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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第79巻(午の巻)
序文
総説
第1篇 竜の島根
第1章 湖中の怪
第2章 愛の追跡
第3章 離れ島
第4章 救ひの船
第5章 湖畔の遊び
第6章 再会
第2篇 竜宮風景
第7章 相聞(一)
第8章 相聞(二)
第9章 祝賀の宴(一)
第10章 祝賀の宴(二)
第11章 瀑下の乙女
第12章 樹下の夢
第13章 鰐の背
第14章 再生の歓び
第15章 宴遊会
第3篇 伊吹の山颪
第16章 共鳴の庭
第17章 還元竜神
第18章 言霊の幸
第19章 大井の淵
第20章 産の悩み
第21章 汀の歎き
第22章 天変地妖
第23章 二名の島
余白歌
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>
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第79巻(午の巻)
> 第3篇 伊吹の山颪 > 第17章 還元竜神
<<< 共鳴の庭
(B)
(N)
言霊の幸 >>>
第一七章
還元
(
くわんげん
)
竜神
(
りうじん
)
〔一九九八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第79巻 天祥地瑞 午の巻
篇:
第3篇 伊吹の山颪
よみ(新仮名遣い):
いぶきのやまおろし
章:
第17章 還元竜神
よみ(新仮名遣い):
かんげんりゅうじん
通し章番号:
1998
口述日:
1934(昭和9)年07月19日(旧06月8日)
口述場所:
関東別院南風閣
筆録者:
谷前清子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年10月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
白菊と白萩は、思う存分泣こうと嘆きの述懐歌を歌いあっていた。そこへ、同じ思いを持つ女郎花が悄然と入り来て、ともに同じ思いを打ち明けあっていた。
そうするうちに、桂木の森をそよがせてやってくる神があった。見れば、艶男である。三人の女神ははっと驚いて、呆然として艶男を見つめていた。
艶男は、自分の肉体はすでに水上山の故郷に帰ったが、三人の真心に引かれて、生言霊が消息を告げにやってきたのだ、と語った。そして、自分の突然の帰還を詫び、燕子花は共に水上山にあることを伝え、三人にそれぞれ歌を送ると、さっと潮風に乗って白雲の奥深くに消えてしまった。
三人の女神は艶男・燕子花の消息を知ると、日ごろの思いを達しようと矢も盾もたまらず、元の竜体になると、湖中にとびこんで南を指して泳ぎ進んでいった。
三柱の竜神は、浦水の浜辺についたが、夜中であったので、多い側の河口からひそかに水上山の聖地へと上っていった。一度竜体になると、容易には人面に戻ることができないので、大井川の対岸の藤の丘という、樹木が密生する場所に忍び住むこととした。
これより、艶男は三竜神の魂に夜な夜な引き込まれ、とつぜん大井川の川辺が恋しくなり、暇があるたびに駒を駆って川を渡り、藤が丘の谷間に遊んでいた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7917
愛善世界社版:
八幡書店版:
第14輯 251頁
修補版:
校定版:
330頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
白萩
(
しらはぎ
)
は
白菊
(
しらぎく
)
と
共
(
とも
)
に
深
(
ふか
)
き
憂
(
うれひ
)
に
沈
(
しづ
)
みながら、
002
百津
(
ゆつ
)
桂樹
(
かつらぎ
)
の
森
(
もり
)
に
分
(
わ
)
け
入
(
い
)
り、
003
思
(
おも
)
ふ
存分
(
ぞんぶん
)
泣
(
な
)
かむものと、
004
籠樹
(
こもりぎ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
立
(
た
)
ちて
述懐
(
じゆつくわい
)
を
歌
(
うた
)
ふ。
005
白菊
(
しらぎく
)
『
匂
(
にほ
)
へども
手折
(
たを
)
る
人
(
ひと
)
なき
一本
(
ひともと
)
の
006
あはれ
野菊
(
のぎく
)
は
吾
(
われ
)
なりにけり
007
伊吹山
(
いぶきやま
)
嵐
(
あらし
)
にふるふ
一本
(
ひともと
)
の
008
あはれ
野菊
(
のぎく
)
はいづらになびかむ
009
いろいろと
花
(
はな
)
は
匂
(
にほ
)
へど
白菊
(
しらぎく
)
の
010
花
(
はな
)
はかなしも
草
(
くさ
)
にかくれて
011
艶男
(
あでやか
)
の
花
(
はな
)
の
香
(
かを
)
りはいづらなる
012
風
(
かぜ
)
の
便
(
たよ
)
りを
聞
(
き
)
くよしもなし
013
艶男
(
あでやか
)
の
君
(
きみ
)
の
手折
(
たを
)
らす
白菊
(
しらぎく
)
の
014
花
(
はな
)
はもとより
枯
(
か
)
れむとすらむ
015
きせ
綿
(
わた
)
を
吹
(
ふ
)
きはらはれし
白菊
(
しらぎく
)
の
016
花
(
はな
)
は
涙
(
なみだ
)
の
露
(
つゆ
)
にしをれつ
017
吾
(
わが
)
恋
(
こ
)
ふる
君
(
きみ
)
の
情
(
なさけ
)
の
露
(
つゆ
)
もなく
018
あはれ
白菊
(
しらぎく
)
枯
(
か
)
れなむとすも
019
滝津瀬
(
たきつせ
)
のしぶきの
露
(
つゆ
)
も
白菊
(
しらぎく
)
の
020
吾
(
われ
)
ははかなき
生命
(
いのち
)
なるかも
021
八重
(
やへ
)
に
咲
(
さ
)
く
竜
(
たつ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
の
白菊
(
しらぎく
)
の
022
花
(
はな
)
恥
(
はづ
)
かしも
水鏡
(
みづかがみ
)
見
(
み
)
れば
023
八千年
(
やちとせ
)
の
菊
(
きく
)
の
香
(
かを
)
りを
楽
(
たの
)
しみし
024
甲斐
(
かひ
)
もあらなく
秋風
(
あきかぜ
)
吹
(
ふ
)
きぬ
025
白菊
(
しらぎく
)
をかざして
御前
(
みまへ
)
に
奉
(
たてまつ
)
ると
026
思
(
おも
)
ひしことは
夢
(
ゆめ
)
なりしかな
027
白銀
(
しろがね
)
の
色香
(
いろか
)
を
保
(
たも
)
つ
白菊
(
しらぎく
)
の
028
薫
(
かを
)
りはあせて
木枯
(
こがらし
)
寒
(
さむ
)
し
029
君
(
きみ
)
は
淡
(
うす
)
く
吾
(
われ
)
白菊
(
しらぎく
)
の
色
(
いろ
)
は
濃
(
こ
)
く
030
在
(
あ
)
りしその
日
(
ひ
)
をしのべばかなし
031
竜神
(
たつがみ
)
の
貴
(
うづ
)
の
島根
(
しまね
)
に
匂
(
にほ
)
ひてし
032
花
(
はな
)
ははかなく
木枯
(
こがらし
)
に
散
(
ち
)
るも
033
吾
(
わが
)
思
(
おも
)
ふ
心
(
こころ
)
の
丈
(
たけ
)
も
白菊
(
しらぎく
)
の
034
君
(
きみ
)
は
雲井
(
くもゐ
)
にのぼりましけむ
035
なげきても
返
(
かへ
)
らぬものと
思
(
おも
)
ひつつ
036
なほ
歎
(
なげ
)
かるる
森
(
もり
)
の
下
(
した
)
かげ
037
君
(
きみ
)
ゆゑに
生
(
い
)
きの
生命
(
いのち
)
の
延
(
の
)
びちぢみ
038
ある
世
(
よ
)
はかなし
泡沫
(
うたかた
)
の
夢
(
ゆめ
)
039
会
(
あ
)
はざればかくも
心
(
こころ
)
をいためまじ
040
君
(
きみ
)
が
色香
(
いろか
)
のあせたるくるしさ』
041
白萩
(
しらはぎ
)
は
歌
(
うた
)
ふ。
042
『
君
(
きみ
)
は
早
(
は
)
や
吾
(
われ
)
の
姿
(
すがた
)
にあき
萩
(
はぎ
)
の
043
うてなに
吹
(
ふ
)
ける
木枯
(
こがらし
)
なりしよ
044
白萩
(
しらはぎ
)
の
露
(
つゆ
)
にかたむくよそほひを
045
君
(
きみ
)
はいとひて
雲
(
くも
)
がくれせしか
046
歎
(
なげ
)
けども
如何
(
いか
)
にせむすべしら
萩
(
はぎ
)
の
047
吾
(
われ
)
はかなしき
花
(
はな
)
なりにけり
048
天
(
あま
)
かけり
地
(
くに
)
かけるとも
恋
(
こ
)
ふる
君
(
きみ
)
の
049
後
(
あと
)
をば
追
(
お
)
はむとひたに
思
(
おも
)
ふも
050
いたづらに
死
(
し
)
する
生命
(
いのち
)
の
思
(
おも
)
はれて
051
今
(
いま
)
一度
(
ひとたび
)
を
会
(
あ
)
はむとぞ
思
(
おも
)
ふ
052
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
清
(
きよ
)
く
正
(
ただ
)
しく
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
けば
053
想像
(
おもひ
)
妊娠
(
はら
)
まむ
白萩
(
しらはぎ
)
の
露
(
つゆ
)
054
あざやかに
御国
(
みくに
)
に
匂
(
にほ
)
ふ
白萩
(
しらはぎ
)
の
055
花
(
はな
)
もしをれぬ
乾
(
かわ
)
ける
露
(
つゆ
)
に
056
白萩
(
しらはぎ
)
の
露
(
つゆ
)
の
生命
(
いのち
)
は
惜
(
を
)
しまねど
057
想像
(
おもひ
)
妊娠
(
はら
)
みし
子
(
こ
)
をいかにせむ
058
この
里
(
さと
)
の
女神
(
めがみ
)
はことごと
艶男
(
あでやか
)
の
059
御子
(
みこ
)
をまさしく
想像
(
おもひ
)
妊娠
(
はら
)
める
060
よしやよし
貴
(
うづ
)
のうまし
子
(
ご
)
生
(
う
)
まるとも
061
父
(
ちち
)
なき
思
(
おも
)
へば
如何
(
いか
)
にかなしき』
062
かかる
時
(
とき
)
、
063
同
(
おな
)
じ
思
(
おも
)
ひの
女郎花
(
をみなへし
)
は
長袖
(
ながそで
)
に
面
(
おもて
)
を
覆
(
おほ
)
ひながら、
064
只一人
(
ただひとり
)
悄然
(
せうぜん
)
として
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
065
桂樹
(
かつらぎ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
二人
(
ふたり
)
の
女神
(
めがみ
)
のひそめるを
見
(
み
)
て、
066
稍
(
やや
)
驚
(
おどろ
)
きながら、
067
『
伊吹山
(
いぶきやま
)
匂
(
にほ
)
ふ
白萩
(
しらはぎ
)
、
白菊
(
しらぎく
)
の
068
君
(
きみ
)
にまさずや
吾
(
われ
)
は
女郎花
(
をみなへし
)
よ
069
よもすがら
君
(
きみ
)
の
姿
(
すがた
)
の
見
(
み
)
えぬより
070
吾
(
われ
)
はい
寝
(
ね
)
ずに
明
(
あ
)
けにけらしな
071
姫神
(
ひめがみ
)
はいづれも
姿
(
すがた
)
をかくしつつ
072
あなたこなたの
樹蔭
(
こかげ
)
に
歎
(
なげ
)
けり
073
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
人目
(
ひとめ
)
をよぎて
泣
(
な
)
かむかと
074
この
森
(
もり
)
かげにしのび
来
(
き
)
にけり』
075
白菊
(
しらぎく
)
、
076
白萩
(
しらはぎ
)
は、
077
女郎花
(
をみなへし
)
の
来
(
きた
)
れるに
驚
(
おどろ
)
きの
目
(
め
)
を見はりながら、
078
恥
(
はづ
)
かしげに
歌
(
うた
)
ふ。
079
『
恋
(
こひ
)
すてふ
心
(
こころ
)
はおなじ
友垣
(
ともがき
)
の
080
共泣
(
むたな
)
く
今日
(
けふ
)
はかなしき
日
(
ひ
)
なるよ
081
歎
(
なげ
)
くとも
及
(
およ
)
ばざるらむ
天地
(
あめつち
)
の
082
神
(
かみ
)
に
祈
(
いの
)
りて
会
(
あ
)
ふ
日
(
ひ
)
待
(
ま
)
つべし
083
せむすべも
泣
(
な
)
く
泣
(
な
)
く
吾
(
われ
)
は
森蔭
(
もりかげ
)
に
084
恥
(
はぢ
)
をしのびて
歎
(
なげ
)
かひ
居
(
ゐ
)
るなり』
085
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
086
百津
(
ゆつ
)
桂樹
(
かつらぎ
)
の
森
(
もり
)
をそよがせて
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
る
神
(
かみ
)
あり。
087
よくよく
見
(
み
)
れば
思
(
おも
)
ひきや、
088
生命
(
いのち
)
をかけて
恋
(
こ
)
ひ
慕
(
した
)
ふ
艶男
(
あでやか
)
の
姿
(
すがた
)
なりける。
089
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
女神
(
めがみ
)
は、
090
はつと
驚
(
おどろ
)
きながら
物
(
もの
)
をも
得言
(
えい
)
はず、
091
呆然
(
ばうぜん
)
として
清
(
すが
)
しき
男子
(
をのこ
)
の
姿
(
すがた
)
を
眺
(
なが
)
め
居
(
ゐ
)
る。
092
艶男
(
あでやか
)
は
百津
(
ゆつ
)
桂樹
(
かつらぎ
)
の
茂枝
(
しげりえ
)
に
直立
(
ちよくりつ
)
しながら
静
(
しづか
)
に
歌
(
うた
)
ふ。
093
『
真心
(
まごころ
)
の
綱
(
つな
)
に
引
(
ひ
)
かれて
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
094
生言霊
(
いくことたま
)
に
渡
(
わた
)
り
来
(
きた
)
れり
095
姫神
(
ひめがみ
)
の
歎
(
なげ
)
きは
知
(
し
)
らぬにあらねども
096
今日
(
けふ
)
の
吾
(
わが
)
身
(
み
)
を
許
(
ゆる
)
し
給
(
たま
)
はれ
097
身体
(
からたま
)
は
水上山
(
みなかみやま
)
に
帰
(
かへ
)
りたり
098
君
(
きみ
)
にひかるる
御魂
(
みたま
)
の
吾
(
われ
)
よ
099
水上山
(
みなかみやま
)
遠
(
とほ
)
く
帰
(
かへ
)
ると
思
(
おも
)
へども
100
汝
(
なれ
)
が
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
に
動
(
うご
)
けず
101
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
吾
(
われ
)
を
許
(
ゆる
)
せよいく
年
(
とせ
)
の
102
後
(
のち
)
には
必
(
かなら
)
ず
来
(
きた
)
りまみえむ
103
燕子花
(
かきつばた
)
姫
(
ひめ
)
は
水上
(
みなかみ
)
の
山
(
やま
)
に
在
(
あ
)
りて
104
輝
(
かがや
)
きにけむ
国人
(
くにびと
)
の
上
(
へ
)
に
105
伊吹山
(
いぶきやま
)
麓
(
ふもと
)
に
匂
(
にほ
)
ふ
白萩
(
しらはぎ
)
の
106
やさしき
心
(
こころ
)
吾
(
われ
)
忘
(
わす
)
れめや
107
白菊
(
しらぎく
)
の
清
(
きよ
)
きよそほひ
如何
(
いか
)
にして
108
吾
(
われ
)
は
忘
(
わす
)
れむ
暫
(
しば
)
しを
待
(
ま
)
ちませ
109
女郎花
(
をみなへし
)
やさしき
花
(
はな
)
の
御手振
(
みてぶ
)
りを
110
恋
(
こひ
)
しく
楽
(
たの
)
しく
心
(
こころ
)
に
止
(
とど
)
むる
111
いざさらば
吾
(
われ
)
は
伊吹
(
いぶき
)
の
山
(
やま
)
の
上
(
へ
)
に
112
身魂
(
みたま
)
鎮
(
しづ
)
めて
御園
(
みその
)
を
守
(
まも
)
らむ』
113
と
言
(
い
)
ひつつ、
114
さつと
吹
(
ふ
)
く
湖風
(
うなかぜ
)
に
艶男
(
あでやか
)
は
霊身
(
れいしん
)
をのせ、
115
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
を
取
(
と
)
り
巻
(
ま
)
く
白雲
(
しらくも
)
の
奥
(
おく
)
深
(
ふか
)
くかくれける。
116
ここに
白萩
(
しらはぎ
)
、
117
白菊
(
しらぎく
)
、
118
女郎花
(
をみなへし
)
の
三女神
(
さんぢよしん
)
は、
119
艶男
(
あでやか
)
、
120
燕子花
(
かきつばた
)
の
二人
(
ふたり
)
は
肉体
(
にくたい
)
共
(
とも
)
に
水上
(
みなかみ
)
の
山
(
やま
)
深
(
ふか
)
く
住
(
す
)
めることを
悟
(
さと
)
り、
121
矢
(
や
)
も
楯
(
たて
)
もたまらず、
122
如何
(
いか
)
にしても
玉耶湖
(
たまやこ
)
を
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り、
123
日頃
(
ひごろ
)
の
思
(
おも
)
ひを
達
(
たつ
)
せむと、
124
忽
(
たちま
)
ち
元
(
もと
)
の
竜体
(
りうたい
)
と
変
(
へん
)
じ、
125
ざんぶと
許
(
ばか
)
り
湖中
(
こちう
)
に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
み、
126
波
(
なみ
)
の
面
(
おもて
)
をおよぎながら、
127
南
(
みなみ
)
をさして
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
とはなりぬ。
128
漸
(
やうや
)
くにして
三柱
(
みはしら
)
の
竜神
(
りうじん
)
は、
129
浦水
(
うらみ
)
の
浜辺
(
はまべ
)
に
安着
(
あんちやく
)
せるが、
130
恰
(
あだか
)
も
月
(
つき
)
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
真夜中
(
まよなか
)
頃
(
ごろ
)
なりければ、
131
大井川
(
おほゐがは
)
の
川口
(
かはぐち
)
より
窃
(
ひそか
)
に
水上山
(
みなかみやま
)
の
聖地
(
せいち
)
をさして
上
(
のぼ
)
る
事
(
こと
)
とはなりぬ。
132
一旦
(
いつたん
)
還元
(
くわんげん
)
したる
竜神
(
りうじん
)
は
容易
(
ようい
)
に
人面
(
にんめん
)
を
保
(
たも
)
つ
事
(
こと
)
能
(
あた
)
はず、
133
大井川
(
おほゐがは
)
の
対岸
(
たいがん
)
なる
藤
(
ふぢ
)
の
丘
(
をか
)
と
言
(
い
)
ふ
樹木
(
じゆもく
)
密生
(
みつせい
)
せる
個所
(
かしよ
)
に
忍
(
しの
)
び
棲
(
す
)
む
事
(
こと
)
とはなりぬ。
134
之
(
これ
)
より
艶男
(
あでやか
)
は
三竜神
(
さんりうじん
)
の
魂
(
たましひ
)
に
夜
(
よ
)
な
夜
(
よ
)
な
引
(
ひ
)
き
込
(
こ
)
まれ、
135
俄
(
にはか
)
に
大井川
(
おほゐがは
)
の
川辺
(
かはべ
)
恋
(
こひ
)
しくなりて、
136
遑
(
いとま
)
ある
毎
(
ごと
)
に
駒
(
こま
)
をうたせ
川
(
かは
)
を
渡
(
わた
)
りて、
137
藤ケ丘
(
ふぢがをか
)
の
谷間
(
たにま
)
に
遊
(
あそ
)
びける。
138
波
(
なみ
)
の
花
(
はな
)
栄居
(
さかゐ
)
の
浜
(
はま
)
も
竜神
(
たつがみ
)
の
139
渡
(
わた
)
り
来
(
き
)
しより
浦水
(
うらみ
)
の
浜
(
はま
)
とふ。
140
(
昭和九・七・一九
旧六・八
於関東別院南風閣
谷前清子
謹録)
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