霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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インフォメーション
題名: 著者:出口王仁三郎
ページ:431
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-20 13:32:42 OBC :B121805c217
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]『更生日記 二の巻』昭和6年2月13日
春の野に咲く百花(ももばな)千花(ちばな)  蝶々の如くに飛び交ひて
次へ次へと移り行く  (ぬし)の浮気のじれつたさ
わたしや悩まし寝られない  もしもお酒が飲めたなら
一時(いつとき)二時(にとき)三時(さんとき)でも  胸の悩みを忘れむものを
ほんに此の世はままならぬ  女と(うま)れたかなしさは
いか(ほど)胸のさわぐとも  一人をつつしむ春の宵。
(ぬし)をあやつる心猿意馬を  のろふ心はなけれども
思へばかなしい春の夜半(よは)  小さい女のこの胸に
警鐘乱打の響きあり  ほんにつれないこの思ひ
いづれに向つて吐逆(とぎやく)せむ。
春は悩まし君の留守  今日で二十日も顔をみぬ
親しい主の友が来て  庭の桜をかこつけて
酒を進むるじれつたさ  み空の月も吾が胸を
あはれみたまふかおぼろげに  のぞかせたまふとみるうちに
しとしと降り来る春の雨  ほんにつれないはづかしい。
女ざかりの二八(にはち)の春を  桜の娘とうたはれて
一人寝る夜の淋しさは  神より(ほか)に知らざらむ
深山(みやま)の奥の柴栗(しばぐり)も  ひらくためしのあるものと
さとらぬ父上母上の  心の空がじれつたい
このままいつまでしのび得む。
(昭和六・二・一三 更生日記 二の巻)
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