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第六章 蜻蛉の臀呫の真意義

インフォメーション
題名:第6章 蜻蛉の臀呫の真意義 著者:出口王仁三郎
ページ:422 目次メモ:
概要:蜻蛉(あきつ)の臀呫(となめ) 備考:2023/10/05校正。 タグ:アキツトナメ データ凡例: データ最終更新日:2024-03-11 06:27:37 OBC :B121802c165
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正7年5月1日号(第61号) > 宗教と政治(二)
 日本人(につぽんじん)日本国(につぽんこく)を讃美するのは、御国(おくに)自慢の常性からであると云ふものがある。大日本国は天国の移写であるといへば、少し(ばか)り似て居たとて、(ただち)に移写とは早計だといふものがあるであらう。
 日本国が天国の移写であると云ふ点は、大小一切の要件を具備して居るから云ふので、少し許りと謂ふ程度では毛頭ないのだ。()何等(なんら)かの方面に、(その)一致せざる点があるだらうか。問ひ(ただ)すぺき問題である。
 有名無実な現代の誤れる部分を、比較するは非法(ひはふ)である。根本(こんぽん)の国体、政体を比較せねば成らぬ。(かけひ)博士の古神道(こしんだう)などは、この証明の一部を為して居るものである。
 天地(てんち)初発(しよはつ)の時に(おい)て、天地の父母の神は大地球国土(こくど)を産みましたが、特に御心(みこころ)を傾けて産みたまふたのは、豊秋津洲(とよあきつしま)(地球)であつたのである。
 豊秋津洲に(その)核とも称すベき、同形小型の国が成立して居て、これを「根別(ねわけ)」の国と謂うたのでる。()あれば核あるは、天地の通理である。核は新植物の素体(そたい)なるも(また)天地の玄妙なる通則である。(古事記参照)
 豊秋津洲は地球である。(しか)して根別(ねわけ)の国は(わが)大日本国である。大祓詞(おほはらひのりと)豊葦原(とよあしはら)瑞穂国(みづほのくに)とあるは、豊秋津(とよあきつ)地球(ちきう)の別名で、大倭(おほやまと)日高見(ひたかみ)とは根別(ねわけ)日本国の別の名である。
豊秋津洲(とよあきつしま)は地球の又の御名(みな)秋津(あきつ)根別(ねわけ)()(もと)の国
葦原(あしはら)瑞穂(みづほ)の国は地球なり、(わが)大日本は日高見(ひだかみ)の国
 考証は幾多の紙面と、幾多の時日(じじつ)とを要するが故に、今は之を省くより仕方がない。省略の背後に幾多無量の研鑽的産物が(ざう)せられて居る事を記憶せられたいのである。
 試みに世界地図を(ひら)いて、世界各国の地形と、日本国の地形とを比較研究して見よ。()如何(いか)に類似し、(その)同一典型に()でたるかの(おもかげ)を認むるに(かた)からざることを。
 世界の各大洲(たいしう)に、幾多の変遷があつたに相違ない。日本の地形にも幾多の変遷があつたのである。双方に幾多の変遷を重ねた大小の秋津洲は、今や(その)形容を(はなは)だしく変化せしめては居るが、神誓(しんせい)神約(しんやく)の太古の(おもむき)は、髣髴(はうふつ)として之を認めるに(かた)からざる次第である。
濠太利(オースタリー)──四国 ○阿弗利加(アフリカ)──九州 ○北亜米利加(アメリカ)──北海道 O南亜米利加(アメリカ)──台湾 ○亜細亜(アジア)欧羅巴(ヨーロツパ)──本州
 右の対照を地図の上に(おい)て、仔細に精査したならば、思ひ半ばに過ぐるものがあるであらう。
 神武天皇が、腋上(わきがみ)嗛間丘(ほほまのをか)に登りまして国状(こくじやう)(めぐらし)(おほ)し給ひ、
妍哉乎。国之獲矣。雖内木綿之真作国。猶如蜻蛉之臀呫焉。日本書紀巻第三 神武天皇紀の一節。底本には訓点とフリガナがあるがここでは省略した。読み下し文「妍哉乎(あなにや)、国を()つること。内木綿(うつゆふ)真作(まさ)き国と(いへど)も、(なほ)蜻蛉(あきづ)臀呫(となめ)の如くにあるかな」〔岩波文庫『日本書紀(一)』p242〕
(あふ)せられたのは、大小の秋津洲の環物状(くわんぶつじやう)を為して、(たがひ)に密接相対の関係のあるを示させ給うたのである。
 日本は世界一、地の中枢である。文芸、宗教、教育、其他あらゆるものの枢府である。熱帯に(まくら)し、寒帯に脚を延ばし、あらゆる気候、あらゆる土質(どしつ)風土(ふうど)凝聚地(ぎようしゆうち)である。即ち世界一切の小縮写である。(いな)、世界万邦の(なか)(くに)として、万国統治の中府(ちうふ)である。霊域である。この霊域、日本国の中府に天御柱(おほみはしら)アオウエイの父音なす金竜海(きんりうかい)が神示に()りて築かれたのである。()づけて大八洲(おほやしま)と称し、世界の縮写とす。
 木村(きむら)鷹太郎(たかたらう)氏の日本太古史は、地理歴史上から日本国の範囲の偉大なる事を考証して、(すこぶ)る皇典の光を発揮した大学者であるが、大小秋津洲の関係を了知されないから、何時(いつ)日本人が希臘(ギリシヤ)方面から此土(このど)に来たかの証明に(きう)し、幾多の歳月と多量の黄金(わうごん)を以てせずば、知るの手段が見出(みいだ)せないと投出(なげだ)して居るのである。
 ()し木村氏の従来の(まま)の考へなれば、幾多の歳月と多量の黄金(わうごん)が在つても、トテモ駄目である。心気一転して、蜻蛉(あきつ)臀呫(となめ)の研究に向はねばならないのである。
 地球は天球の縮図である。(しか)して日本国は地球の縮図である。以上歴史が変遷して、大小の秋津洲が、今や(あひ)疎隔(そかく)して何等の関係無く(むし)仇讎(きうしう)の如き間柄を現はさないとも限らない有様ではあるが、ものは必ず(その)根本(こんぽん)に立ち帰るベきものであれば、皇典古事記、大本の(をしへ)の光が世に出て、日本国内の整理が充分に行はれて、本来の面目(めんもく)に復帰した時に、必ずや世界の大統一が実現して、天国本来の寂光土で此の世に発現すべき事(なん)(うたがひ)なき次第である。
 皇太祖(くわうたいそ)大神の顕現し給ひて、神示を垂れさせ給ひ、言霊(ことたま)稜威(みいづ)によりて、皇典大本の(をしへ)発展の際にあらずむば、天国も浄土も斯土(このど)には(くだ)らぬのである。(この)(さい)を弥勒の出世(しゆつせい)、松の()の出現、キリストの再生、荒木(あらき)棟梁(とうりやう)御門(ごもん)参りと申すのである。
(大正七、五、一、神霊界誌)
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