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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第42巻(巳の巻)
序文に代へて
総説に代へて
第1篇 波瀾重畳
第1章 北光照暗
第2章 馬上歌
第3章 山嵐
第4章 下り坂
第2篇 恋海慕湖
第5章 恋の罠
第6章 野人の夢
第7章 女武者
第8章 乱舌
第9章 狐狸窟
第3篇 意変心外
第10章 墓場の怪
第11章 河底の怪
第12章 心の色々
第13章 揶揄
第14章 吃驚
第4篇 怨月恨霜
第15章 帰城
第16章 失恋会議
第17章 酒月
第18章 酊苑
第19章 野襲
第5篇 出風陣雅
第20章 入那立
第21章 応酬歌
第22章 別離の歌
第23章 竜山別
第24章 出陣歌
第25章 惜別歌
第26章 宣直歌
余白歌
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第42巻(巳の巻)
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<<< 酒月
(B)
(N)
野襲 >>>
第一八章
酊苑
(
ていゑん
)
〔一一四三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻
篇:
第4篇 怨月恨霜
よみ(新仮名遣い):
えんげつこんそう
章:
第18章 酊苑
よみ(新仮名遣い):
ていえん
通し章番号:
1143
口述日:
1922(大正11)年11月24日(旧10月6日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年7月1日
概要:
舞台:
イルナ城(入那城、セーラン王の館)
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
カールチンの一党は王の居間に侵入し、大音声で怒鳴りつけた。黄金姫、清照姫、セール姫その他の近侍は武器を取って戦ったが、セーリス王たちは一人残らず打ち取られてしまった。
カールチンらは王たちの死骸をイルナ川に投げ込み、奥殿で勝利の酒宴を開いた。一同が先勝を誇りあっていると、サマリー姫、サモア姫、ハルマンがやってきた。
その場に出現したセールス王の幽霊によってカールチンたちが王を殺害したことを知ったサマリー姫とサモア姫は、カールチンに打ってかかった。
カールチンは娘のサマリー姫を切り殺した。しかし戦いの中、切られたはずのサマリー姫は元通りとなり、カールチンの部下たちを倒してしまった。
そこへ北光神が歌う宣伝歌が聞こえてきた。気が付けば、カールチン、ユーフテス、マンモスは城内の庭先の土の上に坐して幻覚を見せられていただけであった。門番のミル、ボルチーは酔いが覚めると、右守たちが庭土の上に泥酔していることを見つけて驚き、奥殿にかけいった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-12-27 15:29:08
OBC :
rm4218
愛善世界社版:
212頁
八幡書店版:
第7輯 718頁
修補版:
校定版:
217頁
普及版:
91頁
初版:
ページ備考:
001
表門
(
おもてもん
)
の
潜
(
くぐ
)
りの
開
(
あ
)
いて
居
(
ゐ
)
たのを
幸
(
さいは
)
ひ、
002
カールチン、
003
ユーフテス、
004
マンモスの
失恋党
(
しつれんたう
)
は
十数
(
じふすう
)
人
(
にん
)
の
部下
(
ぶか
)
と
共
(
とも
)
に
玄関
(
げんくわん
)
の
戸
(
と
)
を
蹴破
(
けやぶ
)
り、
005
大刀
(
だいとう
)
をズラリと
引
(
ひ
)
き
抜
(
ぬ
)
き、
006
セーラン
王
(
わう
)
の
居間
(
ゐま
)
に
闖入
(
ちんにふ
)
し、
007
ヤスダラ
姫
(
ひめ
)
を
除
(
のぞ
)
くの
外
(
ほか
)
、
008
王
(
わう
)
を
初
(
はじ
)
め
黄金姫
(
わうごんひめ
)
、
009
清照姫
(
きよてるひめ
)
、
010
セーリス
姫
(
ひめ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
の
近侍
(
きんじ
)
共
(
ども
)
を
手当
(
てあた
)
り
次第
(
しだい
)
に
斬
(
き
)
り
捨
(
す
)
てむと、
011
王
(
わう
)
の
居間
(
ゐま
)
近
(
ちか
)
く
進
(
すす
)
み
寄
(
よ
)
り、
012
カールチンは
大音声
(
だいおんじやう
)
にて、
013
カールチン
『
吾
(
われ
)
こそは、
014
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
、
015
カールチンで
厶
(
ござ
)
る。
016
日頃
(
ひごろ
)
の
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
せむ
為
(
ため
)
、
017
夜陰
(
やいん
)
に
乗
(
じやう
)
じ、
018
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
、
019
御
(
おん
)
首
(
くび
)
頂戴
(
ちやうだい
)
せむ
為
(
ため
)
立向
(
たちむか
)
ふたり。
020
最早
(
もはや
)
叶
(
かな
)
はぬ
所
(
ところ
)
、
021
尋常
(
じんじやう
)
に
割腹
(
かつぷく
)
あるか、
022
但
(
ただし
)
はカールチンが
手
(
て
)
を
下
(
くだ
)
さうか、
023
返答
(
へんたふ
)
承
(
うけたま
)
はらむ……
黄金姫
(
わうごんひめ
)
、
024
清照姫
(
きよてるひめ
)
の
魔神
(
まがみ
)
を
使
(
つか
)
うてイルナ
城
(
じやう
)
を
攪乱
(
かくらん
)
し、
025
人
(
ひと
)
を
迷
(
まよ
)
はす
悪神
(
あくがみ
)
の
張本
(
ちやうほん
)
、
026
最早
(
もはや
)
叶
(
かな
)
はぬ
百年目
(
ひやくねんめ
)
、
027
覚悟
(
かくご
)
せよ』
028
と
呶鳴
(
どな
)
りつけた。
029
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
驚
(
おどろ
)
いて
黄金姫
(
わうごんひめ
)
、
030
清照姫
(
きよてるひめ
)
、
031
セーリス
姫
(
ひめ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
の
近侍
(
きんじ
)
は、
032
槍
(
やり
)
、
033
薙刀
(
なぎなた
)
を
各自
(
かくじ
)
に
引提
(
ひつさ
)
げ、
034
『
何
(
なに
)
猪口才
(
ちよこざい
)
な
反逆人
(
はんぎやくにん
)
共
(
ども
)
、
035
この
神譴
(
しんけん
)
を
食
(
くら
)
へ』
036
と
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
突
(
つ
)
いてかかる。
037
カールチン、
038
ユーフテスは「
何
(
なに
)
猪口才
(
ちよこざい
)
な」と
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
勢
(
いきほひ
)
凄
(
すさま
)
じく、
039
松明
(
たいまつ
)
を
打
(
う
)
ち
振
(
ふ
)
り
打
(
う
)
ち
振
(
ふ
)
り
斬
(
き
)
つてかかる。
040
一上
(
いちじやう
)
一下
(
いちげ
)
、
041
上段
(
じやうだん
)
下段
(
げだん
)
と
火花
(
ひばな
)
を
散
(
ち
)
らす
其
(
その
)
凄
(
すさま
)
じさ。
042
漸
(
やうや
)
くにして
王
(
わう
)
を
始
(
はじ
)
め
黄金姫
(
わうごんひめ
)
、
043
清照姫
(
きよてるひめ
)
、
044
ヤスダラ
姫
(
ひめ
)
、
045
セーリス
姫
(
ひめ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
は
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
打
(
う
)
たれて
仕舞
(
しま
)
つた。
046
カールチン
一派
(
いつぱ
)
の
持
(
も
)
てる
刃
(
やいば
)
は、
047
或
(
あるひ
)
は
折
(
を
)
れ
或
(
あるひ
)
は
鋸
(
のこぎり
)
の
歯
(
は
)
の
如
(
ごと
)
くになつて
居
(
ゐ
)
た。
048
カールチンは
死骸
(
しがい
)
を
部下
(
ぶか
)
に
命
(
めい
)
じ
一々
(
いちいち
)
門外
(
もんぐわい
)
に
持
(
も
)
ち
運
(
はこ
)
ばしめ、
049
イルナ
河
(
がは
)
の
激流
(
げきりう
)
目蒐
(
めが
)
けてザンブとばかり
水葬
(
すゐさう
)
をなし、
050
先
(
ま
)
づ
凱旋
(
がいせん
)
の
酒宴
(
しゆえん
)
を
張
(
は
)
らむと
再
(
ふたた
)
び
奥殿
(
おくでん
)
に
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り、
051
酒
(
さけ
)
汲
(
く
)
み
交
(
か
)
はし、
052
自慢話
(
じまんばなし
)
、
053
成功話
(
せいこうばなし
)
に
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
し、
054
ゲラゲラと
笑
(
わら
)
ふ
其
(
その
)
高声
(
たかごゑ
)
は
門外
(
もんぐわい
)
にまで
響
(
ひび
)
き
渡
(
わた
)
つて
来
(
き
)
た。
055
正座
(
しやうざ
)
にはカールチン、
056
王者然
(
わうじやぜん
)
として
脇息
(
きようそく
)
に
凭
(
もた
)
れ、
057
酒倉
(
さかぐら
)
より
秘蔵
(
ひざう
)
の
美酒
(
びしゆ
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
さしめ、
058
十五六
(
じふごろく
)
人
(
にん
)
の
一隊
(
いつたい
)
は、
059
胡坐
(
あぐら
)
をかいて
無礼講
(
ぶれいかう
)
の
雑談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
る。
060
ユーフテス
『
右守
(
うもり
)
さま、
061
いやいや
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
、
062
随分
(
ずゐぶん
)
神変
(
しんぺん
)
不思議
(
ふしぎ
)
の
御
(
ご
)
活動
(
くわつどう
)
を
遊
(
あそ
)
ばしましたなア。
063
先
(
ま
)
づこれで
一安心
(
ひとあんしん
)
でございます。
064
どうぞ
今日
(
けふ
)
はお
目出度
(
めでた
)
い
日
(
ひ
)
だから、
065
十分
(
じふぶん
)
お
過
(
すご
)
し
下
(
くだ
)
さいませ。
066
このユーフテスも、
067
何
(
なん
)
だか
気分
(
きぶん
)
がいそいそ
致
(
いた
)
します』
068
カールチン
『
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
智謀
(
ちぼう
)
絶倫
(
ぜつりん
)
の
某
(
それがし
)
、
069
作戦
(
さくせん
)
計劃
(
けいくわく
)
に
些
(
すこ
)
しの
違算
(
ゐさん
)
もないのだから、
070
今日
(
けふ
)
の
成功
(
せいこう
)
は
前
(
まへ
)
以
(
もつ
)
て
分
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
たのだ。
071
ハヽヽヽヽ、
072
此
(
この
)
カールチンに
向
(
むか
)
つて、
073
夜叉
(
やしや
)
の
如
(
ごと
)
く
突
(
つつ
)
かけ
来
(
きた
)
るヤスダラ
姫
(
ひめ
)
、
074
こいつばかりは
助
(
たす
)
けたいと
何程
(
なにほど
)
焦
(
あせ
)
つたか
知
(
し
)
れなかつたが、
075
扱
(
あしら
)
うて
居
(
を
)
れば
遂
(
つひ
)
には
己
(
おのれ
)
の
命
(
いのち
)
が
危
(
あぶ
)
なくなつたものだから、
076
手練
(
しゆれん
)
の
槍先
(
やりさき
)
、
077
ヤツとかけた
一声
(
いつせい
)
に、
078
ヤスダラ
姫
(
ひめ
)
の
首
(
くび
)
は
宙
(
ちう
)
に
舞
(
ま
)
ひ
上
(
あが
)
つた
時
(
とき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさ
惜
(
を
)
しさ、
079
こればかりは
千載
(
せんざい
)
の
恨事
(
こんじ
)
だよ、
080
エーン』
081
ユーフテス
『どうせこんな
大望
(
たいもう
)
を
遂行
(
すゐかう
)
せむとすれば、
082
多少
(
たせう
)
の
犠牲
(
ぎせい
)
は
払
(
はら
)
はなくてはなりますまい。
083
併
(
しか
)
しながら
此
(
この
)
ユーフテスだつて、
084
セーリス
姫
(
ひめ
)
を
バラ
した
時
(
とき
)
の
残念
(
ざんねん
)
さ、
085
愉快
(
ゆくわい
)
さ、
086
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つてよいか、
087
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
愛恋
(
あいれん
)
の
涙
(
なみだ
)
が
零
(
こぼ
)
れますわい、
088
アーン』
089
マンモスは
早
(
はや
)
くも
舌
(
した
)
を
縺
(
もつ
)
らせながら、
090
マンモス
『エヘヽヽヽ、
091
誠
(
まこと
)
に
掌中
(
しやうちう
)
の
玉
(
たま
)
を
無残
(
むざん
)
に
砕
(
くだ
)
いた
御
(
ご
)
両人
(
りやうにん
)
様
(
さま
)
、
092
お
察
(
さつ
)
し
申
(
まを
)
します。
093
サモア
姫
(
ひめ
)
はお
蔭様
(
かげさま
)
で
此処
(
ここ
)
へ
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
なんだものだから、
094
命
(
いのち
)
が
助
(
たす
)
かつて
居
(
を
)
ります。
095
それを
思
(
おも
)
へば、
096
このマンモス
位
(
くらゐ
)
幸福
(
かうふく
)
な
者
(
もの
)
はありませぬなア』
097
ユーフテス
『ウフヽヽヽ、
098
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふのだ。
099
肱鉄
(
ひぢてつ
)
を
喰
(
く
)
はされたサモア
姫
(
ひめ
)
に、
100
まだヤツパリ
執着心
(
しふちやくしん
)
をもつて
居
(
ゐ
)
るのか、
101
困
(
こま
)
つた
代物
(
しろもの
)
だなア。
102
貴様
(
きさま
)
のやうに
不幸
(
ふかう
)
なものはない。
103
カールチン
様
(
さま
)
もいや
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
も、
104
このユー
様
(
さま
)
も
恋
(
こひ
)
の
敵
(
かたき
)
、
105
肱鉄
(
ひぢてつ
)
をかました
女
(
をんな
)
をバラしたのだから、
106
もはや
執着心
(
しふちやくしん
)
はとつて
仕舞
(
しま
)
つたのだから、
107
こんな
幸福
(
かうふく
)
はない。
108
貴様
(
きさま
)
はまだサモアが
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
残
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのだから、
109
嘸
(
さぞ
)
気
(
き
)
の
揉
(
も
)
める
事
(
こと
)
だらう。
110
エヘヽヽヽ、
111
云
(
い
)
うと
済
(
す
)
まぬが、
112
サモア
姫
(
ひめ
)
は、
113
キツト
俺
(
おれ
)
に
ホ
の
字
(
じ
)
と
レ
の
字
(
じ
)
だ。
114
そんな
事
(
こと
)
はチヤンと
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
面会
(
めんくわい
)
した
時
(
とき
)
に
黙契
(
もくけい
)
してあるのだ。
115
このユーさまに
向
(
むか
)
つて
放
(
はな
)
つた
視線
(
しせん
)
は、
116
誠
(
まこと
)
に
至誠
(
しせい
)
が
籠
(
こも
)
つて
居
(
ゐ
)
たよ。
117
俺
(
おれ
)
の
目
(
め
)
が
眩
(
まぶ
)
しい
程
(
ほど
)
電波
(
でんぱ
)
を
送
(
おく
)
つたのだ。
118
もうかうなつちや、
119
マンモス、
120
貴様
(
きさま
)
も
好
(
よ
)
い
加減
(
かげん
)
に
見切
(
みき
)
つたら……いや
断念
(
だんねん
)
したらよからうぞ』
121
かかる
所
(
ところ
)
へ、
122
サマリー
姫
(
ひめ
)
、
123
サモア
姫
(
ひめ
)
、
124
ハルマンの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
慌
(
あわただ
)
しく
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
125
此
(
この
)
体
(
てい
)
を
見
(
み
)
て、
126
サマリー『お
父
(
とう
)
様
(
さま
)
、
127
セーラン
王
(
わう
)
様
(
さま
)
は
定
(
さだ
)
めて
御
(
ご
)
健全
(
けんぜん
)
にゐらせられませうなア』
128
カールチン
『ウン、
129
まアまア
何処
(
どこ
)
かの
国
(
くに
)
で
御
(
ご
)
健全
(
けんぜん
)
であらうよ』
130
サマリー姫
『よもや、
131
貴方
(
あなた
)
は
不軌
(
ふき
)
を
謀
(
はか
)
つたのぢやありますまいな。
132
万々一
(
まんまんいち
)
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
をなされたとすれば、
133
妾
(
わらは
)
はセーラン
王
(
わう
)
の
妃
(
きさき
)
、
134
王
(
わう
)
の
仇
(
あだ
)
を
討
(
う
)
たねばなりませぬ。
135
時
(
とき
)
あつて
親子
(
おやこ
)
主従
(
しゆじゆう
)
斬
(
き
)
り
合
(
あ
)
ひ
争
(
あらそ
)
ふは
武士
(
もののふ
)
の
道
(
みち
)
、
136
其
(
その
)
覚悟
(
かくご
)
は
十分
(
じふぶん
)
厶
(
ござ
)
りませうなア』
137
カールチン
『
如何
(
いか
)
に
夫
(
をつと
)
の
為
(
ため
)
だとて、
138
親
(
おや
)
に
刃向
(
はむか
)
ふ
奴
(
やつ
)
が
何処
(
どこ
)
にあるか。
139
不孝者
(
ふかうもの
)
奴
(
め
)
、
140
下
(
さが
)
り
居
(
を
)
らう』
141
と、
142
勝
(
か
)
ち
誇
(
ほこ
)
りたる
心
(
こころ
)
より
叱
(
しか
)
りつけるやうに
云
(
い
)
ひ
放
(
はな
)
つた。
143
此
(
この
)
時
(
とき
)
茫然
(
ばうぜん
)
として
煙
(
けむり
)
とも
霧
(
きり
)
とも
分
(
わか
)
らぬモヤモヤの
中
(
なか
)
から、
144
白装束
(
しろしやうぞく
)
でパツと
現
(
あら
)
はれたのは
王
(
わう
)
の
幽霊
(
いうれい
)
であつた。
145
王
(
わう
)
は
幽
(
かす
)
かな
声
(
こゑ
)
で、
146
セーラン王
『カールチンに
夜襲
(
やしふ
)
せられ、
147
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
られたワイ……
汝
(
なんぢ
)
サマリー
姫
(
ひめ
)
、
148
夫
(
をつと
)
を
大事
(
だいじ
)
と
思
(
おも
)
へば、
149
カールチンの
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
つて
呉
(
く
)
れよ』
150
サマリー姫
『ヤア、
151
さては
其
(
その
)
方
(
はう
)
カールチン、
152
王
(
わう
)
様
(
さま
)
を
殺
(
ころ
)
したのだな。
153
もう
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
了簡
(
れうけん
)
致
(
いた
)
さぬ。
154
このサマリー
姫
(
ひめ
)
が
刃
(
やいば
)
の
錆
(
さび
)
、
155
覚悟
(
かくご
)
めされ』
156
と
其所
(
そこ
)
に
落
(
お
)
ちてあつた
薙刀
(
なぎなた
)
を
取
(
と
)
るより
早
(
はや
)
く、
157
水車
(
みづぐるま
)
の
如
(
ごと
)
く
振
(
ふ
)
り
廻
(
まは
)
し
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ふ。
158
カールチンも
死物狂
(
しにものぐる
)
ひ、
159
大刀
(
だいたう
)
をスラリと
引
(
ひ
)
き
抜
(
ぬ
)
き、
160
サマリー
姫
(
ひめ
)
に
向
(
むか
)
つて
斬
(
き
)
りつくれば、
161
無残
(
むざん
)
やサマリー
姫
(
ひめ
)
は
肩先
(
かたさき
)
を
七八寸
(
しちはつすん
)
ばかり
斬
(
き
)
り
下
(
さ
)
げられ、
162
タヂタヂと
七八歩
(
しちはつぽ
)
後
(
あと
)
しざりして
打
(
う
)
ち
倒
(
たふ
)
れ、
163
無念
(
むねん
)
の
歯噛
(
はがみ
)
をなし、
164
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
息
(
いき
)
絶
(
た
)
えて
了
(
しま
)
つた。
165
カールチン
『アハヽヽヽ、
166
女童
(
をんなわらべ
)
が
大事
(
だいじ
)
の
場所
(
ばしよ
)
へ
出
(
で
)
しやばつて、
167
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
大望
(
たいまう
)
の
邪魔
(
じやま
)
をなし、
168
天罰
(
てんばつ
)
忽
(
たちま
)
ち
到
(
いた
)
つてこの
惨
(
むご
)
い
態
(
ざま
)
、
169
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
ながらも
愛想
(
あいさう
)
がつきたわい。
170
アハヽヽヽ』
171
と
豪傑
(
がうけつ
)
笑
(
わら
)
ひに
紛
(
まぎ
)
らして
居
(
を
)
れど、
172
何
(
なん
)
となく
悲
(
かな
)
しみの
籠
(
こも
)
つた
声
(
こゑ
)
であつた。
173
サモア
姫
(
ひめ
)
は
又
(
また
)
もや
薙刀
(
なぎなた
)
を
小脇
(
こわき
)
に
掻
(
か
)
い
込
(
こ
)
み、
174
サモア姫
『
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
の
敵
(
かたき
)
、
175
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
れよ』
176
と
云
(
い
)
ひも
終
(
を
)
へず、
177
カールチンに
斬
(
き
)
つてかかる、
178
カールチンはヒラリと
体
(
たい
)
をかはし、
179
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
飛
(
と
)
びまはり、
180
カールチン
『まづまづ
待
(
ま
)
つた』
181
と
声
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
制
(
せい
)
しつつ
逃
(
に
)
げ
廻
(
まは
)
る。
182
サモア
姫
(
ひめ
)
は
耳
(
みみ
)
にもかけず、
183
カールチン
目蒐
(
めが
)
けて
斬
(
き
)
りつくる。
184
遉
(
さすが
)
のカールチンも
逃
(
に
)
げ
場
(
ば
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
185
井戸
(
ゐど
)
の
中
(
なか
)
に
ざんぶ
とばかり
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
んで
了
(
しま
)
つた。
186
ユーフテス、
187
マンモスは、
188
ユーフテス、マンモス
『
狼藉者
(
らうぜきもの
)
、
189
容赦
(
ようしや
)
はならぬ』
190
と
左右
(
さいう
)
よりサモア
姫
(
ひめ
)
に
向
(
むか
)
つて
斬
(
き
)
つて
掛
(
かか
)
る。
191
サモア
姫
(
ひめ
)
のキツ
先
(
さき
)
の
冴
(
さ
)
えに
二人
(
ふたり
)
は
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
し、
192
大地
(
だいち
)
に
太刀
(
たち
)
を
投
(
な
)
げ
捨
(
す
)
て、
193
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せて
救
(
すく
)
ひを
求
(
もと
)
むる
腑甲斐
(
ふがひ
)
なさ。
194
ハルマンは
井戸
(
ゐど
)
の
底
(
そこ
)
に
落
(
お
)
ち
入
(
い
)
りたるカールチンを
漸
(
やうや
)
くにして
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げ、
195
サモア
姫
(
ひめ
)
に
向
(
むか
)
つて
言葉
(
ことば
)
激
(
はげ
)
しく、
196
ハルマン
『
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
てエー』
197
と
一喝
(
いつかつ
)
した。
198
此
(
この
)
時
(
とき
)
カールチンに
斬
(
き
)
り
殺
(
ころ
)
されたサマリー
姫
(
ひめ
)
は、
199
いつの
間
(
ま
)
にか
元
(
もと
)
の
姿
(
すがた
)
となり、
200
又
(
また
)
もや
薙刀
(
なぎなた
)
を
水車
(
みづぐるま
)
の
如
(
ごと
)
く
振
(
ふ
)
り
廻
(
まは
)
し、
201
カールチン
目蒐
(
めが
)
けて
斬
(
き
)
り
付
(
つ
)
ける。
202
カールチンも、
203
カールチン
『もう
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
破
(
やぶ
)
れかぶれだ』
204
と
云
(
い
)
ひながら、
205
再
(
ふたた
)
び
薙刀
(
なぎなた
)
を
振
(
ふ
)
り
翳
(
かざ
)
し、
206
カチンカチンと
刀
(
かたな
)
を
合
(
あは
)
せ、
207
火花
(
ひばな
)
を
散
(
ち
)
らして
戦
(
たたか
)
ふ。
208
十二三
(
じふにさん
)
人
(
にん
)
の
従者
(
じゆうしや
)
は
瞬
(
またた
)
く
間
(
ひま
)
にサマリー
姫
(
ひめ
)
、
209
サモア
姫
(
ひめ
)
の
薙刀
(
なぎなた
)
に
斬
(
き
)
り
倒
(
たふ
)
されて
仕舞
(
しま
)
つた。
210
かかる
所
(
ところ
)
へ
何所
(
いづこ
)
ともなく
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
211
(北光神)
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
212
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
213
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
214
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
215
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
216
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
せ
217
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
す
218
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
教
(
をしへ
)
219
バラモン
教
(
けう
)
の
神館
(
かむやかた
)
220
イルナの
城
(
しろ
)
の
刹帝利
(
せつていり
)
221
夜陰
(
やいん
)
に
乗
(
じやう
)
じて
襲撃
(
しふげき
)
し
222
打
(
う
)
ち
亡
(
ほろ
)
ぼして
其
(
その
)
後
(
のち
)
を
223
掠奪
(
りやくだつ
)
せむと
企
(
たく
)
みたる
224
心
(
こころ
)
汚
(
きたな
)
きカールチン
225
其
(
その
)
運命
(
うんめい
)
も
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
226
イルナの
城
(
しろ
)
の
庭先
(
にはさき
)
で
227
血
(
ち
)
で
血
(
ち
)
を
洗
(
あら
)
ふ
親
(
おや
)
と
子
(
こ
)
の
228
無残
(
むざん
)
至極
(
しごく
)
の
活劇
(
くわつげき
)
は
229
何
(
いづ
)
れも
心
(
こころ
)
の
迷
(
まよ
)
ひより
230
突発
(
とつぱつ
)
したるものぞかし
231
欲
(
よく
)
に
心
(
こころ
)
の
眩
(
くら
)
みたる
232
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
よ、よつく
聞
(
き
)
け
233
天地
(
てんち
)
は
神
(
かみ
)
の
造
(
つく
)
らしし
234
貴
(
うづ
)
の
聖所
(
すがど
)
と
聞
(
き
)
くからは
235
仮令
(
たとへ
)
深山
(
みやま
)
の
奥
(
おく
)
までも
236
神
(
かみ
)
の
在
(
いま
)
さぬ
処
(
ところ
)
なし
237
恋
(
こひ
)
と
欲
(
よく
)
とに
踏
(
ふ
)
み
迷
(
まよ
)
ひ
238
直日
(
なほひ
)
の
魂
(
みたま
)
を
曇
(
くも
)
らして
239
自
(
みづか
)
ら
地獄
(
ぢごく
)
に
落
(
お
)
ちて
往
(
ゆ
)
く
240
其
(
その
)
惨状
(
さんじやう
)
を
救
(
すく
)
はむと
241
高照山
(
たかてるやま
)
を
後
(
あと
)
にして
242
漸
(
やうや
)
く
此処
(
ここ
)
に
北光
(
きたてる
)
の
243
吾
(
われ
)
は
目一
(
まひと
)
つ
神司
(
かむづかさ
)
244
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
のカールチン
245
恋
(
こひ
)
に
迷
(
まよ
)
へるユーフテス
246
マンモス
諸共
(
もろとも
)
よつく
聞
(
き
)
け
247
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
248
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
249
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
250
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つは
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
251
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
麻柱
(
あななひ
)
の
252
道
(
みち
)
に
外
(
はづ
)
れて
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
253
どうして
人
(
ひと
)
は
立
(
た
)
つものか
254
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
片時
(
かたとき
)
も
255
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
めよ
三人
(
みたり
)
共
(
とも
)
256
至仁
(
しじん
)
至愛
(
しあい
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
257
汝
(
なんぢ
)
三人
(
みたり
)
の
悪心
(
あくしん
)
を
258
洗
(
あら
)
ひ
清
(
きよ
)
めて
天国
(
てんごく
)
へ
259
救
(
すく
)
はむ
為
(
ため
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
に
260
心
(
こころ
)
を
配
(
くば
)
らせたまひつつ
261
汝
(
な
)
が
身辺
(
しんぺん
)
を
守
(
まも
)
ります
262
其
(
その
)
御心
(
みこころ
)
を
知
(
し
)
らずして
263
私欲
(
しよく
)
や
恋
(
こひ
)
に
踏
(
ふ
)
み
迷
(
まよ
)
ひ
264
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
の
門口
(
かどぐち
)
を
265
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
開
(
ひら
)
かむと
266
焦
(
あ
)
せるは
愚
(
おろか
)
の
至
(
いた
)
りなり
267
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
268
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましまして
269
此
(
この
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
曲霊
(
まがたま
)
を
270
洗
(
あら
)
ひ
清
(
きよ
)
めて
天地
(
あめつち
)
の
271
神
(
かみ
)
より
受
(
う
)
けし
大本
(
おほもと
)
の
272
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
となさしめよ
273
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
274
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ』
275
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
にカールチン、
276
ユーフテス、
277
マンモスはフト
気
(
き
)
がつき
見
(
み
)
れば、
278
サマリー
姫
(
ひめ
)
もサモア
姫
(
ひめ
)
も
影
(
かげ
)
も
形
(
かたち
)
もなく、
279
又
(
また
)
ハルマンの
姿
(
すがた
)
もない。
280
月
(
つき
)
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
る
城内
(
じやうない
)
の
庭先
(
にはさき
)
の
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
に、
281
何
(
いづ
)
れもドツカと
坐
(
ざ
)
して
居
(
ゐ
)
た
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
つた。
282
かく
幻覚
(
げんかく
)
を
見
(
み
)
せられたのは、
283
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
の
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
であつて、
284
旭
(
あさひ
)
、
285
月日
(
つきひ
)
、
286
高倉
(
たかくら
)
明神
(
みやうじん
)
の
活動
(
くわつどう
)
の
結果
(
けつくわ
)
であつた。
287
併
(
しか
)
し
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
んだことだけは、
288
矢張
(
やはり
)
事実
(
じじつ
)
であつて、
289
何
(
いづ
)
れも
目
(
め
)
はチラつき、
290
足腰
(
あしこし
)
も
立
(
た
)
たないばかりに
泥酔
(
でいすゐ
)
して
居
(
ゐ
)
た。
291
さうかうする
中
(
うち
)
、
292
東天
(
とうてん
)
紅
(
くれなゐ
)
を
呈
(
てい
)
し、
293
夜
(
よ
)
はガラリと
明
(
あ
)
け
放
(
はな
)
れ、
294
煌々
(
くわうくわう
)
たる
冬
(
ふゆ
)
の
太陽
(
たいやう
)
は
斜
(
ななめ
)
に
下界
(
げかい
)
を
照
(
て
)
らしたまうた。
295
門番
(
もんばん
)
のミル、
296
ボルチーは
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
まし、
297
庭先
(
にはさき
)
の
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
に
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
以下
(
いか
)
の
泥酔
(
でいすゐ
)
して
居
(
ゐ
)
るに
打
(
う
)
ち
驚
(
おどろ
)
き、
298
奥殿
(
おくでん
)
さして
駆入
(
かけい
)
つた。
299
(
大正一一・一一・二四
旧一〇・六
加藤明子
録)
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