霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二六章 七福神(しちふくじん)〔一六八二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第65巻 山河草木 辰の巻 篇:第5篇 讃歌応山 よみ(新仮名遣い):さんかおうさん
章:第26章 七福神 よみ(新仮名遣い):しちふくじん 通し章番号:1682
口述日:1923(大正12)年07月18日(旧06月5日) 口述場所:祥雲閣 筆録者:北村隆光、加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1926(大正15)年4月14日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6526
愛善世界社版:298頁 八幡書店版:第11輯 717頁 修補版: 校定版:311頁 普及版:135頁 初版: ページ備考:
001 ()出別(わけの)(みこと)左右(さいう)には道彦(みちひこ)002安彦(やすひこ)両人(りやうにん)(したが)ひ、003初稚姫(はつわかひめ)一行(いつかう)(みちび)いて数百旒(すうひやくりう)五色(ごしき)(はた)(かぜ)(ひるがへ)(なが)ら、004百花(ひやくくわ)爛漫(らんまん)たるゲッセマネの(その)にと(すす)()つた。005玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)竜王(りうわう)三個(さんこ)(たま)捧持(ほうぢ)して(きた)りし(その)功績(こうせき)(しやう)する()め、006(とく)埴安彦(はにやすひこの)(みこと)(めい)により歓迎宴(くわんげいえん)(ひら)かれた。007ゲッセマネの(その)には種々(しゆじゆ)作物(つくりもの)や、008音楽(おんがく)演劇(えんげき)(さか)んに(もよほ)されて()た。009さうしてコウカス(さん)よりは、010言依別(ことよりわけの)(みこと)数多(あまた)神司(かむつかさ)()()れ、011二三(にさん)日前(にちまへ)(はや)くも聖地(せいち)到着(たうちやく)されて()た。
012 玉国別(たまくにわけ)013真純彦(ますみひこ)途中(とちう)(おい)初稚姫(はつわかひめ)に『聖地(せいち)結構(けつこう)(ところ)(おそ)ろしい(ところ)だ』と(いまし)められ、014筋肉(きんにく)(まで)緊張(きんちやう)させ()たにも(かか)はらず、015この大袈裟(おほげさ)歓迎(くわんげい)(きも)をつぶし、016(ゆめ)かと(ばか)(あき)れてゐる。017(ただ)()るもの、018()くもの意外(いぐわい)(こと)(ばか)りで(かた)(こと)()らず、019無言(むごん)(まま)初稚姫(はつわかひめ)(うしろ)について(すす)んで()く。020日出別(ひのでわけ)(かみ)(にはか)(づく)りの建物(たてもの)をさし(しめ)し、
021()出別(でわけ)『サア皆様(みなさま)022貴方(あなた)(がた)()苦労(くらう)(なぐさ)める()め、023(かみ)(さま)思召(おぼしめし)によつて、024種々(いろいろ)余興(よきよう)(もよほ)されて()ます。025これから(この)建造物(けんざうぶつ)(おい)て、026七福神(しちふくじん)(たから)入船(いりふね)()ふお芝居(しばゐ)(はじ)まりますから、027悠悠(ゆつくり)()をゆるして御覧(ごらん)(くだ)さいませ』
028 玉国別(たまくにわけ)(あん)相違(さうゐ)しながら、
029玉国(たまくに)『いや、030どうしてどうして、031そんな気楽(きらく)(こと)出来(でき)ませうか。032真純彦(ますみひこ)()たせた(この)宝玉(ほうぎよく)を、033無事(ぶじ)(かみ)(さま)にお(わた)しする(まで)は、034芝居(しばゐ)(どころ)では(ござ)いませぬ。035(これ)ばかりは(ひら)にお(ゆる)(くだ)さいませ。036うつかりして九分(くぶ)九厘(くりん)顛覆(てんぷく)しては大変(たいへん)ですからなア』
037038何処(どこ)(まで)警戒(けいかい)(からだ)(かた)くして()る。
039()出別(でわけ)(けつ)して(けつ)して()心配(しんぱい)なさいますな。040(この)(とほ)貴方(あなた)(がた)()到着(たうちやく)(いは)ふために(たから)入船(いりふね)()神劇(しんげき)(もよほ)されて()るのです。041貴方(あなた)(たから)(いだ)いてヨルダン(がは)(ふね)にて(わた)り、042この聖地(せいち)へお(はい)りになつたのですから、043(たから)入船(いりふね)主人公(しゆじんこう)貴方(あなた)(がた)ですよ』
044玉国(たまくに)『ハイ。045真純彦(ますみひこ)046(まへ)はどう(かんが)へるか。047どうも大教主(だいけうしゆ)のお言葉(ことば)(わし)には(ちつ)(ばか)(かい)()ねるのだがなア』
048真純(ますみ)先生(せんせい)049これや(かみ)(さま)から()()かれて()るのかも()れませぬよ。050()(かく)(ことわ)りを(まをし)て、051(はや)(この)(たま)埴安彦(はにやすひこ)(かみ)(さま)にお(わた)しして()うではありませぬか。052さうでなくてはお芝居(しばゐ)()()がしませぬわ』
053初稚(はつわか)(けつ)して()心配(しんぱい)()りませぬ。054這入(はい)つて御覧(ごらん)なさいませ。055いやいや貴方(あなた)(がた)役者(やくしや)にならねばならぬのですよ。056やがて治道(ちだう)居士(こじ)057伊太彦(いたひこ)058三千彦(みちひこ)059デビス(ひめ)060ブラヷーダさまが()えることですから、061七福神(しちふくじん)になつて(もら)(つも)りです。062治道(ちだう)居士(こじ)さまは布袋(ほてい)063玉国別(たまくにわけ)さまが寿老人(じゆらうじん)064真純彦(ますみひこ)さまが毘沙門天(びしやもんてん)065伊太彦(いたひこ)さまが大黒(だいこく)さま、066三千彦(みちひこ)さまが恵比寿(ゑびす)さま、067それから、068デビス(ひめ)さまが弁財天(べんざいてん)069()ふやうに、070各自(めいめい)にちやんとお(やく)(きま)つて()るのです。071サアどうぞ楽屋(がくや)へお這入(はい)(くだ)さい。072(わたし)(たち)()せて(もら)ふのです。073(じつ)(ところ)貴方(あなた)(がた)役者(やくしや)になつて(もら)ふのですから、074(これ)()神業(しんげふ)だと(おも)つてお(つと)(くだ)さいませ』
075玉国(たまくに)『ハテナ、076(ちつ)とも合点(がつてん)()きませぬわ。077()命令(めいれい)とあれば(にはか)俳優(はいいう)になつてもよろしいが、078てんで台詞(せりふ)(わか)りませぬからねえ』
079()出別(でわけ)台詞(せりふ)なんか()りませぬよ。080(その)(とき)(かみ)(さま)(うつ)つて(くち)()りて仰有(おつしや)いますから、081承諾(しようだく)なさればよいのです』
082真純(ますみ)『モシ先生(せんせい)083イヤ寿老人(じゆらうじん)さま、084(かみ)(さま)命令(めいれい)だ、085(せん)(りやう)役者(やくしや)になりませうか』
086玉国(たまくに)(なん)()つても(かみ)(さま)()命令(めいれい)とあれば(そむ)(わけ)には()きますまい。087(つと)めさして(いただ)きませう。088そして三千彦(みちひこ)089伊太彦(いたひこ)はもはや此方(こちら)()えて()りますか。090どうしても吾々(われわれ)とは二三(にさん)(にち)(おく)れるやうに(おも)ひますがなア』
091言依別(ことよりわけ)時間(じかん)空間(くうかん)超越(てうゑつ)したる(かみ)(みち)092そんな()心配(しんぱい)()りませぬ。093(すぐ)(いま)此処(ここ)へお(いで)になりますよ。094(すべ)(かみ)(さま)御国(みくに)想念(さうねん)世界(せかい)ですから、095想念(さうねん)(まま)になるのです。096此処(ここ)(ほか)地点(ちてん)とは(ちが)つて(たふと)所以(ゆゑん)です。097さうでなくてはエルサレムと()つて(かみ)(さま)がお(あつ)まり(あそ)ばす道理(だうり)がありませぬから』
098玉国(たまくに)左様(さやう)ならばお()(いた)します』
099真純(ますみ)(わたし)先生(せんせい)同様(どうやう)(うけ)(いた)します』
100()ふや(いな)や、101二人(ふたり)姿(すがた)(たちま)七福神(しちふくじん)(なか)一人(ひとり)となつて()た。102いつの()にやら、103治道(ちだう)居士(こじ)104三千彦(みちひこ)105伊太彦(いたひこ)106デビス(ひめ)107ブラヷーダ(ひめ)(その)(ほか)人々(ひとびと)(あつ)まり(きた)りて、108(いづ)れも七福神(しちふくじん)姿(すがた)となつて()る。109(いよいよ)(ここ)七福神(しちふくじん)(たから)入船(いりふね)奉祝(ほうしゆく)神劇(しんげき)(えん)ぜられた。110数多(あまた)神司(かむつかさ)信者(しんじや)は、111(この)(ひろ)建物(たてもの)(なか)に、112立錐(りつすい)余地(よち)なき(まで)(あつ)まつて、113愉快(ゆくわい)げに観覧(くわんらん)し、114(その)妙技(めうぎ)(くち)(きは)めて賞揚(しやうやう)した。115神劇(しんげき)次第(しだい)左記(さき)(とほ)りであつた。
116(そもそも)(わが)()(もと)(かみ)御国(みくに)なり
117天地(てんち)ひらけ陰陽(いんやう)(わか)
118青人草(あをひとくさ)(はじ)めとし
119万物(ばんぶつ)(ここ)発生(はつせい)して
120天地人(てんちじん)三体(さんたい)(そな)はりぬ
121天津(あまつ)御国(みくに)太元(たいげん)
122大国常立(おほくにとこたち)大御神(おほみかみ)
123(また)御名(みな)天照皇(あまてらすすめ)大御神(おほみかみ)なり
124地津(くにつ)(かみ)太元(たいげん)豊国主(とよくにぬし)大御神(おほみかみ)
125(また)(おん)()(かむ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)
126豊葦原(とよあしはら)瑞穂(みづほ)(くに)産土山(うぶすなやま)
127底津(そこつ)岩根(いはね)宮柱(みやばしら)太敷(ふとしき)()
128三五(あななひ)(かみ)(みやこ)(さだ)(たま)ひしより
129千代(ちよ)万代(よろづよ)(ゆる)ぎなく
130天下(てんか)泰平(たいへい)国土(こくど)安穏(あんのん)
131五穀(ごこく)成就(じやうじゆ)万民(ばんみん)鼓腹(こふく)撃壤(げきじやう)(たのし)みを()
132()有難(ありがた)(かみ)(くに)
133草木(くさき)(なび)(きみ)御代(みよ)
134かくも目出度(めでたき)(くに)(うち)
135四海(しかい)波風(なみかぜ)(ゆたか)にて
136雲井(くもゐ)(そら)寿()()(つる)
137千年(ちとせ)(まつ)(みどり)(いろ)(ふか)
138万歳(ばんざい)(かめ)(たの)しむ天教(てんけう)(やま)
139(たか)()みきる(つき)のあたり
140たなびく(かすみ)(なか)よりも
141真帆(まほ)をば(かぜ)(はら)ませつ
142()かれ()()(たから)御船(みふね)
143七五三(しめ)静波(しづなみ)かきわけて
144()()(たから)数々(かずかず)
145まばゆきばかりあたりを()らす
146うるはしさ
147丁子(ちやうし)分銅(ふんどう)(たま)(ふくろ)
148黄金(こがね)(かぎ)もかくれ(みの)
149七宝(しちぽふ)壮厳(さうごん)(あめ)()れし
150小笠(こがさ)(つゆ)(たま)(ひかり)
151打出(うちで)小槌(こづち)
152七福神(しちふくじん)銘々(めいめい)
153乗合舟(のりあひぶね)(はなし)こそ面白(おもしろ)き。
154 (なか)にも(くち)まめな福禄寿(ふくろくじゆ)(なが)天窓(あたま)()()てて、
155福禄(ふくろく)天下(てんか)無双(むそう)のナイスお(べん)さま、156イナ弁財(べんざい)天女(てんによ)どの、157貴女(こなた)(あたら)しい(をんな)()えて、158こんな変痴(へんち)奇珍(きちん)男子(だんし)(ばか)りの(ふね)(なか)へ、159案内(あんない)もせないのに、160(なん)(おも)つて同席(どうせき)(えい)(たま)はつたのかな』
161 弁天女(べんてんによ)(おも)()ゆげに莞爾(くわんじ)()(なが)ら、
162弁天(べんてん)『ホヽヽヽ、163アノまあ福禄寿(ふくろくじゆ)さまの()言葉(ことば)とも(おぼ)えませぬ。164()(かんが)へて御覧(ごらん)165何程(なにほど)(あたら)しい(をんな)だとて、166ナイスだとて、167五百(ごひやく)羅漢堂(らかんだう)(のぞ)いたやうなスタイルして()らつしやる醜男子(ぶをとこ)(そば)()られないと()法律(はふりつ)発布(はつぷ)されては()りますまい。168五六七(みろく)御代(みよ)(ひら)ける(さきがけ)として、169今度(こんど)エルサレムの(みや)(おい)て、170玉照彦(たまてるひこの)(みこと)171玉照姫(たまてるひめの)(みこと)二柱(ふたはしら)(かみ)(さま)のお目出度(めでた)()婚礼(こんれい)があるので、172()(いはひ)のため貴神(きしん)()は、173この宝舟(たからぶね)()つて聖地(せいち)エルサレムの竜宮城(りうぐうじやう)(のぼ)られるのでせう。174何程(なにほど)(ふく)(かみ)だと()つて、175男子(をとこ)(ばか)りでは(はな)()もありますまい。176(むかし)から七福神(しちふくじん)()いて()るが、177六福神(ろくふくじん)()いた(こと)()い。178()れで(わたし)天津(あまつ)(かみ)(さま)()命令(めいれい)で、179(にはか)貴神(あなた)(たち)仲間(なかま)(くは)はつたのですよ』
180福禄(ふくろく)『コレお(べん)さま、181()心配(しんぱい)(くだ)さるな。182この福禄寿(ふくろくじゆ)一神(いつしん)あつても(した)から()()げて()ると十六福(じふろくふく)(かみ)だよ。183ヘン()みませぬナア。184そこへ寿老人(じゆらうじん)十六神(じふろくじん))を(くは)へて三十二(さんじふに)(しん)ですよ185アハヽヽヽヽ。186それよりも()(うへ)(ばなし)でも()かして(もら)つた(うへ)187都合(つがふ)によつて(くは)へて()げようかい』
188弁天(べんてん)三十二(さんじふに)(しん)(ところ)(わたし)一神(いつしん)(くは)はれば、189三十三(さんじふさん)(さう)(みづ)御魂(みたま)ですよ。190一神(いつしん)()けても三十三魂(みづみたま)にはなりますまい。191(をんな)社交(しやかう)(じやう)(はな)ですからねー。192(わたし)素性(すじやう)一通(ひととほ)()かして()げますから、193十六神(じふろくじん)さま謹聴(きんちやう)なさいませ194ホヽヽヽヽ』
195六福(ろくふく)謹聴(きんちやう)々々(きんちやう)ヒヤヒヤ』
196弁天(べんてん)(わたし)神代(かみよ)(むかし)()(とし)197(ころ)弥生(やよひ)(つちのと)巳日(みのひ)198二本竹(にほんだけ)根節(ねぶし)(そろ)へて、199(ゆる)()でたる(しま)だと()ふので、200竹生島(たけのしま)(とな)へられる、201(うら)(くに)琵琶(びは)(みづうみ)(うか)べる(ひと)つの(しま)に、202天降(あまくだ)りました天女(てんによ)(なか)でも、203(もつと)(すぐ)れたナイスの乙女(をとめ)ですよ。204自分(じぶん)から(まを)しますと()んだか自慢(じまん)するやうですが、205神徳(しんとく)があまりあらたかなと()ふので、206世人(せじん)より妙音(めうおん)弁財(べんざい)天女(てんによ)(あが)められ、207(わらは)身体(からだ)(ひつ)()(だこ)(やう)()(もと)(くに)四方(しはう)分霊(ぶんれい)(まつ)られて()ります。208()(ひがし)(くに)では()(しま)209西(にし)(くに)では宮嶋(みやじま)に、210(いま)一体(いつたい)勿体(もつたい)なくも(いにしへ)211伊邪那岐(いざなぎの)(みこと)212伊邪那美(いざなみの)(みこと)二柱(ふたはしら)(かみ)(さま)(あめ)浮橋(うきはし)(わた)らせたまひ、213大海原(おほうなばら)天降(あまくだ)り、214(はじ)めて(ひら)かれたる淤能碁呂(おのごろ)(じま)215その(とき)216鶺鴒(せきれい)()小鳥(ことり)夫婦(ふうふ)(みち)(をし)へられ、217天照(あまてらす)大神(おほかみ)()(たま)ふてより、218(また)一名(いちめい)()出嶋(でじま)名付(なづ)けられ、219この国人(くにびと)帰依(きえ)せられ、220福徳(ふくとく)(さづ)けしによつて、221美人(びじん)賢婦(けんぷ)標本(へうほん)として七福神(しちふくじん)(れつ)(くは)はつた(こと)は、222十六(じふろく)福神(ふくじん)さまも(とほ)うの(むかし)()存知(ぞんぢ)(はず)223アナタも何時(いつ)()にやら福禄寿(ふくろくじゆ)でなくて、224モウロク(()(ろく)十三(じふさん)になりましたねー、225ホヽヽヽヽ』
226福禄(ふくろく)『ヒドイなア』
227六福(ろくふく)『アハヽヽ。228オホヽヽヽヽヽ』
229 顔色(かほいろ)(くろ)いのを自慢(じまん)大黒天(だいこくてん)は、230(つち)()つた(まま)()(なほ)り、
231大黒(だいこく)弁天(べんてん)ナイスの(いま)(はなし)()いた以上(いじやう)拙者(せつしや)(をとこ)だ。232(ひと)()(うへ)(ばなし)(はじ)めて()よう。233一同(いちどう)()迷惑(めいわく)ながら()聴聞(きき)なさいませ。
234(そもそ)拙者(せつしや)は、235(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)御子(みこ)にて、236八百米(やほよね)杵築(きづき)(みや)(しづ)まりし、237大国主(おほくにぬしの)(みこと)でござる。238(うま)れつきの慈悲心(じひしん)(つつ)むに(よし)なく、239(まづ)しき(もの)()るに()け、240不便(ふびん)(しの)(がた)く、241一切(いつさい)衆生(しゆじやう)福徳(ふくとく)(あた)へむとして(こころ)(くだ)き、242チンチンチン(いち)米俵(たはら)(ふん)まへて、243()(にぎ)はしう(をさ)めて、244(さん)(さか)えの(もと)となり、245(よつ)()(なか)(よろこ)んで、246(いつ)ツいつも機嫌(きげん)よく、247(むつ)無病(むびやう)息災(そくさい)で、248(なな)難事(なんこと)もないやうに、249(やつ)屋敷(やしき)(ひら)ひて、250(ここの)(はな)(くら)()て、251十分(じふぶん)(みつ)ればこぼるるぞ。252コレ(この)(つち)(ふく)(うち)()(つち)ぢやない、253(つち)大切(たいせつ)にして生命(いのち)(たね)のお(よね)(つく)れと()らすためぢや。254(ひと)つには(おご)れる(やつ)()天窓(あたま)をば(うち)(くだ)(つち)ぢやわい。255アハヽヽヽヽ』
256福禄(ふくろく)『アハヽヽヽヽ、257コリヤ御尤(ごもつと)もだ。258オイ(えびす)259コレサ(つんぼ)どの、260エベスどの エベスどの エベスどの 261貴神(こなた)は、262マア(へさき)()(つり)(ばか)りして(ござ)るは一体(いつたい)263こなたは()()(ふく)(かみ)ぢやい。264(ふく)(かみ)にも色々(いろいろ)あつて、265雑巾(ざふきん)()つて縁板(えんいた)などをフクの(かみ)もあれば、266(しり)をフクの(かみ)もある。267きつぱりと素性(すじやう)()かして()れないか』
268(えびす)(おれ)かい。269おれはナ、270何事(なにごと)()かざる、271()ざる、272()はざると()つて、273庚申(かうしん)眷属(けんぞく)気取(きど)り、274三猿(さんゑん)主義(しゆぎ)固守(こしゆ)し、275(ただ)堪忍(かんにん)をのみ(まも)つて()るのだ。276(とく)堪忍(かんにん)五万歳(ごまんざい)だ。277(そもそ)拙者(せつしや)は、278蛭子(ひるこ)(みこと)()つて、279(しやう)(ぐわつ)三日(みつか)(とら)一天(いつてん)誕生(たんじやう)した若蛭子(わかえびす)だ。280商売(しやうばい)繁昌(はんぜう)(いの)るが(ゆゑ)281(よく)(ふか)連中(れんぢう)から商売(あきなひ)(かみ)(あが)められて()るのだ。282(まこと)目出度(めでた)(さふら)ひけるだ、283アハヽヽヽヽ。284十日(とをか)(えびす)売物(うりもの)は、285はぜ(ふくろ)に、286取鉢(とりばち)287(ぜに)がます、288小判(こばん)金箱(かねばこ)289(たて)烏帽子(ゑぼし)290(ます)財槌(さいづち)291束熨斗(たばねのし)292(ささ)をかたげて千鳥足(ちどりあし)
293大黒(だいこく)『アヽコレコレ294さう(をど)(まは)すと(ふね)(うへ)危険(けんのん)だ。295モウ()いモウ()296()中止(ちゆうし)(ねが)ひます』
297大黒(だいこく)『エヽ(とき)寿老人(じゆらうじん)殿(どの)298貴神(こなた)何時(いつ)何時(いつ)(しぶ)(かほ)をして落付(おちつき)(はら)つて(ござ)るが、299こんな芽出度(めでた)(とき)には、300チツと(わら)つて()せても()いぢやないか』
301寿老(じゆらう)『イヤ(これ)(また)迷惑(めいわく)千万(せんばん)302物価(ぶつか)謄貴(とうき)生活難(せいくわつなん)(こゑ)(やかま)しき、303この(から)時節(じせつ)に、304あまい(かほ)をせよとは、305(すゐ)にして()賢明(けんめい)なる方々(かたがた)にも似合(にあは)ぬお言葉(ことば)では(ござ)らぬか。306拙者(せつしや)何時(いつ)(にが)(かほ)をして倹約(けんやく)第一(だいいち)(まも)り、307郵便(ゆうびん)貯金(ちよきん)沢山(たくさん)にして、308他人(たにん)(そん)をかけず、309自分(じぶん)(そん)(いた)さねば、310心労(しんらう)なき(ゆゑ)311長命(ちやうめい)(つかまつ)るのぢや。312長命(ちやうめい)()ぎたる(たから)(ござ)らぬ。313兎角(とかく)314拙者(せつしや)()(かた)見習(みなら)へば、315たとへ(ふく)(さづ)からなくとも、316自然(しぜん)福徳(ふくとく)(たも)てますぞや』
317福禄(ふくろく)『ヘン、318何程(なにほど)長命(ちやうめい)したとて、319ソンナ(にが)(かほ)をして一生(いつしやう)(おく)るのなら、320(あま)福徳(ふくとく)でも()るまい。321(わら)つて(くら)すのが、322(なに)より人生(じんせい)幸福(かうふく)だ。323高利貸(かうりがし)親父(おやぢ)でも、324たまには(わら)ふぢやないか。325ナア、326(みな)福神(ふくじん)連中(れんちう)さま』
327寿老(じゆらう)『イヤ(おそ)()る。328(しか)自分(じぶん)(これ)でも(ひと)()らぬ(こころ)のよろこびに()ちて、329(たの)しく()(おく)つて()るのだ。330サテ、331愚老(ぐらう)(ばか)りお喋舌(しやべり)いたして皆様(みなさま)交際(つきあひ)(わす)れて()た。332(あま)りの(たの)しさと、333面白(おもしろ)さと、334今度(こんど)()婚礼(こんれい)目出度(めでた)さとに()()られて、335アハヽヽヽヽ。336サア(これ)からお交際(つきあひ)(まを)さう』
337(かたはら)にあり()妻琴(つまごと)(ひき)()()きならし、
338(うた))『(しの)()や ()()なもゆる (さは)の 螢火(ほたるび)に 夜更(よふけ)(わた)りぬる』
339寿老(じゆらう)(あま)(なが)いのは皆様(みなさま)のさはりになる。340(なが)(もの)(ぞく)長者(ちやうじや)()ふさうぢや。341ヤ、342(これ)はしたり、343(なが)(もの)とは福禄寿(げほう)(さま)(さし)(あひ)ました。344失礼(しつれい)々々(しつれい)
345 布袋(ほてい)和尚(をしやう)(ふき)()して、
346布袋(ほてい)『アハヽヽヽアハヽヽヽ、347オホヽヽヽ、348ハテ、349コリヤ面白(おもしろ)い 面白(おもしろ)い 面白(おもしろ)い ハヽヽヽヽヽ奇妙(きめう)々々(きめう)
350 毘沙門天(びしやもんてん)は、351むつとした(かほ)しながら、
352毘沙(びしや)『ヤイ、353そこな土仏(どぶつ)坊主(ばうず)()354(なに)がそれ(ほど)可笑(をか)しいのだい。355(ふくろ)(はら)とで乗合船(のりあひぶね)居所(ゐどころ)(せば)めて()(くせ)に、356チツと(くらゐ)遠慮(ゑんりよ)()さつても()いだらう』
357布袋(ほてい)『アヽ、358コレコレ毘沙(びしや)殿(どの)359さう腹立(はらたて)まいぞや、360腹立(はらたて)まいぞや、361立腹(たてはら)まいぞや。362少々(せうせう)乗合(のりあひ)邪魔(じやま)にも()るだらうが、363ソコは仲間(なかま)(こと)だから、364神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)してマアマア(いは)因縁(いんねん)()(たま)へ。365()一家(いつか)一門(いちもん)附合(つきあひ)366朋友(ほういう)367得意先(とくいさき)368(まる)()くては(をさ)まらないと()道理(だうり)は、369拙者(せつしや)のこの天窓(あたま)(わか)るだらう。370()まで(まる)布袋(ほてい)和尚(をしやう)だ、371ハヽヽヽヽ。372まつた(はら)(おほ)きくなければ、373(こころ)がさもしいものだ。374そこで愚僧(ぐそう)(この)(おほ)きい(はら)()()し、375腹鼓(はらつづみ)()つて一通(ひととほ)りお(はなし)(いた)すで(ござ)らう。
376「ソレ、377この(ふくろ)といつぱ」()たる(こと)()きたる(こと)378よしあし(とも)(わす)れぬ(やう)379(なか)(をさ)めて()(とほ)り、380もたれて()(まう)すなり。381(また)()子宝(こだから)()へるが、382(おさな)(もの)ほど可愛者(かあいもの)はあり(まを)さぬ。383その(おさな)(もの)団扇(うちは)()つて行司(ぎやうじ)(つかまつ)()(さふらふ)(なり)384アヽ()(たのし)みかな()(たのし)みかな』
385福禄(ふくろく)『イヤ布袋(ほてい)どの、386(もつと)(もつと)も、387(もつと)次手(ついで)(わら)はしやるのも(もつと)(もつと)も。388(わら)(かど)へは福禄寿(ふくろくじゆ)」サレバお(はな)(まを)しませう。389()天窓(あたま)(なが)ければ()はズント(ひく)(ござ)る。390(ひく)うなければ愛嬌(あいけう)(うしな)ひます。391()入口(いりぐち)這入(はい)るにも(なが)いによつて(あま)ります。392天窓(あたま)()げて這入(はい)ります。393それで愛嬌(あいけう)(ござ)るだらうがの、394愛嬌(あいけう)ついでに(みな)さま、395おはやし(たの)みます。
396越後(えちご)(くに)角兵衛(かくべゑ)獅子(じし)397(くに)()(とき)や、398親子(おやこ)()れ、399獅子(しし)をかぶりて、400くるりと(まは)つて、401(くび)をふりまする、402親父(おやぢ)や、403まじめで(ふえ)()く」
404ヨー、405ハヽヽヽヽ福禄寿(げほう)さま、406大当(おほあた)りだ大当(おほあた)りだ。407アハヽヽヽヽ』
408六福(ろくふく)(しか)獅子(しし)(あたま)少々(せうせう)高過(たかす)ぎるぢやないか。409ハヽヽヽヽ』
410福禄(ふくろく)『ハテ、411(あたま)(たか)うもなければ(をさ)まらぬ(こと)もある(もの)だ。412(これ)もやつぱり世界(せかい)道具(だうぐ)だからのう。413ハヽヽヽヽ』
414 毘沙門天(びしやもんてん)()(なほ)りて、
415毘沙(びしや)『ムヽヽヽヽ、416ハヽヽヽヽ面白(おもしろ)面白(おもしろ)し、417(われ)異形(いぎやう)姿(すがた)にて(ほこ)(たづさ)へし()(なが)らも、418七福神(しちふくじん)(れつ)(くは)はる(その)由来(ゆらい)物語(ものがた)らむ。419そも不身持(ふみもち)(やま)(みな)()(みなみ))に(あた)りて難渋(なんじう)(だけ)(みね)()む、420貧乏(びんばふ)困神(こんじん)とて悪神(あくがみ)あり、421(かれ)徒党(とたう)奴原(やつばら)(ことごと)誠罰(せいばつ)諸人(しよにん)(わづらひ)(すく)はむと、422この()(くに)天降(あまくだ)り、423日出(ひいづ)(くに)信貴山(のぶたかやま)根城(ねじろ)(かま)へ、424追付(おつつく)悪神(あくがみ)(うち)(ほろ)ぼし、425困窮(こんきう)()をたやさむこと、426(この)多聞天(たもんてん)方寸(はうすん)(うち)にあり、427ハヽヽハヽヽハヽヽヽヽ、428(よろこ)ばしや(うれ)しや』
429(いさ)める顔色(がんしよく)430()あつて(たふと)く、431(じつ)有難(ありがた)霊験(れいけん)なり。
432 (みな)一同(いちどう)にあふぎ()て、433(なか)取分(とりわ)弁財天(べんざいてん)
434弁天(べんてん)(いづ)れに、435おろかは()けれども、436多聞天(たもんてん)のおん物語(ものがたり)437(いさ)ましや。438イザヤ発船(ほつせん)439(また)()げん』
440とのたまふにぞ、441さらばさらばと()ぎよせて、442竜宮館(りうぐうやかた)(みづ)()に、443(きよ)(たから)入船(いりふね)や、444七福神(しちふくじん)霊験(れいけん)も、445仁義(じんぎ)釈教(しやくけう)446恋無常(こひむじやう)447勧善(くわんぜん)懲悪(ちようあく)聞明(ぶんめい)し、448改過(かいくわ)(つく)るその(ぬし)は、449近松(ちかまつ)ならで(まつ)(もと)450()とふし(こめ)し、451竹本(たけもと)ならぬ国武彦(くにたけひこ)(おん)(たす)け、452(うめ)()(ゆか)しき一輪(いちりん)の、453(はな)(なが)れや()()(あや)の、454聖地(せいち)(たま)()に、455(うつ)言霊(ことたま)(かげ)きよく、456()(かがや)きし玉照姫(たまてるひめ)や、457(やみ)をも()らす玉照彦(たまてるひこ)二柱(ふたはしら)458()(ぐわつ)八日(やうか)(よろこ)びを、459(ふで)にうつして(すゑ)(ひろ)く、460(つた)(さか)ゆる神祝(かむほ)ぎの、461()きせぬ神代(みよ)こそ芽出度(めでた)けれ。
462大正一二・七・一八 旧六・五 北村隆光・加藤明子共録)
463(昭和一〇・六・一六 王仁校正)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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