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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第37巻(子の巻)
序
総説
第1篇 安閑喜楽
第1章 富士山
第2章 葱節
第3章 破軍星
第4章 素破抜
第5章 松の下
第6章 手料理
第2篇 青垣山内
第7章 五万円
第8章 梟の宵企
第9章 牛の糞
第10章 矢田の滝
第11章 松の嵐
第12章 邪神憑
第3篇 阪丹珍聞
第13章 煙の都
第14章 夜の山路
第15章 盲目鳥
第16章 四郎狸
第17章 狐の尾
第18章 奥野操
第19章 逆襲
第20章 仁志東
第4篇 山青水清
第21章 参綾
第22章 大僧坊
第23章 海老坂
第24章 神助
第25章 妖魅来
霊の礎(九)
余白歌
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>
舎身活躍(第37~48巻)
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第37巻(子の巻)
> 第1篇 安閑喜楽 > 第3章 破軍星
<<< 葱節
(B)
(N)
素破抜 >>>
第三章
破軍星
(
はぐんせい
)
〔一〇一五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第37巻 舎身活躍 子の巻
篇:
第1篇 安閑喜楽
よみ(新仮名遣い):
あんかんきらく
章:
第3章 破軍星
よみ(新仮名遣い):
はぐんせい
通し章番号:
1015
口述日:
1922(大正11)年10月08日(旧08月18日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年3月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
親戚の次郎松は勘吉の美人局にかかって、金をゆすられていた。ある晩、次郎松は勘吉一家に家に押し込まれて往生していた。次郎松の老母は、自分に助けを求めてきた。
自分の母と祖母の不安も顧みず、男を売るのはこのときと野次馬を分けて次郎松の家に入り、次郎松をゆすっている勘吉に啖呵を切った。
勘吉は、喜楽を叩きのめせと子分たちに号令をかけている。子分の一人がけしかけられ、震えながら、お願いだから外へ出てくれと声をかけてきた。自分は懐手のままドスンと座り、空威張りをしていた。
そこへ嘘勝がやってきて、勘吉が美人局で次郎松をゆすっていることを大声で触れた。自分の弟が、次郎松が勘吉に払ったお金をいくらかちょとまかしたことが原因だから、この件は自分が仲裁に入ろうと言い立てたのである。
勘吉は、女を種にして次郎松をゆすっていたことが公になるのを恥じて、急に手打ちを言いだした。そして明日の晩に仲直りの宴会を開くこととなったが、嘘勝は言い訳をつけて断った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-10-17 15:59:23
OBC :
rm3703
愛善世界社版:
34頁
八幡書店版:
第7輯 42頁
修補版:
校定版:
36頁
普及版:
15頁
初版:
ページ備考:
001
大阪
(
おほさか
)
から
田舎下
(
いなかくだ
)
しの
舞
(
まひ
)
の
師匠
(
ししやう
)
に、
002
お
玉
(
たま
)
といふ
四十
(
しじふ
)
位
(
くらゐ
)
の
年増
(
としま
)
があつた。
003
村
(
むら
)
の
若者
(
わかもの
)
は
端唄
(
はうた
)
や
舞
(
まひ
)
や
踊
(
をどり
)
を
毎晩
(
まいばん
)
稽古
(
けいこ
)
に
往
(
い
)
つて
居
(
を
)
つた。
004
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にかは
此
(
この
)
お
玉
(
たま
)
は
侠客
(
けふかく
)
の
勘吉
(
かんきち
)
の
内縁
(
ないえん
)
の
妻
(
つま
)
となつてゐた。
005
そして
勘吉
(
かんきち
)
は
其
(
その
)
お
玉
(
たま
)
に
村
(
むら
)
の
若
(
わか
)
い
者
(
もの
)
をくつつけ、
006
そこを
押
(
おさ
)
へては
物言
(
ものい
)
ひを
付
(
つ
)
け、
007
金銭
(
きんせん
)
を
絞
(
しぼ
)
り
取
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
たのである。
008
此
(
この
)
女
(
をんな
)
は
少
(
すこ
)
し
浄瑠璃
(
じやうるり
)
も
知
(
し
)
つてゐて、
009
若者
(
わかもの
)
にチヨコチヨコ
札
(
ふだ
)
で
教
(
をし
)
へて
居
(
ゐ
)
た。
010
次郎松
(
じろまつ
)
といふ
男
(
をとこ
)
、
011
五十
(
ごじふ
)
の
坂
(
さか
)
を
越
(
こ
)
えて
居
(
ゐ
)
乍
(
なが
)
ら
鰥
(
やもめ
)
の
淋
(
さび
)
しさに、
012
若
(
わか
)
い
者
(
もの
)
の
舞
(
まひ
)
や
踊
(
をどり
)
や
浄瑠璃
(
じやうるり
)
の
稽古
(
けいこ
)
を
毎夜
(
まいよ
)
欠
(
か
)
かさず
見聞
(
みきき
)
に
行
(
ゆ
)
き、
013
遂
(
つひ
)
にはお
玉
(
たま
)
と
勘吉
(
かんきち
)
の
美人局
(
つつもたせ
)
に
陥
(
おちい
)
り
寝込
(
ねこ
)
みを
押
(
おさ
)
へられ、
014
頭
(
あたま
)
や
背中
(
せなか
)
をしたたか
殴
(
なぐ
)
られ、
015
真青
(
まつさを
)
になつて
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
り、
016
ブルブル
慄
(
ふる
)
へて
居
(
ゐ
)
た。
017
そこへ
上田
(
うへだ
)
長吉
(
ちやうきち
)
といふ、
018
次郎松
(
じろまつ
)
の
近所
(
きんじよ
)
の
二十五
(
にじふご
)
歳
(
さい
)
の
男
(
をとこ
)
がやつて
来
(
き
)
て、
019
いふやう、
020
長吉
『わしが
勘吉
(
かんきち
)
とお
玉
(
たま
)
との
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
つて
話
(
はなし
)
をうまくつけて
来
(
き
)
たから、
021
二百
(
にひやく
)
円
(
ゑん
)
出
(
だ
)
しなさい。
022
そしたら、
023
勘吉
(
かんきち
)
も
怒
(
おこ
)
りはすまい』
024
と
言
(
い
)
つた。
025
次郎松
(
じろまつ
)
は
生
(
うま
)
れついての
吝嗇坊
(
けちんぼう
)
、
026
惜相
(
をしさう
)
に
工面
(
くめん
)
して、
027
清水
(
きよみづ
)
の
舞台
(
ぶたい
)
から
飛
(
と
)
んだやうな
心持
(
こころもち
)
で、
028
五十
(
ごじふ
)
円
(
ゑん
)
の
金
(
かね
)
を
拵
(
こしら
)
へ、
029
長吉
(
ちやうきち
)
の
手
(
て
)
に
渡
(
わた
)
した。
030
長吉
(
ちやうきち
)
はお
玉
(
たま
)
に
向
(
むか
)
つて、
031
長吉
『
次郎松
(
じろまつ
)
サンが
二十五
(
にじふご
)
円
(
ゑん
)
出
(
だ
)
して
呉
(
く
)
れたから、
032
これで
勘弁
(
かんべん
)
しなさい。
033
此
(
この
)
廿五
(
にじふご
)
円
(
ゑん
)
はわしの
金
(
かね
)
ぢやが、
034
お
前
(
まへ
)
に
上
(
あ
)
げる』
035
と
甘
(
うま
)
くチヨロまかして、
036
又
(
また
)
お
玉
(
たま
)
に
妙
(
めう
)
な
関係
(
くわんけい
)
をつけて
了
(
しま
)
つた。
037
肝腎
(
かんじん
)
の
勘吉
(
かんきち
)
はそんなこととは
知
(
し
)
らず、
038
五六
(
ごろく
)
人
(
にん
)
の
乾児
(
こぶん
)
を
伴
(
つ
)
れ、
039
暗夜
(
あんや
)
に
次郎松
(
じろまつ
)
の
家
(
いへ
)
に
押掛
(
おしか
)
け
行
(
ゆ
)
き、
040
強談判
(
こはだんぱん
)
を
始
(
はじ
)
め
出
(
だ
)
した。
041
平素
(
へいそ
)
から
憂
(
うれ
)
ひ
喜
(
よろこ
)
びの
悪口
(
あくこう
)
言
(
い
)
ひと、
042
村中
(
むらぢう
)
から
憎
(
にく
)
まれてゐた
次郎松
(
じろまつ
)
が、
043
今夜
(
こんや
)
は
河内屋
(
かはちや
)
にやられるのだ、
044
よい
罰
(
ばち
)
だ、
045
面白
(
おもしろ
)
い、
046
見
(
み
)
て
来
(
こ
)
うか……と
次
(
つぎ
)
から
次
(
つぎ
)
へ
言
(
い
)
ひ
合
(
あ
)
はし、
047
門
(
かど
)
には
一杯
(
いつぱい
)
の
人
(
ひと
)
だかりになつてゐる。
048
次郎松
(
じろまつ
)
の
老母
(
らうぼ
)
は
裏口
(
うらぐち
)
から
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
し、
049
吾
(
わが
)
家
(
や
)
に
来
(
きた
)
り、
050
次郎松の母(おこの)
『コレコレ
喜楽
(
きらく
)
サン、
051
大変
(
たいへん
)
なことが
起
(
おこ
)
つて
来
(
き
)
た。
052
お
前
(
まへ
)
も
親類
(
しんるゐ
)
のことであり、
053
内
(
うち
)
の
松
(
まつ
)
が
今
(
いま
)
二百
(
にひやく
)
両
(
りやう
)
の
金
(
かね
)
を
出
(
だ
)
さねば、
054
地獄川
(
ぢごくがは
)
へ
俵
(
たはら
)
につめて
放
(
はう
)
り
込
(
こ
)
まれるとこだから、
055
早
(
はや
)
う
来
(
き
)
て
勘吉
(
かんきち
)
に
談判
(
だんぱん
)
しておくれ……』
056
と
慄
(
ふる
)
ひ
慄
(
ふる
)
ひ
泣
(
な
)
いてゐる。
057
自分
(
じぶん
)
は『ヨシ
来
(
き
)
た!』……と
言
(
い
)
つたものの、
058
近所
(
きんじよ
)
にワアワアと
大勢
(
おほぜい
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えてゐる、
059
勘吉
(
かんきち
)
の
呶鳴
(
どな
)
り
声
(
ごゑ
)
も
手
(
て
)
に
取
(
と
)
る
如
(
ごと
)
く
耳
(
みみ
)
にひびく。
060
幾分
(
いくぶん
)
か、
061
コリヤ
険呑
(
けんのん
)
だ、
062
ウツカリ
行
(
ゆ
)
く
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
こまい……と、
063
稍
(
やや
)
卑怯心
(
ひけふしん
)
の
虫
(
むし
)
が
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
の
方
(
はう
)
で
囁
(
ささや
)
き
出
(
だ
)
した。
064
そして
八十四
(
はちじふし
)
歳
(
さい
)
になつた
老祖母
(
らうそぼ
)
や
母
(
はは
)
が、
065
不安
(
ふあん
)
な
顔色
(
かほいろ
)
をして、
066
自分
(
じぶん
)
の
返事
(
へんじ
)
を
如何
(
どう
)
いふかと
待
(
ま
)
つてゐるやうである。
067
おこの
婆
(
ば
)
アサンは
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
だと、
068
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に、
069
おこの(次郎松の母)
『
喜楽
(
きらく
)
サン、
070
早
(
はや
)
う
来
(
き
)
ておくれ、
071
松
(
まつ
)
がやられて
了
(
しま
)
ふ……』
072
と
泣
(
な
)
き
立
(
た
)
てる。
073
喜楽
『そんなら
行
(
ゆ
)
きませう』
074
と
自分
(
じぶん
)
は
立上
(
たちあが
)
らうとする。
075
老祖母
(
らうそぼ
)
は
行
(
ゆ
)
くなと
目
(
め
)
で
知
(
し
)
らす。
076
おこの
婆
(
ば
)
アサンは、
077
おこの
『コレ
喜楽
(
きらく
)
サン、
078
親類
(
しんるゐ
)
で
居
(
を
)
つて、
079
こんな
時
(
とき
)
に
助
(
たす
)
けに
来
(
き
)
てくれんのなら、
080
お
前
(
まへ
)
の
所
(
ところ
)
へ
二十
(
にじふ
)
円
(
ゑん
)
貸
(
か
)
した
金
(
かね
)
を
未
(
いま
)
返
(
かへ
)
しておくれ。
081
河内屋
(
かはちや
)
にやる
足
(
た
)
しにせんならんから、
082
そしてこんな
時
(
とき
)
に
来
(
き
)
てくれな、
083
モウこれから
何
(
なに
)
を
頼
(
たの
)
まれても
聞
(
き
)
きませんぞえ』
084
と
少
(
すこ
)
しの
借金
(
しやくきん
)
を
恩
(
おん
)
にきせて
無理
(
むり
)
に
引出
(
ひきだ
)
さうとする。
085
自分
(
じぶん
)
は
一寸
(
ちよつと
)
むかついたが、
086
……
併
(
しか
)
し
世間
(
せけん
)
の
者
(
もの
)
は、
087
そんな
事情
(
じじやう
)
で
怒
(
おこ
)
つて
行
(
ゆ
)
かなんだとは
思
(
おも
)
はずに、
088
勘吉
(
かんきち
)
に
辟易
(
へきえき
)
して、
089
とうとう
喜楽
(
きらく
)
も
能
(
よ
)
う
来
(
こ
)
なんだと
誹
(
そし
)
るであらう。
090
折角
(
せつかく
)
侠客
(
けふかく
)
の
玉子
(
たまご
)
になりかけた
所
(
ところ
)
を、
091
なきがら
だと
言
(
い
)
はれては、
092
今
(
いま
)
までの
事
(
こと
)
が
水泡
(
すゐほう
)
に
帰
(
き
)
する、
093
ナアニ
多田
(
ただ
)
亀
(
かめ
)
の
教
(
をし
)
へた
通
(
とほ
)
り、
094
命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
にかけて
行
(
ゆ
)
きさへすれば
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ、
095
一
(
ひと
)
つ
度胸
(
どきよう
)
を
放
(
はう
)
り
出
(
だ
)
してやらう、
096
名
(
な
)
を
売
(
う
)
るのは
今
(
いま
)
ぢや……と
俄
(
にはか
)
に
強
(
つよ
)
くなつて、
097
老母
(
らうぼ
)
や
母
(
はは
)
の
不安
(
ふあん
)
な
顔色
(
かほいろ
)
を
見
(
み
)
ぬ
振
(
ふ
)
りして、
098
吾
(
わが
)
家
(
や
)
を
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
し、
099
裏
(
うら
)
の
藪
(
やぶ
)
の
垣
(
かき
)
を
蜘蛛
(
くも
)
の
巣
(
す
)
に
引
(
ひ
)
つかかり
乍
(
なが
)
ら、
100
二
(
ふた
)
つもくぐりぬけて、
101
背戸口
(
せとぐち
)
から
次郎松
(
じろまつ
)
の
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ
入
(
い
)
りこみ、
102
何
(
なに
)
くはぬ
顔
(
かほ
)
して、
103
奥
(
おく
)
からヌツと
火鉢
(
ひばち
)
の
側
(
そば
)
へ
現
(
あら
)
はれて、
104
井筒型
(
ゐづつがた
)
の
模様
(
もやう
)
のあるドテラをフワリと
羽織
(
はお
)
り、
105
鷹揚
(
おうやう
)
に
坐
(
すわ
)
り
込
(
こ
)
んだ。
106
そして
破軍星
(
はぐんせい
)
の
剣先
(
けんさき
)
を
敵
(
てき
)
に
向
(
む
)
けてやらう、
107
自分
(
じぶん
)
は
剣先
(
けんさき
)
の
柄
(
つか
)
に
座
(
ざ
)
を
占
(
し
)
めたれば、
108
キツと
勝
(
か
)
つに
違
(
ちが
)
ひないと、
109
稍
(
やや
)
迷信
(
めいしん
)
に
囚
(
とら
)
はれ
乍
(
なが
)
ら、
110
喜楽
『オイ
河内屋
(
かはちや
)
、
111
こんなヒヨロヒヨロ
爺
(
おやぢ
)
に、
112
屈強
(
くつきやう
)
盛
(
ざか
)
りの
侠客
(
けふかく
)
が
五
(
ご
)
人
(
にん
)
も
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
も
乾児
(
こぶん
)
を
伴
(
つ
)
れて、
113
押
(
おし
)
よせて
来
(
く
)
るとは
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
だ。
114
侠客
(
けふかく
)
の
侠
(
けふ
)
の
字
(
じ
)
は
何
(
なん
)
といふ
事
(
こと
)
か
知
(
し
)
つてゐるかい。
115
遊廓
(
いうくわく
)
へでも
行
(
い
)
つて
男
(
をとこ
)
を
売
(
う
)
るのが
侠客
(
けふかく
)
の
本分
(
ほんぶん
)
ぢやないか。
116
こんな
小
(
ちい
)
つぽけな
田舎
(
いなか
)
で、
117
ヘボ
爺
(
おやぢ
)
を
苦
(
くるし
)
めた
所
(
ところ
)
で、
118
お
前
(
まへ
)
の
名
(
な
)
はあがる
所
(
どころ
)
か、
119
却
(
かへつ
)
てダダ
下
(
さ
)
がりだぞ』
120
と
頭
(
あたま
)
から
咬
(
か
)
みつけて
見
(
み
)
た。
121
河内屋
(
かはちや
)
は
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
ふたか、
122
物
(
もの
)
も
言
(
い
)
はず
門口
(
かどぐち
)
へ
出
(
で
)
て、
123
乾児
(
こぶん
)
の
五
(
ご
)
人
(
にん
)
を
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れ、
124
河内屋(勘吉)
『オイ
喜楽
(
きらく
)
を
叩
(
たた
)
きのばせ!
次郎松
(
じろまつ
)
を
引
(
ひき
)
ずり
出
(
だ
)
せ!』
125
と
号令
(
がうれい
)
をかけてゐる。
126
おこの
婆
(
ば
)
アサンは
自分
(
じぶん
)
の
宅
(
うち
)
へ
来
(
き
)
たなり、
127
怖
(
こわ
)
がつて
震
(
ふる
)
うて
帰
(
かへ
)
つて
来
(
こ
)
ない。
128
次郎松
(
じろまつ
)
は
長火鉢
(
ながひばち
)
の
前
(
まへ
)
に
坐
(
すわ
)
つたまま、
129
真青
(
まつさを
)
な
顔
(
かほ
)
して、
130
次郎松
『
破軍星
(
はぐんせい
)
はどつちを
向
(
む
)
いてる、
131
なア
喜楽
(
きらく
)
サン……』
132
などと
調子
(
てうし
)
外
(
はづ
)
れな
声
(
こゑ
)
で
尋
(
たづ
)
ねてゐる。
133
乾児
(
こぶん
)
の
中
(
なか
)
の
両腕
(
りやううで
)
と
聞
(
きこ
)
えたる、
134
留公
(
とめこう
)
、
135
与三公
(
よさこう
)
は
親分
(
おやぶん
)
にケシを
掛
(
か
)
けられ、
136
震
(
ふる
)
ひ
震
(
ふる
)
ひ、
137
留公、与三公
『コレ
喜楽
(
きらく
)
サン、
138
一寸
(
ちよつと
)
出
(
で
)
て
下
(
くだ
)
され。
139
次郎松
(
じろまつ
)
サン、
140
親分
(
おやぶん
)
があない
言
(
い
)
うてますから
出
(
で
)
て
下
(
くだ
)
さい』
141
などと
怖々
(
こわごわ
)
ニユツと
手
(
て
)
をつき
出
(
だ
)
して、
142
半分
(
はんぶん
)
ふるうてゐる。
143
河内屋
(
かはちや
)
は
犬
(
いぬ
)
の
遠吠
(
とほぼえ
)
に
似
(
に
)
ず、
144
門口
(
かどぐち
)
から
号令
(
がうれい
)
をきびしくかける
計
(
ばか
)
りである。
145
自分
(
じぶん
)
は
懐手
(
ふところで
)
をした
儘
(
まま
)
、
146
ドスンとすわり、
147
揚
(
あ
)
げ
面
(
づら
)
をしてワザと
豪傑
(
がうけつ
)
らしく
空威張
(
からゐば
)
りをしてゐた。
148
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
脇
(
わき
)
の
下
(
した
)
や
腰
(
こし
)
のあたりは
秋
(
あき
)
の
夜寒
(
よさむ
)
にも
似
(
に
)
ず、
149
汗
(
あせ
)
がビツシヨリと
着物
(
きもの
)
をぬらしてゐた。
150
門口
(
かどぐち
)
には
村
(
むら
)
の
若
(
わか
)
い
者
(
もの
)
や
女
(
をんな
)
が
先
(
せん
)
ぐり
先
(
せん
)
ぐりやつて
来
(
き
)
て、
151
ワイワイとぞめいてゐる。
152
不断
(
ふだん
)
から
憎
(
にく
)
まれてゐるので、
153
誰一人
(
たれひとり
)
仲裁
(
ちうさい
)
に
入
(
はい
)
らうとする
者
(
もの
)
がない。
154
暫
(
しばら
)
くすると
嘘勝
(
うそかつ
)
と
言
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
が
弟
(
おとうと
)
の
長吉
(
ちやうきち
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて
来
(
き
)
た。
155
此
(
この
)
男
(
をとこ
)
は
次郎松
(
じろまつ
)
から
常
(
つね
)
に
世話
(
せわ
)
になつて
居
(
ゐ
)
る
所
(
ところ
)
から、
156
近所
(
きんじよ
)
の
事
(
こと
)
でもあり、
157
且
(
か
)
つ
自分
(
じぶん
)
の
弟
(
おとうと
)
に
関
(
くわん
)
した
事
(
こと
)
でもあるので、
158
裏口
(
うらぐち
)
から
長吉
(
ちやうきち
)
を
伴
(
つ
)
れて
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
たのである。
159
自分
(
じぶん
)
は
長吉
(
ちやうきち
)
に
向
(
むか
)
ひ、
160
ワザと
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で、
161
喜楽
『
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
松
(
まつ
)
サンからお
玉
(
たま
)
サンに
渡
(
わた
)
してくれといつて、
162
ことづけた
五十
(
ごじふ
)
円
(
ゑん
)
の
金
(
かね
)
は
如何
(
どう
)
したのか?』
163
と
呶
(
ど
)
なりつけて
見
(
み
)
た。
164
長吉
(
ちやうきち
)
は
震
(
ふる
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
165
長吉
『
其
(
その
)
五十
(
ごじふ
)
円
(
ゑん
)
は
確
(
たしか
)
にお
玉
(
たま
)
サンに
渡
(
わた
)
しました』
166
と
云
(
い
)
ふ。
167
そこで
喜楽
(
きらく
)
は
皆
(
みな
)
に
聞
(
きこ
)
える
様
(
やう
)
に、
168
喜楽
『お
玉
(
たま
)
といふ
女
(
をんな
)
は
聞
(
き
)
けば、
169
河内屋
(
かはちや
)
の
囲女
(
かこひをんな
)
ぢやないか。
170
侠客
(
けふかく
)
の
内縁
(
ないえん
)
にもせよ、
171
女房
(
にようばう
)
になる
女
(
をんな
)
が、
172
男
(
をとこ
)
から
金
(
かね
)
の
五十
(
ごじふ
)
円
(
ゑん
)
も
取
(
と
)
るとは
怪
(
け
)
しからん
奴
(
やつ
)
だ。
173
これは
要
(
えう
)
するに
河内屋
(
かはちや
)
が
差図
(
さしづ
)
ではあるまい。
174
こんな
女
(
をんな
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、
175
侠客
(
けふかく
)
の
名
(
な
)
が
汚
(
けが
)
れるのみならず、
176
此
(
この
)
村
(
むら
)
の
恥
(
はぢ
)
だ。
177
男達
(
をとこだて
)
を
以
(
もつ
)
て
任
(
にん
)
ずる
当時
(
たうじ
)
売出
(
うりだ
)
しの
河内屋
(
かはちや
)
が、
178
女
(
をんな
)
を
玉
(
たま
)
に
使
(
つか
)
うて
金
(
かね
)
を
取
(
と
)
るといふ、
179
卑怯
(
ひけふ
)
なことは
決
(
けつ
)
してする
筈
(
はず
)
がない。
180
大方
(
おほかた
)
貴様
(
きさま
)
がチヨロまかしたのだろ』
181
と
呶鳴
(
どな
)
つて
見
(
み
)
せた。
182
嘘勝
(
うそかつ
)
は
妙
(
めう
)
な
顔
(
かほ
)
をして、
183
嘘勝
『とも
角
(
かく
)
、
184
弟
(
おとうと
)
の
長吉
(
ちやうきち
)
が
悪
(
わる
)
いのだから、
185
此
(
この
)
事
(
こと
)
は
私
(
わたし
)
に
任
(
まか
)
して
貰
(
もら
)
ひたい。
186
河内屋
(
かはちや
)
だつて、
187
男
(
をとこ
)
の
顔
(
かほ
)
に
泥
(
どろ
)
をぬられて
黙
(
だま
)
つておろまい。
188
侠客
(
けふかく
)
といふ
者
(
もの
)
は、
189
女
(
をんな
)
を
玉
(
たま
)
に
使
(
つか
)
つて
金
(
かね
)
を
取
(
と
)
るといふやうなことはしそうな
筈
(
はず
)
がない。
190
こんな
事
(
こと
)
がカンテラの
親分
(
おやぶん
)
にでも
聞
(
きこ
)
えたら、
191
それこそ
大変
(
たいへん
)
だぞ』
192
と
呶鳴
(
どな
)
りかけた。
193
河内屋
(
かはちや
)
はお
玉
(
たま
)
を
次郎松
(
じろまつ
)
が
犯
(
おか
)
し、
194
侠客
(
けふかく
)
の
顔
(
かほ
)
に
泥
(
どろ
)
を
塗
(
ぬ
)
つたから、
195
承知
(
しようち
)
しない、
196
二百
(
にひやく
)
円
(
ゑん
)
の
金
(
かね
)
を
出
(
だ
)
さねば
地獄川
(
ぢごくがは
)
へ
放
(
はう
)
り
込
(
こ
)
むとねだつて
居
(
ゐ
)
たのが、
197
少
(
すこ
)
し
恥
(
はづか
)
しくなつたと
見
(
み
)
え、
198
門口
(
かどぐち
)
から
再
(
ふたた
)
び
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
の
火鉢
(
ひばち
)
の
前
(
まへ
)
迄
(
まで
)
やつて
来
(
き
)
て、
199
勘吉
(
かんきち
)
『
此
(
この
)
勘吉
(
かんきち
)
は、
200
女
(
をんな
)
を
玉
(
たま
)
に
金
(
かね
)
をねだつたなどと
言
(
い
)
はれちや、
201
男
(
をとこ
)
が
立
(
た
)
ちません。
202
何
(
なに
)
かの
間違
(
まちがひ
)
だらう……コラ
与三公
(
よさこう
)
、
203
留公
(
とめこう
)
、
204
貴様
(
きさま
)
、
205
そんな
馬鹿
(
ばか
)
なことを
次郎松
(
じろまつ
)
サンに
言
(
い
)
うたのか、
206
不都合
(
ふつがふ
)
な
奴
(
やつ
)
だ』
207
と
呶鳴
(
どな
)
りつけた。
208
与三公
(
よさこう
)
と
留公
(
とめこう
)
は……
親分
(
おやぶん
)
が
命令
(
めいれい
)
ぢやないか……と
言
(
い
)
ひたいけれど、
209
言
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
にもいかぬといふやうな
顔付
(
かほつき
)
で、
210
頭
(
あたま
)
をガシガシかき
乍
(
なが
)
ら、
211
与三公、留公
『へー、
212
別
(
べつ
)
にそんなこたア、
213
言
(
い
)
うた
覚
(
おぼ
)
えは
厶
(
ござ
)
いまへん』
214
と
巻舌
(
まきじた
)
が
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか、
215
田舎
(
いなか
)
の
詞
(
ことば
)
の
生地
(
きぢ
)
に
返
(
かへ
)
つて
了
(
しま
)
つてゐる。
216
河内屋
(
かはちや
)
は
顔色
(
かほいろ
)
を
和
(
やは
)
らげ、
217
河内屋
『ヤア
喜楽
(
きらく
)
サン、
218
心配
(
しんぱい
)
かけて
済
(
す
)
みません。
219
災
(
わざはい
)
は
下
(
した
)
からと
言
(
い
)
ひまして、
220
子分
(
こぶん
)
の
奴
(
やつ
)
がこちらの
知
(
し
)
らんことを
吐
(
ぬか
)
すもんだから、
221
こんな
騒動
(
さうだう
)
になつたのです。
222
併
(
しか
)
し
私
(
わたし
)
も
御存
(
ごぞん
)
じの
通
(
とほ
)
り、
223
今
(
いま
)
売出
(
うりだ
)
しの
侠客
(
けふかく
)
だ。
224
素人
(
しろうと
)
の
喜楽
(
きらく
)
サンにコミ
割
(
わ
)
られたと
人
(
ひと
)
に
言
(
い
)
はれては、
225
男
(
をとこ
)
の
顔
(
かほ
)
が
立
(
た
)
ちませぬ。
226
これは
一
(
ひと
)
つ
仲直
(
なかなほ
)
りをして、
227
綺麗
(
きれい
)
サツパリと
埒
(
らち
)
をつけませう』
228
と
砕
(
くだ
)
けてかかる。
229
喜楽
(
きらく
)
は、
230
喜楽
『そう
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
れば
結構
(
けつこう
)
だ。
231
そんなら
次郎松
(
じろまつ
)
から
十五
(
じふご
)
円
(
ゑん
)
出
(
だ
)
すから、
232
君
(
きみ
)
の
方
(
はう
)
から
十五
(
じふご
)
円
(
ゑん
)
出
(
だ
)
して、
233
それで
一
(
ひと
)
つ
宴会
(
えんくわい
)
でも
開
(
ひら
)
いて
仲直
(
なかなほ
)
りをせうぢやないか』
234
と
問
(
と
)
うて
見
(
み
)
た。
235
河内屋
(
かはちや
)
はヤレ
肩
(
かた
)
の
荷
(
に
)
が
下
(
を
)
りたというやうな
体裁
(
ていさい
)
で、
236
抜
(
ぬ
)
いた
刀
(
かたな
)
の
納
(
をさ
)
めどこに
困
(
こま
)
つて
居
(
ゐ
)
たのを、
237
ヤツと
幸
(
さいは
)
ひ
二
(
ふた
)
つ
返事
(
へんじ
)
で、
238
河内屋
『
何分
(
なにぶん
)
喜楽
(
きらく
)
サンに
任
(
まか
)
しませう。
239
そんなら
明晩
(
みやうばん
)
、
240
亀岡
(
かめをか
)
の
呉服町
(
ごふくまち
)
の
正月屋
(
しやうぐわつや
)
で
仲直
(
なかなほ
)
りをすることにせう。
241
午後
(
ごご
)
六
(
ろく
)
時
(
じ
)
から……』
242
と
言
(
い
)
つた。
243
次郎松
(
じろまつ
)
はヤツと
安心
(
あんしん
)
したものの
如
(
ごと
)
く、
244
二百
(
にひやく
)
円
(
ゑん
)
が
十五
(
じふご
)
円
(
ゑん
)
になつたので、
245
これも
異議
(
いぎ
)
なく
出金
(
しゆつきん
)
することを
承諾
(
しようだく
)
した。
246
そしてウソ
勝
(
かつ
)
は、
247
河内屋
(
かはちや
)
が
一所
(
いつしよ
)
に
明晩
(
みやうばん
)
宴会
(
えんくわい
)
に
行
(
ゆ
)
かうかと
勧
(
すす
)
めるのを、
248
俄
(
にはか
)
に
明日
(
みやうにち
)
は
大阪
(
おほさか
)
の
親類
(
しんるゐ
)
へ
急用
(
きふよう
)
が
出来
(
でき
)
たから……と
云
(
い
)
つて
体
(
てい
)
よく
断
(
ことわ
)
つて
了
(
しま
)
つた。
249
これで
其
(
その
)
晩
(
ばん
)
の
悶錯
(
もんさく
)
は
一寸
(
ちよつと
)
ケリがつき、
250
翌日
(
よくじつ
)
、
251
瑞月
(
ずゐげつ
)
と
次郎松
(
じろまつ
)
と
長吉
(
ちやうきち
)
との
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
亀岡
(
かめをか
)
呉服町
(
ごふくまち
)
の
正月屋
(
しやうぐわつや
)
といふ
二階
(
にかい
)
造
(
づく
)
りの
小
(
ちひ
)
さい
料理屋
(
れうりや
)
へ
行
(
ゆ
)
くこととなつた。
252
(
大正一一・一〇・八
旧八・一八
松村真澄
録)
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