霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 山颪(やまおろし)〔一六七三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第65巻 山河草木 辰の巻 篇:第3篇 虎熊惨状 よみ(新仮名遣い):とらくまさんじょう
章:第17章 山颪 よみ(新仮名遣い):やまおろし 通し章番号:1673
口述日:1923(大正12)年07月17日(旧06月4日) 口述場所:祥雲閣 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年4月14日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ:スーラヤの湖(スダルマ湖の別名) データ凡例: データ最終更新日:2018-07-07 22:29:11 文字数:2969 OBC :rm6517
愛善世界社版:191頁 八幡書店版:第11輯 678頁 修補版: 校定版:199頁 普及版:87頁 初版: ページ備考:
001ブラヷーダ姫(ひめ)『神(かみ)が表(おもて)に現(あら)はれて
002善(ぜん)と悪(あく)とを立別(たてわ)ける
003此(この)世(よ)を造(つく)りし神直日(かむなほひ)
004心(こころ)も広(ひろ)き大直日(おほなほひ)
005只(ただ)何事(なにごと)も人(ひと)の世(よ)は
006直日(なほひ)に見直(みなほ)し聞直(ききなほ)し
007詔直(のりなほ)し行(ゆ)く神(かみ)の道(みち)
008スダルマ湖(うみ)を打(うち)渡(わた)り
009山野(やまの)を越(こ)えて漸(やうや)くに
010ハルセイ山(ざん)の峠(たうげ)をば
011半(なか)ば登(のぼ)れる折(をり)もあれ
012行(ゆ)き疲(つか)れたる足弱(あしよわ)の
013忽(たちま)ち大地(だいち)に打(うち)倒(たふ)れ
014進退(しんたい)ここに谷(きは)まりて
015息(いき)たえだえになりし時(とき)
016仁慈(じんじ)無限(むげん)の大神(おほかみ)の
017道(みち)の司(つかさ)の三千彦(みちひこ)が
018現(あら)はれまして危難(きなん)をば
019救(すく)はせ給(たま)ひし嬉(うれ)しさよ
020その真心(まごころ)にほだされて
021忽(たちま)ち眼(まなこ)相(あひ)晦(くら)み
022燃(も)ゆる情火(じやうくわ)の消(け)し難(がた)く
023已(すで)に危(あやふ)く貞操(ていさう)の
024破(やぶ)れむとするその時(とき)に
025天教山(てんけうざん)にあれませる
026木花姫(このはなひめ)の御(おん)化身(けしん)
027デビスの姫(ひめ)と現(あら)はれて
028深(ふか)き教(をしへ)を宣(の)り給(たま)ひ
029ここに二人(ふたり)は夢(ゆめ)覚(さ)めて
030惜(を)しき袂(たもと)を分(わか)ちつつ
031男(をとこ)の足(あし)のいと早(はや)く
032三千彦(みちひこ)司(つかさ)は出(い)でましぬ
033妾(わらは)は後(あと)に只(ただ)一人(ひとり)
034踏(ふ)みも習(なら)はぬ旅(たび)の空(そら)
035険(けは)しき阪(さか)をやうやうに
036攀(よぢ)登(のぼ)り行(ゆ)く苦(くる)しさよ
037三五教(あななひけう)の大御神(おほみかみ)
038繊弱(かよわ)き妾(わらは)を憐(あは)れみて
039一日(ひとひ)も早(はや)く吾(わが)夫(つま)の
040御顔(みかほ)を拝(をが)ませ賜(たま)へかし
041御空(みそら)は高(たか)く限(かぎ)りなし
042大地(だいち)は広(ひろ)く極(きは)みなし
043これの天地(てんち)の人草(ひとぐさ)の
044数(かず)限(かぎ)りなく住(す)むとても
045妾(わらは)が身魂(みたま)を生(い)かしまし
046慰(なぐさ)め給(たま)ふ生神(いきがみ)は
047たつた一人(ひとり)の伊太彦(いたひこ)ぞ
048あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
049守(まも)らせ給(たま)へ今日(けふ)の旅(たび)
050ハルセイ山(ざん)の阪道(さかみち)は
051昼(ひる)と夜(よる)との区別(わかち)なく
052醜(しこ)の盗人(ぬすびと)出没(しゆつぼつ)し
053旅人(りよにん)を掠(かす)めなやますと
054聞(き)いたる時(とき)の驚(おどろ)きは
055小(ちひ)さき女(をんな)の腸(はらわた)に
056驚異(きやうい)の波(なみ)を打(う)たせけり
057さは去(さ)り乍(なが)ら吾々(われわれ)は
058天地(てんち)を造(つく)り給(たま)ひたる
059絶対(ぜつたい)無限(むげん)の神(かみ)様(さま)の
060大道(おほぢ)を進(すす)み行(ゆ)くものぞ
061誠心(まことごころ)を立(たて)貫(ぬ)いて
062正(ただ)しき道(みち)を進(すす)むなら
063如何(いか)なる仇(あだ)も枉神(まがかみ)も
064いかで一指(いつし)を染(そ)め得(え)むや
065あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
066御霊(みたま)の恩頼(ふゆ)を願(ね)ぎ奉(まつ)る』
067 ブラヷーダは峠(たうげ)の頂(いただ)きに漸(やうや)く登(のぼ)りつめ、068朧月夜(おぼろづきよ)ながら眼下(がんか)に並立(へいりつ)する連峯(れんぽう)の頂(いただき)の彼方(かなた)此方(こなた)に、069薄(うす)い霧(きり)の上(うへ)から浮(う)いて現(あら)はれてゐる光景(くわうけい)を眺(なが)め、
070ブラヷーダ姫(ひめ)『ハルセイの峠(たうげ)に立(た)ちて眺(なが)むれば
071四方(よも)の山々(やまやま)真下(ました)に見(み)えける。
072霧(きり)の海(うみ)に浮(うか)べる山(やま)の頂(いただ)きは
073神(かみ)の造(つく)りし家(いへ)かとぞ思(おも)ふ。
074三千彦(みちひこ)の神(かみ)の司(つかさ)に助(たす)けられ
075漸(やうや)く頂上(そら)に着(つ)きにけるかな。
076大空(おほそら)に月(つき)はませども村肝(むらきも)の
077心(こころ)にかかる雲(くも)にかくれつ。
078伊太彦(いたひこ)の吾(わが)背(せ)の君(きみ)は如何(いか)にして
079これの山路(やまぢ)を越(こ)えましにけむ。
080治道(ちだう)居士(こじ)吹(ふ)き立(た)て給(たま)ふ法螺(ほら)の音(ね)も
081聞(きこ)えずなりぬ遠(とほ)く行(ゆ)きけむ。
082淋(さび)しさは吾(わが)身(み)に迫(せま)り来(きた)るなり
083人影(ひとかげ)もなき山(やま)の尾(を)の上(へ)は。
084天地(あめつち)の神(かみ)の恵(めぐみ)に包(つつ)まれし
085吾(わが)身(み)なれども心(こころ)淋(さび)しき。
086いざさらば暫(しば)し芝生(しばふ)にやすらひて
087駒(こま)立(た)て直(なほ)し下(くだ)り進(すす)まむ』
088と疲(つか)れた足(あし)を休(やす)むべく芝生(しばふ)の上(うへ)に腰(こし)打(うち)掛(か)け、089天(あま)の数歌(かずうた)を歌(うた)ひ合掌(がつしやう)して居(ゐ)る。
090 四辺(あたり)の木蔭(こかげ)からバラバラバラと現(あら)はれし三四(さんし)の泥棒(どろばう)、091ブラヷーダの前(まへ)に立(たち)塞(ふさ)がり、092甲(かふ)は顔中(かほぢう)を縦横(たてよこ)十文字(じふもんじ)に振(ふ)り動(うご)かせ乍(なが)ら、
093甲(かふ)(卑怯(ひけふ)な声(こゑ))『コヽヽヽコレ、094女(をんな)のタヽヽ旅人(たびびと)、095ドヽヽヽどこへ行(ゆ)くのだ』
096ブラヷ『ハイ妾(わらは)は神(かみ)様(さま)の御用(ごよう)でエルサレムへ参拝(さんぱい)を致(いた)し、097月(つき)の国(くに)の都(みやこ)へ進(すす)む女(をんな)で厶(ござ)います』
098甲(かふ)『ナヽヽヽ何(なん)だ。099月(つき)の国(くに)へ行(ゆ)く? ヘン、100小女(こめ)ツちよの態(ざま)をして、101只(ただ)一人(ひとり)、102そんな処(ところ)へ無事(ぶじ)行(ゆ)けると思(おも)ふか。103コレヤ、104おれをドヽヽどなたと心得(こころえ)てる。105天下(てんか)晴(は)れてのデーダラボッチ……ウント ドツコイ、106大(おほ)道路妨(だうろばう)様(さま)だぞ』
107 折(をり)から中秋(ちうしう)の月(つき)は雲(くも)を押(お)し分(わ)け下界(げかい)を照(て)らし給(たま)ふと共(とも)に、108珍妙(ちんめう)な甲(かふ)の顔(かほ)はパツと姫(ひめ)の前(まへ)に展開(てんかい)した。
109 ブラヷーダは可笑(をか)しさに堪(こら)へきれず、110『プツフヽヽヽ』と吹(ふ)き出(だ)した。
111甲(かふ)『オイ、112小女(こめ)ツちよ、113何(なに)が可笑(をか)しいのだい』
114 ブラヷーダは到頭(たうとう)悪胴(わるどう)を据(す)ゑて了(しま)つた。
115ブラヷ『ホヽヽヽヽ、116あのまア、117馬(うま)とも猿(さる)とも化物(ばけもの)とも分(わか)らぬやうな顔(かほ)わいのう。118ハルナの都(みやこ)へでも捕獲(ほくわく)して持(も)つて行(い)つて、119動物園(どうぶつゑん)にでも売(う)つたら金儲(かねまう)けが出来(でき)るだらう。120あゝ良(い)いものが見付(みつ)かつた。121コラ妖怪(えうくわい)、122妾(わらは)が今(いま)に生捕(いけど)つてやるから神妙(しんめう)に手(て)をまはしたが宜(よ)からうぞや』
123甲(かふ)『オイ、124キヨキヨキヨ兄弟(きやうだい)、125此奴(こいつ)ア仲々(なかなか)度胸(どきよう)の太(ふと)い女(をんな)だぞ。126バヽヽヽ化物(ばけもの)ではあるまいかな』
127乙(おつ)『コーリヤ、128ヤイ、129女(をんな)の分際(ぶんざい)として、130七(しち)尺(しやく)の男子(だんし)に向(むか)つて暴言(ばうげん)を吐(は)くとは何事(なにごと)だ。131此(この)方(はう)は泥棒(どろばう)様(さま)の親分(おやぶん)だ。132綺麗(きれい)サツパリと持物(もちもの)一切(いつさい)を投(なげ)出(だ)し真裸(まつぱだか)となれ。133四(し)の五(ご)と申(まを)して六(ろく)でもない事(こと)を七(なら)べるに於(おい)ては此(この)方(はう)の鉄腕(てつわん)によつて八々(ばちばち)と張(は)り倒(たふ)し、134九々(くく)首(くび)引(ひき)抜(ぬ)いて、135生命(いのち)を十々(とと)取(と)つて了(しま)ふぞ。136さア最早(もはや)百年目(ひやくねんめ)だ。137千万言(せんまんげん)を費(つひや)して、138弁解(べんかい)しても聞(き)く耳(みみ)もたぬ此(この)方(はう)、139素直(すなほ)に往生(わうじやう)致(いた)すが宜(よ)からう。140さすれば貴様(きさま)の親譲(おやゆづ)りのサック丈(だけ)は助(たす)けてやらう』
141ブラヷ『ホヽヽヽヽ、142アタ甲斐性(かひしやう)のない。143荒男(あらをとこ)が繊弱(かよわ)き女(をんな)の一人(ひとり)を捉(つか)まへて、144嚇(おど)しの文句(もんく)を並(なら)べるとは、145話(はなし)にならぬ腰抜(こしぬ)けだな。146お前(まへ)も定(さだ)めて両親(りやうしん)があるだらう。147こんな厄雑(やくざ)ものを生(う)んだ親(おや)の顔(かほ)が見(み)たいものだわ。148あのまア、149情(なさけ)ない顔(かほ)わいのう。150空威張(からゐば)りばつかりして体中(からだぢう)が慄(ふる)ふてるぢやないか』
151甲(かふ)『ナヽヽヽ何分(なにぶん)商売(しやうばい)に慣(な)れぬ新米(しんまい)だから、152チヽヽヽ些(ちつ)とは慄(ふる)ふのも当然(たうぜん)だ。153お前(まへ)だつて初(はじ)めて男(をとこ)に接(せつ)した時(とき)は慄(ふる)ふだらう。154何(なん)と云(い)つても今(いま)が初陣(うひぢん)だから、155さう見(み)さげたものぢやないわい』
156丙(へい)『コリヤ両人(りやうにん)、157何(なん)と云(い)ふ……貴様(きさま)は腰抜(こしぬ)けだ。158さア之(これ)から俺(おれ)が一(ひと)つ取(と)ツ詰(つ)めてやらう。159俺(おれ)の遣(や)り口(くち)を貴様(きさま)見(み)てゐるのだぞ』
160と云(い)ふより早(はや)く鉄拳(てつけん)を固(かた)めて、161女(をんな)の横面(よこつら)をポカツと殴(なぐ)りつけようとした。162ブラヷーダは手早(てばや)く身(み)を竦(すく)めた途端(とたん)に足(あし)をさらつた。163何条(なんでう)以(もつ)て堪(たま)るべき、164二(ふた)つ三(み)つ筋斗(もんどり)打(う)つて、165急勾配(きふこうばい)の坂道(さかみち)へ四五間(しごけん)斗(ばか)り転(ころ)げ込(こ)み、166額(ひたひ)をしたたか打(う)つて、167ウンと云(い)つたきり、168平太(へた)つて了(しま)つた。169ブラヷーダは此(この)態(てい)を見(み)て勇気(ゆうき)頓(とみ)に加(くは)はり、
170ブラヷ『ホヽヽヽヽ、171泥棒(どろばう)の親分(おやぶん)か知(し)らぬが、172随分(ずいぶん)弱(よわ)いものだな。173オイ、174そこな小童(こわつぱ)ども、175お前(まへ)達(たち)も一(ひと)つ抓(つま)んで放(ほ)つてやらうか』
176甲(かふ)『ナヽヽヽ何(なに)を吐(ぬか)すのだい。177こんな所(ところ)で猫(ねこ)かなんぞの様(やう)に、178抓(つま)んで放(ほ)られて堪(たま)るかい。179オイ、180手(て)をつないでくれ。181さうすりや、182何程(なんぼ)強(つよ)い女(をんな)でも、183滅多(めつた)に投(な)げる気遣(きづか)ひはないから』
184乙(おつ)『ソヽヽヽそれよりも逃(に)げるが勝(かち)だ』
185甲(かふ)『ニヽヽヽ逃(に)げると云(い)つたつて、186交通(かうつう)機関(きくわん)が命令(めいれい)を聞(き)かぬぢやないか』
187と体(からだ)をガタガタ、188足(あし)をワナワナ、189唇(くちびる)を紫色(むらさきいろ)に染(そめ)て戦(をのの)いてゐる。
190ブラヷ『ホヽヽヽ、191泥棒(どろばう)と云(い)ふものは、192もう些(ちつ)と気(き)の利(き)いたものかと思(おも)つたら、193弱(よわ)いものだな。194それもさうだらう。195なすべき事業(じげふ)が沢山(たくさん)あるのに、196何一(なにひと)つようせぬ無器用(ぶきよう)な、197甲斐性(かひしやう)のない代物(しろもの)だから、198働(はたら)かずに人(ひと)の物(もの)を掠(かす)めて露命(ろめい)を繋(つな)がうと云(い)ふ奴(やつ)だもの、199気骨(きこつ)のあるものは、200有(あ)り相(さう)な道理(だうり)がない。201扨(さて)も扨(さて)も可憐(かわい)さうなものだな。202こりや二人(ふたり)の泥棒(どろばう)、203お前(まへ)も一(ひと)つ改心(かいしん)せい……。2031と云(い)つても出来(でき)まいが、204せめて泥棒(どろばう)だけは止(や)めたがよからうぞ。205こんな事(こと)を致(いた)して居(ゐ)ると、206終(しま)ひには生命(いのち)もなくなつて了(しま)ふぞや』
207乙(おつ)『ハイ、208もうこれ限(ぎ)りで泥棒(どろばう)はやめます。209何卒(どうぞ)御(ご)機嫌(きげん)よう、210ここをお通(とほ)り下(くだ)さいませ』
211ブラヷーダ姫(ひめ)『初(はじ)めての旅路(たびぢ)に出(い)でて初(はじめ)ての
212小盗人(こぬすびと)等(ら)に初(はじ)めて遭(あ)ひぬ。
213いざさらば小盗人(こぬすびと)達(たち)別(わか)れなむ
214心(こころ)改(あらた)め善(ぜん)にかへれよ』
215 甲(かふ)乙(おつ)一度(いちど)に、
216『盗(ぬす)みする心(こころ)はもとより無(な)けれども
217命(いのち)惜(をし)さに迷(まよ)ひぬるかな。
218今(いま)よりは仮令(たとへ)死(し)すとも盗人(ぬすびと)は
219孫(まご)の代(だい)まで致(いた)しますまい』
220 傍(かたはら)の密樹(みつじゆ)の蔭(かげ)より四辺(あたり)に響(ひび)く男(をとこ)の声(こゑ)、
221『ブラヷーダ姫(ひめ)の命(みこと)よ逸早(いちはや)く
222下(くだ)り行(ゆ)きませ阪(さか)三千彦(みちひこ)を』
223ブラヷーダ姫(ひめ)『音(おと)に聞(き)く険(けは)しき峠(たうげ)の坂(さか)三千(みち)を
224彦々(ひこひこ)として下(くだ)り行(ゆ)かまし』
225と答(こた)へ乍(なが)ら226又(また)もや宣伝歌(せんでんか)を謡(うた)ひつつ次第(しだい)々々(しだい)に遠(とほ)ざかり行(ゆ)く。227三(さん)人(にん)の泥棒(どろばう)は転(こ)けつ輾(まろ)びつ、228林(はやし)の中(なか)に姿(すがた)を隠(かく)した。
229三千(みち)『アハヽヽヽヽ、230悪(あく)と云(い)ふものは、231正義(せいぎ)の前(まへ)には弱(よわ)いものだな』
232(大正一二・七・一七 旧六・四 於祥雲閣 北村隆光録)
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