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天地(あめつち)のなやみを救(すく)ふ神人(しんじん)を
押(お)しこめて見(み)よないふるかみなり〈序文（初）〉

愛善(あいぜん)の徳(とく)に充(み)ちたる神人(しんじん)を
知(し)らずに攻(せ)むる曲津(まがつ)神(かみ)ども〈序文（初）〉


　　　大正十四年六月十五日一行十三人元伊勢(もといせ)に詣でて
天照皇(あまてらすすめ)大神(おほかみ)の初盥(うぶだらひ)
来(き)たりて見(み)れば赤竜(せきりう)およぐ〈総説（初）〉

雨雲(あまぐも)の衣(きぬ)を破(やぶ)りて天津日(あまつひ)の
光刺(かげさ)しにけり元伊勢(もといせ)の宮(みや)〈総説（初）〉

王仁(おに)は今(いま)大江(おほえ)の山(やま)の麓(ふもと)なる
宮町(みやまち)に来(き)て鬼(おに)の絵(ゑ)見(み)しかな〈総説（初）〉

谷川(たにがは)の岩根(いはね)踏(ふ)み分(わ)け登(のぼ)り見(み)れば
岩戸神社(いはとじんしや)に又(また)も竜(りう)あり〈第1章（初）〉

新緑(しんりよく)の山路(やまぢ)を遡(たど)る十三(じふさん)の
神子(みこ)の勢(いきほ)ひ神山(みやま)ゆるがす〈第2章（初）〉


　　　綾部町会にのぞみて
木偶(でく)の坊(ばう)口先(くちさき)ばかり喧(やか)ましく
課税問題(かぜいもんだい)に永(なが)き日潰(ひつぶ)す〈第4章（初）〉

上(うへ)すぎるいな下(した)すぎる高(たか)い安(やす)い
なぞと雪隠虫(せつちんむし)の相談(さうだん)〈第6章（初）〉

公平(こうへい)だいな不公平(ふこうへい)だ去年式(きよねんしき)と
おにが居(ゐ)るので古(ふる)い事(こと)いふ〈第6章（初）〉

茶(ちや)と煙草欠伸(たばこあくび)にまでも節(ふし)つけて
袖(そで)にかくしぬしがみし面(むもて)を〈第8章（初）〉

半日(はんにち)を無駄(むだ)に潰(つぶ)した町会議(ちやうくわいぎ)
止(や)むなく明日(あす)にやり直(なほ)しする〈第8章（初）〉


世人(よびと)の知恵(ちゑ)は賢(さか)しくも
斯世(このよ)をのろふ魔(ま)が神(かみ)の
醜(しこ)のたくみは覚(さと)り得(え)じ
神(かみ)より出(い)でし真心(まごころ)の
礎(いしづゑ)かたく搗(つ)きかため
神(かみ)のまにまに進(すす)みなば
仁慈(みろく)の神(かみ)は人(ひと)の身(み)に
無限(むげん)の神力(みちから)たまふべし。〈巻末（初）〉

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【第60巻（亥の巻）｜霊界物語／rm608801】

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