霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 孫甦(まごこう)〔九四三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第34巻 海洋万里 酉の巻 篇:第1篇 筑紫の不知火 よみ(新仮名遣い):つくしのしらぬい
章:第2章 孫甦 よみ(新仮名遣い):まごこう 通し章番号:943
口述日:1922(大正11)年09月12日(旧07月21日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年12月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
孫公が人事不省になったので、房公と芳公は必死に介抱を始めた。二人は黒姫に助けを求めるが、黒姫は罰が当たったのだといって冷酷に笑っている。
房公は倒れた孫公の体に向かって鎮魂を始めた。房公は、黒姫が冷酷なのは曲津に取り付かれたからだと言って、黒姫に霊を送っている。
倒れていた孫公はにわかに雷のような唸り声をたてだした。黒姫は真っ青になってその場にしゃがんでしまった。孫公は草の上にあぐらをかき、真っ赤な顔で唇を動かしだした。
黒姫は孫公に近寄り、自分が鎮魂したから助かったのだと吹いている。房公と芳公は黒姫の図々しさを指摘して文句を言うが、黒姫は意に介さず二人に食って掛かっている。
すると孫公は大口を開いて、黒姫の過去の所業を攻め立てる言霊歌を歌いだした。そして、高山彦は筑紫の島にはおらず、自転倒島に潜んでいると宣言した。
黒姫はこれを聞くと、神がかりした孫公に高山彦のありかを明かすようにと頼み込み始めた。孫公は、高山彦は聖地の伊勢屋の娘と浮気していると歌いだした。黒姫は茶化した孫公の歌に怒って文句をつけ、本当のことを明かすように迫った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-09-10 11:50:26 OBC :rm3402
愛善世界社版:18頁 八幡書店版:第6輯 369頁 修補版: 校定版:19頁 普及版:8頁 初版: ページ備考:
001 孫公(まごこう)は、002(わら)()けた途端(とたん)腰骨(こしぼね)岩角(いはかど)(したた)()ち『ウン』と()つたきり人事(じんじ)不省(ふせい)になつて(しま)つた。003房公(ふさこう)004芳公(よしこう)両人(りやうにん)周章(あわて)狼狽(ふため)き、005谷水(たにみづ)()(きた)つて(かほ)にぶつかけたり、006(くち)無理(むり)にあけて(みづ)()ませなどして種々(いろいろ)介抱(かいほう)余念(よねん)なく(つづ)けて()る。007されど孫公(まごこう)は、008だんだん身体(からだ)冷却(れいきやく)する(ばか)り、009()べど(さけ)べど(なん)応答(こたへ)()くなつて(しま)つた。010黒姫(くろひめ)冷然(れいぜん)として孫公(まごこう)(たふ)れた(からだ)斜眼(ながしめ)()()る。
011房公(ふさこう)『これ黒姫(くろひめ)さま、012孫公(まごこう)がこんな()()つて()るのです。013なぜ(かみ)(さま)(ねが)つて(くだ)さらぬのか。014(はや)数歌(かずうた)(うた)()げて魂返(たまがへ)しをして(くだ)さい。015愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()ると、016此方(こちら)(もの)にはなりませぬぞや』
017 黒姫(くろひめ)はニヤリと(わら)ひ、
018黒姫(かみ)(さま)(いまし)めは、019(おそ)ろしいものですな。020皆様(みなさま)(これ)()改心(かいしん)なさい。021長上(ちやうじやう)(うやま)へと()ふ……お(まへ)(てん)()規則(きそく)(なん)心得(こころえ)御座(ござ)る。022太平洋(たいへいやう)(わた)(とき)から、023(この)孫公(まごこう)黒姫(くろひめ)()(こと)(ひと)(ひと)口答(くちごた)へを(いた)し、024長上(ちやうじやう)侮辱(ぶじよく)した天則(てんそく)違反(ゐはん)(つみ)自然(しぜん)(むく)うて()たのだから、025何程(なにほど)(たの)んだとて(いの)つたとて、026もはや駄目(だめ)だよ。027……これ房公(ふさこう)028芳公(よしこう)029(まへ)随分(ずゐぶん)孫公(まごこう)のやうに(この)黒姫(くろひめ)口答(くちごた)へをしたり、030(また)悪口(わるくち)()つたであらう。031第二(だいに)候補者(こうほしや)はどちらになるか()らぬでなア、032オホヽヽヽ……エヽ気味(きみ)のよい(こと)だ。033こんな(こと)()ければ阿呆(あはう)らしくて(かみ)(さま)信仰(しんかう)出来(でき)はしない。034(かみ)(おもて)(あら)はれて、035(ぜん)(あく)とを()()けると()三五教(あななひけう)宣伝歌(せんでんか)は、036(けつ)して(うそ)ぢやありますまいがな。037(かみ)(ぜん)(しやう)(あく)(ほろ)ぼしたまふと()(こと)は、038いつも(この)黒姫(くろひめ)(くち)()つぱくなるまで(をし)へてあるぢやないか。039それだから(かみ)(さま)(こわ)いと()ふのだ。040あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
041房公(ふさこう)『それでも黒姫(くろひめ)さま、042あまり冷酷(れいこく)ぢやありませぬか。043(かみ)(さま)(かみ)(さま)として、044()(この)孫公(まごこう)高山彦(たかやまひこ)さまであつたら、045黒姫(くろひめ)さま、046(まへ)さまはそんなに平気(へいき)(かほ)がして()られますか』
047黒姫(くろひめ)高山彦(たかやまひこ)さまに(かぎ)つて、048こんな(わか)らぬ天則(てんそく)違反(ゐはん)(おこな)ひはなさりませぬ(わい)049滅多(めつた)気遣(きづか)ひないから()心配(しんぱい)(くだ)さいますな、050ウフヽヽヽ』
051芳公(よしこう)『オイ房公(ふさこう)052黒姫(くろひめ)には曲津(まがつ)(かみ)憑依(ひようい)したと()える。053さうでなくては肝腎(かんじん)弟子(でし)縡切(ことぎ)れて()るのに、054如何(いか)無情(むじやう)冷酷(れいこく)人間(にんげん)でもこんな態度(たいど)(よそほ)(わけ)には()くまい。055これから両人(りやうにん)両方(りやうはう)から鎮魂責(ちんこんぜめ)にして、056黒姫(くろひめ)悪霊(あくれい)()()さうぢやないか』
057房公(ふさこう)(おれ)孫公(まごこう)介抱(かいほう)をする。058まだ(すこ)(ぬく)みがあるから蘇生(いきかへ)るかも()れない。059(まへ)黒姫(くろひめ)曲津(まがつ)退治(たいぢ)にかかつて()れ』
060()ひながら、061房公(ふさこう)孫公(まごこう)(たふ)れた(からだ)(むか)つて一生(いつしやう)懸命(けんめい)鎮魂(ちんこん)をなし、062(あま)数歌(かずうた)(うた)()した。063芳公(よしこう)両手(りやうて)()黒姫(くろひめ)(むか)つて『ウンウン』と(れい)(おく)つて()る。
064黒姫(くろひめ)『オホヽヽヽ、065(てき)本能寺(ほんのうじ)にあり、066(わが)(かたき)(わが)(こころ)(ひそ)むと()つて、067(この)黒姫(くろひめ)(あく)()えるのは所謂(いはゆる)(まへ)(こころ)悪魔(あくま)()んで()るのだよ。068そんな馬鹿(ばか)芸当(げいたう)をするよりも(はや)(かみ)(さま)にお(わび)をしなさい。069(この)黒姫(くろひめ)腹立(はらだち)(なほ)らぬかぎりは、070房公(ふさこう)だつてお(まへ)だつて孫公(まごこう)(とほ)りだよ。071さてもさても(あは)れなものだなア。072(こころ)から発根(ほつこん)改心(かいしん)でないと、073何程(なにほど)(かみ)(さま)(いの)つたとてあきませぬぞえ。074これから何事(なにごと)(かみ)第一(だいいち)075黒姫(くろひめ)第二(だいに)とするのだよ』
076芳公(よしこう)高山彦(たかやまひこ)さまと(もと)(とほ)()夫婦(ふうふ)になられた(とき)はどうなります。077高山彦(たかやまひこ)第三(だいさん)ですか、078(あるひ)第二(だいに)ですか、079それを()かして()いて(いただ)かむと都合(つがふ)(わる)いですからなア』
080黒姫(くろひめ)(いま)からそんな(こと)()(とき)ぢやありませぬ。081孫公(まごこう)があの(とほ)(つめ)たくなつて()るのに、082(まへ)(なん)とも()いのかい』
083芳公(よしこう)『さうですなア、084黒姫(くろひめ)さまが高山彦(たかやまひこ)さまを(おも)(くらゐ)なものでせうかい。085高山彦(たかやまひこ)さまが第二(だいに)ですか、086第三(だいさん)ですか、087(ただし)機会(きくわい)均等(きんとう)主義(しゆぎ)ですか』
088 黒姫(くろひめ)はニヤリと(わら)ひ、
089黒姫(きま)つた(こと)よ。090(わたし)のハズバンドだもの、091オホヽヽヽ』
092(かほ)(かく)す。093五十(ごじふ)(さか)()えた皺苦茶(しわくちや)(ばば)も、094ハズバンドの(こと)()はれると(すこ)しく(はづ)かしくなつたと()える。
095 (いま)(まで)打倒(うちたふ)れて()孫公(まごこう)は、096房公(ふさこう)看病(かんびやう)()いたのか、097(ただし)()神力(しんりき)(いき)()(かへ)したのか、098(にはか)(らい)のやうな(うな)(ごゑ)()()した。099黒姫(くろひめ)真蒼(まつさを)(かほ)になつて(その)()にしやがんで(しま)ふ。100房公(ふさこう)101芳公(よしこう)両人(りやうにん)()(おどろ)()(よろこ)び、102雑草(ざつさう)(しげ)道端(みちばた)(みぎ)(ひだり)周章(うろた)(まは)る。103孫公(まごこう)益々(ますます)(うな)()した。104さうしてツト(みづか)()(あが)り、105道端(みちばた)青草(あをくさ)(うへ)胡坐(あぐら)をかき真赤(まつか)(かほ)をしながら、106への()(むす)んだ(くち)(かた)(ぱう)から(すこ)しづつ通草(あけび)がはじけかかつたやうに上下(じやうげ)(くちびる)(ひら)(はじ)め、107(しろ)()(いち)(まい)()(まい)(さん)(まい)(あら)はし(はじ)めた。108(さん)(にん)()(はな)たず驚異(きやうい)(ねん)にかられて孫公(まごこう)口辺(くちばた)ばかりを見詰(みつ)めて()ると、109孫公(まごこう)(くち)三十二(さんじふに)(まい)()(まで)露出(ろしゆつ)して(しま)つて、110(しばら)くすると蟇蛙(ひきがへる)()()調子(てうし)で、111上下(じやうげ)(くちびる)をパクパクと(うご)かした(はづ)みに上下(じやうげ)()がカツンカツンと(うち)あふ(おと)(きこ)えて()た。112黒姫(くろひめ)はツト(かたはら)()つて、
113黒姫『コレ孫公(まごこう)114(よろこ)びなさい、115黒姫(くろひめ)鎮魂(ちんこん)のお(かげ)で、116()んで()たお(まへ)(よみがへ)つたのだよ。117これからは黒姫(くろひめ)(たい)しては、118(いま)(まで)のやうな傲慢(がうまん)態度(たいど)をあらためなさいや』
119房公(ふさこう)『これ黒姫(くろひめ)さま、120鎮魂(ちんこん)したのは(わたし)ですよ。121(まへ)さまは孫公(まごこう)()ぬのは天罰(てんばつ)だ、122(かみ)(おもて)(あら)はれて(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)けなさつたのだと、123さんざん理屈(りくつ)()つたぢやありませぬか』
124黒姫(くろひめ)『お(まへ)鎮魂(ちんこん)しても、125(この)黒姫(くろひめ)神力(しんりき)がお(まへ)(うつ)つたのだから、126孫公(まごこう)神徳(しんとく)(いただ)いたのだよ。127きつと(この)黒姫(くろひめ)神力(しんりき)によつて(よみがへ)らせるだけの確信(かくしん)()つて()たから、128泰然(たいぜん)自若(じじやく)として冷静(れいせい)(かま)へて()たのだ。129(おぼ)()くして宣伝使(せんでんし)(つと)まりますか、130何事(なにごと)()らず()らずに(かみ)(さま)にさされて()るのだ。131房公(ふさこう)132(まへ)鎮魂(ちんこん)(なほ)つたと(おも)つたら了見(りやうけん)(ちが)ひますぞえ。133(みな)黒姫(くろひめ)余徳(よとく)だから、134(みな)慢心(まんしん)をしたり、135黒姫(くろひめ)より(わたし)(えら)い、136鎮魂(ちんこん)がよく()くなどと(おも)(こと)はなりませぬぞえ』
137房公(ふさこう)『まるで高姫(たかひめ)のやうな(こと)()()アさまだなア。138高姫(たかひめ)()(やつ)(ひと)(いのち)(たす)けて(もら)つて()(なが)ら、139いつも()出神(でのかみ)(さま)がお(まへ)使(つか)うて(たす)けさしてやつたのだ、140(れい)(まを)しなさい……なんて、141瀬戸(せと)(うみ)難船(なんせん)(とき)にも(すく)うて()れた玉能姫(たまのひめ)にお(れい)()はせたと()筆法(ひつぱふ)だな。142矢張(やつぱ)高姫(たかひめ)仕込(じこみ)だけあつて、143負惜(まけをし)みの(つよ)(こと)天下(てんか)一品(いつぴん)だ、144アハヽヽヽ。145(とし)()つて雄鳥(をんどり)(はな)れると矢張(やつぱ)根性(こんじやう)(ねぢ)けると()える。146高姫(たかひめ)だつて適当(てきたう)なハズバンドさへあれば、147あんなに(ねぢ)けるのぢや()からうに、148人間(にんげん)()(もの)は、149どうしても異性(いせい)()いて()ないと(めう)(こころ)になるものだ。150黒姫(くろひめ)さまを改心(かいしん)させるには、151どうしても高山彦(たかやまひこ)さまの(かほ)()せてあげなければなりますまい。152(おれ)だつてお(てつ)(かほ)()(まで)は、153どうしたつて(こころ)がをさまらぬからなア、154アハヽヽヽ』
155黒姫(くろひめ)『あまり(くち)()ぎると(また)孫公(まごこう)のやうな()()ひますぞや』
156芳公(よしこう)孫公(まごこう)のやうな()()つたつて(かま)はぬぢやないか。157(まへ)さま(たち)がヤツサモツサ(さわ)いで()(うち)平気(へいき)平左(へいざ)幽冥界(いうめいかい)探険(たんけん)をなし、158平気(へいき)平左(へいざ)(よみがへ)つたぢやないか。159(おれ)だつてあんな()にやうなら何度(なんど)もして()たいわ』
160黒姫(くろひめ)(ばち)(あた)りますぞや。161()加減(かげん)(こころ)(なほ)しなさい。162改心(かいしん)一等(いつとう)だと(かみ)(さま)仰有(おつしや)りますぞえ』
163芳公(よしこう)改心(かいしん)しきつたものが改心(かいしん)せよと()つたつて、164改心(かいしん)余地(よち)()いぢやないか、165オホヽヽヽ』
166黒姫(くろひめ)『これ芳公(よしこう)167(まへ)(また)(わたし)真似(まね)をして嘲弄(からか)ふのだな』
168芳公(よしこう)『あまり()流行(はや)豆腐屋(とうふや)で、169豆腐(とうふ)()れたから仕方(しかた)なしにカラ()ふのだよ。170オホヽヽヽ』
171 孫公(まごこう)両手(りやうて)()みそろそろ(しやべ)()した。
172孫公(まごこう)『アヽヽヽヽ』
173黒姫(くろひめ)『これこれ孫公(まごこう)174筑紫(つくし)岩窟(がんくつ)此処(ここ)ぢや御座(ござ)りませぬぞえ。175小島別(こじまわけ)(むかし)(おも)()し、176そんな……アヽヽヽヽなぞと()うと、177(あく)性来(しやうらい)(あら)はれてアフンとする(こと)出来(でき)ますぞえ、178ちつと(しつか)りなさらぬかえ』
179孫公(まごこう)『アハヽヽヽヽ、180オホヽヽヽヽ、181ウフヽヽヽヽ、182エヘヽヽヽヽ、183イヒヽヽヽヽ』
184黒姫(くろひめ)(また)しても、185曲津(まがつ)がつきよつたかな。186どれどれ(この)黒姫(くろひめ)神力(しんりき)によつて退散(たいさん)さして()ませう』
187()ひつつ青草(あをくさ)(うへ)端坐(たんざ)し、188両手(りやうて)()皺枯(しわが)れた(こゑ)天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)(はじ)めた。189孫公(まごこう)大口(おほぐち)()いて(うた)()した。
190孫公ハヽヽハツハ阿呆(はう)らしい
191(たま)(ひか)つたハズバンド
192高山彦(たかやまひこ)()()うて
193(からす)のやうな黒姫(くろひめ)
194()聖地(せいち)(あと)にして
195荒浪(らなみ)(たけ)海原(うなばら)
196荒肝(らぎも)(はう)()(さん)(にん)
197(とも)()()(かな)
198仮令(たとへ)悪魔(くま)()はれやうが
199()ひたい()たいハズバンド
200亜弗利加(フリカ)(こく)(はて)までも
201所在(りか)(さが)して(たづ)ねあて
202りし(むかし)物語(ものがたり)
203ラサホイサを()(いだ)
204飽迄(くまで)初心(しよしん)貫徹(くわんてつ)
205愛別(いべつ)離苦(りく)(かな)しみを
206相身(ひみ)(たがひ)(かた)らふて
207愛想(いさう)(づか)しを()うて()たり
208悋気(りんき)喧嘩(げんくわ)をして()よと
209悪魔(くま)(れい)やつられ
210()()くとは()らずして
211やつて()たのは(はれ)なり
212惟神(かむながら)々々(かむながら)
213かん恋路(こひぢ)(まよ)ふより
214(きら)めなされよ黒姫(くろひめ)さま
215亜細亜(ジア)亜弗利加(フリカ)欧羅巴(ヨーロツパ)
216亜米利加(メリカ)(こく)(はて)(まで)
217()(した)うて()たところ
218所在(りか)()れぬハズバンド
219かん目的(もくてき)()てるより
220()爪先(つまさき)()かるいうちに
221きらめなさつて逸早(いちはや)
222蜻蛉(きつ)(しま)(かへ)れかし
223阿呆(はう)々々(あはう)(からす)(まで)
224すこの(すぎ)()いて()
225相見(ひみ)ての(のち)(こころ)(くら)ぶれば
226()はぬ(むかし)がましだつた
227ゝあゝこんな(こと)なれば
228綺麗(きれい)薩張(さつぱ)(きら)めて
229()聖地(せいち)におとなしく
230()(ゆふ)なに(かみ)(まへ)
231(つか)へて()つたがよかつたに
232ゝあゝ(なん)詮方(せんかた)
233()()(かへ)()(がほ)
234こがれ(した)ふハズバンド
235(たま)(なが)福禄寿(げほう)さま
236蜻蛉(きつ)(しま)御座(ござ)るぞや
237(かに)のやうなる()()いて
238らぬ(をつと)(さが)すより
239(はや)(きら)()ぬがよい
240ハヽヽハツハ アハヽヽハー
241()れはてたる次第(しだい)なり
242惟神(かむながら)々々(かむながら)
243御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
244 黒姫(くろひめ)はツト(そば)により、
245黒姫『いづれの(かみ)(さま)のお(かか)りか()りませぬが、246(いま)(うけたま)はれば高山彦(たかやまひこ)蜻蛉島(あきつしま)()る、247(この)亜弗利加(アフリカ)には()ないと仰有(おつしや)いましたが、248それは本当(ほんたう)御座(ござ)いますか。249孫公(まごこう)(かか)つた(かみ)(さま)250どうぞ黒姫(くろひめ)一身(いつしん)(じやう)にかかつた大問題(だいもんだい)御座(ござ)いますから、251()加減(かげん)(こと)()はずとハツキリ()つて(くだ)さい。252()いて()ればアヽヽヽアとアア(づく)しで仰有(おつしや)つたが、253そんな(こと)()うて(この)黒姫(くろひめ)をちよろまかし、254アフンとさせむとする(わる)(たく)みぢやあるまいかな。255()きも()かれもせぬ高山彦(たかやまひこ)さまの行方(ゆくへ)256どうぞ(あきら)かに()らして(くだ)さい』
257孫公(まごこう)ヒヽヽヒツヒ イヒヽヽヽ
258(まで)(たづ)ねて()たとこが
259(のち)()へたハズバンド
260居所(どころ)(わか)(はず)はない
261色々(ろいろ)雑多(ざつた)とイチヤついた
262()とし(むかし)(おも)()
263()(まよ)ふた黒姫(くろひめ)さま
264かに心配(しんぱい)(あそ)ばして
265()(まで)(あを)うなつて()
266異国(こく)()てを(さが)しても
267()ない(をとこ)()はせぬぞ
268意外(ぐわい)意外(いぐわい)大意外(おほいぐわい)
269(のち)()へた高山彦(たかやまひこ)さまは
270伊勢屋(せや)(むすめ)(とら)さまと
271意茶(ちや)つき(まは)つて(さけ)()
272意気()揚々(やうやう)(いま)(ごろ)
273()(さかな)(まへ)()
274(かた)約束(やくそく)()(はん)
275()証文(しようもん)()(なら)
276よいよ(まこと)夫婦(ふうふ)ぞと
277(あさ)から(ばん)(まで)(たのし)んで
278意茶(ちや)つき(くら)面白(おもしろ)
279伊勢()(あはび)片思(かたおも)
280何程(なにほど)(まへ)(さが)すとも
281高山彦(たかやまひこ)黒姫(くろひめ)
282(ただ)一度(ちど)()うてはくれぬ
283あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
284(かな)はぬならば逸早(ちはや)
285(あや)聖地(せいち)()(かへ)
286意茶(ちや)つき()らす両人(りやうにん)
287生首(きくび)ぬいてやらしやんせ
288ウフヽヽフツフ ウフヽヽヽ』
289黒姫(くろひめ)『これ孫公(まごこう)290(わたし)馬鹿(ばか)にするのかい。291本当(ほんたう)(こと)()うて(くだ)さい。292これ(ほど)黒姫(くろひめ)一生(いつしやう)懸命(けんめい)になつて(たづ)ねて()るのに、293ウフヽヽヽとは(なん)(こと)だい。294大方(おほかた)(まへ)()二人(ふたり)代物(しろもの)(はら)(あは)せ、295死真似(しにまね)をしたのであらう。296ほんにほんに油断(ゆだん)のならぬ代物(しろもの)だなア』
297大正一一・九・一二 旧七・二一 加藤明子録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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