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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第65巻(辰の巻)
序文
総説
第1篇 盗風賊雨
第1章 感謝組
第2章 古峽の山
第3章 岩侠
第4章 不聞銃
第5章 独許貧
第6章 噴火口
第7章 反鱗
第2篇 地異転変
第8章 異心泥信
第9章 劇流
第10章 赤酒の声
第11章 大笑裡
第12章 天恵
第3篇 虎熊惨状
第13章 隔世談
第14章 山川動乱
第15章 饅頭塚
第16章 泥足坊
第17章 山颪
第4篇 神仙魔境
第18章 白骨堂
第19章 谿の途
第20章 熊鷹
第21章 仙聖郷
第22章 均霑
第23章 義侠
第5篇 讃歌応山
第24章 危母玉
第25章 道歌
第26章 七福神
余白歌
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霊界物語
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山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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第65巻(辰の巻)
> 第2篇 地異転変 > 第12章 天恵
<<< 大笑裡
(B)
(N)
隔世談 >>>
第一二章
天恵
(
てんけい
)
〔一六六八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第65巻 山河草木 辰の巻
篇:
第2篇 地異転変
よみ(新仮名遣い):
ちいてんぺん
章:
第12章 天恵
よみ(新仮名遣い):
てんけい
通し章番号:
1668
口述日:
1923(大正12)年07月16日(旧06月3日)
口述場所:
祥雲閣
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年4月14日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2018-04-03 12:54:12
OBC :
rm6512
愛善世界社版:
137頁
八幡書店版:
第11輯 659頁
修補版:
校定版:
142頁
普及版:
65頁
初版:
ページ備考:
派生
[?]
この文献を底本として書かれたと思われる文献です。
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:
出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第六篇 宗教雑感 > 第七章 天恵
001
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
は、
002
バット、
003
カークス、
004
ベース、
005
ヤク、
006
エールの
五
(
ご
)
人
(
にん
)
を
従
(
したが
)
へ、
007
法螺貝
(
ほらがひ
)
を
吹
(
ふ
)
き
乍
(
なが
)
ら、
008
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へとエルサレムを
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
009
ヤクは
道々
(
みちみち
)
歌
(
うた
)
ふ。
010
ヤク『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
011
善神
(
ぜんしん
)
邪神
(
じやしん
)
を
立別
(
たてわ
)
ける
012
尊
(
たふと
)
き
御世
(
みよ
)
となりにけり
013
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
も
元
(
もと
)
はバラモンの
014
軍
(
いくさ
)
の
君
(
きみ
)
に
能
(
よ
)
く
仕
(
つか
)
へ
015
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
御心
(
みこころ
)
に
016
叶
(
かな
)
はむ
為
(
ため
)
と
朝夕
(
あさゆふ
)
に
017
馬
(
うま
)
の
手入
(
ていれ
)
や
其
(
その
)
外
(
ほか
)
の
018
雑役
(
ざうやく
)
などにいそしみて
019
嶮
(
けは
)
しき
山川
(
やまかは
)
打
(
うち
)
渡
(
わた
)
り
020
浮木
(
うきき
)
の
森
(
もり
)
まで
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
021
思
(
おも
)
ひ
掛
(
がけ
)
なき
大軍
(
たいぐん
)
の
022
旗色
(
はたいろ
)
悪
(
わる
)
き
吾
(
わが
)
軍
(
いくさ
)
023
ライオン
河
(
がは
)
を
打
(
うち
)
渡
(
わた
)
り
024
ビクトル
山
(
さん
)
や
猪倉
(
ゐのくら
)
の
025
山
(
やま
)
をば
又
(
また
)
もや
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
され
026
茲
(
ここ
)
に
愈
(
いよいよ
)
解散
(
かいさん
)
の
027
憂
(
う
)
き
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
うて
当惑
(
たうわく
)
し
028
吾
(
わが
)
故郷
(
ふるさと
)
へのめのめと
029
帰
(
かへ
)
らむ
顔
(
かほ
)
もなきままに
030
セールの
大尉
(
たいゐ
)
に
従
(
したが
)
ひて
031
虎熊山
(
とらくまやま
)
の
山砦
(
さんさい
)
に
032
泥棒
(
どろばう
)
のつとめを
相
(
あひ
)
果
(
は
)
たし
033
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
と
駆
(
かけ
)
めぐり
034
旅人
(
りよじん
)
を
掠
(
かす
)
め
居
(
ゐ
)
たりしが
035
軍
(
いくさ
)
の
君
(
きみ
)
の
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
036
元
(
もと
)
の
鬼春別
(
おにはるわけ
)
様
(
さま
)
が
037
比丘
(
びく
)
の
姿
(
すがた
)
となりまして
038
ハルセー
沼
(
ぬま
)
の
畔
(
ほとり
)
迄
(
まで
)
039
来
(
きた
)
らせたまふ
其
(
その
)
砌
(
みぎり
)
040
天地
(
てんち
)
の
道理
(
だうり
)
を
諭
(
さと
)
されて
041
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
立
(
たち
)
帰
(
かへ
)
り
042
すまぬ
事
(
こと
)
とは
知
(
し
)
り
乍
(
なが
)
ら
043
親分
(
おやぶん
)
なりしセールをば
044
甘
(
うま
)
くだまして
牢番
(
らうばん
)
と
045
化
(
ば
)
け
込
(
こ
)
み
今日
(
けふ
)
の
大芝居
(
おほしばゐ
)
046
打
(
う
)
ち
了
(
を
)
ふせたる
愉快
(
ゆくわい
)
さよ
047
さはさり
乍
(
なが
)
ら
此
(
この
)
前途
(
さき
)
は
048
何
(
ど
)
うして
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
ろやら
049
住
(
す
)
むには
家
(
いへ
)
なく
食
(
くら
)
ふには
050
糧
(
かて
)
なき
貧
(
まづ
)
しき
吾
(
わ
)
れこそは
051
善
(
ぜん
)
にならうと
焦
(
あせ
)
つても
052
どうやら
悪
(
あく
)
になり
相
(
さう
)
だ
053
心
(
こころ
)
の
弱
(
よわ
)
き
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
は
054
絶対
(
ぜつたい
)
無限
(
むげん
)
の
神力
(
しんりき
)
の
055
備
(
そな
)
はりませる
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
056
お
任
(
まか
)
せするより
仕様
(
しやう
)
がない
057
カークス、バット、エール、ベース
058
お
前
(
まへ
)
は
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
ふてるか
059
俺
(
おれ
)
は
此
(
こ
)
の
先
(
さ
)
き
案
(
あん
)
じられ
060
胸
(
むね
)
をこがしてゐるわいの
061
何程
(
なにほど
)
神力
(
しんりき
)
受
(
う
)
けたとて
062
元
(
もと
)
より
無学
(
むがく
)
な
吾々
(
われわれ
)
は
063
比丘
(
びく
)
にもなれず
如何
(
いか
)
にして
064
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御使
(
みつかひ
)
が
065
つとまり
相
(
さう
)
な
事
(
こと
)
はない
066
此奴
(
こいつ
)
は
何
(
なん
)
とか
工夫
(
くふう
)
して
067
身
(
み
)
の
振
(
ふり
)
方
(
かた
)
を
考
(
かんが
)
へにや
068
口
(
くち
)
のひあがる
虞
(
おそれ
)
あり
069
倉廩
(
さうりん
)
みちて
礼節
(
れいせつ
)
を
070
知
(
し
)
るとは
古人
(
こじん
)
の
金言
(
きんげん
)
だ
071
何程
(
なにほど
)
誠
(
まこと
)
の
教
(
をしへ
)
をば
072
滝
(
たき
)
の
如
(
ごと
)
くに
浴
(
あ
)
びせられ
073
雷
(
らい
)
の
如
(
ごと
)
くに
聞
(
き
)
かされて
074
いかに
心
(
こころ
)
が
開
(
ひら
)
くとも
075
お
腹
(
なか
)
が
空
(
す
)
いては
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
076
命
(
いのち
)
をつなぐ
術
(
すべ
)
もない
077
どしたら
此
(
こ
)
の
苦
(
く
)
が
遁
(
のが
)
れようか
078
コレコレもうし
比丘
(
びく
)
様
(
さま
)
よ
079
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
行先
(
ゆくさき
)
の
080
身
(
み
)
の
振
(
ふり
)
方
(
かた
)
を
詳細
(
まつぶさ
)
に
081
何卒
(
どうぞ
)
教
(
をし
)
へて
下
(
くだ
)
さんせ
082
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
との
分水嶺
(
ぶんすいれい
)
083
刹那心
(
せつなごころ
)
の
舵
(
かぢ
)
次第
(
しだい
)
084
船
(
ふね
)
を
覆
(
かへ
)
しちやなりませぬ
085
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
086
御恵
(
みめぐみ
)
深
(
ふか
)
き
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
087
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
前
(
まへ
)
に
慎
(
つつし
)
みて
088
偏
(
ひとへ
)
に
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る』
089
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
は
之
(
これ
)
に
答
(
こた
)
へて
歌
(
うた
)
ふ。
090
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
『
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
を
翔
(
た
)
つ
鳥
(
とり
)
も
091
山野
(
さんや
)
に
棲
(
すま
)
へる
獣
(
けだもの
)
も
092
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
包
(
つつ
)
まれて
093
今日
(
けふ
)
の
貯
(
たくは
)
へなくとても
094
立派
(
りつぱ
)
に
命
(
いのち
)
をつなぎ
居
(
を
)
る
095
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
096
天
(
てん
)
は
不食
(
ふじき
)
の
民草
(
たみぐさ
)
を
097
いかでか
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ふべき
098
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
叶
(
かな
)
ひなば
099
慈愛
(
じあい
)
の
神
(
かみ
)
は
吾々
(
われわれ
)
の
100
身魂
(
みたま
)
を
安
(
やす
)
きに
守
(
まも
)
りつつ
101
永遠
(
とは
)
の
栄
(
さかえ
)
と
喜
(
よろこ
)
びと
102
命
(
いのち
)
の
糧
(
かて
)
を
賜
(
たま
)
ふべし
103
抑
(
そもそ
)
も
人
(
ひと
)
はパンのみで
104
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
生
(
い
)
くべきものならず
105
霊
(
みたま
)
の
餌
(
ゑさ
)
を
沢山
(
たくさん
)
に
106
吸収
(
きふしう
)
したる
其
(
その
)
上
(
うへ
)
は
107
肉体
(
にくたい
)
守
(
まも
)
る
食物
(
しよくもつ
)
を
108
求
(
もと
)
むるならば
皇神
(
すめかみ
)
は
109
必要
(
ひつえう
)
と
認
(
みと
)
めし
物
(
もの
)
ならば
110
必
(
かなら
)
ず
授
(
さづ
)
け
給
(
たま
)
ふべし
111
神
(
かみ
)
の
誠
(
まこと
)
の
大道
(
おほみち
)
に
112
尽
(
つく
)
し
乍
(
なが
)
らも
食物
(
しよくもつ
)
に
113
貧
(
まづ
)
しく
暮
(
くら
)
し
苦
(
くるし
)
むは
114
未
(
いま
)
だ
全
(
まつた
)
く
皇神
(
すめかみ
)
の
115
心
(
こころ
)
に
叶
(
かな
)
はぬしるしぞや
116
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじゆう
)
の
真心
(
まごころ
)
に
117
立
(
たち
)
帰
(
かへ
)
りたる
人々
(
ひとびと
)
は
118
必
(
かなら
)
ず
衣食
(
いしよく
)
住業
(
ぢうげふ
)
に
119
普
(
あまね
)
く
幸
(
さち
)
はひ
賜
(
たま
)
ふべし
120
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
魂
(
たましひ
)
を
121
研
(
みが
)
いて
心
(
こころ
)
を
相清
(
あひきよ
)
め
122
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
を
歩
(
あゆ
)
むべし
123
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
共
(
とも
)
にあり
124
いかでか
見
(
み
)
すて
給
(
たま
)
はむや
125
鳥
(
とり
)
獣
(
けだもの
)
も
大神
(
おほかみ
)
は
126
豊
(
ゆたか
)
に
養
(
やしな
)
ひ
給
(
たま
)
ひます
127
況
(
いは
)
んや
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
128
飢
(
うゑ
)
て
死
(
し
)
すべき
理
(
り
)
あらむや
129
只
(
ただ
)
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
130
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
せ
131
心
(
こころ
)
を
砕
(
くだ
)
き
身
(
み
)
を
砕
(
くだ
)
き
132
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
吾
(
わが
)
業
(
わざ
)
に
133
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
仕
(
つか
)
ふべし
134
之
(
これ
)
が
処世
(
しよせい
)
の
第一
(
だいいち
)
の
135
万古
(
ばんこ
)
狂
(
くる
)
はぬ
要訣
(
えうけつ
)
ぞ
136
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
137
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
従
(
したが
)
ひて
138
汝
(
なれ
)
が
迷
(
まよ
)
へる
魂
(
たましひ
)
の
139
ひびきに
答
(
こた
)
へまつるなり
140
進
(
すす
)
めよ
進
(
すす
)
め
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
141
励
(
はげ
)
めよ
励
(
はげ
)
め
人
(
ひと
)
の
業
(
わざ
)
142
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
143
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
に
在
(
あ
)
り』
144
と
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
145
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
は
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
146
或
(
ある
)
小
(
ちひ
)
さき
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
に
着
(
つ
)
いた。
147
見
(
み
)
ればかんばしき
苺
(
いちご
)
が
大地
(
だいち
)
を
紅
(
くれなゐ
)
に
染
(
そめ
)
て、
148
人待顔
(
ひとまちがほ
)
に
稔
(
みの
)
つてゐる。
149
治道
(
ちだう
)
『さア
皆
(
みな
)
さま、
150
ここで
一服
(
いつぷく
)
せう。
151
之
(
こ
)
れ
見
(
み
)
よ。
152
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
はいろいろと
心配
(
しんぱい
)
してゐるが、
153
神
(
かみ
)
に
従
(
したが
)
つて
行
(
ゆ
)
く
道
(
みち
)
には
斯
(
か
)
ふいふ
天恵
(
てんけい
)
があるのだ。
154
畑
(
はたけ
)
に
作
(
つく
)
つた
苺
(
いちご
)
でなし、
155
誰
(
たれ
)
憚
(
はばか
)
らぬ
原野
(
げんや
)
の
中
(
なか
)
に
苺
(
いちご
)
が
熟
(
じゆく
)
して
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
を
待
(
ま
)
つてゐるぢやないか。
156
どれ
丈
(
だ
)
け
餓虎
(
がこ
)
の
勢
(
いきほひ
)
で
食
(
く
)
つたとて、
157
これ
丈
(
だけ
)
あれば、
158
百
(
ひやく
)
人
(
にん
)
や
二百
(
にひやく
)
人
(
にん
)
の
食料
(
しよくれう
)
は
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ。
159
又
(
また
)
先繰
(
せんぐ
)
り
先繰
(
せんぐ
)
り
新
(
あたら
)
しい
実
(
み
)
が、
160
斯
(
か
)
うして
根元
(
ねもと
)
の
方
(
はう
)
についてゐる。
161
サア
一
(
ひと
)
つ
感謝
(
かんしや
)
祈願
(
きぐわん
)
を
凝
(
こ
)
らして、
162
天恵
(
てんけい
)
の
美味
(
びみ
)
を
頂
(
いただ
)
かうぢやないか』
163
一同
(
いちどう
)
は、
164
『ハイ、
165
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います』
166
と
此処
(
ここ
)
に
腰
(
こし
)
を
据
(
す
)
え、
167
神
(
かみ
)
に
感謝
(
かんしや
)
し、
168
小口
(
こぐち
)
から
水
(
みづ
)
の
垂
(
た
)
るやうな
苺
(
いちご
)
を、
169
手
(
て
)
に
取
(
と
)
つては
食
(
く
)
ひ
喰
(
く
)
ひ
漸
(
やうや
)
く
腹
(
はら
)
を
拵
(
こしら
)
へた。
170
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
『
有難
(
ありがた
)
や
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
は
171
野
(
の
)
にも
山
(
やま
)
にもみち
足
(
た
)
らひけり。
172
餓
(
う
)
ゑ
渇
(
かわ
)
き
進
(
すす
)
みかねたる
人
(
ひと
)
の
子
(
こ
)
に
173
授
(
さづ
)
け
給
(
たま
)
ひぬ
命
(
いのち
)
の
味
(
あぢ
)
を。
174
虎熊
(
とらくま
)
の
山
(
やま
)
を
立
(
たち
)
出
(
い
)
で
今
(
いま
)
ここに
175
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
味
(
あぢ
)
はふ
嬉
(
うれ
)
しさ』
176
ヤク『
思
(
おも
)
ひきやあたりも
暗
(
くら
)
き
草
(
くさ
)
の
野
(
の
)
に
177
赤
(
あか
)
き
苺
(
いちご
)
の
稔
(
みの
)
りゐるとは』
178
エール『
蛇苺
(
へびいちご
)
ならむと
近寄
(
ちかよ
)
り
手
(
て
)
に
取
(
と
)
れば
179
いとど
美味
(
おい
)
しく
食
(
く
)
エール
苺
(
いちご
)
』
180
バット『うす
暗
(
ぐら
)
き
此
(
この
)
山路
(
やまみち
)
も
紅
(
くれなゐ
)
の
181
苺
(
いちご
)
にバットあかくなりける』
182
カークス『
皇神
(
すめかみ
)
は
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐみ
)
をカークスの
183
誠
(
まこと
)
の
人
(
ひと
)
に
与
(
あた
)
へ
給
(
たま
)
ひぬ』
184
ベース『
喉
(
のど
)
かわきベースをかきし
吾々
(
われわれ
)
も
185
今
(
いま
)
は
御神
(
みかみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
にうるほふ』
186
ヤク『
治道
(
ちだう
)
様
(
さま
)
、
187
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
心配
(
しんぱい
)
せなくても
可
(
い
)
いものですな。
188
私
(
わたし
)
達
(
たち
)
は
昨日
(
きのふ
)
から
一食
(
いつしよく
)
も
碌
(
ろく
)
にせず、
189
山坂
(
やまさか
)
を
下
(
くだ
)
り、
190
スタスタ
此処
(
ここ
)
迄
(
まで
)
やつて
参
(
まゐ
)
りましたが、
191
最早
(
もはや
)
腹
(
はら
)
はすき、
192
喉
(
のど
)
はかわき
一滴
(
いつてき
)
の
水
(
みづ
)
もなし、
193
進退
(
しんたい
)
維
(
これ
)
谷
(
きは
)
まるといふ
所
(
ところ
)
で
厶
(
ござ
)
いました。
194
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
で
既
(
すで
)
に
息
(
いき
)
つかうとした
時
(
とき
)
に、
195
かやうな
尊
(
たふと
)
い
苺
(
いちご
)
を
下
(
くだ
)
さるとは、
196
何
(
なん
)
とも、
197
例
(
たと
)
へ
方
(
がた
)
ない
有難
(
ありがた
)
さで
厶
(
ござ
)
います。
198
之
(
これ
)
を
思
(
おも
)
へば
199
決
(
けつ
)
して
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
吾々
(
われわれ
)
を
見殺
(
みごろし
)
にはなさりませぬな』
200
治道
(
ちだう
)
『さうだ。
201
人間
(
にんげん
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
与
(
あた
)
へて
下
(
くだ
)
さるものを
頂
(
いただ
)
いて
居
(
を
)
りさへすれば
安全
(
あんぜん
)
だ。
202
今
(
いま
)
の
人間
(
にんげん
)
は
食
(
く
)
つた
上
(
うへ
)
にも
食
(
く
)
ひ、
203
飲
(
の
)
んだ
上
(
うへ
)
にも
飲
(
の
)
み、
204
贅沢
(
ぜいたく
)
三昧
(
ざんまい
)
をして、
205
之
(
これ
)
は
甘
(
うま
)
いの、
206
不味
(
まずい
)
のと
小言
(
こごと
)
許
(
ばか
)
り
云
(
い
)
ふてゐるから、
207
生活難
(
せいくわつなん
)
の
声
(
こゑ
)
が
起
(
おこ
)
るのだ。
208
それで
物価
(
ぶつか
)
は
益々
(
ますます
)
騰貴
(
とうき
)
して
人民
(
じんみん
)
は
愈
(
いよいよ
)
苦
(
くるし
)
むのだ。
209
万人
(
ばんにん
)
が
万人
(
ばんにん
)
乍
(
なが
)
ら
神
(
かみ
)
の
恩恵
(
おんけい
)
を
有難
(
ありがた
)
く
感
(
かん
)
じ、
210
与
(
あた
)
へられたものを
頂
(
いただ
)
くといふ
事
(
こと
)
になれば、
211
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
貧乏
(
びんばふ
)
もなく、
212
病
(
やまひ
)
もなく、
213
又
(
また
)
争
(
あらそ
)
ひも
起
(
おこ
)
らぬ。
214
だから
吾々
(
われわれ
)
はどこ
迄
(
まで
)
も、
215
惟神
(
かむながら
)
の
道
(
みち
)
を
歩
(
あゆ
)
まねばならないのだ。
216
これで
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
有難
(
ありがた
)
い
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
つただらうな……。
217
オイ、
218
バット、
219
お
前
(
まへ
)
はバラモン
軍
(
ぐん
)
を
離
(
はな
)
れてから、
220
泥棒
(
どろばう
)
とまで
成
(
なり
)
下
(
さが
)
つて
居
(
を
)
つたが、
221
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
に
何
(
なに
)
か
愉快
(
ゆくわい
)
だと
思
(
おも
)
つた
事
(
こと
)
があるか、
222
あるなら
其
(
その
)
時
(
とき
)
の
感想
(
かんさう
)
を
私
(
わし
)
に
聞
(
き
)
かして
欲
(
ほ
)
しいものだ』
223
バット『ハイ、
224
私
(
わたし
)
が
貴師
(
あなた
)
の
部下
(
ぶか
)
となつて、
225
軍人
(
ぐんじん
)
生活
(
せいくわつ
)
をやつて
居
(
を
)
りました
時
(
とき
)
には、
226
随分
(
ずいぶん
)
辛
(
つら
)
う
厶
(
ござ
)
いましたよ。
227
上官
(
じやうくわん
)
からは
頭
(
あたま
)
を
抑
(
おさ
)
へられる。
228
又
(
また
)
少
(
すこ
)
しく
上官
(
じやうくわん
)
のお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らうとして
忠実
(
まめまめ
)
しく
働
(
はたら
)
けば、
229
同僚
(
どうれう
)
に
憎
(
にく
)
まれる。
230
不真面目
(
ふまじめ
)
な
阿諛
(
おべつか
)
主義
(
しゆぎ
)
の
奴
(
やつ
)
は
抜擢
(
ばつてき
)
されて、
231
すぐに
自分
(
じぶん
)
の
上役
(
うはやく
)
となり、
232
頭
(
あたま
)
を
抑
(
おさ
)
へる。
233
どうも
不平
(
ふへい
)
で
不平
(
ふへい
)
で、
234
一
(
いち
)
日
(
にち
)
だつて
心
(
こころ
)
の
安
(
やす
)
んじた
事
(
こと
)
はありませぬ。
235
そして
何時
(
なんどき
)
強敵
(
きやうてき
)
が
襲
(
おそ
)
ふて
来
(
く
)
るかも
知
(
し
)
れず、
236
さすれば
生命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
に
戦
(
たたか
)
はねばならず、
237
日夜
(
にちや
)
戦々
(
せんせん
)
恟々
(
きようきよう
)
として
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
りました』
238
治道
(
ちだう
)
『
成程
(
なるほど
)
お
前
(
まへ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
事実
(
じじつ
)
だ。
239
私
(
わし
)
だつて
三千
(
さんぜん
)
の
部下
(
ぶか
)
を
引
(
ひき
)
率
(
つれ
)
てをるものの、
240
上
(
うへ
)
には
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
があり、
241
又
(
また
)
同僚
(
どうれう
)
もあり、
242
部下
(
ぶか
)
もあり、
243
一方
(
いつぱう
)
に
強敵
(
きやうてき
)
を
控
(
ひか
)
へ
征途
(
せいと
)
に
上
(
のぼ
)
る
時
(
とき
)
の
苦
(
くる
)
しさ。
244
口
(
くち
)
では
立派
(
りつぱ
)
に
雄健
(
をたけ
)
びをしてゐるものの、
245
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
では、
246
随分
(
ずいぶん
)
煩悶
(
はんもん
)
苦悩
(
くなう
)
の
種
(
たね
)
をまいたよ。
247
そして
一戦
(
いつせん
)
に
味方
(
みかた
)
は
無残
(
むざん
)
な
最後
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げる。
248
又
(
また
)
仮令
(
たとへ
)
敵
(
てき
)
だと
云
(
い
)
つても、
249
無残
(
むざん
)
な
最後
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げてるのを
見
(
み
)
れば
胸
(
むね
)
は
痛
(
いた
)
む。
250
イヤ
全
(
まつた
)
く
地獄
(
ぢごく
)
修羅
(
しゆら
)
畜生
(
ちくしやう
)
の
巷
(
ちまた
)
に
彷徨
(
さまよ
)
う
様
(
やう
)
であつた。
251
治国別
(
はるくにわけ
)
様
(
さま
)
に
助
(
たす
)
けられ、
252
比丘
(
びく
)
となつた
時
(
とき
)
の
心
(
こころ
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ、
253
始
(
はじ
)
めて
広
(
ひろ
)
い
天地
(
てんち
)
に
生
(
うま
)
れた
様
(
やう
)
な
思
(
おも
)
ひがしたよ』
254
バット『
将軍
(
しやうぐん
)
様
(
さま
)
は
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
結構
(
けつこう
)
なお
役
(
やく
)
だと、
255
私
(
わたし
)
は
羨
(
うらや
)
んでゐましたが、
256
ヤツパリ
貴師
(
あなた
)
でもさうで
厶
(
ござ
)
いましたかなア。
257
さうすると
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に、
258
安心
(
あんしん
)
して
暮
(
くら
)
す
者
(
もの
)
は
一
(
いち
)
人
(
にん
)
もありませぬなア』
259
治道
(
ちだう
)
『
古人
(
こじん
)
も
云
(
い
)
つたぢやないか……
憂
(
う
)
き
事
(
こと
)
の
種類
(
しな
)
こそ
変
(
かは
)
れ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に、
260
心
(
うら
)
やすくてすむ
人
(
ひと
)
はなし……
此
(
この
)
歌
(
うた
)
[
※
第36巻第18章「心の天国」にも引用されているが、誰が詠んだ歌かは不明。
]
は
本当
(
ほんたう
)
に
人生
(
じんせい
)
の
苦
(
くる
)
しき
境遇
(
きやうぐう
)
を
歌
(
うた
)
つたものだ。
261
そしてお
前
(
まへ
)
は
以前
(
いぜん
)
泥棒
(
どろばう
)
になつて
居
(
ゐ
)
た
時
(
とき
)
、
262
何
(
なに
)
か
愉快
(
ゆくわい
)
に
感
(
かん
)
じた
事
(
こと
)
はないか』
263
バット『ハイ、
264
どうも
軍人
(
ぐんじん
)
生活
(
せいくわつ
)
の
時
(
とき
)
よりも
一層
(
いつそう
)
苦
(
くる
)
しう
厶
(
ござ
)
いました。
265
苦
(
くる
)
しいと
云
(
い
)
つても
軍人
(
ぐんじん
)
ならば
毎月
(
まいげつ
)
きまつてお
手当
(
てあて
)
が
頂
(
いただ
)
けますが、
266
泥棒
(
どろばう
)
といふ
奴
(
やつ
)
ア、
267
資本
(
もとで
)
のいらぬボロイ
商売
(
しやうばい
)
の
様
(
やう
)
ですが、
268
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
戦々
(
せんせん
)
恟々
(
きようきよう
)
として、
269
心
(
こころ
)
を
苦
(
くる
)
しめ
胸
(
むね
)
を
痛
(
いた
)
め、
270
そして
中々
(
なかなか
)
容易
(
ようい
)
に
収入
(
しうにふ
)
は
得
(
え
)
られませぬ。
271
仮令
(
たとへ
)
少
(
すこ
)
しの
金
(
かね
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れようとするにも、
272
戦
(
たたか
)
ひと
同様
(
どうやう
)
命
(
いのち
)
がけで
厶
(
ござ
)
います。
273
それに
又
(
また
)
何時
(
なんどき
)
捕手
(
とりて
)
が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るかも
知
(
し
)
れぬといふ
虞
(
おそれ
)
があり、
274
飯
(
めし
)
も
酒
(
さけ
)
も
満足
(
まんぞく
)
に
喉
(
のど
)
を
通
(
とほ
)
つた
事
(
こと
)
は
厶
(
ござ
)
いませぬ。
275
只
(
ただ
)
泥棒
(
どろばう
)
になつて
愉快
(
ゆくわい
)
に
感
(
かん
)
じたのは、
276
貴師
(
あなた
)
様
(
さま
)
にお
目
(
め
)
にかかり、
277
森林
(
しんりん
)
に
於
(
おい
)
て
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
話
(
はなし
)
を
承
(
うけたま
)
はつた
時
(
とき
)
と、
278
貴師
(
あなた
)
のお
身代
(
みがは
)
りになつて
牢獄
(
らうごく
)
の
中
(
なか
)
で
芝居
(
しばゐ
)
をした
時
(
とき
)
位
(
くらゐ
)
、
279
愉快
(
ゆくわい
)
に
感
(
かん
)
じた
事
(
こと
)
はありませぬ。
280
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らそれにもまして
愉快
(
ゆくわい
)
な
事
(
こと
)
は、
281
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
猛進
(
まうしん
)
し、
282
貴師
(
あなた
)
と
共
(
とも
)
に
聖地
(
せいち
)
エルサレムに
参拝
(
さんぱい
)
する
途中
(
とちう
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ
283
腹
(
はら
)
も
空
(
す
)
き
喉
(
のど
)
は
渇
(
かわ
)
き、
284
九死
(
きうし
)
一生
(
いつしやう
)
になつた
時
(
とき
)
、
285
天与
(
てんよ
)
の
苺
(
いちご
)
を
頂
(
いただ
)
いた
今
(
いま
)
の
喜
(
よろこ
)
びは、
286
生
(
うま
)
れてから
此
(
この
)
方
(
かた
)
、
287
まだ
味
(
あぢ
)
はつた
事
(
こと
)
が
厶
(
ござ
)
いませぬ。
288
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
289
治道
(
ちだう
)
『
人
(
ひと
)
は
何
(
ど
)
うしても、
290
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
苦労
(
くらう
)
せなくては、
291
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
恵
(
めぐみ
)
も
分
(
わか
)
らず、
292
又
(
また
)
飲食物
(
いんしよくぶつ
)
の
尊
(
たふと
)
い
事
(
こと
)
も
分
(
わか
)
らぬものだ。
293
サア
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
、
294
今
(
いま
)
のバットの
言
(
い
)
つた
様
(
やう
)
にお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
も
今
(
いま
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
愉快
(
ゆくわい
)
に
感
(
かん
)
じただらうのう』
295
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
一度
(
いちど
)
に『ハイ』と
云
(
い
)
つたきり、
296
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
にくれて
居
(
ゐ
)
る。
297
忽
(
たちま
)
ち
轟然
(
ぐわうぜん
)
たる
響
(
ひびき
)
が
後方
(
こうはう
)
に
聞
(
きこ
)
えた。
298
よくよく
見
(
み
)
れば
虎熊山
(
とらくまやま
)
は
大爆発
(
だいばくはつ
)
を
初
(
はじ
)
め、
299
山
(
やま
)
半分
(
はんぶん
)
以上
(
いじやう
)
は
黒煙
(
こくえん
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
300
大火災
(
だいくわさい
)
を
起
(
おこ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
301
一同
(
いちどう
)
は
此
(
こ
)
の
光景
(
くわうけい
)
を
眺
(
なが
)
め、
302
神
(
かみ
)
の
無限
(
むげん
)
の
仁慈
(
じんじ
)
を
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
感謝
(
かんしや
)
した。
303
(
大正一二・七・一六
旧六・三
於祥雲閣
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
隔世談 >>>
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