霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二七章 胎蔵(たいざう)〔一三六三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第52巻 真善美愛 卯の巻 篇:第5篇 洗判無料 よみ(新仮名遣い):せんばんむりょう
章:第27章 胎蔵 よみ(新仮名遣い):たいぞう 通し章番号:1363
口述日:1923(大正12)年02月10日(旧12月25日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年1月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
時置師神杢助は、八衢の審判神伊吹戸主と館の一間で対談していた。杢助は、高姫が多くの人間を惑わすので、神素盞嗚大神の命により、しばらく現界に帰さないようにしてほしいと依頼した。
しかし高姫の寿命はまだ二十八年残っており、あまり長く霊界にとどめ置くと、肉体に戻れなくなってしまう。杢助は、二三年後に霊界にやってくる女の肉体に、代わりに高姫の精霊を戻すようにしてほしいと依頼した。
伊吹戸主神は、三年後に霊界にやってくる女があるから、それまで高姫をここに留め置いて、三年後にその女の肉体に高姫の精霊を宿し、二十八年間現界で生かすよう取り計らうことになった。
杢助は神素盞嗚大神に高姫の処遇を復命するため、獅子にまたがって斎苑の館に戻って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-12-24 16:37:34 OBC :rm5227
愛善世界社版:314頁 八幡書店版:第9輯 493頁 修補版: 校定版:323頁 普及版:143頁 初版: ページ備考:
001 時置師(ときおかしの)(かみ)杢助(もくすけ)は、002ライオンを守衛(しゆゑい)(あづ)けおき、003八衢(やちまた)審判神(しんぱんしん)伊吹戸主(いぶきどぬし)(やかた)(すす)()り、004(おく)一間(ひとま)(おい)伊吹戸主(いぶきどぬし)二人(ふたり)対談(たいだん)をやつてゐる。
005伊吹戸主『ああ時置師(ときおかしの)(かみ)(さま)006随分(ずいぶん)宣伝(せんでん)はお(ほね)()れる(こと)でせうなア、007()苦心(くしん)(さつ)(まを)します』
008時置師『ドーモ(くも)()つた()(なか)で、009吾々(われわれ)(ごと)人間(にんげん)(かみ)(さま)()思召(ぼしめし)万分一(まんぶいち)(はたら)(こと)出来(でき)ませぬので、010(じつ)慙愧(ざんき)(いた)りで(ござ)います。011つきましては今度(こんど)(たづ)(いた)しましたのは、012(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)(さま)()命令(めいれい)()つてで(ござ)います。013三五教(あななひけう)()りました高姫(たかひめ)()(をんな)014(かれ)行状(ぎやうじやう)(つい)ては(じつ)(こま)つたもので(ござ)います。015兇党界(きようたうかい)精霊(せいれい)016妖幻坊(えうげんばう)なる妖怪(えうくわい)誑惑(きやうわく)され、017それをば(わたし)(おも)()み、018彼方(あちら)此方(こちら)時置師(ときおかし)杢助(もくすけ)をふり(まは)すので()(なか)人間(にんげん)非常(ひじやう)(まよ)ひます。019それ(ゆゑ)今度(こんど)霊界(れいかい)(まゐ)つたのを(さいは)ひ、020(しばら)くの(あひだ)現界(げんかい)(かへ)さないやうに取計(とりはか)らつて(もら)ひたいものです』
021伊吹戸主成程(なるほど)022大神(おほかみ)(さま)()言葉(ことば)023(なん)とか(いた)さねばなりますまい。024(しか)しながら(かれ)高姫(たかひめ)は、025()生死簿(せいしぼ)()れば二十八(にじふはち)(ねん)(あひだ)寿命(じゆみやう)(のこ)つて()ります。026霊界(れいかい)()()くのは()(やす)(こと)(ござ)いますが、027どうしても(かれ)現界(げんかい)(かへ)さねばならぬもの、028(あま)(なが)()()けば、029(その)肉体(にくたい)(やく)()たないやうになつて(しま)ひます。030(その)肉体(にくたい)()へても差支(さしつかへ)なくば、031(なん)とか取計(とりはか)らひませう』
032時置師『どうか二三(にさん)(ねん)(あひだ)此処(ここ)()()めを(ねが)ひ、033(さん)(ねん)(さき)になつて霊界(れいかい)(きた)るべき(をんな)肉体(にくたい)高姫(たかひめ)精霊(せいれい)宿(やど)(くだ)さいますれば、034大変(たいへん)都合(つがふ)()いでせう』
035 伊吹戸主(いぶきどぬしの)(かみ)(しばら)()()ぢ、036思案(しあん)をしてゐたが、037やがて打肯(うちうなづ)いて、
038伊吹戸主『イヤ(よろ)しう(ござ)います。039適当(てきたう)肉体(にくたい)三年後(さんねんご)霊界(れいかい)()るのが(ござ)いますから、040その肉体(にくたい)高姫(たかひめ)精霊(せいれい)宿(やど)し、041二十八(にじふはち)年間(ねんかん)現界(げんかい)()かす(こと)取計(とりはか)らひませう』
042時置師『イヤ、043それは(じつ)有難(ありがた)(ござ)います。044左様(さやう)なれば御免(ごめん)(かうむ)りませう』
045伊吹戸主時置師(ときおかしの)(かみ)(さま)046エー(いま)此処(ここ)大原(おほはら)敬助(けいすけ)片山(かたやま)狂介(きやうすけ)047高田(たかだ)悪次郎(あくじらう)などの大悪党(だいあくたう)()(まゐ)りましたが、048(いま)審判(しんぱん)(ひら)けますから、049一寸(ちよつと)傍聴(ばうちやう)なさつては如何(いかが)ですか。050高姫(たかひめ)(これ)から審判(しんぱん)(はじ)まります』
051時置師『イヤもう、052高姫(たかひめ)()るとすれば折角(せつかく)ながら()めませう、053ハハハハハ』
054伊吹戸主『たつて()(すす)めはいたしませぬ。055左様(さやう)ならば大神(おほかみ)(さま)宜敷(よろし)仰有(おつしや)つて(くだ)さいませ。056(わたし)はこれより審判(しんぱん)(まゐ)ります』
057とツイと()つて廊下(らうか)(つた)審判廷(しんぱんてい)()く。058杢助(もくすけ)守衛(しゆゑい)()んでライオンを()(きた)らしめ、059ヒラリと(せな)(またが)り、060ウーツとライオンの一声(いつせい)(あた)りを(とどろ)かせながら、061一目散(いちもくさん)にウブスナ(やま)方面(はうめん)()して中空(ちうくう)(かけ)(かへ)つて()く。
062中有界(ちううかい)八衢(やちまた)
063伊吹戸主(いぶきどぬし)永久(とこしへ)
064(しづ)まりまして(まよ)()
065数多(あまた)精霊(せいれい)一々(いちいち)
066(はかり)にかけて取調(とりしら)
067清浄(せいじやう)無垢(むく)霊魂(たましひ)
068(おのおの)所主(しよしゆ)(あい)()
069高天原(たかあまはら)霊国(れいごく)
070三階段(さんかいだん)天国(てんごく)
071霊相応(みたまさうおう)(おく)りやり
072極悪(ごくあく)無道(ぶだう)精霊(せいれい)
073(ただ)ちに地獄(ぢごく)()(くだ)
074(ぜん)ともつかず(また)(あく)
075(つよ)からざりし精霊(せいれい)
076一定(いつてい)期間(きかん)中有(ちうう)
077世界(せかい)(ひろ)(はな)ちやり
078いよいよ(みたま)(きよ)まりて
079高天原(たかあまはら)(のぼ)るべく
080(あい)(ぜん)との(とく)()
081(しん)(しん)との()(みが)
082(さと)()たりし精霊(せいれい)
083(みな)天国(てんごく)(のぼ)しやり
084()(あらた)めず何時(いつ)(まで)
085悪心(あくしん)(つよ)精霊(せいれい)
086(なみだ)(はら)暗黒(あんこく)
087地獄(ぢごく)(おと)(たま)ふなり
088(いま)(あら)はれし敬助(けいすけ)
089片山(かたやま)狂介(きやうすけ)悪次郎(あくじらう)
090(みぎ)(さん)(にん)兇悪(きようあく)
091いと厳格(げんかく)審判(しんぱん)
092(くだ)され(ただ)ちに暗黒(あんこく)
093地獄(ぢごく)(そこ)(おと)されて
094無限(むげん)永苦(えいく)()むるべく
095両手(りやうて)(まへ)にぶら()げて
096意気(いき)消沈(せうちん)為体(ていたらく)
097(かほ)(あを)ざめてブルブルと
098(ふる)(をのの)相好(さうがう)
099(たちま)(かは)妖怪(えうくわい)
100()るも(あさ)まし姿(すがた)なり
101(あと)(きた)りし呆助(はうすけ)
102おつやの二人(ふたり)姦通(かんつう)
103大罪悪(だいざいあく)(さば)かれて
104色欲界(しきよくかい)地獄道(ぢごくだう)
105(みぎ)(ひだり)立別(たちわか)
106さも(かな)しげに(すす)()
107(つづ)いて高姫(たかひめ)神司(かむつかさ)
108伊吹戸主(いぶきどぬし)にさばかれて
109此処(ここ)(さん)(ねん)(その)(あひだ)
110中有界(ちううかい)()()され
111荒野(あらの)彷徨(さまよ)ひいろいろと
112艱難(かんなん)辛苦(しんく)(あぢ)はひつ
113我情(がじやう)我慢(がまん)(くも)()
114(やうや)(まこと)(ひと)となり
115(また)現界(げんかい)(あら)はれて
116三五教(あななひけう)(おん)(ため)
117(まこと)(つく)()たりしが
118(ふたた)情念(じやうねん)勃発(ぼつぱつ)
119妖幻坊(えうげんばう)(だま)されて
120印度(いんど)(くに)のカルマタの
121とある丘陵(きうりよう)()(ひそ)
122妖幻坊(えうげんばう)諸共(もろとも)
123悪事(あくじ)(かぎ)りを(つく)すこそ
124()にもうたてき次第(しだい)なり
125()()(きた)霊界(れいかい)
126(まこと)(うつ)物語(ものがたり)
127五十二(ごじふに)(ねん)時津風(ときつかぜ)
128みろく胎蔵(たいざう)(かぎ)()
129苦集(くしふ)滅道(めつだう)(あきら)かに
130()(さと)()みろく(しん)
131小松林(こまつばやし)精霊(せいれい)
132(きよ)みたま()たせつつ
133(この)()(みちび)予言者(よげんしや)
134(きた)りて(みち)伝達(でんたつ)
135世人(よびと)(あまね)天国(てんごく)
136(みちび)(たま)()厚恩(こうおん)
137無下(むげ)には()てな諸人(もろびと)
138三五教(あななひけう)大本(おほもと)
139参来(まゐき)(つど)へる信徒(まめひと)
140(もも)(つかさ)村肝(むらきも)
141(こころ)(しづ)(むね)()
142()ててよくよく(さと)るべし
143ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
144御霊(みたま)(さち)はひましませよ
145(あさひ)()るとも(くも)るとも
146(つき)()つとも()くるとも
147仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
148(うみ)はあせなむ()ありとも
149(かみ)のよさしの言霊(ことたま)
150幾万劫(いくまんごふ)(すゑ)(まで)
151()きせぬものと覚悟(かくご)して
152これの(をしへ)をよく(しん)
153(あい)(ぜん)との(とく)()
154(しん)(しん)との(ひかり)をば
155()(かがや)かし惟神(かむながら)
156智慧(ちゑ)証覚(しようかく)摂受(せつじゆ)して
157(この)()(この)(まま)天人(てんにん)
158(れつ)(くは)はり人生(じんせい)
159(きよ)本務(ほんむ)(つく)すべし
160(かみ)(われ)()(とも)にあり
161(かみ)(なんぢ)(とも)にます
162(ひと)(かみ)()(かみ)(みや)
163(かみ)より(ほか)(つゑ)となり
164(はしら)となりて()(すく)
165(たふと)きものはあらざらめ
166(あふ)(ゐやま)諸人(もろびと)
167(かみ)御水火(みいき)(うま)()
168(かみ)(つく)りし(くに)()
169(かみ)(あた)へし(あは)()
170(かみ)(まこと)(をしへ)をば
171(こころ)(ふか)植込(うゑこ)みて
172(つか)(あひだ)(わす)るなよ
173(ひと)(ひと)たる(その)(ゆゑ)
174(すめ)大神(おほかみ)神格(しんかく)
175(その)()にうけて神界(しんかい)
176御用(ごよう)(つか)ふる(ため)ぞかし
177ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
178(かみ)御前(みまへ)赤心(まごころ)
179(ささ)げて感謝(かんしや)(たてまつ)る。
180惟神(かむながら)(かみ)御言(みこと)(かしこ)みて
181五十二(いそふた)(まき)()(をは)りける。
182(をし)()(ふで)とらせつつ(とこ)()
183寝物語(ねものがたり)(もの)せし(この)(ふみ)
184いろいろと(しこ)(さまた)げありけれど
185(かみ)(まも)りに()(をは)りけり。
186大正一二・二・一〇 旧一一・一二・二五 外山豊二録)
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