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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第52巻(卯の巻)
序文
総説代用
第1篇 鶴首専念
第1章 真と偽
第2章 哀別の歌
第3章 楽屋内
第4章 俄狂言
第5章 森の怪
第6章 梟の笑
第2篇 文明盲者
第7章 玉返志
第8章 巡拝
第9章 黄泉帰
第10章 霊界土産
第11章 千代の菊
第3篇 衡平無死
第12章 盲縞
第13章 黒長姫
第14章 天賊
第15章 千引岩
第16章 水車
第17章 飴屋
第4篇 怪妖蟠離
第18章 臭風
第19章 屁口垂
第20章 険学
第21章 狸妻
第22章 空走
第5篇 洗判無料
第23章 盲動
第24章 応対盗
第25章 恋愛観
第26章 姑根性
第27章 胎蔵
余白歌
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真善美愛(第49~60巻)
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第52巻(卯の巻)
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(B)
(N)
恋愛観 >>>
第二四章
応対盗
(
おうたいぬすみ
)
〔一三六〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第52巻 真善美愛 卯の巻
篇:
第5篇 洗判無料
よみ(新仮名遣い):
せんばんむりょう
章:
第24章 応対盗
よみ(新仮名遣い):
おうたいぬすみ
通し章番号:
1360
口述日:
1923(大正12)年02月10日(旧12月25日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年1月28日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
集まってきた十五六人の精霊たちを前に、高姫は道端の石に腰かけて脱線だらけの宣伝を始めかけた。
群衆の中から文助の娘・お年が高姫の前に進み出て、生前父が世話になったとお礼を述べた。高姫は文助にそんなに大きな娘があるはずがないといぶかるが、お年はここは冥途の八衢で、自分は冥途で成長したのだ、と説明する。高姫はあたりの様子が現界と違うことに気づき、思案する。
八衢の門には、生前に地位と権力を利用して悪事を働いた悪人がやってきた。自分たちは金や武器で地獄でも幅をきかせるのだと言い張るが、三人とも八衢の守衛に武器も金も取り上げられて、門内へ投げ込まれてしまった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-12-21 19:10:40
OBC :
rm5224
愛善世界社版:
282頁
八幡書店版:
第9輯 481頁
修補版:
校定版:
290頁
普及版:
126頁
初版:
ページ備考:
001
十五六
(
じふごろく
)
人
(
にん
)
の
精霊
(
せいれい
)
は
忽
(
たちま
)
ち
高姫
(
たかひめ
)
の
周囲
(
まはり
)
に
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
つて、
002
ワイワイと
喚
(
わめ
)
いてゐる。
003
高姫
(
たかひめ
)
は
漸
(
やうや
)
くにして
立上
(
たちあが
)
り、
004
道端
(
みちばた
)
の
方形
(
はうけい
)
の
石
(
いし
)
に
腰
(
こし
)
打
(
う
)
ち
掛
(
か
)
け、
005
十数
(
じふすう
)
人
(
にん
)
の
人
(
ひと
)
を
前
(
まへ
)
におきながら、
006
脱線
(
だつせん
)
だらけの
宣伝
(
せんでん
)
を
始
(
はじ
)
めかけた。
007
高姫
『コレコレ
皆
(
みな
)
さま、
008
高姫
(
たかひめ
)
が
大道
(
だいだう
)
演説
(
えんぜつ
)
を
致
(
いた
)
しますから、
009
よつくお
聞
(
き
)
きなされ。
010
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
の
悪神
(
あくがみ
)
の
為
(
ため
)
に、
011
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
はピツタリとしまつて、
012
悪魔
(
あくま
)
は
天下
(
てんか
)
に
横行
(
わうかう
)
し、
013
魑魅
(
ちみ
)
魍魎
(
まうりやう
)
充満
(
じうまん
)
する
暗黒
(
あんこく
)
世界
(
せかい
)
ではありませぬか。
014
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
此
(
この
)
儘
(
まま
)
にしておいたならば、
015
結構
(
けつこう
)
な
此
(
この
)
お
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
は、
016
忽
(
たちま
)
ち
餓鬼道
(
がきだう
)
、
017
畜生道
(
ちくしやうだう
)
、
018
修羅道
(
しゆらだう
)
、
019
地獄道
(
ぢごくだう
)
に
陥
(
おちい
)
りますぞや。
020
お
前
(
まへ
)
さま
等
(
ら
)
は、
021
営々
(
えいえい
)
兀々
(
こつこつ
)
として、
022
私利
(
しり
)
私欲
(
しよく
)
のために
日夜
(
にちや
)
奔走
(
ほんそう
)
し、
023
欲
(
よく
)
にからまれ、
024
疲
(
つか
)
れ
切
(
き
)
つて
顔色
(
がんしよく
)
憔悴
(
せうすゐ
)
し、
025
殆
(
ほとん
)
ど
餓鬼
(
がき
)
のやうで
厶
(
ござ
)
いますぞ。
026
此
(
この
)
世
(
よ
)
からなる
地獄道
(
ぢごくだう
)
の
苦
(
くる
)
しみを
致
(
いた
)
しながら、
027
こんな
結構
(
けつこう
)
な
世
(
よ
)
はないと
申
(
まを
)
して
喜
(
よろこ
)
んで
厶
(
ござ
)
る
其
(
その
)
憐
(
あは
)
れさ。
028
至仁
(
しじん
)
至愛
(
しあい
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
は
此
(
この
)
惨状
(
さんじやう
)
をみるに
忍
(
しの
)
びず、
029
時節
(
じせつ
)
参
(
まゐ
)
りて、
030
永
(
なが
)
らく
艮
(
うしとら
)
の
隅
(
すみ
)
に
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
められて
厶
(
ござ
)
つた
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
大国常立
(
おほくにとこたちの
)
尊
(
みこと
)
様
(
さま
)
が
稚姫君
(
わかひめぎみの
)
命
(
みこと
)
の
霊
(
みたま
)
の
憑
(
うつ
)
りた
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
肉宮
(
にくみや
)
をかつて、
031
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
立替
(
たてかへ
)
立直
(
たてなほ
)
しを
遊
(
あそ
)
ばすやうになりましたぞや。
032
それに
就
(
つ
)
いては、
033
世
(
よ
)
に
落
(
お
)
ちて
厶
(
ござ
)
つた
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
世
(
よ
)
にあげて、
034
それぞれお
名
(
な
)
をつけ、
035
祭
(
まつ
)
つて
上
(
あ
)
げねば
神国
(
しんこく
)
にはなりませぬ。
036
今度
(
こんど
)
のお
役
(
やく
)
にお
立
(
た
)
ち
遊
(
あそ
)
ばすのは、
037
永
(
なが
)
らく
竜宮
(
りうぐう
)
の
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
にお
住
(
すま
)
ひなされた
乙姫
(
おとひめ
)
殿
(
どの
)
が
第一番
(
だいいちばん
)
に
改心
(
かいしん
)
を
遊
(
あそ
)
ばして、
038
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
の
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
引添
(
ひきそ
)
うて、
039
外国
(
ぐわいこく
)
での
御用
(
ごよう
)
を
遊
(
あそ
)
ばすなり、
040
金勝要
(
きんかつかねの
)
神
(
かみ
)
は
大地
(
だいち
)
の
金神
(
こんじん
)
様
(
さま
)
で、
041
余
(
あま
)
り
我
(
が
)
が
強
(
つよ
)
うて、
042
汚
(
きたな
)
い
所
(
ところ
)
へ
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
まれ、
043
雪隠
(
かはや
)
の
神
(
かみ
)
とまで
成
(
な
)
り
下
(
さが
)
り、
044
今度
(
こんど
)
世
(
よ
)
に
上
(
あ
)
げて
貰
(
もら
)
うても、
045
ヤツパリ
我
(
が
)
が
強
(
つよ
)
いので、
046
御
(
ご
)
大望
(
たいまう
)
の
邪魔
(
じやま
)
になるばかりで、
047
どうにもかうにも
仕方
(
しかた
)
がないので、
048
系統
(
ひつぽう
)
の
霊
(
みたま
)
を
世
(
よ
)
に
落
(
おと
)
して
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
の
生宮
(
いきみや
)
となし、
049
大将軍
(
だいしやうぐん
)
様
(
さま
)
の
憑
(
うつ
)
つた
肉体
(
にくたい
)
を
夫
(
をつと
)
と
遊
(
あそ
)
ばして、
050
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
御用
(
ごよう
)
にお
使
(
つか
)
ひなされたなれど、
051
此
(
この
)
大将軍
(
だいしやうぐん
)
様
(
さま
)
の
肉宮
(
にくみや
)
はチツとも
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はぬによつて、
052
三五教
(
あななひけう
)
の
三羽烏
(
さんばがらす
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を、
053
此
(
この
)
肉宮
(
にくみや
)
の
夫
(
をつと
)
と
致
(
いた
)
し、
054
立替
(
たてかへ
)
立直
(
たてなほ
)
しの
御用
(
ごよう
)
を
遊
(
あそ
)
ばす
仕組
(
しぐみ
)
で
厶
(
ござ
)
るぞや。
055
それに
就
(
つ
)
いては
大広木
(
おほひろき
)
正宗
(
まさむね
)
殿
(
どの
)
の
霊
(
みたま
)
も
御用
(
ごよう
)
に
使
(
つか
)
うて、
056
結構
(
けつこう
)
な
五六七
(
みろく
)
の
世
(
よ
)
をお
立
(
た
)
て
遊
(
あそ
)
ばすのだから、
057
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
は
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
救主
(
すくひぬし
)
、
058
皆
(
みな
)
さま
耳
(
みみ
)
をさらへて、
059
よつく
聞
(
き
)
きなされ。
060
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
も
金毛
(
きんまう
)
九尾
(
きうび
)
の
悪神
(
あくがみ
)
も、
061
グツと
肚
(
はら
)
へ
締
(
し
)
め
込
(
こ
)
んで
改心
(
かいしん
)
をさせるのが、
062
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
だ。
063
世界
(
せかい
)
の
人民
(
じんみん
)
は
皆
(
みな
)
盲
(
めくら
)
だから、
064
此
(
この
)
結構
(
けつこう
)
な
肉宮
(
にくみや
)
の
申
(
まを
)
すことが
耳
(
みみ
)
には
入
(
はい
)
らうまいがな。
065
改心
(
かいしん
)
するなら、
066
今
(
いま
)
の
中
(
うち
)
ぢやぞえ。
067
後
(
あと
)
の
改心
(
かいしん
)
は
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はぬぞや。
068
此
(
この
)
中
(
なか
)
で
誠
(
まこと
)
の
分
(
わか
)
りた
人民
(
じんみん
)
があるなれば、
069
手
(
て
)
を
挙
(
あ
)
げてごらんなさい。
070
喜
(
よろこ
)
んで
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
眷属
(
けんぞく
)
と
致
(
いた
)
して
結構
(
けつこう
)
な
御用
(
ごよう
)
に
使
(
つか
)
ふぞや』
071
群集
(
ぐんしふ
)
の
中
(
なか
)
よりヌツと
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
したのは、
072
お
年
(
とし
)
であつた。
073
お
年
(
とし
)
は
高姫
(
たかひめ
)
の
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
み
寄
(
よ
)
り、
074
其
(
その
)
手
(
て
)
をグツと
握
(
にぎ
)
り、
075
お年
『モシ
高姫
(
たかひめ
)
様
(
さま
)
、
076
父
(
ちち
)
が
生前
(
せいぜん
)
に
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
になりまして
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
ります』
077
高姫
『お
前
(
まへ
)
は
誰
(
たれ
)
だか
知
(
し
)
らぬが、
078
これだけ
沢山
(
たくさん
)
居
(
ゐ
)
る
中
(
うち
)
に、
079
此
(
この
)
生宮
(
いきみや
)
の
言
(
い
)
ふことが
分
(
わか
)
らぬ
盲
(
めくら
)
ばかりだとみえて、
080
手
(
て
)
を
挙
(
あ
)
げと
言
(
い
)
うても、
081
一人
(
ひとり
)
も
手
(
て
)
を
挙
(
あ
)
げる
餓鬼
(
がき
)
やありませぬワイ。
082
それに
又
(
また
)
お
前
(
まへ
)
は
奇篤
(
きとく
)
なことだ。
083
一体
(
いつたい
)
誰
(
たれ
)
の
娘
(
こ
)
だい』
084
お年
『ハイ、
085
文助
(
ぶんすけ
)
の
娘
(
むすめ
)
で
厶
(
ござ
)
います』
086
高姫
『ナニ、
087
文助
(
ぶんすけ
)
の
娘
(
むすめ
)
に……そんな
大
(
おほ
)
きな
女
(
をんな
)
があるものか、
088
此奴
(
こいつ
)
ア
不思議
(
ふしぎ
)
だなア……ハハア、
089
分
(
わか
)
つた、
090
あの
爺
(
ぢい
)
、
091
素知
(
そし
)
らぬ
顔
(
かほ
)
をして
居
(
を
)
つて、
092
秘密
(
ないしよ
)
で
女
(
をんな
)
を
拵
(
こしら
)
へ、
093
こんな
子
(
こ
)
を
生
(
う
)
んどきよつたのだな。
094
何
(
なん
)
とマア
油断
(
ゆだん
)
のならぬ
男
(
をとこ
)
だわい、
095
オホホホホ』
096
お年
『イエイエ、
097
私
(
わたし
)
は
三
(
みつ
)
つの
年
(
とし
)
に
現界
(
げんかい
)
を
離
(
はな
)
れて、
098
此処
(
ここ
)
へ
来
(
き
)
た
者
(
もの
)
で
厶
(
ござ
)
います。
099
お
蔭
(
かげ
)
で
此
(
この
)
様
(
やう
)
に
立派
(
りつぱ
)
に
成人
(
せいじん
)
致
(
いた
)
しました』
100
高姫
『ハハア、
101
妙
(
めう
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふ
女
(
をんな
)
だな。
102
お
前
(
まへ
)
キ
印
(
じるし
)
ぢやないかい。
103
どこともなしに
文助
(
ぶんすけ
)
によく
似
(
に
)
てゐるやうだが、
104
おとし
子
(
ご
)
なれば、
105
こんな
子
(
こ
)
があるだらうが、
106
三
(
みつ
)
つの
時
(
とき
)
に
死
(
し
)
んだものが、
107
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
生
(
い
)
きてる
筈
(
はず
)
がない……ハテナア』
108
お年
『
高姫
(
たかひめ
)
様
(
さま
)
、
109
此処
(
ここ
)
は
冥土
(
めいど
)
の
八衢
(
やちまた
)
で
厶
(
ござ
)
いますよ。
110
決
(
けつ
)
して
現界
(
げんかい
)
ぢや
厶
(
ござ
)
いませぬ。
111
かうして
沢山
(
たくさん
)
の
人
(
ひと
)
が
此処
(
ここ
)
に
集
(
あつ
)
まつてゐるのも、
112
皆
(
みな
)
現界
(
げんかい
)
と
幽界
(
いうかい
)
の
精霊
(
せいれい
)
ばかりですワ』
113
高姫
『
一寸
(
ちよつと
)
待
(
ま
)
つておくれ、
114
一
(
ひと
)
つ
考
(
かんが
)
へ
直
(
なほ
)
さねばなるまい。
115
さう
聞
(
き
)
くと
何
(
なん
)
だか、
116
そこらの
様子
(
やうす
)
が
違
(
ちが
)
ふやうだ。
117
お
前
(
まへ
)
が
三
(
みつ
)
つの
年
(
とし
)
に
霊界
(
れいかい
)
へ
来
(
き
)
て、
118
こんなに
成人
(
せいじん
)
したとは、
119
テモ
偖
(
さて
)
も
不思議
(
ふしぎ
)
なことだ、
120
ウーン』
121
と
舌
(
した
)
をかみ、
122
首
(
くび
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
思案
(
しあん
)
にくれてゐる。
123
白
(
しろ
)
い
色
(
いろ
)
の
守衛
(
しゆゑい
)
は、
124
大勢
(
おほぜい
)
の
者
(
もの
)
を
一々
(
いちいち
)
手招
(
てまね
)
きした。
125
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
招
(
まね
)
かれて
近寄
(
ちかよ
)
つたのは、
126
八十
(
はちじふ
)
ばかりの
杖
(
つゑ
)
をついた
老爺
(
ろうや
)
である。
127
白の守衛
『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
名
(
な
)
だ』
128
爺(敬助)
『ハイ
私
(
わたし
)
は
敬助
(
けいすけ
)
と
申
(
まを
)
します』
129
白の守衛
『どつか
具合
(
ぐあひ
)
が
悪
(
わる
)
いか、
130
チツと
顔色
(
かほいろ
)
が
悪
(
わる
)
いぢやないか』
131
敬助
『
何
(
なん
)
だか、
132
停車場
(
ステイシヨン
)
のやうな
所
(
ところ
)
へ
行
(
い
)
つて
居
(
を
)
つたと
思
(
おも
)
へば、
133
私
(
わたし
)
の
胸
(
むね
)
に
行当
(
ゆきあた
)
つたものがある。
134
其
(
その
)
際
(
さい
)
に、
135
ハツと
思
(
おも
)
つたと
思
(
おも
)
へば、
136
いつの
間
(
ま
)
にか
斯様
(
かやう
)
な
所
(
ところ
)
へやつて
来
(
き
)
ました』
137
白の守衛
『
年齢
(
ねんれい
)
は
幾
(
いく
)
つだ』
138
敬助
『ハイ
六十
(
ろくじつ
)
歳
(
さい
)
で
厶
(
ござ
)
います』
139
白の守衛
『
余
(
あま
)
り
頭
(
あたま
)
が
白
(
しろ
)
いので、
140
八十
(
はちじふ
)
ばかりに
見
(
み
)
えた。
141
お
前
(
まへ
)
は
余程
(
よほど
)
ハラの
悪
(
わる
)
い
男
(
をとこ
)
だなア、
142
ヱルサレムの
宮
(
みや
)
を
部下
(
ぶか
)
の
奴
(
やつ
)
に
命
(
めい
)
じて
叩
(
たた
)
き
潰
(
つぶ
)
したのは
其
(
その
)
方
(
はう
)
だらう』
143
敬助
『イエ
滅相
(
めつさう
)
な、
144
決
(
けつ
)
して
私
(
わたし
)
ぢやありませぬ。
145
片山
(
かたやま
)
君
(
くん
)
が
命令
(
めいれい
)
を
致
(
いた
)
しましたので、
146
其
(
その
)
命令
(
めいれい
)
を
聞
(
き
)
かねば、
147
到底
(
たうてい
)
、
148
泥棒
(
どろばう
)
会社
(
くわいしや
)
の
社長
(
しやちやう
)
が
勤
(
つと
)
まりませぬので、
149
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
部下
(
ぶか
)
に
命令
(
めいれい
)
を
致
(
いた
)
しました。
150
決
(
けつ
)
して
主犯
(
しゆはん
)
では
厶
(
ござ
)
いませぬ』
151
白の守衛
『さうするとお
前
(
まへ
)
は
従犯
(
じうはん
)
だな。
152
ヨシヨシ、
153
此奴
(
こいつ
)
ア
容易
(
ようい
)
に
俺
(
おれ
)
の
手
(
て
)
には
合
(
あ
)
はぬ。
154
伊吹戸主
(
いぶきどぬしの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に、
155
厳格
(
げんかく
)
なる
審判
(
しんぱん
)
を
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひするであらう、
156
サ、
157
此
(
この
)
門
(
もん
)
を
通
(
とほ
)
れ』
158
と
白
(
しろ
)
の
守衛
(
しゆゑい
)
は
門内
(
もんない
)
へつき
入
(
い
)
れて
了
(
しま
)
つた。
159
白髪
(
しらが
)
の
爺
(
おやじ
)
はヒヨロ ヒヨロしながら、
160
屠所
(
としよ
)
の
羊
(
ひつじ
)
の
様
(
やう
)
に
歩
(
あゆ
)
み
行
(
ゆ
)
く。
161
後
(
あと
)
には
細長
(
ほそなが
)
い
六十
(
ろくじふ
)
位
(
くらゐ
)
な
男
(
をとこ
)
が
白
(
しろ
)
に
審判
(
しんぱん
)
を
受
(
う
)
けてゐる。
162
白の守衛
『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
何者
(
なにもの
)
だ、
163
ネームを
名乗
(
なの
)
れ』
164
爺(片山狂介)
『ハイ
私
(
わたし
)
は
片山
(
かたやま
)
狂介
(
きやうすけ
)
と
申
(
まを
)
します』
165
白の守衛
『
成程
(
なるほど
)
、
166
随分
(
ずいぶん
)
軍閥
(
ぐんばつ
)
でバリついたものだな。
167
お
前
(
まへ
)
の
為
(
ため
)
に
幾万
(
いくまん
)
の
精霊
(
せいれい
)
を
幽界
(
いうかい
)
へ
送
(
おく
)
つたか
分
(
わか
)
らぬ、
168
幽界
(
いうかい
)
にては
大変
(
たいへん
)
に
名高
(
なだか
)
い
男
(
をとこ
)
だ。
169
これも
此処
(
ここ
)
で
審判
(
さば
)
く
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬ。
170
サア、
171
奥
(
おく
)
へ
行
(
ゆ
)
けツ』
172
と
又
(
また
)
もや
門内
(
もんない
)
へ
押込
(
おしこ
)
んだ。
173
次
(
つぎ
)
にやつて
来
(
き
)
た
爺
(
おやじ
)
は
鉄
(
てつ
)
の
杖
(
つゑ
)
をついてゐる。
174
白の守衛
『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
高田
(
たかだ
)
悪次郎
(
あくじらう
)
ではないか』
175
高田悪次郎
『ハイ、
176
私
(
わたし
)
は
表善
(
へうぜん
)
裏悪
(
りあく
)
の
張本人
(
ちやうほんにん
)
、
177
世界一
(
せかいいち
)
の
富豪
(
ふうがう
)
にならうと
思
(
おも
)
うて、
178
随分
(
ずいぶん
)
活動
(
くわつどう
)
致
(
いた
)
しました。
179
併
(
しか
)
しながら
不慮
(
ふりよ
)
の
災難
(
さいなん
)
によつて、
180
かやうな
所
(
ところ
)
へ
迷
(
まよ
)
ひ
込
(
こ
)
み、
181
誠
(
まこと
)
に
面目
(
めんぼく
)
次第
(
しだい
)
も
厶
(
ござ
)
いませぬ』
182
白の守衛
『
其
(
その
)
杖
(
つゑ
)
は
鉄
(
てつ
)
ぢやないか、
183
左様
(
さやう
)
な
物
(
もの
)
を、
184
なぜこんな
所
(
ところ
)
まで
持
(
も
)
つて
来
(
く
)
るか』
185
高田悪次郎
『これは
鬼
(
おに
)
に
鉄棒
(
かなぼう
)
と
申
(
まを
)
しまして、
186
現界
(
げんかい
)
に
居
(
を
)
る
時
(
とき
)
から、
187
鬼
(
おに
)
の
役
(
やく
)
を
勤
(
つと
)
めて
居
(
を
)
りました。
188
此
(
この
)
鉄棒
(
かなぼう
)
を
以
(
もつ
)
て、
189
凡
(
すべ
)
ての
銀行
(
ぎんかう
)
会社
(
くわいしや
)
を
叩
(
たた
)
き
壊
(
こは
)
し、
190
皆
(
みな
)
一
(
ひと
)
つに
集
(
あつ
)
めて
巨万
(
きよまん
)
の
富
(
とみ
)
を
積
(
つ
)
んだ
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
武器
(
ぶき
)
で
厶
(
ござ
)
いますから、
191
こればかりはどこ
迄
(
まで
)
も
放
(
はな
)
すことは
出来
(
でき
)
ませぬ』
192
白の守衛
『
此
(
この
)
鉄棒
(
かなぼう
)
はこちらに
預
(
あづ
)
かる。
193
サア、
194
キリキリ
渡
(
わた
)
して
行
(
ゆ
)
け』
195
高田悪次郎
『
滅相
(
めつさう
)
もない、
196
命
(
いのち
)
より
大切
(
だいじ
)
な
鉄棒
(
かなぼう
)
、
197
どうしてこれが
渡
(
わた
)
されませうかい』
198
白の守衛
『お
前
(
まへ
)
が
之
(
これ
)
を
持
(
も
)
つてゐると、
199
伊吹戸主
(
いぶきどぬし
)
の
審判
(
しんぱん
)
に
会
(
あ
)
うた
時
(
とき
)
は、
200
キツと
地獄
(
ぢごく
)
の
底
(
そこ
)
へ
堕
(
お
)
ちるぞよ。
201
それで
此処
(
ここ
)
で
渡
(
わた
)
して
行
(
ゆ
)
けと
云
(
い
)
ふのだ。
202
さうすると
八衢
(
やちまた
)
の
世界
(
せかい
)
へおいて
貰
(
もら
)
ふやうになるかも
知
(
し
)
れぬから』
203
高田悪次郎
『
滅相
(
めつさう
)
もないこと
仰有
(
おつしや
)
いませ。
204
そんな
甘
(
うま
)
いことを
云
(
い
)
つて、
205
泥棒
(
どろばう
)
しようと
思
(
おも
)
うても
其
(
その
)
手
(
て
)
には
乗
(
の
)
りませぬぞ。
206
此
(
この
)
鉄棒
(
かなぼう
)
は
斯
(
か
)
うみえても
二億
(
におく
)
円
(
ゑん
)
の
価値
(
かち
)
があるのです。
207
此
(
この
)
鉄
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
から
生
(
う
)
み
出
(
だ
)
した
二億
(
におく
)
円
(
ゑん
)
、
208
言
(
い
)
はば
此
(
この
)
棒
(
ぼう
)
は
二億
(
におく
)
円
(
ゑん
)
の
手形
(
てがた
)
のやうなものだ。
209
何時
(
なんどき
)
地獄
(
ぢごく
)
へやられても、
210
これさへあれば
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ。
211
地獄
(
ぢごく
)
の
沙汰
(
さた
)
も
金
(
かね
)
次第
(
しだい
)
、
212
如何
(
いか
)
なる
鬼
(
おに
)
も
閻魔
(
えんま
)
も
之
(
これ
)
にて
忽
(
たちま
)
ちやつつけて
了
(
しま
)
ひ、
213
地獄界
(
ぢごくかい
)
の
王者
(
わうじや
)
となる
重宝
(
ちようほう
)
な
宝
(
たから
)
だ。
214
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
之
(
これ
)
ばかりは
渡
(
わた
)
しませぬから
諦
(
あきら
)
めて
下
(
くだ
)
さい』
215
かかる
所
(
ところ
)
へ、
216
赤面
(
あかづら
)
の
守衛
(
しゆゑい
)
がやつて
来
(
き
)
た。
217
赤の守衛
『ヤア、
218
お
前
(
まへ
)
は
高田
(
たかだ
)
悪次郎
(
あくじらう
)
ぢやな。
219
よい
所
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
てうせた。
220
サア、
221
奥
(
おく
)
へ
来
(
こ
)
い、
222
其
(
その
)
鉄棒
(
かなぼう
)
は
門内
(
もんない
)
へ
一歩
(
いつぽ
)
も
持込
(
もちこ
)
むことは
罷
(
まか
)
りならぬぞ』
223
高田悪次郎
『ハハハハハ、
224
冥土
(
めいど
)
の
八衢
(
やちまた
)
か
何
(
なに
)
か
知
(
し
)
らぬが、
225
体
(
てい
)
のよい
泥棒
(
どろばう
)
が
徘徊
(
はいくわい
)
するとこだワイ。
226
之
(
これ
)
は
高田
(
たかだ
)
が
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
武器
(
ぶき
)
だ。
227
誰
(
たれ
)
が
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
しても
放
(
はな
)
しは
致
(
いた
)
さぬ、
228
放
(
はな
)
せるなら
放
(
はな
)
してみい。
229
如何
(
いか
)
なる
権力
(
けんりよく
)
も
神力
(
しんりき
)
も
金
(
かね
)
の
前
(
まへ
)
には
屈服
(
くつぷく
)
致
(
いた
)
さねばなるまいぞ』
230
赤の守衛
『
馬鹿者
(
ばかもの
)
だなア。
231
霊界
(
れいかい
)
に
於
(
おい
)
て、
232
物質
(
ぶつしつ
)
上
(
じやう
)
の
宝
(
たから
)
がいるものか。
233
金
(
かね
)
が
覇
(
は
)
を
利
(
き
)
かすのは、
234
暗黒
(
あんこく
)
なる
現界
(
げんかい
)
に
於
(
おい
)
てのみだ』
235
高田悪次郎
『それでも、
236
地獄
(
ぢごく
)
の
沙汰
(
さた
)
も
金
(
かね
)
次第
(
しだい
)
といふぢやありませぬか』
237
赤の守衛
『
金
(
かね
)
を
以
(
もつ
)
て
左右
(
さいう
)
致
(
いた
)
すのは、
238
所謂
(
いはゆる
)
地獄
(
ぢごく
)
の
行
(
や
)
り
方
(
かた
)
だ』
239
高田悪次郎
『それ
御覧
(
ごらん
)
、
240
何
(
いづ
)
れ
私
(
わたし
)
のやうな
者
(
もの
)
は
天国
(
てんごく
)
へ
行
(
ゆ
)
ける
気遣
(
きづか
)
ひはない。
241
生前
(
せいぜん
)
より
地獄行
(
ぢごくゆき
)
と
覚悟
(
かくご
)
はしてゐたのだ。
242
それだから、
243
地獄
(
ぢごく
)
へ
行
(
ゆ
)
けば
金
(
かね
)
の
必要
(
ひつえう
)
がある、
244
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
之
(
これ
)
は
放
(
はな
)
しませぬワイ』
245
赤の守衛
『さうすると、
246
貴様
(
きさま
)
は
天国
(
てんごく
)
よりも
地獄
(
ぢごく
)
が
可
(
い
)
いのだな』
247
高田悪次郎
『さうですとも、
248
地獄
(
ぢごく
)
の
方
(
はう
)
が
人間
(
にんげん
)
も
沢山
(
たくさん
)
居
(
を
)
るだらうし、
249
金
(
かね
)
さへあれば
覇
(
は
)
が
利
(
き
)
くのだから、
250
どうか
地獄
(
ぢごく
)
へやつて
貰
(
もら
)
ひたいものです。
251
何程
(
なにほど
)
地獄
(
ぢごく
)
だつて、
252
二億
(
におく
)
円
(
ゑん
)
の
金
(
かね
)
さへあれば
何
(
なん
)
でも
出来
(
でき
)
ますからな』
253
赤の守衛
『さう
云
(
い
)
ふ
不心得
(
ふこころえ
)
な
奴
(
やつ
)
に、
254
金
(
かね
)
を
持
(
も
)
たして
地獄
(
ぢごく
)
へやる
事
(
こと
)
は
罷
(
まか
)
り
成
(
な
)
らぬ。
255
ここにおいて
行
(
ゆ
)
け』
256
高田悪次郎
『
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても、
257
此奴
(
こいつ
)
ばかりは
放
(
はな
)
しませぬよ』
258
赤の守衛
『
然
(
しか
)
らば、
259
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
力
(
ちから
)
で
放
(
はな
)
してみせう』
260
「ウン」と
一声
(
いつせい
)
霊縛
(
れいばく
)
をかけるや
否
(
いな
)
や、
261
高田
(
たかだ
)
の
手
(
て
)
は
痺
(
しび
)
れて、
262
鉄
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
はガラリと
地上
(
ちじやう
)
に
落
(
お
)
ちた。
263
忽
(
たちま
)
ち
高田
(
たかだ
)
の
手
(
て
)
を
後
(
うしろ
)
へ
廻
(
まは
)
し、
264
赤の守衛
『
此
(
この
)
応対
(
おうたい
)
盗人
(
ぬすびと
)
奴
(
め
)
』
265
と
言
(
い
)
ひながら、
266
サル
括
(
ぐく
)
りにし、
267
ポンと
尻
(
けつ
)
をけつて
門内
(
もんない
)
へ
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
んだ。
268
高姫
(
たかひめ
)
は
群衆
(
ぐんしう
)
の
中
(
なか
)
から
伸
(
の
)
び
上
(
あが
)
つて、
269
ニコニコしながら
此
(
この
)
光景
(
くわうけい
)
を
眺
(
なが
)
めてゐた。
270
(
大正一二・二・一〇
旧一一・一二・二五
松村真澄
録)
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