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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第74巻(丑の巻)
序文
総説
第1篇 渺茫千里
第1章 科戸の風
第2章 野路の草枕
第3章 篠の笹原
第4章 朝露の光
第5章 言霊神橋
第6章 真鶴山霊
第7章 相聞の闇
第8章 黒雲晴明
第9章 真鶴鳴動
第2篇 真鶴新国
第10章 心の手綱
第11章 万代の誓
第12章 森の遠望
第13章 水上の月
第14章 真心の曇らひ
第15章 晴天澄潮
第16章 真言の力(一)
第17章 真言の力(二)
第18章 玉野の森
第19章 玉野の神丘
第20章 松下の述懐
第3篇 玉藻霊山
第21章 玉野清庭
第22章 天地は曇る
第23章 意想の外
第24章 誠の化身
第25章 感歎幽明
第26章 総神登丘
余白歌
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第74巻(丑の巻)
> 第2篇 真鶴新国 > 第14章 真心の曇らひ
<<< 水上の月
(B)
(N)
晴天澄潮 >>>
第一四章
真心
(
まごころ
)
の
曇
(
くも
)
らひ〔一八八二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第74巻 天祥地瑞 丑の巻
篇:
第2篇 真鶴新国
よみ(新仮名遣い):
まなづるしんこく
章:
第14章 真心の曇らひ
よみ(新仮名遣い):
まごころのくもらい
通し章番号:
1882
口述日:
1933(昭和8)年10月24日(旧09月6日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年1月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
宇宙間において、もっとも強く美しいものは、愛の発動である。なぜなら、大虚空中に愛の発動があったからこそスの言霊が生まれ、天地の万神が生まれたからである(=神は愛なり力なり)。
ただ、愛からスク、スカヌの言霊が生まれるとおり、その度合いによって、生成化育が成就するときもあれば、度が過ぎて一切を破壊することにもなりうる。
だから、愛には善、悪、大、小がある、というのである。神の愛は善にして大、一方小愛・悪愛は、自己愛となり、他を害し、争いと破壊をもたらす。
生代比女の顕津男の神に対する愛は積み重なり、募って怨恨となってしまった。その炎は比女の身魂を焼き、大蛇となって玉野湖底に潜むにいたった。
大蛇は神々の一行を待ち受けており、静かだった玉野湖はたちまち暗黒となり、荒れ狂った。
顕津男の神は比女を諭す歌を歌うが、生代比女は闇の中から突然現れ、顕津男の神への恨みを吐露し、幾億万劫の末までも恋の悪魔となって祟る、と呪った。
諭しの歌も大蛇となった生代比女には届なかった。顕津男の神はついに、如何なる罪に問われようとも、主の神の神言に背いても、比女の誠の心に報いようとの決意を歌った。
すると、たちまち天は晴れ渡り、湖も鏡のようにおさまった。満月の光が晧晧と、湖面を照らした。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-05-08 11:55:12
OBC :
rm7414
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 217頁
修補版:
校定版:
213頁
普及版:
初版:
ページ備考:
派生
[?]
この文献を底本として書かれたと思われる文献です。
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:
出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第二篇 教育雑録 > 第二章 真心の曇らひ
出口王仁三郎著作集 > 第三巻 愛と美といのち > [1] 愛 > [1-2] 愛の善と愛の悪 > [1-2-2] 愛の情動
001
無始
(
むし
)
無終
(
むしう
)
の
宇宙間
(
うちうかん
)
に
於
(
おい
)
て、
002
最
(
もつと
)
も
強
(
つよ
)
く
美
(
うるは
)
しきものは
愛
(
あい
)
の
発動
(
はつどう
)
なり。
003
大虚空
(
だいこくう
)
中
(
ちう
)
に
愛
(
あい
)
の
発動
(
はつどう
)
ありて
始
(
はじ
)
めてスの
言霊
(
ことたま
)
は
生
(
うま
)
れ、
004
天地
(
てんち
)
の
万神
(
ばんしん
)
は
生
(
うま
)
る。
005
故
(
ゆゑ
)
に
神
(
かみ
)
は
愛
(
あい
)
なり
力
(
ちから
)
なりと
称
(
しよう
)
する
所以
(
ゆゑん
)
なり。
006
愛
(
あい
)
あるが
故
(
ゆゑ
)
に
宇宙
(
うちう
)
は
創造
(
さうざう
)
され、
007
万物
(
ばんぶつ
)
は
発生
(
はつせい
)
す。
008
宇宙間
(
うちうかん
)
一切
(
いつさい
)
のものはこの
愛
(
あい
)
に
左右
(
さいう
)
され、
009
創造
(
さうざう
)
も
建設
(
けんせつ
)
も
破壊
(
はくわい
)
も
滅亡
(
めつばう
)
も
混乱
(
こんらん
)
も
生
(
しやう
)
ずるものなり。
010
愛
(
あい
)
は
最
(
もつと
)
も
尊
(
たふと
)
むべくかつ
恐
(
おそ
)
るべきものとす。
011
愛
(
あい
)
よりスク、
012
スカヌの
言霊
(
ことたま
)
は
生
(
うま
)
るるなり、
013
愛
(
あい
)
の
情動
(
じやうどう
)
にしてその
度合
(
どあひ
)
よろしければ、
014
生成
(
せいせい
)
化育
(
くわいく
)
の
神業
(
みわざ
)
は
完成
(
くわんせい
)
し、
015
愛
(
あい
)
の
情動
(
じやうどう
)
の
度合
(
どあひ
)
過
(
す
)
ぐれば、
016
遂
(
つひ
)
には
一切
(
いつさい
)
を
破壊
(
はくわい
)
するに
至
(
いた
)
る。
017
而
(
しか
)
して、
018
愛
(
あい
)
には
善
(
ぜん
)
あり、
019
悪
(
あく
)
あり、
020
大
(
だい
)
あり、
021
小
(
せう
)
あり。
022
神
(
かみ
)
の
愛
(
あい
)
は
愛善
(
あいぜん
)
にして、
023
世間
(
せけん
)
一切
(
いつさい
)
の
愛
(
あい
)
は
愛悪
(
あいあく
)
なり。
024
神
(
かみ
)
の
愛
(
あい
)
は
大愛
(
たいあい
)
にして
世間
(
せけん
)
の
愛
(
あい
)
は
小愛
(
せうあい
)
なり。
025
わが
身
(
み
)
を
愛
(
あい
)
し、
026
わが
家
(
いへ
)
を
愛
(
あい
)
し、
027
わが
郷土
(
きやうど
)
を
愛
(
あい
)
し、
028
わが
国土
(
こくど
)
を
愛
(
あい
)
するは
所謂
(
いはゆる
)
自己愛
(
じこあい
)
にして、
029
神
(
かみ
)
の
大愛
(
たいあい
)
に
比
(
ひ
)
して
雲泥
(
うんでい
)
の
相違
(
さうゐ
)
あり。
030
故
(
ゆゑ
)
に
小愛
(
せうあい
)
は
我情
(
がじやう
)
我欲
(
がよく
)
の
心
(
こころ
)
を
増長
(
ぞうちやう
)
せしめ、
031
遂
(
つひ
)
には
自己愛
(
じこあい
)
のために
他人
(
たにん
)
を
害
(
がい
)
し、
032
他家
(
たけ
)
を
破
(
やぶ
)
り、
033
他郷
(
たきやう
)
と
争
(
あらそ
)
ひ、
034
他
(
た
)
の
国
(
くに
)
と
戦
(
たたか
)
ひ、
035
遂
(
つひ
)
に
彼我共
(
ひがとも
)
に
惨禍
(
さんくわ
)
の
洗礼
(
せんれい
)
を
受
(
う
)
くるに
至
(
いた
)
る。
036
又
(
また
)
神
(
かみ
)
の
愛
(
あい
)
は
大愛
(
たいあい
)
なれば、
037
宇宙
(
うちう
)
一切
(
いつさい
)
万有
(
ばんいう
)
に
普遍
(
ふへん
)
して
毫
(
がう
)
も
依怙
(
えこ
)
の
沙汰
(
さた
)
なし。
038
世間
(
せけん
)
の
愛
(
あい
)
は
他
(
た
)
を
顧
(
かへり
)
みず、
039
只管
(
ひたすら
)
にわが
身
(
み
)
を
愛
(
あい
)
し、
040
わが
家
(
いへ
)
を
愛
(
あい
)
し、
041
わが
郷土
(
きやうど
)
を
愛
(
あい
)
し、
042
わが
国家
(
こくか
)
を
愛
(
あい
)
するが
故
(
ゆゑ
)
に、
043
他
(
た
)
よりもし
不利益
(
ふりえき
)
を
加
(
くは
)
へらるると
見
(
み
)
る
時
(
とき
)
は、
044
忽
(
たちま
)
ち
立
(
た
)
つて
反抗
(
はんかう
)
し
争闘
(
さうとう
)
し、
045
身
(
み
)
を
破
(
やぶ
)
り
家
(
いへ
)
を
破
(
やぶ
)
り
国家
(
こくか
)
を
破
(
やぶ
)
るに
至
(
いた
)
る。
046
恐
(
おそ
)
るべきは
愛
(
あい
)
の
情動
(
じやうどう
)
の
度合
(
どあひ
)
なり。
047
茲
(
ここ
)
に
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
個性
(
こせい
)
的
(
てき
)
愛
(
あい
)
は
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
なりて
恋
(
こひ
)
となり、
048
恋
(
こひ
)
ますます
募
(
つの
)
りて
怨恨
(
ゑんこん
)
となり、
049
胸
(
むね
)
に
瞋恚
(
しんい
)
の
炎
(
ほのほ
)
燃
(
も
)
えさかり、
050
其
(
その
)
心魂
(
しんこん
)
を
焼
(
や
)
きし
炎
(
ほのほ
)
は
濛々
(
もうもう
)
として
立
(
た
)
ち
昇
(
のぼ
)
り、
051
黒煙
(
こくえん
)
となりて
天
(
てん
)
を
包
(
つつ
)
み、
052
尚
(
な
)
ほ
堪
(
た
)
へ
切
(
き
)
れぬままに
霊魂化
(
れいこんくわ
)
して
大蛇
(
をろち
)
となり、
053
炎熱
(
えんねつ
)
の
苦
(
くる
)
しみを
防
(
ふせ
)
がむとして、
054
遂
(
つひ
)
には
玉野
(
たまの
)
湖底
(
こてい
)
にひそみたるこそ、
055
実
(
げ
)
に
恐
(
おそろ
)
しき
次第
(
しだい
)
なり。
056
総
(
すべ
)
て
恋
(
こひ
)
なるものは
自己愛
(
じこあい
)
に
属
(
ぞく
)
するが
故
(
ゆゑ
)
に、
057
他
(
た
)
を
顧
(
かへり
)
みるの
暇
(
いとま
)
なく
遂
(
つひ
)
にはわが
身
(
み
)
を
破
(
やぶ
)
り、
058
人
(
ひと
)
を
損
(
そこな
)
ひ
世界
(
せかい
)
を
毒
(
どく
)
し
天下
(
てんか
)
を
乱
(
みだ
)
すに
至
(
いた
)
るものなり。
059
故
(
ゆゑ
)
に
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
の
神
(
かみ
)
の
清
(
きよ
)
き
明
(
あか
)
き
正
(
ただ
)
しき
御心
(
みこころ
)
より
迸
(
ほとばし
)
る
生言霊
(
いくことたま
)
の
力
(
ちから
)
をもつてするも、
060
猛烈
(
まうれつ
)
なこの
恋
(
こひ
)
の
炎
(
ほのほ
)
を
消
(
け
)
しとむるに
由
(
よし
)
なかりける。
061
然
(
しか
)
りと
雖
(
いへど
)
も
大愛
(
たいあい
)
の
心
(
こころ
)
より
出
(
い
)
でし
明
(
あか
)
き
清
(
きよ
)
き
真
(
まこと
)
の
言霊
(
ことたま
)
には
反抗
(
はんかう
)
する
能
(
あた
)
はず、
062
遂
(
つひ
)
には
帰順
(
きじゆん
)
せざるを
得
(
え
)
ざるに
至
(
いた
)
るは、
063
厳
(
げん
)
として
犯
(
をか
)
すべからざる
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
なればなり。
064
茲
(
ここ
)
に
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
065
真鶴山
(
まなづるやま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
於
(
お
)
ける、
066
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
情
(
なさけ
)
のこもりし
生言霊
(
いくことたま
)
の
御歌
(
みうた
)
によりてしばし
心
(
こころ
)
を
和
(
なご
)
め
給
(
たま
)
ひしが、
067
再
(
ふたた
)
び
恋々
(
れんれん
)
の
情火
(
じやうか
)
燃
(
も
)
えさかり、
068
黒雲
(
こくうん
)
天
(
てん
)
に
漲
(
みなぎ
)
りて
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
進路
(
しんろ
)
を
妨
(
さまた
)
げ、
069
遂
(
つひ
)
にはスの
神
(
かみ
)
の
厳
(
おごそ
)
かなる
威力
(
ゐりよく
)
に
畏服
(
ゐふく
)
して
真鶴山
(
まなづるやま
)
を
捨
(
す
)
て、
070
玉野
(
たまの
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
永久
(
とは
)
に
鎮
(
しづ
)
まりたまふ
宮居
(
みやゐ
)
に
近
(
ちか
)
き
玉野
(
たまの
)
湖水
(
こすゐ
)
に
蛇身
(
じやしん
)
となりて
湖底
(
こてい
)
深
(
ふか
)
く
潜
(
ひそ
)
み、
071
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
渡
(
わた
)
り
来
(
き
)
ませるを
今
(
いま
)
や
遅
(
おそ
)
しと、
072
さしもに
広
(
ひろ
)
き
湖水
(
こすゐ
)
の
水
(
みづ
)
を、
073
胸
(
むね
)
の
火
(
ひ
)
に
沸
(
わ
)
きかへらせつ、
074
恋
(
こひ
)
の
意地
(
いぢ
)
を
達
(
たつ
)
せむと
待
(
ま
)
ちかまへ
居
(
ゐ
)
たまひしぞ
恐
(
おそ
)
ろしき。
075
空
(
そら
)
蒼
(
あを
)
く
海
(
うみ
)
又
(
また
)
青
(
あを
)
く、
076
風
(
かぜ
)
は
白梅
(
しらうめ
)
の
香
(
か
)
を
送
(
おく
)
り、
077
浪
(
なみ
)
穏
(
おだや
)
かに
満月
(
まんげつ
)
の
光
(
かげ
)
清
(
きよ
)
く
浮
(
うか
)
みて
鏡
(
かがみ
)
の
如
(
ごと
)
く
澄
(
す
)
み
切
(
き
)
り、
078
落着
(
おちつ
)
きたる
夕
(
ゆふべ
)
の
湖面
(
こめん
)
は
忽
(
たちま
)
ち
暴風
(
ばうふう
)
吹
(
ふ
)
き
起
(
おこ
)
り、
079
大雨
(
たいう
)
沛然
(
はいぜん
)
として
臻
(
いた
)
り、
080
浪
(
なみ
)
逆巻
(
さかま
)
きて
容易
(
ようい
)
に
越
(
こ
)
ゆべからざるに
至
(
いた
)
らしめたるぞ
是非
(
ぜひ
)
なけれ。
081
今迄
(
いままで
)
清皎々
(
せいかうかう
)
と
輝
(
かがや
)
きたる
月
(
つき
)
は
忽
(
たちま
)
ち
黒雲
(
くろくも
)
にかくれ、
082
四辺
(
しへん
)
をつつみし
湯気煙
(
ゆげけむり
)
は、
083
灰白色
(
くわいはくしよく
)
となりて、
084
神々
(
かみがみ
)
の
一行
(
いつかう
)
の
辺
(
あた
)
りをつつみ、
085
如何
(
いかん
)
ともなす
由
(
よし
)
なきに
至
(
いた
)
らしめたるも、
086
猛烈
(
まうれつ
)
なる
恋
(
こひ
)
より
燃
(
も
)
え
出
(
い
)
でたる
瞋恚
(
しんい
)
の
炎
(
ほのほ
)
の
荒
(
すさ
)
びなりける。
087
故
(
ゆゑ
)
に
最
(
もつと
)
も
親
(
した
)
しむべきは
神
(
かみ
)
にして、
088
最
(
もつと
)
も
恐
(
おそ
)
るべきは
恋
(
こひ
)
の
情動
(
じやうどう
)
なりと
知
(
し
)
るべし。
089
嗚呼
(
ああ
)
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
090
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は、
091
忽
(
たちま
)
ち
湖上
(
こじやう
)
の
光景
(
くわうけい
)
一変
(
いつぺん
)
して、
092
四辺
(
しへん
)
暗黒
(
あんこく
)
となり、
093
不快
(
ふくわい
)
なる
空気
(
くうき
)
の
身辺
(
しんぺん
)
を
包
(
つつ
)
みたれば、
094
生言霊
(
いくことたま
)
の
御稜威
(
みいづ
)
によりてこの
暗澹
(
あんたん
)
たる
天地
(
てんち
)
を
清
(
きよ
)
めむと、
095
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
096
『あさましも
天地
(
あめつち
)
一度
(
いちど
)
にふさぎたる
097
この
黒雲
(
くろくも
)
は
恋
(
こひ
)
の
炎
(
ほのほ
)
よ
098
大愛
(
たいあい
)
の
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
神言
(
みこと
)
もて
099
国土
(
くに
)
造
(
つく
)
る
我
(
われ
)
を
艱
(
なや
)
ますな
夢
(
ゆめ
)
100
美
(
うるは
)
しき
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
をかくのごと
101
曇
(
くも
)
らす
恋
(
こひ
)
の
曲神
(
まがかみ
)
怪
(
あや
)
しも
102
我
(
われ
)
こそは
国土生
(
くにう
)
み
神生
(
かみう
)
みの
神業
(
かむわざ
)
に
103
仕
(
つか
)
ふる
神
(
かみ
)
ぞ
大愛
(
たいあい
)
の
神
(
かみ
)
104
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
愛
(
めぐ
)
しと
思
(
おも
)
へども
105
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしに
反
(
そむ
)
くよしなき
106
片時
(
かたとき
)
もはやく
天地
(
てんち
)
を
明
(
あか
)
しませ
107
わが
大愛
(
たいあい
)
の
心
(
こころ
)
さとりて
108
久方
(
ひさかた
)
の
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
は
冴
(
さ
)
ゆれども
109
この
醜雲
(
しこぐも
)
を
射通
(
いとほ
)
す
術
(
すべ
)
なき
110
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
心
(
こころ
)
平
(
たひら
)
に
安
(
やす
)
らかに
111
わが
大愛
(
たいあい
)
の
心
(
こころ
)
を
悟
(
さと
)
らせ
112
思
(
おも
)
ひきや
国魂神
(
くにたまがみ
)
を
生
(
う
)
む
度
(
たび
)
に
113
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがみ
)
にさやらるるとは
114
至善
(
しぜん
)
至美
(
しび
)
果
(
はて
)
しも
知
(
し
)
らぬ
天界
(
てんかい
)
に
115
狭
(
せま
)
き
心
(
こころ
)
を
捨
(
す
)
てよ
比女神
(
ひめがみ
)
116
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
愛
(
あい
)
に
魂
(
みたま
)
を
光
(
て
)
らしつつ
117
乱
(
みだ
)
れたる
思
(
おも
)
ひをのぞかせ
給
(
たま
)
へ』
118
斯
(
か
)
く
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふや、
119
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
より
茫然
(
ばうぜん
)
と
夢幻
(
ゆめまぼろし
)
の
如
(
ごと
)
く
現
(
あらは
)
れたる
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
120
獰猛
(
だうもう
)
なる
面
(
おも
)
を
一行
(
いつかう
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あらは
)
し、
121
恨
(
うら
)
みの
形相
(
ぎやうさう
)
凄
(
すさま
)
じく、
122
『
恨
(
うら
)
めしき
岐美
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
よ
言霊
(
ことたま
)
よ
123
吾
(
われ
)
はなやみて
大蛇
(
をろち
)
となりぬる
124
清
(
きよ
)
かりし
乙女
(
をとめ
)
の
胸
(
むね
)
をこがしたる
125
岐美
(
きみ
)
は
大蛇
(
をろち
)
を
生
(
う
)
みましにけり
126
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
かかる
姿
(
すがた
)
となり
果
(
は
)
てて
127
ますます
岐美
(
きみ
)
を
恨
(
うら
)
みこそすれ
128
水底
(
みなそこ
)
に
常磐
(
ときは
)
堅磐
(
かきは
)
に
沈
(
しづ
)
み
居
(
ゐ
)
て
129
恋
(
こひ
)
の
仇
(
あだ
)
をば
報
(
むく
)
いむと
思
(
おも
)
ふ
130
女神
(
めがみ
)
男神
(
をがみ
)
この
湖原
(
うなばら
)
を
渡
(
わた
)
りなば
131
吾
(
われ
)
は
大蛇
(
をろち
)
となりて
呑
(
の
)
むべし
132
玉野
(
たまの
)
比女
(
ひめ
)
に
見合
(
みあは
)
す
岐美
(
きみ
)
の
恨
(
うら
)
めしさ
133
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りになやましまつらむ
134
生言霊
(
いくことたま
)
如何
(
いか
)
に
宣
(
の
)
らすも
恋
(
こひ
)
故
(
ゆゑ
)
に
135
乱
(
みだ
)
れし
吾
(
われ
)
をまつらふ
術
(
すべ
)
なけむ
136
わが
思
(
おも
)
ひ
黒雲
(
くろくも
)
となりて
天
(
あめ
)
を
閉
(
と
)
ぢ
137
大蛇
(
をろち
)
となりて
地
(
つち
)
を
乱
(
みだ
)
さむ
138
恋
(
こひ
)
すてふ
心
(
こころ
)
なければかくまでも
139
岐美
(
きみ
)
を
憎
(
にく
)
しと
思
(
おも
)
はざりけむ
140
岐美
(
きみ
)
故
(
ゆゑ
)
に
吾
(
われ
)
はなやめり
岐美
(
きみ
)
故
(
ゆゑ
)
に
141
吾
(
われ
)
は
焦
(
こが
)
れて
大蛇
(
をろち
)
となりける
142
めぐしさの
重
(
かさな
)
り
合
(
あ
)
ひて
憎
(
にく
)
しみの
143
炎
(
ほのほ
)
燃
(
も
)
えつつ
大蛇
(
をろち
)
となりける
144
美
(
うるは
)
しき
真鶴山
(
まなづるやま
)
の
守
(
まも
)
り
神
(
がみ
)
も
145
岐美
(
きみ
)
故
(
ゆゑ
)
大蛇
(
をろち
)
となりしを
知
(
し
)
らずや
146
わが
思
(
おも
)
ひ
幾億
(
いくおく
)
万劫
(
まんごふ
)
の
末
(
すゑ
)
までも
147
恋
(
こひ
)
の
悪魔
(
あくま
)
となりて
祟
(
たた
)
らむ
148
恐
(
おそ
)
るべきものは
恋路
(
こひぢ
)
と
思召
(
おぼしめ
)
せ
149
岐美
(
きみ
)
がつくりし
国土
(
くに
)
に
仇
(
あだ
)
せむを
150
わが
思
(
おも
)
ひ
凝
(
こ
)
りかたまりて
山
(
やま
)
に
海
(
うみ
)
に
151
河
(
かは
)
又
(
また
)
沼
(
ぬま
)
に
潜
(
ひそ
)
みてなやめむ』
152
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
うたひ
給
(
たま
)
ふ。
153
『ねもごろにわが
説
(
と
)
きさとす
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
を
154
公
(
きみ
)
は
聞
(
き
)
かずや
諾
(
うべな
)
ひまさずや
155
厳
(
おごそ
)
かなる
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
に
生
(
うま
)
れ
生
(
い
)
でで
156
大蛇
(
をろち
)
となりし
公
(
きみ
)
ぞいぢらし
157
恋
(
こひ
)
すてふ
心
(
こころ
)
の
誠
(
まこと
)
は
諾
(
うべな
)
へど
158
わが
儘
(
まま
)
ならぬ
神生
(
かみう
)
みの
旅
(
たび
)
よ
159
あだし
女
(
め
)
に
見合
(
みあ
)
ひて
永久
(
とは
)
の
罪
(
つみ
)
穢
(
けがれ
)
160
世
(
よ
)
に
残
(
のこ
)
さむを
恐
(
おそ
)
るる
我
(
われ
)
なり
161
言霊
(
ことたま
)
の
厳
(
いづ
)
の
光
(
ひかり
)
もつつむなる
162
恋
(
こひ
)
の
炎
(
ほのほ
)
のあつくもあるかな
163
何事
(
なにごと
)
も
湖水
(
こすゐ
)
の
水
(
みづ
)
に
流
(
なが
)
しまして
164
わが
言霊
(
ことたま
)
によみがへりませよ
165
アオウエイあつき
心
(
こころ
)
の
炎
(
ほのほ
)
をば
166
この
真清水
(
ましみづ
)
にあらひて
生
(
い
)
かせよ
167
天地
(
あめつち
)
に
恐
(
おそ
)
るるものは
吾
(
われ
)
なけど
168
恋
(
こひ
)
の
炎
(
ほのほ
)
に
艱
(
なや
)
まされける』
169
生代
(
いくよ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
微
(
かすか
)
に
歌
(
うた
)
ふ。
170
『いとこやの
岐美
(
きみ
)
をめぐしみ
吾
(
われ
)
遂
(
つひ
)
に
171
憎
(
にくみ
)
の
神
(
かみ
)
となり
果
(
は
)
てにける
172
いとしさの
胸
(
むね
)
にあまりて
憎
(
にく
)
しみの
173
深
(
ふか
)
くなりぬる
吾
(
われ
)
は
悲
(
かな
)
しも
174
恨
(
うら
)
むべき
道
(
みち
)
なき
岐美
(
きみ
)
を
恨
(
うら
)
みまつり
175
吾
(
われ
)
は
大蛇
(
をろち
)
の
霊魂
(
みたま
)
となりぬる
176
岐美
(
きみ
)
故
(
ゆゑ
)
に
吾
(
われ
)
よみがへり
岐美
(
きみ
)
故
(
ゆゑ
)
に
177
わが
魂線
(
たましひ
)
の
亡
(
ほろ
)
ぶと
知
(
し
)
らずや
178
わが
魂
(
たま
)
はよし
亡
(
ほろ
)
ぶともこの
思
(
おも
)
ひ
179
いや
次々
(
つぎつぎ
)
に
伝
(
つた
)
へて
止
(
や
)
まじ』
180
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
、
181
『
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
に
背
(
そむ
)
くと
知
(
し
)
りながら
182
いとしの
公
(
きみ
)
を
助
(
たす
)
けむと
思
(
おも
)
ふ
183
如何
(
いか
)
ならむ
罪
(
つみ
)
に
沈
(
しづ
)
むも
比女神
(
ひめがみ
)
の
184
誠
(
まこと
)
にむくゆと
心
(
こころ
)
定
(
さだ
)
めし
185
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
やすかれ
今
(
いま
)
よりは
186
なが
真心
(
まごころ
)
を
諾
(
うべな
)
ひまつるも』
187
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふや
一天
(
いつてん
)
忽
(
たちま
)
ち
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り、
188
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ふ
湖原
(
うなばら
)
も
俄
(
にはか
)
に
鏡
(
かがみ
)
の
如
(
ごと
)
くをさまりて、
189
満月
(
まんげつ
)
の
光
(
ひかり
)
皎々
(
かうかう
)
として、
190
さしもに
広
(
ひろ
)
き
湖面
(
こめん
)
は
更
(
さら
)
なり、
191
目路
(
めぢ
)
遠
(
とほ
)
き
国原
(
くにばら
)
を
隈
(
くま
)
なく
照
(
て
)
らし
給
(
たま
)
ひける。
192
(
昭和八・一〇・二四
旧九・六
於水明閣
加藤明子
謹録)
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