霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二四章 神助(しんじよ)〔一〇三六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第37巻 舎身活躍 子の巻 篇:第4篇 山青水清 よみ(新仮名遣い):やまあおくみずきよし
章:第24章 神助 よみ(新仮名遣い):しんじょ 通し章番号:1036
口述日:1922(大正11)年10月12日(旧08月22日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年3月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
金光教の土田雄弘、福島寅之助らは依然金明会に対して反対運動をしていたが、霊学の現場を見て霊感者となってしまった。しかし綾部の修行場も狭くなり、参拝者もたくさんあって思うような稽古もできず、鷹巣の四方平蔵氏宅に修行場を移した。
しかしここも幽斎の発動が激しく苦情が出始めたので、上谷の四方伊左衛門氏の宅に移転した。結果は良好で、二三人の不成功者を出しただけであとは残らず神人感合の境地に到達した。
そこで喜楽は四方平蔵氏を伴って、清水の長沢雄楯先生に報告に上がった。四方氏は霊学の説明を受けてその趣旨を悟るようになり、二昼夜滞在の上別れを告げて綾部に戻った。
帰途、四方氏は京都で汽車に引きずられそうになったり、蛸に当たったり、人力車の車輪がはずれたりなど、あわや大事故という目に一日に三度まであったが、無事であった。
四方氏の信仰の力と大神様のおかげで九分九厘のところを助けられたのは、氏が一心に神様に仕えていたおかげである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-10-28 12:20:01 OBC :rm3724
愛善世界社版:289頁 八幡書店版:第7輯 140頁 修補版: 校定版:300頁 普及版:145頁 初版: ページ備考:
001 金光(こんくわう)教会(けうくわい)八木(やぎ)支部長(しぶちやう)をして()土田(つちだ)雄弘(かつひろ)()(ひと)は、002金光教(こんくわうけう)足立(あだち)正信(まさのぶ)()金明会(きんめいくわい)降服(かうふく)したと()き、003周章(しうしやう)狼狽(らうばい)して上級(じやうきふ)教会所(けうくわいしよ)なる杉田(すぎた)政次郎(まさじろう)()協議(けふぎ)した(うへ)004金光教(こんくわうけう)(だい)熱心者(ねつしんじや)なる八木(やぎ)福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)()(したが)綾部(あやべ)駆付(かけつ)け、005(ただち)足立(あだち)正信(まさのぶ)()面会(めんくわい)し、
006土田金光教(こんくわうけう)本部(ほんぶ)から応援(おうゑん)()自分(じぶん)極力(きよくりよく)応援(おうゑん)(らう)をとる(かんが)へだから、007金明会(きんめいくわい)(くだ)らぬ(ところ)脱会(だつくわい)し、008何程(なにほど)(つら)くても(しば)らくだから孤軍(こぐん)奮闘(ふんとう)をつづけられよ。009(わけ)(わか)らぬ霊学(れいがく)(など)降服(かうふく)するのは、010金光(こんくわう)教師(けうし)本領(ほんりやう)ではない。011折角(せつかく)今迄(いままで)金光教(こんくわうけう)苦労(くらう)をし(なが)ら、012(もろ)くも(てき)(かぶと)()ぐとは不甲斐(ふがひ)ない』
013熱涙(ねつるゐ)(なが)して足立(あだち)()激励(げきれい)した。014乍併(しかしながら)足立(あだち)()(すで)金光(こんくわう)教会(けうくわい)部下(ぶか)(たい)する酷薄(こくはく)無情(むじやう)なるに(あき)()て、015出口(でぐち)教祖(けうそ)喜楽(きらく)温情(をんじやう)(やうや)感激(かんげき)して()たる(さい)なれば、016熱心(ねつしん)なる友人(いうじん)忠告(ちうこく)(ただ)一言(いちごん)(もと)()ねつけ、017(かつ)大本(おほもと)教義(けうぎ)深遠(しんゑん)霊妙(れいめう)なる(こと)(くち)(きは)めて()き、018(つひ)土田(つちだ)雄弘(かつひろ)()金明会(きんめいくわい)布教師(ふけうし)になつて(しま)つた。
019 そこで喜楽(きらく)足立(あだち)020土田(つちだ)021福島(ふくしま)()()神殿(しんでん)(つぎ)()(かみ)(さま)(はなし)幽斎(いうさい)方法(はうはふ)などを説明(せつめい)して()ると十数(じふすう)年間(ねんかん)胃腸病(ゐちやうびやう)(なや)んで()(ひと)が、022大原(おほはら)から(かご)二三(にさん)親類(しんるゐ)()れられ病気(びやうき)平癒(へいゆ)祈願(きぐわん)()たので、023喜楽(きらく)一寸(ちよつと)(かみ)(さま)()祈願(きぐわん)をなし、
024喜楽(きらく)悪神(あくがみ)立去(たちさ)れ!』
025(ただ)一言(ひとこと)言霊(ことたま)発射(はつしや)すれば、026不思議(ふしぎ)にも多年(たねん)(やまひ)(その)()にて恢復(くわいふく)し、027(よろこ)(いさ)んで帰途(きと)(みづか)歩行(ほかう)し、028鼻唄(はなうた)(など)(うた)つて(かへ)(やう)になつた。029(また)台頭(だいとう)()(ところ)から、030片山(かたやま)卯之助(うのすけ)()十五(じふご)(さい)(をとこ)(あし)()たぬ(やまひ)となり、031(これ)(また)(かご)()つて()たが、032足立(あだち)033土田(つちだ)034福島(ふくしま)()(まへ)(すぐ)(あし)()つて(しま)つた。
035 (この)現場(げんば)目撃(もくげき)した(さん)(にん)非常(ひじやう)霊術(れいじゆつ)効顕(かうけん)驚嘆(きやうたん)して()た。036(たちま)福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)発動(はつどう)(はじ)め、
037福島『ウンウン』
038(うな)()し、039(つい)土田(つちだ)雄弘(かつひろ)霊感者(れいかんしや)となり、040天眼通(てんがんつう)一端(いつたん)修得(しうとく)するに(いた)つたのである。041足立(あだち)正信(まさのぶ)()今迄(いままで)幽冥界(いうめいかい)実状(じつじやう)()らなかつた金光教(こんくわうけう)布教師(ふけうし)なりしを(もつ)て、042神懸(かむがか)状態(じやうたい)()るのは(うま)れてから(はじ)めてなりし()め、043非常(ひじやう)奇妙(きめう)(おも)ひをし、044(これ)屹度(きつと)妖神(えうしん)所業(しわざ)か、045(また)喜楽(きらく)魔法使(まはふつかひ)ではないかと、046そろそろと(うたが)ひかけたが、047(げん)友人(いうじん)土田(つちだ)霊感(れいかん)神助(しんじよ)()てから、
048土田今迄(いままで)金光(こんくわう)教会(けうくわい)などはとるに()らぬものである。049人間(にんげん)()つて(たか)つて(こしら)へた編輯教(へんしふけう)だから(まこと)(かみ)(をしへ)ぢやない』
050(とな)()し、051今度(こんど)反対(はんたい)足立(あだち)()説服(せつぷく)し、
052土田大本(おほもと)教理(けうり)(まこと)(かみ)御心(みこころ)()でたるものなり』
053(つよ)主張(しゆちやう)した。054されど足立(あだち)()依然(いぜん)として正邪(せいじや)真偽(しんぎ)審判(しんぱん)(くる)しんで()(やう)()えて()た。
055 教祖(けうそ)(さま)役員(やくゐん)(など)懇望(こんまう)によつて、056喜楽(きらく)(ここ)幽斎(いうさい)修行者(しうぎやうしや)養成(やうせい)する(こと)となり、057本町(ほんまち)中村(なかむら)竹造(たけざう)()(たく)にて、058数日間(すうじつかん)布教(ふけう)(かたはら)幽斎(いうさい)修行(しうぎやう)執行(しつかう)し、059求道者(きうだうしや)もおひおひ増加(ぞうか)し、060本町(ほんまち)中村(なかむら)()(たく)(せま)くなり、061本宮(ほんぐう)東四(ひがしよ)(つじ)062(もと)金光教(こんくわうけう)広前(ひろまへ)修行場(しうぎやうば)(うつ)した。063福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)神懸(かむがか)初版・愛世版では「神懸(かむがか)り」だが、校定版では「神憑(かむがか)り」になっている。福島寅之助に懸かるのは邪霊なので、校定版の編纂者が「神憑」に修正したのではないかと思われる。随分(ずゐぶん)乱暴(らんばう)なもので、064邪神界(じやしんかい)先導者(せんだうしや)とも()ふべき(れい)であつて、065大変(たいへん)審神者(さには)役員(やくゐん)手古摺(てこず)らした。066東隣(ひがしどなり)には(その)時分(じぶん)には綾部(あやべ)警察署(けいさつしよ)があり、067日々(ひび)撃剣(げきけん)稽古(けいこ)幽斎(いうさい)邪魔(じやま)になり、068(かつ)(また)沢山(たくさん)参拝者(さんぱいしや)のために(おも)ふやうに修行(しうぎやう)出来(でき)ず、069そこで神界(しんかい)(うかが)つた(うへ)070猿田彦(さるたひこ)(がみ)()神勅(しんちよく)山家村(やまがむら)鷹栖(たかのす)修行場(しうぎやうば)移転(いてん)する(こと)となつた。071(その)(とき)(うた)に、
072大稜威(おほみいづ)高千穂(たかちほ)(やま)鷹栖(たかのす)
073(みちび)(かみ)猿田彦(さるたひこ)(がみ)
074 (ただち)鷹栖(たかのす)四方(しかた)平蔵(へいざう)()(うち)修行場(しうぎやうば)(うつ)し、075二三(にさん)(にち)(あと)(ふたた)同地(どうち)信者(しんじや)四方(しかた)祐助(いうすけ)()(かた)移転(いてん)した。
076 修行者(しうぎやうしや)(いづ)れも役員(やくゐん)信者(しんじや)弟子(でし)のみにて、077福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)078四方(しかた)平蔵(へいざう)079四方(しかた)祐助(いうすけ)080四方(しかた)熊蔵(くまざう)081(どう)春蔵(はるざう)082(どう)甚之丞(じんのじよう)083(どう)すみ()084大槻(おほつき)とう、085塩見(しほみ)せい()086中村(なかむら)菊子(きくこ)087田中(たなか)つや()088四方(しかた)久子(ひさこ)089野崎(のざき)篤三郎(とくさぶらう)090西村(にしむら)まき()091西村(にしむら)こまつ、092村上(むらかみ)房之助(ふさのすけ)093黒田(くろだ)きよ()094上仲(うへなか)義太郎(ぎたらう)095四方(しかた)安蔵(やすざう)096四方(しかた)藤太郎(とうたらう)097中村(なかむら)竹造(たけざう)(など)二十(にじふ)有余(いうよ)(にん)修行者(しうぎやうしや)(あつ)まつて(あさ)から(ばん)までドンドンと幽斎(いうさい)修行(しうぎやう)にかかつて()た。098二十(にじふ)有余(いうよ)(にん)(いち)()発動(はつどう)するので(ゆか)根太(ねだ)(ゆが)()し、099祐助(いうすけ)()息子(むすこ)勇一(ゆういち)()非常(ひじやう)(こま)つて、100(ひそ)かに綾部(あやべ)警察署(けいさつしよ)へ、
101四方勇一喜楽(きらく)足立(あだち)が、102しやうもない(こと)(をし)へて(こま)るから追払(おひはら)つて(くだ)さい』
103(ねが)ふて()た。104戸主(こしゆ)権利(けんり)(もつ)謝絶(しやぜつ)すれば()いものを、105自分(じぶん)卑怯(ひけふ)さから、106()かる手段(しゆだん)()つたのである。107喜楽(きらく)小松林(こまつばやし)(かみ)(さま)によつてこれを前知(ぜんち)したので、108即夜(そくや)上谷(うへだに)四方(しかた)伊左衛門(いざゑもん)()(かた)修行者(しうぎやうしや)をつれて移転(いてん)し、109前方(ぜんぱう)谷間(たにあひ)不動尊(ふどうそん)(まつ)つた()なり(おほ)きな瀑布(ばくふ)のあるを(さいは)ひ、110上谷(うへだに)修行場(しうぎやうば)(さだ)めて幽斎(いうさい)熱中(ねつちゆう)した。111さうした(ところ)(あん)(ぢやう)112警官(けいくわん)追払(おひはら)ひに()た。113けれども神道(しんだう)()赤誠(せきせい)をこらして修業(しうげふ)にかかつてる熱心者(ねつしんじや)のみなれば、114(すこ)しも(ひる)まず頓着(とんちやく)せずドシドシと修業(しうげふ)続行(ぞくかう)して()た。115猿田彦(さるたひこ)(かみ)(また)もや神懸(かむがか)りとなつて、
116神懸(かむがか)(くも)上谷(うへだに)(かがや)きて
117(うご)かぬ(きみ)御代(みよ)()らさむ
118()(うた)(あた)へられた。119まだまだ(その)(とき)(あた)へられた神歌(しんか)数百首(すうひやくしゆ)(のぼ)つて()たが、120(いま)はハツキリ記憶(きおく)して()ないのである。
121 (さて)幽斎(いうさい)修行(しうぎやう)結果(けつくわ)(きはめ)良好(りやうかう)であつて、122数多(あまた)修行者(しうぎやうしや)(なか)二三(にさん)変則(へんそく)(てき)不成功(ふせいこう)(しや)()しただけで、123(その)()(のこ)らず神人(しんじん)感合(かんがふ)(きやう)到達(たうたつ)し、124(なか)には筆紙(ひつし)(もち)ひて世界(せかい)動乱(どうらん)予言(よげん)をなす(もの)あり、125北清(ほくしん)事変(じへん)神諭(しんゆ)()(もの)あり、126日露(にちろ)戦争(せんそう)予言(よげん)をしたり世界(せかい)戦争(せんそう)予告(よこく)したりする(かみ)(うつ)つて()た。127天眼通(てんがんつう)128天耳通(てんじつう)129宿命通(しゆくめいつう)130感通(かんつう)(など)神術(かむわざ)上達(じやうたつ)する(もの)出来(でき)()た。131(おほい)神道(しんだう)尊厳(そんげん)無比(むひ)自覚(じかく)した信者(しんじや)(すくな)からずあつた。132(なか)(もつと)不可思議(ふかしぎ)なるは西村(にしむら)まき()()十八(じふはつ)(さい)(をんな)133(ぞく)にいふ白痴(はくち)であつたが(かれ)神懸(かむがか)りとなるや平素(へいそ)言動(げんどう)一変(いつぺん)し、134かの神世(かみよ)()ける大気津(おほげつ)(ひめ)(ごと)く、135自分(じぶん)(みみ)から(あは)幾粒(いくつぶ)となく()し、136(はな)よりは小豆(あづき)()し、137秀処(ほと)よりは麦種(むぎたね)(など)()したる奇蹟(きせき)があつた。138これを()ても我国(わがくに)神典(しんてん)非凡(ひぼん)真理(しんり)(つた)へたるものなる(こと)(さと)()らるるのである。
139 幽斎(いうさい)修行(しうぎやう)もおひおひ発達(はつたつ)したので、140留守中(るすちう)四方(しかた)藤太郎(とうたらう)(あづ)けおき、141四方(しかた)平蔵(へいざう)()(とも)静岡県(しづをかけん)富士見(ふじみ)(むら)長沢(ながさは)雄楯(かつたて)先生(せんせい)奉仕(ほうし)して()られる月見里(やまなし)神社(じんじや)参拝(さんぱい)する(こと)となつた。142(みち)すがら大神(おほかみ)()神徳(しんとく)広大(くわうだい)無辺(むへん)なるを()きつつ、143須知山(すちやま)(たうげ)()え、144大原(おほはら)145枯木峠(かれきたうげ)()()十津川(とつがは)山村(やまむら)にさしかかつた(とき)146四方(しかた)()(にはか)発動(はつどう)気味(ぎみ)となり、147身体(しんたい)震動(しんどう)(はなはだ)しく、148()むを()枯木峠(かれきたうげ)頂上(ちやうじやう)休息(きうそく)して、149喜楽(きらく)()つたまま四方(しかた)鎮魂(ちんこん)(ほどこ)して()た。150四方(しかた)には松岡(まつをか)神使(しんし)臨時(りんじ)憑依(ひようい)し、151天眼通(てんがんつう)層一層(そういつそう)(あきら)かになつて()た。
152 喜楽(きらく)(まへ)()べた(とほ)長沢(ながさは)雄楯(かつたて)(をう)霊学(れいがく)門人(もんじん)となつて()たので、153一度(いちど)報告(はうこく)(かたがた)鈿女(うづめの)(みこと)(まつ)つた月見里(やまなし)神社(じんじや)参拝(さんぱい)したのである。154(やうや)くにして無事(ぶじ)富士見(ふじみ)(むら)下清水(しもしみづ)155長沢(ながさは)先生(せんせい)(やかた)到着(たうちやく)した。156さうして四方(しかた)平蔵(へいざう)()は、157神懸(かみがか)りと俗間(ぞくかん)(おこな)はれて()稲荷下(いなりさ)げとは(その)品位(ひんゐ)(おい)(また)方法(はうはふ)(おい)雲泥(うんでい)()のある(こと)一々(いちいち)例証(れいしよう)()げて説明(せつめい)せられ、158(やうや)霊学(れいがく)趣旨(しゆし)(さと)(やう)になり二昼夜(にちうや)滞在(たいざい)(うへ)159(をし)(わか)れを()帰綾(きれう)()についた。
160 下清水(しもしみづ)より江尻(えじり)(まで)二十丁(にじつちやう)ばかりの(みち)(ある)いて、161午前(ごぜん)(いち)()急行(きふかう)列車(れつしや)()()まうとする(とき)162(わづか)二分(にふん)(みじか)停車(ていしや)163(こと)列車(れつしや)はボギー(しき)で、164田舎(いなか)汽車(きしや)(やう)入口(いりぐち)沢山(たくさん)にない(ところ)へ、165四方(しかた)()生憎(あひにく)()(わる)い、166夜分(やぶん)(ほとん)()があつても()えぬ(くらゐ)だ。167それに沢山(たくさん)荷物(にもつ)(かた)にひつかけて()る。168喜楽(きらく)()一杯(いつぱい)荷物(にもつ)()げて手早(てばや)乗車(じやうしや)し、169四方(しかた)()如何(どう)かと昇降台(しやうかうだい)()れば、170(いま)片手(かたて)をかけたばかりに汽車(きしや)(うご)()して()る。171駅員(えきゐん)(ちから)一杯(いつぱい)(こゑ)()して『(あぶ)ない(あぶ)ない』と連呼(れんこ)して()る。
172 四方(しかた)()(その)()七八間(しちはちけん)()きずられて()た。173喜楽(きらく)金剛力(こんがうりき)()して荷物(にもつ)諸共(もろとも)昇降台(しやうかうだい)(まで)ひきあげた。174(この)(とき)(こと)(おも)ふと(いま)でもゾツとする(やう)だ。175(まつた)(かみ)加護(かご)によつて(あやふ)怪我(けが)(すく)はれたのだと(こころ)(うち)にて感謝(かんしや)(なが)ら、176翌日(よくじつ)午後(ごご)(いち)()(ごろ)京都駅(きやうとえき)安着(あんちやく)し、177二人(ふたり)(ひがし)本願寺(ほんぐわんじ)(まへ)のある飲食店(いんしよくてん)這入(はい)つて昼飯(ひるめし)をすませ、178それより七条通(しちでうどほ)りを西行(せいかう)して西七条(にししちでう)(いた)り、179此処(ここ)から乗合(のりあひ)馬車(ばしや)亀岡行(かめをかゆき)切符(きつぷ)()発車(はつしや)時刻(じこく)()つてゐた。180四方(しかた)()本願寺(ほんぐわんじ)(まへ)茶店(ちやみせ)()ふて()つた(たこ)中毒(ちうどく)(にはか)(くる)しみ()し、181()いたり、182下痢(くだし)たり、183十数回(じふすうくわい)(およ)んだ。184顔色(がんしよく)真蒼(まつさを)となり、185(その)()(たふ)れて(ほとん)死人(しにん)(やう)になつてゐる。186馬車屋(ばしやや)主人(しゆじん)(おどろ)いて、
187馬車屋の主人『お(きやく)サン、188あんたは虎列剌(これら)(びやう)です。189サア一刻(いつこく)(はや)(この)()退却(たいきやく)して(くだ)され。190警察(けいさつ)()れたら(なに)()()かれて(しま)ひ、191営業(えいげふ)出来(でき)なくなつて(しま)ひます。192そんな(こと)にでもなれば(うち)大騒動(だいさうどう)だ。193サア(はや)(かへ)つて(くだ)さい』
194一旦(いつたん)受取(うけと)つた(かね)(かへ)切符(きつぷ)取上(とりあ)げて(しま)つた。195喜楽(きらく)教祖(けうそ)より(さづ)かつて()たお肌守(はだまもり)懐中(くわいちゆう)より()()し、196四方(しかた)()(かた)にかけてやり、197(また)教祖(けうそ)(さま)から(いただ)いたおひねり二体(にたい)(くち)(ふく)ませ鎮魂(ちんこん)(ほどこ)した。198()神徳(しんとく)(たちま)(あら)はれ、199四方(しかた)()(はじ)めて言語(げんご)明白(めいはく)になり、200元気(げんき)(やや)恢復(くわいふく)して()た。201喜楽(きらく)四方(しかた)()()をひき(かど)()で、202折柄(をりから)空車(からぐるま)をひいて()二人(ふたり)車夫(しやふ)(みと)め、203(てん)(あた)へと(ただち)(これ)()り、204何喰(なにく)はぬ(かほ)にて一里半(いちりはん)ばかり(はし)らせ、205(かつら)大橋(おほはし)にさしかかると、206四方(しかた)()(まつた)(もと)(ごと)くに元気(げんき)づき、207(くるま)(うへ)から(いさぎよ)(こゑ)四方山(よもやま)(はな)しをしたり、208(うた)などを(うた)()した。209それから大枝阪(おほえさか)210王子(わうじ)211篠村(しのむら)疾走(しつそう)しつつ篠村(しのむら)八幡堂(はちまんだう)(すこ)手前(てまへ)(まで)(かへ)つて()ると、212四方(しかた)()()つた腕車(わんしや)(たちま)(てつ)()がガラリと(はづ)れ、213グナグナと(くだ)けて(しま)ひ、214四方(しかた)()街路(がいろ)真逆(まつさか)(さま)(はう)()されて(しま)つたが、215(さいは)ひに擦傷(かすりきず)(ひと)つせず無事(ぶじ)であつた。
216 四方(しかた)()余程(よほど)(うん)(つよ)(ひと)()え、217(いち)(にち)()三度(さんど)まで汽車(きしや)218馬車(ばしや)219人力車(じんりきしや)危難(きなん)(すく)はれるといふ(こと)は、220(じつ)不思議(ふしぎ)である。221これも(かみ)(さま)()神徳(しんとく)(かんが)へるより(ほか)判断(はんだん)はつかぬ。222人間(にんげん)には一生(いつしやう)(うち)には(かなら)一度(いちど)二度(にど)幸運(かううん)(むか)ふて()る。223それと同様(どうやう)(また)一度(いちど)二度(にど)大難(だいなん)()るものである。224四方(しかた)()信仰(しんかう)(ちから)大神(おほかみ)(さま)のお(かげ)で、225(かか)(あぶ)ない(ところ)九分(くぶ)九厘(くりん)(たす)けられたのは、226(まつた)(かみ)(さま)一心(いつしん)(つか)へて()たお(かげ)である。
227大正一一・一〇・一二 旧八・二二 北村隆光録)

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