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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第79巻(午の巻)
序文
総説
第1篇 竜の島根
第1章 湖中の怪
第2章 愛の追跡
第3章 離れ島
第4章 救ひの船
第5章 湖畔の遊び
第6章 再会
第2篇 竜宮風景
第7章 相聞(一)
第8章 相聞(二)
第9章 祝賀の宴(一)
第10章 祝賀の宴(二)
第11章 瀑下の乙女
第12章 樹下の夢
第13章 鰐の背
第14章 再生の歓び
第15章 宴遊会
第3篇 伊吹の山颪
第16章 共鳴の庭
第17章 還元竜神
第18章 言霊の幸
第19章 大井の淵
第20章 産の悩み
第21章 汀の歎き
第22章 天変地妖
第23章 二名の島
余白歌
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第79巻(午の巻)
> 第1篇 竜の島根 > 第4章 救ひの船
<<< 離れ島
(B)
(N)
湖畔の遊び >>>
第四章
救
(
すく
)
ひの
船
(
ふね
)
〔一九八五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第79巻 天祥地瑞 午の巻
篇:
第1篇 竜の島根
よみ(新仮名遣い):
たつのしまね
章:
第4章 救ひの船
よみ(新仮名遣い):
すくいのふね
通し章番号:
1985
口述日:
1934(昭和9)年07月16日(旧06月5日)
口述場所:
関東別院南風閣
筆録者:
内崎照代
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年10月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
艶男は麗子がもはや霊身となって、現世の人でないことを知ると、嘆きのあまり玉耶湖に身を投げてしまった。
そこへ、白髪異様の老人が一艘の船をこぎながら釣り竿をたれていたが、艶男の飛び込んだ音に後を振り返り、誰か知らぬが、飛び込んだ者があるようだ、助けねば、としばし考え込んでいる。
すると、はるか先方に黒い影がぽかりと浮いた。老人は小舟をこぎ寄せ、黒い影に手を差し伸べて船中に救い上げた。よく見れば、国津神の子、艶男であった。老人は水を吐かせ、人工呼吸を施して蘇生させた。
老人は、国の御祖の子が、なぜかろがろしく命を捨てようとしたか、諭し呼びかけた。艶男は正気に復し、恋しき人に別れて、世をはかなんで生きる希望を失ったのに、なぜ私を救うのか、と恨みを歌った。
すると老人は厳然として、自分は湖の翁、水火土(しほつち)の神であると明かし、命を捨てて何になろう、生きて国を守るように、と艶男に諭した。
艶男は老人が水火土の神と知って恥ずかしく思ったが、今ここに命を救われたことは幸いであると悟った。水火土の神はにっこりとして命を捨てることの愚かさと罪深さを説き、悔い改めよと諭した。艶男は翻然として命の尊さに思い至った。
そして艶男は、麗子が竜神にさらわれて命を失ってしまったことを、水火土の神に訴えた。すると水火土の神はにこにこしながら、麗子は命を救われて竜の都にいることを知らせ、今から艶男を導いて竜の都に送ろうと歌った。
艶男は、これから進んでいく竜の都に思いをはせ、また死んだと思っていた麗子が生きていると知って喜び、自分の命を救ってくれた水火土の神に感謝の歌を歌った。
水火土の神は歌いながら船を漕ぎ出し、ようやくにして竜宮の第一門にたどり着いた。大身竜彦の命は艶男が尋ね来たことを前知し、数多の従臣を第一門に遣わし、艶男の上陸を歓迎の意を表しつつ待っていた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7904
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 184頁
修補版:
校定版:
75頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
艶男
(
あでやか
)
は
月下
(
げつか
)
の
草
(
くさ
)
の
根
(
ね
)
に、
002
麗子
(
うららか
)
の
最早
(
もはや
)
霊身
(
れいしん
)
となりて
現世
(
げんせ
)
の
人
(
ひと
)
にあらざることを
知
(
し
)
り、
003
恋
(
こひ
)
しさのあまり
嘆
(
なげ
)
き
悲
(
かな
)
しみながら、
004
麗子
(
うららか
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
はむものと、
005
玉耶湖
(
たまやこ
)
の
岸辺
(
きしべ
)
に
辿
(
たど
)
り
着
(
つ
)
き、
006
『いざさらば
湖
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
ひもおそれなく
007
吾
(
われ
)
はゆかなむ
妹
(
いも
)
がみもとに
008
世
(
よ
)
に
生
(
い
)
きて
甲斐
(
かひ
)
なき
身
(
み
)
なり
麗子
(
うららか
)
の
009
恋
(
こひ
)
しき
妹
(
いも
)
に
別
(
わか
)
れたる
今日
(
けふ
)
を』
010
と
言
(
い
)
ひながら、
011
月
(
つき
)
の
流
(
なが
)
るる
湖面
(
こめん
)
に
向
(
むか
)
つて、
012
ざんぶとばかり
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げ、
013
あと
白波
(
しらなみ
)
と
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せにける。
014
かかる
所
(
ところ
)
へ、
015
白髪
(
はくはつ
)
異様
(
いやう
)
の
老人
(
らうじん
)
一艘
(
いつそう
)
の
小船
(
こぶね
)
を
漕
(
こ
)
ぎながら、
016
釣竿
(
つりざを
)
を
垂
(
た
)
れて
居
(
ゐ
)
たが、
017
艶男
(
あでやか
)
の
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
みし
音
(
おと
)
にあと
振
(
ふ
)
り
返
(
かへ
)
り、
018
水面
(
すゐめん
)
を
月
(
つき
)
かげに
透
(
すか
)
し
眺
(
なが
)
めつつ、
019
『あら
不思議
(
ふしぎ
)
今
(
いま
)
聞
(
きこ
)
えたる
水音
(
みなおと
)
は
020
魚族
(
うろくづ
)
ならで
人
(
ひと
)
の
音
(
おと
)
かも
021
何人
(
なんぴと
)
か
知
(
し
)
らねど
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
くべし
022
わが
身
(
み
)
の
力
(
ちから
)
のあらむかぎりは
023
天
(
てん
)
清
(
きよ
)
く
水
(
みづ
)
また
清
(
きよ
)
きこの
湖
(
うみ
)
に
024
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
む
者
(
もの
)
は
何人
(
なんぴと
)
なるらむ』
025
と
言
(
い
)
ひながら
暫
(
しば
)
し
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んでゐる。
026
遥
(
はる
)
か
先方
(
せんぱう
)
に
黒
(
くろ
)
い
影
(
かげ
)
が
ぽかり
と
浮
(
う
)
いた。
027
老人
(
らうじん
)
は
手早
(
てばや
)
く
小舟
(
こぶね
)
を
漕
(
こ
)
ぎ
寄
(
よ
)
せ、
028
黒
(
くろ
)
き
影
(
かげ
)
に
手
(
て
)
を
差
(
さ
)
し
延
(
の
)
べ
船中
(
せんちう
)
に
救
(
すく
)
ひあげた。
029
よくよく
見
(
み
)
れば
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
艶男
(
あでやか
)
である。
030
老人
(
らうじん
)
は
水
(
みづ
)
を
吐
(
は
)
かせ、
031
人工
(
じんこう
)
呼吸
(
こきふ
)
を
施
(
ほどこ
)
し、
032
漸
(
やうや
)
くにして
蘇生
(
そせい
)
せしめた。
033
『
君
(
きみ
)
こそは
国
(
くに
)
の
御祖
(
みおや
)
の
御
(
おん
)
伜
(
せがれ
)
034
艶男
(
あでやか
)
の
君
(
きみ
)
におはしまさずや
035
吾
(
われ
)
こそはいやしき
漁師
(
れふし
)
の
身
(
み
)
なれども
036
汝
(
な
)
が
両親
(
ふたおや
)
に
仕
(
つか
)
へたるもの
037
何事
(
なにごと
)
のおはしますかは
知
(
し
)
らねども
038
生命
(
いのち
)
捨
(
す
)
つるは
浅
(
あさ
)
ましからずや
039
天地
(
あめつち
)
に
生命
(
いのち
)
を
保
(
たも
)
つ
幸
(
さちはひ
)
を
040
君
(
きみ
)
は
知
(
し
)
らずや
悟
(
さと
)
らざるにや
041
生命
(
いのち
)
より
尊
(
たふと
)
きものは
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
042
あらざるものを
軽
(
かろ
)
んじ
給
(
たま
)
ふな
043
死
(
し
)
はやすし
生
(
い
)
くるはかたし
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
044
生命
(
いのち
)
かろがろ
捨
(
す
)
てさせ
給
(
たま
)
ふな』
045
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひて
呼
(
よ
)
び
生
(
い
)
けたるにぞ、
046
艶男
(
あでやか
)
は、
047
漸
(
やうや
)
く
正気
(
しやうき
)
に
復
(
ふく
)
し、
048
『
訝
(
いぶか
)
しや
生命
(
いのち
)
死
(
し
)
せしと
思
(
おも
)
ひしに
049
吾
(
われ
)
船中
(
せんちう
)
に
生
(
い
)
きてありけり
050
汝
(
な
)
が
君
(
きみ
)
の
救
(
すく
)
ひ
給
(
たま
)
ひし
吾
(
われ
)
ながら
051
生命
(
いのち
)
捨
(
す
)
つるを
許
(
ゆる
)
させ
給
(
たま
)
へ
052
恋
(
こひ
)
しかる
人
(
ひと
)
に
別
(
わか
)
れて
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
053
生
(
い
)
くべき
生命
(
いのち
)
と
吾
(
われ
)
は
思
(
おも
)
はじ
054
恋
(
こひ
)
ゆゑに
捨
(
す
)
つる
生命
(
いのち
)
は
惜
(
を
)
しからずと
055
吾
(
われ
)
湖
(
みづうみ
)
にとび
入
(
い
)
りにけり
056
汝
(
なれ
)
こそは
舟人
(
ふなびと
)
ならめ
何故
(
なにゆゑ
)
に
057
吾
(
われ
)
を
救
(
すく
)
ひしかうらめしみ
思
(
おも
)
ふ』
058
翁
(
おきな
)
は
儼然
(
げんぜん
)
として、
059
『
吾
(
われ
)
こそは
湖
(
うみ
)
の
翁
(
おきな
)
よ
水火土
(
しほつち
)
の
060
神
(
かみ
)
とあらはれこの
湖
(
うみ
)
守
(
まも
)
れる
061
山神彦
(
やまがみひこ
)
、
川神姫
(
かはかみひめ
)
に
仕
(
つか
)
へたる
062
吾
(
われ
)
は
水火土
(
しほつち
)
湖
(
うみ
)
守
(
まも
)
る
神
(
かみ
)
063
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てて
何
(
なに
)
かせむ
064
再
(
ふたた
)
び
生
(
い
)
きて
国
(
くに
)
を
守
(
まも
)
らせ』
065
艶男
(
あでやか
)
はいぶかしげに、
066
『おもひきや
汝
(
なれ
)
は
水火土
(
しほつち
)
湖
(
うみ
)
の
神
(
かみ
)
か
067
吾
(
われ
)
はづかしく
生
(
い
)
きたくもなし
068
さりながら
汝
(
なれ
)
に
救
(
すく
)
はれ
今
(
いま
)
ここに
069
生命
(
いのち
)
保
(
たも
)
つは
幸
(
さち
)
なるべきやは』
070
水火土
(
しほつち
)
の
神
(
かみ
)
はにこにこしながら、
071
『
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
つる
愚
(
おろか
)
さを
072
君
(
きみ
)
は
知
(
し
)
らずや
神
(
かみ
)
の
生命
(
いのち
)
ぞ
073
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
水火
(
いき
)
になりたる
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
074
生命
(
いのち
)
捨
(
す
)
つるは
重
(
おも
)
き
罪
(
つみ
)
ぞや
075
罪
(
つみ
)
を
悔
(
く
)
い
心
(
こころ
)
あらため
恋心
(
こひごころ
)
076
この
湖
(
みづうみ
)
に
洗
(
あら
)
はせ
給
(
たま
)
へ
077
縁
(
えん
)
あらばまた
会
(
あ
)
ふことのあるべきを
078
心
(
こころ
)
みじかき
君
(
きみ
)
にもあるかな』
079
艶男
(
あでやか
)
は
翻然
(
ほんぜん
)
として、
080
『ありがたし
水火土
(
しほつち
)
神
(
がみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
に
081
わが
魂
(
たましひ
)
は
蘇
(
よみがへ
)
りぬる
082
麗子
(
うららか
)
の
後
(
あと
)
を
慕
(
した
)
ひて
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
083
この
湖
(
みづうみ
)
に
生命
(
いのち
)
すてたり
084
愚
(
おろか
)
しき
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
よと
今
(
いま
)
さらに
085
君
(
きみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
悔
(
く
)
い
心
(
ごころ
)
わく
086
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
れば
御空
(
みそら
)
の
月
(
つき
)
はにこやかに
087
ほほ
笑
(
ゑ
)
ませつつ
吾
(
われ
)
をいましむ
088
水底
(
みなそこ
)
にうつらふ
月
(
つき
)
もわがおもてを
089
照
(
て
)
らしていましめ
給
(
たま
)
ふがに
見
(
み
)
ゆ
090
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
もいとやはらかに
吾
(
わが
)
面
(
おもて
)
091
なでつつ
心
(
こころ
)
なぐさめ
通
(
かよ
)
ふ
092
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
生命
(
いのち
)
惜
(
を
)
しまぬものあらじ
093
湖
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
ひの
魚族
(
うろくづ
)
までも
094
恋
(
こひ
)
ゆゑに
捨
(
す
)
てし
生命
(
いのち
)
とわが
思
(
も
)
へば
095
君
(
きみ
)
の
面
(
も
)
みるさへ
心
(
うら
)
恥
(
はづ
)
かしも
096
愚
(
おろか
)
なるわが
身
(
み
)
を
照
(
て
)
らす
月光
(
つきかげ
)
に
097
天地
(
あめつち
)
せまく
恥
(
はづ
)
かしみのわく
098
さりながら
麗子
(
うららか
)
の
姫
(
ひめ
)
は
曲神
(
まがかみ
)
に
099
さらはれ
生命
(
いのち
)
失
(
う
)
せにけらしな』
100
水火土
(
しほつち
)
の
神
(
かみ
)
はにこにこしながら、
101
『
麗子
(
うららか
)
の
姫
(
ひめ
)
は
生命
(
いのち
)
を
救
(
すく
)
はれて
102
竜
(
たつ
)
の
都
(
みやこ
)
の
司
(
つかさ
)
とますぞや
103
今
(
いま
)
よりは
汝
(
なれ
)
が
命
(
みこと
)
をみちびきて
104
竜
(
たつ
)
の
都
(
みやこ
)
に
送
(
おく
)
り
奉
(
まつ
)
らむ
105
竜神
(
たつがみ
)
のあまた
住
(
す
)
まへる
竜宮
(
りうぐう
)
の
106
島根
(
しまね
)
は
遠
(
とほ
)
しいそがせ
給
(
たま
)
ふな』
107
艶男
(
あでやか
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
108
『
月
(
つき
)
は
皎々
(
かうかう
)
御空
(
みそら
)
を
渡
(
わた
)
る
109
吾
(
われ
)
は
艶男
(
あでやか
)
湖原
(
うなばら
)
渡
(
わた
)
る
110
空
(
そら
)
に
星
(
ほし
)
かげまたたく
見
(
み
)
れば
111
金砂
(
きんしや
)
銀砂
(
ぎんしや
)
を
敷
(
し
)
きつめし
112
神
(
かみ
)
の
御庭
(
みには
)
にさも
似
(
に
)
たり
113
湖
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
ひを
眺
(
なが
)
むれば
114
黄金
(
こがね
)
白銀
(
しろがね
)
きらきらと
115
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
冴
(
さ
)
えながら
116
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
の
光景
(
くわうけい
)
を
117
今
(
いま
)
目
(
ま
)
のあたり
照
(
て
)
らすなり
118
ああたのもしやたのもしや
119
水火土
(
しほつち
)
神
(
がみ
)
に
送
(
おく
)
られて
120
果
(
はて
)
しもしらぬ
湖原
(
うなばら
)
の
121
中
(
なか
)
にただよふ
竜宮島
(
りうぐうじま
)
122
麗子姫
(
うららかひめ
)
の
鎮
(
しづ
)
まれる
123
竜
(
たつ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
に
進
(
すす
)
むかと
124
思
(
おも
)
へば
嬉
(
うれ
)
しおもしろし
125
月
(
つき
)
も
流転
(
るてん
)
の
影
(
かげ
)
なれや
126
何
(
なに
)
を
嘆
(
なげ
)
かむ
来
(
こ
)
し
方
(
かた
)
の
127
夢
(
ゆめ
)
をさまして
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
128
蘇
(
よみがへ
)
りつつ
湖原
(
うなばら
)
を
129
一瀉
(
いつしや
)
千里
(
せんり
)
に
進
(
すす
)
むべし
130
御空
(
みそら
)
は
清
(
きよ
)
し
月
(
つき
)
清
(
きよ
)
し
131
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
はきらめきて
132
わが
行
(
ゆ
)
く
舟
(
ふね
)
を
安全
(
あんぜん
)
に
133
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
に
送
(
おく
)
るなり
134
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
135
父
(
ちち
)
と
母
(
はは
)
とはさぞやさぞ
136
二人
(
ふたり
)
の
行方
(
ゆくへ
)
を
尋
(
たづ
)
ねつつ
137
心
(
こころ
)
を
千々
(
ちぢ
)
に
砕
(
くだ
)
かせて
138
嘆
(
なげ
)
かせ
給
(
たま
)
ふことぞかし
139
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
140
神
(
かみ
)
の
御幸
(
みさち
)
のかげ
清
(
きよ
)
く
141
わが
父母
(
ちちはは
)
を
永久
(
とこしへ
)
に
142
安
(
やす
)
く
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
へかし
143
この
世
(
よ
)
になしと
思
(
おも
)
ひたる
144
麗子姫
(
うららかひめ
)
は
竜宮
(
りうぐう
)
の
145
島
(
しま
)
の
司
(
つかさ
)
と
聞
(
き
)
くからは
146
勇気
(
ゆうき
)
日頃
(
ひごろ
)
にいや
増
(
ま
)
して
147
希望
(
のぞみ
)
に
満
(
み
)
つるわが
心
(
こころ
)
148
ああ
勇
(
いさ
)
ましや
勇
(
いさ
)
ましや
149
いよいよ
宇宙
(
うちう
)
はよみがへり
150
沈
(
しづ
)
みし
天地
(
てんち
)
はぽつかりと
151
わが
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
浮
(
う
)
き
出
(
い
)
でで
152
永久
(
とは
)
の
生命
(
いのち
)
を
歌
(
うた
)
ふなり
153
おもひきや
麗子姫
(
うららかひめ
)
は
死
(
し
)
なずして
154
竜
(
たつ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
にいますとぞ
聞
(
き
)
く
155
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
一度
(
ひとたび
)
生命
(
いのち
)
救
(
すく
)
はれて
156
これの
湖水
(
こすい
)
を
清渡
(
すがわた
)
りゆく
157
水火土
(
しほつち
)
の
神
(
かみ
)
のまさずば
吾
(
わが
)
生命
(
いのち
)
158
絶
(
た
)
えてこの
世
(
よ
)
にあらざらましを
159
天地
(
あめつち
)
の
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みに
抱
(
いだ
)
かれて
160
吾
(
われ
)
は
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てずありけり
161
風
(
かぜ
)
清
(
きよ
)
きこの
湖原
(
うなばら
)
に
棹
(
さを
)
さして
162
行
(
ゆ
)
くも
楽
(
たの
)
しき
竜宮
(
りうぐう
)
の
旅
(
たび
)
163
珍
(
めづら
)
しき
竜宮島
(
りうぐうじま
)
に
渡
(
わた
)
りゆく
164
吾
(
われ
)
は
心
(
こころ
)
も
若
(
わか
)
やぎにけり
165
果
(
はて
)
しなき
思
(
おも
)
ひ
抱
(
いだ
)
きてはてしなき
166
湖原
(
うなばら
)
渡
(
わた
)
る
吾
(
われ
)
にあらずや』
167
水火土
(
しほつち
)
の
神
(
かみ
)
は
艫
(
ろ
)
を
漕
(
こ
)
ぎながら、
168
『
夜
(
よ
)
は
更
(
ふ
)
けて
169
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
もさやさやと
170
北
(
きた
)
より
南
(
みなみ
)
に
渡
(
わた
)
るなり
171
竜宮
(
りうぐう
)
の
島
(
しま
)
は
遠
(
とほ
)
けれど
172
この
北風
(
きたかぜ
)
に
帆
(
ほ
)
を
上
(
あ
)
げて
173
進
(
すす
)
めばあまり
遠
(
とほ
)
からじ
174
御空
(
みそら
)
の
月
(
つき
)
はいや
冴
(
さ
)
えて
175
湖
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
まで
透
(
す
)
きとほり
176
魚族
(
うろくづ
)
をどるさままでも
177
わが
目
(
め
)
にありありうつるなり
178
清
(
きよ
)
き
真砂
(
まさご
)
の
上
(
うへ
)
を
行
(
ゆ
)
く
179
この
玉舟
(
たまふね
)
は
竜宮
(
りうぐう
)
の
180
神
(
かみ
)
のつくりし
御幸
(
みさち
)
ぞや
181
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
182
湖原
(
うなばら
)
守
(
まも
)
る
吾
(
われ
)
にして
183
今日
(
けふ
)
のよき
日
(
ひ
)
のよき
時
(
とき
)
に
184
艶男
(
あでやか
)
の
君
(
きみ
)
を
守
(
まも
)
りつつ
185
渡
(
わた
)
るも
嬉
(
うれ
)
し
火水土
(
しほつち
)
の
186
神
(
かみ
)
の
功
(
いさを
)
は
今日
(
けふ
)
かぎり
187
万代
(
よろづよ
)
までも
輝
(
かがや
)
かむ』
188
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひながら
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
漕
(
こ
)
ぎ
出
(
いだ
)
す。
189
漸
(
やうや
)
くにして
竜宮
(
りうぐう
)
の
第一門
(
だいいちもん
)
に
着
(
つ
)
く。
190
大竜身彦
(
おほたつみひこ
)
の
命
(
みこと
)
は
艶男
(
あでやか
)
の
尋
(
たづ
)
ね
来
(
きた
)
ることを
前知
(
ぜんち
)
し、
191
数多
(
あまた
)
の
従臣
(
じうしん
)
を
第一門
(
だいいちもん
)
に
遣
(
つか
)
はし、
192
艶男
(
あでやか
)
の
上陸
(
じやうりく
)
を「ウローウロー」と
歌
(
うた
)
ひながら
歓迎
(
くわんげい
)
の
意
(
い
)
を
表
(
へう
)
し
待
(
ま
)
ち
居
(
ゐ
)
たり。
193
艶男
(
あでやか
)
は
水火土
(
しほつち
)
の
神
(
かみ
)
に
守
(
まも
)
られて
194
これの
島根
(
しまね
)
に
渡
(
わた
)
り
来
(
き
)
にけり
195
水底
(
みなそこ
)
に
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げ
捨
(
す
)
てし
艶男
(
あでやか
)
は
196
水火土
(
しほつち
)
神
(
がみ
)
に
助
(
たす
)
けられたり
197
水火土
(
しほつち
)
の
神
(
かみ
)
のいさをに
守
(
まも
)
られて
198
再
(
ふたた
)
び
麗子
(
うららか
)
の
妹
(
いも
)
に
会
(
あ
)
ふらむ
199
兄
(
あに
)
と
言
(
い
)
ひ
妹
(
いも
)
と
名告
(
なの
)
りつ
一度
(
ひとたび
)
も
200
嫁
(
とつ
)
ぎの
業
(
わざ
)
はなさざりにけり
201
恋
(
こ
)
ひ
恋
(
こ
)
はれ
互
(
たがひ
)
に
生命
(
いのち
)
をあづけたる
202
二人
(
ふたり
)
の
逢
(
あ
)
ふ
瀬
(
せ
)
ははなやかなるらむ。
203
(
昭和九・七・一六
旧六・五
於関東別院南風閣
内崎照代
謹録)
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(B)
(N)
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【第4章 救ひの船|第79巻|天祥地瑞|霊界物語|/rm7904】
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