霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
×
設定
URL:
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
行間
ルビの表示


アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[※]用語解説 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

脚注[*]編集用 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

外字の外周色 [?]一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。[×閉じる]
現在のページには外字は使われていません

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。

第一一章 大蛇(をろち)退治(たいぢ)の段(だん)〔五七八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第15巻 如意宝珠 寅の巻 篇:第2篇 古事記言霊解 よみ(新仮名遣い):こじきことたまかい
章:第11章 大蛇退治の段 よみ(新仮名遣い):おろちたいぢのだん 通し章番号:578
口述日:1920(大正9)年01月16日(旧11月26日) 口述場所: 筆録者:谷村真友[#講演筆録] 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年12月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
追放された素盞嗚尊が降られた出雲国とは、いづくもの国、という意味で、地上一切の国土のことである。
肥河上は、万世一系の皇統を保ち、完全無欠の神政を樹立する日本国、という意味である。
また鳥髪の地とは、十(たり)の神の顕現地、ということである。厳の御魂・瑞の御魂が神業に従事する世界経綸の地という意味である。
素盞嗚尊は世界を大改良するためにあまねく天下を経歴した後、ついに地質学上の中心である、日本国の高天原である至聖地に降臨し給うた。
自分が明治三十一年の八月に、瑞の御魂の神代として高座山より退われて、綾部の聖地に降ったのは、即ち素盞嗚尊が一人の選ばれた神主に憑依して、神世開基の出現地に参り上って神の経綸地であることを感知された、という古事記の予言が実現したのである。
肥の河上より箸が流れてきたのを見つけた、という尊の故事は、箸も橋も渡すという意味があり、悪を去って善に遷らしめる神教の意味である。神諭にも、綾部の大本は世界の大橋である、とある。
しかしこのような立派な教えも、邪神のために流し捨てられて日に日に神威が落ちて行くことが、ここに暗示されている。設立当時に某教会が開祖の教えを隠し、瑞霊を追い返して自分の教会を開設したような状態が、『ハシ』が川から流れた、ということである。
老夫・老女が童女を中に置いて泣いていた、という故事は、変性男子(国常立尊と開祖の身魂)がすべての人民を心配している、ということを表す。またオトメの言霊解は、「日本固有の大和魂の本能、花も実もある神人」の意である。
明治三十一年秋に、瑞の御魂に須佐之男神が懸かって、老夫と老女の合体神である開祖に面会した。そして櫛名田姫は本守護神金勝要神である。これはこの古事記の一節が実現したということである。
遠い外国の地は、数千年来悪神の企みによって混乱を来たし、またその悪思想によって日本魂が絶滅しつつある。ただひとつ、神国固有の日本魂たるオトメが残ったのみである。変性男子はこれをなんとかお守りしなくてはならない、と天下を嘆き、しかしその方法がわからずに天に向かって号泣されていた。
悪神の本体はひとつであるが、その意を汲んで世界覆滅の陰謀に参加しているのは、八人の頭株である。その下には無数の手下があって活動している。これが「身一つに頭八つ尾八つあり」ということである。
八つ頭とは、英、米、露、仏、独、伊などの強国に潜伏している現代的大勢力の巨魁のことである。地球上の各国は、みなこの悪神蛇神のために苦悶している。
ここに天より降った須佐之男命は、老夫なる国常立尊の神霊に対して、万民の救済を一任して欲しいと宣した。国常立尊は、あなたのご職掌をお教えください、とお尋ねになったので、須佐之男大神は、自分は天照大御神の実弟で大海原をしろしめす職掌である、とお答えになった。
変性男子の御魂はそれを聞いて大変喜び、自分の人民を貴神にお預けする、とおおせられた。これが明治三十一年の秋に、変性男子と変性女子の身魂に神懸かりがあったときの御言である。
瑞の霊魂である速須佐之男命は、二霊一体である神政開祖の神人より、人民の守護化育を一任され、一大金剛力を発揮して本来の日本魂に立替へ立直しをなし、更に進んでその実行者とし賜うた。
天下万民の身魂を改良して、足名椎・手名椎なる変性男子の御魂にお渡しするには、相当の歳月を要した。あるいは神徳、物質力、自然力、教戒、慈愛をもって導かれたそのご神恩を忘れてはならない。
速須佐之男命は変性男子の御魂に対して、立派に日本魂を作り上げられたことを神々に報謝するため、瑞垣を巡らして祭壇を設け、清らかな酒を捧げるべきである、と述べられた。
しかし八岐大蛇に憑依された悪神の眷属どもが、大神酒を飲んでしまった。瑞の御魂の大神は、世界人民の不行跡を見るに忍びず、神軍を起こしてこの悪鬼蛇神の憑依した身魂を切り散らし、亡ぼされた。
「肥の河」なる世界の祖国日本の上下人民は、心から改心して血の赤い真心となり、世界の人民と同じ血族のごとくなり、永遠無窮に天下が治まったのである。
また、大蛇の尾から都牟刈之太刀を発見した、という故事は、葦原の中津国の下層社会の人民の中に、立派な金剛力の神人を見つけた、ということである。
都牟刈之太刀とは言霊学上から言うと、伊都能売の身魂であり、三千世界の大救世主のことである。徳をもって人民を悦服せしめる一大真人、日本国の柱石にして世界治平の基となるべき神器的神人をして、草薙剣というのである。
また草薙剣とは、日本国全体のことでもある。この神国を背負う真人は、草薙神剣の霊魂の活用者である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ:霊止 データ凡例: データ最終更新日:2023-09-20 14:24:48 文字数:8554 OBC :rm1511
愛善世界社版:123頁 八幡書店版:第3輯 325頁 修補版: 校定版:123頁 普及版:56頁 初版: ページ備考:
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]:神霊界 > 大正10年3月1日号(第135号)【出口王仁三郎執筆】 > 皇典と現代(六)
001『故(かれ)、002退(やら)はれて、003出雲(いづも)の国(くに)の肥河上(ひのかはかみ)なる鳥髪(とりかみ)の地(ところ)に降(くだ)りましき』(古事記(こじき)の大蛇(をろち)退治(たいぢ)の段(だん))
004 出雲国(いづものくに)は何処諸(いづくも)の国(くに)と云(い)ふ意義(こと)で、005地球(ちきう)上(じやう)一切(いつさい)の国土(こくど)である。006肥河上(ひのかはかみ)は、007万世(ばんせい)一系(いつけい)の皇統(くわうとう)を保(たも)ちて、008幽顕(いうけん)一致(いつち)、009神徳(しんとく)無窮(むきう)にして皇朝(くわうてう)の光(ひか)り晴(は)れ渡(わた)り、010弘(ひろま)り、011極(きは)まり、012気形(きけい)透明(とうめい)にして天体(てんたい)地体(ちたい)を霊的(れいてき)に保有(ほいう)し、013支障(ししやう)なく神人(しんじん)充満(じゆうまん)し、014以(もつ)て協心(けふしん)戮力(りくりよく)し、015完全(くわんぜん)無欠(むけつ)の神政(しんせい)を樹立(じゆりつ)する至聖(しせい)至厳(しげん)至美(しび)至清(しせい)の日本国(にほんこく)といふ事(こと)なり。
016 鳥髪(とりかみ)の地(ところ)とは、017十(たり)の神(かみ)の顕現地(けんげんち)と云(い)ふ事(こと)にして、018厳(いづ)の御魂(みたま)、019瑞(みづ)の御魂(みたま)が経(たて)と緯(よこ)との神業(しんげふ)に従事(じゆうじ)し、020天地(てんち)を修斎(しうさい)し玉(たま)ふ神聖(しんせい)の経綸地(けいりんち)といふことなり。021要(えう)するに世界(せかい)を大改良(だいかいりやう)せむ為(た)めに素盞嗚(すさのをの)尊(みこと)は普(あまね)く天下(てんか)を経歴(けいれき)し、022終(つひ)に地質学(ちしつがく)上(じやう)の中心(ちうしん)なる日本国(にほんこく)の地(ち)の高天原(たかあまはら)なる至聖地(しせいち)に降臨(かうりん)し玉(たま)ひたるなり。023明治(めいぢ)三十一(さんじふいち)年(ねん)の秋(あき)八(はち)月(ぐわつ)に、024瑞(みづ)の御魂(みたま)の神代(かむしろ)として高座山(たかくらやま)より神退(かむやら)ひに退(やら)はれて綾部(あやべ)の聖地(せいち)に降(くだ)りたるは、025即(すなは)ち素盞嗚(すさのをの)尊(みこと)が、026一人(ひとり)の選(えら)まれたる神主(かむぬし)に憑依(ひようい)し給(たま)ひて、027神世開祖(よはね)の出現地(しゆつげんち)に参上(まゐのぼ)りて神(かみ)の経綸地(けいりんち)たることを感知(かんち)されたるも同様(どうやう)の意味(いみ)なり。028古事記(こじき)の予言(よげん)は古今(ここん)一貫(いつくわん)、029毫末(がうまつ)も変異(へんい)なく、030且(か)つ謬(あやま)りなき事(こと)を実証(じつしよう)し得(う)るなり。
031『此(この)時(をり)しも箸(はし)其(そ)の河(かは)より流(なが)れ下(くだ)りき』
032ハシの霊返(たまかへ)しはヒなり。033ヒは大慈(だいじ)大悲(だいひ)の極(きは)みなり。034ハシの霊返(たまかへ)しのヒなるもの、035ヒノカハカミより流(なが)れ来(き)たると云(い)ふ明文(めいぶん)は実(じつ)に深遠(しんゑん)なる意義(いぎ)の包含(はうがん)されあるものなり。036又(また)箸(はし)は凡(すべ)てを一方(いつぱう)に渡(わた)す活用(くわつよう)あるものにして、037川(かは)に架(か)する橋(はし)も、038食物(しよくもつ)を口内(こうない)へ渡(わた)す箸(はし)もハシの意味(いみ)に於(おい)ては同一(どういつ)なり。039悪(あく)を去(さ)り善(ぜん)に遷(うつ)らしむる神(かみ)の教(をしへ)のハシなり。040暗黒(あんこく)社会(しやくわい)をして光明(くわうみやう)社会(しやくわい)に改善(かいぜん)せしむる神教(しんけう)もハシなり。041故(ゆゑ)に御(ご)神諭(しんゆ)にも、042綾部(あやべ)の大本(おほもと)は世界(せかい)の大橋(おほはし)であるから、043此(この)大橋(おほはし)を渡(わた)らねば、044何(なに)も分(わか)りは致(いた)さむぞよ云々(うんぬん)とあるも、045改過(かいくわ)遷善(せんぜん)、046立替(たてかへ)立直(たてなほ)しの神教(しんけう)の意味(いみ)なり。047その箸(はし)は肥(ひ)の河(かは)より流(なが)れ下(くだ)りきとは、048斯(かか)る立派(りつぱ)な蒼生(さうせい)救済(きうさい)の神教(しんけう)も、049邪神(じやしん)の為(ため)に情無(なさけな)くも流(なが)し捨(す)てられ、050日(ひ)に日(ひ)に神威(しんゐ)を降(おと)しゆく事(こと)の意味(いみ)なり。051是(これ)を大本(おほもと)の出来事(できごと)に徴(ちよう)して見(み)るに、052去(さ)る明治(めいぢ)三十一(さんじふいち)年(ねん)に瑞(みづ)の御魂(みたま)の神代(かむしろ)として十神(とりかみ)の聖地(せいち)に降(くだ)りたる神柱(かむばしら)を、053某(ぼう)教会(けうくわい)や信者(しんじや)が中(なか)を遮(さへぎ)り、054以(もつ)て厳(いづ)の御魂(みたま)、055瑞(みづ)の御魂(みたま)の合致(がつち)的(てき)神業(しんげふ)を妨害(ばうがい)し、056瑞霊(ずゐれい)の神代(かむしろ)を追返(おひかへ)し、057彼(かれ)等(ら)の徒党(とたう)が教祖(けうそ)を看板(かんばん)として至厳(しげん)至重(しちよう)なる神教(しんけう)を潜(ひそ)め隠(かく)し、058某(ぼう)教会(けうくわい)を開設(かいせつ)したる如(ごと)き状態(じやうたい)を指(さ)して『ハシ其(そ)の河(かは)より流(なが)れ下(くだ)りき』といふなり。
059『於是(ここに)須佐之男(すさのをの)命(みこと)其(そ)の河上(かはかみ)に人(ひと)有(あ)りけりとおもほして尋(たづ)ね上(のぼ)りて往(いで)まししかば老夫(おきな)と老女(おみな)と二人(ふたり)在(あ)りて童女(おとめ)を中(なか)に置(お)きて泣(な)くなり』
060 茲(ここ)に顕幽(けんいう)両界(りやうかい)の救世主(きうせいしゆ)たる須佐之男(すさのをの)命(みこと)は、061肥(ひ)の河上(かはかみ)なる日本国(にほんこく)の中心(ちうしん)、062地(ち)の高天原(たかあまはら)に神人(しんじん)現(あら)はれ、063世界(せかい)経綸(けいりん)の本源地(ほんげんち)有(あ)りと御(お)考(かんが)へになり尋(たづ)ねて御(お)上(あが)りありしが、064変性(へんじやう)男子(なんし)の身魂(みたま)現(あら)はれて、065国家(こくか)の騒乱(じようらん)状態(じやうたい)を治(をさ)めむと血涙(けつるい)を吐(は)き乍(なが)ら昼夜(ちうや)の区別(くべつ)なく、066世人(せじん)を教戒(けうかい)しつつありしなり。067二人(ふたり)といふ事(こと)は、068艮(うしとら)の金神(こんじん)様(さま)の男子(なんし)の御魂(みたま)と、069教祖(けうそ)出口(でぐち)直子(なほこ)刀自(とじ)の女子(によし)の身魂(みたま)とが一(ひと)つに合体(がつたい)して神業(しんげふ)に従事(じゆうじ)し玉(たま)へると同(おな)じ意義(いぎ)なり。070ヒトとは霊(れい)の帰宿(きしゆく)する意義(いぎ)で人(ひと)の肉体(にくたい)に宇宙(うちう)の神霊(しんれい)憑宿(ひようしゆく)して天地(てんち)の経綸(けいりん)を遂行(すゐかう)し玉(たま)ふ、071神(かみ)の生宮(いきみや)の意(い)なり。072老夫(おきな)と老女(おみな)と二人(ふたり)とあるは女姿(によし)男霊(だんれい)の神人(しんじん)、073出口(でぐち)教祖(けうそ)の如(ごと)き神人(しんじん)を意味(いみ)するなり。
074『童女(おとめ)を中(なか)に置(お)きて泣(なく)なり』とはオトメは男(を)と女(め)の意味(いみ)にして、075世界中(せかいぢう)の老若(らうにやく)男女(なんによ)を云(い)ふ。076又(また)老(お)と若(め)ともなり、077現在(げんざい)の世界(せかい)の人民(じんみん)を称(しよう)して老若(おとめ)男女(をとめ)と云(い)ふ。078霊界(れいかい)にては国常立(くにとこたちの)大神(おほかみ)、079顕界(けんかい)にては神世(しんせい)開祖(かいそ)出口(でぐち)直子(なほこ)刀自(とじ)の老夫(おきな)と老女(おみな)とが、080世界(せかい)の人民(じんみん)の身魂(みたま)の、081日(ひ)に月(つき)に邪神(じやしん)の為(ため)に汚(けが)され亡(ほろ)ぼされむとするを見(み)るに忍(しの)びず、082手(て)を尽(つく)して足(あし)を運(はこ)びて救助(きうじよ)せむと艱難(かんなん)辛苦(しんく)を嘗(な)めさせられ、083天地(てんち)の中(なか)に立(た)ちて号泣(がうきふ)し給(たま)ふことを、084童女(おとめ)を中(なか)に置(お)きて泣(な)くなりと云(い)ふなり。
085 亦(また)神(かみ)の御(おん)眼(め)より御覧(ごらん)ある時(とき)は世界(せかい)の凡(すべ)ての人間(にんげん)は、086神(かみ)の童子(むすこ)なり女子(むすめ)なり。087故(ゆゑ)に世界(せかい)の人民(じんみん)は皆(みな)神(かみ)の童女(こども)なる故(ゆゑ)、088人民(じんみん)の親(おや)がその生(う)みし子(こ)を思(おも)ふ如(ごと)くに、089神(かみ)は人民(じんみん)の為(ため)に昼夜(ちうや)血(ち)を吐(は)く思(おも)ひを致(いた)して心配(しんぱい)を致(いた)して居(を)るぞよ、090と御(ご)神諭(しんゆ)に示(しめ)させ給(たま)へる所以(ゆゑん)なり。091亦(また)オトメの言霊(ことたま)を略解(りやくかい)する時(とき)は、
092 オは親(おや)の位(くらゐ)であり、093親子(しんし)一如(いちによ)にして、094大地球(だいちきう)を包(つつ)む活用(くわつよう)であり。
095 トは十全(じふぜん)治平(ぢへい)にして、096終始(しうし)一貫(いつくわん)の活用(くわつよう)であり。
097 メは世(よ)を透見(とうけん)し、098内(うち)に勢力(せいりよく)を蓄(たくは)へて外面(ぐわいめん)に露(あら)はさざる意義(いぎ)なり。
099 之(これ)を約(つづ)むる時(とき)は、100日本(にほん)固有(こいう)の日本(やまと)魂(だましひ)の本能(ほんのう)にして、101花(はな)も実(み)もある神人(しんじん)の意(い)なり。
102『汝(いまし)等(たち)は誰(た)ぞと問(と)ひ賜(たま)へば、103其(そ)の老夫(おきな)僕(あれ)は国津(くにつ)神(かみ)大山(おほやま)津見(づみの)神(かみ)の子(こ)なり、104僕(あ)が名(な)は足名椎(あしなづち)、105妻(め)が名(な)は手名椎(てなづち)、106女(むすめ)が名(な)は櫛名田(くしなだ)比売(ひめ)と謂(まを)すと答(まを)す』
107 明治(めいぢ)三十一(さんじふいち)年(ねん)の秋(あき)瑞(みづ)の御魂(みたま)の神代(かむしろ)に須佐之男(すさのをの)神(かみ)神懸(かむがかり)したまひて綾部(あやべ)の地(ち)の高天原(たかあまはら)に降(くだ)りまし、108老夫(おきな)と老女(おとめ)の合体神(がつたいしん)なる出口(でぐち)教祖(けうそ)に対面(たいめん)して汝(いまし)等(ら)は誰(たれ)ぞと問(と)ひたまひし時(とき)に、109厳(いづ)の御魂(みたま)の神代(かむしろ)なる教祖(けうそ)の口(くち)を藉(か)りて僕(あ)は国津(くにつ)神(かみ)の中心神(ちうしんじん)にして大山住(おほやまずみ)の神(かみ)也(なり)。110神(かみ)の中(なか)の神(かみ)にして天津(あまつ)神(かみ)の足名椎(あしなづち)となり手名椎(てなづち)となりて、111天(あめ)の下(した)のオトメを平(たひら)かに安(やす)らかに守(まも)り助(たす)けむとして、112七年(ななとせ)の昔(むかし)より肥(ひ)の河上(かはかみ)に御禊(みそぎ)の神事(しんじ)を仕(つか)へ奉(まつ)れり。113又(また)この肉体(にくたい)の女(むすめ)の名(な)は櫛名田姫(くしみこ)と申(まを)し、114本(ほん)守護神(しゆごじん)は禁闕要(きんかつかね)の大神(おほかみ)なりと謂(まを)し玉(たま)ひしは、115以上(いじやう)の御(ご)本文(ほんもん)の実現(じつげん)なり。116クシナダの
117 クシは神智(しんち)赫々(くわくくわく)として万事(ばんじ)に抜目(ぬけめ)なく一切(いつさい)の盤根(ばんこん)錯節(さくせつ)を料理(れうり)し、118快刀(くわいたう)乱麻(らんま)を断(た)つの意義(いぎ)なり。
119 ナは、120万物(ばんぶつ)を兼(か)ね統(す)べ、121能(よ)く行届(ゆきとど)きたる思(おも)ひ兼(かね)の神(かみ)の活用(くわつよう)なり。
122 ダは、123麻柱(あななひ)の極府(きよくふ)にして大造化(だいざうくわ)の器(うつは)であり、124対偶力(たいぐうりよく)であり、125主従(しゆじゆう)師弟(してい)夫妻(ふさい)等(とう)の縁(えん)を結(むす)ぶ神(かみ)なり。
126 要(えう)するに、127櫛名田(くしなだ)姫(ひめ)の守護(しゆご)厚(あつ)き天壌(てんじやう)無窮(むきう)の神国(しんこく)、128大日本(だいにほん)国土(こくど)の国魂神(くにたまがみ)にして、129神諭(しんゆ)の所謂(いはゆる)大地(だいち)の金神(こんじん)なり。
130『亦(また)、131汝(いまし)の哭(なく)由(ゆゑ)は何(なん)ぞと問(と)ひたまへば、132吾(あ)が女(むすめ)は八稚女(やおとめ)在(あ)りき。133是(ここ)に高志(こし)の八岐(やまたの)遠呂智(をろち)なも、134年毎(としごと)に来(き)て喫(く)ふなる。135今(いま)その来(き)ぬべき時(とき)なるが故(ゆゑ)に泣(な)くと答白(まを)す』
136 以上(いじやう)の御(ご)本文(ほんもん)を言霊学(ことたまがく)の上(うへ)より解約(かいやく)すると、137吾(わ)が守護(しゆご)する大地球(だいちきう)上(じやう)に生息(せいそく)する、138息女(むすめ)即(すなは)ち男子(をのこ)や女子(をみな)は、139八男(やを)と女(め)と云(い)つて、140種々(しゆじゆ)の沢山(たくさん)な神(かみ)の御子(みこ)たる人種(じんしゆ)民族(みんぞく)が有(あ)るが、141年(とし)と共(とも)に人民(じんみん)の霊性(れいせい)は、142鬼(おに)蛇(をろち)の精神(せいしん)に悪化(あくくわ)し来(きた)り至粋(しすゐ)至醇(しじゆん)の神(かみ)の分霊(ぶんれい)を喫(く)ひ破(やぶ)られて了(しま)つた。143高志(こし)の八岐(やまた)の遠呂智(をろち)と云(い)ふ悪神(わるがみ)の口(くち)や舌(した)の剣(つるぎ)に懸(かか)つて歳月(としつき)と共(とも)に天(てん)を畏(おそ)れず地(ち)の恩恵(めぐみ)を忘(わす)れ、144不正(ふせい)無業(ぶげふ)の行動(かうどう)を為(な)すものばかり、145人民(じんみん)の八分(はちぶ)迄(まで)は、146皆(みな)悪神(あくがみ)の容器(いれもの)に為(さ)れて、147身体(からだ)も霊魂(みたま)も、148酔生(すゐせい)夢死(むし)体主(たいしゆ)霊従(れいじう)に落下(らくか)し、149猶(なほ)も変(へん)じて八岐(やまた)の遠呂智(をろち)の尾(を)となり盲従(まうじゆう)を続(つづ)けて、150天下(てんか)の騒乱(じようらん)、151国家(こくか)の滅亡(めつぼう)を来(きた)しつつ、152最後(さいご)に残(のこ)る神国(しんこく)の人民(じんみん)の身魂(みたま)までも、153喫(く)ひ破(やぶ)り亡(ほろ)ぼさむとする時機(じき)が迫(せま)つて来(き)たので如何(いか)にしてか此(こ)の世界(せかい)の惨状(さんじやう)を救(すく)ひ助(たす)け、154天津(あまつ)大神(おほかみ)に申上(まをしあ)げむと、155心(こころ)を千々(ちぢ)に砕(くだ)き天下(てんか)国家(こくか)の前途(ぜんと)を思(おも)ひはかりて、156泣(な)き悲(かな)しむなりと答(こた)へ玉(たま)うたと曰(い)ふことなり。
157 高志(こし)といふ意義(いぎ)は、158遠(とほ)き海(うみ)を越(こ)した遠方(ゑんぱう)の国(くに)であつて、159日本(にほん)からいへば支那(しな)や欧米(おうべい)各国(かくこく)のことなり。160海外(かいぐわい)より種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)の悪思想(あくしさう)が渡来(とらい)する。161手(て)を替(か)へ品(しな)を替(か)へて、162宗教(しうけう)なり、163政治(せいぢ)なり、164教育(けういく)なりが盛(さか)んに各時代(かくじだい)を通(つう)じて、165侵入(しんにふ)して来(きた)り敬神(けいしん)尊皇(そんのう)報国(はうこく)の至誠(しせい)を惟神(かむながら)的(てき)に具有(ぐいう)する、166日本(やまと)魂(だましひ)を混乱(こんらん)し、167滅絶(めつぜつ)せしめつつある状態(じやうたい)を称(しよう)して、168高志(こし)の八岐(やまた)の遠呂智(をろち)の喫(く)ふなると云(い)ふなり。169亦(また)外国(ぐわいこく)の天地(てんち)は、170数千(すうせん)年来(ねんらい)此(この)悪神(わるがみ)の計画(けいくわく)に誑(たぶ)らかされて、171上下(じやうか)無限(むげん)の混乱(こんらん)を来(きた)し、172国家(こくか)を亡(ほろ)ぼし来(き)たりしが、173彼(かれ)今猶(いまなほ)其(その)計画(けいくわく)を盛(さか)んに続行(ぞくかう)しつつ、174遂(つひ)に日本(にほん)神国(しんこく)の土地(とち)まで侵入(しんにふ)し、175天津(あまつ)神(かみ)の直裔(ちよくえい)なる日本(やまと)オトメの身魂(みたま)まで、176全部(ぜんぶ)喫(く)ひ殺(ころ)さむとする、177それが最近(さいきん)に迫(せま)つて居(ゐ)る、178只(ただ)一(ひと)つ神国(しんこく)固有(こいう)の日本(やまと)魂(だましひ)なるオトメが後(あと)に遺(のこ)つた許(ばか)りである。179之(これ)を悪神(あくがみ)の大邪霊(だいじやれい)に滅(ほろ)ぼされては、180折角(せつかく)天祖(てんそ)国祖(こくそ)の開(ひら)き玉(たま)へる大地球(だいちきう)を救(すく)ふ事(こと)は出来(でき)ない。181どうかして之(これ)を助(たす)けたいと思(おも)つて艱難(かんなん)辛苦(しんく)を嘗(な)めて居(を)るのである。182実(じつ)に泣(な)くにも泣(な)かれぬ、183天下(てんか)の状態(じやうたい)であると云(い)つて、184之(これ)を根本(こんぽん)的(てき)に救(すく)ふ事(こと)は出来(でき)ない。185どうして良(よ)いかと途方(とはう)に暮(く)れ、186天地(てんち)に向(むか)つて号泣(がうきふ)して居(を)りますとの、187変性(へんじやう)男子(なんし)の身魂(みたま)の御(お)答(こた)へなりしなり。
188『其(そ)の形(かたち)は如何(いか)さまにかと問(と)ひたまへば、189彼(それ)が目(め)は赤(あか)加賀知(かがち)なして、190身(み)一(ひと)つに頭(かしら)八(や)つ尾(を)八(や)つあり。191亦(また)其(そ)の身(み)に苔(こけ)、192及(およ)び桧(ひ)、193すぎ生(お)ひ、194其(そ)の長(なが)さ渓(たに)八谷(やたに)、195峡八尾(をやを)を渡(わた)りて、196其(そ)の腹(はら)を見(み)れば、197悉(ことごと)に常(いつも)血(ち)爛(ただ)れたりと答白(まを)す。198(此(ここ)に赤(あか)加賀知(かがち)といへるは、199今(いま)のほほづきなり)』
200 そこで其(その)形(かたち)は如何(いか)さまにかと、201問(と)ひたまへばと云(い)ふ意義(こころ)は、202八岐(やまた)の遠呂智(をろち)なす悪思想(あくしさう)の影響(えいきやう)は如何(いか)なる状態(じやうたい)に形(あら)はれ居(を)るやとの須佐之男(すさのをの)命(みこと)の御(お)尋(たづ)ねなり。
203 そこで変性(へんじやう)男子(なんし)の身魂(みたま)なる老夫(おきな)と老女(おとめ)は、204彼(かれ)悪神(わるがみ)の経綸(けいりん)の事実(じじつ)上(じやう)に顕現(けんげん)したる大眼目(だいがんもく)は、205赤(あか)加賀知(かがち)なして身(み)一(ひと)つに、206頭(かしら)八(や)つ尾(を)八(や)つありと云(い)つて、207悪神(わるがみ)の本体(ほんたい)は一(ひと)つであるが、208その真意(しんい)を汲(く)んで、209世界(せかい)覆滅(ふくめつ)の陰謀(いんぼう)に参加(さんか)して居(を)るものは、210八(はち)人(にん)の頭株(あたまかぶ)であつて、211此(こ)の八(や)つの頭株(あたまかぶ)は、212全地球(ぜんちきう)の何処(どこ)にも大々(だいだい)的(てき)に計画(けいくわく)を進(すす)めてをるのである。213政治(せいぢ)に、214経済(けいざい)に、215教育(けういく)に、216宗教(しうけう)に、217実業(じつげふ)に、218思想(しさう)上(じやう)に、219其(その)他(た)の社会(しやくわい)的(てき)事業(じげふ)に対(たい)して陰密(いんみつ)の間(あひだ)に、220一切(いつさい)の破壊(はくわい)を企(くわだ)てて居(ゐ)るのである。221就(つい)ては、222尾(を)の位地(ゐち)にある、223悪神(わるがみ)の無数(むすう)の配下(はいか)等(ら)が、224各方面(かくはうめん)に盲動(まうどう)して知(し)らず識(し)らずに、225一(いち)人(にん)の頭目(とうもく)と、226八(や)つの頭(かしら)の世界(せかい)的(てき)大陰謀(だいいんぼう)に参加(さんか)し、227終(つひ)には既往(きわう)五(ご)年(ねん)に亘(わた)つた世界(せかい)の大戦争(だいせんそう)などを惹起(じやくき)せしめ、228清(しん)露(ろ)其(その)他(た)の主権者(しゆけんしや)を亡(ほろ)ぼし、229労働者(らうどうしや)を煽動(せんどう)して、230所在(あらゆる)世界(せかい)の各方面(かくはうめん)に、231大惑乱(だいわくらん)を起(おこ)しつつあるのである。232赤(あか)加賀知(かがち)とは砲煙(はうえん)弾雨(だんう)、233血河(けつか)死山(しざん)の惨状(さんじやう)や、234赤化(せきくわ)運動(うんどう)の実現(じつげん)である。235実(じつ)に現代(げんだい)は八岐(やまた)の大蛇(をろち)が、236いよいよ赤(あか)加賀知(かがち)の大眼玉(おほめだま)をムキ出(だ)した所(ところ)であり、237既(すで)に世界中(せかいぢう)の七(なな)オトメを喫(く)ひ殺(ころ)し、238今(いま)や最後(さいご)に肥(ひ)の河(かは)なる、239日本(にほん)までも現界(げんかい)幽界(いうかい)一(いち)時(じ)に喫(く)はむとしつつある処(ところ)である。240要(えう)するに八(や)つ頭(がしら)とは、241英(えい)とか、242米(べい)とか、243露(ろ)とか、244仏(ふつ)とか、245独(どく)とか、246伊(い)とかの強国(きやうこく)に潜伏(せんぷく)せる、247現代(げんだい)的(てき)大勢力(だいせいりよく)の有(あ)る、248巨魁(きよくわい)の意味(いみ)であり、249八(や)つ尾(を)とは、250頭(かしら)に盲従(まうじゆう)せる数多(あまた)の部下(ぶか)の意(い)である。251頭(かしら)も尾(を)も寸断(すんだん)せなくては成(な)らぬ時機(じき)となりつつあるなり。
252『亦(また)其(その)身(み)に苔(こけ)及(およ)び桧(ひ)すぎ生(お)ひ、253其(その)長(なが)さ、254渓八谷(たにやたに)、255峡八尾(をやを)を渡(わた)りて其(そ)の腹(はら)を見(み)れば、256悉(ことごと)に常(いつ)も血(ち)爛(ただ)れりと答白(まを)す』といふ意味(いみ)は地球(ちきう)上(じやう)の各国(かくこく)は皆(みな)この悪神(あくがみ)蛇神(だしん)の為(ため)に、257山(やま)の奥(おく)も水(みづ)の末(すゑ)も暴(あら)され、258不穏(ふおん)の状態(じやうたい)に陥(おちい)り、259終(つひ)には尼港(にかう)事件(じけん)の如(ごと)く、260暉春(こんしゆん)事件(じけん)の如(ごと)く、261染血(せんけつ)虐殺(ぎやくさつ)の憂目(うきめ)に人類(じんるゐ)が遇(あ)つて、262苦悶(くもん)して居(ゐ)ることの形容(けいよう)である。263また苔(こけ)と云(い)ふ事(こと)は、264世界(せかい)各国(かくこく)の下層民(かそうみん)の事(こと)であり桧(ひ)と云(い)ふ事(こと)は上流(じやうりう)社会(しやくわい)の人民(じんみん)であり、265すぎと云(い)ふ事(こと)は国家(こくか)の中堅(ちうけん)たる中流(ちうりう)社会(しやくわい)である。266要(えう)するに上中下(じやうちうげ)の三流(さんりう)の人民(じんみん)が常(つね)に不安(ふあん)の念(ねん)に駆(か)られて居(を)る事(こと)であつて、267実(じつ)に六親(ろくしん)眷属(けんぞく)相(あひ)争(あらそ)ひ、268郷閭(きやうりよ)相(あひ)鬩(せめ)ぎ戦(たたか)ふ、269悲惨(ひさん)なる世界(せかい)の現状(げんじやう)を明答(めいたふ)されたといふ事(こと)である。270御(ご)神諭(しんゆ)に、271『今(いま)の人民(じんみん)は外国(ぐわいこく)の、272悪神(あくがみ)の頭(かしら)と眷属(けんぞく)とに、273神(かみ)から貰(もら)うた結構(けつこう)な肉体(にくたい)と御魂(みたま)を自由(じいう)自在(じざい)に汚(けが)されて了(しま)うて、274畜生(ちくしやう)餓鬼(がき)の性来(しやうらい)になりて居(を)るから、275欲(よく)に掛(か)けたら、276親(おや)とでも兄弟(きやうだい)とでも、277公事(くじ)を致(いた)すやうな悪魔(あくま)の世(よ)になりて居(を)るが、278是(これ)では世(よ)は続(つづ)いては行(ゆ)かぬから、279天(てん)からは御(ご)三体(さんたい)の大神(おほかみ)様(さま)がお降(くだ)り遊(あそ)ばすなり、280地(ち)からは、281国常立(くにとこたちの)尊(みこと)が変性(へんじやう)男子(なんし)と現(あら)はれて、282新(さら)つの世(よ)に立替(たてかへ)立直(たてなほ)して、283松(まつ)の五六七(みろく)の世(よ)に致(いた)して、284世界(せかい)の人民(じんみん)を歓(よろこ)ばし、285万劫(まんご)末代(まつだい)勇(いさ)んで暮(くら)す神国(しんこく)の世(よ)に替(か)へて了(しま)はねばならぬから、286艮(うしとら)の金神(こんじん)は、287三千(さんぜん)年(ねん)の間(あひだ)長(なが)い経綸(しぐみ)を致(いた)して、288時節(じせつ)を待(ま)ちて居(を)りたぞよ。289八(や)つ尾(を)八(や)つ頭(かしら)の守護神(しゆごじん)を、290今度(こんど)はさつぱり往生(わうじやう)いたさすぞよ』云々(うんぬん)と明示(めいじ)されてあるのも、291要(えう)はこの御(ご)本文(ほんぶん)の大精神(だいせいしん)に合致(がつち)して居(ゐ)る一大(いちだい)事実(じじつ)である。
292『爾(かれ)、293速(はや)須佐之男(すさのをの)命(みこと)、294其(そ)の老夫(おきな)に是(これ)汝(いまし)の女(むすめ)ならば、295吾(われ)に奉(たてまつ)らむやと詔(の)たまふに、296恐(かしこ)けれど御名(みな)を覚(さと)らずと答白(まを)せば、297吾(あ)は天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)の同母男(いろを)なり。298故(かれ)今(いま)天(あめ)より降(くだ)り坐(まし)つと答(こた)へたまひき。299爾(ここ)に足名椎(あしなづち)、300手名椎(てなづち)、301然坐(しかま)さば恐(かしこ)し立奉(たてまつ)らむと白(まを)しき』
302 右(みぎ)御(ご)本文(ほんもん)の老夫(おきな)にとあるは艮(うしとら)の金神(こんじん)国常立(くにとこたちの)尊(みこと)神霊(しんれい)に対(たい)しての御言(みこと)である。303また足名椎(あしなづち)手名椎(てなづちの)神(かみ)と並(なら)び称(しよう)せるは、304肉体(にくたい)は出口(でぐち)直子(なほこ)であつて手名椎(てなづち)の神(かみ)であり霊魂(みたま)は国常立(くにとこたちの)尊(みこと)の足名椎(あしなづち)の意(い)である。
305 茲(ここ)に天(あめ)より降(くだ)り給(たま)へる須佐之男(すさのをの)命(みこと)は、306老夫(おきな)なる国常立(くにとこたちの)尊(みこと)の神霊(しんれい)に対(たい)し玉(たま)ひて、307是(これ)は汝(いまし)の守護(しゆご)し愛育(あいいく)する所(ところ)の、308至粋(しすゐ)至醇(しじゆん)の神(かみ)の御子(みこ)たる優(うるは)しき人民(じんみん)であるなれば、309吾(あれ)に是(こ)の女(むすめ)の如(ごと)き可憐(かれん)なる万民(ばんみん)の救済(きうさい)を一任(いちにん)せずやと、310御(お)尋(たづ)ねになつた事(こと)である。311そこで国常立(くにとこたちの)尊(みこと)は実(じつ)に恐縮(きようしゆく)の至(いた)りではありますが、312貴方(あなた)は如何(いか)なる地位(ちゐ)と、313御(ご)職掌(しよくしやう)の在(ま)す神(かみ)で居(ゐ)らせらるるや。314御(おん)地位(ちゐ)と御(ご)職名(しよくめい)とを覚(し)らない以上(いじやう)は御(ご)一任(いちにん)する事(こと)は出来(でき)ませぬと白(まを)し給(たま)ひければ、315大神(おほかみ)は至極(しごく)尤(もつと)もなる御(お)尋(たづ)ねである。316然(さ)らば吾(あ)が名(な)を申(まを)し上(あ)げむ、317吾(あ)は天津(あまつ)高御座(たかみくら)に鎮(しづ)まり坐(ゐ)ます、318掛巻(かけまく)も畏(かしこ)き天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)の同母弟(どうばてい)であつて、319大海原(おほうなばら)を知食(しろしめ)すべき職掌(しよくしやう)である。320されば今(いま)世界(せかい)の目下(もくか)の惨状(さんじやう)を黙視(もくし)するに忍(しの)びず、321万類(ばんるゐ)救護(きうご)の為(ため)に、322地上(ちじやう)に降(くだ)り来(き)たのである。323故(ゆゑ)に国津(くにつ)神(かみ)たる汝(いまし)の治(をさ)むる万類(ばんるゐ)万民(ばんみん)を救(すく)はむが為(ため)に、324吾(あれ)に其(そ)の職掌(しよくしやう)を一任(いちにん)されよ然(しか)らば汝(いまし)と共(とも)に八岐(やまた)の大蛇(をろち)の害(がい)を除(のぞ)いて天下(てんか)を安(やす)国(くに)と平(たひら)けく進(すす)め開(ひら)かむと仰(あふ)せになつたのである。325茲(ここ)に変性(へんじやう)男子(なんし)の身魂(みたま)は、326大変(たいへん)に畏(かしこ)み歓(よろこ)び玉(たま)うて、327左様(さやう)に至尊(しそん)の神(かみ)様(さま)に坐(まし)ますならば吾(あが)女(むすめ)なる可憐(かれん)なる人民(じんみん)を貴神(あなた)に御(お)預(あづ)け申(まを)すと、328仰(あふ)せられたのである。329是(これ)は去(さ)る明治(めいぢ)三十一(さんじふいち)年(ねん)の秋(あき)に変性(へんじやう)男子(なんし)と変性(へんじやう)女子(によし)との身魂(みたま)が二柱(ふたはしら)揃(そろ)うて神懸(かむがか)りがあつた時(とき)の御言(みこと)であつて、330実(じつ)に重大(ぢうだい)なる意義(いぎ)が含(ふく)まれて在(あ)るのである。331然(しか)し乍(なが)ら是(これ)は神(かみ)と神(かみ)との問答(もんだふ)でありまして、332人間(にんげん)の肉体(にくたい)上(じやう)に関(くわん)する問題(もんだい)ではないから、333読者(どくしや)に誤解(ごかい)の無(な)いやうに御(ご)注意(ちうい)願(ねが)つておく次第(しだい)である。
334『爾(かれ)速(はや)須佐之男(すさのをの)命(みこと)、335乃(すなは)ち、336其(そ)の童女(むすめ)を湯津(ゆつ)爪櫛(つまぐし)に取成(とりな)して、337御角髪(みみづら)に刺(さ)して、338其(そ)の足名椎(あしなづち)、339手名椎(てなづちの)神(かみ)に告(の)りたまはく、340汝(いまし)等(たち)、341八塩折(やしほをり)の酒(さけ)を醸(か)み、342且(また)、343垣(かき)を造(つく)り迴(もとほ)し、344その垣(かき)に八(や)つの門(かど)を造(つく)り、345門毎(かどごと)に八(や)つの棧敷(さじき)を結(ゆ)ひ、346その棧敷(さじき)毎(ごと)に酒船(さかぶね)を置(お)きて船(ふね)毎(ごと)にその八塩折(やしほをり)の酒(さけ)を盛(も)りて、347待(ま)ちてよと、348のりたまひき』
349 湯津(ゆつ)爪櫛(つまぐし)の言霊(ことたま)を略解(りやくかい)すれば、
350 ユは、351天地(てんち)、352神人(しんじん)、353顕幽(けんいう)、354上下(じやうか)一切(いつさい)を真釣(まつり)合(あは)せ、355国家(こくか)を安寧(あんねい)に、356民心(みんしん)を正直(しやうぢき)に立直(たてなほ)す大努力(だいどりよく)の意(い)であり、
357 ツは、358日(ひ)の大神(おほかみ)の御稜威(みいづ)を信(しん)じ、359大金剛(だいこんがう)の至誠心(しせいしん)を振(ふ)り起(おこ)し、360言心行(げんしんかう)一致(いつち)の貫徹(くわんてつ)を期(き)し、361以(もつ)て神霊(しんれい)の極力(きよくりよく)を発揮(はつき)するの意(い)である。
362 ツは、363生成(せいせい)化育(くわいく)の大本(たいほん)合致(がつち)し、364大(だい)決断力(けつだんりよく)を発揮(はつき)し、365実相(じつさう)真如(しんによ)の神民(しんみん)たりとの意(い)である。
366 マは、367人種中(じんしゆちう)の第一位(だいいちゐ)たる資格(しかく)を保(たも)ち、368胸中(きやうちう)常(つね)に明(あきら)かにして無為(むゐ)円満(ゑんまん)なる意(い)である。
369 グは、370暗愚(あんぐ)を去(さ)つて賢明(けんめい)に帰(き)し、371万事(ばんじ)神助(しんじよ)を得(え)て意(い)の如(ごと)く物事(ものごと)成功(せいこう)するの意(い)である。
372 シは、373信仰(しんかう)堅(かた)く、374敬神(けいしん)尊皇(そんのう)報国(はうこく)の忠良(ちうりやう)なる臣民(しんみん)の基台(もとゐ)なりとの意(い)である。
375 以上(いじやう)の六(ろく)言霊(げんれい)を総合(そうがふ)する時(とき)は、376霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)の真(しん)の日本(やまと)魂(だましひ)を発揮(はつき)せる神(かみ)の御子(みこ)と立直(たてなほ)し玉(たま)ふ、377神(かみ)の経綸(けいりん)を進(すす)むると謂(ゐ)ふことである。
378 御角髪(みみづら)の言霊(ことたま)を略解(りやくかい)すれば、
379 ミは、380形体(けいたい)具足(ぐそく)成就(じやうじゆ)して、381日本(にほん)神国(しんこく)の神民(しんみん)たる位(くらゐ)を各自(かくじ)に顕(あら)はし定(さだ)めて真実(しんじつ)を極(きは)め、382以(もつ)て瑞(みづ)の御魂(みたま)に合一(がふいつ)する意(い)である。
383 ミは、384⦿(す)の御(ご)威徳(ゐとく)を明(あきら)かに覚知(かくち)し、385惟神(かむながら)の大道(だいだう)を遵奉(じゆんぽう)し実行(じつかう)し、386以(もつ)て玲瓏(れいろう)たる玉(たま)の如(ごと)き身魂(みたま)と成(な)るの意(い)である。
387 ツは、388神(かみ)の分身(ぶんしん)分霊(ぶんれい)として天壌(てんじやう)無窮(むきう)に真(しん)の生命(せいめい)を保全(ほぜん)し、389肉体(にくたい)としては君国(くんこく)を守(まも)り、390霊体(れいたい)としては神(かみ)と人民(じんみん)とを助(たす)け守(まも)るの意(い)である。
391 ラは、392言心行(げんしんかう)の三事(さんじ)完全(くわんぜん)に実現(じつげん)し、393本末(ほんまつ)一貫(いつくわん)、394霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)の臣民(しんみん)と成(な)りて、395自由(じいう)自在(じざい)に本能(ほんのう)を発揮(はつき)するの意(い)である。
396 以上(いじやう)の四(し)言霊(げんれい)を総合(そうがふ)する時(とき)は、397愈(いよいよ)日本(やまと)魂(だましひ)の実言(じつげん)実行者(じつかうしや)となりて、398其(そ)の霊魂(みたま)は神(かみ)の御列(みつら)に加(くは)はるべき真(しん)の御子(みこ)と成(な)りたる意(い)である。
399 要(えう)するに、400瑞(みづ)の霊魂(みたま)なる速(はや)須佐之男(すさのをの)命(みこと)は、401二霊(にれい)一体(いつたい)なる神政(いづの)開祖(みたま)の神人(しんじん)より、402男(を)と女(め)の守護(しゆご)と化育(くわいく)とを一任(いちにん)され一大(いちだい)金剛力(こんがうりき)を発揮(はつき)して、403本来(ほんらい)の日本(やまと)魂(だましひ)に立替(たてか)へ立直(たてなほ)し、404更(さら)に進(すす)んで其(そ)の実行者(じつかうしや)とし賜(たま)ふた事(こと)を『其(そ)のオトメをユツツマグシに取成(とりな)して御角髪(みみづら)に刺(さ)して』と言(い)ふのである。
405 斯(かく)の如(ごと)く、406天下(てんか)の万民(ばんみん)の身魂(みたま)の改良(かいりやう)を遊(あそ)ばして、407足名椎(あしなづち)、408手名椎(てなづち)の御魂(みたま)に御(お)渡(わた)しになるに就(つい)ては、409相当(さうたう)の歳月(さいげつ)を要(えう)したのである。410或(あるひ)は神徳(しんとく)を以(もつ)てし、411或(あるひ)は物質力(ぶつしつりよく)を以(もつ)てし、412或(あるひ)は自然力(しぜんりよく)を以(もつ)てし、413或(あるひ)は教戒(けうかい)を以(もつ)てし、414慈愛(じあい)を以(もつ)てし、415種々(しゆじゆ)の御(ご)苦辛(くしん)を嘗(な)めさせ玉(たま)ふ其(その)神恩(しんおん)を忘(わす)れては成(な)らぬのである。416そこで速(はや)須佐之男(すさのをの)命(みこと)は、417足名椎(あしなづち)手名椎(てなづち)なる変性(へんじやう)男子(なんし)の霊魂(みたま)に対(むか)つて告(の)り給(たま)ふた御(お)言葉(ことば)は左(さ)の通(とほ)りである。418幸(さひは)ひ残(のこ)れるオトメは斯(かく)の如(ごと)く、419湯津(ゆつ)爪櫛(つまぐし)に取成(とりな)し、420御角髪(みみづら)に刺(さし)て立派(りつぱ)に日本(やまと)魂(だましひ)を造(つく)り上(あ)げたと云(い)ふ事(こと)は、421全(まつた)く天津(あまつ)神(かみ)の御(ご)霊徳(れいとく)と、422吾(あが)御魂(みたま)の活動(くわつどう)と、423汝(なが)命(みこと)の至誠(しせい)の賜(たまもの)であるから、424第一(だいいち)に天地(あめつち)八百万(やほよろづ)の神(かみ)に、425精選(せいせん)した立派(りつぱ)な美味(びみ)なる、426所謂(いはゆる)八塩折(やしほをり)の神酒(みき)を醸造(ぜうざう)し、427且(か)つ汚穢(をくわい)を防(ふせ)ぐ為(ため)に清(きよ)らかな瑞垣(みづがき)を四方(よも)に作(つく)り廻(まは)して、428其(そ)の垣(かき)毎(ごと)に祭壇(さいだん)を設(まう)け(八(や)つ門(かど))て、429祭壇(さいだん)毎(ごと)に祝詞座(のりとざ)を拵(こしら)へ、430酒(さけ)を甕(みか)の戸(へ)高(たか)知(し)り甕(みか)の腹(はら)満(み)て並(なら)べて神々(かみがみ)に報恩(はうおん)謝徳(しやとく)の本義(ほんぎ)を尽(つく)すべく、431詔(の)りたまふたのである。432凡(すべ)て酒(さけ)と云(い)ふものは、433大神(おほかみ)に献(たてまつ)る時(とき)は、434第一(だいいち)に御(ご)神慮(しんりよ)を和(やはら)げ勇(いさ)ませ歓(よろこ)ばせ奉(たてまつ)る結構(けつこう)な供(そな)へ物(もの)であるが、435体主(たいしゆ)霊従(れいじう)的(てき)の人間(にんげん)が之(これ)を飲(の)むと決(けつ)して碌(ろく)な事(こと)は出来(でき)ないのである。436同(おな)じ種類(しゆるゐ)の酒(さけ)でも、437人間(にんげん)は御魂(みたま)相応(さうおう)に、438種々(しゆじゆ)の反応(はんおう)を来(きた)すものであつて、439悪霊(あくれい)の憑(かか)つた人間(にんげん)が呑(の)めば直(ただ)ちに言語(げんご)や、440動作(どうさ)や精神(せいしん)が悪(あく)の性来(しやうらい)を現(あら)はし、441且(か)つ酔(よ)ひ且(か)つ狂(くる)ひ乱(みだ)れ暴(あば)れるものである。442或(あるひ)は泣(な)くもの、443笑(わら)ふもの、444怒(いか)るもの、445妙(めう)な処(ところ)へ行(ゆ)きたくなるものなぞ、446種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)に変化(へんげ)して、447身魂(みたま)の本性(ほんしやう)は現(あら)はし、448吐(はい)たり倒(たふ)れたり苦(くる)しみ悶(もだ)えたりするものである。449常(つね)に至誠(しせい)至実(しじつ)の人(ひと)にして、450心魂(しんこん)の下津(したつ)岩根(いはね)に安定(あんてい)したものは、451仮令(たとへ)酒(さけ)を常(つね)に得(え)呑(の)まぬ人(ひと)でも、452少々(せうせう)位(くらゐ)時(とき)に臨(のぞ)んで戴(いただ)いた所(ところ)が、453決(けつ)して前後(ぜんご)不覚(ふかく)になつたり、454倒(たふ)れたり苦(くる)しんだり、455動作(どうさ)や言舌(げんぜつ)や精神(せいしん)の変乱(へんらん)するもので無(な)く、456心中(しんちう)益々(ますます)壮快(さうくわい)を覚(おぼ)え、457笑(ゑ)み栄(さか)え勇気(ゆうき)を増(ま)し、458神智(しんち)を発揮(はつき)するものである。459故(ゆゑ)に酒(さけ)は神(かみ)様(さま)に献(たてまつ)る所(ところ)の清浄(せいじやう)なる美酒(びしゆ)と雖(いへど)も、460心(こころ)の醜悪(しうあく)なるものが呑(の)む時(とき)は、461忽(たちま)ち身魂(みたま)を毒(どく)し弱(よわ)らしむるものである。462同(おな)じ酒(さけ)を甲(かふ)は一合(いちがふ)呑(の)んで酔(よ)ひ潰(つぶ)れて了(しま)ふかと思(おも)へば、463乙(おつ)は一升(いつしよう)呑(の)んでも酔(よ)はず、464丙(へい)は三升(さんじよう)位(くらゐ)呑(の)まなくては少(すこ)しも酔(よ)うた如(や)うな心持(こころもち)がしないと、465云(い)ふ区別(くべつ)の附(つ)くのは、466乃(すなは)ち身魂(みたま)の性質(せいしつ)に依(よ)りて反応(はんおう)に差異(さい)ある事(こと)の証(しよう)である。467甲(かふ)は呑(の)んで笑(わら)ひ、468乙(おつ)は怒(いか)り、469丙(へい)は泣(な)くと云(い)ふ如(や)うに、470同(おな)じ味(あぢ)のある同(おな)じ種類(しゆるゐ)の酒(さけ)でも、471区別(くべつ)の附(つ)くと云(い)ふのは、472実(じつ)に不思議(ふしぎ)なもので、473是(これ)はどうしても身(み)と魂(たま)との性来(しやうらい)関係(くわんけい)に依(よ)るものである。
474『故(かれ)、475告(の)りたまへる随(まま)にして、476如此(かく)設(まう)け備(そな)へて待(ま)つ時(とき)に、477其(そ)の八岐(やまた)大蛇(をろち)、478信(まこと)に言(い)ひしが如(ごと)来(き)つ。479乃(すなは)ち、480船(ふね)毎(ごと)に、481己々(おのもおのも)頭(かしら)を垂入(たれ)て、482その酒(さけ)を飲(の)みき、483於是(ここに)、484飲(の)み酔(ゑ)ひてみな伏寝(ふしね)たり。485爾(すなは)ち速(はや)須佐之男(すさのをの)命(みこと)、486その御佩(みはか)せる十拳剣(とつかのつるぎ)を抜(ぬ)きて、487その大蛇(をろち)を切散(きりはふ)りたまひしかば肥(ひ)の河(かは)、488血(ち)に変(かは)りて流(なが)れき』
489 そこで変性(へんじやう)男子(なんし)の身魂(みたま)は命(みこと)の随々(まにまに)芳醇(はうじゆん)なる神酒(みき)を造(つく)りて、490天地(てんち)の神明(しんめい)を招待(せうたい)し、491以(もつ)て歓喜(くわんき)を表(へう)し賜(たま)ひ、492神恩(しんおん)を感謝(かんしや)し給(たま)うたのである。493八岐(やまた)の大蛇(をろち)の霊(れい)に憑依(ひようい)された数多(あまた)の悪神(わるがみ)の頭目(かしら)や眷族(けんぞく)共(ども)が大神酒(おほみき)を飲(の)んで了(しま)つた。494丁度(ちやうど)今日(こんにち)の世(よ)の中(なか)の人間(にんげん)は、495酒(さけ)の為(ため)に腸(はらわた)までも腐(くさ)らせ、496血液(けつえき)の循環(じゆんくわん)を悪(わる)くし、497頭(かしら)は重(おも)くなり、498フラフラとして行歩(かうほ)も自由(じいう)ならぬ、499地上(ちじやう)に転倒(てんたふ)して前後(ぜんご)も弁知(べんち)せず、500醜婦(しうふ)に戯(たはむ)れ家(いへ)を破(やぶ)り、501知識(ちしき)を曇(くも)らせ、502不治(ふぢ)の病(やまひ)を起(おこ)して悶(もだ)え苦(くる)しんで居(ゐ)るのは、503所謂(いはゆる)「飲(の)み酔(よ)ひて皆(みな)伏寝(ふしいね)たり」と云(い)ふことである。504爾(ここ)に於(おい)て瑞(みづ)の御霊(みたま)の大神(おほかみ)は、505世界(せかい)人民(じんみん)の不行跡(ふぎやうせき)を見(み)るに忍(しの)びず、506神軍(しんぐん)を起(おこ)して、507此(こ)の悪鬼(あくき)蛇神(だしん)の憑依(ひようい)せる、508身魂(みたま)を切(き)り散(ち)らし、509亡(ほろ)ぼし給(たま)うたのである。510十拳剣(とつかのつるぎ)を抜(ぬ)きてと云(い)ふ事(こと)は遠津神(とほつかみ)の勅定(つるぎ)を奉戴(ほうたい)して破邪(はじや)顕正(けんせい)の本能(ほんのう)を発揮(はつき)し給(たま)うたと云(い)ふことである。511そこで肥(ひ)の河(かは)なる世界(せかい)の祖国(そこく)日(ひ)の本(もと)の上下(じやうか)一般(いつぱん)の人民(じんみん)は、512心(こころ)から改心(かいしん)をして、513血(ち)の如(ごと)き赤(あか)き真心(まごころ)となり、514同(おな)じ血族(けつぞく)の如(ごと)く世界(せかい)と共(とも)に、515永遠(えいゑん)無窮(むきう)に平和(へいわ)に安穏(あんおん)に天下(てんか)が治(をさ)まつたと云(い)ふ事(こと)を「肥(ひ)の河(かは)血(ち)に変(な)りて流(なが)れき」と云(い)ふのである。516流(なが)れると云(い)ふ意義(いぎ)は幾万世(いくばんせい)に伝(つた)はる事(こと)である。517古事記(こじき)の序文(じよぶん)に、518後葉(こうえふ)に流(つた)へんと欲(ほつ)すとあるも、519同義(どうぎ)である。
520『故(かれ)其(そ)の中(なか)の尾(を)を切(き)りたまふ時(とき)、521御刀(みはかし)の刄(は)毀(か)けき。522怪(あや)しと思(おも)ほして、523御刀(みはかし)の端(さき)もて刺割(さしさ)きて見(み)そなはししかば、524都牟刈之(つむがりの)太刀(たち)あり。525故(かれ)此(この)太刀(たち)を取(と)らして、526怪異(あや)しき物(もの)ぞと思(おも)ほして天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)に白(まを)し上(あ)げたまひき。527是(これ)は草薙(くさなぎの)太刀(たち)なり』
528 中(なか)の尾(を)と云(い)ふ事(こと)は、529葦原(あしはら)の中津国(なかつくに)の下層(かそう)社会(しやくわい)の臣民(しんみん)の事(こと)である。530其(その)臣民(しんみん)を裁断(さいだん)して、531身魂(みたま)を精細(せいさい)に解剖(かいばう)点検(てんけん)し玉(たま)ふ時(とき)に、532実(じつ)に立派(りつぱ)な金剛力(こんがうりき)の神人(しんじん)を認(みと)められた状態(じやうたい)を称(しよう)して、533御刀(みはかし)の刄(は)毀(か)けきと云(い)ふのである。534アヽ実(じつ)に予想外(よさうぐわい)の立派(りつぱ)な救世主(きうせいしゆ)の身魂(みたま)が、535大蛇(をろち)の中(なか)の尾(を)なる社会(しやくわい)の下層(かそう)に隠(かく)れ居(を)るわい。536是(これ)は一(ひと)つの掘(ほ)り出(だ)しものだと謂(ゐ)つて、537感激(かんげき)されたことを、538怪(あや)しと思(おも)ほしてと云(い)ふのである。539御刀(みはかし)の端(さき)もてと云(い)ふ事(こと)は、540天祖(てんそ)の御(ご)遺訓(ゐくん)の光(ひかり)に照(てら)し見(み)てと云(い)ふ事(こと)である。
541『刺割(さしさ)きて見(み)そなはししかば都牟刈之(つむがりの)太刀(たち)あり』と云(い)ふことは今迄(いままで)の点検(てんけん)調査(てうさ)の方針(はうしん)を一変(いつぺん)し、542側面(そくめん)より仔細(しさい)に御(ご)審査(しんさ)になると、543四魂(しこん)五情(ごじやう)の活用(くわつよう)全(まつた)き大真人(だいしんじん)が、544中(なか)の尾(を)なる下層(かそう)社会(しやくわい)の一隅(いちぐう)に、545潜(ひそ)みつつあつたのを初(はじ)めて発見(はつけん)されたと云(い)ふことである。546都牟刈之(つむがりの)太刀(たち)とは言霊学(げんれいがく)上(じやう)より解(かい)すれば三千(さんぜん)世界(せかい)の大(だい)救世主(きうせいしゆ)にして、547伊都能売(いづのめ)の身魂(みたま)と云(い)ふ事(こと)である。548故(かれ)、549此(この)太刀(たち)なる大(だい)救世主(きうせいしゆ)の霊魂(たま)を取(と)り立(た)て、550異数(いすう)の真人(しんじん)なりと驚歎(きやうたん)され、551直(ただ)ちに天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)様(さま)、552及(およ)びその表現神(へうげんしん)に大切(たいせつ)なる御(ご)神器(しんき)として、553奉献(ほうけん)されたのである。554凡(すべ)ての青人草(あをひとぐさ)を神風(かみかぜ)の吹(ふ)きて靡(なび)かす如(ごと)く、555徳(とく)を以(もつ)て万民(ばんみん)を悦服(えつぷく)せしむる一大(いちだい)真人(しんじん)、556日本国(にほんこく)の柱石(ちうせき)にして世界(せかい)治平(ちへい)の基(もとい)たるべき、557神器(しんき)的(てき)真人(しんじん)を称(しよう)して、558草薙剣(くさなぎのつるぎ)と云(い)ふのである。559八岐(やまた)大蛇(をろち)の暴狂(あれくる)ひて万民(ばんみん)の身魂(みたま)を絶滅(ぜつめつ)せしめつつある今日(こんにち)、560一(いち)日(にち)も早(はや)く草薙(くさなぎの)神剣(しんけん)の活用(くわつよう)ある、561真徳(しんとく)の大真人(だいしんじん)の出現(しゆつげん)せむことを、562希望(きばう)する次第(しだい)である。
563 また草薙剣(くさなぎのつるぎ)とは、564我(われ)日本(にほん)全国(ぜんこく)の別名(べつめい)である。565この神国(しんこく)を背負(せお)つて立(た)つ処(ところ)の真人(しんじん)は、566即(すなは)ち草薙(くさなぎの)神剣(しんけん)の霊魂(みたま)の活用者(くわつようしや)である。
567(大正九・一・一六 講演筆録 谷村真友)
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス】
合言葉「みろく」を入力して下さい→