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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第65巻(辰の巻)
序文
総説
第1篇 盗風賊雨
第1章 感謝組
第2章 古峽の山
第3章 岩侠
第4章 不聞銃
第5章 独許貧
第6章 噴火口
第7章 反鱗
第2篇 地異転変
第8章 異心泥信
第9章 劇流
第10章 赤酒の声
第11章 大笑裡
第12章 天恵
第3篇 虎熊惨状
第13章 隔世談
第14章 山川動乱
第15章 饅頭塚
第16章 泥足坊
第17章 山颪
第4篇 神仙魔境
第18章 白骨堂
第19章 谿の途
第20章 熊鷹
第21章 仙聖郷
第22章 均霑
第23章 義侠
第5篇 讃歌応山
第24章 危母玉
第25章 道歌
第26章 七福神
余白歌
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霊界物語
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山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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第65巻(辰の巻)
> 第3篇 虎熊惨状 > 第14章 山川動乱
<<< 隔世談
(B)
(N)
饅頭塚 >>>
第一四章
山川
(
さんせん
)
動乱
(
どうらん
)
〔一六七〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第65巻 山河草木 辰の巻
篇:
第3篇 虎熊惨状
よみ(新仮名遣い):
とらくまさんじょう
章:
第14章 山川動乱
よみ(新仮名遣い):
さんせんどうらん
通し章番号:
1670
口述日:
1923(大正12)年07月16日(旧06月3日)
口述場所:
祥雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年4月14日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
スーラヤの湖(スダルマ湖の別名)
データ凡例:
データ最終更新日:
2018-07-07 22:28:45
OBC :
rm6514
愛善世界社版:
164頁
八幡書店版:
第11輯 669頁
修補版:
校定版:
171頁
普及版:
77頁
初版:
ページ備考:
001
デビス
姫
(
ひめ
)
『
三五教
(
あななひけう
)
の
神司
(
かむつかさ
)
002
厳
(
いづ
)
の
教
(
をしへ
)
の
三千彦
(
みちひこ
)
が
003
妻
(
つま
)
となりたるデビス
姫
(
ひめ
)
は
004
スダルマ
湖
(
うみ
)
の
岸辺
(
きしべ
)
にて
005
初稚姫
(
はつわかひめ
)
の
誡
(
いまし
)
めを
006
蒙
(
かうむ
)
り
茲
(
ここ
)
に
三千彦
(
みちひこ
)
と
007
互
(
たがひ
)
に
袂
(
たもと
)
を
別
(
わか
)
ちつつ
008
山川
(
やまかは
)
渡
(
わた
)
り
野路
(
のぢ
)
を
越
(
こ
)
え
009
深霧
(
ふかぎり
)
包
(
つつ
)
む
谷道
(
たにみち
)
を
010
潜
(
くぐ
)
りて
漸
(
やうや
)
く
虎熊
(
とらくま
)
の
011
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
の
密林
(
みつりん
)
に
012
かかる
折
(
をり
)
しも
岩窟
(
がんくつ
)
に
013
巣
(
す
)
を
構
(
かま
)
へたる
泥棒
(
どろばう
)
の
014
手下
(
てした
)
の
奴
(
やつ
)
に
囚
(
とら
)
へられ
015
縛
(
いましめ
)
られて
岩窟
(
がんくつ
)
の
016
牢獄
(
ひとや
)
の
中
(
なか
)
に
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
まれ
017
セールの
曲
(
まが
)
の
横恋慕
(
よこれんぼ
)
018
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なにつき
纏
(
まと
)
ふ
019
其
(
そ
)
のうるささを
科戸辺
(
しなどべ
)
の
020
風
(
かぜ
)
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ふことの
如
(
ごと
)
021
厳言霊
(
いづことたま
)
の
限
(
かぎ
)
りをば
022
尽
(
つく
)
して
曲
(
まが
)
を
逐
(
おひ
)
除
(
の
)
けつ
023
清
(
きよ
)
き
操
(
みさを
)
を
保
(
たも
)
ちけり
024
かかる
所
(
ところ
)
へブラヷーダ
025
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
も
隣室
(
りんしつ
)
に
026
悪魔
(
あくま
)
の
擒
(
とりこ
)
となり
果
(
は
)
てて
027
苦
(
くる
)
しみ
居
(
ゐ
)
るを
悟
(
さと
)
りしゆ
028
以心
(
いしん
)
伝心
(
でんしん
)
歌
(
うた
)
をもて
029
互
(
たがひ
)
に
心
(
こころ
)
を
通
(
かよ
)
はせつ
030
救
(
すく
)
ひの
神
(
かみ
)
の
出
(
い
)
でますを
031
神
(
かみ
)
に
祈
(
いの
)
りて
待
(
ま
)
つ
内
(
うち
)
に
032
又
(
また
)
もや
入
(
い
)
り
来
(
く
)
る
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
033
牢獄
(
ひとや
)
の
中
(
なか
)
にありますと
034
聞
(
き
)
くより
心
(
こころ
)
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
035
心
(
こころ
)
も
清
(
きよ
)
きヤク、エール
036
二人
(
ふたり
)
を
密
(
ひそか
)
に
使
(
つかひ
)
とし
037
作戦
(
さくせん
)
計画
(
けいくわく
)
打
(
う
)
ち
合
(
あは
)
せ
038
三人
(
みたり
)
の
身代
(
みがは
)
りこしらへて
039
漸
(
やうや
)
く
牢獄
(
ひとや
)
を
逃
(
のが
)
れ
出
(
で
)
て
040
時
(
とき
)
を
計
(
はか
)
らひセールをば
041
改心
(
かいしん
)
させむと
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
042
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
をとどろかし
043
響
(
ひび
)
き
来
(
きた
)
れる
宣伝歌
(
せんでんか
)
044
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
を
携
(
たづさ
)
へし
045
珍
(
うづ
)
の
司
(
つかさ
)
の
伊太彦
(
いたひこ
)
が
046
救援隊
(
きうゑんたい
)
と
知
(
し
)
るよりも
047
蚊竜
(
かうりう
)
忽
(
たちま
)
ち
時
(
とき
)
を
得
(
え
)
て
048
天
(
てん
)
に
上
(
のぼ
)
りし
其
(
その
)
如
(
ごと
)
く
049
互
(
たがひ
)
に
力
(
ちから
)
を
協
(
あは
)
せあひ
050
セール
其
(
その
)
他
(
た
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
051
醜
(
しこ
)
の
岩窟
(
いはや
)
に
火
(
ひ
)
を
放
(
はな
)
ち
052
又
(
また
)
もや
此処
(
ここ
)
に
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
053
伊太彦
(
いたひこ
)
司
(
つかさ
)
ブラヷーダ
054
をしき
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げながら
055
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
相守
(
あひまも
)
り
056
いとも
淋
(
さび
)
しき
山路
(
やまみち
)
を
057
妾
(
わらは
)
は
女
(
をんな
)
のただ
一人
(
ひとり
)
058
神
(
かみ
)
を
力
(
ちから
)
に
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
059
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
060
神
(
かみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
と
共
(
とも
)
にあり
061
天地
(
てんち
)
はすべて
皇神
(
すめかみ
)
の
062
守
(
まも
)
らせたまふ
懐
(
ふところ
)
ぞ
063
まことの
道
(
みち
)
に
叶
(
かな
)
ひなば
064
仮令
(
たとへ
)
百千
(
ひやくせん
)
万億
(
まんおく
)
の
065
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
や
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
066
醜
(
しこ
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
現
(
あら
)
はれて
067
行手
(
ゆくて
)
にさやる
事
(
こと
)
あるも
068
何
(
なに
)
かは
恐
(
おそ
)
れむ
敷島
(
しきしま
)
の
069
大和
(
やまと
)
御霊
(
みたま
)
の
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
070
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
071
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
072
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
073
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
074
誠
(
まこと
)
は
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
御
(
おん
)
宝
(
たから
)
075
夜光
(
やくわう
)
の
玉
(
たま
)
や
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
076
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
の
其
(
その
)
光
(
ひかり
)
077
如何
(
いか
)
に
奇
(
くす
)
しくあるとても
078
直日
(
なほひ
)
の
霊
(
たま
)
の
御光
(
みひかり
)
に
079
比
(
くら
)
ぶる
宝
(
たから
)
あらざらめ
080
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
081
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
082
直日
(
なほひ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
経
(
たて
)
となし
083
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
緯
(
ぬき
)
として
084
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
085
珍
(
うづ
)
の
教
(
をしへ
)
を
伝
(
つた
)
へ
行
(
ゆ
)
く
086
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
清
(
きよ
)
き
宣伝使
(
せんでんし
)
087
三千彦
(
みちひこ
)
司
(
つかさ
)
の
妻
(
つま
)
なれば
088
如何
(
いか
)
でか
道
(
みち
)
に
迷
(
まよ
)
ふべき
089
正義
(
せいぎ
)
に
刃向
(
はむか
)
ふ
刃
(
やいば
)
なし
090
仁慈
(
じんじ
)
の
太刀
(
たち
)
を
抜
(
ぬ
)
きかざし
091
信仰
(
しんかう
)
の
楯
(
たて
)
を
身
(
み
)
に
帯
(
おび
)
て
092
生言霊
(
いくことたま
)
を
打
(
う
)
ち
出
(
いだ
)
し
093
寄
(
よ
)
せ
来
(
く
)
る
曲
(
まが
)
を
言向
(
ことむ
)
けつ
094
国治立
(
くにはるたち
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
095
いや
永久
(
とこしへ
)
に
鎮
(
しづ
)
まれる
096
貴
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
に
進
(
すす
)
むべし
097
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
098
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
一人旅
(
ひとりたび
)
099
恵
(
めぐ
)
ませ
給
(
たま
)
へ
吾
(
わ
)
が
魂
(
みたま
)
100
偏
(
ひとへ
)
に
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る』
101
斯
(
か
)
く
謡
(
うた
)
ひ、
102
とある
山
(
やま
)
の
裾
(
すそ
)
を
進
(
すす
)
む
折
(
をり
)
しも、
103
轟然
(
ぐわうぜん
)
たる
大音響
(
だいおんきやう
)
と
共
(
とも
)
に、
104
背後
(
はいご
)
にあたる
虎熊山
(
とらくまやま
)
は
俄
(
にはか
)
に
爆発
(
ばくはつ
)
し、
105
熔岩
(
ようがん
)
を
降
(
ふ
)
らし、
106
山野
(
さんや
)
の
樹木
(
じゆもく
)
、
107
禽獣
(
きんじう
)
を
傷
(
きず
)
つけた。
108
デビス
姫
(
ひめ
)
は
此
(
この
)
爆音
(
ばくおん
)
に
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まり、
109
後
(
あと
)
ふり
返
(
かへ
)
り
眺
(
なが
)
むれば、
110
満天
(
まんてん
)
墨
(
すみ
)
を
流
(
なが
)
したる
如
(
ごと
)
く、
111
空
(
そら
)
翔
(
た
)
つ
鳥
(
とり
)
はバタリバタリと
地上
(
ちじやう
)
に
落
(
お
)
ちて
来
(
き
)
た。
112
デビス
姫
(
ひめ
)
は
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
113
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
熔岩
(
ようがん
)
の
雨
(
あめ
)
の
止
(
と
)
まらむ
事
(
こと
)
を
祈願
(
きぐわん
)
し
始
(
はじ
)
めた。
114
そこへ
何者
(
なにもの
)
かの
悲
(
かな
)
しげな
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
115
よく
見
(
み
)
れば
傍
(
かたはら
)
の
叢
(
くさむら
)
に、
116
尾
(
を
)
の
半分
(
はんぶん
)
許
(
ばか
)
り
白
(
しろ
)
い
野狐
(
のぎつね
)
が、
117
熔岩
(
ようがん
)
の
断片
(
だんぺん
)
に
臀部
(
でんぶ
)
を
打
(
う
)
たれて、
118
もだえ
苦
(
くる
)
しんで
居
(
ゐ
)
る。
119
デビス
姫
(
ひめ
)
は
見
(
み
)
るより
野狐
(
のぎつね
)
の
前
(
まへ
)
に
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
り、
120
両眼
(
りやうがん
)
に
涙
(
なみだ
)
を
浮
(
うか
)
べながら、
121
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
122
且
(
か
)
つ
親切
(
しんせつ
)
に
四辺
(
あたり
)
の
土
(
つち
)
を
掘
(
ほり
)
起
(
おこ
)
し、
123
唾
(
つば
)
をつけ、
124
臀部
(
でんぶ
)
の
岩片
(
がんぺん
)
をえぐり
出
(
だ
)
し、
125
傷痕
(
きずあと
)
を
埋
(
うめ
)
て、
1251
労
(
いた
)
はつた。
126
野狐
(
のぎつね
)
は
頻
(
しき
)
りに
頭
(
かしら
)
をさげ、
127
尾
(
を
)
を
幽
(
かす
)
かにふつて
感謝
(
かんしや
)
の
意
(
い
)
を
表
(
あら
)
はしてゐる。
128
暫
(
しばら
)
くすると
野狐
(
のぎつね
)
はむつくと
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
り、
129
足
(
あし
)
をチガチガさせ
乍
(
なが
)
ら、
130
後
(
あと
)
ふりかへり ふりかへり、
131
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
にも
余
(
あま
)
る
茅草
(
かやくさ
)
の
中
(
なか
)
に
隠
(
かく
)
れて
行
(
ゆ
)
く。
132
デビス
姫
(
ひめ
)
『
虎熊
(
とらくま
)
の
山
(
やま
)
は
俄
(
にはか
)
に
破裂
(
はれつ
)
して
133
艱
(
なや
)
ましにけり
野狐
(
のぎつね
)
の
身
(
み
)
までも。
134
草
(
くさ
)
も
木
(
き
)
も
鳥
(
とり
)
も
獣
(
けもの
)
も
虎熊
(
とらくま
)
の
135
猛
(
たけ
)
き
唸
(
うな
)
りに
恐
(
おそ
)
れ
戦
(
をのの
)
く。
136
獅子
(
しし
)
よりも
虎熊
(
とらくま
)
よりも
恐
(
おそ
)
ろしき
137
彼
(
か
)
の
爆音
(
ばくおん
)
に
天地
(
てんち
)
ふるひぬ。
138
皇神
(
すめかみ
)
の
教
(
をし
)
へ
給
(
たま
)
ひし
現世
(
うつしよ
)
の
139
あらたまり
行
(
ゆ
)
くしるしなるらむ。
140
野
(
の
)
も
山
(
やま
)
も
熔
(
と
)
けたる
岩
(
いは
)
や
火山灰
(
くわざんばひ
)
141
被
(
かぶ
)
りてふるふ
今日
(
けふ
)
ぞ
淋
(
さび
)
しき。
142
人
(
ひと
)
は
皆
(
みな
)
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
143
ほこれど
今
(
いま
)
は
顔色
(
がんしよく
)
もなし。
144
虎熊
(
とらくま
)
の
山
(
やま
)
の
荒
(
すさ
)
びにあらし
野
(
の
)
の
145
虎
(
とら
)
熊
(
くま
)
獅子
(
しし
)
もふるひ
戦
(
をのの
)
く。
146
三千彦
(
みちひこ
)
の
珍
(
うづ
)
の
司
(
つかさ
)
を
禍
(
わざはひ
)
に
147
合
(
あ
)
はせたまひそ
是
(
これ
)
の
艱
(
なや
)
みに。
148
玉国別
(
たまくにわけ
)
教司
(
をしへつかさ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
149
偲
(
しの
)
びけるかな
此
(
この
)
爆発
(
ばくはつ
)
に。
150
ブラヷーダ
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
は
幼
(
をさな
)
ければ
151
ひやしたまはむ
小
(
ちひ
)
さき
胸
(
むね
)
を。
152
治道
(
ちだう
)
居士
(
こじ
)
この
爆音
(
ばくおん
)
を
聞
(
き
)
きまさば
153
勇
(
いさ
)
みたまはむ
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
きつつ。
154
法螺
(
ほら
)
の
音
(
ね
)
はいとも
大
(
おほ
)
きく
聞
(
きこ
)
ゆとも
155
虎熊山
(
とらくまやま
)
に
及
(
およ
)
ばざるらむ。
156
初稚姫
(
はつわかひめ
)
伴
(
ともな
)
ひたまふスマートの
157
吠
(
ほえ
)
猛
(
たけ
)
る
声
(
こゑ
)
偲
(
しの
)
ばるるかな。
158
虎熊
(
とらくま
)
の
此
(
この
)
爆音
(
ばくおん
)
を
耳
(
みみ
)
にして
159
勇
(
いさ
)
みたまはむスマートの
君
(
きみ
)
。
160
野
(
の
)
も
山
(
やま
)
も
怪
(
あや
)
しき
霧
(
きり
)
に
包
(
つつ
)
まれぬ
161
虎熊山
(
とらくまやま
)
の
伊吹
(
いぶき
)
なるらむ。
162
古
(
いにしへ
)
のエトナの
山
(
やま
)
の
噴火
(
ふんくわ
)
より
163
いと
恐
(
おそ
)
ろしき
虎熊
(
とらくま
)
の
山
(
やま
)
。
164
言霊別
(
ことたまわけ
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
のあひましし
165
百
(
もも
)
の
艱
(
なや
)
みを
偲
(
しの
)
ばるるかな。
166
エトナ
山
(
さん
)
震
(
ふる
)
ひ
出
(
いだ
)
して
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
は
167
大水
(
おほみづ
)
あふれ
風
(
かぜ
)
吹
(
ふ
)
きまくる。
168
救
(
すく
)
ひをば
叫
(
さけ
)
び
悲
(
かな
)
しむ
民
(
たみ
)
の
声
(
こゑ
)
も
169
この
爆音
(
ばくおん
)
に
聞
(
きこ
)
えずなりぬ。
170
東
(
ひむがし
)
の
山
(
やま
)
の
御空
(
みそら
)
を
眺
(
なが
)
むれば
171
日
(
ひ
)
は
落
(
お
)
ち
月
(
つき
)
は
後
(
あと
)
に
輝
(
かがや
)
く。
172
盗人
(
ぬすびと
)
のたて
籠
(
こ
)
もりたる
高山
(
たかやま
)
を
173
破
(
やぶ
)
らせにけむ
神
(
かみ
)
は
怒
(
いか
)
りて。
174
虎熊
(
とらくま
)
の
生血
(
いきち
)
を
絞
(
しぼ
)
る
岩窟
(
がんくつ
)
も
175
火
(
ひ
)
の
洗礼
(
せんれい
)
を
受
(
う
)
けて
清
(
きよ
)
まる。
176
噴火
(
ふんくわ
)
のみか
山
(
やま
)
の
尾上
(
をのへ
)
に
山潮
(
やましほ
)
の
177
みなぎりおつる
様
(
さま
)
ぞ
恐
(
おそ
)
ろし。
178
熔岩
(
ようがん
)
を
数多
(
あまた
)
噴
(
ふ
)
き
出
(
いで
)
四方
(
よも
)
八方
(
やも
)
の
179
人
(
ひと
)
の
命
(
いのち
)
をやぶらむとしぬ。
180
爆発
(
ばくはつ
)
の
後
(
あと
)
の
山地
(
やまつち
)
ひきならし
181
太
(
ふと
)
しく
立
(
た
)
てむ
神
(
かみ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
を。
182
日
(
ひ
)
も
月
(
つき
)
も
皆
(
みな
)
みあらかに
納
(
をさ
)
まりて
183
常夜
(
とこよ
)
の
暗
(
やみ
)
を
照
(
てら
)
したまはむ』
184
(
大正一二・七・一六
旧六・三
於祥雲閣
加藤明子
録)
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【第14章 山川動乱|第65巻|山河草木|霊界物語|/rm6514】
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