から国も天竺の空も旭子の光に晴るる五六七の神世なり〈総説に代へて(初版)〉
村肝の心を砕き魂研き人類愛に世人を導かむ〈総説に代へて(初版)〉
久方の雲井を別けてさし昇る三五の月の影のさやけさ〈総説に代へて(三版)〉
時ならぬ此の暖かき天地も燃ゆるばかりの神のわづらひ〈二章(初版)〉
冬の夜の寒さを知らぬ甲子は欲に燃えたる世の為ぞかし〈二章(初版)〉
地の底に発動したる雷神の声を聞くべき時は近みぬ〈四章(初版)〉
ポツポツと木の葉のつぶやく声きけばまばらの雨の降りそそぎをり〈五章(初版)〉
以都美なす恵みの露を浴びながら世を清めむと右往左往する〈八章(初版)〉
もろこしの国より帰り北村の功は隆く光り初めけり〈八章(初版)〉
から国ゆ帰らむ人を松村のいさをは高し真澄大空〈八章(初版)〉
大深の以都美に清めし夢を見し金銀鉄面三人の醜男〈九章(初版)〉
上中下三枝のナイスに憧憬れて恋のとりことなりし醜人〈九章(初版)〉
以都美てもでかい眼玉でギロギロとはやぶさの如鳥の巣ねらふ〈九章(初版)〉
世は末と降りて都の真中に虎狼は吠え猛るなり〈十章(初版)〉
国民の心の曇晴れざれば神の守護のいかであるべき〈十二(三版)〉
朝にげに神の正道ふみしめて永遠の命を保て国人〈十二章(三版)〉
国々の経済界を掻き乱し猶太の邪神はほくそ笑みつつ〈十四章(三版)〉
国といふ国はことごとマツソンの経済戦に艱まされをり〈十四章(三版)〉
九分九厘のドタン場となり千早振る神の光に邪神は亡びむ〈十四章(三版)〉
高見から瞰下す綾の天声社世の大元男直日に見るかな〈十五章(初版)〉
夜もすがら世の行く状を偲ぶれば腮辺に涙雨と降りしく〈十六章(初版)〉
御空行く飛行機のかげ眺めつつ迫る日本の艱みを思ふ〈十六章(三版)〉
国民は今更のごと皇道を究めむとして狼狽へ騒げり〈十七章(三版)〉
国のため世人のために朝な夕な心を砕くわれぞ甲斐なき〈十九章(初版)〉
青年の心の綱は弛みつつ捕ふるものの無きぞうたてき〈十九章(初版)〉
世のなやみ払ひ清めむと思ふゆゑに百のなやみも恐れざりけり〈十九章(三版)〉
神さびし並木の松に千代祝ふみさわの鶴の巣ぐふ御代かな〈二十一章(初版)〉
小波の志賀の海より深かれと祈る言霊琵琶の手すさび〈二十一章(初版)〉
唐大和隔つ芝垣打ちやぶり共に楽しむデイアヂヤルデーノ(神の国)〈二十二章(初版)〉
喜ぶといふ字は三七二十一モ一ツ詠めば二十二(二重に)喜ぶ〈二十二章(初版)〉
吹き払ふ稲葉の山の紅葉も照り映ふころは静かなるらむ〈二十三章(初版)〉
人の目の関さへなくば優美なる君のみかげにかくれたくぞ思ふ〈二十三章(初版)〉
政変の噂きくたび思ふかな有徳の人士の尠き日本を〈巻末(三版)〉
吾は今神国の為に尽さむと若人等に皇道を説けり〈巻末(三版)〉
はなばなしく表に吾は出でざれど水も漏らさぬ経綸に生きをり〈巻末(三版)〉
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]