霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。実験用サイトサブスク
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第五章 国教問答

インフォメーション
題名:第5章 国教問答 著者:出口王仁三郎
ページ:75 目次メモ:
概要: 備考:2023/10/02校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-10-02 22:47:54 OBC :B121802c117
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正7年9月15日号(第70号) > 国教問答
某 『日本(につぽん)憲法(けんぱふ)では信教(しんけう)自由(じいう)(みと)められて()る。(しか)るに(あらた)めて国教(こくけう)云々(うんぬん)せらるるは()うしたわけですか』
王仁『帝国(ていこく)憲法(けんぱふ)第二十八条に「日本(につぽん)臣民(しんみん)安寧(あんねい)秩序(ちつじよ)(さまた)げず、(およ)臣民(しんみん)たる義務(ぎむ)(そむ)かざる(かぎ)りに(おい)信教(しんけう)自由(じいう)(いう)す」とあつて臣民(しんみん)信教(しんけう)自由(じいう)(みと)められて()るのである。(しか)()信教(しんけう)自由(じいう)()ふのは安寧(あんねい)秩序(ちつじよ)(さまた)げず、臣民(しんみん)義務(ぎむ)(そむ)かざるの範囲(はんゐ)(おい)ての信教(しんけう)自由(じいう)である。現今(げんこん)宗教(しうけう)宗派(しうは)(なか)(おい)て、適切(てきせつ)憲法(けんぱふ)条章(でうしやう)符合(ふがふ)して遺憾(ゐかん)なきものが()るであらうか、(はた)して安寧(あんねい)秩序(ちつじよ)(さまた)ぐるの傾向(けいかう)あるものがないか、(はた)して臣民(しんみん)義務(ぎむ)(そむ)くの(きら)ひあるものがないか、これ(おほ)いに()研究(けんきう)(えう)すべき問題(もんだい)である』
某 『それでは現今(げんこん)宗教(しうけう)(ちう)に一つも完全(くわんぜん)なものがないと()ふのですか。日本(につぽん)臣民(しんみん)(しん)ずべき宗教(しうけう)はないと()ふのですか』
王仁『左様(さやう)急激(きふげき)断定(だんてい)()るまでに、未解決(みかいけつ)問題(もんだい)前提(ぜんてい)(よこた)はつて()る。()退(しりぞ)いて()判定(はんてい)をなすべき根本(こんぽん)標準(へうじゆん)()てての(のち)でなくては、何者(なにもの)何故(なにゆゑ)安寧(あんねい)秩序(ちつじよ)(さまた)ぐるものやら、何者(なにもの)何故(なにゆゑ)臣民(しんみん)義務(ぎむ)(そむ)くのやら、見当(けんたう)がつかないではないか。標準(へうじゆん)尺度(しやくど)()くては盲目(まうもく)(てき)断定(だんてい)(おちい)つてはつまらない』
某 『それでは()標準(へうじゆん)とは(なん)ですか』
王仁『()づ第一に(さだ)むべきことは国教(こくけう)といふことの意義(いぎ)である。その意義(いぎ)明瞭(めいれう)になつてくれば、問題(もんだい)自然(しぜん)解決(かいけつ)してくる。さて国教(こくけう)()意義(いぎ)は「国家(こくか)認定(にんてい)して管理(くわんり)財政(ざいせい)(とう)(てん)(おい)保護(ほご)干渉(かんせふ)()宗教(しうけう)」と(かい)せられて()るが、()れは国教(こくけう)外部(ぐわいぶ)からの形式(けいしき)解釈(かいしやく)したものに()ぎない。()内部(ないぶ)からの意義(いぎ)尋釈(じんしやく)すれば、()国家(こくか)認定(にんてい)する(うへ)根本(こんぽん)原由(げんいん)調査(てうさ)しなければならぬ。現今(げんこん)世界(せかい)各国(かくこく)(おい)て、国教(こくけう)認定(にんてい)せられて()国柄(くにがら)(つい)一々(いちいち)これを取調(とりしら)べてみたならば、随分(ずゐぶん)いろいろ原因(げんいん)があり、(なが)(あひだ)歴史(れきし)根底(こんてい)があることを見出(みいだ)すに(かた)くはない。(しか)しながら()(なが)歴史(れきし)とか、(ふか)原因(げんいん)とかいふことは比較(ひかく)(てき)言葉(ことば)であつて、(けつ)して非常(ひじやう)(ふか)非常(ひじやう)(なが)いと()(やう)絶対(ぜつたい)(てき)意味(いみ)原因(げんいん)はないのである。こう()へば随分(ずゐぶん)議論(ぎろん)もあるかも()れないが、吾々(われわれ)左様(さやう)断定(だんてい)して(はばか)らないのである。耶蘇教国(やそけうこく)でも、仏教国(ぶつけうこく)でも、(べつ)(をか)(がた)いと()ふやうな深遠(しんゑん)崇高(すうかう)関係(くわんけい)()(いだ)すことは出来(でき)ないのである。(かへ)つて(きは)めて(ふる)埃及(えじぷと)希臘(ぎりしや)(とう)古代(こだい)歴史(れきし)には、尊厳(そんげん)意義(いぎ)(くに)(をしへ)との(うへ)連関(れんくわん)して()たオモカゲがあるけれども、(くに)()つるの比較(ひかく)(てき)(あさ)国家(こくか)には、立国(りつこく)本義(ほんぎ)国教(こくけう)建立(こんりふ)とが神秘(しんぴ)(てき)なほどに崇高(すうかう)尊厳(そんげん)意義(いぎ)(おい)結合(けつがふ)して()るところのないのは、(むし)誰人(たれびと)にも発見(はつけん)()らるる事実(じじつ)ではないか。()しも立国(りつこく)本義(ほんぎ)国教(こくけう)建立(こんりふ)とが一体(いつたい)不離(ふり)関係(くわんけい)をなして、万世(ばんせい)不易(ふえき)権威(けんゐ)振張(しんちやう)して()くべき国家(こくか)があつたならば、それこそ(しん)国家(こくか)であり、(しか)して()国教(こくけう)(しん)万世(ばんせい)不磨(ふま)(だい)国教(こくけう)たるべき道理(だうり)である。万世(ばんせい)不磨(ふま)(だい)国教(こくけう)理想(りさう)(てき)国家(こくか)()本源(ほんげん)出発点(しゆつぱつてん)を同一にして(しか)して()国家(こくか)敷衍(ふえん)せられた――換言(くわんげん)すれば拡大(くわくだい)せられた――()()れを評言(ひやうげん)すれば、一切の国家(こくか)が一大理想(りさう)(てき)国家(こくか)種々(しゆじゆ)なる方面(はうめん)()ける顕現(けんげん)であり、表自(へうじ)であると()(うへ)からしての世界(せかい)(てき)(だい)教国(けうこく)といふべきである』
某 『(あま)(はなし)高尚(かうしやう)になつて要領(えうりやう)()ませぬが、国教(こくけう)といふものは万国(ばんこく)々々(ばんこく)歴史(れきし)なり習慣(しふくわん)なりに()つて大体(だいたい)(さだ)まつたものであつて、(その)(くに)国教(こくけう)()国家(こくか)(たい)してこそ権威(けんゐ)もあり、成立(せいりつ)意義(いぎ)もあるのであるのに、所謂(いはゆる)理想(りさう)(てき)国教(こくけう)といふのが世界(せかい)各国(かくこく)(うへ)権威(けんゐ)もあり成立(せいりつ)意義(いぎ)もあるといふは、各国(かくこく)根本(こんぽん)素因(そいん)同根(どうこん)分枝(ぶんし)神約(しんやく)であるといふ(うへ)からの(こと)(しん)じますが、日本(につぽん)国教(こくけう)――理想(りさう)(てき)国教(こくけう)(すなは)世界(せかい)国教(こくけう)である。世界(せかい)国教(こくけう)(すなは)日本(につぽん)国教(こくけう)であると()意義(いぎ)を、()らに詳細(しやうさい)(うけたまは)りたいものです』
王仁『日本(につぽん)(こく)意義(いぎ)三様(さんやう)()(かた)のあることを承知(しようち)して()いて(もら)ひたい。(すなは)(せう)日本(につぽん)(こく)極東(きよくとう)日本(につぽん)(ちう)日本(につぽん)(こく)世界(せかい)全体(ぜんたい)(だい)日本(につぽん)(こく)宇宙(うちう)全体(ぜんたい)(しか)して(せう)(ちう)(だい)の三日本(につぽん)(こく)一貫(いつくわん)不離(ふり)一糸(いつし)不乱(ふらん)脈絡(みやくらく)関係(くわんけい)(いう)し、遠津(とほつ)神代(かみよ)神約(しんやく)神誓(しんせい)(もとづ)いて、歴史(れきし)(じやう)発展(はつてん)して()たことも(まへ)()(とほ)りである。(しか)るに何時(いつ)(とき)よりか、(せう)(ちう)日本(につぽん)(こく)(うへ)離隔(りかく)反目(はんもく)()()(きた)らしめて根本(こんぽん)意義(いぎ)失墜(しつつゐ)したが(ため)に、万世(ばんせい)不磨(ふま)なる宇宙(うちう)(だい)国教(こくけう)(あや)しく変態(へんたい)(てい)して、(かれ)(これ)高卑(かうひ)差別(さべつ)(あら)はし、(いま)(ほと)んど地上(ちじやう)(しん)国家(こくか)(みと)むべき国家(こくか)なく、(しん)国教(こくけう)(みと)むべき国教(こくけう)なく、天地(てんち)冥暗(めいあん)にして百妖(ひやくえう)(かぜ)(のぞ)んで(おこ)り、人心(じんしん)敗頽(はいたい)すること(つひ)()(きよく)(たつ)した次第(しだい)である。この腐敗(ふはい)紊乱(びんらん)原因(げんいん)は、一に(しん)国家(こくか)形式(けいしき)(うしな)ひ、(しん)国教(こくけう)消滅(せうめつ)した(ゆゑ)である。現今(げんこん)各国(かくこく)(みと)めて国教(こくけう)として()るものは(しん)国教(こくけう)ではなくして、ホンの一時的の()りの国教(こくけう)である。真実(しんじつ)真正(しんせい)国教(こくけう)といふものは真実(しんじつ)真正(しんせい)国家(こくか)()存立(そんりつ)(とも)にするものであつて、古今(ここん)(つう)万邦(ばんぱう)(つらぬ)いて不変(ふへん)不動(ふどう)なるものでなければならぬ。()りの国教(こくけう)変易(へんい)して(とどま)らざるものである。(しん)国教(こくけう)千万世(せんまんせい)(わた)るとも(だん)じて一毫(いちがう)変易(へんい)なきものである』
某 『()尊厳(そんげん)なる日本(につぽん)(こく)国教(こくけう)存立(そんりつ)()くして、(かへつ)他国(たこく)()()るは()うしたものです』
王仁『(おや)()(わす)れはせぬが、()(おや)(わす)れて(しま)つた。(おや)天国(てんごく)にまします。(しか)るに子供(こども)()天国(てんごく)(もと)めずして()れを地獄(じごく)(もと)めた。(しゆ)(しゆ)よと()ぶもの(かなら)ずしも天国(てんごく)()ること(あた)はず、いかに(かみ)(ほとけ)よと()べばとて(とな)へればとて、天国(てんごく)真相(しんさう)(わか)らねば(おや)(せつ)することが出来(でき)るものでない。天国(てんごく)とは日本(につぽん)(こく)である。日本(につぽん)(こく)()らねば(しゆ)(せつ)すること(おや)出逢(であ)ふことは出来(でき)ない。各国(かくこく)国教(こくけう)(かく)(いへ)家憲(かけん)として尊重(そんちよう)すべきも、天国(てんごく)大国憲(だいこくけん)地上(ちじやう)(くだ)らねば、四海(しかい)和平(わへい)安楽界(あんらくかい)斯土(このど)出現(しゆつげん)せぬのである。(ゆゑ)国教(こくけう)国憲(こくけん)である。国憲(こくけん)地上(ちじやう)各邦(かくはう)憲法(けんぱふ)である。無限(むげん)権威者(けんゐしや)であるのである。この親権(しんけん)主権(しゆけん)(しば)らく和光(わくわう)同塵(どうぢん)して子孫(しそん)(つみ)寛容(くわんよう)(たま)うたのが、三千年(らい)地上(ちじやう)歴史(れきし)である』
某 『それでは()至厳(しげん)なる親権(しんけん)主権(しゆけん)何時(いつ)地上(ちじやう)(くだ)りますか』
王仁『今に降ります。その(とき)(はじ)めて安寧(あんねい)秩序(ちつじよ)(さまた)げるか(さまた)げぬか、(およ)日本(につぽん)臣民(しんみん)たるの義務(ぎむ)(そむ)くか(そむ)かぬかの所以(ゆゑん)明確(めいかく)になつて、()(まつた)()(わた)ります。群星(ぐんせい)(ひかり)(ことごと)(げん)じて、朝日(あさひ)太平洋(たいへいやう)(じやう)()づるわけである。世人(せじん)はウカウカとした(ゆめ)のやうな(まぼろし)のやうな国教(こくけう)云々(うんぬん)するが、それは結局(けつきよく)児戯(じぎ)である。(しん)国教論(こくけうろん)立脚地(りつきやくち)絶対(ぜつたい)(ここ)にあらねばならぬ』
某 『その(しん)国教(こくけう)如何(いか)なる順序(じゆんじよ)()(まゐ)りますか』
王仁『世界(せかい)東北(とうほく)極隅(きよくぐう)太平洋(たいへいやう)から()(まゐ)ります。旭日(あさひ)標章(へうしやう)()陣頭(ぢんとう)()つて()る。旭日(きよくじつ)(はた)意義(いぎ)が第一に解明(かいめい)されてくる。旭日(きよくじつ)は十六(しやう)菊花形(きくくわがた)です。そして当然(たうぜん)至厳(しげん)神剣(しんけん)(うしとらの)金神(こんじん))と至仁(しじん)神珠(しんじゆ)(ひつじさるの)金神(こんじん))とが(ともな)ひます。(くは)しい(こと)は、本当(ほんたう)()(かた)(もつ)皇典(くわうてん)古事記(こじき)天孫(てんそん)降臨(かうりん)(だん)と、大本(おほもと)開祖(かいそ)の二十(いう)()(ねん)(かん)神書(しんしよ)熟読(じゆくどく)熟考(じゆくかう)せられたら明快(めいくわい)判明(はんめい)します』
某 『国教(こくけう)()てくれば世界(せかい)一切の宗教(しうけう)消滅(せうめつ)しますか』
王仁『いや消滅(せうめつ)はしませぬ。(かく)宗教(しうけう)(みな)(ことごと)本来(ほんらい)真形(しんけい)本質(ほんしつ)面目(めんもく)暴露(ばくろ)して(ことごと)(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)讃美(さんび)し、各自(かくじ)本性(ほんしやう)(まも)つて信服(しんぷく)随従(ずゐじう)すること、明治(めいぢ)維新(ゐしん)封建(ほうけん)制度(せいど)(たちま)ちに(やぶ)れて大名(だいみやう)小名(せうみやう)(ことごと)陛下(へいか)赤子(せきし)たる(こと)()り、(いづ)れも(みな)信服(しんぷく)随従(ずゐじう)して()職掌(しよくしやう)(まも)つて忠誠(ちうせい)(はげ)むが(ごと)有様(ありさま)になるので()ります』
某 『それでも頑強(ぐわんきやう)宗教(しうけう)(たたかひ)(いど)(こと)()りますまいか』
王仁『それはあるかも()れないが、(しか)しそんなものは一撃(いちげき)(もと)征服(せいふく)するのです』
某 『国教(こくけう)には幾多(いくた)教式(けうしき)教条(けうでう)がありますか』
王仁『()ります。至厳(しごん)至重(しちよう)教式(けうしき)もあり、至宝(しはう)至妙(しめう)教条(けうでう)もあります。それ()(ことごと)神典(しんてん)(ぶん)(なか)秘蔵(ひざう)されて()る。いま(これ)()ふのは(はや)いが、(いづ)れは()ふべき時期(じき)到来(たうらい)します』
某 『貴下(あなた)何故(なぜ)仏説(ぶつせつ)(また)耶蘇(やそ)(けう)()()れて自説(じせつ)証明(しようめい)せられますか。日本(につぽん)国教(こくけう)独立(どくりつ)である(はず)なのに、此等(これら)(せつ)()れらるるのは(かへつ)神仏(しんぶつ)混淆(こんかう)(とう)(うたが)ひを(おこ)させる(もと)であらう。一切(ぶつ)()(はな)れて()いて(いただ)きたいが()うです』
王仁『問者(もんじや)()から()らるる(とき)は、(ある)ひは仏教(ぶつけう)とか、(ある)ひは耶蘇(やそ)(けう)とか()ふものが個立(こりつ)して()るかも()らないが、(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)(うへ)から()れば仏教(ぶつけう)もない耶蘇(やそ)(けう)もない、仏教(ぶつけう)といふものは(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)の一部を()いたもの、分類(ぶんるゐ)(てき)(つた)へたもの、傍系(ばうけい)(てき)(つた)へたもの、これより(ほか)意義(いぎ)はないのである。耶蘇(やそ)(けう)といふても()(とほ)りである。(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)(をしへ)統主(とうしゆ)であるから、仏教(ぶつけう)でも耶蘇(やそ)(けう)でも、(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)内部(ないぶ)のものであること、明治(めいぢ)王政(わうせい)維新(ゐしん)(のち)は、所謂(いはゆる)外様(とざま)大名(だいみやう)普代(ふだい)大名(だいみやう)も一に日本(につぽん)臣民(しんみん)たるに(いた)つたと同様(どうやう)である。()徳川(とくがは)(だい)(せう)(みやう)明治(めいぢ)以来(いらい)()(なか)()つなと()へば、皇室(くわうしつ)藩屏(はんぺい)(かず)(すくな)貴族院(きぞくゐん)議長(ぎちやう)()(ひと)()きを(うれ)ふるに(いた)るかも()れぬ。とかく日本(につぽん)神道家(しんだうか)胸量(きようりやう)がせまくていけない』
某 『()仏教(ぶつけう)耶蘇(やそ)(けう)従前(じうぜん)(どほ)りでよいとするならば、(べつ)(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)大本(おほもと)(をしへ)宣布(せんぷ)するの必要(ひつえう)()りますまい』
王仁『いやいや(おほ)いに必要(ひつえう)があるのである。仏教(ぶつけう)()ふのは仏教(ぶつけう)教説(けうせつ)純然(じゆんぜん)たる教理(けうり)()ふので、真言(しんごん)天台(てんだい)真宗(しんしう)日蓮(にちれん)といふやうな、宗旨(しうし)宗派(しうは)()ふのではない。普代(ふだい)外様(とざま)日本(につぽん)臣民(しんみん)であるといふのは大名(だいみやう)(その)(ひと)()ふので、普代(ふだい)外様(とざま)()(まま)にしておいて、日本(につぽん)臣民(しんみん)()てるのではない。(ゆゑ)各宗(かくしう)各派(かくは)打破(だは)せられて純粋(じゆんすゐ)位置(ゐち)(いた)つて、(のち)(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)広宣(くわうせん)流布(るふ)されるのである。(ゆゑ)に一面から()へば仏教(ぶつけう)打破(だは)である。耶蘇(やそ)(けう)全滅(ぜんめつ)である。(しか)りと(いへど)純然(じゆんぜん)たる仏教(ぶつけう)消滅(せうめつ)もしなければ、(また)耶蘇(やそ)(けう)純然(じゆんぜん)たる(をしへ)(ほろ)びはしない。(ゆゑ)吾々(われわれ)耶蘇(やそ)(けう)仏教(ぶつけう)とは()ふけれど、何々(なになに)(しう)とか、何々(なになに)()道義(だうぎ)とか()ふことは一度も()はない。法華(ほけ)(きやう)大日(だいにち)(きやう)新約(しんやく)旧約(きうやく)道教(だうけう)儒教(じゆけう)引証(いんしよう)引例(いんれい)には()げる(こと)もあるけれども、人師(じんし)論師(ろんし)立説(りつせつ)()らないのである』
某 『その純然(じゆんぜん)たる仏教(ぶつけう)とか、耶蘇(やそ)(けう)とか()ふものが(わか)らないではありませぬか、各宗(かくしう)各派(かくは)()宗派(しうは)だけが純然(じゆんぜん)たる唯一(ゆゐいつ)根本(こんぽん)のものと思惟(しゐ)して()るのではありませぬか』
王仁『至極(しごく)(もつと)もな(とひ)です。(ゆゑ)(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)日本(につぽん)神典(しんてん)主典(しゆてん)として、()主典(しゆてん)意義(いぎ)標準(へうじゆん)として各種(かくしゆ)経典(きやうてん)識別(しきべつ)せるものである。仏教(ぶつけう)にも大乗(だいじよう)あり、小乗(せうじよう)あり、顕教(けんけう)あり、密教(みつけう)あり、()(とほ)りではないが、日本(につぽん)神典(しんてん)意義(いぎ)憲法(けんぱふ)となつて一切を鑑別(かんべつ)するから、(かがみ)にかけて()らすが(ごと)きものである』
某 『日本(につぽん)神典(しんてん)主典(しゆてん)とする(こと)は、(だい)日本(につぽん)国教(こくけう)建設(けんせつ)せるものから()へば()(かく)も、仏教(ぶつけう)耶蘇(やそ)(けう)から()へば、日本(につぽん)神典(しんてん)によりて(りつ)せられねばならぬと()義務(ぎむ)はないではありませぬか』
王仁『()れは(だい)日本(につぽん)神典(しんてん)材がすると()ふよりも、()権威がするのです。(おや)()()(たい)して本来(ほんらい)親権(しんけん)があるのである。(きみ)万民(ばんみん)(たい)して本来(ほんらい)親権(しんけん)がある。(もと)より万世(ばんせい)一系の帝王(ていわう)には本来(ほんらい)()君権(くんけん)無始(むし)無終(むしう)付随(ふずゐ)して()るのである。これを権威(けんゐ)()ふのである』
某 『日本(につぽん)神典(しんてん)()うして()(やう)権威(けんゐ)がありますか』
王仁『日本(につぽん)神典(しんてん)は一切の経典(きやうてん)教説(けうせつ)(おや)である。()である。(しか)して君主(くんしゆ)であるのである。本来(ほんらい)本有(ほんいう)()関係(くわんけい)があるから、日本(につぽん)神典(しんてん)には本来(ほんらい)本有(ほんいう)(しゆ)()(しん)三権(さんけん)掌握(しやうあく)されて()るのである』
某 『左様(さやう)(こと)説明(せつめい)出来(でき)ますか』
王仁『大層(たいそう)複雑(ふくざつ)考証(かうしよう)をなす必要(ひつえう)があるけれども、現代(げんだい)人々(ひとびと)諒解(りやうかい)出来(でき)ないこともありますまい』
某 『是非(ぜひ)(うけたまは)りたいものです』
王仁『(たん)時間(じかん)にては到底(たうてい)(まを)()べることが困難(こんなん)であるが、第一仏教(ぶつけう)だが、アレは小乗(せうじよう)の一部を(のぞ)いては印度(いんど)釈迦(しやか)()いたものではない。大乗(だいじよう)()仏説(ぶつせつ)学者(がくしや)(かん)()定論(ていろん)()つてよろしい。(おほ)くの参考書(さんかうしよ)現代(げんだい)出版(しゆつぱん)されて()るから、一応読破(どくは)して()るが()い。大乗(だいじよう)仏教(ぶつけう)日本(につぽん)(こく)所産(しよさん)である。神神(かみがみ)所説(しよせつ)である。大国主(おほくにぬしの)(かみ)()説教(せつけう)天忍穂耳(あめのおしほみみの)(みこと)()説教(せつけう)との二大別があつて、密教(みつけう)()諸教(しよけう)大国主(おほくにぬし)神系(しんけい)経典(きやうてん)で、法華(ほけ)(きやう)天忍穂耳(あめのおしほみみ)神系(しんけい)である。(しか)しこんな(こと)()きかけたら際限(さいげん)がない。竜樹(りうじゆ)菩薩(ぼさつ)竜宮(りうぐう)()つて鉄塔(てつたふ)(ひら)いて大乗(だいじよう)仏教(ぶつけう)宝典(はうてん)取出(とりだ)したと()(はなし)なんぞ、非常(ひじやう)面白(おもしろ)いのだが、()れも(なが)くなる。(さいは)法華(ほけ)(きやう)日本(につぽん)神典(しんてん)直接(ちよくせつ)()いたもので、神々(かみがみ)史的(してき)記述(きじゆつ)である。(だい)日本(につぽん)史的(してき)経典(きやうてん)として非常(ひじやう)価値(かち)のあるものである。()法華(ほつけ)神典(しんてん)古事記(こじき)との比較(ひかく)研究(けんきう)なぞは(すこぶ)愉快(ゆくわい)なもので、日本(につぽん)神典(しんてん)主典(しゆてん)であつて、天上(てんじやう)天下(てんか)本来(ほんらい)根本(こんぽん)権威(けんゐ)ある(しゆ)()(しん)であることは明確(めいかく)になつてるが、これも(たん)時間(じかん)では()べられない。耶蘇(やそ)(けう)耶蘇(やそ)キリストと()実在(じつざい)人物(じんぶつ)があつたか、()うかと()問題(もんだい)幾多(いくた)学者(がくしや)によつて考証(かうしよう)論究(ろんきう)せられたのであるが、それは()(かく)として、耶蘇(やそ)(けう)根本(こんぽん)意義(いぎ)真言(しんごん)密教(みつけう)所説(しよせつ)から()たことは(あきら)かである。十字架がその()(はし)である。十字架は(ひと)(はりつけ)にする刑具(けいぐ)だと(おも)ふのは(おほ)間違(まちが)ひであつて、密教(みつけう)(もち)ゐる十字金剛(こんがう)(きね)である。約翰(ヨハネ)(でん)首章(しゆしやう)(ごと)きは密教(みつけう)()()のままに(つた)へたものである。幽玄(いうげん)なる語句(ごく)(ことごと)密教(みつけう)語法(ごはふ)経義(きやうぎ)である。これ()詳細(しやうさい)()べる必要(ひつえう)があるが、(たん)時間(じかん)では到底(たうてい)()べつくされる(はず)がない。してみると簡易(かんい)()べるべき(なに)ものも()くなる。マアこんな考証(かうしよう)他日(たじつ)再会(さいくわい)(みぎ)り、()()るお(はな)しすることにしませう』
(大正七、九、一五号 神霊界)
文芸社文庫『あらすじで読む霊界物語』絶賛発売中!
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki