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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第74巻(丑の巻)
序文
総説
第1篇 渺茫千里
第1章 科戸の風
第2章 野路の草枕
第3章 篠の笹原
第4章 朝露の光
第5章 言霊神橋
第6章 真鶴山霊
第7章 相聞の闇
第8章 黒雲晴明
第9章 真鶴鳴動
第2篇 真鶴新国
第10章 心の手綱
第11章 万代の誓
第12章 森の遠望
第13章 水上の月
第14章 真心の曇らひ
第15章 晴天澄潮
第16章 真言の力(一)
第17章 真言の力(二)
第18章 玉野の森
第19章 玉野の神丘
第20章 松下の述懐
第3篇 玉藻霊山
第21章 玉野清庭
第22章 天地は曇る
第23章 意想の外
第24章 誠の化身
第25章 感歎幽明
第26章 総神登丘
余白歌
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第74巻(丑の巻)
> 第2篇 真鶴新国 > 第13章 水上の月
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(B)
(N)
真心の曇らひ >>>
第一三章
水上
(
すゐじやう
)
の
月
(
つき
)
〔一八八一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第74巻 天祥地瑞 丑の巻
篇:
第2篇 真鶴新国
よみ(新仮名遣い):
まなづるしんこく
章:
第13章 水上の月
よみ(新仮名遣い):
すいじょうのつき
通し章番号:
1881
口述日:
1933(昭和8)年10月23日(旧09月5日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
白石恵子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年1月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
湖畔にて、玉野比女の館を目前とし、静まり返る玉野湖水と玉野森を前に、神々はそれぞれ思いのたけを歌い、また玉野湖水に潜む、大蛇となった生代比女をなだめ諭す歌を歌った。
しかし、生代比女の恋の炎はあまりに強く、神々の生言霊の光さえ、包みかくすほどであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7413
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 211頁
修補版:
校定版:
189頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
一行
(
いつかう
)
の
白馬隊
(
はくばたい
)
は、
002
漸
(
やうや
)
く
黄昏
(
たそが
)
れむとする
時
(
とき
)
、
003
玉野
(
たまの
)
湖畔
(
こはん
)
に
着
(
つ
)
き
給
(
たま
)
へば、
004
御空
(
みそら
)
を
渡
(
わた
)
る
満月
(
まんげつ
)
の
光
(
ひかり
)
は、
005
緩
(
ゆる
)
やかに
湖面
(
こめん
)
を
照
(
てら
)
し、
006
縮緬
(
ちりめん
)
の
波
(
なみ
)
穏
(
おだ
)
やかにたゆたふ。
007
玉野森
(
たまのもり
)
は
広
(
ひろ
)
き
湖水
(
こすゐ
)
の
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
に、
008
月光
(
つきかげ
)
を
浴
(
あ
)
びて
森厳
(
しんげん
)
そのものの
如
(
ごと
)
く、
009
地上
(
ちじやう
)
と
湖底
(
こてい
)
に
描
(
ゑが
)
かれて
居
(
ゐ
)
る。
010
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は
湖面
(
こめん
)
に
向
(
むか
)
ひ、
011
心
(
こころ
)
静
(
しづか
)
に
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
012
『
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
る
夕
(
ゆふべ
)
の
月
(
つき
)
は
玉野湖
(
たまのうみ
)
の
013
波
(
なみ
)
に
浮
(
うか
)
びて
静
(
しづか
)
なるかも
014
こんもりと
夕
(
ゆふべ
)
の
地上
(
ちじやう
)
に
描
(
ゑが
)
きたる
015
玉野
(
たまの
)
の
森
(
もり
)
は
清
(
すが
)
しきろかも
016
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うち
大野原
(
おほのはら
)
017
遠
(
とほ
)
く
渡
(
わた
)
りて
今
(
いま
)
来
(
き
)
つるかも
018
鏡
(
かがみ
)
なすこの
湖
(
みづうみ
)
に
浮
(
うか
)
びたる
019
月
(
つき
)
の
面
(
も
)
一入
(
ひとしほ
)
広
(
ひろ
)
かりにけり
020
そよそよと
湖
(
みづうみ
)
を
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
もなく
021
この
天地
(
あめつち
)
はしづまりて
居
(
を
)
り
022
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
静
(
しづ
)
けくなりにけり
023
月
(
つき
)
の
浮
(
うか
)
べる
湖
(
うみ
)
の
鏡
(
かがみ
)
に
024
わがい
行
(
ゆ
)
く
玉野
(
たまの
)
の
森
(
もり
)
は
波
(
なみ
)
の
彼方
(
かなた
)
025
かすみて
湖路
(
うなぢ
)
遥
(
はろ
)
けかりけり
026
葦蘆
(
よしあし
)
の
茂
(
しげ
)
らふ
荒野
(
あらの
)
を
渡
(
わた
)
り
来
(
き
)
て
027
今
(
いま
)
ひろびろと
波
(
なみ
)
の
月
(
つき
)
見
(
み
)
つ
028
虫
(
むし
)
の
声
(
こゑ
)
岸
(
きし
)
のあちこち
聞
(
きこ
)
えつつ
029
わが
霊線
(
たましひ
)
の
清
(
すが
)
しさを
覚
(
おぼ
)
ゆ
030
真鶴
(
まなづる
)
の
黒雲
(
くろくも
)
を
見
(
み
)
しわが
目
(
め
)
には
031
一入
(
ひとしほ
)
静
(
しづ
)
けく
思
(
おも
)
はるるかな
032
暫
(
しば
)
しの
間
(
ま
)
駒
(
こま
)
を
休
(
やす
)
ませ
水
(
みづ
)
飼
(
か
)
ひて
033
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
に
乗
(
の
)
りて
渡
(
わた
)
らむ
034
波
(
なみ
)
渡
(
わた
)
る
舟
(
ふね
)
さへもなきこの
湖
(
うみ
)
は
035
駿馬
(
はやこま
)
の
背
(
せ
)
こそ
力
(
ちから
)
なりけり
036
久方
(
ひさかた
)
の
高日
(
たかひ
)
の
宮
(
みや
)
を
出
(
い
)
でしより
037
かかる
静
(
しづ
)
けき
湖
(
うみ
)
を
見
(
み
)
ざりき
038
ままならばこの
湖
(
みづうみ
)
の
真寸鏡
(
ますかがみ
)
039
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
土産
(
みやげ
)
となさばや
040
久方
(
ひさかた
)
の
御空
(
みそら
)
は
蒼
(
あを
)
し
湖
(
うみ
)
青
(
あを
)
し
041
月
(
つき
)
天地
(
あめつち
)
に
清
(
すが
)
しく
浮
(
うか
)
ぶも
042
雲
(
くも
)
の
蒼
(
あを
)
湖
(
うみ
)
にうつるか
湖
(
うみ
)
の
青
(
あを
)
043
雲
(
くも
)
にうつるか
月
(
つき
)
の
鏡
(
かがみ
)
に
044
空
(
そら
)
蒼
(
あを
)
く
水
(
みづ
)
また
青
(
あを
)
き
湖
(
うみ
)
の
面
(
も
)
に
045
浮
(
う
)
く
白鳥
(
しらとり
)
のかげのさやけさ
046
満天
(
まんてん
)
の
星
(
ほし
)
を
写
(
うつ
)
して
輝
(
かがや
)
ける
047
湖
(
うみ
)
は
千花
(
ちばな
)
の
匂
(
にほ
)
へるが
如
(
ごと
)
し
048
星
(
ほし
)
の
花
(
はな
)
水底
(
みそこ
)
に
浮
(
うか
)
び
湖
(
うみ
)
の
青
(
あを
)
049
天
(
てん
)
に
浮
(
うか
)
びて
清
(
すが
)
しき
宵
(
よひ
)
なり
050
見
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
御空
(
みそら
)
は
蒼
(
あを
)
く
水
(
みづ
)
青
(
あを
)
く
051
中
(
なか
)
を
流
(
なが
)
るる
月舟
(
つきふね
)
のかげ
052
月
(
つき
)
見
(
み
)
れば
心
(
こころ
)
清
(
すが
)
しも
湖
(
うみ
)
見
(
み
)
れば
053
わが
霊線
(
たましひ
)
はひろごりにつつ
054
玉野
(
たまの
)
比女
(
ひめ
)
の
姿
(
すがた
)
なるかも
青
(
あを
)
き
湖
(
うみ
)
の
055
面
(
おもて
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
満月
(
まんげつ
)
の
光
(
かげ
)
は
056
わが
心
(
こころ
)
湖水
(
こすゐ
)
の
月
(
つき
)
と
輝
(
かがや
)
きつ
057
玉野
(
たまの
)
の
比女
(
ひめ
)
の
住所
(
すみか
)
照
(
て
)
らさむ
058
麗
(
うるは
)
しも
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
のたましひか
059
この
湖
(
うみ
)
の
面
(
も
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
月光
(
つきかげ
)
は
060
高照
(
たかてる
)
の
山
(
やま
)
の
宮居
(
みやゐ
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
061
清
(
すが
)
しき
湖
(
うみ
)
にいむかひ
居
(
ゐ
)
るかも
062
濁
(
にご
)
り
河
(
がは
)
渡
(
わた
)
りし
時
(
とき
)
のわが
霊
(
たま
)
も
063
月
(
つき
)
照
(
て
)
る
湖
(
うみ
)
の
青
(
あを
)
に
洗
(
あら
)
へり
064
天
(
あめ
)
高
(
たか
)
く
湖底
(
うなそこ
)
深
(
ふか
)
し
我
(
われ
)
は
今
(
いま
)
065
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
を
深
(
ふか
)
く
悟
(
さと
)
りぬ
066
湖
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
いや
広々
(
ひろびろ
)
と
目路
(
めぢ
)
遠
(
とほ
)
み
067
わが
行
(
ゆ
)
くおもひ
遥
(
はろ
)
けくもあるか』
068
遠見男
(
とほみを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
069
『
瑞御霊
(
みづみたま
)
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へ
清
(
すが
)
しくも
070
今宵
(
こよひ
)
の
月
(
つき
)
に
魂
(
たま
)
を
洗
(
あら
)
へり
071
果
(
はて
)
しなきこの
天地
(
あめつち
)
を
照
(
てら
)
します
072
月光
(
つきかげ
)
今宵
(
こよひ
)
は
湖
(
うみ
)
に
浮
(
うか
)
べり
073
白銀
(
しろがね
)
の
玉
(
たま
)
と
輝
(
かがや
)
く
月舟
(
つきふね
)
の
074
これの
湖水
(
こすゐ
)
にかがやき
給
(
たま
)
ふ
075
月
(
つき
)
も
日
(
ひ
)
も
星
(
ほし
)
も
浮
(
うか
)
ぶなるこの
湖
(
うみ
)
の
076
あをく
清
(
きよ
)
きは
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
か
077
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
玉
(
たま
)
の
月光
(
つきかげ
)
明
(
あき
)
らけく
078
浮
(
うか
)
べる
湖
(
うみ
)
の
清
(
きよ
)
くもあるかな
079
小波
(
さざなみ
)
も
立
(
た
)
たぬ
夕
(
ゆふべ
)
の
湖
(
うみ
)
の
月
(
つき
)
は
080
玉
(
たま
)
の
宮居
(
みやゐ
)
を
写
(
うつ
)
してさゆるも
081
汀辺
(
みぎはべ
)
の
千草
(
ちぐさ
)
の
虫
(
むし
)
も
月光
(
つきかげ
)
の
082
清
(
きよ
)
きに
鳴
(
な
)
くか
声
(
こゑ
)
冴
(
さ
)
えにけり
083
乗
(
の
)
りて
来
(
こ
)
し
白馬
(
はくば
)
の
背
(
せな
)
に
露
(
つゆ
)
おきて
084
玉
(
たま
)
とかがよふ
今宵
(
こよひ
)
の
月光
(
つきかげ
)
085
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
る
御空
(
みそら
)
の
月
(
つき
)
も
湖
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
の
086
月
(
つき
)
も
太元
(
おほもと
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
よ』
087
圓屋
(
まるや
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
088
『
月
(
つき
)
盈
(
み
)
ちて
今宵
(
こよひ
)
のかげは
圓屋
(
まるや
)
比古
(
ひこ
)
089
神
(
かみ
)
の
姿
(
すがた
)
は
湖
(
うみ
)
にうかべる
090
久方
(
ひさかた
)
の
御空
(
みそら
)
うつして
玉野湖
(
たまのうみ
)
の
091
底
(
そこ
)
明
(
あき
)
らけく
澄
(
す
)
みきらふかな
092
黄昏
(
たそがれ
)
の
闇
(
やみ
)
は
迫
(
せま
)
れど
天
(
あま
)
渡
(
わた
)
る
093
月
(
つき
)
に
明
(
あか
)
るく
透
(
す
)
きとほるなり
094
青雲
(
あをくも
)
の
色
(
いろ
)
を
写
(
うつ
)
して
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
095
月
(
つき
)
澄
(
す
)
み
湖
(
うみ
)
のあをみたるかも
096
ぼんやりと
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
に
描
(
ゑが
)
きたる
097
玉野
(
たまの
)
の
森
(
もり
)
は
水
(
みづ
)
に
映
(
は
)
えたり
098
きらきらと
輝
(
かがや
)
く
波
(
なみ
)
は
不知火
(
しらぬび
)
の
099
海原
(
うなばら
)
照
(
てら
)
す
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
ゆめり
100
雲
(
くも
)
の
上
(
うへ
)
高
(
たか
)
く
聳
(
そび
)
ゆる
真鶴
(
まなづる
)
の
101
山
(
やま
)
ほの
見
(
み
)
えぬ
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
102
見
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
雲霧
(
くもきり
)
晴
(
は
)
れて
空
(
そら
)
蒼
(
あを
)
み
103
星
(
ほし
)
きらめきて
清
(
すが
)
しき
宵
(
よひ
)
なり
104
国土生
(
くにう
)
みの
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へて
珍
(
めづら
)
しく
105
冴
(
さ
)
えたる
月
(
つき
)
を
今宵
(
こよひ
)
見
(
み
)
るかな
106
乗
(
の
)
りて
来
(
こ
)
し
駿馬
(
はやこま
)
白
(
しろ
)
く
月
(
つき
)
に
浮
(
う
)
きて
107
水底
(
みなそこ
)
までも
影
(
かげ
)
を
写
(
うつ
)
せり
108
たのもしき
旅
(
たび
)
なりにけり
荒野
(
あらの
)
渡
(
わた
)
り
109
玉野
(
たまの
)
湖水
(
こすゐ
)
の
冴
(
さ
)
えたる
月
(
つき
)
見
(
み
)
つ
110
何
(
なん
)
となくわが
魂線
(
たましひ
)
の
和
(
なご
)
みたり
111
今宵
(
こよひ
)
の
月
(
つき
)
の
光
(
かげ
)
の
清
(
すが
)
しさに
112
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
に
成
(
な
)
りし
国土
(
くに
)
ながら
113
かく
麗
(
うるは
)
しと
思
(
おも
)
はざりけり
114
月読
(
つきよみ
)
は
光
(
ひかり
)
の
限
(
かぎ
)
りを
光
(
ひか
)
りつつ
115
波
(
なみ
)
の
面
(
おもて
)
に
静
(
しづか
)
に
浮
(
う
)
けるも
116
山
(
やま
)
かげのただ
一
(
ひと
)
つなき
広野原
(
ひろのはら
)
に
117
一
(
ひと
)
つ
浮
(
うか
)
べる
月
(
つき
)
の
湖
(
みづうみ
)
118
ともかくも
岐美
(
きみ
)
のみあとに
従
(
したが
)
ひて
119
今宵
(
こよひ
)
の
内
(
うち
)
に
彼岸
(
ひがん
)
に
渡
(
わた
)
らむ』
120
多々久美
(
たたくみ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
121
『
天
(
あめ
)
清
(
きよ
)
く
湖
(
うみ
)
また
清
(
きよ
)
き
中
(
なか
)
にして
122
われは
楽
(
たの
)
しく
歌
(
うた
)
詠
(
よ
)
まむかな
123
虫
(
むし
)
の
声
(
こゑ
)
湖畔
(
こはん
)
に
冴
(
さ
)
えて
更
(
ふ
)
け
渡
(
わた
)
る
124
今宵
(
こよひ
)
の
空
(
そら
)
の
長閑
(
のどか
)
なるかも
125
大空
(
おほぞら
)
に
輝
(
かがや
)
く
月
(
つき
)
も
水底
(
みなそこ
)
に
126
写
(
うつ
)
れる
月
(
つき
)
も
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
よ
127
駿馬
(
はやこま
)
もこれの
景色
(
けしき
)
に
見惚
(
みと
)
れしか
128
嘶
(
いなな
)
く
声
(
こゑ
)
は
清
(
すが
)
しかりけり
129
渡
(
わた
)
り
行
(
ゆ
)
く
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
の
神森
(
かみもり
)
は
130
水底
(
みなそこ
)
深
(
ふか
)
くうつろひにけり
131
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
この
水月
(
みなづき
)
を
駿馬
(
はやこま
)
の
132
蹄
(
ひづめ
)
に
砕
(
くだ
)
くと
思
(
おも
)
へば
惜
(
を
)
しきも
133
ままならばこの
湖
(
みづうみ
)
の
月光
(
つきかげ
)
を
134
空
(
そら
)
にあづけて
渡
(
わた
)
らまほしけれ
135
月
(
つき
)
の
浮
(
う
)
く
湖面
(
うなづら
)
を
渡
(
わた
)
るこの
宵
(
よひ
)
は
136
御空
(
みそら
)
の
雲
(
くも
)
の
上
(
うへ
)
行
(
ゆ
)
く
如
(
ごと
)
し』
137
宇礼志穂
(
うれしほ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
138
『
歓
(
よろこび
)
の
天地
(
あめつち
)
に
充
(
み
)
つるこの
国土
(
くに
)
は
139
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
の
真秀良場
(
まほらば
)
なるも
140
瑞御霊
(
みづみたま
)
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へて
天界
(
てんかい
)
の
141
真秀良場
(
まほらば
)
に
照
(
て
)
る
湖
(
うみ
)
の
月
(
つき
)
見
(
み
)
つ
142
真鶴
(
まなづる
)
の
稚
(
わか
)
き
国原
(
くにばら
)
わかわかしく
143
湖水
(
こすゐ
)
のみどりに
潤
(
うるほ
)
ひ
栄
(
さか
)
えむ
144
久方
(
ひさかた
)
の
天
(
あめ
)
をうつせるこの
湖
(
うみ
)
は
145
天津
(
あまつ
)
月日
(
つきひ
)
も
永久
(
とは
)
に
宿
(
やど
)
らす
146
この
清
(
きよ
)
き
水底
(
みそこ
)
に
遊
(
あそ
)
ぶ
魚鱗
(
うろくづ
)
は
147
月
(
つき
)
を
仰
(
あふ
)
ぎて
浮
(
うか
)
び
上
(
あが
)
りつ
148
天
(
あめ
)
も
地
(
つち
)
もよみがへりたる
心地
(
ここち
)
して
149
湖面
(
こめん
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
宵月
(
よひづき
)
を
見
(
み
)
つ
150
夕
(
ゆふ
)
されど
御空
(
みそら
)
の
月
(
つき
)
の
底
(
そこ
)
ひまで
151
輝
(
かがや
)
く
湖畔
(
こはん
)
は
明
(
あか
)
るかりけり
152
とこしへの
歓
(
よろこ
)
び
充
(
み
)
つる
天界
(
てんかい
)
に
153
生
(
い
)
きて
歎
(
なげ
)
かふ
神
(
かみ
)
は
曲
(
まが
)
なれ
154
空
(
そら
)
高
(
たか
)
く
底
(
そこ
)
深
(
ふか
)
みつつこの
湖
(
うみ
)
の
155
面
(
おもて
)
にうかぶ
蒼空
(
あをぞら
)
の
色
(
いろ
)
156
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
清
(
きよ
)
く
幸
(
さちは
)
ひて
157
澄
(
す
)
みきりますかこれの
湖
(
みづうみ
)
158
澄
(
す
)
みきらふ
月
(
つき
)
のしたびに
吾
(
われ
)
立
(
た
)
ちて
159
湖底
(
こてい
)
の
月
(
つき
)
を
下
(
した
)
に
見
(
み
)
るかな
160
瑞御霊
(
みづみたま
)
出
(
い
)
でます
道
(
みち
)
の
幸
(
さちは
)
ひを
161
明
(
あか
)
して
冴
(
さ
)
ゆる
湖上
(
こじやう
)
の
月光
(
つきかげ
)
162
千万
(
ちよろづ
)
の
悩
(
なや
)
みにあひて
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
に
163
清
(
きよ
)
き
御空
(
みそら
)
の
下
(
した
)
に
月
(
つき
)
見
(
み
)
る』
164
美波志
(
みはし
)
比古
(
ひこ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
165
『
近
(
ちか
)
ければ
天
(
あめ
)
の
神橋
(
みはし
)
をかけ
渡
(
わた
)
し
166
この
湖
(
みづうみ
)
を
渡
(
わた
)
らまほしけれ
167
紫
(
むらさき
)
の
雲
(
くも
)
の
神橋
(
みはし
)
を
渡
(
わた
)
りゆく
168
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
なるかも
169
久方
(
ひさかた
)
の
御空
(
みそら
)
は
蒼
(
あを
)
く
限
(
かぎ
)
りなく
170
果
(
はて
)
しも
知
(
し
)
らに
湖
(
うみ
)
に
写
(
うつ
)
れる
171
名
(
な
)
にしおふ
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
の
真秀良場
(
まほらば
)
や
172
この
湖
(
みづうみ
)
に
月
(
つき
)
宿
(
やど
)
るなり
173
いや
広
(
ひろ
)
に
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
はひろごりて
174
湖水
(
こすゐ
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りを
照
(
てら
)
せり
175
そよ
風
(
かぜ
)
は
吹
(
ふ
)
き
出
(
い
)
でにけり
黄金
(
こがね
)
なす
176
波
(
なみ
)
のおもてに
月
(
つき
)
はさゆれつ
177
波
(
なみ
)
の
間
(
ま
)
に
浮
(
うか
)
べる
月
(
つき
)
の
光
(
かげ
)
清
(
きよ
)
し
178
湖面
(
こめん
)
を
見
(
み
)
つつ
心
(
こころ
)
躍
(
をど
)
るも
179
つぎつぎに
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
は
強
(
つよ
)
まりぬ
180
波間
(
なみま
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
月
(
つき
)
を
砕
(
くだ
)
きつ
181
そよ風に
波紋
(
はもん
)
描
(
ゑが
)
きて
湖
(
うみ
)
の
面
(
も
)
は
182
右
(
みぎ
)
と
左
(
ひだり
)
に
月
(
つき
)
をひろげつ
183
百千々
(
ももちぢ
)
に
砕
(
くだ
)
けて
月
(
つき
)
は
波
(
なみ
)
の
面
(
も
)
に
184
世
(
よ
)
の
移
(
うつ
)
りゆくさまを
示
(
しめ
)
せり』
185
産玉
(
うぶたま
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
186
『
夕凪
(
ゆふなぎ
)
の
湖
(
うみ
)
に
忽
(
たちま
)
ち
風
(
かぜ
)
立
(
た
)
ちて
187
あたら
月光
(
つきかげ
)
千々
(
ちぢ
)
に
砕
(
くだ
)
けつ
188
湖
(
みづうみ
)
の
月
(
つき
)
は
砕
(
くだ
)
けて
乱
(
みだ
)
るれど
189
御空
(
みそら
)
の
月
(
つき
)
は
変
(
かは
)
らざりける
190
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
天心
(
てんしん
)
に
輝
(
かがや
)
きて
191
わが
立
(
た
)
つかげも
短
(
みじか
)
くなれり
192
天心
(
てんしん
)
にいつきて
動
(
うご
)
かぬ
月光
(
つきかげ
)
は
193
雄々
(
をを
)
しかりけり
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
か
194
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
もいよいよ
高
(
たか
)
くなりにけり
195
水
(
み
)
の
面
(
も
)
にをどる
月
(
つき
)
をめづるか
196
向
(
むか
)
つ
岸
(
きし
)
に
岐美
(
きみ
)
の
渡
(
わた
)
らす
今宵
(
こよひ
)
なり
197
風
(
かぜ
)
もしづまれ
波
(
なみ
)
もをさまれ
198
波
(
なみ
)
がしら
白々
(
しろじろ
)
光
(
ひか
)
る
湖
(
うみ
)
の
面
(
も
)
に
199
夕
(
ゆふべ
)
を
浮
(
う
)
ける
水鳥
(
みづとり
)
白
(
しろ
)
しも
200
水鳥
(
みづとり
)
の
翼
(
つばさ
)
かがよふ
月光
(
つきかげ
)
は
201
いやますますに
冴
(
さ
)
えわたりつつ
202
岐美
(
きみ
)
が
行
(
ゆ
)
く
波路
(
なみぢ
)
静
(
しづか
)
に
守
(
まも
)
れかし
203
湖底
(
みそこ
)
に
潜
(
ひそ
)
みて
守
(
まも
)
る
神々
(
かみがみ
)
204
瑞御霊
(
みづみたま
)
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へ
玉野湖
(
たまのうみ
)
205
渡
(
わた
)
らむ
今宵
(
こよひ
)
は
静
(
しづか
)
なれかし』
206
魂機張
(
たまきはる
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
207
『たまきはる
生命
(
いのち
)
うるほす
月読
(
つきよみ
)
の
208
神
(
かみ
)
守
(
まも
)
りませ
水
(
みづ
)
の
上
(
へ
)
の
旅
(
たび
)
を
209
つぎつぎに
風
(
かぜ
)
高
(
たか
)
まりぬ
波
(
なみ
)
荒
(
あ
)
れぬ
210
月
(
つき
)
は
砕
(
くだ
)
けぬうれたきの
夜
(
よ
)
や
211
水底
(
みなそこ
)
に
潜
(
ひそ
)
むは
正
(
まさ
)
しく
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
の
212
神
(
かみ
)
の
魂
(
みたま
)
とわれ
覚
(
おぼ
)
ゆなり
213
ナノヌネニこの
言霊
(
ことたま
)
の
功績
(
いさをし
)
に
214
今立
(
いまた
)
つ
波
(
なみ
)
をなぎふせて
見
(
み
)
む
215
ナノヌネニこの
言霊
(
ことたま
)
の
功績
(
いさをし
)
に
216
曲
(
まが
)
の
荒
(
あら
)
ぶる
術
(
すべ
)
なかるらむ
217
清
(
きよ
)
き
明
(
あか
)
き
心
(
こころ
)
になり
出
(
づ
)
る
言霊
(
ことたま
)
に
218
如何
(
いか
)
でしるしのなかるべきやは
219
ほのぼのと
湖面
(
こめん
)
に
狭霧
(
さぎり
)
たちこめて
220
波
(
なみ
)
は
漸
(
やうや
)
く
凪
(
な
)
ぎ
渡
(
わた
)
りけり
221
この
清
(
きよ
)
きさやけき
湖
(
うみ
)
に
狭霧
(
さぎり
)
たちて
222
水底
(
みそこ
)
の
月
(
つき
)
は
光
(
かげ
)
うすらぎぬ
223
瑞御霊
(
みづみたま
)
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ふ
今宵
(
こよひ
)
なり
224
水底
(
みそこ
)
の
神
(
かみ
)
よ
狭霧
(
さぎり
)
晴
(
は
)
らさへ』
225
結比合
(
むすびあはせ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
226
『つぎつぎに
狭霧
(
さぎり
)
は
立
(
た
)
ちてひろびろと
227
輝
(
かがや
)
く
湖
(
うみ
)
を
稍
(
やや
)
狭
(
せば
)
めたり
228
水底
(
みなそこ
)
の
月
(
つき
)
は
次第
(
しだい
)
にかくれつつ
229
御空
(
みそら
)
の
海
(
うみ
)
のみ
月
(
つき
)
の
浮
(
うか
)
べる
230
写
(
うつ
)
るべき
月
(
つき
)
は
狭霧
(
さぎり
)
に
包
(
つつ
)
まれて
231
この
湖
(
うみ
)
の
面
(
も
)
は
薄
(
うす
)
ら
暗
(
くら
)
きも
232
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
恨
(
うら
)
みの
炎
(
ほのほ
)
かたまりて
233
またもや
狭霧
(
さぎり
)
の
湧
(
わ
)
き
立
(
た
)
つならむか
234
よしやよし
黒雲
(
くろくも
)
四方
(
よも
)
を
包
(
つつ
)
むとも
235
生言霊
(
いくことたま
)
に
吹
(
ふ
)
きはらひ
見
(
み
)
む』
236
美味素
(
うましもと
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
237
『
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしに
国土生
(
くにう
)
み
神生
(
かみう
)
みの
238
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
たせる
岐美
(
きみ
)
と
知
(
し
)
らずや
239
湖底
(
うなそこ
)
の
神
(
かみ
)
よ
静
(
しづか
)
に
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
せ
240
この
湖
(
みづうみ
)
も
神
(
かみ
)
のたまもの
241
国土生
(
くにう
)
みの
妨
(
さまた
)
げなさむ
神
(
かみ
)
あらば
242
伊吹
(
いぶ
)
き
払
(
はら
)
はむ
言霊
(
ことたま
)
の
水火
(
いき
)
に
243
駒
(
こま
)
並
(
な
)
めて
今
(
いま
)
や
渡
(
わた
)
らむ
湖
(
みづうみ
)
の
244
面
(
おも
)
を
晴
(
は
)
らして
風
(
かぜ
)
よしづまれ
245
この
風
(
かぜ
)
は
科戸
(
しなど
)
の
神
(
かみ
)
の
水火
(
いき
)
ならず
246
水底
(
みそこ
)
の
曲
(
まが
)
の
詛
(
のろひ
)
の
水火
(
いき
)
なる
247
愛善
(
あいぜん
)
の
国
(
くに
)
の
真秀良場
(
まほらば
)
にあらはれし
248
これの
湖水
(
こすゐ
)
に
曲
(
まが
)
は
無
(
な
)
からむ
249
曲神
(
まがかみ
)
の
住処
(
すみか
)
とすべき
湖
(
うみ
)
ならず
250
早
(
はや
)
く
去
(
さ
)
れ
去
(
さ
)
れただに
退
(
しりぞ
)
け
251
言霊
(
ことたま
)
の
水火
(
いき
)
も
恐
(
おそ
)
れぬ
神
(
かみ
)
なれば
252
この
天地
(
あめつち
)
に
住
(
す
)
まはせじと
思
(
おも
)
ふ』
253
真言厳
(
まこといづ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
うたひ
給
(
たま
)
ふ。
254
『われこそは
真言
(
まこと
)
の
厳
(
いづ
)
の
神
(
かみ
)
なるぞ
255
湖
(
うみ
)
を
晴
(
は
)
らして
岐美
(
きみ
)
を
通
(
とほ
)
せよ
256
湖
(
うみ
)
の
神
(
かみ
)
よわが
言霊
(
ことたま
)
を
聞
(
き
)
かずして
257
はむかひ
来
(
きた
)
るか
生命
(
いのち
)
知
(
し
)
らずに
258
千早
(
ちはや
)
振
(
ふ
)
る
神
(
かみ
)
の
造
(
つく
)
りし
湖
(
みづうみ
)
に
259
穢
(
けがれ
)
あらすな
瑞御霊
(
みづみたま
)
神
(
がみ
)
』
260
かく
神々
(
かみがみ
)
は、
261
各
(
おの
)
も
各
(
おの
)
もに
御歌
(
みうた
)
うたひて、
262
湖
(
みづうみ
)
の
神
(
かみ
)
をなだめつ
諭
(
さと
)
しつ
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
し
給
(
たま
)
へども、
263
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
恋
(
こひ
)
の
炎
(
ほのほ
)
は
強
(
つよ
)
く
猛
(
たけ
)
く、
264
神々
(
かみがみ
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
の
光
(
ひかり
)
さへ、
265
包
(
つつ
)
みかくすぞうたてけれ。
266
(
昭和八・一〇・二三
旧九・五
於水明閣
白石恵子
謹録)
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