと安堵させた。そして元気をつけるために宣伝歌を歌い始めた。
一行が進んで行くと、雷のような音が聞こえた。そこには相当に広い河があって、冷たい水が流れていた。岩のすき間から明りが指しているので探してみると、一丈もある鍾乳石の上に夜光の玉が輝いていた。
伊太彦は天津祝詞を奏上して神慮を伺った。神示によると、これはタクシャカ竜王の宝物・夜光の玉であり、この玉を竜王に持たせると再び風水火の天災を引き起こすから、月照彦の神がここに安置したのだという。
そして、この玉は伊太彦が持ち帰って玉国別に渡すようにとのお告げであった。伊太彦は喜んで玉を懐に入れ、地底を指して進んで行った。岩窟の奥底には岩蓋が施してあり、ここにタクシャカ竜王が封じられていた。
伊太彦は神示を述べ伝え、心の底より悔悟するなら救われると竜王に呼びかけた。するとタクシャカ竜王は恐ろしい九頭一体の巨躯を表し、たちまち白髪赤面の老人となって伊太彦の前に進み、恭しく目礼しながら歌をもって答えた。
竜王は改心の情を歌に込めて表した。伊太彦は歌でもって、地上に上るように竜王を促した。互いに歌を交換し、一行は竜王を従えて隧道を戻って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2016-09-04 20:14:47
OBC :
rm6009
愛善世界社版:
107頁
八幡書店版:
第10輯 633頁
修補版:
校定版:
114頁
普及版:
60頁
初版:
ページ備考:
001
エルは
怪物
(
くわいぶつ
)
に
肝玉
(
きもだま
)
を
取
(
と
)
られ、
002
色
(
いろ
)
青
(
あを
)
冷
(
ざ
)
め、
003
臆病風
(
おくびやうかぜ
)
に
誘
(
さそ
)
はれて、
004
そろそろ
慄
(
ふる
)
ひ
出
(
だ
)
した。
005
ワックス『オイ、
006
エルの
奴
(
やつ
)
、
007
些
(
ちつ
)
と
確
(
しつか
)
りせぬかい、
008
睾丸
(
きんたま
)
を
提
(
さ
)
げた
一人前
(
いちにんまへ
)
の
男
(
をとこ
)
が、
009
蜘蛛
(
くも
)
の
化物
(
ばけもの
)
位
(
ぐらゐ
)
に
驚
(
おどろ
)
いて、
010
どうして
此
(
この
)
探険
(
たんけん
)
が
出来
(
でき
)
ようか。
011
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
が
所在
(
あらゆる
)
悪業
(
あくごふ
)
を
尽
(
つく
)
した
罪
(
つみ
)
を
償
(
つぐな
)
ふ
為
(
ため
)
に
012
今度
(
こんど
)
は
抜群
(
ばつぐん
)
の
手柄
(
てがら
)
を
現
(
あら
)
はさにやならぬぢやないか、
013
本当
(
ほんたう
)
に
腰抜
(
こしぬけ
)
ぢやなア』
014
エル『さう
叱
(
しか
)
るものぢやないワ、
015
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
俺
(
おれ
)
ならもつと
勇気
(
ゆうき
)
を
出
(
だ
)
すのぢやけれど、
016
ブラ
下
(
さ
)
げる
睾丸
(
きんたま
)
が
無
(
な
)
くなつて
居
(
を
)
るのぢやから、
017
サウ
註文通
(
ちうもんどほ
)
りにゆかないワ。
018
そこは
一
(
ひと
)
つ
同情
(
どうじやう
)
して
呉
(
く
)
れないと
困
(
こま
)
るぢやないか』
019
ワックス『
何
(
なん
)
だ、
020
その
間抜
(
まぬけ
)
た
面
(
つら
)
は、
021
僅
(
わづか
)
の
顔面
(
がんめん
)
に、
022
免役地
(
めんえきち
)
や、
023
未開
(
みかい
)
墾地
(
こんち
)
や、
024
荒蕪地
(
くわうぶち
)
が
沢山
(
たくさん
)
現
(
あら
)
はれとると
思
(
おも
)
へば
025
矢張
(
やは
)
り
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はぬ
代物
(
しろもの
)
だつたワイ。
026
モシ
伊太彦
(
いたひこ
)
さま
027
此
(
こ
)
んな
奴
(
やつ
)
、
0271
これから
奥
(
おく
)
へ
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
かうものなら、
028
吾々
(
われわれ
)
の
迷惑
(
めいわく
)
ですから、
029
此処
(
ここ
)
から
一層
(
いつそう
)
帰
(
いな
)
してやつたらどうでせうか』
030
伊太彦
(
いたひこ
)
『それも
好
(
よ
)
からう。
031
サア エル
032
是
(
これ
)
から
免役
(
めんえき
)
だ。
033
トツトと
帰
(
かへ
)
つたら
好
(
よ
)
からうぞ』
034
エル『ハイ
有難
(
ありがた
)
う。
035
そんなら
何卒
(
どうぞ
)
、
036
入口
(
いりぐち
)
迄
(
まで
)
送
(
おく
)
つて
下
(
くだ
)
さいますか』
037
伊太彦
(
いたひこ
)
『そいつは
些
(
ちつ
)
と
困
(
こま
)
つたなア』
038
ワックス『オイ エル
039
確
(
しつか
)
りせぬかい、
040
人
(
ひと
)
は
心
(
こころ
)
の
持
(
も
)
ちやう
一
(
ひと
)
つだ。
041
サア
一人
(
ひとり
)
帰
(
かへ
)
つたがよからう。
042
此
(
この
)
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
一本
(
いつぽん
)
あれば
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だから』
043
エル『そンなら
仕方
(
しかた
)
がない、
044
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
中間
(
まんなか
)
になつて
跟
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
にしよう』
045
ワックス『ハヽア、
046
たうと
屁古垂
(
へこた
)
れやがつたな。
047
そンなら、
048
伊太彦
(
いたひこ
)
さま、
049
悪
(
あく
)
にも
強
(
つよ
)
けりや
善
(
ぜん
)
にも
強
(
つよ
)
い
此
(
この
)
ワックスが
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
ちませう、
050
こいつは
面白
(
おもしろ
)
い』
051
と、
052
四股
(
しこ
)
踏
(
ふ
)
み
乍
(
なが
)
ら、
053
燐光
(
りんくわう
)
に
光
(
ひか
)
る
岩窟
(
いはや
)
の
隧道
(
すゐだう
)
を、
054
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
探
(
さぐ
)
るやうにして
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
055
向
(
むかう
)
の
方
(
はう
)
から
二三個
(
にさんこ
)
の
光
(
ひか
)
つた
玉
(
たま
)
が
地上
(
ちじやう
)
三尺
(
さんじやく
)
許
(
ばか
)
りの
所
(
ところ
)
を
浮
(
う
)
いたやうに
此方
(
こちら
)
に
向
(
むか
)
つて
進
(
すす
)
んで
来
(
く
)
る。
056
よくよく
見
(
み
)
ればその
青白
(
あをじろ
)
い
玉
(
たま
)
の
中
(
なか
)
には、
057
嫌
(
いや
)
らしい
顔
(
かほ
)
がハツキリと
現
(
あら
)
はれて
居
(
ゐ
)
る。
058
エルは
腰
(
こし
)
を
屈
(
かが
)
め、
059
ワックスの
背
(
せな
)
に
顔
(
かほ
)
を
当
(
あ
)
て
乍
(
なが
)
ら、
060
足
(
あし
)
もワナワナ
跟
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
061
青白
(
あをじろ
)
い
火団
(
くわだん
)
は
強大
(
きやうだい
)
なる
音響
(
おんきやう
)
と
共
(
とも
)
に
062
三個
(
さんこ
)
一度
(
いちど
)
にワックスの
一二間
(
いちにけん
)
前
(
まへ
)
の
所
(
とこ
)
で
爆発
(
ばくはつ
)
した。
063
エルはキヤツと
叫
(
さけ
)
んで
064
ワックスの
肩
(
かた
)
を
掴
(
つか
)
んだ
儘
(
まま
)
倒
(
たふ
)
れた。
065
止
(
やむ
)
を
得
(
え
)
ずワックスも
其
(
その
)
場
(
ば
)
にドンと
倒
(
たふ
)
れて
仕舞
(
しま
)
つた。
066
伊太彦
(
いたひこ
)
『オイ、
067
ワックスさま、
068
エルさま、
069
起
(
お
)
きた
起
(
お
)
きた、
070
敵
(
てき
)
は
粉砕
(
ふんさい
)
の
厄
(
やく
)
に
遭
(
あ
)
つて
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて
仕舞
(
しま
)
つた。
071
もう
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ。
072
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
威光
(
ゐくわう
)
に
怖
(
おそ
)
れ
脆
(
もろ
)
くも
滅亡
(
めつぼう
)
したと
見
(
み
)
える、
073
アハヽヽヽ』
074
ワックス『これしきの
事
(
こと
)
に
驚
(
おどろ
)
くワックスぢやありませぬが、
075
エルの
奴
(
やつ
)
人
(
ひと
)
の
首筋
(
くびすぢ
)
を
掴
(
つか
)
ンだまま
倒
(
たふ
)
れやがつたものだから、
076
可惜
(
あたら
)
勇士
(
ゆうし
)
も
共倒
(
ともだふ
)
れの
厄
(
やく
)
に
遭
(
あ
)
ひました。
077
オイ、
0771
エル
078
確
(
しつか
)
りしやがらぬか』
079
エル『イヤもう
確
(
しつか
)
りする。
080
哥兄
(
あにき
)
お
前
(
まへ
)
確
(
しつか
)
りして
居
(
ゐ
)
て
呉
(
く
)
れよ。
081
お
前
(
まへ
)
と
伊太彦
(
いたひこ
)
さまとさへ
強
(
つよ
)
ければ
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だからなア』
082
ワックス『
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
うても
数千
(
すうせん
)
年来
(
ねんらい
)
密閉
(
みつぺい
)
されてあつた
魔
(
ま
)
の
岩窟
(
いはや
)
だから、
083
種々
(
しゆじゆ
)
の
奇怪
(
きくわい
)
千万
(
せんばん
)
な
珍事
(
ちんじ
)
が
勃発
(
ぼつぱつ
)
するのは
覚悟
(
かくご
)
の
前
(
まへ
)
だ。
084
サア
行
(
ゆ
)
かう、
085
タクシャカ
竜王
(
りうわう
)
に
対
(
たい
)
し
吾々
(
われわれ
)
は
赦免
(
しやめん
)
のお
使
(
つかひ
)
だから、
086
さう
無暗
(
むやみ
)
に
悪魔
(
あくま
)
が
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
を
困
(
くるし
)
める
筈
(
はず
)
がない。
087
エルが
怪物
(
くわいぶつ
)
に
手
(
て
)
を
噛
(
か
)
まれたのも
矢張
(
やつぱ
)
りエルが
悪
(
わる
)
いのだ、
088
弄
(
いら
)
はぬ
蜂
(
はち
)
は
螫
(
さ
)
さぬからなア。
089
サア
一
(
ひと
)
つ
機嫌
(
きげん
)
を
直
(
なほ
)
して
宣伝歌
(
せんでんか
)
でも
歌
(
うた
)
つて
元気
(
げんき
)
をつけようぢやないか。
090
俺
(
おれ
)
が
歌
(
うた
)
ふから
後
(
あと
)
から
共節
(
ともぶし
)
について
来
(
こ
)
い。
091
何
(
なん
)
だか
何処
(
どこ
)
ともなしに
気分
(
きぶん
)
の
好
(
よ
)
い、
092
事
(
こと
)
はない
魔
(
ま
)
の
岩窟
(
いはや
)
だ。
093
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
094
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
095
岩窟
(
いはや
)
の
蜘蛛
(
くも
)
は
化
(
ば
)
けるとも
096
何
(
なに
)
か
怖
(
おそ
)
れむ
三五
(
あななひ
)
の
097
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
と
現
(
あら
)
はれし
098
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
099
ワックス、エルの
三柱
(
みはしら
)
だ
100
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
101
アヅモス
山
(
さん
)
の
底津根
(
そこつね
)
に
102
封
(
ふう
)
じ
込
(
こ
)
まれた
竜王
(
りうわう
)
の
103
罪
(
つみ
)
をば
赦
(
ゆる
)
し
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げ
104
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御使
(
みつかひ
)
と
105
なさむがために
来
(
きた
)
りけり
106
仮令
(
たとへ
)
如何
(
いか
)
なる
怪物
(
くわいぶつ
)
が
107
雲霞
(
うんか
)
の
如
(
ごと
)
く
潜
(
ひそ
)
むとも
108
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
を
身
(
み
)
に
浴
(
あ
)
びて
109
進
(
すす
)
む
吾
(
わが
)
身
(
み
)
は
金剛
(
こんがう
)
不壊
(
ふゑ
)
110
如意
(
によい
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
玉
(
たま
)
なるぞ
111
水
(
みづ
)
に
溺
(
おぼ
)
れず
火
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
けず
112
錆
(
さび
)
ず
腐
(
くさ
)
らず
曇
(
くも
)
らずに
113
幾万
(
いくまん
)
年
(
ねん
)
の
後
(
のち
)
迄
(
まで
)
も
114
天地
(
てんち
)
の
宝
(
たから
)
と
光
(
ひか
)
りゆく
115
来
(
きた
)
れよ
来
(
きた
)
れ
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
116
蜘蛛
(
くも
)
も
蛙
(
かはづ
)
も
虫族
(
むしけら
)
も
117
神力
(
しんりき
)
無双
(
むさう
)
の
吾々
(
われわれ
)
に
118
手向
(
てむか
)
ふ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
よまい
119
今
(
いま
)
現
(
あら
)
はれた
三
(
み
)
つの
玉
(
たま
)
120
怪
(
あや
)
しき
面
(
つら
)
を
晒
(
さら
)
しつつ
121
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
み
来
(
き
)
て
122
木
(
こ
)
つ
端
(
ぱ
)
微塵
(
みぢん
)
に
粉砕
(
ふんさい
)
し
123
煙
(
けぶり
)
と
消
(
き
)
えし
哀
(
あは
)
れさよ
124
吾
(
わが
)
神力
(
しんりき
)
は
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
125
岩窟
(
いはや
)
に
潜
(
ひそ
)
む
曲神
(
まがかみ
)
よ
126
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
を
聞
(
き
)
きしめて
127
決
(
けつ
)
して
無礼
(
ぶれい
)
をするでない
128
洒落
(
しやれ
)
た
事
(
こと
)
をば
致
(
いた
)
すなら
129
決
(
けつ
)
して
許
(
ゆる
)
しはせぬ
程
(
ほど
)
に
130
ワックスさまの
身魂
(
みたま
)
には
131
鬼
(
おに
)
も
大蛇
(
をろち
)
も
狼
(
おほかみ
)
も
132
ライオン
迄
(
まで
)
も
棲
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
る
133
さうかと
思
(
おも
)
へば
天地
(
あめつち
)
を
134
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
固
(
かた
)
めなし
135
造
(
つく
)
りたまひし
大御祖
(
おほみおや
)
136
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
が
神集
(
かむつど
)
ひ
137
無限
(
むげん
)
の
神力
(
しんりき
)
輝
(
かがや
)
かし
138
控
(
ひか
)
へて
厶
(
ござ
)
るぞ
気
(
き
)
をつけよ
139
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
140
息
(
いき
)
が
塞
(
ふさ
)
がりそになつた
141
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
よ
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
で
142
一寸
(
ちよつと
)
休息
(
きうそく
)
仕
(
つかまつ
)
り
143
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
や
神言
(
かみごと
)
を
144
奏上
(
そうじやう
)
なして
岩窟
(
いはやど
)
の
145
妖気
(
えうき
)
を
払
(
はら
)
ひ
参
(
まゐ
)
りませう
146
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
147
叶
(
かな
)
はぬ
時
(
とき
)
の
神頼
(
かみだの
)
み
148
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
まぬと
知
(
し
)
り
乍
(
なが
)
ら
149
斯
(
か
)
うなりやもはや
仕様
(
しやう
)
がない
150
此処
(
ここ
)
で
一服
(
いつぷく
)
仕
(
つかまつ
)
る』
151
伊太彦
(
いたひこ
)
一行
(
いつかう
)
は
又
(
また
)
もや
隧道
(
すゐだう
)
をドンドンドンと
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
152
其処
(
そこ
)
には
雷
(
らい
)
の
如
(
ごと
)
き
音
(
おと
)
が
聞
(
きこ
)
えて
居
(
を
)
る。
153
ハテ
不思議
(
ふしぎ
)
と、
154
一町
(
いつちやう
)
許
(
ばか
)
り
又
(
また
)
平坦
(
へいたん
)
な
隧道
(
すゐだう
)
を
下
(
くだ
)
つて
行
(
ゆ
)
くと、
155
相当
(
さうたう
)
に
広
(
ひろ
)
い
河
(
かは
)
があつて
156
岩
(
いは
)
から
出
(
で
)
て
岩
(
いは
)
に
吸収
(
きふしう
)
さるる
如
(
ごと
)
く
氷
(
こほり
)
の
如
(
ごと
)
き
冷
(
つめ
)
たい
水
(
みづ
)
が
流
(
なが
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
157
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
流
(
なが
)
れを
渡
(
わた
)
つて
向
(
むか
)
うへ
着
(
つ
)
いた。
158
此処
(
ここ
)
には
大小
(
だいせう
)
無数
(
むすう
)
の
色々
(
いろいろ
)
の
形
(
かたち
)
をした
岩
(
いは
)
が、
159
キラキラ
光
(
ひか
)
つて
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
160
さうして
何処
(
どこ
)
ともなしに
岩
(
いは
)
の
隙間
(
すきま
)
から
明
(
あかり
)
がさして
居
(
ゐ
)
るのは
一
(
ひと
)
つの
不思議
(
ふしぎ
)
である。
161
ハテ
不思議
(
ふしぎ
)
と
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
四辺
(
あたり
)
を
見廻
(
みまは
)
せば、
162
鐘乳石
(
しようにゆうせき
)
の
一丈
(
いちぢやう
)
も
有
(
あ
)
らうといふ
立柱
(
たちばしら
)
の
上
(
うへ
)
に、
163
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
が
輝
(
かがや
)
いて
居
(
ゐ
)
るのが
目
(
め
)
についた。
164
伊太彦
(
いたひこ
)
は
此処
(
ここ
)
にて
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
165
神慮
(
しんりよ
)
を
伺
(
うかが
)
つて
見
(
み
)
た。
166
神示
(
しんじ
)
に
依
(
よ
)
れば
此
(
この
)
玉
(
たま
)
は
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
であつて、
167
タクシャカ
竜王
(
りうわう
)
が
宝物
(
ほうもつ
)
である。
168
されど
此
(
この
)
玉
(
たま
)
を
彼
(
かれ
)
に
持
(
も
)
たせ
置
(
お
)
く
時
(
とき
)
は、
169
再
(
ふたた
)
び
天地
(
てんち
)
の
間
(
あひだ
)
に
跋扈
(
ばつこ
)
跳梁
(
てうりやう
)
して
風水火
(
ふうすいくわ
)
の
天災
(
てんさい
)
を
誘起
(
いうき
)
するをもつて
170
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
神
(
かみ
)
がこれを
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げ、
171
此処
(
ここ
)
に
安置
(
あんち
)
しおき、
172
岩窟
(
がんくつ
)
の
底
(
そこ
)
深
(
ふか
)
く
竜王
(
りうわう
)
を
封
(
ふう
)
じ
置
(
お
)
かれたとの
事
(
こと
)
であつた。
173
さうして
174
此
(
この
)
玉
(
たま
)
は
伊太彦
(
いたひこ
)
が
自
(
みづか
)
ら
持
(
も
)
ち
帰
(
かへ
)
り
玉国別
(
たまくにわけ
)
に
渡
(
わた
)
せとの
神示
(
しんじ
)
である。
175
伊太彦
(
いたひこ
)
は
大
(
おほい
)
に
喜
(
よろこ
)
び、
176
種々
(
いろいろ
)
と
工夫
(
くふう
)
を
凝
(
こ
)
らして
其
(
その
)
玉
(
たま
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れ
恭
(
うやうや
)
しく
懐
(
ふところ
)
に
納
(
をさ
)
め、
177
又
(
また
)
もや
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
歌
(
うた
)
ひながら、
178
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
をさして
際限
(
さいげん
)
もなく
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
179
懐
(
ふところ
)
に
蔵
(
ざう
)
せし
玉
(
たま
)
の
光
(
ひかり
)
によつて
地底
(
ちてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
も
明
(
あか
)
くなり、
180
崎嶇
(
きく
)
たる、
181
或
(
あるひ
)
は
細
(
ほそ
)
く、
182
或
(
あるひ
)
は
狭
(
せま
)
き
岩穴
(
いはあな
)
を
潜
(
くぐ
)
つて
最低
(
さいてい
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
についた。
183
此処
(
ここ
)
には
岩蓋
(
いはぶた
)
が
施
(
ほどこ
)
して、
184
タクシャカ
竜王
(
りうわう
)
、
185
即
(
すなは
)
ち
九頭竜
(
くづりう
)
が
堅
(
かた
)
く
封
(
ふう
)
じ
込
(
こ
)
めてあつた。
186
伊太彦
(
いたひこ
)
は
佇立
(
ちよりつ
)
して
神示
(
しんじ
)
を
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
へたり。
187
『
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
高天
(
たかま
)
にて
188
天地
(
てんち
)
の
主
(
ぬし
)
と
現
(
あ
)
れませる
189
大国常立
(
おほくにとこたち
)
大神
(
おほかみ
)
は
190
宇宙
(
うちう
)
万有
(
ばんいう
)
造
(
つく
)
りなし
191
神
(
かみ
)
の
形
(
かたち
)
の
生宮
(
いきみや
)
を
192
最後
(
さいご
)
に
造
(
つく
)
りなさむとて
193
天足
(
あだる
)
の
彦
(
ひこ
)
や
胞場姫
(
えばひめ
)
の
194
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
をば
生
(
う
)
みたまふ
195
かかる
所
(
ところ
)
へ
天界
(
てんかい
)
の
196
海王星
(
かいわうせい
)
より
現
(
あら
)
はれし
197
汝
(
なんぢ
)
タクシャカ
竜王
(
りうわう
)
は
198
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
を
汚
(
けが
)
さむと
199
胞場
(
えば
)
の
身魂
(
みたま
)
に
憑依
(
ひようい
)
して
200
神
(
かみ
)
の
教
(
をしえ
)
に
背
(
そむ
)
かしめ
201
蒼生草
(
あをひとぐさ
)
を
悉
(
ことごと
)
く
202
罪
(
つみ
)
の
奴隷
(
どれい
)
と
汚
(
けが
)
したる
203
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
を
矯
(
た
)
めむとて
204
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
勅
(
みこと
)
もて
205
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
206
汝
(
なんぢ
)
を
此処
(
ここ
)
に
封
(
ふう
)
じまし
207
世
(
よ
)
の
禍
(
わざはひ
)
を
除
(
のぞ
)
かれぬ
208
さはさりながらタクシャカの
209
霊
(
みたま
)
の
邪気
(
じやき
)
が
世
(
よ
)
に
残
(
のこ
)
り
210
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
や
醜狐
(
しこぎつね
)
211
曲鬼
(
まがおに
)
数多
(
あまた
)
現
(
あら
)
はれて
212
神
(
かみ
)
の
造
(
つく
)
りし
御国
(
みくに
)
をば
213
汚
(
けが
)
し
曇
(
くも
)
らす
果敢
(
はか
)
なさよ
214
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
曲
(
まが
)
を
清
(
きよ
)
めむと
215
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
216
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
217
千座
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
ひたまひ
218
汝
(
なんぢ
)
が
犯
(
をか
)
せし
罪科
(
つみとが
)
を
219
宥
(
ゆる
)
して
地上
(
ちじやう
)
に
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げ
220
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御使
(
みつかひ
)
と
221
なさせたまはむ
思召
(
おぼしめし
)
222
汝
(
なんぢ
)
タクシャカ
竜王
(
りうわう
)
よ
223
吾
(
わ
)
が
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
ふ
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
を
224
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
悔悟
(
くわいご
)
して
225
喜
(
よろこ
)
び
仰
(
あふ
)
ぎ
聞
(
き
)
くならば
226
今
(
いま
)
こそ
汝
(
なんぢ
)
を
救
(
すく
)
ふべし
227
善悪
(
ぜんあく
)
邪正
(
じやせい
)
の
分
(
わか
)
れ
際
(
ぎは
)
228
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
復命
(
かへりごと
)
229
申
(
まを
)
させたまへ
惟神
(
かむながら
)
230
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて
231
茲
(
ここ
)
に
誠
(
まこと
)
を
述
(
の
)
べ
伝
(
つた
)
ふ
232
一
(
ひと
)
二
(
ふた
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
いつ
)
つ
六
(
む
)
つ
233
七
(
なな
)
八
(
や
)
九
(
ここの
)
つ
十
(
たり
)
百
(
もも
)
千
(
ち
)
234
万
(
よろづ
)
の
神
(
かみ
)
はアヅモスの
235
此
(
この
)
聖場
(
せいぢやう
)
に
集
(
あつ
)
まりて
236
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
を
水晶
(
すいしやう
)
の
237
世
(
よ
)
に
立直
(
たてなほ
)
し
天地
(
あめつち
)
の
238
一切
(
いちさい
)
衆生
(
しゆじやう
)
を
救
(
すく
)
ひます
239
畏
(
かしこ
)
き
御世
(
みよ
)
となりけるぞ
240
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
241
此処
(
ここ
)
に
伊太彦
(
いたひこ
)
現
(
あら
)
はれて
242
汝
(
なんぢ
)
が
清
(
きよ
)
き
返答
(
いらへ
)
まつ』
243
と
宣
(
の
)
り
終
(
をは
)
れば、
244
タクシャカ
竜王
(
りうわう
)
は、
245
見
(
み
)
るも
怖
(
おそ
)
ろしき
九頭
(
きうとう
)
一体
(
いつたい
)
の
巨躯
(
きよく
)
を
現
(
あら
)
はし、
246
各
(
おのおの
)
二
(
に
)
枚
(
まい
)
の
舌
(
した
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
し
乍
(
なが
)
ら、
247
口許
(
くちもと
)
から、
248
青
(
あを
)
、
249
赤
(
あか
)
、
250
紫
(
むらさき
)
、
251
白
(
しろ
)
、
252
黄
(
き
)
、
253
橄欖色
(
かんらんしよく
)
などの
煙
(
けぶり
)
を
盛
(
さか
)
んに
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
し、
254
忽
(
たちま
)
ち
白髪
(
はくはつ
)
赤面
(
せきめん
)
の
老人
(
らうじん
)
となり、
255
赤色
(
あかいろ
)
の
衣
(
ころも
)
を
全身
(
ぜんしん
)
に
纒
(
まと
)
ひ、
256
岩窟
(
がんくつ
)
の
戸
(
と
)
をパツと
開
(
ひら
)
いて
伊太彦
(
いたひこ
)
の
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
み
恭
(
うやうや
)
しく
目礼
(
もくれい
)
しながら、
257
歌
(
うた
)
をもつてこれに
答
(
こた
)
へた。
258
タクシャカ『
三千
(
さんぜん
)
年
(
ねん
)
の
古
(
いにしへ
)
より
259
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
大神
(
おほかみ
)
に
260
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
められし
吾
(
われ
)
こそは
261
タクシャカ
竜王
(
りうわう
)
魔
(
ま
)
の
頭
(
かしら
)
262
暴風
(
ばうふう
)
起
(
お
)
こし
火
(
ひ
)
を
放
(
はな
)
ち
263
豪雨
(
がうう
)
を
降
(
ふ
)
らして
天地
(
あめつち
)
を
264
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
乱
(
みだ
)
したる
265
吾
(
われ
)
は
悪魔
(
あくま
)
の
霊
(
みたま
)
ぞや
266
罪障
(
ざいしやう
)
深
(
ふか
)
き
吾
(
われ
)
こそは
267
八千万
(
はつせんまん
)
劫
(
ごふ
)
の
末
(
すゑ
)
迄
(
まで
)
も
268
常暗
(
とこやみ
)
なせる
岩窟
(
がんくつ
)
に
269
捨
(
す
)
てられ
苦
(
くる
)
しむものなりと
270
覚悟
(
かくご
)
を
極
(
きは
)
め
居
(
ゐ
)
たりしが
271
茲
(
ここ
)
に
一陽
(
いちやう
)
来復
(
らいふく
)
し
272
仁慈
(
じんじ
)
の
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
に
273
再
(
ふたた
)
び
吾
(
われ
)
を
世
(
よ
)
に
出
(
いだ
)
し
274
救
(
すく
)
はむ
為
(
ため
)
の
御
(
おん
)
使
(
つかひ
)
275
謹
(
つつし
)
み
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
276
いざ
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
一
(
いち
)
日
(
にち
)
も
277
早
(
はや
)
く
地上
(
ちじやう
)
に
救
(
すく
)
はれて
278
天地
(
てんち
)
の
陽気
(
やうき
)
を
調節
(
てうせつ
)
し
279
蒼生草
(
あをひとぐさ
)
や
鳥
(
とり
)
獣
(
けもの
)
280
草木
(
くさき
)
の
末
(
すゑ
)
に
至
(
いた
)
る
迄
(
まで
)
281
神
(
かみ
)
のまにまに
守
(
まも
)
るべし
282
救
(
すく
)
はせたまへ
神司
(
かむづかさ
)
283
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
犯
(
をか
)
せし
罪
(
つみ
)
を
悔
(
く
)
い
284
茲
(
ここ
)
に
至誠
(
しせい
)
を
吐露
(
とろう
)
して
285
改心
(
かいしん
)
誓
(
ちか
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る
286
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
287
御霊
(
みたま
)
の
恩頼
(
ふゆ
)
を
給
(
たま
)
へかし』
288
と
言葉
(
ことば
)
も
爽
(
さはや
)
かに
答
(
こた
)
へた。
289
伊太彦
(
いたひこ
)
は、
290
伊太彦
(
いたひこ
)
『タクシャカの
神
(
かみ
)
は
心
(
こころ
)
を
改
(
あらた
)
めて
291
服
(
まつろ
)
ふと
云
(
い
)
ひし
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
尊
(
たふと
)
き。
292
いざさらば
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
出
(
い
)
でまして
293
登
(
のぼ
)
らせたまへ
地
(
つち
)
の
表
(
おもて
)
に』
294
タクシャカ『
有難
(
ありがた
)
し
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
に
廻
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
ひ
295
君
(
きみ
)
に
遇
(
あ
)
ひたる
今日
(
けふ
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ。
296
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
悪
(
あ
)
しき
行
(
おこなひ
)
改
(
あらた
)
めて
297
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つに
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へむ』
298
伊太彦
(
いたひこ
)
『
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
の
知辺
(
しるべ
)
なしとも
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
299
因縁
(
ゆかり
)
ありせば
安
(
やす
)
くかへらせ』
300
斯
(
か
)
く
互
(
たがひ
)
に
歌
(
うた
)
を
交換
(
かうくわん
)
し、
301
タクシャカ
竜王
(
りうわう
)
を
従
(
したが
)
へ、
302
ワックス、
303
エルの
両人
(
りやうにん
)
に
先頭
(
せんとう
)
をさせ
乍
(
なが
)
ら、
304
隧道
(
すゐだう
)
を、
3041
或
(
あるひ
)
は
登
(
のぼ
)
り、
305
或
(
あるひ
)
は
下
(
くだ
)
り、
306
左右
(
さいう
)
に
屈曲
(
くつきよく
)
し
乍
(
なが
)
ら
漸
(
やうや
)
くにして、
307
元
(
もと
)
の
入口
(
いりぐち
)
に
登
(
のぼ
)
りついた。
308
(
大正一二・四・七
旧二・二二
於皆生温泉浜屋
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
玉国 >>>
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【第9章 夜光玉|第60巻|真善美愛|霊界物語|/rm6009】
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